JPH11321357A - 自動車用駆動装置 - Google Patents

自動車用駆動装置

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JPH11321357A
JPH11321357A JP16911598A JP16911598A JPH11321357A JP H11321357 A JPH11321357 A JP H11321357A JP 16911598 A JP16911598 A JP 16911598A JP 16911598 A JP16911598 A JP 16911598A JP H11321357 A JPH11321357 A JP H11321357A
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JP
Japan
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motor
gear
sun gear
carrier
ring gear
Prior art date
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JP16911598A
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English (en)
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Kazumi Hiraiwa
一美 平岩
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KYOWA GOKIN KK
Original Assignee
KYOWA GOKIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンと複数のモーターの2種類の動
力源で遊星歯車を用いて動力伝達する、いわゆるハイブ
リッド自動車の駆動装置において、モーターで駆動また
は駆動力補助を行う無段階な変速を可能にしながら、複
数の固定された変速比で機械的な動力伝達も可能にし
て、走行負荷の大きい場合や市街地などでの定常走行に
おける動力伝達効率を向上させて燃費の改善を図る。 【解決手段】 遊星歯車の回転メンバーのうち、入力軸
30および出力軸32と連結されたメンバーの他に、ケ
ース46に固定した際に減速駆動するメンバーA(第1
サンギヤ12)と、ケース46に固定した際に増速駆動
するメンバーB(第2リングギヤ24)とを設け、一方
向のトルクのみ伝達する円錐クラッチ48、54によ
り、第2モーター50とメンバーAおよびメンバーBと
をそれぞれ別個に、または同時に連結可能に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関と電気モ
ーターの2種類の動力源を有する、いわゆるハイブリッ
ド自動車の駆動装置に関し、特にエンジンより入力され
る駆動力を、遊星歯車を介して出力軸へ伝達可能で、複
数のモーターを備えた自動車用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンより入力される駆動力
を、遊星歯車を介して出力軸へ伝達可能で、複数のモー
ターを備えた自動車用駆動装置としては、社団法人自動
車技術会発行の『自動車技術』1998年1月号17頁
の図5に記載のようなものが知られている。
【0003】前記従来例を図8に基づいて説明すると、
遊星歯車1は、サンギヤ2とキャリア3とリングギヤ4
と、キャリア3に軸支されサンギヤ2およびリングギヤ
4と噛み合うピニヨン5から構成されている。サンギヤ
2は第1モーター6と連結され、キャリア3は図示しな
いエンジンのクランク軸7と連結され、リングギヤ4は
第2モーター8と連結されるとともに、チェーン9,減
速歯車10および差動装置11を介して車軸12と連結
されている。車軸12は図示しない自動車の左右の車輪
と連結されている。第1モーター6と第2モーター8と
は、正転・逆転が可能であり、モーターとしての機能と
発電機としての機能を有し、任意に切り替えることがで
きる。
【0004】以上のように構成された従来例の作動を説
明する。第2モーター8に図示しないバッテリーから電
力を供給すると、第2モーター8はチェーン9,減速歯
車10、差動装置11、車軸12を介して車輪を駆動
し、自動車を発進および加速することができる。この
際、エンジンが停止しているとキャリア3も停止してい
るので、サンギヤ2ならびに第1モーター6は逆転する
が、第1モーター6は空転するだけである。ここで、さ
らに大きな駆動力を要する場合には、第2モーター8に
電力を供給しながら第1モーター6にも電力を供給し
て、サンギヤ2が停止する方向のトルクを作用させる
と、クランク軸7が回転するのでエンジンを始動するこ
とができる。
【0005】エンジンを始動した後の加速は、以下のよ
うに行われる。クランク軸7からキャリア3に入ったエ
ンジントルクは遊星歯車1により分割される。すなわ
ち、エンジントルクの一部はサンギヤ2を通って第1モ
ーター6を駆動して発電し、残りのトルクはリングギヤ
4を通って第2モーター8の出力トルクとともに車軸1
2を駆動する。この際、第1モーター6で発電された電
