JPH1133349A - 排煙処理方法及び設備 - Google Patents

排煙処理方法及び設備

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JPH1133349A
JPH1133349A JP9207254A JP20725497A JPH1133349A JP H1133349 A JPH1133349 A JP H1133349A JP 9207254 A JP9207254 A JP 9207254A JP 20725497 A JP20725497 A JP 20725497A JP H1133349 A JPH1133349 A JP H1133349A
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flue gas
powder
absorption
dust
gypsum
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JP9207254A
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English (en)
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Kiyoshi Okazoe
清 岡添
Koichiro Iwashita
浩一郎 岩下
Toyoshi Nakagawa
豊志 中川
Naohiko Ugawa
直彦 鵜川
Susumu Okino
沖野  進
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排煙を吸収塔12,13に導いて吸収液に気
液接触させることにより、排煙中の少なくともSO2を吸
収除去する吸収工程を有する排煙処理方法において、排
煙中のSO3対策が、アンモニア注入をしないで容易に実
現でき、しかも注入した物質が処理後排煙中に残留する
といった弊害がなく、排煙のさらなるクリーン化が可能
な排煙処理方法を提供する。 【解決手段】 前記吸収工程で捕集可能な粉体(例えば
微粉砕石灰石G)を排煙中に散布する粉体投入工程を、
前記吸収工程の前に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硫黄酸化物として
SO2とSO3を含有する排煙(例えば、重質油焚きボイ
ラの排煙)の浄化処理技術に係わり、特に、凝結するこ
とにより有害な硫酸のヒュームとなる排煙中のSO3
対策が、低コストかつ簡易な操作又は装置構成で実現さ
れる排煙処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、火力発電プラント等における例
えば重質油焚きボイラの排煙には、硫黄酸化物として、
SO2(亜硫酸ガス)の他にSO3(三酸化硫黄)が含有
される。そして、全硫黄酸化物量(例えば1500pp
m)に対するSO3の量は、ボイラにおける燃焼温度やバ
ーナーの種類、或いは燃焼触媒の種類等によって異なる
が、いずれにしろ数パーセント程度の割合であり、例え
ば30ppm程度と比較的微量である。このため、この
種の排煙の脱硫処理においては、基本的性能としてはS
2の吸収性能が重要となる。
【0003】しかし排煙中のSO3は、ヒューム化した
場合、腐食性が強くスケール発生の要因となる有害なH2
SO4のミストとなり、しかも単なる吸収液との気液接
触ではほとんど捕集できないサブミクロン粒子となる。
このため、装置の腐食防止及びスケール防止のため、或
いは排煙のさらなるクリーン化の観点から、このSO3
対してもなんらかの除去処理が必要である。
【0004】そこで従来、例えば重質油焚きボイラ用の
排煙処理設備では、設備前流において排煙中にアンモニ
アを注入し、排煙中のSO3を硫安((NH42SO4
として捕集するようにしているのが一般的である。以
下、図4を参照して、このような従来の排煙処理方法及
び設備の一例について説明する。
【0005】図4において符号1で示すものは、排煙の
熱を回収してボイラ(図示略)に供給される燃焼用空気
を加熱するエアヒータである。エアヒータ1より導出さ
れた未処理排煙A(通常160℃程度)は、まず導入ダ
クト2において、スプレーノズル2aから吹込まれるア
ンモニア(NH3)と接触し、排煙中のSO3がこのアン
モニアや排煙中の水分と反応して硫安となる。
【0006】次に排煙Aは、乾式の電気集塵機3に導入
されてフライアッシュ等の粉塵Bを除去される(粉塵捕
集工程)。この粉塵Bは、未燃カーボンを主体とするも
ので、例えば重質油焚きボイラの場合にはバナジウムや
マグネシウム等の不純物も含有される。また、前記硫安
もそのほとんどが、この電気集塵機3で捕集されて粉塵
B中に含まれて排出され、例えば産業廃棄物として廃棄
処理される。
【0007】その後排煙Aは、脱硫装置10の後述の吸
収塔12,13において、少なくともSO2と僅かに残
留した粉塵の一部が除去され(吸収工程)、その後加熱
部5でより大気放出に好ましい温度となるように加熱さ
れて、処理後排煙Cとして図示省略した煙突から大気中
に放出される。なお加熱部5は、例えば前述のエアヒー
タ1で回収された熱の一部によって処理後排煙Cを加熱
する熱交換器により構成すればよいが、排出規制の程度
や煙突高さ等の条件によっては省略することもできる。
【0008】脱硫装置10は、この場合、吸収剤スラリ
