JPH11336518A - 電磁駆動バルブ - Google Patents

電磁駆動バルブ

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Publication number
JPH11336518A
JPH11336518A JP10181010A JP18101098A JPH11336518A JP H11336518 A JPH11336518 A JP H11336518A JP 10181010 A JP10181010 A JP 10181010A JP 18101098 A JP18101098 A JP 18101098A JP H11336518 A JPH11336518 A JP H11336518A
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JP
Japan
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armature
core
electromagnetically driven
driven valve
valve
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Pending
Application number
JP10181010A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Deo
隆志 出尾
Tatsuo Iida
達雄 飯田
Hiroyuki Hattori
宏之 服部
Masahiko Asano
昌彦 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Electromagnets (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電磁駆動バルブに関し、アーマチ
ャを電磁石に確実に吸引させつつ消費電力の低減を図る
ことを目的とする。 【解決手段】 第2コア100はアーマチャ46を開弁
側に吸引する電磁石を構成する。第2コア100には、
アーマチャ46側へ突起する磁石保持部100cが形成
され、その内周面にアシスト磁石が固定される。また、
第2コイル54を保持する環状溝100bの底部には第
2アシスト磁石102が配設され、更に、環状溝100
bの底面から第2コア100の底面に至る筒状のスリッ
ト104が形成される。アーマチャ46がアシスト磁石
56に接近すると、アシスト磁石56の発する磁束がア
ーマチャ46に流れ、更に第2コア100に接近する
と、第2アシスト磁石102の発する磁束がアーマチャ
46に流れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動バルブに
関し、特に、消費電力を低減するうえで好適な電磁駆動
バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平7−33543
7号に開示される如く、弁体を電気的に駆動する電磁駆
動バルブが知られている。この電磁駆動バルブは、弁体
に固定されたアーマチャと、アーマチャの変位方向両側
に配置された電磁石と、アーマチャを両電磁石間の中間
位置へ向けて付勢する一対のバネとを備えている。電磁
駆動バルブは、バネの発するバネ力と電磁石の発する電
磁力とを協働させることにより弁体を開閉動作させる。
【0003】上記従来の電磁駆動バルブは、アーマチャ
を電磁石に確実に吸引及び保持するため、電磁駆動バル
ブの作動状態に応じて、電磁石に供給する励磁電流を変
化させる。すなわち、一定の励磁電流に対して発生され
る電磁力の大きさがアーマチャを吸引及び保持するうえ
で不足するような状況下では、励磁電流を増加させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
の電磁駆動バルブによれば、アーマチャの吸引及び保持
を確実に行うためには、電磁石に十分な励磁電流を供給
する必要がある。その結果、電磁駆動バルブの消費電力
が増大してしまう。本発明は、上述の点に鑑みてなされ
たものであり、アーマチャを電磁石に確実に吸引させつ
つ、消費電力の低減を図ることが可能な電磁駆動バルブ
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、弁体と、該弁体に連結されたアーマチ
ャとを備え、磁気力及び弾性力を協働させて前記弁体を
駆動する電磁駆動バルブにおいて、コアに設けられた電
磁コイルを含み、前記電磁コイルに励磁電流が供給され
た場合に前記コアと前記アーマチャとの間に磁気吸引力
を作用させることにより前記弁体に駆動力を付与する主
磁気回路と、前記弁体に前記弁体と同方向のアシスト力
を作用させる副磁気回路とを備える電磁駆動バルブによ
り達成される。
【0006】また、上記の目的は、請求項1記載の電磁
駆動バルブにおいて、前記主磁気回路を前記アーマチャ
の両側に設けると共に、前記副磁気回路を前記主磁気回
路の少なくとも一方に対応して設けた電磁駆動バルブに
よっても達成される。請求項1及び2記載の発明におい
て、副磁気回路は弁体に駆動力と同方向のアシスト力を
作用させる。従って、このアシスト力の分だけ、主磁気
回路が発生すべき磁気吸引力が低減される。
【0007】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、請求項1又は2記載の電磁駆動バルブにおいて、
前記副磁気回路が永久磁石を含む電磁駆動バルブにより
効果的に達成される。請求項3 記載の発明において、副
磁気回路は永久磁石によりアシスト力を発生する。従っ
て、アシスト力を発生するための電力が不要とされるこ
とで、電磁駆動バルブの消費電力が効果的に低減され
る。
【0008】この場合、請求項7に記載する如く、請求
項3記載の電磁駆動バルブにおいて、前記永久磁石を前
記アーマチャと前記コアとの当接位置の近傍に設けても
よい。請求項7記載の発明において、永久磁石がアーマ
チャとコアとの当接位置の近傍に設けられるため、アー
マチャがコアの近傍に達すると、永久磁石が発する磁束
がコアとアーマチャとの間を流通することでアシスト力
が発生する。
【0009】また、請求項8に記載する如く、請求項3
記載の電磁駆動バルブにおいて、前記永久磁石を、前記
コアの内部に、前記電磁コイルに隣接して設けると共
に、前記コアの内部に、前記電磁石に隣接する非磁性部
を設けることとしてもよい。請求項8記載の発明におい
て、永久磁石はコア内部に電磁コイルに隣接して設けら
れると共に、コア内部に永久磁石に隣接する非磁性部が
設けられる。従って、アーマチャがコアから十分に離間
した状態では、永久磁石が発する磁束は、主としてコア
内部の非磁性部を経由して流通する。一方、アーマチャ
がコアに接近し、両者間の間隔が小さくなると、永久磁
石の発する磁束が非磁性部を経由するよりも、アーマチ
ャを経由する方が流通し易い状態が形成される。この状
態では、永久磁石が発する磁束が主としてコアとアーマ
チャとの間を流通することで、アシスト力が発生する。
このアシスト力は、アーマチャとコアとの間隔が小さく
なるにつれて増大し、アーマチャがコアに当接した状態
で最大となる。従って、アーマチャとコアとが当接した
状態を保持するために主磁気回路が発生すべき磁気吸引
力が効果的に低減される。
【0010】また、請求項4に記載する如く、請求項1
又は2記載の電磁駆動バルブにおいて、前記副磁気回路
が前記アーマチャと前記コアとの間に磁気吸引力を作用
させることとしてもよい。あるいは、請求項5に記載す
る如く、請求項1記載の電磁駆動バルブにおいて、前記
アーマチャと前記コアを隔てて対向するように前記アー
マチャに連結されたリテーナを備えると共に、前記副磁
気回路が前記コアと前記リテーナとの間に磁気吸引力を
