JPH11332298A - 電動機制御装置および制御方法 - Google Patents

電動機制御装置および制御方法

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JPH11332298A
JPH11332298A JP10153572A JP15357298A JPH11332298A JP H11332298 A JPH11332298 A JP H11332298A JP 10153572 A JP10153572 A JP 10153572A JP 15357298 A JP15357298 A JP 15357298A JP H11332298 A JPH11332298 A JP H11332298A
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Yasumi Kawabata
康己 川端
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英治 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流電動機においてトルクの脈動が生じてい
た。 【解決手段】 モータの回転数、要求トルクに応じてd
軸、q軸の目標電流を設定する電流設定部を設ける。設
定された目標電流に基づいてPI制御により電圧指令値
を設定する。この電圧指令値に応じたPWM制御により
モータの各相に電流を流す。かかる処理の繰り返しによ
りモータの運転を制御する。電流設定部が目標電流の設
定に用いる電流マップとしては電気角に応じて目標電流
が変化するマップを用意する。さらに、モータの電気角
を検出するセンサを設け、電流設定部は検出された電気
角も考慮して目標電流を設定する。こうすることにより
モータの回転中におけるトルクの脈動を低減することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機の運転を制
御する制御装置および制御方法に関し、詳しくは出力ト
ルクの変動を抑制して電動機の運転を行うための制御装
置および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多相交流を巻線に流し、該巻線による磁
界と永久磁石による磁界との相互作用により回転子を回
転させる電動機で、所望の回転トルクを得るためには、
要求トルクに応じて巻線に流す多相交流を制御する必要
がある。巻線に流す多相交流は、電流値と位相角によっ
て設定される。
【0003】位相角とは、固定子に対する回転子の電気
的な回転位置を示す電気角と巻線に流す電流によって生
じる磁界の方向との偏差を表す角度である。例えば回転
子に永久磁石を備える同期モータでは、永久磁石により
生じる磁界が回転子の中心を貫く方向をd軸方向とし、
d軸方向に電気的に直交する方向をq軸方向と定義する
と、q軸に近い方向に磁界が生じる位相角で巻線に電流
を流した場合に最大トルクが生じる。
【0004】従来は、電動機から出力すべきトルクと、
巻線に流す電流の電流値および位相角との関係を記憶す
るマップを用意し、要求トルクに基づいてこのマップを
参照することにより、巻線に流す電流を設定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる方法に
より電流を設定した場合、電動機の出力トルクに脈動が
生じることが見いだされた。出力トルクの脈動の様子を
図10に示す。図10は、一定の要求トルクTreqを
出力するための制御を実施した場合の出力トルクTol
dを、横軸に電気角をとって示したグラフである。図1
0に示される通り、電気角の変化、即ち電動機の回転に
応じて出力トルクToldは要求トルクTreqよりも
増えたり、減ったりする脈動を生じていた。図10で示
した例では、電気角が概ね60度の周期で脈動を生じて
いた。脈動の周期は電動機の回転子に備えられた永久磁
石や固定子のティースの数等に応じて変化した。
【0006】このようなトルクの脈動は電動機を種々の
装置の動力源として使用する上で好ましくない現象であ
る。例えば、いわゆるハイブリッド車両の動力源として
電動機を利用した場合には、図10に示したトルクの脈
動により、車両の乗り心地を損ねる可能性があった。ま
た、トルクの脈動が生じているとき、電動機は余剰のト
ルクを出力したりトルクが不足したりしているため、要
求トルクTreqに相当する一定のトルクを出力し続け
る場合に比較して運転効率が低下していた。一般に余剰
のトルクとして出力されたエネルギは熱等の形で消費さ
れてしまうからである。
【0007】図10では、一例として同期モータについ
てトルクの脈動が生じている場合を示した。かかるトル
クの脈動は、同期モータのみならず誘導モータなど種々
の交流モータにおいて同様に生じていた。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになさ
れ、巻線に多相交流を流すことにより回転子を回転させ
る電動機において、出力トルクの脈動を低減するための
制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、本発明では以下の構成を採っ
た。本発明の電動機制御装置は、巻線に流す多相交流を
制御することによって、該多相交流を流した際に該巻線
に生じる回転磁界を利用して回転子を回転させる電動機
の運転を制御する電動機制御装置であって、該電動機か
ら出力すべき要求トルクを設定する設定手段と、前記回
転子の電気的な回転位置を定義する電気角を検出する電
気角検出手段と、前記要求トルクを出力するために巻線
に流す電流を、該要求トルクのみならず前記検出された
電気角も考慮して設定する電流設定手段と、該設定され
た電流を前記巻線に流す通電手段とを備えることを要旨
とする。
【0010】かかる電動機制御装置によれば、電動機か
ら出力するトルクの脈動を低減することができる。この
結果、種々の装置の動力源として適用した場合に、電動
機ひいては該電動機が適用された装置を安定して運転す
ることができる。また、電動機を効率よく運転すること
もできる。以下、かかる作用について説明する。