D(吸収液)が供給される一つのタンク11の上部に、
二つの液柱式吸収塔12,13(並流式と向流式)を並
べて設置し、排煙が順次各吸収塔に導かれてそれぞれの
吸収塔で排煙とタンク11内のスラリとの気液接触が行
われる構成としたものである。各吸収塔12,13に
は、スプレーパイプ15,16がそれぞれ複数設けら
れ、これらスプレーパイプ15,16から、循環ポンプ
17,18が吸上げたスラリが上方に向って液柱状に噴
射される。またこの場合、吸収塔の後流側には、同伴ミ
ストを捕集除去するためのミストエリミネータ20が設
けられている。なお、このミストエリミネータ20で捕
集されたミストは、図示省略した下部ホッパへ集められ
ホッパ低部のドレン抜き配管を介してタンク11内に戻
る構成となっている。
【0009】そしてこの装置は、タンク11内のスラリ
を攪拌しつつ酸化用の空気を微細な気泡として吹込むい
わゆるアーム回転式のエアスパージャ21を備え、タン
ク11内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリと空気と
を効率良く接触させて全量酸化し石膏を得る構成となっ
ている。すなわちこの装置では、吸収搭12又は13で
ヘッダーパイプ15又は16から噴射され排煙と気液接
触して亜硫酸ガス及び粉塵を吸収しつつ流下するスラリ
は、いずれもタンク11内においてエアスパージャ21
により攪拌されつつ吹込まれた多数の気泡と接触して酸
化され、さらには中和反応を起こして石膏となる。な
お、これらの処理中に起きる主な反応は以下の反応式
(1)乃至(3)となる。
【0010】
【化1】 (吸収搭排煙導入部) SO2 +H2O → H+ +HSO3 - (1) (タンク) H+ +HSO3 - +1/2O2 → 2H+ +SO4 2- (2) 2H+ +SO4 2- +CaCO3 +H2O → CaSO4・2H2O +CO2 (3)
【0011】こうしてタンク11内には、定常的には石
膏と吸収剤である少量の石灰石と微量の粉塵が懸濁する
ようになっており、このタンク11内のスラリがこの場
合スラリポンプ22により固液分離機23に供給され、
ろ過されて水分の少ない石膏Eとして採り出される。一
方、固液分離機23からのろ液の一部F1は、ろ液タン
ク24及びろ液ポンプ25を経由して、吸収剤スラリD
を構成する水分としてスラリ調整槽26に供給され、循
環使用される。
【0012】スラリ調整槽26は、攪拌機を有し、図示
省略した石灰石サイロから投入される石灰石G(吸収
剤)と、ろ液タンク24より送られる水とを攪拌混合し
て吸収剤スラリDを生成するもので、内部の吸収剤スラ
リDがスラリポンプ27によりタンク11に適宜供給さ
れるようになっている。なお、例えばタンク11には、
適宜補給水(工業用水等)が供給され、吸収塔12,1
3における蒸発等により漸次減少する水分が補われる。
また石灰石Gとしては、山元より採取された石灰石を通
常100μm程度の粒径に微粉砕したものが使用され
る。また、ろ液タンク24のろ液の他の一部は、脱硫装
置10における循環液中の不純物の蓄積を防止すべく、
いわゆる脱硫排水F2として図示省略した排水処理工程
に送られる。
【0013】上記排煙処理によれば、電気集塵機3以降
の排煙中には、SO3はほとんど存在しなくなり、前述し
た不具合が回避される。すなわち、仮にアンモニア注入
が行われずにSO3が放置された場合には、このSO3は、
硫酸露点の特性に従って設備内で凝結して前述した如く
ヒューム化する。
【0014】このため、設備構成部材の腐食やスケール
の発生による排煙流路の閉塞等の不具合が問題となり、
装置の高コスト化やメンテナンスコストの増大を招く。
また、脱硫装置10から排出される処理後排煙C中に
は、このSO3のヒュームが残存するため、排煙の高度な
クリーン化のためには、例えば吸収塔13の後流側に湿
式集塵機を設置する必要性が生じて、この点からもコス
ト増や装置の大型化を招来する。ところが、図4に示す
ようにアンモニア注入が行われれば、前述したように電
気集塵機3の前流において排煙中のSO3が硫安とされ、
電気集塵機3で粉塵Bとして捕集されるため、上記SO
3の問題がいちおう解消される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の排煙処理方法又は設備は、上述したようなアンモニ
ア注入を行うために、以下のような各種の問題点があっ
た。すなわち、まず高価なアンモニアを購入して供給す
る必要があり、運転コストの面で劣る。また、アンモニ
アを注入し拡散させるために導入ダクト2を長くする必
要があり、設備の小型化の点で支障となっていた。ま
た、電気集塵機3の後流に残留するアンモニアがあるた
め、脱硫排水F2中にはN成分が含まれることになり、
脱硫排水F2の排水処理においては例えば微生物による
脱窒処理等のめんどうなN処理が必要となって、この点
でも運転コストの増加や設備の大型化を招く。
【0016】また、処理後排煙C中にもアンモニアが含
有され大気に放出されることになる。アンモニアの大気
放出については、我が国では必ずしも規制されているわ
けではないが、さらなる排煙のクリーン化の観点から好
ましくなく、また将来厳格に規制された場合には、この
アンモニア除去のためのなんらかの対応(設備の付加
等)が必要となり、やはりコスト等の点で問題となる。
さらに、副生される石膏E中にもアンモニアが含有され