力は第2モーター8に供給される。従って、バッテリー
から第2モーター8に電力を供給し続ければ、第2モー
ター8はバッテリーからの電力と、エンジントルクの一
部によって第1モーター6で発電された電力とで車軸1
2を駆動することになる。
【0006】また、車軸12はリングギヤ4を通じてエ
ンジントルクの一部でも駆動されているので、エンジン
トルクの一部と第2モーター8とから駆動されることに
なり、その動力源はエンジンとバッテリーになる。ここ
で、バッテリーからの電力供給をやめると、第2モータ
ー8は第1モーター6で発電される電力のみで駆動する
ことになり、車軸12を駆動する動力源はエンジンのみ
になる。
【0007】クランク軸7およびそれと一体になったキ
ャリア3の回転数と、車軸12に連結され第2モーター
8とともに回転するリングギヤ4の回転数との比(変速
比)は、クランク軸7からのエンジントルクの大きさ
と、車軸12が車輪を駆動する出力トルク(負荷)の大
きさ、およびバッテリーから第2モーター8に供給され
る電力とで自動的に決まる。自動車が低速でエンジント
ルクが大きく車軸12の負荷が大きい場合は、リングギ
ヤ4の回転数がサンギヤ2の回転数より低く、徐々に自
動車の速度が高くなって車軸12の負荷が小さくなる
と、サンギヤ2の回転数が低くなってリングギヤ4の回
転数が高くなるように無段階に変化する。
【0008】また、自動車を制動する際には、エンジン
を停止させ第2モーター8を発電機に切り替えて発電さ
せることで制動するとともに、従来は摩擦ブレーキ等で
熱に変えて捨てていた自動車の運動エネルギーの一部を
電力に変えてバッテリーを充電する、いわゆるエネルギ
ー回生を行うことができる。さらに後進の際には、エン
ジンを回さずにバッテリーから供給する電力で第2モー
ター8のみを逆転することにより後進の駆動力が得られ
る。一般にエンジンとして用いる内燃機関は、負荷が低
い運転状態において熱効率が低い特性を持つため、ハイ
ブリッド自動車は通常、自動車が低負荷域で走行する際
にはエンジンによる駆動を避け、エンジンでの発電およ
び前記エネルギー回生でバッテリーに充電した電力を使
ってモーターで駆動し、高負荷域の走行はエンジンの動
力で駆動することで、従来のエンジンのみを動力源とす
る自動車より燃費を良くすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来例
にあっては、エンジンで駆動して走行する際にその動力
の一部を使って第1モーター6で発電させ、その電力に
よって第2モーター8で車軸12を補助駆動しているた
め、一部ではあるが発電してモーターで出力させる過程
でどうしてもロスが生じる。すなわち、第1モーター6
によりサンギヤ2を電気的に固定した場合は、遊星歯車
1による機械的な動力伝達になるが、これは高速走行な
どに用いるオーバードライブと呼ばれる増速の変速比で
あり、加速時および登坂や市街地走行などには使用でき
ない。そのため、高速走行以外の一般的な走行はエンジ
ンの駆動力の一部を使って第1モーター6で発電させ、
その電力によって第2モーター8で車軸12を補助駆動
する。したがって、第1モーター6における発電効率と
第2モーター8における出力効率との積が、動力を一旦
電気に変えて伝達するルートの動力伝達効率になる。こ
のように動力を電気に変えて伝達するルートの動力伝達
効率は、一般に歯車やチェーンなどの機械的伝達に比べ
て劣る。
【0010】このため、エンジンに高い負荷がかかる駆
動状態で走行するような場合に、電気ルートでの動力伝
達比率が高まって燃費を悪化させる要因になり、ハイブ
リッド自動車の良さを一部損なうという問題がある。
【0011】そこで本発明は、自動車が市街地を走行す
る際の定常走行や、走行負荷が大きい加速や登坂などの
運転状態において、電気ルートの動力伝達比率を減らし
てエンジンの動力を機械的に効率よく車軸に伝えるよう
にして、一層の燃費向上を図ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の本発明の自動車用駆動装置にあっ
ては、エンジンより入力軸に入力される駆動力を、遊星
歯車を介して出力軸へ伝達可能で、複数のモーターを備
えた自動車用駆動装置において、出力軸を複数のモータ
ーのうちの第1モーターで駆動可能とするとともに、遊
星歯車が、この回転メンバーのうち減速駆動を得るべく
ケースに固定可能なメンバーAと、回転メンバーのうち
増速駆動を得るべくケースに固定可能なメンバーBとを
備え、メンバーAおよびメンバーBとがそれぞれ第1モ
ーターとは別のモーターに連結可能であることを特徴と
する。
【0013】請求項2に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、前記別のモーターのうちの1個のモータ
ー(第2モーター)が、メンバーAおよびメンバーBと
選択的に連結可能であることを特徴とする。
【0014】請求項3に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、前記1個のモーター(第2モーター)
と、メンバーAおよびメンバーBとを連結する手段が、
ヘリカル面を有する歯で噛み合うコーンリングを備えて
一方向のトルクが作用した際にセルフロック可能な円錐