作用させることとしてもよい。
【0011】この場合、請求項6に記載する如く、請求
項4記載の電磁駆動バルブにおいて、前記リテーナを磁
性材料より構成すると共に、前記副磁気回路は、前記コ
アに設けられた永久磁石を含むこととしてもよい。請求
項5又は6記載の発明において、リテーナは、アーマチ
ャとコアを隔てて対向するようにアーマチャに連結され
るので、リテーナがコアに向けて変位するとアーマチャ
は他方のコアに向けて変位する。従って、コアとリテー
ナとの間の磁気吸引力が、弁体が上記他方のコアに向け
て変位する際のアシスト力として作用する。
【0012】また、請求項9に記載する如く、請求項1
又は2記載の電磁駆動バルブにおいて、第2の電磁コイ
ルを備えると共に、前記副磁気回路は、前記第2の電磁
コイルに励磁電流を供給することにより形成されてもよ
い。また、請求項10に記載する如く、請求項2記載の
電磁駆動バルブにおいて、前記アーマチャと前記コアを
隔てて対向するように前記アーマチャに連結され、磁性
材料よりなるリテーナと、前記コアに設けられた第2の
電磁コイルとを備えると共に、前記副磁気回路は、前記
第2の電磁コイルに励磁電流を供給することにより、前
記リテーナと前記コアとの間に磁気吸引力を作用させて
もよい。
【0013】請求項9又は10記載の発明において、副
磁気回路は、第2の電磁コイルに励磁電流を供給するこ
とにより磁気吸引力を発生する。すなわち、励磁電流は
主磁気回路の電磁コイルと、副磁気回路の第2の電磁コ
イルとに分散して供給される。このため、主磁気回路の
電磁コイルに供給される励磁電流が低減されることで、
電磁コイルが飽和領域(すなわち、励磁電流が大きくな
り、励磁電流の変化に対する電磁吸引力の増加勾配が減
少する領域)で動作することが防止される。すなわち、
主磁気回路の電磁コイルに供給される励磁電流が高いエ
ネルギー効率で利用されることで、バルブ全体としての
消費電力が低減される。また、励磁電流が2つの電磁コ
イルに分散して供給されることで、発熱部分も分散し、
これにより、バルブの温度上昇が抑制される。
【0014】この場合、請求項11に記載する如く、請
求項9又は10記載の電磁駆動バルブにおいて、前記ア
ーマチャの変位に応じて、前記第2電磁コイルへの通電
を制御する電流制御手段を設けてもよい。また、請求項
12に記載する如く、請求項11記載の電磁駆動バルブ
において、前記電流制御手段は、前記アーマチャが前記
コアに吸引又は保持される場合に前記第2の電磁コイル
に励磁電流を供給することとしてもよい。
【0015】請求項12記載の発明において、電流制御
手段は、アーマチャがコアに吸引又は保持される場合に
第2の電磁コイルに励磁電流を供給する。第2の電磁コ
イルに励磁電流が供給されると、アーマチャにアシスト
力が作用する。従って、本発明によれば、アーマチャが
コアに吸引又は保持される場合にアーマチャにアシスト
力が作用する。
【0016】また、請求項13に記載する如く、請求項
12記載の電磁駆動バルブにおいて、前記電流制御手段
は、前記アーマチャを前記コアから離脱させる際に、前
記第2の電磁コイルに、それまでとは逆方向の励磁電流
を供給することとしてもよい。本発明において、第2の
電磁コイルにそれまでとは逆方向の励磁電流が供給され
ると、アーマチャに作用していたアシスト力は速やかに
消滅する。従って、本発明によれば、アーマチャをコア
から高い応答性で離脱させることができる。
【0017】また、請求項14に記載する如く、請求項
5又は10記載の電磁駆動バルブにおいて、前記リテー
ナは永久磁石を備えてもよい。本発明において、リテー
ナが永久磁石を備えることで、リテーナとコアとの間に
磁気吸引力が作用する。かかる磁気吸引力がアーマチャ
にアシスト力として作用する。従って、消費電力を増加
させることなく、アシスト力を増大させることができ
る。
【0018】また、請求項15に記載する如く、請求項
10記載の電磁駆動バルブにおいて、前記リテーナは永
久磁石を備え、かつ、前記アーマチャを前記コアに吸引
又は保持する場合に前記第2の電磁コイルに所定方向の
励磁電流を供給すると共に、前記アーマチャを前記コア
から離脱させる場合に、前記第2の電磁コイルに前記所
定方向とは逆方向の励磁電流を供給することを特徴とす
る電流制御手段を設けることとしてもよい。
【0019】請求項15記載の発明において、第2の電
磁コイルに所定方向、すなわち、第2の電磁コイルが、
リテーナの永久磁石が発する磁束と同じ向きの磁束を発
する方向の電流が供給されると、永久磁石とリテーナと
の間に大きな磁気吸引力が発生する。従って、アーマチ
ャをコアに吸引又は保持する場合に第2の電磁コイル
に、上記所定方向の励磁電流が供給されることにより、
大きなアシスト力が発生する。一方、第2の電磁コイル
に上記所定方向とは逆方向の励磁電流が供給されると、
永久磁石とリテーナとの間に磁気反発力が発生する。従
って、アーマチャをコアから離脱させる場合に、第2の
電磁コイルに上記所定方向とは逆方向の電流が供給され
ることにより、アーマチャをコアから他方のコアへ向け
て変位させるのに要する電力が低減されると共に、アー
マチャはコアから高い応答性で離脱する。
【0020】また、請求項16に記載する如く、請求項
1乃至15のうち何れか1項記載の電磁駆動バルブにお
いて、前記電磁駆動バルブは内燃機関の排気バルブを構
成し、前記副磁気回路を、前記アーマチャを開弁側に吸
引する主磁気回路に対応して設けてもよい。
【0021】本発明において、電磁駆動バルブは内燃機
関の排気バルブを構成する。内燃機関の排気バルブが開
弁する場合には、弁体に高圧の筒内残圧が作用するため
に、弁体の変位量が減衰する。これに対して、本発明に
よれば、副磁気回路はアーマチャを開弁側に吸引する電
磁石に対応して設けられる。このため、排気バルブの開
弁時にアシスト力が発生することで、消費電力を増大さ
せることなく、弁体を全開位置まで確実に変位させるこ
とができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である電
磁駆動バルブの構成図である。図1において、本実施例
の電磁駆動バルブは、内燃機関の排気バルブに適用され
ている。図1に示す如く、電磁駆動バルブは弁体12を
備えている。弁体12は内燃機関の排気バルブを構成し
ている。弁体12は、内燃機関の燃焼室14内に露出す
るようにロアヘッド16に配設されている。ロアヘッド
16には排気ポート18が形成されている。排気ポート
18には弁体12に対する弁座20が形成されている。
排気ポート18は、弁体12が弁座20から離座するこ
とにより導通状態となり、また、弁体12が弁座20に
着座することにより遮断状態となる。ロアヘッド16の
上部にはアッパヘッド22が連結されている。
【0023】弁体12には弁軸24が固定されている。
弁軸24は、バルブガイド26により軸方向に摺動可能
に保持されている。バルブガイド26はロアヘッド16
に保持されている。ロアヘッド16の、バルブガイド2
6の上部を囲む部位には円筒部28が形成されている。
また、弁軸24の上端部にはロアリテーナ30が固定さ
れている。ロアリテーナ30と円筒部28の底面との間
には、両者を離間させる向きの付勢力を発生するロアス
プリング32が配設されている。ロアスプリング32は
ロアリテーナ30を介して弁軸24及び弁体12を上向
き、すなわち、弁体12の閉弁方向に付勢している。
【0024】弁軸24の上端面には、アーマチャシャフ
ト36の下端面が当接している。アーマチャシャフト3
6はロッド状に形成された非磁性部材である。また、ア
ーマチャシャフト36の上端部には、アッパリテーナ3
8が固定されている。アッパリテーナ38の上部には、
アッパスプリング40の下端部が当接している。アッパ
スプリング40の周囲には、円筒状のアッパキャップ4
2が配設されている。アッパキャップ42の上部にはア
