JPH11322863A - ゴム変性スチレン系重合体 - Google Patents

ゴム変性スチレン系重合体

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JPH11322863A
JPH11322863A JP10128012A JP12801298A JPH11322863A JP H11322863 A JPH11322863 A JP H11322863A JP 10128012 A JP10128012 A JP 10128012A JP 12801298 A JP12801298 A JP 12801298A JP H11322863 A JPH11322863 A JP H11322863A
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JP
Japan
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rubber
weight
dispersed particles
styrene
styrenic polymer
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JP10128012A
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English (en)
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Takeshi Yamada
毅 山田
Tetsuya Niimura
哲也 新村
Hideaki Sakamoto
英章 坂本
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れ、かつ衝撃強度、成形性に優れ
たゴム変性スチレン系重合体、およびその成形体を提供
する。 【解決手段】 スチレン系単量体単位35〜75重量%
と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位65〜25
重量%の重合体を連続相(I)とし、スチレン単量体単
位30〜50重量%とブタジエン単量体単位70〜50
重量%のゴム状弾性体を分散相(II)とするゴム変性
スチレン系重合体であって、(I)が85〜98重量
部、(II)が85〜98重量部であり、(a)分散相
が0.2〜0.7μmと0.8〜1.1μmを平均粒径
とするふたつのタイプの分散粒子からなり、かつ(b)
全分散粒子の平均粒径が0.3〜1.0μm、(c)小
粒子10〜90重量%および大粒子90〜10重量%で
あり、そして(d)全分散粒子の80重量%以上の粒子
形態がカプセル構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性に優れ、か
つ衝撃強度、成形性に優れたゴム変性スチレン系重合
体、ならびにその射出成形体、シートおよび真空成形体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系重合体は、透明性、成形性、
剛性に優れた合成樹脂材料であるところから、家庭用
品、電気製品、包装等の成形材料として広く用いられて
きた。そして、利用分野が拡大するにつれてスチレン系
重合体の衝撃強度向上が強く求められるようになってき
た。スチレン系重合体の衝撃強度を向上させるために、
ゴム状弾性体を分散粒子として含有するスチレン系重合
体、即ちゴム変性スチレン系重合体が知られている。し
かしながら、このゴム変性スチレン系重合体はゴム変性
しないスチレン系重合体に比べて透明性が劣り、透明性
を特に求められる分野では使用できない欠点があった。
【0003】一方、ポリスチレンにスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体をブレンドして衝撃強度を向上させ
る技術もよく知られている。しかし、このスチレン系重
合体組成物は、成形加工時の熱履歴によりスチレン−ブ
タジエンブロック共重合体が架橋し、いわゆるゲル状物
質が生成し、成形品外観を悪化させるという欠点を有し
ている。さらに、このスチレン系重合体組成物はコスト
が高いという難点もある。
【0004】また、スチレン−ブタジエン共重合体の存
在下に、スチレン、(メタ)アクリル酸エステルとを共
重合して得られる衝撃強度の優れた透明なゴム変性スチ
レン系重合体も知られている(特開平8−239532
号公報)。しかしながら、衝撃強度と優れた透明性の両
方を充分に満足させるためにはまだ改良の余地がある。
さらに、かかる重合体にMBSエラストマーを混合した
共重合体組成物では、射出成形に適用した場合透明性と
衝撃強度の優れた成形体が得られるが、シート等に押出
し成形するとシート表面に泡粒状のいわゆるフィッシュ
アイが発生して外観の良好なものが得られず、用途が限
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性に優
れ、かつ衝撃強度、成形性にも優れたゴム変性スチレン
系重合体と、その射出成形体、押出しシートおよび真空
成形体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる目的
を果たすべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム変性スチレン
系重合体中のゴム状弾性体からなる粒子状の分散相(分