【0011】本発明の電動機制御装置を完成するため
に、従来の制御方法により出力トルクの脈動(図10参
照)が生じていた原因を探求する必要があった。図10
に示すトルクの脈動には種々の原因が考えられる。例え
ば、回転子の重心位置の変動や軸受けの摩擦の不均一性
などの機械的な要素および巻線に電流を流すための回路
における抵抗やスイッチング素子の応答性の不均一性な
どの電気的な要素等である。本発明の発明者は、トルク
の脈動の原因を探求するため、図10のトルクが出力さ
れる際に電動機の巻線に流れる電流を測定した。電流の
測定結果を図11に示す。図10で用いた同期モータに
は多相交流が流れている。図11は、これらのうち一つ
の相に着目した相電流の変化を示したグラフである。図
11に示す通り、一定のトルクを出力するために巻線に
流すべき電流値ioptに対し、現実の電流値iold
が多かったり少なかったりしている。これにより、図1
0に示すトルクの脈動の主要因が巻線に流す電流にある
ことが見いだされた。
【0012】発明者は、次に図10のトルクの脈動は約
60度の電気角の周期で生じている点に着目した。一般
に巻線にはインダクタンスと呼ばれる一種の抵抗が生じ
ている。この抵抗は外部からの磁界の影響を受けて変化
する。回転子が回転している場合には、回転子に備えら
れた永久磁石による磁界が巻線に与える影響が変化する
から、巻線のインダクタンスが変化することになる。こ
の変化は、モータの磁極の数に応じた電気角の周期で現
れる。インダクタンスが変化すれば、要求トルクに応じ
て設定された電流指令値に基づいて電圧を印加しても実
際に流れる電流値は電流指令値とは異なってしまう。発
明者はかかる考察から、図10に示したトルクの脈動の
主要因がインダクタンスの変化にあることを見いだし
た。
【0013】本発明は、上述の観点により完成されたも
のである。本発明の電動機制御装置における電流設定手
段は、巻線に流す電流を要求トルクのみならず電気角も
考慮して設定する。電気角を考慮する点で従来の電流の
設定方法と大きく相違する。このように電気角に応じて
巻線に流す電流を変化させることにより、要求トルクを
出力するために必要となる電流を適切に巻線に流すこと
ができ、トルクの脈動を低減することができる。
【0014】「電気角を考慮する」とは、設定される電
流が電気角に応じて変え得るように設定されることを意
味する。図10に示したように、ほぼ全般の電気角にお
いてトルクの脈動が生じている場合には、各電気角で設
定される電流が周期的に変化することになる。また、あ
る特定の電気角においてパルス的にトルクの変動が生じ
るような場合には、該電気角においてのみ電流が変化す
ることになる。本発明における「考慮」には、両者の態
様を含んでいる。
【0015】また、「電流の設定」としては、電動機の
トルク制御に関する本質的な要素の設定という意味であ
る。一般には、先に説明したd軸方向およびq軸方向の
電流がトルク制御においては、本質的な要素とされてい
る。これらの要素を設定するものとして、具体的にd軸
方向の電流値およびq軸方向の電流値をそれぞれ与える
ものとしてもよいし、巻線に流す電流値と位相角を与え
るものとしてもよい。もちろん、電動機に実際に流れる
各相の電流値の大きさとして設定することも可能であ
る。
【0016】本発明では、「電流の設定」を上述の意味
で用いるから、d軸電流およびq軸電流に置換した場合
に電気角に依らずに一定値となるような「電流の設定」
は、本発明における電気角を考慮した電流の設定には該
当しない。例えば、電動機に実際に流れる各相の電流値
の大きさは電気角によって変化することになるが、d軸
電流、q軸電流としての大きさが変化しない場合には本
発明における「電流の設定」には含まれない。
【0017】なお、本発明の電動機制御装置における
「要求トルク設定手段」は、電動機制御装置内部で要求
トルクを設定する手段であってもよいし、外部から要求
トルクを入力することにより電動機から出力すべきトル
クを設定する手段であってもよい。
【0018】また、「電気角検出手段」としては、いわ
ゆるホール素子その他のセンサを用いて電気角を検出す
る装置であっても良いし、巻線の電圧値および電流値な
どに基づいて演算により電気角を検出する手段であって
もよい。
【0019】本発明の電動機制御装置において、前記電
流設定手段は、電気角およびトルクと、該トルクを出力
するために前記巻線に流すべき電流との関係を記憶する
記憶手段と、前記要求トルクおよび電気角に基づいて、
前記関係を参照して該要求トルクを出力するために前記
巻線に流すべき電流を求める参照手段とを有するものと
することが望ましい。
【0020】かかる構成によれば、巻線に流す電流を、
要求トルクおよび電気角に応じて設定することができ
る。上記記憶手段としては、電気角およびトルクの離散
的な値に対して巻線に流すべき電流を記憶するマップ
や、電気角およびトルクと電流値との関係を与える関数
を記憶する手段などが挙げられる。もちろん、従来の制
御方法によって一旦トルクに応じた電流を設定した後、
電気角に応じて設定された電流を補正するものとしても
構わない。かかる場合には記憶手段にはトルクに基づい
て電流を設定するための関係と、電気角に基づいて設定
された電流を電気角に応じて補正するための関係とを記
憶することになる。
【0021】また、「参照」とは、記憶手段にマップが
記憶されている場合には、該マップから適切な値を読み
とることおよび必要に応じて該マップの補完演算を行う
ことが該当する。記憶手段に関数が記憶されている場合
には、必要な諸量を代入して該関数を演算することが該
当する。その他、巻線に流すべき電流を、記憶手段に記
憶されている内容に応じて求める方法が本発明における
「参照」に相当する。
【0022】本発明の電動機制御装置においては、さら
に、該電動機の回転子の回転数を検出する回転数検出手
段を有し、前記電流設定手段は、該検出された回転数を
も考慮して電流を設定する手段であるものとすることが
望ましい。
【0023】こうすれば、回転数に応じた適切な電流を
流すことができる。回転子の回転により電動機の巻線に
は誘導起電力が生じる。かかる誘導起電力は電動機の回
転数に応じて変化する。従って、トルクを効率的に出力