るため、石膏の引取り基準によっては、悪臭防止などの
ために石膏を洗浄する必要が生じる。
【0017】また、電気集塵機3の後流に残留する硫安
灰は、比較的粒径が小さいため、吸収塔12,13の気
液接触によっては十分に捕集されず、処理後排煙C中に
も残留するため、やはり排煙のさらなるクリーン化とい
う点で問題があった。したがって、近年益々質的かつ量
的な面で高度化が要望される排煙の清浄化技術として
は、また、特に近年普及しつつある小規模発電事業や自
家発電用のより簡易で低コストな排煙処理技術として
は、従来の技術は不十分で改善が望まれていた。
【0018】そこで本発明は、第1に、排煙中のSO3
対策が、アンモニア注入をしないで容易に実現でき、し
かも注入した物質が処理後排煙中に残留するといった弊
害がなく、排煙のさらなるクリーン化が可能な排煙処理
方法及び設備を提供することを目的としている。また第
2には、排煙中のSO3対策や排煙のクリーン化がより簡
易な操作又は装置構成で容易かつ高度に可能となる排煙
処理方法及び設備を提供することを目的としている。さ
らに第3には、排煙中のSO2等の吸収工程として石灰石
膏法を採用する場合に、副生品である石膏の純度が高く
確保できること、或いは、産業廃棄物の排出量が減量で
きることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、鋭意研究を進めていたところ、石炭専焼のボイラ用
の排煙処理設備では、アンモニア注入をしなくても前述
したSO3の問題が生じないことが経験的に判明し、こ
の原因は石炭専焼の排煙にはフライアッシュ等の粉塵が
多量(油焚きの場合の10〜100倍程度)に含まれて
いるためであることが分った。
【0020】すなわち、発明者らの研究によれば、排煙
中にフライアッシュ等の粉体が含まれる場合には、排煙
中のSO3の凝結は前記粉体の粒子表面で生じて、SO3
が凝結してなるH2SO4の粒子は前記粉体の粒子と一体
となって存在し有害なヒューム(硫酸ミスト)とはなら
ないと考えられる。本発明は、このような知見に基づい
てなされたものであり、以下の様な特徴により、上述し
た課題を解決している。
【0021】請求項1記載の排煙処理方法は、少なくと
もSO2及びSO3を含有する排煙の処理方法であって、
粉体を前記排煙中に散布する粉体投入工程と、次いで前
記排煙を吸収塔に導いて吸収液に気液接触させることに
より、排煙中の少なくともSO2を吸収除去し、かつ前記
粉体を捕集する吸収工程とを有することを特徴とする。
【0022】請求項2記載の排煙処理方法は、少なくと
もSO2及びSO3を含有する排煙の処理方法であって、
粉体を前記排煙中に散布する粉体投入工程と、次いで前
記排煙を集塵機に導いて排煙中の少なくとも前記粉体を
捕集する粉塵捕集工程と、次いで前記排煙を吸収塔に導
いて吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少な
くともSO2を吸収除去する吸収工程とを有することを
特徴とする。
【0023】請求項3記載の排煙処理方法は、前記粉体
投入工程では、前記粉体の温度を排煙の温度よりも低い
状態とすることを特徴とする。
【0024】請求項4記載の排煙処理方法は、前記粉体
投入工程では、前記粉体を液に懸濁させたスラリとして
排煙中に散布することを特徴とする。
【0025】請求項5記載の排煙処理方法は、前記粉体
として石炭の燃焼排ガスに含まれる粉塵を使用すること
を特徴とする。
【0026】請求項6記載の排煙処理方法は、前記粉塵
捕集工程で捕集した粉体の少なくとも一部を、前記粉体
投入工程で排煙中に散布する粉体として再使用すること
を特徴とする。
【0027】請求項7記載の排煙処理方法は、前記吸収
工程を、石灰石が吸収剤として懸濁した吸収液を使用し
石膏を副生する石灰石膏法により行い、前記粉塵捕集工
程で捕集した粉体の少なくとも一部を、前記吸収工程に
おいて副生される石膏中に混入させて系外に排出するこ
とを特徴とする。
【0028】請求項8記載の排煙処理方法は、前記粉体
として石灰石を微粉砕したものを使用することを特徴と
する。
【0029】請求項9記載の排煙処理方法は、前記吸収
工程を、石灰石が吸収剤として懸濁した吸収液を使用し
石膏を副生する石灰石膏法により行い、この吸収工程に
おける前記吸収剤として必要な石灰石の全量を、前記粉
体として排煙中に散布することにより、間接的に前記吸
収液中に吸収剤を供給することを特徴とする。
【0030】請求項10記載の排煙処理設備は、少なく
ともSO2及びSO3を含有する排煙の処理設備であっ
て、排煙を吸収液に気液接触させることにより、排煙中
の少なくともSO2を吸収除去する吸収塔と、この吸収
塔の前流において粉体を排煙中に散布する粉体投入手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0031】請求項11記載の排煙処理設備は、少なく
ともSO2及びSO3を含有する排煙の処理設備であっ
て、排煙を吸収液に気液接触させることにより、排煙中
の少なくともSO2を吸収除去する吸収塔と、この吸収
塔の前流において排煙中の粉体を捕集する集塵機と、こ
の集塵機の前流において粉体を排煙中に散布する粉体投
入手段と、を備えたことを特徴とする。
【0032】請求項12記載の排煙処理設備は、前記集
塵機で捕集した粉体の少なくとも一部が、前記粉体投入