散粒子という)が、特定の平均粒径を有する小分散粒子
と大分散粒子のふたつのタイプの分散粒子を特定の割合
で含有し、しかもその粒子形態がカプセル構造であると
き、透明性、衝撃強度および成形性に優れることを見出
したものであり、また、ゴム状弾性体として、ポリスチ
レン部分の重量平均分子量、および重量平均分子量/数
平均分子量が特定のものであるスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体を用いることにより、さらに透明性、衝
撃強度および成形性に優れたゴム変性スチレン系重合体
が得られることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、スチレン系単量体単位
35〜75重量%および(メタ)アクリル酸エステル系
単量体単位65〜25重量%からなる連続相(I)が8
5〜98重量部、スチレン単量体単位30〜50重量%
およびブタジエン単量体単位70〜50重量%のゴム状
弾性体からなる分散相(II)が15〜2重量部であ
り、かつ下記(a)〜(d)を満たしたゴム変性スチレ
ン系重合体に関する。 (a)分散相(II)が粒子形状を有しており、該粒子
(分散粒子)が平均粒径0.2〜0.7μmである小分
散粒子と平均粒径0.8〜1.1μmである大分散粒子
のふたつのタイプの分散粒子からなり、(b)全分散粒
子の平均粒径が0.3〜1.0μmの範囲内にあり、
(c)全分散粒子に対して、小分散粒子が10〜90重
量%、大分散粒子が90〜10重量%であり、(d)全
分散粒子の少なくとも80重量%以上の分散粒子の粒子
形態がカプセル構造の分散粒子である。そして本発明
は、透明性、衝撃強度、成形性に優れた該ゴム変性スチ
レン系重合体を提供するものである。
【0008】さらに、ゴム状弾性体が、ポリスチレン部
分の重量平均分子量(Mw )が45,000〜75,0
00であり、かつ重量平均分子量の数平均分子量(Mn
)に対する比:Mw /Mn が1.20〜1.80であ
るスチレン−ブタジエンブロック共重合体であるとき、
透明性、衝撃強度、成形性においてより好ましい該ゴム
変性スチレン系重合体を提供するものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ゴム変性スチレン系重合体のゴム状弾性体からなる分散
粒子は、平均粒径が0.2〜0.7μmの小分散粒子と
0.8〜1.1μmの大分散粒子のふたつのタイプの分
散粒子からなる。分散粒子の粒径分布が単一分布である
場合には、得られるゴム変性スチレン系重合体の衝撃強
度が劣るため本発明の目的を達成することができない。
小分散粒子の平均粒径は0.2μm未満では衝撃強度が
低下し、0.7μmを越えると透明性が低下する。ま
た、大分散粒子の平均粒径は0.8μm未満では衝撃強
度が低下し、1.1μmを越えると透明性が低下する。
また、全分散粒子の平均粒径は0.3〜1.0μmであ
る。全分散粒子の平均粒径が0.3μm未満では衝撃強
度が低下し、1.0μmを越えると透明性が低下する。
なお、本発明でいう分散粒子の平均粒径とはコールター
カウンター((株)日科機社製「LS230」)を用い
て測定した体積平均粒径である。
【0010】分散粒子の粒径を制御する方法としては、
ゴム変性スチレン系重合体の重合時の攪拌速度を変える
方法、重合温度を変える方法、用いるゴム状弾性体の分
子量や構造を変える方法等がある。
【0011】本発明において、小分散粒子と大分散粒子
の全分散粒子に対する割合は、小分散粒子が10〜90
重量%、好ましくは20〜80重量%、そして大分散粒
子が90〜10重量%、好ましくは80〜20重量%で
ある。小分散粒子が10重量%未満であると、得られる
ゴム変性スチレン系重合体の透明性が低下し、90重量
%を越えると衝撃強度が低下する。
【0012】本発明において、全分散粒子の少なくとも
80重量%以上の分散粒子の粒子形態はカプセル構造の
粒子である。カプセル構造とはスチレン−(メタ)アク
リル酸エステル系重合体がゴム状弾性体の殻に囲まれた
粒子構造をいい、コア−シェル構造とも称される。カプ
セル構造粒子はゴム状弾性体の殻に囲まれたスチレン−
(メタ)アクリル酸エステル系重合体が1個の単層及
び、又はこのようなカプセル構造がこの中にさらにいれ
子になって存在している多層カプセル構造を有する分散
粒子である。カプセル構造粒子が80重量%未満になる
と、得られるゴム変性スチレン系重合体の衝撃強度、透
明性が低下する。なお、分散ゴム粒子の粒子形態は、透
過型電子顕微鏡写真観察により確認した。
【0013】本発明で使用されるゴム状弾性体として
は、スチレン−ブタジエン共重合体があげられる。スチ
レン−ブタジエン共重合体は、スチレン単量体単位/ブ
タジエン単量体単位=30〜50重量%/70〜50重
量%であることがゴム変性スチレン系重合体の良好な透
明性を得るために適する。
【0014】更に、スチレン−ブタジエン共重合体がポ
リスチレン部分の重量平均分子量が45,000〜7
5,000であり、重量平均分子量(Mw )/数量平均
分子量(Mn )=1.20〜1.80であるスチレン−
ブタジエンブロック共重合体である時、得られるゴム変
性スチレン系重合体の透明性は更に良好となる。なお、
ポリスチレン部分の分子量は、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体を文献「ラバーケミストリーアンドテク
ノロジー(RUBBER CHEMISTRY AND
TECHNOLOGY)」、58巻、16頁、(Y.