するためには、電動機に流す電流の位相角を回転数に応
じて変化させることが好ましい。上記構成によれば、回
転数も考慮して電流を設定するため、回転数に応じて適
切なトルクを効率よく出力することができる。
【0024】さらに、本発明の電動機制御装置におい
て、該電動機の回転子の回転数を検出する回転数検出手
段を有し、前記電流設定手段は、前記電動機の回転数が
所定の値以下の場合のみに前記検出された電気角を考慮
する手段であるものとすることも好ましい。
【0025】かかる構成によれば、電動機の回転数が所
定の値以下の場合のみに電気角を考慮して電流を設定す
る。電動機がある装置の動力源として適用された場合、
トルクの脈動による装置の運転への影響は、電動機が低
速回転しているときに顕著である。従って、上記構成に
よれば、このようにトルクの脈動による影響が顕著な領
域において、電気角を考慮した電流の設定を行うことに
より、トルクの脈動を低減することができるため、有用
性が高い。上記発明における所定の値は、このようにト
ルクの脈動による影響に基づいて予め設定される値であ
る。
【0026】また、本発明は以下に示す電動機の制御方
法としても成立する。本発明の電動機の制御方法は、多
相交流を巻線に流した際に該巻線に生じる回転磁界を利
用して回転子を回転させる電動機について、該巻線に流
す電流を制御して該電動機の運転を制御する電動機の制
御方法であって、(a) 該電動機から出力すべきトル
クの要求値を設定する工程と、(b) 前記回転子の電
気的な回転位置を定義する電気角を検出する工程と、
(c) 電気角およびトルクと、該トルクを出力するた
めに前記巻線に流すべき電流とについて予め記憶された
関係を、前記要求トルクおよび電気角に基づいて参照す
ることにより、該要求トルクを出力するために前記巻線
に流すべき電流を求める工程と、(d) 該設定された
電流を前記巻線に流す工程とを備えることを要旨とす
る。
【0027】かかる制御方法によれば、先に電動機の制
御装置として説明した種々の作用により、トルクの脈動
を低減しつつ、効率よく電動機の運転を制御することが
できる。
【0028】なお、上述した電動機の制御装置および制
御方法は、中心部にロータを備え、外周部にステータを
備えるいわゆるインナロータ型の電動機のみならず、い
わゆるアウタロータと呼ばれるタイプの電動機にも適用
可能である。アウタロータ型の電動機は、中心部のステ
ータと、その外周を円状に取り囲むようにロータとを備
え、三相コイルに制御電流を流すことにより回転磁界が
形成され、円環状のアウタロータを回転させる電動機で
ある。また、インナロータとアウタロータとを備える対
ロータ電動機にも適用可能である。また、電動機の構成
としては、永久磁石を備えた電動機および永久磁石に代
えて電磁石を用いた電動機など種々の構成に適用可能で
ある。
【0029】また、本発明の電動機制御装置を組み込む
ことにより、電動機を動力源とする種々の装置の発明を
構成することも可能である。かかる装置としては、種々
の工作機械や家電製品が挙げられる。また、近年では、
電動機を動力源として走行可能な車両も提案されてお
り、以下に示す通り、かかる車両の発明として構成する
こともできる。例えば、巻線に流す多相交流を制御する
ことによって、該多相交流を流した際に該巻線に生じる
回転磁界を利用して回転子を回転させる電動機と、該電
動機の運転を制御する電動機制御装置とを備え、該電動
機を動力源として走行可能な車両であって、該車両の走
行状態に応じて、前記電動機から出力すべき要求トルク
を設定する設定手段を備え、前記電動機制御装置は、前
記回転子の電気的な回転位置を定義する電気角を検出す
る電気角検出手段と、前記要求トルクを出力するために
巻線に流す電流を、該要求トルクのみならず前記検出さ
れた電気角も考慮して設定する電流設定手段と、該設定
された電流を前記巻線に流す通電手段とを備える装置で
あることを要旨とすることができる。もちろん、先に説
明した種々の構成からなる電動機制御装置をそれぞれ適
用することが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】(1)実施例の構成:以下、本発
明の実施の形態について、実施例を用いて説明する。図
1は、本実施例の電動機制御装置10の機能ブロックを
示す説明図である。電動機制御装置10が制御する対象
はモータ40である。モータ40は、後述する通り、
U,V,Wの三相交流を流すことにより回転する同期モ
ータである。
【0031】電動機制御装置10には、このモータ40
の電気角θを検出するための電気角センサ114と回転
数Nを検出するための回転数センサ115が設けられて
いる。これらのセンサ114,115により検出された
電気角θおよび回転数Nは電流設定部212に受け渡さ
れる。電流設定部212には要求トルク設定部216に
より設定された要求トルクT*も受け渡される。これら
の値に基づいて、電流設定部212は電流マップ214
を参照し、電流指令値id*,iq*を設定する。
【0032】一方、3相/2相変換部210は、モータ
40のU,V,Wの各相に流れている電流を3相/2相
変換し、d軸に流れている電流idとq軸に流れている
電流iqとを算出する。図1では、U,V,Wの各相に
流れている電流のうちU相の電流iuとV相の電流iv
のみを用いるものとして示した。これは、3相交流の場
合、U,V,W相に流れる電流の合計値は常に値0とな
るため、W相の電流値iwは検出する必要がないからで
ある。
【0033】先に設定された電流指令値id*,iq*
と、実際に流れている電流id,iqとの差分に基づい
てPI制御部202d,202qは、いわゆる比例積分
制御によってそれぞれd軸およびq軸に印加すべき電圧
指令値Vd*,Vq*を設定する。こうして設定された
電圧指令値Vd*,Vq*は2相/3相変換部204に
よりU,V,Wの各相の電圧指令値Vu*,Vv*,V
w*に変換される。これらの指令値に基づいて、PWM
制御部206は各相への印加電圧を制御するためのスイ
ッチング信号Su,Sv,Swを設定する。このスイッ
チング信号に基づいたスイッチングを行うことにより通
電部208は各相に電流を通電する。