ジャスタボルト44が螺着されている。アッパスプリン
グ40の上端部はスプリング座部43を介してアジャス
タボルト44に当接している。アッパスプリング40は
アッパリテーナ38を介してアーマチャシャフト36を
下向きに付勢している。従って、アッパスプリング40
は弁軸24及び弁体12を下向き、すなわち、弁体12
の開弁方向に付勢している。
【0025】アーマチャシャフト36の軸方向中間部の
外周には、径方向外向きに突起するアーマチャ保持部3
6aが形成されている。アーマチャ保持部36aの周囲
には、アーマチャ46が接合されている。アーマチャ4
6は磁性材料から構成された環状の部材である。アーマ
チャ46の上方には第1コア48が配設されている。ま
た、アーマチャ46の下方には第2コア50が配設され
ている。アーマチャシャフト36は、第1コア48及び
第2コア50を貫通している。
【0026】第1コア48及び第2コア50は、それぞ
れ、上端部及び下端部にフランジ部48a及び50aを
有する円筒状の磁性部材である。第1コア48及び第2
コア50は、それらのフランジ部48a及び50aがア
ッパヘッド22を上下から挟むように、アッパヘッド2
2に形成された円筒部22aに嵌着されている。第1コ
ア48及び第2コア50のアーマチャ46と対向する側
の面(以下、アーマチャ対向面と称す)には、それぞ
れ、環状溝48b及び50bが設けられている。環状溝
48b及び50bには、それぞれ、第1コイル52及び
第2コイル54が収容されている。また、第2コア50
のアーマチャ対向面には、環状のアシスト磁石56が配
設されている。アシスト磁石56は、アーマチャ46が
第2コア50に吸引された状態で、アーマチャ46と干
渉することがないように、上記プランジャ対向面の周縁
部に配置されている。
【0027】上記したアッパキャップ42はその下端部
にフランジ部42aを備えている。フランジ部42a
は、第1コア48のフランジ部48aを上方から覆うよ
うに配置されている。また、アッパヘッド22の下面に
はロアキャップ58が配設されている。ロアキャップ5
8は、第2コア50のフランジ部50aを下方から覆う
ように配置されている。そして、固定ボルト60が、ア
ッパキャップ42のフランジ部42a、第1コア48の
フランジ部48a、アッパヘッド22、第2コア50の
フランジ部50a、及びロアキャップ58を貫通して締
着されることにより、アッパキャップ42がアッパヘッ
ド22に固定されていると共に、第1コア部48と第2
コア部50とが所定の間隔を隔てるようにアッパヘッド
22の内部に固定されている。なお、上記したアジャス
タボルト44は、アーマチャ46の中立位置が第1コア
48と第2コア50との中間点となるように調整されて
いる。
【0028】次に、電磁駆動バルブの動作について説明
する。第1コイル52に励磁電流が供給されると、第1
コイル54が発生する磁束によってアーマチャ46には
第1コア48へ向かう方向の電磁吸引力が作用する。こ
のため、アーマチャ46はアッパスプリング40の付勢
力に抗して第1コア48へ向けて変位する。アーマチャ
46が第1コア48に当接するまで変位した状態では、
弁体12が弁座20に着座することで、電磁駆動バルブ
は閉弁状態となる。以下、アーマチャ46が第1コア4
8に当接する位置を、アーマチャ46、アーマチャシャ
フト36、又は弁体12の閉弁側変位端と称する。
【0029】このように電磁駆動バルブが閉弁された状
態で、第1コイル52への励磁電流の供給が停止される
と、アーマチャ46を閉弁側変位端に保持するのに必要
な電磁吸引力は消滅する。このため、第1コイル52へ
の励磁電流の供給が停止されると、アーマチャシャフト
36はアッパスプリング40に付勢されることによって
速やかに下方へ向けて変位を開始する。
【0030】アーマチャシャフト36が閉弁側変位端か
ら下方へ向けて変位すると、弁体12が弁座20から離
座することで電磁駆動バルブは開弁状態となる。アーマ
チャシャフト36の下方への変位量が所定値に達した時
点で、第2コイル54に励磁電流が供給されると、アー
マチャ46を第2コア50に向けて付勢する電磁吸引が
発生する。
【0031】アーマチャ46に対して上記電磁吸引力が
作用すると、アーマチャシャフト36はロアスプリング
32の発する付勢力に抗して第2コア50に向けて、第
2コア50に当接するまで変位する。以下、アーマチャ
46が第2コア50に当接した位置を、アーマチャ4
6、アーマチャシャフト36、又は弁体12の開弁側変
位端と称す。かかる状態で、第2コイル54への励磁電
流の供給が停止されると、アーマチャ46を開弁側変位
端に保持するのに必要な電磁吸引力が消滅する。このた
め、アーマチャシャフト36はロアスプリング32の付
勢力によって速やかに上方へ変位を開始する。
【0032】アーマチャシャフト36の上方への変位量
が所定値に達した時点で第1コイル52に励磁電流が供
給されると、第1コイル52が発する電磁吸引力により
アーマチャ46は第1コア48へ向けて付勢される。こ
のため、弁軸12及びアーマチャシャフト36は閉弁側
変位端まで変位し、弁体12が弁座20に着座すること
で、電磁駆動バルブは再び閉弁状態となる。
【0033】このように、本実施例によれば、第1コイ
ル52と第2コイル54とに、交互に適当なタイミング
で励磁電流を供給し、弁体12を閉弁側変位端と開弁側
変位端との間で繰り返し往復運動させることで、電磁駆
動バルブを開閉させることができる。ところで、排気バ
ルブは内燃機関の燃焼行程の終了時に開弁される。この
ため、排気バルブが開弁される時点では燃焼室14に高
圧の燃焼残圧、すなわち、筒内残圧が生じている。かか
る筒内残圧が弁体12に作用することで、弁体12の開
弁側への変位量は減衰する。従って、弁体12を開弁側
変位端まで変位させるためには、高圧の筒内残圧が生じ
ていない場合に比して、アーマチャ46に十分に大きな
吸引力を作用させることが必要となる。この場合、弁体
12を開弁側変位端まで確実に変位させるため、開弁側
への駆動時に、第2電磁コイル54に供給する励磁電流
を増加させることが考えられる。しかしながら、かかる
手段を用いたのでは、電磁駆動バルブの消費電力の増大
を招いてしまう。
【0034】これに対して、本実施例の電磁駆動バルブ
は、上記のアシスト磁石56を設けることで、消費電力
の増大を招くことなく、弁体12、すなわち、アーマチ
ャ46を開弁側変位端まで確実に変位させることを可能
とした点に特徴を有している。以下、図2を参照して、
本実施例の特徴部について説明する。図2は、第2コア
50、第2コイル54、アシスト磁石56、アーマチャ
シャフト36、アーマチャ46を模式的に示す拡大図で
ある。なお、図2において、アーマチャシャフト36の
中心軸から左半分のみを示している。
【0035】図2に示す如く、第2コア50のアーマチ
ャ対向面の周縁部には、アーマチャ46側へ突起する環
状の磁石保持部50cが形成されている。アシスト磁石
56は、磁石保持部50cの内周面に、第2コア50の
アーマチャ対向面から所定距離dだけ隔てるように固定
されている。アシスト磁石56は、径方向に、例えば内
周側がN極、外周側がS極となるように分極されてい
る。このアシスト磁石56の分極の向きは、アシスト磁
石56が発する磁束の向きと第2コイル54が発する磁
束の向きとが一致するように設定されている。
【0036】図2に破線で示す如くアーマチャ46が第
2コア50から十分に離間した状態で、第2コイル54
に励磁電流が供給されると、第2コイル54が発生する
磁束が第2コア50とアーマチャ46との間を流通する
ことで、上記の如く、アーマチャ46は第2コア50に
向けて吸引される。図2に実線で示す如くアーマチャ4
6がアシスト磁石56の近傍まで吸引されると、アシス
ト磁石56が発生する磁束が、図2に実線矢印で示す如