Tanaka,et.al.,1985)に記載の方法
でオゾン分解して得たポリスチレンのGPCを測定し、
各ピークに対応する分子量を標準ポリスチレンを用いて
作成した検量線から求めて算出した。
【0015】本発明のゴム変性スチレン系重合体に含ま
れるゴム状弾性体は2〜15重量部である。ゴム状弾性
体が2重量部未満では優れた衝撃強度を得ることができ
ず、15重量部を越えると透明性、成形性が低下し好ま
しくない。
【0016】本発明で使用されるスチレン系単量体と
は、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等をあげることができる
が、好ましくはスチレンである。これらスチレン系単量
体は、単独でもよいが2種類以上を併用してもよい。
【0017】本発明で使用される(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体とは、アクリル酸エステル系単量体また
はメタクリル酸エステル系単量体をいい、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2
−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート等があげられるが、
好ましくはメチルメタクリレート(MMA)、またはn
−ブチルアクリレートである。これらの(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体は単独でもよいが2種類以上を併
用してもよい。
【0018】本発明のゴム変性スチレン系重合体のスチ
レン系単量体単位/(メタ)アクリル酸エステル系単量
体単位=35〜75重量%/65〜25重量%であり、
特に好ましくは42〜59重量%/58〜41重量%で
ある。この比が35〜75重量%/65〜25重量%の
範囲外では、得られるゴム変性スチレン系重合体の透明
性が低下する。
【0019】本発明のゴム変性スチレン系重合体は、ス
チレン系重合体の製法で常用されている塊状重合法、溶
液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等で製造される。あ
るいは該重合法で得られたゴム変性スチレン系重合体を
2種以上混合して製造してもよい。また、回分式重合
法、連続式重合法のいずれの重合方法も用いることがで
きる。
【0020】これらの重合法は、重合開始剤としてアゾ
ビスブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニ
トリル等のアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチル
パーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−
ブチルパーオキシ)ブチレート等の有機過酸化物を用い
ることができる。また、分子量調整剤としてt−ドデシ
ルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、4−メチ
ル−2,4−ジフェニルペンテン−1を、可塑剤として
ブチルベンジルフタレート等を必要に応じて添加しても
よい。
【0021】本発明のゴム変性スチレン系重合体は、射
出成形、押出成形、圧縮成形、真空成形等の方法により
各種成形体に加工され実用に供される。また、必要に応
じて酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑剤、着色剤、帯電
防止剤、鉱油、難燃剤等の添加剤を配合してもよい。添
加剤はたとえば重合体の造粒、成形、加工等の段階で配
合することができるが、他にゴム変性スチレン系重合体
の重合過程で、たとえば重合反応前の原材料仕込み時、
重合反応途中、重合体の後処理時など、任意の段階で配
合してもよい。
【0022】本発明の成形体を製造する方法についてと
くに制限はなく、たとえば、バンバリーミキサー、ヘン
シェルミキサー等の公知のブレンダーであらかじめゴム
変性スチレン系重合体と添加剤を混合し、押出機にてペ
レット化し、射出成形、押出成形、圧縮成形等の方法で
加工することができる。フィルムやシートの表面特性を
良好にするために帯電防止剤、シリコーン等の滑剤をそ
の表面に塗布してもよい。
【0023】
【実施例】次に実施例をもって本発明を更に説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。な
お、以下の記載中の%はとくに断りがない限り重量%を
示す。最初に、本発明に用いたゴム変性重合体各種の製
造例を参考例として示す。
【0024】[参考例]:ゴム変性スチレン系重合体の
製造 〔ゴム変性スチレン系重合体−1の製造〕容量150L
のオートクレーブ中にてスチレン58.5Kg、メチル
メタクリレート36.0Kg及びn−ブチルアクリレー
ト5.5Kgの単量体混合物にスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体A(スチレン単量体単位含量40%、ポ
リスチレン部分のMw 46,500、Mw /Mn =1.