【0034】なお、本実施例では、後述する通り、通電
部208として内部にスイッチング素子を備える構成を
採用しているため、PWM制御部206では通電部20
8を駆動するためのスイッチング信号を生成している。
これに対し、スイッチング素子を持たない通電部208
を採用する場合には、PWM制御部206を省略しても
構わない。また、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を
実現可能な制御方法であれば、PWM制御に依らずその
他の制御方法によるスイッチング信号の生成を行うもの
としても良い。l
【0035】次に、本実施例の電動機制御装置10およ
びモータ40のハードウェア構成を説明する。図2は、
本実施例の電動機制御装置10のハードウェア構成を示
す説明図である。モータ制御装置10は、モータ40の
電気角θを検出する電気角センサ114,回転数Nを検
出する回転数センサ115,外部からのトルク指令を受
けて三相同期モータ40の三相(U,V,W相)のモー
タ電流を制御する制御用ECU100、三相同期モータ
40のU相電流iu、V相電流ivを検出する電流セン
サ102、103、検出された電流の高周波ノイズを除
去するフィルタ106、107、検出した電流値をディ
ジタルデータに変換する2個のアナログディジタル変換
器(ADC)112、113から構成されている。電気
角センサとしては、ホール素子を用いたものが知られて
いる。なお、電気角センサ114と回転数センサ115
は兼用することも可能である。また、電気角はセンサに
よらず演算によって求めるものとしてもよい。
【0036】制御用ECU100の内部には、図示する
ように、算術論理演算を行うマイクロプロセッサ(CP
U)120、このCPU120が行う処理や必要なデー
タを予め記憶したROM122、処理に必要なデータ等
を一時的に読み書きするRAM124、計時を行うクロ
ック126等が設けられており、バスにより相互に接続
されている。このバスには、入力ポート116や出力ポ
ート118も接続されており、CPU120は、これら
のポート116,118を介して、三相同期モータ40
のU,V,Wの各相に流れる電流iu,iv、電気角
θ、回転数Nを読み込むことができる。
【0037】また、制御用ECU100には、別途入力
されるトルク指令に基づいて決定されたモータ40の各
相電流iu,iv,iwが得られるようモータ40の各
コイル間に電圧を印加するインバータ130およびバッ
テリ132が、その出力部に設けられている。CPU1
20からの制御出力Su,Sv,Sw,SDが、このイ
ンバータ130に出力されており、三相同期モータ40
の各コイルに印加される電圧を外部から制御することが
可能となっている。
【0038】インバータ130は本実施例ではいわゆる
トランジスタインバータを採用している。インバータ1
30はスイッチング素子としてのトランジスタが各相に
対し2つ一組で設けられている。各相の2つのトランジ
スタは一方がバッテリ132のソース側、他方がシンク
側に接続されている。制御用ECU100からの制御出
力Su,Sv,Sw、SDはこれらのトランジスタのゲ
ート信号に入力され、各トランジスタのオンオフを制御
する。但し、各相のシンク側に設けられたトランジスタ
にはインバータ素子により制御出力がハイロー反転され
て入力されるようになっている。従って、上記インバー
タの各相のトランジスタは通常は、ソース側とシンク側
とが排他的にオンオフするようになっている。なお、制
御信号SDは、全てのトランジスタをオフ状態にするシ
ャットダウン信号である。
【0039】図2における制御用ECU100が、図1
に示したPI制御部202d、202q、2相/3相変
換部204、PWM制御部206、3相/2相変換部2
10、電流設定部212、電流マップ214、要求トル
ク設定部216の各機能を果たす部分である。本実施例
では、要求トルク設定部216は、外部から入力された
トルク指令値を要求トルクT*として設定する機能を奏
するものとして構成した。また、インバータ130およ
びバッテリ132が通電部208に相当する機能を果た
す部分である。
【0040】次に、本実施例の電動機制御装置による制
御対象であるモータ40の構成について説明する。図3
は、モータ40の回転軸を含む断面における断面図であ
る。図4は、回転軸に直交する断面における断面図であ
る。図3に示す通り、この三相同期モータ40は、固定
子30と回転子50とこれらを収納するケース60とか
らなる。回転子50は、外周に永久磁石51ないし54
が貼付されており、その軸中心に設けられた回転軸55
を、ケース60に設けられた軸受61,62により回転
自在に軸支している。
【0041】回転子50は、無方向性電磁鋼板を打ち抜
いて成形した板状回転子57を複数枚積層したものであ
る。この板状回転子57は、図4に示すように、直交す
る位置に4箇所の突極71ないし74を備える。板状回
転子57を積層した後、回転軸55を圧入し、積層した
板状回転子57を仮止めする。この電磁鋼板を素材とす
る板状回転子57は、その表面に絶縁層と接着層が形成
されており、積層後所定温度に加熱され、接着層が溶融
することにより、固定される。
【0042】こうして回転子50を形成した後、回転子
50の外周面であって、突極71ないし74の中間位置
に、永久磁石51ないし54を軸方向に亘って貼付す
る。永久磁石51ないし54は、回転子50の半径方向
に磁化されており、その極性は隣り合う磁石同士が互い
に異なる磁極となっている。例えば、永久磁石51は外
周面がN極であり、その隣の永久磁石52は外周面がS
極となっている。この永久磁石51,52は、回転子5
0を固定子30に組み付けた状態では、板状回転子57
および板状固定子20を貫く磁路Mdを形成する(図4
破線参照)。
【0043】固定子30を構成する板状固定子20は、
板状回転子57と同じく無方向性電磁鋼板の薄板を打ち
抜くことで形成されており、図3に示すように、計12
個のティース22を備える。ティース22間に形成され
たスロット24には、固定子30に回転磁界を発生させ
るコイル32が巻回されている。尚、板状固定子20の
外縁部には、固定用のボルト34を通すボルト孔が設け