く、アシスト磁石56からアーマチャ46、第2コア5
0の第2コイル54より内周側の部位、及び磁石保持部
50cを経てアシスト磁石56へ戻る経路を流通すると
共に、アシスト磁石56からアーマチャ46、第2コア
50の第2コイル54より外周側、下側、内周側、及び
磁石保持部50cを経てアシスト磁石56へ戻る経路を
流通するようになる。かかる磁束の流通により、アーマ
チャ46と第2コア50との間に磁気吸引力が作用す
る。以下、アシスト磁石56が発する磁束によりアーマ
チャ46に作用する磁気吸引力をアシスト力と称す。一
方、第2コイル54が発する磁束は、図2に破線矢印で
示す如く、第2コア50とアーマチャ46との間を、両
者間の隙間を経由して流通すると共に、第2コア50の
磁石保持部50c及びアシスト磁石56を経由して流通
する。従って、アーマチャ46がアシスト磁石56の近
傍に達すると、アーマチャ46には、アシスト力と、電
磁コイル54による磁気吸引力とが相乗して作用するこ
とになる。すなわち、アーマチャ46がアシスト磁石5
6の近傍まで吸引されると、アーマチャ46に作用する
吸引力はアシスト力分だけ増大される。
【0037】本実施例では、筒内残圧の影響で開弁側へ
の変位が減衰された状態のアーマチャ46が到達し得る
位置(以下、アーマチャ46の減衰変位端と称す)の近
傍かつ手前からアーマチャ46にアシスト力が作用し始
めるように、アシスト磁石56の位置(すなわち、アシ
スト磁石56と第2コア50との距離d)を設定するこ
ととしている。このように距離dを設定することによ
り、アーマチャ46が減衰変位端に到達すると、その後
は、アシスト磁石56により生成されるアシスト力によ
ってアーマチャ46を開弁側変位端まで吸引することが
できる。このため、第2コイル54に供給する励磁電流
を増加させることなくアーマチャ46を確実に開弁側変
位端まで変位させることができる。すなわち、本実施例
によれば、アーマチャ46を開弁側変位端まで変位させ
るのに必要な励磁電流を抑制することができ、これによ
り、電磁駆動バルブの消費電力の低減を図ることができ
る。
【0038】また、本実施例においては、アシスト磁石
56を第2コア50の外周縁部に設けることで、アシス
ト磁石56の表面積を大きく確保する構成としている。
このため、本実施例によれば、アシスト磁石56からア
ーマチャ46に流れる磁束の量が増大することで、大き
なアシスト力を得ることが可能とされている。なお、ア
ーマチャ46が第2コア50に当接した状態で、アーマ
チャ46とアシスト磁石56とが軸方向に離間している
と(すなわち、アーマチャ46の状端面がアシスト磁石
56の下端面よりも下方に位置していると)、アシスト
磁石56が発する磁束により、アーマチャ46に第2コ
ア50から引き離す向きの力が作用する。すなわち、こ
の場合にはアシスト力はアーマチャ46と第2コア50
との間の反発力として作用することになる。そこで、本
実施例においては、かかる反発力を抑制するため、アー
マチャ46が第2コア50に当接した状態で、アーマチ
ャ46の外周面の少なくとも一部がアシスト磁石56と
径方向に対向するように(すなわち、アーマチャ46の
上端面がアシスト磁石56の下端面よりも上方に位置す
るように)、アーマチャ46の厚さを設定することとし
ている。かかる構成によれば、アーマチャ46が第2コ
ア50に当接した状態でも、アシスト磁石56とアーマ
チャ46との間を比較的大きな磁束が流通することで、
アシスト力が反発力として作用するのを抑制することが
できる。
【0039】また、アシスト磁石56の厚さがアーマチ
ャ46の厚さに対して相対的に小さく設けられている
と、アーマチャ46がアシスト磁石56の内周側を通過
する過程で、アシスト磁石46からアーマチャ56に流
れる磁束の量が大きく変化し、アシスト力の変化も大き
くなる。そこで、本実施例では、アーマチャ46が吸引
される過程でアシスト磁石56により発生されるアシス
ト力が急変するのを防止するため、アシスト磁石56の
厚さをアーマチャ46の厚さに比して小さく設定するこ
ととしている。
【0040】なお、上記実施例では、アシスト磁石を第
2コア50側に設けることとしたが、本発明はこれに限
定されるものではなく、アーマチャ46側に設けること
としてもよい。すなわち、例えば、アーマチャ46の最
外周部にアシスト磁石を設けると共に、第2コア50に
磁石保持部50cの如き突起を設けることにより、アー
マチャ46が第2コア50の近傍に達した際に、この突
起とアーマチャ46に設けたアシスト磁石との間に流通
する磁束によって、アシスト力を発生させることができ
る。
【0041】次に、本発明に係る電磁駆動バルブの第2
実施例について説明する。本実施例の電磁駆動バルブ
は、図1に示す構成の電磁駆動バルブにおいて、図2に
示す第2コア54に代えて、図3に示す第2コア100
を用いることにより実現される。図3は、本実施例の電
磁駆動バルブが備える第2コア100等を模式的に示す
図であり、上記第1実施例の図2に対応している。な
お、図3において図2に示す構成部分と同一の部分につ
いては同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】図3に示す如く、本実施例の第2コア10
0は、上記第1実施例の第2コア50と同様に、第2コ
イル54を収容する環状溝100b、及び、アシスト磁
石56を保持する磁石保持部100cを備える円筒状の
磁性部材である。第2コア100が備える環状溝100
bの底部には、環状の第2アシスト磁石102が配設さ
れている。第2コイル54は第2アシスト磁石102の
上に配置されている。第2アシスト磁石102は、径方
向に、例えば内周側がN極、外周側がS極となるように
分極されている。この第2アシスト磁石102の分極の
向きは、第2アシスト磁石102が発生する磁束の向き
と、第2コイル54が発生する磁束の向きとが一致する
ように設定されている。また、第2コア100には、環
状溝100bの底面から第2コア100の底面に至る円
筒状のスリット104が形成されている。スリット10
4は所定のギャップGを有している。
【0043】かかる構成によれば、上記第1実施例の場
合と同様に、アーマチャ46がアシスト磁石56の近傍
まで吸引されると、アシスト磁石56によるアシスト力
がアーマチャ46に作用することで、高圧の筒内残圧が
存在する場合にも、第2コイル54に供給する励磁電流
を増加させることなく、アーマチャ46を開弁側変位端
まで変位させることができる。
【0044】アーマチャ46が第2コア100の近傍に
達するまでは、第2アシスト磁石102が発する磁束
は、主として、図3に実線矢印で示す如く、第2コア1
00の内部をスリット104を横切って流通する。一
方、アーマチャ46が第2コア100に接近し、アーマ
チャ46と第2コア100との間隔が、スリット104
のギャップGと同程度以下に小さくなると、第2アシス
ト磁石102から第2コア100のスリット104を横
切って第2アシスト磁石102に戻る磁気回路の磁気抵
抗よりも、図3に破線矢印で示す如く、第2アシスト磁
石102から第2コア100の第2コイル54より内周
側の部位、アーマチャ46、及び第2コア100の第2
コイル54より外周側の部位を経て第2アシスト磁石1
02へ至る経路(以下、第2アシスト経路と称す)の磁
気抵抗の方が小さい状態が形成される。このため、第2
アシスト磁石102が発する磁束は、主として、第2ア
シスト経路を流通するようになり、この磁束によりアー
マチャ46には第2コア100へ向かう向きの磁気吸引
力が作用する。以下、第2アシスト経路を流通する磁束
によりアーマチャ46に作用する磁気吸引力を、第2ア
シスト力と称す。第2アシスト力は、第2コア100と
アーマチャ46との間の隙間が小さいほど、すなわち、
アーマチャ46が第2コア100に接近するほど大きく