27)を6.0Kg溶解し、重合開始剤としてベンゾイ
ルパーオキサイド40g、連鎖移動剤としてt−ドデシ
ルメルカプタン200gを添加し、直径220mmの5
段パドル翼にて回転数250rpmの攪拌下に温度90
℃で8時間加熱した後、冷却して塊状重合を停止した。
ついで容量250Lのオートクレーブ中に該反応混合液
50Kgを入れ、新たに重合開始剤としてジクミルパー
オキサイドを100g添加した。純水100Kgにドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5g、第三リ
ン酸カルシウム250gを懸濁安定剤として添加し、直
径500mmのファウドラー翼にて回転数150rpm
の攪拌下に混合液を分散させた。そしてこの混合液を温
度100℃で2時間、115℃で3.5時間、130℃
で2.5時間加熱重合させた。反応終了後、洗浄、脱
水、乾燥してビーズ状のゴム変性スチレン系重合体−1
を得た。得られたゴム変性スチレン系重合体−1の組
成、分散粒子の粒径、及び分散粒子形態を表2に示し
た。
【0025】〔ゴム変性スチレン系重合体−2〜同−2
0の製造〕ゴム状弾性体の種類、量、あるいは前段の攪
拌に使用したパドル翼の回転数を、つぎの表1のとおり
変更した以外は前記のゴム変性スチレン系重合体−1の
製造と同様の操作により、ゴム変性スチレン系重合体−
2〜同−20を製造した。得られたゴム変性スチレン系
重合体−2〜同−20の組成、分散粒子の粒径、及び分
散粒子形態を表2に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】つぎに、本発明の実施例、および比較例に
ついて説明する。 [実施例1〜10、比較例1〜11]得られたゴム変性
スチレン系重合体各種を表3および表4に示す割合で混
合して、本発明のゴム変性スチレン系重合体、および比
較例のゴム変性スチレン系重合体を製造した。これを単
軸押出し機(アイケージー社製「PMS40−28」)
にてシリンダー温度220℃で押出してペレットとし、
次いでこのペレットを2オンスインラインスクリュー射
出成形機(新潟鉄工所社製)にてシリンダー温度220
℃で射出成形して成形体を得た。これを試験試料に用い
て各物性値を評価した。更に上記射出成形機を用いシリ
ンダー温度220℃、金型温度40℃の条件下で90m
m×60mm×30mm(深さ)の箱形トレー(3mm
厚)を成形した。これを試験試料に用いて成形体の特性
を評価した。また、単軸押出し機にシートダイを設置
し、シリンダー温度220℃にて厚み0.5mmのシー
トを作成し物性を測定した。更に得られたシートを真空
成形機(浅野研究所社製)にて、上部ヒータ温度600
℃、下部ヒーター温度500℃で丸カップ(90mmφ
×55mm深さ)を真空成形した。これを試験試料に用
いて成形体の透明性を評価した。但しMFRは上記ペレ
ットを用いた。得られた実施例1〜10および比較例1
〜11のゴム変性スチレン系重合体の各種物性値、特性
値、並びに各成形体の特性値を表3および表4に示す。
なお、ここで用いた各特性値の測定方法を以下に説明す
る。
【0029】本発明において、記載の各特性値の測定方
法は次の通りである。 [各特性値の測定方法] (1)IZOD(アイゾット衝撃強度):ASTM D
−256に準拠して12.7mm×64mm×6.4m
m厚の試験片に深さ2.54mmのノッチを入れ、打撃
速度3.46m/秒で測定した。 (2)伸び:ASTM D−638に準拠して、タイプ
1ダンベルを用い、チャック間隔114mm、引張速度
5mm/分で測定した。 (3)MFR(メルトフローレート):JIS K−7
210に準拠し、温度200℃、荷重5kgfで測定し
た。 (4)曇度:ASTM D−1003に準拠し、30m
m×90mm×2mm厚の試験片を用いて測定した。丸
カップの試験片は底の部分を切取って、シートは適当に
切り取って試験片とした。 (5)全光線透過率:ASTM D−1003に準拠
し、30mm×90mm×2mm厚の試験片を用いて測
定した。 (6)破壊エネルギー:前記箱状トレーの60mm×9
0mm面(3mm厚)に錘先端5R、錘径14mmφ、