られているが、図4では図示を省略してある。
【0044】固定子30は、板状の板状固定子20を積
層し互いに押圧した状態として、接着層を加熱・溶融す
ることで一応固定される。この状態で、コイル32をテ
ィース22に巻回して固定子30を完成した後、これを
ケース60に組み付け、ボルト孔に固定用のボルト34
を通し、これを締め付けて全体を固定する。更に回転子
50をケース60の軸受61,62により回転自在に組
み付けることにより、この三相同期モータ40は完成す
る。
【0045】固定子30のコイル32に回転磁界を発生
するよう励磁電流を流すと、図4に示すように、隣接す
る突極および板状回転子57,板状固定子20を貫く磁
路Mqが形成される。尚、上述した永久磁石51により
形成される磁束が回転子50を、その回転軸中心を通っ
て径方向に貫く軸をd軸と呼び、回転子50の回転面内
において前記d軸に電気的に直交する軸をq軸と呼ぶ。
つまり、d軸およびq軸は回転子50の回転に伴い回転
する軸である。本実施例では、回転子50に貼付された
永久磁石51および53は外周面がN極となっており、
永久磁石52および54は外周面がS極となっているこ
とから、図4に示す通り、幾何学的にはd軸と45度方
向にある軸がq軸となる。
【0046】図5に本実施例の三相同期モータ40の等
価回路を示す。図5に示す通り、三相同期モータ40は
U,V,Wの三相コイルと、回転軸中心回りに回転する
永久磁石を有する等価回路により表される。d軸はこの
等価回路において永久磁石のN極側を正方向として貫く
軸として表され、q軸はd軸に対し幾何学的にも直交し
た軸として表される。また、電気角はU相コイルを貫く
軸とd軸との回転角θとなる。
【0047】(2)トルク制御:次に本実施例における
モータ制御装置10におけるトルク制御について図6の
フローチャートを用いて説明する。トルク制御ルーチン
は、図2に示したCPU120により周期的に実行され
る処理である。
【0048】このルーチンが開始されると、CPU12
0は目標トルクT*を読み込む(ステップS100)。
次に、電気角θおよび回転数Nの検出を行う(ステップ
S105)。電気角θは電気角センサ114により検出
され、回転数Nは回転数センサ115により検出され
る。また、電流iu,ivを検出する(ステップS11
0)。これらの値は電流センサ102,103により検
出される。
【0049】こうして検出された諸量に基づいて、CP
U120は3相/2相変換を行いd軸電流id、q軸電
流iqを算出する(ステップS115)。3相/2相変
換は以下に示す式を演算することにより実行される。i
d=√2×(−iu・sin(θ−120)+iv・s
inθ); iq=√2×(−iu・cos(θ−120)+iv・
cosθ); こうして演算されたd軸電流idおよびq軸電流iq
は、後述する電圧指令値の設定に用いられる。なお、電
動機のトルク制御においては、d軸電流およびq軸電流
が本質的なパラメータとなるため、本実施例ではこれら
の電流に変換して制御を実施している。かかる変換を行
わずにU,V,Wの3相のまま制御することも可能であ
る。
【0050】次に、CPU120は目標トルクT*、回
転数Nおよび電気角θに基づいてd軸、q軸の目標電流
id*,iq*を設定する(ステップS120)。この
処理は、ROM122内に記憶された電流マップ214
から、目標トルクT*、回転数Nおよび電気角θに相当
する値を読み出すことにより行う。電流マップ214の
内容については、その作成方法も含めて後述する。
【0051】なお、電流マップ214は、目標トルクT
*、回転数Nおよび電気角θの離散的な値に対し、目標
電流id*,iq*を与えるマップである。従って、目
標トルkT*等の値によっては該当する値がマップに存
在しない場合もある。本実施例では、かかる場合には、
電流マップ214を線形補完することにより該当する値
を求めるものとしている。マップを構成するトルク、回
転数、電気角の離散的な値が十分細かく設定されている
場合には、補完演算を省略してもよい。例えば、マップ
上に存在するポイントから目標トルクT*、回転数Nお
よび電気角θに最も近いポイントを選択し、そのポイン
トに対応する目標電流id*,iq*を用いるものとし
てもよい。
【0052】こうして目標電流id*,iq*が設定さ
れると、CPU120はd軸方向、q軸方向に印加すべ
き電圧指令値Vd*,Vq*を設定する(ステップS1
25)。この電圧指令値は、いわゆる比例積分制御(P
I制御)により設定される。つまり、ステップS115
において算出されたd軸電流id、q軸電流iqと、ス
テップS120において設定された目標電流id*,i
q*との差分△id、△iqを求め、その差分△id、
△iqの比例項と積分項との和により電圧指令値Vd
*,Vq*を設定する。比例積分制御は周知の制御方法
であるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0053】以上の処理により、d軸、q軸に印加する
電圧指令値Vd*,Vq*が設定された。次にCPU1
20はこれらの電圧指令値を2相/3相変換によりU,
V,Wの各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変
換する(ステップS130)。2相/3相変換は次式を
演算することにより行われる。
【0054】 Vu*=√(2/3)×(Vd*・cosθ−Vq*・sinθ); Vv*=√(2/3)×(Vd*・cos(θ−120) −Vq*・sin(θ−120)); Vw*=−Vu−Vv;
【0055】CPU120は、2相/3相変換した結果
に基づいて、PWM制御してインバータに出力する。つ
まり、各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を、イ
ンバータの各トランジスタのオンオフ信号のディーティ
比に変換して出力する。この信号によってインバータの
各トランジスタがオンオフされると、ステップS120
で設定した目標電流id*,iq*が流れる。この結
果、モータ40は目標トルクT*に相当するトルクを出
力する。以上の制御処理を周期的に繰り返すことにより
本実施例の電動機制御装置は、モータ40の運転を制御