手段により排煙中に散布される粉体として再使用される
構成としたことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の各例
を図面に基づいて説明する。なお、図4に示す従来例と
同様の要素には同符号を付して重複する説明を省略す
る。第1例 まず、図1により本発明の第1例を説明する。この例
は、図4の従来の排煙処理において、アンモニア注入工
程を削除し、電気集塵機3の直前位置において排煙中に
粉体を散布する粉体投入手段(図示省略)を設置し、こ
の粉体投入手段により石炭の燃焼排ガスに含まれる粉塵
(いわゆる石炭灰H)を粉体として排煙A中に散布する
工程(粉体投入工程)を、前記電気集塵機3による粉塵
捕集工程の直前に設けたものである。
【0034】なお上記石炭灰Hとしては、例えば石炭専
焼発電プラントにおける排煙処理設備の電気集塵機によ
り捕集されたものが使用できる。このような石炭灰は、
通常産業廃棄物として処理されているので、ほとんど運
搬コストだけで極めて安価に入手可能である。
【0035】また、上記粉体投入手段としては、例えば
気流搬送によるもの、或いはスラリ搬送によるものが使
用できる。気流搬送によるものとしては、例えば、粉体
を気流搬送するためのブロワ又は空気圧縮気や輸送管
と、気流搬送された粉体を排煙のダクト内に分散させて
噴射させる固定式ノズルとよりなるものが使用できる。
また、スラリ搬送によるものとしては、例えば、粉体を
液中に混入させてスラリとする攪拌槽と、この攪拌槽で
生成されたスラリを圧送するためのスラリポンプと、圧
送されたスラリを排煙のダクト内に分散させて噴射させ
る固定式ノズルとよりなるものが使用できる。
【0036】なお、粉体をスラリとして散布する場合に
は、SO3が粉体粒子表面に捕集される作用が高く発揮さ
れるように、スラリを構成する液を排煙の熱により即座
に蒸発するものとすることが好ましいが、この液として
は、例えば一般的な工業用水等の水で十分である。排煙
Aの温度は160℃程度と高温のため、散布されたスラ
リ中の水分は即座に蒸発するからである。また、スラリ
の粉体濃度も脱硫装置10における吸収剤スラリの固形
分濃度と同程度(例えば、20〜30重量%程度)でよ
い。
【0037】なお、粉体としての石炭灰Hの投入量は、
スラリとして散布する場合でも、単位体積当たりの排煙
中のSO3量(S)に対する単位体積当たりの排煙中の粉
体量(D)の重量比(D/S)が、後述の図3に示すよ
うな関係を満たすように設定すればよい。例えば、SO
3の除去率を70%程度達成する必要がある場合には、
D/S≧25程度となるように散布してやればよい(例
えば、SO3濃度が50mg/m3Nの場合、排煙中の粉
塵を含む粉体量が1250mg/m3N以上となる量だ
け、石炭灰Hを投入すればよい)。
【0038】このようにすれば、前述した粉体の作用が
確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO3対策が、アン
モニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置
構成で実現できる。すなわち、排煙中のSO3が凝結して
も、この凝結はほとんどすべてが前記石炭灰等の排煙中
の粉体の粒子表面で生じて、SO3が凝結してなるH2
4の粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し、有
害なヒューム(硫酸ミスト)はほとんど生じない。
【0039】しかも、投入された石炭灰は、粒径が10
μm程度と比較的大径なため、従来の硫酸ミストはもち
ろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、比較的高い捕
集率で電気集塵機3においてそのほとんどが捕集され、
この電気集塵機3で捕集されなかった僅かな残りも、そ
の後の脱硫装置10の吸収塔12,13においてほぼ完
全に捕集され、その後の処理後排煙C中にほとんど残留
しない。なお、吸収塔12,13で捕集された僅かな石
炭灰は、循環するスラリ中に溶解又は懸濁して、最終的
には副生された石膏E中に含有されるが、僅かであるの
で問題ない。一方、石炭灰等の表面に凝結し石炭灰等と
ともに吸収塔12,13で捕集されたSO3よりなる硫
酸は、最終的には吸収塔のタンク11内等において石灰
石と前述の中和反応(3)を起こし、副生される石膏の
一部となる。
【0040】そしてこの例では、電気集塵機3による粉
塵捕集工程で捕集した粉塵(排煙中に散布された粉体と
排煙中の粉塵とを含むもの)の一部B1を、排煙中に散
布する本発明の粉体として再使用する構成としている。
すなわち、電気集塵機3で捕集された粉塵の一部B1
は、この場合一旦粉体サイロ30に供給され、ここで新
たな石炭灰Hを添加された後、再び前述した粉体投入手
段よって電気集塵機3の前流に散布されて、循環使用さ
れる。このため本例の場合、排煙中に散布される粉体中
には、外部から供給される石炭灰Hの他に、エアヒータ
1から導出される未処理排煙A中に元来含有されていた
フライアッシュ等の粉塵も含まれる。
【0041】また本例では、乾式の電気集塵機3で捕集
した粉塵の残りの一部B2を、脱硫装置10において副
生される石膏E中に均一に混入させて系外に排出するよ
うにしている。なおここで、散布する粉体の全投入量
は、前述のD/Sの条件を満たす範囲で必要最低限の量