クラッチであることを特徴とする。
【0015】請求項4に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、前記1個のモーター(第2モーター)
が、メンバーAおよびメンバーBの両者と同時に連結可
能であることを特徴とする。
【0016】請求項5に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、メンバーAが、前記別の1個のモーター
(第2モーター)と連結可能であるとともに、複数のモ
ーターのうち前記1個のモーターとはさらに別のモータ
ー(第3モーター)と常に連結されていることを特徴と
する。
【0017】請求項6に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、前記遊星歯車は、第1サンギヤと第1リ
ングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持する第
1キャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サンギヤと
第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨンを支持
する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備え、第1
サンギヤと第2サンギヤとを連結し、第1リンブギヤと
第2キャリアとを連結し、第1キャリアを入力軸および
出力軸のうちの一方と連結し、第1リングギヤと第2キ
ャリアとを入力軸および出力軸のうちの他方と連結する
とともに、第1キャリアを入力軸と連結した場合には第
2リングギヤをメンバーAとするとともに第1サンギヤ
および第2サンギヤをメンバーBとし、第1キャリアを
出力軸と連結した場合には第1サンギヤおよび第2サン
ギヤをメンバーAとするとともに第2リングギヤをメン
バーBとしたことを特徴とする。
【0018】請求項7に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、前記遊星歯車は、第1サンギヤと第1リ
ングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持する第
1キャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サンギヤと
第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨンを支持
する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備え、第1
リングギヤと第2キャリアとを出力軸と連結し、第1キ
ャリアと第2リングギヤとを入力軸と連結するととも
に、第2サンギヤをメンバーAとし、第1サンギヤをメ
ンバーBとしたことを特徴とする。
【0019】請求項8に記載の本発明の自動車用駆動装
置にあっては、前記遊星歯車は、第1サンギヤが第1ピ
ニヨンを介してリングギヤに噛み合い、第2サンギヤが
第1ピニヨンと第2ピニヨンとを介してリングギヤに噛
み合い、両ピニヨンがキャリアにより支持され、リング
ギヤとキャリアとのうち一方を入力軸と連結し、リング
ギヤとキャリアとのうち他方を出力軸と連結するととも
に、リングギヤと入力軸とを連結した場合は第1サンギ
ヤをメンバーAとするとともに第2サンギヤをメンバー
Bとし、リングギヤと出力軸とを連結した場合は第2サ
ンギヤをメンバーAとするとともに第1サンギヤをメン
バーBとしたことを特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1に記載の本発明の自動車用駆動装置に
あっては、エンジンより入力軸に入力される駆動力を、
遊星歯車を介して出力軸へ伝達可能で、複数のモーター
を備えた自動車用駆動装置において、出力軸を複数のモ
ーターのうちの第1モーターで駆動可能とするととも
に、遊星歯車が、この回転メンバーのうち減速駆動を得
るべくケースに固定可能なメンバーAと、回転メンバー
のうち増速駆動を得るべくケースに固定可能なメンバー
Bとを備え、メンバーAおよびメンバーBとがそれぞれ
第1モーターとは別のモーターに連結可能に構成したた
め、モーターの制御による無段階な変速を行うととも
に、メンバーAをモーターによってケースに固定するこ
とで機械的伝達の減速駆動を行い、メンバーBをモータ
ーによってケースに固定することで機械的伝達の増速駆
動を行う。
【0021】また、請求項2に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、前記別のモーターのうちの1個の
モーター(第2モーター)が、メンバーAおよびメンバ
ーBと選択的に連結可能であるように構成したため、1
個のモーターの連結関係を切り替えることで、上記の無
段階な変速と機械的な減速駆動を行う。
【0022】また、請求項3に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、前記1個のモーター(第2モータ
ー)と、メンバーAおよびメンバーBとを連結する手段
が、ヘリカル面を有する歯で噛み合うコーンリングを備
えて一方向のトルクが作用した際にセルフロック可能な