する。
【0056】(3)電流マップ:次に、上記トルク制御
のステップS120において用いられる電流マップ21
4の内容を説明する。図7は、本実施例の電流マップ2
14を作成するために用いられる基礎データをプロット
したグラフである。図7のグラフは、電流位相角と、ト
ルクおよび電流値との関係を示している。図7中に示し
た3本の曲線は、それぞれ電流値i1,i2,i3に対
応した曲線である。電流値は、i1<i2<i3となっ
ている。また、図7に示す通り、このグラフは電気角θ
および回転数Nに応じて描かれる。
【0057】本実施例では、有限要素法等を用いた磁場
解析により図7のグラフを作成した。この解析では、モ
ータ40の回転中のある状態を入力すると、ロータおよ
びステータ間の磁場を解析することによりロータに作用
するトルクを出力することができる。かかる解析自体は
周知であるため詳細な説明は省略する。
【0058】例えば、かかる解析により、電気角θ=0
度、回転数N=0rpm、電流値=i2、電流位相角=
20度なる条件を与えると、出力トルク=T2なる結果
が得られる。これをプロットしたのが、図7の点P2で
ある。このように上記パラメータを種々の値に変化させ
て解析を実行すれば、図7に示す曲線を引くことができ
る。もちろん、図7のグラフを実験的に作成するものと
しても構わない。
【0059】ここで、位相角φの定義についてモータの
等価回路(図5)により説明する。位相角φとは、図5
に示す通り、巻線に流す電流ベクトルの方向とq軸方向
の偏差をいう。電流ベクトルの大きさをiとすると、図
5より明らかな通り、d軸電流id、q軸電流iqとの
間には、次式(1)が成立する。 id=−i×sinφ; iq= i×cosφ …(1)
【0060】一般に同期モータにおいては、巻線に流す
電流ベクトルがq軸方向に近い場合に大きなトルクを出
力することができる。電流ベクトルがd軸と一致した場
合、即ち位相角=90度の場合には、ロータを回転させ
る成分が生じなくなるため、トルクは出力されない。図
7に示す通り、本実施例のモータ40についても位相角
90度では電流値に関わらず、出力トルクが値0となっ
ている。
【0061】図7に示したグラフは電気角θおよび回転
数Nに応じて描かれる。本実施例では、電気角θを5度
刻み、回転数Nを100rpm刻みの値で設定し、各電
気角及び回転数の組み合わせに応じて図7に示すグラフ
を作成した。なお、電気角と回転数の刻みはモータの特
性およびトルク制御に要求される精度等に応じて任意に
設定可能である。また、必ずしも等間隔で設定する必要
はない。例えば、電気角で30度付近のみを細かく設定
し、0度付近は粗く設定するものとしても構わない。
【0062】また、電気角および回転数の全ての範囲に
対して図7のグラフを描く必要もない。本実施例のモー
タ40の場合は、3相の同期電動機であり、ロータとス
テータの位置関係は、電気角60度周期で同じ関係が繰
り返される。従って、本実施例では、電気角について
は、0度から60度の範囲でマップを用意し、60度か
ら120度およびそれ以降の電気角については、このマ
ップを繰り返し用いるものとしている。
【0063】図7のグラフに基づいて、トルク制御に用
いられる電流マップ214を設定する。電流マップ21
4の例を図8および図9に示した。電流マップ214
は、これらの図に示す通り、2つのマップから成り立っ
ている。図8は、トルクと電流位相角との関係を与える
マップである。図9は、電流位相角とモータ電流の関係
を与えるマップである。これらのマップは、図7のグラ
フにおける曲線i1,i2,i3のピーク部分(図7中
の点P1,P2,P3)を用いて作成される。ピーク部
分を用いてマップを作成するのは、かかる部分が電流値
に対して最も出力トルクが大きくなる点を示しており、
電動機を最も効率よく運転できる状態を示しているから
である。
【0064】図7の点P1,P2,P3を横軸にトル
ク、縦軸に電流位相角を採ってプロットすると、それぞ
れ図8の点P1,p2,P3となる。図7では、図示の
都合上、3本の曲線しか描いていないが、更に多くの電
流値に対して図7のグラフを作成することにより、図8
に示した曲線を得ることができる。
【0065】一方、図7の点P1,P2,P3を横軸に
電流値、縦軸に電流位相角を採ってプロットすると、そ
れぞれ図9の点P1,P2,P3となる。図7では、図
示の都合上、3本の曲線しか描いていないが、更に多く
の電流値に対して図7のグラフを作成することにより、
図9に示した曲線を得ることができる。
【0066】本実施例では、図8および図9のマップを
それぞれディジタル化したデータテーブルとしてROM
122に記憶している。図8および図9に示す通り、こ
れらのマップが電気角θに応じて用意されているところ
が、従来技術と大きく相違する。先に説明したトルク制
御ルーチンでは、検出された電気角θおよび回転数Nに
応じて、最初に図8に示したマップから目標トルクT*
に対応する電流位相角φを求める。次に、図9に示した
マップから電流位相角φに対応するモータ電流を求め
る。こうしてモータ電流と電流位相角が求まれば、上式
(1)に基づいてd軸およびq軸の目標電流id*,i
q*を求めることができる。
【0067】本実施例ではモータ電流と位相角とを与え
るマップを用いて、d軸およびq軸の目標電流id*,
iq*を設定している。これに対し、モータ電流および
位相角を与えるマップに代えて、d軸電流、q軸電流を
与えるマップを用いるものとしてもよい。こうすれば、
上式(1)を演算する必要がなくなる分、処理の高速化
を図ることができる。
【0068】以上で説明した本実施例の電動機制御装置
10によれば、モータ40のトルクの脈動を低減するこ
とができる。図10にトルク要求値Treqと出力トル
クとの関係を示す。図10中のToldで示した曲線が
要求値Treqに対して、従来の制御方法により出力さ
れるトルクを示している。図示される通り、大きな脈動
を示している。これに対し、本実施例の電動機制御装置
によれば、出力トルクを要求トルクTreqにほぼ一致
させることができる。また、図11には電動機の運転中
に流れる相電流を示した。図11中のioldで示され