とするのが好ましく、また循環使用する粉塵B1の量
は、散布される粉体がSO3を捕集する能力を有する限
界まで増加させ、新たに追加する石炭灰Hの量や排出す
べき粉塵B2の量を必要最小限とするのが好ましい。こ
のようにすれば、石膏E中に混入させる粉塵B2の量を
僅かにすることができ、石膏Eの純度を高く確保できる
とともに、新たに追加すべき石炭灰Hの量を減量させて
石炭灰Hの取扱いを容易化できる。
【0042】したがって本例によれば、SO3によるスケ
ールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止されるととも
に、以下のような実用上優れた各種の効果が得られる。 (1)アンモニア消費量がゼロになって運転コストが格
段に低減できる。 (2)アンモニア注入のための設備が不要になり、かつ
アンモニア拡散のためにダクトを特別に長くする必要も
なくなって、その分設備コスト低減及び設備の小型化が
図れる。 (3)脱硫排水F2中にN成分が含まれないため、脱硫
排水F2の排水処理においてはめんどうなN処理が不要
となって、この点でも運転コストの低減や設備の小型化
が図れる。
【0043】(4)処理後排煙C中に含有されて大気放
出されるアンモニアがゼロになり、さらなる排煙のクリ
ーン化に大きく貢献できるとともに、将来のアンモニア
大気放出規制にも容易に対応できる。 (5)副生される石膏E中に含有されるアンモニアもな
くなるため、悪臭防止などのために石膏を洗浄する必要
もなくなる。 (6)従来のように処理後排煙C中に残留する硫酸ミス
トや硫安灰よりなる粉塵がなくなり、吸収塔の後流側に
湿式の電気集塵機を設けるといった手段を講じなくて
も、設備全体として除塵性能が向上し、この点でも排煙
のさらなるクリーン化に貢献できる。
【0044】(7)また、粉体である石炭灰Hをスラリ
として散布する場合には、従来より脱硫装置等で使用し
ていたスラリ生成用の攪拌槽やスラリポンプ、さらには
スラリ散布用のノズル等の機器がそのまま使用でき、設
備コストや装置の操作性の面でも有利であるとともに、
気流搬送の場合よりも排煙中に均一に拡散することが容
易となり、より効率良くSO3に起因する不具合が防止
できる。またこの場合、スラリの液が排煙中に蒸発する
際の冷却効果(或いはスラリの液が存在することによる
保冷効果)により、石炭灰Hの粒子の温度がより低く維
持されるため、石炭灰Hの粒子表面へのSO3の凝結が
促進され、粉体である石炭灰HによるSO3の捕集機能が
より高度に発揮される。
【0045】(8)また本例の場合には、SO3を捕集す
る粉体としての石炭灰H等を循環使用するようにしてい
るので、新たに供給すべき石炭灰Hの量を減量すること
ができるとともに、石膏Eに混入させる粉塵B2の量を
最小限にして石膏Eの純度を高く確保することができる
という、固有の効果を有する。
【0046】(9)また、粉塵B2を石膏Eに混入させ
るようにしているので、産業廃棄物としての粉塵の排出
量を無くして、この点でも運転コスト低減等に貢献でき
る。なお、より高い石膏純度が求められる場合には、粉
塵B2の一部或いは全部を石膏Eに混入させないように
してもよいのは、いうまでもない。
【0047】第2例 次に、図2により本発明の第2例を説明する。この例
は、吸収塔12,13の直前位置に粉体を散布する粉体
投入手段を設置し、この粉体投入手段により石灰石(C
aCO3)を微粉砕してなる粉体(即ち、例えば前述の石
灰石G)を本発明の粉体として排煙A中に散布するもの
である。なおこの場合も、石灰石を微粉砕したものを気
流搬送により排煙中に散布してもよいし、スラリ化して
散布してもよい。
【0048】また本例では、図1におけるスラリ調整槽
26やスラリポンプ27を削除して、ろ液F1を直接吸
収塔のタンク11に戻す構成とし、脱硫装置10での吸
収工程や石膏副生のための吸収剤として必要な石灰石の
全量を、前記粉体として排煙中に投入することにより、
間接的に脱硫装置10のタンク11内のスラリ中に吸収
剤を供給する。この場合、吸収剤として必要な石灰石G
の量は、基本的に排煙中の硫黄酸化物量に化学量論的に
比例した量となるので、排煙Aが通常の燃焼排ガス(例
えば重質油等の油系燃料の排煙)であれば、単位体積当
たりの排煙中のSO3量(S)に対する単位体積当たりの
排煙中の粉体量(D)の重量比(D/S)は、発明者ら
の試算によればD/S=28程度となる。
【0049】このため本例では、前述した粉体の作用が
確実かつ十分に実現されて、排煙中のSO3対策が、アン
モニア注入をしないで低コストかつ簡易な操作及び装置
構成で実現できる。すなわち、排煙中のSO3が凝結して
も、この凝結はほとんどすべてが前記石灰石等の排煙中
の粉体の粒子表面で生じて、SO3が凝結してなるH2
4の粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し、有
害なヒューム(硫酸ミスト)はほとんど生じない。
【0050】しかも、投入された石灰石は、粒径が10
0μm程度と大径なため、従来の硫酸ミストはもちろん
のこと、従来の硫安灰と比較しても、格段に高い捕集率
で脱硫装置10の吸収塔12,13において捕集され、
その後の処理後排煙C中にほとんど残留しない。なお、
吸収塔12,13で捕集された石灰石は、循環するスラ
リ中に溶解又は懸濁して、スラリを中和して石膏を副生
するための前述の吸収剤(アルカリ剤)として作用す