円錐クラッチしたため、エンジンから駆動する場合のみ
円錐クラッチが連結し、駆動力がなくなると自動的に連
結が解除される。
【0023】また、請求項4に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、前記1個のモーター(第2モータ
ー)が、メンバーAおよびメンバーBの両者と同時に連
結可能に構成したため、両者を同時に連結することによ
り、遊星歯車全体を機械的に一体にして直結駆動を行
う。
【0024】また、請求項5に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、メンバーAが、前記別の1個のモ
ーター(第2モーター)と連結可能であるとともに、複
数のモーターのうち前記1個のモーターとはさらに別の
モーター(第3モーター)と常に連結するようにしたた
め、第3モーターによるメンバーAの固定で減速駆動し
ながら、第2モーターの連結関係をメンバーAからメン
バーBに切り替えて駆動モード変更に備える。
【0025】また、請求項6に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、前記遊星歯車は、第1サンギヤと
第1リングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持
する第1キャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サン
ギヤと第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨン
を支持する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備
え、第1サンギヤと第2サンギヤとを連結し、第1リン
グギヤと第2キャリアとを連結し、第1キャリアを入力
軸および出力軸のうちの一方と連結し、第1リングギヤ
と第2キャリアとを入力軸および出力軸のうちの他方と
連結するとともに、第1キャリアを入力軸と連結した場
合には第2リングギヤをメンバーAとするとともに第1
サンギヤおよび第2サンギヤをメンバーBとし、第1キ
ャリアを出力軸と連結した場合には第1サンギヤおよび
第2サンギヤをメンバーAとするとともに第2リングギ
ヤをメンバーBとしたため、メンバーAと第3モーター
とを常に連結し、第2モーターとメンバーAおよびメン
バーBとを選択的に連結可能にすることにより、無段階
な変速の他に、固定された変速比で減速・直結・増速の
各駆動を行う。
【0026】また、請求項7に記載の本発明の自動車用
駆動装置にあっては、前記遊星歯車は、第1サンギヤと
第1リングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持
する第1キャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サン
ギヤと第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨン
を支持する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備
え、第1リングギヤと第2キャリアとを出力軸と連結
し、第1キャリアと第2リングギヤとを入力軸と連結す
るとともに、第2サンギヤをメンバーAとし、第1サン
ギヤをメンバーBとしたため、メンバーAと第3モータ
ーとを常に連結し、第2モーターとメンバーAおよびメ
ンバーBとを選択的に連結可能にすることにより、無段
階な変速の他に、固定された変速比で減速・直結・増速
の各駆動を行う。
【0027】さらに、請求項8に記載の本発明の自動車
用駆動装置にあっては、前記遊星歯車は、第1サンギヤ
が第1ピニヨンを介してリングギヤに噛み合い、第2サ
ンギヤが第1ピニヨンと第2ピニヨンとを介してリング
ギヤに噛み合い、両ピニヨンがキャリアにより支持さ
れ、リングギヤとキャリアとのうち一方を入力軸と連結
し、リングギヤとキャリアとのうち他方を出力軸と連結
するとともに、リングギヤと入力軸とを連結した場合は
第1サンギヤをメンバーAとするとともに第2サンギヤ
をメンバーBとし、リングギヤと出力軸とを連結した場
合は第2サンギヤをメンバーAとするとともに第1サン
ギヤをメンバーBとしたため、メンバーAと第3モータ
ーとを常に連結し、第2モーターとメンバーAおよびメ
ンバーBとを選択的に連結可能にすることにより、無段
階な変速の他に、固定された変速比で減速・直結・増速
の各駆動を行う。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づき説明する。図1は、本発明の自動車用駆動装置に
おける主要部のスケルトン図である。第1遊星歯車10
は、第1サンギヤ12と、第1リングギヤ14と、第1
キャリア16および、該第1キャリア16に軸支され第
1サンギヤ12および第1リングギヤ14と噛み合う第
1ピニヨン18から構成されている。第2遊星歯車20
は、第2サンギヤ22と、第2リングギヤ24と、第2
キャリア26および、該第2キャリア26に軸支され第
2サンギヤ22および第2リングギヤ24と噛み合う第
2ピニヨン28から構成されている。
【0029】第1キャリア16は入力軸30と連結され