なる。従って、アーマチャ46が開弁側変位端に達した
状態で、アーマチャ46には最大の第2アシスト力が作
用する。
【0045】このように、本実施例の電磁駆動バルブに
よれば、アーマチャ46が開弁側変位端に達した状態
で、アーマチャ46に大きな第2アシスト力を作用させ
ることができる。従って、アーマチャ46を開弁側変位
端に保持するために第2電磁コイル100に供給すべき
励磁電流を小さく抑制することができ、これにより、電
磁駆動バルブの消費電力を抑制することができる。
【0046】また、本実施例では、第2アシスト磁石1
02が第2コイル54の下方に配置されることで、第2
アシスト磁石102が発する磁束は、第2コア100と
アーマチャ46との間を、第2コイル54を取り囲むよ
うに流通する。このため、第2コア100とアーマチャ
46との間の磁気吸引力が作用する領域の面積は、例え
ば、第2アシスト磁石102を第2コイル54の側方
(外周側又は内周側)に配置する場合と比較して増大
し、これにより、大きな第2アシスト力を得ることが可
能となっている。
【0047】なお、上述の如く、本実施例では、第2ア
シスト力が作用し始めるアーマチャ46の位置は、アー
マチャ46と第2コア100との距離と、スリット10
4のギャップGとの相対関係によって決定される。すな
わち、本実施例によれば、第2アシスト力が作用し始め
るアーマチャ46の位置を、スリット104のギャップ
Gを変更することにより調整することができる。
【0048】また、本実施例では、第2コア100にス
リット104を設けることとしたが、本発明はこれに限
定されるものではなく、スリット104に代えて樹脂や
非磁性金属等の非磁性材料の層を設けることとしてもよ
い。また、本実施例では、アシスト磁石56及び第2ア
シスト磁石102の双方を設けることとした。しかしな
がら、アシスト磁石56を省略して第2アシスト磁石1
02のみを設け、アーマチャ46の開弁側変位端への保
持に要する励磁電流の低減のみを図ることとしてもよ
い。
【0049】また、上記第1及び第2実施例では、第2
コア50、100にのみアシスト磁石56あるいは第2
アシスト磁石102を設けることとした。しかしなが
ら、本発明はこれに限定されるものではなく、アーマチ
ャを閉弁側に駆動する第1コア48にもこれらのアシス
ト磁石を設けることとしてもよい。なお、アシスト磁石
56が閉弁側に設けられる場合、及び、本発明に係る電
磁駆動バルブが排気バルブ以外に適用される場合には、
燃焼残圧に起因するアーマチャの変位量の減衰は生じな
い。しかしながら、この場合には、アシスト磁石56に
より得られるアシスト力の分だけコイルに供給する励磁
電流を抑制できるため、消費電力を低減することができ
る。
【0050】次に、図4を参照して、本発明に係る電磁
駆動バルブの第3実施例について説明する。図4は、本
実施例の電磁駆動バルブの全体構成を模式的に示す。な
お、図4において図1に示す構成部分と同様の機能を有
する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の電磁駆動バルブは、上記第1実施例の第1コ
ア48に代えて第1コア148を、アッパリテーナ38
に代えてアッパリテーナ138を、それぞれ有してい
る。第1コア148は、アーマチャ46と対向する側と
は反対側の面(以下、単に、背面と称す)に、円筒状に
形成された突起部150を備えている。第1コア148
の背面の、突起部150の内側の部位には、環状の第3
アシスト磁石152がアーマチャシャフト36を取り囲
むように固定されている。第3アシスト磁石152は、
軸方向に例えば図4 中上側がN極、下側がS極となるよ
うに分極された永久磁石である。
【0051】本実施例において、アッパリテーナ138
は透磁率の大きい軟磁性材料より構成されている。アッ
パリテーナ138及び第3アシスト磁石152は、アー
マチャ46が開弁側変位端に位置する状態で、アッパリ
テーナ138が第1コア148の突起部150の内側に
収容され、かつ、この状態で、アッパリテーナ138と
第3アシスト磁石152との間に両者が当接しない程度
の僅かな隙間が生ずるように配置されている。
【0052】上記の構成によれば、弁体12が開弁方向
に変位し、開弁側変位端の近傍に達すると、アッパリテ
ーナ138が第3アシスト磁石152の近傍に達する。
図5は、アッパリテーナ138が第3アシスト磁石15
2の近傍に達した状態を示す。図5に示す状態では、ア
ッパリテーナ138が第3アシスト磁石152に接近す
ることで、第3アシスト磁石が発する磁束がアッパリテ
ーナ138に作用する。この場合、上述の如く、アッパ
リテーナ138が軟磁性材料から構成されていることに
より、図5に破線矢印で示す如く、第3アシスト磁石1
52が発する磁束は、第3アシスト磁石152の図中上
端部からアッパリテーナ138、第1コア148の突起
部150、及び第1 コア148の内部を経由して第3ア
シスト磁石152の下端部へ戻る経路を流通する。かか
る磁束の流通により、アッパリテーナ138と第3アシ
スト磁石152との間に磁気吸引力が作用し、この力は
アーマチャ46及び弁体12へ開弁方向の力として伝達
される。以下、第3アシスト磁石152が発する磁束に
よりアーマチャ46及び弁体12に作用する力を第3ア
シスト力と称す。
【0053】上述の如く、本実施例では、アーマチャ4
6が開弁側変位端に到達する過程で、アーマチャ46に
第3アシスト力を作用させることができる。このため、
アーマチャ46を開弁側変位端へ吸引すすべく第2コイ
ル54からアーマチャ46に作用させるべき電磁吸引力
を第3アシスト力の分だけ小さくすることができる。ま
た、上記した第3アシスト力は、第3アシスト磁石15
2とアッパリテーナ138との間の距離が小さくなるほ
ど、すなわち、アーマチャ46が開弁側変位端へ近づく
ほど大きくなる。そして、アーマチャ46が開弁側変位
端に達した状態で、最大の第3アシスト力を発生させる
ことができる。
【0054】このように、本実施例の電磁駆動バルブに
よれば、アーマチャ46を開弁側変位端へ吸引し又は保
持するために第2コイル54へ供給すべき励磁電流を減
少させることができ、これにより、電磁駆動バルブの消
費電力の低減を図ることができる。本実施例では、弁体
12と共に変位する構成部分(以下、可動部と称す)に
関して、アッパリテーナ138を軟磁性材料から構成す
ることのみで、第3アシスト力を発生させることが可能
となっている。すなわち、本実施例の電磁駆動バルブに
よれば、可動部の重量を増大させることなく、第3アシ
スト力を発生させることができる。この意味において
も、電磁駆動バルブの消費電流の抑制が図られているこ
とになる。
【0055】また、固定部である第1コア側148につ
いては、突起部150及び第3アシスト磁石152が設
けられるが、これらは何れもアッパキャップ42の内側
に収容される部分である。従って、本実施例では、固定
部側に突起部150及び第3アシスト磁石152が設け
られるものの、電磁駆動バルブの体格の実質的な増大が
防止されている。
【0056】なお、上記第3実施例では、第3アシスト
磁石152を軸方向に分極させることとしたが、これに
限らず、径方向に、例えば内径側がN極、外径側がS極
となるように分極させることとしてもよい。この場合、
第3アシスト磁石152の発する磁束が、第3アシスト
磁石152の内周側からアッパリテーナ138、及び突
起部150を経て第3アシスト磁石152の外周側に戻
る経路を流通することによって第3 アシスト力が発生す
ることになる。
【0057】また、上記第3実施例では、突起部150
を第1コア148の背面に一体に形成することとした
が、これに限らず、第1コア148とは別体の環状の磁
性部材を第3アシスト磁石152の周囲に配設すること
としてもよい。また、アッパリテーナ138が第3アシ
スト磁石152に十分に接近した状態では、突起部15