る。一方、石灰石等の表面に凝結し石灰石等とともに捕
集されたSO3よりなる硫酸は、最終的には吸収塔のタン
ク11内等において石灰石と前述の中和反応(3)を起
こし、副生される石膏の一部となる。
【0051】したがって本例によっても、SO3によるス
ケールの発生や腐食の発生が信頼性高く防止されるとと
もに、第1例で説明した(1)〜(7)と同様の効果が
得られる。しかも本例では、脱硫装置10の吸収工程で
必要な石灰石の全量を前記粉体として供給するようにし
ており、従来のスラリ調整槽26やスラリポンプ27を
削除しているため、この点でさらなる装置コストの低減
及び装置の小型化が実現できるという固有の効果が得ら
れる。
【0052】なお図3は、本発明の原理を裏付ける実測
データである。このデータは、SO3を3.7〜11.5
ppm程度含有する排煙中に石灰石の粉体と水よりなる
スラリ(濃度が20〜30重量%程度のもの)を単に散
布し、その後の排煙からの熱交換器による熱回収を行わ
ない場合の、石灰石の投入割合と、石灰石の粒子表面に
凝結して除去されるSO3ガスの割合とを示している。こ
のデータから石灰石をスラリとして単に煙道に散布する
だけでも、SO3が有効に除去できることが分り、D/S
の設定に応じてSO3が相当の除去率で除去できること
が分る。なお、このような微粉砕石灰石によるミストの
除去作用は、SO3を排煙中の粒子表面に凝結させるとい
う物理的なものであるので、微粉砕石灰石以外の粉体
(例えば、石炭灰)の場合でも、同様に生じる。
【0053】なお、本発明は以上説明した形態例に限ら
れず、各種の態様があり得る。例えば本発明の粉体は、
石灰石や石炭灰に限られず、SO3がその粒子表面に凝結
することができ、通常の電気集塵機や脱硫装置の吸収塔
において捕集可能な粉体であれば、いかなるものでもよ
い。但し、上記石灰石や石炭灰であれば、従来より排煙
処理設備で取扱い慣れたものであり、そのための設備や
取扱い上の技術も既存のものですむため、入手や取扱い
が容易であって、設備全体の運転になんら弊害がないば
かりか、前述したようにかえって石灰石を吸収塔タンク
に供給する手間が省ける等の利点がある。
【0054】また、例えば上述の図1に示した第1例に
おいて、石炭灰の代りに石灰石を使用してもよい。ま
た、本発明の粉体としては、例えば石灰石と石炭灰の両
者を混合して或いは別個に投入してもよい。さらに、石
灰石を投入する場合でも、SO3の捕集に必要な分だけを
排煙中に散布して、残りは従来どおり脱硫装置の吸収塔
のタンクに直接供給するようにしてもよい。また、上述
の第1例においては、電気集塵機3で捕集した粉体を含
む粉塵を本発明の粉体として再使用するようにしたが、
従来どおり産業廃棄物として全量廃棄してもよい。
【0055】また、SO3が粉体粒子表面に凝結するの
を促進するため、排煙の温度より低い温度の粉体(又は
そのスラリ)、例えば必要に応じて強制的に冷却した粉
体(又はそのスラリ)を排煙中に散布するようにしても
よい。このようにすれば、より効果的にSO3を粉体粒
子表面に凝結させて、有害なSO3のミストの発生をよ
り高度かつ容易に阻止できる。
【0056】また、本発明の吸収工程或いは吸収塔の構
成は、前述した各例の態様に限られないことはいうまで
もない。例えば、吸収塔の構成は一塔タイプのものでも
よいし、また充填式、スプレー式、バブリング式等の各
種方式の吸収塔(気液接触装置)が採用できる。また、
吸収剤として石灰石のようなカルシウム化合物を使用す
るものに限られず、例えば水酸化ナトリウムや水酸化マ
グネシウムを使用する脱硫方法を採用してもよい。
【0057】また本発明は、例えば、重油、オリマルジ
ョン、VR焚き、CWM/重油といった、各種油系の燃
料を用いるボイラの排煙用として用いて、特に高い効果
が得られるが、例えば石炭/重油混焼ボイラに使用して
も同様の効果が得られる。また、石炭専焼ボイラであっ
ても、起動時や試運転時等には、油系の燃料を燃やすこ
とがあるので、そのような場合には、本発明を適用する
と有効である。
【0058】
【発明の効果】本発明では、吸収塔又は集塵機において
捕集可能な粉体を排煙中に散布する粉体投入工程を、吸
収塔による吸収工程の前流、又は集塵機による粉塵捕集
工程の前流に設けた。このため、この粉体投入工程以降
において排煙中のSO3が凝結しても、この凝結は前記粉
体の粒子表面で生じて、SO3が凝結してなるH2SO4
粒子は前記粉体の粒子と一体となって存在し、有害なヒ
ューム(硫酸ミスト)の発生が減少する。
【0059】しかも、この粉体は吸収工程又は粉塵捕集
工程において捕集されるため、前記H2SO4の粒子もこ
の粉体とともにこれら工程のいずれかで捕集され、少な
くとも処理後排煙中にこの粉体やH2SO4の粒子が残留
することはない。このため本発明によれば、排煙中のS
3対策が、アンモニア注入をしないで容易に実現でき、
しかも注入した物質が処理後排煙中に残留するといった
弊害がなく、排煙のさらなるクリーン化が可能となる。
【0060】したがって、以下のような実用上優れた各
種の効果が得られる。 (1)SO3対策のためのアンモニアが不要になり運転コ
ストが格段に低減できる。 (2)アンモニア注入のための設備が不要になり、かつ
アンモニア拡散のためにダクトを特別に長くする必要も
なくなって、その分設備コスト低減及び設備の小型化が
図れる。
【0061】(3)脱硫排水中にN成分が含まれないた