る曲線が従来の制御方法により電動機を運転した場合の
電流を示している。図11中のioptで示される曲線
が要求トルクTreqを出力するために流すべき電流を
示している。図示される通り、従来の制御方法では、電
流値は本来流すべき電流ioptに対して脈動してい
る。これに対し、本実施例の電動機制御装置によれば、
曲線ipotに相当する電流を流すことができる。
【0069】上述した通り、本実施例の電動機制御装置
によれば、トルクの脈動を低減して電動機を運転するこ
とができる。この結果、本実施例の電動機制御装置によ
れば、電動機の運転効率を向上することができる。
【0070】なお、上記実施例のトルク制御には、いく
つかの変形した態様が可能である。例えば、上記実施例
ではステップS120において、目標電流値を設定する
ために図8および図9に示したマップを用いた。これに
対し、図8および図9の曲線を近似した関数を用いて目
標電流を設定するものとしても構わない。
【0071】また、上記実施例では、モータ40が低速
回転であるか高速回転であるかに関わらず、図8および
図9のマップを用いることにより、電気角θに応じて目
標電流を設定していた。モータ40の回転数が非常に高
速になった場合には、電気角θに応じて目標電流を設定
する処理がモータ40の回転に間に合わない可能性もあ
る。従って、モータ40が比較的低速で回転している場
合にのみ図8および図9に示したような電気角θを考慮
したマップを使用するものとし、その他の場合には電気
角θを考慮しない従来と同様のマップを用いるものとし
てもよい。
【0072】(4)モータ制御装置の適用例:本実施例
における電動機制御装置を備えたモータの有用性を示す
ため、これらの適用例について図12を用いて説明す
る。図12は、これらを適用したハイブリッドカーの概
略構成を示す説明図である。ハイブリッドカーとは、エ
ンジンとモータの双方を搭載した車両をいう。図12に
示すハイブリッドカーは以下で説明する通り、エンジン
の動力を直接駆動輪に伝達可能な構成となっている。か
かるハイブリッドカーを特にパラレル・ハイブリッドカ
ーと呼ぶ。
【0073】まず、図12に示したハイブリッドカーの
概略構成を説明する。エンジンEGは通常の車両に用い
られているガソリンエンジンまたはディーゼルエンジン
である。エンジンEGのクランクシャフトはプラネタリ
ギヤPGに機械的に接続されている。プラネタリギヤP
Gは中心で回転するサンギヤSGと、サンギヤSGのま
わりを自転しながら公転するプラネタリキャリアPC
と、プラネタリキャリアPCの周囲で回転可能なリング
ギヤRGとから構成されている。プラネタリギヤPGは
周知の通り、サンギヤSG、プラネタリキャリアPC、
リングギヤRGのうちいずれか2つに入出力される動力
が決定されると残余の一つに入出力される動力が決まる
という機械的特性を有している。
【0074】本実施例のハイブリッドカーは図12に示
す通り、エンジンEGのクランクシャフトがプラネタリ
キャリアPCに結合されている。また、サンギヤSGに
は発電機MG1が結合され、リングギヤRGにはモータ
GM2が結合されている。リングギヤRGは、またベル
ト等の動力伝達機構を経て駆動輪WHに結合されてい
る。発電機MG1およびモータMG2はそれぞれ同期モ
ータである。発電機MG1およびモータMG2はバッテ
リBAに電気的に接続されており、バッテリBAと電力
のやりとりを行っている。
【0075】エンジンEGの運転は、EFIECUによ
り制御されている。また、発電機MG1およびモータM
G2は、駆動回路DU1,Du2を介して制御ユニット
CUに電気的に接続されており、制御ユニットCUによ
り運転が制御されている。制御ユニットCUは、かかる
制御に必要な情報を種々のセンサにより取得している。
これらのセンサには、例えば、モータMG2の電気角お
よび回転数を検出するセンサSN1,SN2がある。そ
の他のセンサについては、図示を省略した。
【0076】制御ユニットCUは、エンジンを制御する
ために必要となる情報をEFIECUに出力することに
より、間接的にエンジンEGの運転をも制御している。
本実施例における電動機制御装置10(図2)との対応
を示すと、制御ユニットCUが制御用ECU100に相
当し、駆動回路DU2はそれぞれインバータ130に相
当し、モータMG2がモータ40に相当する。電流セン
サ102,103、フィルタ106,107およびAD
C112,113については図12では図示を省略し
た。
【0077】上記構成によるハイブリッドカーでは、エ
ンジンEGから出力される動力はプラネタリギヤPGに
より2つに分配されて伝達される。即ち、一部はサンギ
ヤSGに分配され発電機MG1によって電力として回生
される。この電力はバッテリBAに蓄えられる。プラネ
タリギヤPGにより分配された残余の動力はリングギヤ
RGを経て駆動輪WHに伝達され、車両の走行に用いら
れる。リングギヤRGにはモータMG2から出力される
動力も付加される。制御ユニットCUはエンジンEGか
ら駆動輪WHに伝達される動力とモータMG2から出力
される動力の総和が要求された動力に一致するようにエ
ンジンEG、発電機MG1、およびモータMG2の運転
をそれぞれ制御しているのである。このようなハイブリ
ッドカーではその他、エンジンEGの運転を停止してモ
ータMG2から出力される動力のみを用いて走行するな
ど、種々の運転モードによる走行が可能となっている。
【0078】上述した通り、モータMG2から出力され
る動力は駆動輪WHに伝達可能であるから、例えば、モ
ータMG2からの出力トルクが脈動すればその分車両の
乗り心地を損ねることになる。上記ハイブリッド車両に
おいて、本実施例のモータ制御装置を備えていれば、モ
ータMG2から出力されるトルクの変動を抑制すること
ができ、車両の走行状態に応じて設定された要求トルク
を定常的に出力することができるため乗り心地を改善す
ることができる。また、トルク変動なくモータMG2を
運転可能とすることによりハイブリッドカーの運転効率
を向上することもできる。なお、上記ハイブリッドカー
においては、発電機MG1も同期モータとして構成され
ており、運転モードによっては電力の供給を受けてトル
クを出力するモータとしても機能し得るため、本発明は