0が存在しなくとも、アッパリテーナ138と第3アシ
スト磁石152との間に大きな磁気吸引力が作用する。
この意味では、突起部150が設けられた場合に比して
得られる第3アシスト力の大きさは減少するが、突起部
150を省略することも可能である。
【0058】なお、上記第3実施例では、アッパリテー
ナ138を軟磁性材料から構成すると共に、第1コア1
48に突起部150及び第3アシスト磁石152を設け
ることにより、アーマチャ46が開弁側変位端へ向けて
変位する場合にアシスト力を発生させることとしたが、
ロアリテーナ30を軟磁性材料から構成すると共に、第
2コア50に同様の突起部及びアシスト磁石を設けるこ
とにより、アーマチャ46が閉弁側変位端へ向けて変位
する場合にアシスト力を発生させることとしてもよい。
【0059】次に、図6を参照して、本発明に係る電磁
駆動バルブの第4実施例について説明する。図6は、本
実施例の電磁駆動バルブを模式的に示す図である。本実
施例の電磁駆動バルブは、上記第3実施例の電磁駆動バ
ルブにおいて、第1コア148に代えて第1コア248
を、第3アシスト磁石152に代えてサブコイル252
を設けた構成を有している。なお、図6において、図5
と同一の構成部分については同一の符号を付してその説
明を省略する。
【0060】図6に示す如く、第1コア248はその背
面に円筒状の突起部250を備えている。第1コア24
8の、突起部250の内側には環状溝251が形成され
ている。環状溝251にはサブコイル252が収容され
ている。なお、本実施例において、アッパリテーナ13
8は、アーマチャ46が開弁側変位端に位置する状態
で、アッパリテーナ138と第1コア248の背面との
間に、両者が当接しない程度の僅かな隙間が生ずるよう
に配置されている。
【0061】上記の構成によれば、サブコイル252に
通電された状態で、アッパリテーナ152がサブコイル
252の近傍に達すると、サブコイル252が発する磁
束は、図6に破線矢印で示す如く、第1コア248のサ
ブコイル252より内周側からからアッパリテーナ13
8、突起部250、及び第1コア248の内部へ戻る磁
気回路を流通する。かかる磁束の流通に伴って、上記第
3実施例の場合と同様に、アッパリテーナ138と第1
コア248との間に磁気吸引力が作用し、この力がアー
マチャ46及び弁体12に伝達される。以下、サブコイ
ル252が発する磁束によりアーマチャ46及び弁体1
2に作用する力を第4アシスト力と称す。
【0062】図7は、本実施例において、第2コイル5
4及びサブコイル252へ励磁電流を供給する駆動回路
258の一例を示す。図7に示す如く、駆動回路は、第
1スイッチング素子260、第2スイッチング素子26
2、第3スイッチング素子264、及び第3スイッチン
グ素子266を備えている。第1スイッチング素子26
0及び第2スイッチング素子262は、電源端子268
側からこの順に、電源端子268と接地端子270との
間に直列に接続されている。同様に、第3スイッチング
素子264及び第4スイッチング素子266は、電源端
子268側からこの順に、電源端子268と接地端子2
70との間に直列に接続されている。第1コイル54及
びサブコイル252は、第1スイッチング素子260及
び第2スイッチング素子262の接続点と、第3スイッ
チング素子264及び第4スイッチング素子266の接
続点との間に直列に接続されている。電源端子268に
は外部より所定の駆動電源が供給される。
【0063】かかる駆動回路258の構成によれば、第
1及び第3スイッチング素子260,266をオン状態
とし、第2及び第4スイッチング素子262,264を
オフ状態とすることにより、第2コイル54及びサブコ
イル252に図6における右側から左側へ向かう電流
(以下、正方向電流と称す)を供給することができる。
第2コイル54にかかる正方向電流が供給されること
で、アーマチャ46が開弁側変位端へ向けて駆動される
と共に、サブコイル252により第4アシスト力が発生
される。すなわち、図7に示す駆動回路によれば、第2
コイル54及びサブコイル252に同期して正方向電流
が供給されることで、第4アシスト力の発生が必要とさ
れるタイミング(すなわち、アーマチャ46が開弁側変
位端に向けて吸引され又は開弁側変位端に保持されるタ
イミング)で、適切に第4アシスト力を発生することが
できる。
【0064】上述の如く、本実施例では、アーマチャ4
6には、第2コイル54が発する電磁吸引力と、サブコ
イル252が発する第4アシスト力との和が作用する。
すなわち、本実施例の電磁駆動バルブにおいては、アー
マチャ46を開弁側変位端へ吸引又は保持するための励
磁電流が第2コイル54とサブコイル252とに分散し
て供給されることになる。
【0065】上述の如く、電磁駆動バルブが内燃機関の
排気バルブとして適用された場合、燃焼室内の燃焼残圧
の影響で弁体12に大きな負荷が作用し、弁体12の開
弁時には、アーマチャ46に大きな電磁吸引力を作用さ
せることが必要となる。この場合、第2コイル54に供
給すべき励磁電流が大きくなって、飽和領域(すなわ
ち、励磁電流が大きくなり、励磁電流の変化に対する電
磁吸引力の増加勾配が低下する領域)に達することがあ
る。かかる飽和領域においては、第2コイル54に供給
した励磁電流に対して得られる電磁吸引力の比率が減少
することから、エネルギー効率が低下してしまう。
【0066】これに対して、本実施例の電磁駆動バルブ
は、上述の如く、励磁電流を第2コイル54とサブコイ
ル252とに分散して供給する構成である。従って、各
コイルに供給すべき励磁電流が小さく抑制されること
で、飽和領域に達することが起こり難くなっている。こ
の意味で、本実施例の電磁駆動バルブは、特に、弁体1
2に大きな負荷が作用し、弁体12に大きな駆動力を付
与することが必要な場合に、消費電力を有効に抑制する
ことが可能な構成とされている。
【0067】また、励磁電流が第2コイル54とサブコ
イル252とに分散して供給されることで、各コイルに
生ずる発熱も分散されることになる。従って、本実施例
によれば、発熱部分が分散されるため、電磁駆動バルブ
の温度上昇を抑制することができる。ところで、アーマ
チャ46を開弁側変位端から閉弁方向に駆動する場合
は、第4アシスト力はアーマチャ46の変位を妨げる力
として作用する。本実施例では、サブコイル252に供
給する電流を遮断することで、第4アシスト力を消滅さ
せることができる。従って、本実施例の電磁駆動バルブ
によれば、アーマチャ46を開弁側変位端から閉弁方向
へ変位させる際の応答性を向上することができる。
【0068】なお、図7に示す駆動回路において、第1
及び第3スイッチング素子260,266をオフ状態と
し、第2及び第4スイッチング素子262,264をオ
ン状態とすることで、第2コア54及びサブコイル25
2に正方向電流とは逆方向の電流(以下、逆電流と称
す)を供給することができる。サブコイル252に逆電
流が供給されると、サブコイル252とアッパリテーナ
138との間の電磁吸引力は、より速やかに消滅する。
従って、アーマチャ46を開弁側変位端から閉弁方向に
変位させる際にサブコイル252に逆電流を供給するこ
とにより、アーマチャ46の応答性を更に向上すること
ができる。
【0069】また、本実施例では、上記第3実施例と同
様に、可動部側については、アッパリテーナ138を軟
磁性材料から構成し、固定部側については、第1コア2
48にサブコイル252を収容すると共に突起部250
を設けることのみで上記の効果を得ることが可能となっ
ている。従って、本実施例においても、可動部の重量増
加に起因する消費電力の増大が防止されていると共に、
電磁駆動バルブの体格の実質的な増大が防止されてい
る。
【0070】なお、上記第4実施例では、第2コイル5
4及びサブコイル252を共通の駆動回路で駆動するこ