め、脱硫排水の排水処理においてはめんどうなN処理が
不要となって、この点でも運転コストの低減や設備の小
型化が図れる。 (4)処理後排煙中に含有されて大気放出されるアンモ
ニアがゼロになり、さらなる排煙のクリーン化に大きく
貢献できるとともに、将来のアンモニア大気放出規制に
も容易に対応できる。
【0062】(5)石灰石膏法を採用した場合、副生さ
れる石膏中に含有されるアンモニアもなくなるため、悪
臭防止などのために石膏を洗浄する必要もなくなる。 (6)従来のように処理後排煙中に残留する硫酸ミスト
や硫安灰よりなる粉塵がなくなり、吸収塔の後流側に湿
式の集塵機を設けるといった手段を講じなくても、設備
全体として除塵性能が向上し、この点でも排煙のさらな
るクリーン化に貢献できる。
【0063】また、排煙中に散布する粉体の温度を排煙
の温度よりも低い状態とする場合には、より効果的にS
3を粉体粒子表面に凝結させて、有害なSO3のミスト
の発生をより高度かつ容易に阻止できる。
【0064】また、粉体を液に懸濁させたスラリとして
排煙中に散布する場合には、従来より脱硫装置等で使用
していたスラリ生成用の攪拌槽やスラリポンプ、さらに
はスラリ散布用のノズル等の機器がそのまま使用でき、
設備コストや装置の操作性の面でも有利であるととも
に、気流搬送の場合よりも排煙中に均一に拡散すること
が容易となり、より効率良くSO3に起因する不具合が
防止できる。またこの場合、スラリの液が排煙中に蒸発
する際の冷却効果(或いはスラリの液が存在することに
よる保冷効果)により、石炭灰Hの粒子の温度がより低
く維持されるため、石炭灰Hの粒子表面へのSO3の凝
結が促進され、粉体である石炭灰HによるSO3の捕集機
能がより高度に発揮される。
【0065】また、前記粉体として石炭の燃焼排ガスに
含まれる粉塵(石炭灰)を使用した場合にも、排煙のク
リーン化が高度に実現される。すなわち、石炭灰は、や
はり粒径が数10μm程度と比較的大径なため、従来の
硫酸ミストはもちろんのこと、従来の硫安灰と比較して
も、比較的高い捕集率で集塵機や吸収塔において捕集さ
れ、その後の処理後排煙中にほとんど残留しない。また
石炭灰であれば、石灰石と同様に従来より排煙処理設備
で取扱い慣れたものであり、そのための設備や取扱い上
の技術も既存のものですむため、入手や取扱いが容易で
あって、運転コストや設備コストがより低減できる。特
に石炭灰は、石炭専焼発電プラント等において、一般に
産業廃棄物として廃棄されるものであるため、ほとんど
無料で入手でき有利である。
【0066】また、粉塵捕集工程で捕集した粉体の少な
くとも一部を、排煙中に散布する粉体として再使用する
構成とした場合には、前述の基本的な効果に加えて、さ
らに以下のような固有の作用効果がある。
【0067】すなわちこの場合には、SO3を捕集する粉
体としての石炭灰等が循環使用されるので、新たに供給
すべき石炭灰等の量を減量することができるとともに、
系外に排出すべき石炭灰等の粉塵量が減量できる。また
このため、後述する如く、系外に排出すべき石炭灰等の
粉塵を石灰石膏法の場合の石膏に混入させるようにした
場合でも、この粉塵の量を最小限にして石膏の純度を高
く確保することができるという、固有の効果を有する。
【0068】さらに、粉塵捕集工程で捕集した粉体の少
なくとも一部(つまり、系外に排出すべき石炭灰等の粉
塵)を、石灰石膏法の場合の副生品である石膏に混入さ
せるようにした場合には、産業廃棄物としての粉塵の排
出量を無くして、この点でも運転コスト低減等に貢献で
きる。
【0069】また、前記粉体として石灰石を微粉砕した
ものを使用する場合には、投入された石灰石は、粒径が
100μm程度と大径なため、従来の硫酸ミストはもち
ろんのこと、従来の硫安灰と比較しても、格段に高い捕
集率で集塵機(粉塵捕集工程)や吸収塔(吸収工程)に
おいて捕集され、その後の処理後排煙中にほとんど残留
しない。このため、排煙のクリーン化が特に高度に実現
される。
【0070】また石灰石であれば、従来より排煙処理設
備で取扱い慣れたものであり、そのための設備や取扱い
上の技術も既存のものですむため、入手や取扱いが容易
であって、運転コストや設備コストがより低減できる。
また石灰石であれば、排煙中に投入しても設備全体の運
転になんら弊害がないという利点もある。すなわちこの
場合、吸収塔で捕集された石灰石は、吸収液中に溶解又
は懸濁して、吸収液を中和するための吸収剤(アルカリ
剤)として作用し、硫黄酸化物の吸収反応をかえって促
進する。また、吸収剤として石灰石を使用し吸収した硫
黄酸化物から石膏を副生する石灰石膏法を採用した場合
には、石灰石を粉体として排煙中に投入する態様であれ
ば、石灰石の全体の投入量を従来どおり管理すれば石膏
の純度になんら悪影響がなく、また投入した石灰石は有
用な石膏となるので、産業廃棄物の増加も全くない。
【0071】また、排煙中のSO2等の吸収工程を石灰
石膏法により行い、この吸収工程における吸収剤として
必要な石灰石の全量を、前記粉体として排煙中に散布す
る構成とした場合には、従来石灰石を例えばスラリ化し
て吸収塔タンクに供給していた設備が全く不要になり、
この点でさらなる設備コストの低減等が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1例である排煙処理設備の構成を示
す図である。
【図2】本発明の第2例である排煙処理設備の構成を示
す図である。