発電機MG1の制御装置として適用することも可能であ
る。
【0079】上記説明ではパラレルハイブリッドカーを
例にとって説明したが、本発明のモータ制御装置は、エ
ンジンEGから出力される動力が直接は駆動輪WHに伝
達できないタイプのハイブリッドカー、いわゆるシリー
ズハイブリッドカーにも適用可能である。当然、エンジ
ンEGを搭載しない、いわゆる電気自動車にも適用可能
である。
【0080】以上で説明した通り、本発明のモータ制御
装置は、トルク変動なくスムーズにモータを運転するこ
とができる点で非常に有用なものである。上記説明で
は、一例としてハイブリッドカーや電気自動車を挙げた
が、本発明のモータ制御装置の適用例はこれに限定され
るものではない。例えば、工作機械や家電製品などの種
々の装置に適用可能である。
【0081】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。例えば、本実施例ではトルク制御を図
6に示したフローチャートによりソフトウェアで実現し
ているが、同様の処理をハードウェアにより実現するも
のとしてもよい。逆に本実施例においてハードウェアに
よって実現している処理、例えば電気角の検出などをソ
フトウェアにより実現するものとしてもよい。また、本
発明の電動機制御装置は同期機のみならず、誘導機など
種々の交流モータに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動機制御装置の機能ブロックを示す
説明図である。
【図2】電動機制御装置10のハードウェア構成を示す
説明図である。
【図3】モータ40の回転軸を含む断面における断面図
である。
【図4】回転軸に直交する断面における断面図である。
【図5】三相同期モータ40の等価回路図である。
【図6】トルク制御ルーチンの処理内容を示すフローチ
ャートである。
【図7】電流位相角とトルクとの関係を示す説明図であ
る。
【図8】電流設定のための第1のマップを示す説明図で
ある。
【図9】電流設定のための第2のマップを示す説明図で
ある。
【図10】トルク指令値に対するトルクの脈動を示すグ
ラフである。
【図11】巻線に流れる電流の変動を示すグラフであ
る。
【図12】本発明の電動機制御装置を適用したハイブリ
ッド車両の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10…電動機制御装置 20…板状固定子 22…ティース 24…スロット 30…固定子 32…コイル 34…ボルト 40…三相同期モータ 50…回転子 51,52,53,54…永久磁石 55…回転軸 57…板状回転子 60…ケース 61,62…軸受 71,72,73,74…突極 100…制御用ECU 102,103…電流センサ 106,107…フィルタ 112,113…ADC 114…電気角センサ 115…回転数センサ 116…入力ポート 118…出力ポート 120…CPU 122…ROM 124…RAM 126…クロック 130…インバータ 132…バッテリ 202d、202q…PI制御部 204…2相/3相変換部 206…PWM制御部 208…通電部 210…3相/2相変換部 212…電流設定部 214…電流マップ 216…要求トルク設定部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線に流す多相交流を制御することによ
    って、該多相交流を流した際に該巻線に生じる回転磁界
    を利用して回転子を回転させる電動機の運転を制御する
    電動機制御装置であって、 該電動機から出力すべき要求トルクを設定する設定手段
    と、 前記回転子の電気的な回転位置を定義する電気角を検出
    する電気角検出手段と、 前記要求トルクを出力するために巻線に流す電流を、該
    要求トルクのみならず前記検出された電気角も考慮して
    設定する電流設定手段と、 該設定された電流を前記巻線に流す通電手段とを備える
    電動機制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電動機制御装置であっ
    て、 前記電流設定手段は、 電気角およびトルクと、該トルクを出力するために前記
    巻線に流すべき電流との関係を記憶する記憶手段と、 前記要求トルクおよび電気角に基づいて、前記関係を参
    照して該要求トルクを出力するために前記巻線に流すべ
    き電流を求める参照手段とを有する電動機制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電動機制御装置であっ
    て、さらに、 該電動機の回転子の回転数を検出する回転数検出手段を
    有し、 前記電流設定手段は、該検出された回転数をも考慮して
    電流を設定する手段である電動機制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電動機制御装置であっ
    て、 該電動機の回転子の回転数を検出する回転数検出手段を
    有し、 前記電流設定手段は、前記電動機の回転数が所定の値以
    下の場合のみに前記検出された電気角を考慮する手段で
    ある電動機制御装置。
  5. 【請求項5】 多相交流を巻線に流した際に該巻線に生
    じる回転磁界を利用して回転子を回転させる電動機につ
    いて、該巻線に流す電流を制御して該電動機の運転を制
    御する電動機の制御方法であって、(a) 該電動機か
    ら出力すべきトルクの要求値を設定する工程と、(b)
    前記回転子の電気的な回転位置を定義する電気角を検
    出する工程と、(c) 電気角およびトルクと、該トル
    クを出力するために前記巻線に流すべき電流とについて
    予め記憶された関係を、前記要求トルクおよび電気角に
    基づいて参照することにより、該要求トルクを出力する
    ために前記巻線に流すべき電流を求める工程と、(d)
    該設定された電流を前記巻線に流す工程とを備える電
    動機の制御方法。
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