ととしたが、これらを、それぞれ別個の駆動回路で独立
に駆動することとしてもよい。この場合、第4アシスト
力を、第2コイル54による電磁吸引力とは独立に、任
意のタイミングで発生させることが可能となる。なお、
上記第4実施例では、アッパリテーナ138を軟磁性材
料より構成すると共に、第1コア248の背面にサブコ
イル252を設けることとしたが、これに限らず、ロア
リテーナ30を軟磁性材料より構成すると共に、第2コ
ア50の背面にサブコイルを設けることにより、閉弁側
変位端においてアシスト力を発生させることとしてもよ
い。この場合、第2コア50に設けたサブコイルと第1
コイル52とを、図7に示す場合と同様に共通の駆動回
路で駆動することにより、アーマチャ46が閉弁側変位
端へ吸引されるのに同期してアーマチャ46にアシスト
力を作用させることができる。
【0071】次に、図8を参照して、本発明に係る電磁
駆動バルブの第5実施例について説明する。図8は、本
実施例の電磁駆動バルブの構成図である。本実施例の電
磁駆動バルブは、上記第4実施例の電磁駆動バルブにお
いて、アッパリテーナ138に代えてアッパリテーナ3
38を設けた構成を有している。本実施例のアッパリテ
ーナ338は、上記アッパリテーナ138と同様に、軟
磁性材料より構成されている。アッパリテーナ338
は、第1 コア248と対向する側の面に、環状の磁石部
340を備えている。磁石部340はアッパリテーナ3
38を着磁することにより構成してもよく、あるいは、
別体の永久磁石をアッパリテーナ338に埋め込むこと
により構成してもよい。磁石部340は、その径方向
に、例えば外径側がN極、内径側がS極となるように分
極されている。あるいは、磁石部340はその軸方向
に、例えば図8中上側がN極、下側がS極となるように
分極されてもよい。
【0072】上記の構成によれば、アーマチャ46が開
弁方向に変位し、アッパリテーナ338が第1コア24
8の背面の近傍に達すると、磁石部340から第1コア
248の突起部250、第1コア248の内部、及び第
1コア248の背面を経て磁石部340へ戻る磁気回路
を流通する。従って、本実施例においても、上記第3実
施例の電磁駆動バルブと同様に、上記磁束が流通するこ
とで、アッパリテーナ338と第1コア248との間に
磁気吸引力を発生させ、これにより、アーマチャ46及
び弁体12に開弁方向のアシスト力を作用させることが
できる。従って、本実施例によれば、アーマチャ46が
開弁側変位端に吸引される過程で、アーマチャ46に第
5アシスト力が作用することにより、アーマチャ46を
開弁側変位端へ吸引又は保持するために第2コイル54
に供給すべき励磁電流が減少され、電磁駆動バルブの消
費電力が低減される。
【0073】また、本実施例では、サブコイル252
に、磁石部340が発する磁束と同じ向きの磁束を発生
するような向きの励磁電流(以下、増磁電流と称す)を
供給することで、アッパリテーナ338と第1コア24
8との間に電磁吸引力を作用させることができる。従っ
て、アーマチャ46が開弁側変位端に吸引される過程、
及び、アーマチャ46が開弁側変位端に保持される状態
でサブコイル252に増磁電流を供給することにより、
アーマチャ46及び弁体12に作用するアシスト力を増
大させることができる。以下、サブコイル252に増磁
電流が供給された場合にアーマチャ46及び弁体12に
作用するアシスト力を第5アシスト力と称す。
【0074】本実施例において、サブコイル252に磁
石部340が発する磁束とは逆向きの磁束を発生するよ
うな励磁電流(以下、減磁電流と称す)が供給される
と、アッパリテーナ338と第1コア248との間に反
発力が作用する。従って、アーマチャ46を開弁側変位
から閉弁方向に変位させる場合には、サブコイル252
に減磁電流を供給することで、アーマチャ46を高い応
答性で変位させることができる。
【0075】この場合、磁石部340の発する磁束が、
上記反発力の発生源として用いられることで、アーマチ
ャ46を開弁方向に駆動するために第1コイル52へ供
給すべき励磁電流が抑制される。本実施例では、この点
においても、電磁駆動バルブの消費電力の低減が図られ
ていることになる。本実施例においても、上記第4実施
例の場合と同様に、図7に示す回路と同様の駆動回路
を、第2コイル54に正方向電流が供給される場合にサ
ブコイル252に増磁電流が供給されるように構成する
ことで、アーマチャ46の開閉駆動に同期したタイミン
グで、アーマチャ46に上記第5アシスト力と反発力と
を作用させることができる。
【0076】また、本実施例においても、上記第4実施
例の場合と同様に、励磁電流が第2コイル54とサブコ
イル252に分散して供給されることで、第1コア24
8の温度上昇の抑制が図られている。更に、アッパリテ
ーナ338を着磁することにより磁石部340を構成す
る場合は、上記第4実施例の電磁駆動バルブに比して部
品点数を増大させることなく上記の性能を得ることがで
きる。
【0077】また、上記第5実施例では、アッパリテー
ナ338に磁石部を設けると共に、第1コア248にサ
ブコイル252を設けることとしたが、これに限らず、
ロアリテーナ30に磁石部を設けると共に、第2コア5
0にサブコイルを設けることにより、閉弁側変位端にお
いても上記と同様の効果を得ることとしてもよい。な
お、上記第1乃至第5実施例では、本発明がアーマチャ
の両側に電磁石を備える電磁駆動バルブに適用された場
合について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、電磁石がアーマチャの片側にのみ設けられ、
アーマチャの一方向への駆動を電磁力により、他方向へ
の駆動を弾性力により行う型式の電磁駆動バルブに適用
することもできる。
【0078】また、本発明に係る電磁駆動バルブは、内
燃機関の排気バルブに限らず、吸気バルブにも適用する
ことができ、更に、その他の用途の電磁駆動バルブとし
て広く適用することも可能である。なお、上記第1〜第
5実施例においては、アシスト磁石56、第2アシスト
磁石102、第3アシスト磁石152、磁石部340が
請求項に記載した永久磁石に、サブコイル252が請求
項に記載した第2の電磁コイルにそれぞれ相当し、ま
た、駆動回路258の各スイッチング素子を適宜オン・
オフすることにより請求項に記載した電流制御手段が実
現されている。
【0079】
【発明の効果】上述の如く、請求項1乃至6、11、1
2、及び14記載の発明によれば、副磁気回路を設ける
ことにより、アーマチャを電磁石に吸引するために電磁
コイルへ供給すべき励磁電流を抑制することができる。
従って、本発明によれば、電磁駆動バルブの消費電力を
低減することができる。
【0080】また、請求項7記載の発明によれば、アー
マチャのコアとの当接位置近傍からアーマチャにアシス
ト力を作用させることができる。従って、本発明によれ
ば、電磁コイルへ供給する励磁電流を抑制しつつ、アー
マチャを電磁石に確実に吸引することができ、これによ
り、電磁駆動バルブの消費電力を低減することができ
る。
【0081】また、請求項8記載の発明によれば、アー
マチャが電磁石のコアに当接した状態で最大となるよう
なアシスト力をアーマチャに作用させることができる。
従って、本発明によれば、アーマチャを電磁石に吸引保
持するために電磁コイルに供給すべき励磁電流を抑制す
ることができ、これにより、電磁駆動バルブの消費電力
を低減することができる。
【0082】また、請求項9及び10記載の発明によれ
ば、消費電力を低減することができると共に、電磁駆動
バルブの温度上昇を抑制することができる。また、請求
項13及び15記載の発明によれば、消費電力を低減す
ることができると共に、アーマチャをコアから速やかに
離脱させることができるため、電磁駆動バルブの応答性
を向上させることができる。
【0083】更に、請求項16記載の発明によれば、内