重量50gfの錘を落下させ、50%破壊高さで強度を
表した。 (7)デュポン衝撃強度:JIS K−7211に準拠
し、0.5mm厚シートを用いて測定した。 (8)ゴム変性スチレン系重合体中のゴム状弾性体の
量:ゴム変性ポリスチレンで一般的に用いられている赤
外吸収スペクトル法で、960cm-1、910cm -1
における吸光度を測定して求めた。 (9)ゴム変性スチレン系重合体中の連続相の構成単位
の割合:ゴム変性スチレン系重合体をトルエンに溶解
後、遠心分離機を用いて上澄み液を分取しメターノルを
加えて不溶化させた樹脂分を沈澱、ろ別、乾燥したもの
を試験試料とし、FT−NMRを用いてスチレン系単量
体単位および(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位
の重量比を測定した。 (10)分散粒子の平均粒径:ゴム変性スチレン系重合
体0.5gをジメチルホルムアミド100gに溶解し、
コールターカウンター((株)日科機社製「LS−23
0」)を用いて測定を行い、体積平均粒径で示した。 (11)分散粒子の粒子形態:ゴム変性スチレン系重合
体のペレットを切削し試料片とし、試料片表面をオスミ
ウム酸で染色し透過型電子顕微鏡にて倍率15,000
倍にて撮影した写真観察にて確認を行った。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、衝撃強度およ
び成形性に優れたゴム変性スチレン系重合体、ならびに
透明性、衝撃強度に優れた射出成形体、押出しシート、
真空成形体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体単位35〜75重量%
    および(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位65〜
    25重量%からなる連続相(I)が85〜98重量部、
    スチレン単量体単位30〜50重量%およびブタジエン
    単量体単位70〜50重量%のゴム状弾性体からなる分
    散相(II)が15〜2重量部であるゴム変性スチレン
    系重合体であって、下記(a)〜(d)を満たすことを
    特徴とするゴム変性スチレン系重合体。 (a)分散相(II)が粒子形状を有しており、該粒子
    (以下「分散粒子」という)が平均粒径0.2〜0.7
    μmである小分散粒子と平均粒径0.8〜1.1μmで
    ある大分散粒子のふたつのタイプの分散粒子からなり、
    (b)全分散粒子の平均粒径が0.3〜1.0μmの範
    囲内にあり、(c)全分散粒子に対して、小分散粒子が
    10〜90重量%、大分散粒子が90〜10重量%であ
    り、(d)全分散粒子の少なくとも80重量%以上の分
    散粒子の粒子形態がカプセル構造の分散粒子である。
  2. 【請求項2】 ゴム状弾性体がスチレン−ブタジエンブ
    ロック共重合体であって、ポリスチレン部分の重量平均
    分子量(Mw )が45,000〜75,000であり、
    かつ重量平均分子量の数平均分子量(Mn )に対する
    比:Mw /Mnが1.20〜1.80であることを特徴
    とする請求項1記載のゴム変性スチレン系重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のゴム変性
    スチレン系重合体を射出成形してなることを特徴とする
    成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載のゴム変性
    スチレン系重合体をシート状に押出し成形してなること
    を特徴とする成形体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシート状成形体を真空成
    形してなることを特徴とする成形体。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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