【図3】本発明の作用を裏付けるデータを示す図であ
る。
【図4】従来の排煙処理設備の構成例を示す図である。
【符号の説明】
2 導入ダクト 3 集塵機 10 脱硫装置 12,13 吸収塔 A 未処理排煙 B,B1,B2 粉塵(粉体) C 処理後排煙 E 石膏 G 微粉砕石灰石(粉体) H 石炭灰(粉体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜川 直彦 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 沖野 進 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともSO2及びSO3を含有する排
    煙の処理方法であって、 粉体を前記排煙中に散布する粉体投入工程と、次いで前
    記排煙を吸収塔に導いて吸収液に気液接触させることに
    より、排煙中の少なくともSO2を吸収除去し、かつ前記
    粉体を捕集する吸収工程とを有することを特徴とする排
    煙処理方法。
  2. 【請求項2】 少なくともSO2及びSO3を含有する排
    煙の処理方法であって、 粉体を前記排煙中に散布する粉体投入工程と、次いで前
    記排煙を集塵機に導いて排煙中の少なくとも前記粉体を
    捕集する粉塵捕集工程と、次いで前記排煙を吸収塔に導
    いて吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少な
    くともSO2を吸収除去する吸収工程とを有することを
    特徴とする排煙処理方法。
  3. 【請求項3】 前記粉体投入工程では、前記粉体の温度
    を排煙の温度よりも低い状態とすることを特徴とする請
    求項1又は2記載の排煙処理方法。
  4. 【請求項4】 前記粉体投入工程では、前記粉体を液に
    懸濁させたスラリとして排煙中に散布することを特徴と
    する請求項1又は2記載の排煙処理方法。
  5. 【請求項5】 前記粉体として石炭の燃焼排ガスに含ま
    れる粉塵を使用することを特徴とする請求項1又は2記
    載の排煙処理方法。
  6. 【請求項6】 前記粉塵捕集工程で捕集した粉体の少な
    くとも一部を、前記粉体投入工程で排煙中に散布する粉
    体として再使用することを特徴とする請求項2記載の排
    煙処理方法。
  7. 【請求項7】 前記吸収工程は、石灰石が吸収剤として
    懸濁した吸収液を使用し石膏を副生する石灰石膏法によ
    り行い、前記粉塵捕集工程で捕集した粉体の少なくとも
    一部を、前記吸収工程において副生される石膏中に混入
    させて系外に排出することを特徴とする請求項2記載の
    排煙処理方法。
  8. 【請求項8】 前記粉体として石灰石を微粉砕したもの
    を使用することを特徴とする請求項1又は2記載の排煙
    処理方法。
  9. 【請求項9】 前記吸収工程は、石灰石が吸収剤として
    懸濁した吸収液を使用し石膏を副生する石灰石膏法によ
    り行い、この吸収工程における前記吸収剤として必要な
    石灰石の全量を、前記粉体として排煙中に散布すること
    により、間接的に前記吸収液中に吸収剤を供給すること
    を特徴とする請求項8記載の排煙処理方法。
  10. 【請求項10】 少なくともSO2及びSO3を含有する
    排煙の処理設備であって、 排煙を吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少
    なくともSO2を吸収除去する吸収塔と、この吸収塔の
    前流において粉体を排煙中に散布する粉体投入手段と、
    を備えたことを特徴とする排煙処理設備。
  11. 【請求項11】 少なくともSO2及びSO3を含有する
    排煙の処理設備であって、 排煙を吸収液に気液接触させることにより、排煙中の少
    なくともSO2を吸収除去する吸収塔と、この吸収塔の
    前流において排煙中の粉体を捕集する集塵機と、この集
    塵機の前流において粉体を排煙中に散布する粉体投入手
    段と、を備えたことを特徴とする排煙処理設備。
  12. 【請求項12】 前記集塵機で捕集した粉体の少なくと
    も一部が、前記粉体投入手段により排煙中に散布される
    粉体として再使用される構成としたことを特徴とする請
    求項11記載の排煙処理設備。
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DK98103021T DK0862939T3 (da) 1997-03-03 1998-02-20 Fremgangsmåde til behandling af röggas
ES98103021T ES2252802T3 (es) 1997-03-03 1998-02-20 Procedimiento para tratar gas de combustion.
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JP2010125377A (ja) * 2008-11-27 2010-06-10 Babcock Hitachi Kk 湿式脱硫装置

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