燃機関の排気バルブにおいて、筒内残圧に起因するアー
マチャの変位量の減衰を、電磁コイルに供給する励磁電
流を増加させることなく補償することができる。従っ
て、本発明によれば、電磁駆動バルブの消費電力を低減
しつつ、排気バルブを確実に全開位置まで駆動すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の排気バルブとして構成された本発明
の一実施例である電磁駆動バルブの構成図である。
【図2】本実施例の電磁駆動バルブの要部を模式的に示
す拡大図である。
【図3】本発明の第2実施例である電磁駆動バルブの要
部を模式的に示す拡大図である。
【図4】本発明の第3実施例である電磁駆動バルブの構
成図である。
【図5】図4に示す電磁駆動バルブにおいてアッパリテ
ーナが第1コアの近傍に達した状態を示す図である。
【図6】本発明の第4実施例である電磁駆動バルブの構
成図である。
【図7】本実施例において第1コイル及びサブコイルに
励磁電流を供給する駆動回路の回路図である。
【図8】本発明の第5実施例である電磁駆動バルブの構
成図である。
【符号の説明】
12 弁体 46 アーマチャ 48、148、248 第1コア 50、100 第2コア 52 第1コイル 54 第2コイル 56 アシスト磁石 102 第2アシスト磁石 104 スリット 138、238、338 アッパリテーナ 152 第3アシスト磁石 252 サブコイル 258 駆動回路 340 磁石部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 昌彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と、該弁体に連結されたアーマチャ
    とを備え、磁気力及び弾性力を協働させて前記弁体を駆
    動する電磁駆動バルブにおいて、 コアと、該コアに設けられた電磁コイルよりなる電磁石
    を含み、前記電磁コイルに励磁電流が供給された場合に
    前記コアと前記アーマチャとの間に磁気吸引力を作用さ
    せることにより前記弁体に駆動力を付与する主磁気回路
    と、 前記弁体に前記駆動力と同方向のアシスト力を作用させ
    る副磁気回路とを備えることを特徴とする電磁駆動バル
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁駆動バルブにおい
    て、 前記主磁気回路を前記アーマチャの両側に設けると共
    に、 前記副磁気回路を前記主磁気回路の少なくとも一方に対
    応して設けたことを特徴とする電磁駆動バルブ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電磁駆動バルブに
    おいて、 前記副磁気回路は永久磁石を含むことを特徴とする電磁
    駆動バルブ
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の電磁駆動バルブに
    おいて、 前記副磁気回路は、前記アーマチャと前記コアとの間に
    磁気吸引力を作用させることを特徴とする電磁駆動バル
    ブ。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の電磁駆動バルブにおい
    て、 前記アーマチャと前記コアを隔てて対向するように前記
    アーマチャに連結されたリテーナを備えると共に、 前記副磁気回路は、前記コアと前記リテーナとの間に磁
    気吸引力を作用させることを特徴とする電磁駆動バル
    ブ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電磁駆動バルブにおい
    て、 前記リテーナを磁性材料より構成すると共に、 前記副磁気回路は、前記コアに設けられた永久磁石を含
    むことを特徴とする電磁駆動バルブ。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の電磁駆動バルブにおい
    て、 前記永久磁石を前記アーマチャと前記コアとの当接位置
    の近傍に設けたことを特徴とする電磁駆動バルブ。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の電磁駆動バルブにおい
    て、 前記永久磁石を、前記コアの内部に、前記電磁コイルに
    隣接して設けると共に、 前記コアの内部に、前記電磁石に隣接する非磁性部を設
    けたことを特徴とする電磁駆動バルブ。
  9. 【請求項9】 請求項1又は2記載の電磁駆動バルブに
    おいて、 第2の電磁コイルを備えると共に、 前記副磁気回路は、前記第2の電磁コイルに励磁電流を
    供給することにより形成されることを特徴とする電磁駆
    動バルブ。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の電磁駆動バルブにおい
    て、 前記アーマチャと前記コアを隔てて対向するように前記
    アーマチャに連結され、磁性材料よりなるリテーナと、 前記コアに設けられた第2の電磁コイルとを備えると共
    に、 前記副磁気回路は、前記第2の電磁コイルに励磁電流を
    供給することにより、前記リテーナと前記コアとの間に
    磁気吸引力を作用させることを特徴とする電磁駆動バル
    ブ。
  11. 【請求項11】 請求項9又は10記載の電磁駆動バル
    ブにおいて、 前記アーマチャの変位に応じて、前記第2電磁コイルへ
    の通電を制御する電流制御手段を備えることを特徴とす
    る電磁駆動バルブ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の電磁駆動バルブにお
    いて、 前記電流制御手段は、前記アーマチャが前記コアに吸引
    又は保持される場合に前記第2の電磁コイルに励磁電流
    を供給することを特徴とする電磁駆動バルブ。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の電磁駆動バルブにお
    いて、 前記電流制御手段は、前記アーマチャを前記コアから離
    脱させる際に、前記第2の電磁コイルに、それまでとは
    逆方向の励磁電流を供給することを特徴とする電磁駆動
    バルブ。
  14. 【請求項14】 請求項5又は10記載の電磁駆動バル
    ブにおいて、 前記リテーナは永久磁石を備えることを特徴とする電磁
    駆動バルブ。
  15. 【請求項15】 請求項10記載の電磁駆動バルブにお
    いて、 前記リテーナは永久磁石を備え、かつ、 前記アーマチャを前記コアに吸引又は保持する場合に前
    記第2の電磁コイルに所定方向の励磁電流を供給すると
    共に、前記アーマチャを前記コアから離脱させる場合
    に、前記第2の電磁コイルに前記所定方向とは逆方向の
    励磁電流を供給することを特徴とする電流制御手段を備
    えることを特徴とする電磁駆動バルブ。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15のうち何れか1項記
    載の電磁駆動バルブにおいて、 前記電磁駆動バルブは内燃機関の排気バルブを構成し、 前記副磁気回路を、前記アーマチャを開弁側に吸引する
    主磁気回路に対応して設けたことを特徴とする電磁駆動
    バルブ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023243121A1 (ja) * 2022-06-17 2023-12-21 株式会社日立産機システム 電磁操作式開閉装置

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