ている。入力軸30はエンジン70により駆動される。
出力軸32は、第1リングギヤ14および第2キャリア
26と連結されるとともに第1モーター34とも連結さ
れている。出力軸32は駆動歯車36と一体になってお
り、駆動歯車36はアイドラ歯車38を介して出力歯車
40と連結されている。出力歯車40は差動装置42を
内包しており、左右の車軸44a、44bを介して図示
しない自動車の車輪と連結されている。
【0030】出力軸32は、第1モーター34の回転子
34aと連結されており、第1モーター34の固定子3
4bはケース46に固定されている。第1サンギヤ12
および第2サンギヤ22とは一体的に連結されるととも
に、第1円錐クラッチ48を介して第2モーター50の
回転子50aと連結可能であり、第2モーター50の固
定子50bはケース46に固定されている。
【0031】第1サンギヤ12を、第1円錐クラッチ4
8および第2モーター50を介してケース46に固定す
ると、後述するように入力軸30から出力軸32へ固定
された増速比で機械的な動力伝達を行うことができる。
このように、ケース46に固定することで機械的に増速
駆動が可能になる第1サンギヤ12のようなメンバー
を、メンバーBと呼ぶ。
【0032】第2リングギヤ24は、第3モーター52
の回転子52aと連結されるとともに、第2円錐クラッ
チ54を介して第2モーター50の回転子50aとも連
結可能である。第3モーター52の固定子52bはケー
ス46に固定されている。第2リングギヤ24を第3モ
ーター52によりケース46に固定すると、後述するよ
うに入力軸30から出力軸32へ固定された減速比で機
械的な動力伝達ができる。このように、ケース46に固
定することで機械的に減速駆動が可能になる第2リング
ギヤ24のようなメンバーを、メンバーAと呼ぶ。
【0033】第1円錐クラッチ48および第2円錐クラ
ッチ54は、図1に示すように互いに対称に配置されて
いるが、ともに図6および図7に示すような構造になっ
ている。図6は第1円錐クラッチ48の要部断面であり
軸中心より上の部分を示す。図7は図6のC−C断面を
表す。以下、図6および図7に基づき第1円錐クラッチ
48を例に説明する。
【0034】第1サンギヤ12および第2サンギヤ22
と一体になった第1ハブ56と、第1コーンリング58
とは、一方がヘリカル面56a、58aで他方が平面5
6b、58bを形成した多数の歯56c、58c同士で
噛み合っており、第1コーンリング58は外側に円錐摩
擦面58dを有し、円錐摩擦面58dは第2モーター5
0の回転子50aと一体になった第1アウターリング6
0の円錐内面60dに対応している。
【0035】第1コーンリング58は溝58eを有し、
溝58eには第1フォーク62が係合しており、図示し
ないアクチュエーターにより必要に応じて第1コーンリ
ング58を左右に移動させることができる。尚、図示は
省略したが、第2モーター50の回転子50aと第1ハ
ブ56とは、それぞれ軸方向に移動しないようにベアリ
ング等を介して、ケース46に支持されている。
【0036】第1ハブ56と第1コーンリング58とが
噛み合っている歯56c、58cは、一方がヘリカル面
56a、58aであるため、ヘリカル面56a、58a
側に力が作用する方向のトルクが伝達されると、スラス
トが生じて第1ハブ56と第1コーンリング58とが互
いに離反することになり、第1コーンリング58は図6
において右側へ押され、前述の円錐摩擦面58dと第1
アウターリング60の円錐内面60d同士が押しつけら
れる。
【0037】ここで、ヘリカル面56a、58aのリー
ドと、円錐摩擦面58d、円錐内面60dの円錐角とを
適切に設定しておくごとによりワンウエイクラッチの機
能を持つことになる。すなわち、第1コーンリング58
と第1アウターリング60との間に一方向にトルクが作
用する状態において、前述の第1フォーク62により第
1コーンリング58を右側へ移動して円錐摩擦面58d
を円錐内面60dに軽く押しつけると、円錐摩擦面58
dおよび円錐内面60dの間に摩擦トルクが発生し、こ
の摩擦トルクによりヘリカル面56a、58aでスラス
トが生ずる。
【0038】このスラストで円錐摩擦面58d、円錐内
面60dがさらに強く押しつけられ、大きなトルク伝達
が可能になる。そして、結果としてセルフロック状態に
なって第1コーンリング58と第1アウターリング60
とは一体的に連結される。尚、第1フォーク62が押し
つける荷重は、前記のセルフロックを起こすきっかけに
するだけであり、わずかな力で済むとともに連結時の最
初だけ押しつければよく、非連結時は第1コーンリング
58を逆方向(図6において左側)に移動させて円錐摩
擦面58dおよび60d同士の接触を防止する。
【0039】上記のセルフロックによる連結状熊にあっ
ても、これと逆方向のトルクが作用した場合は、歯56
c、58cの平面56b、58b側に力が作用してスラ
ストを生じないため、前記のセルフロックは解消し、第
1円錐クラッチ48の連結は自動的に解除される。これ
が一方向のトルクのみ伝達するワンウエイクラッチの機
能である。
【0040】第2リングギヤ24と第2モーター50と
の間には、前述のように第1円錐クラッチ48と対称に
配置された第2円錐クラッチ54が設けられ、第1円錐
クラッチ48と同様に図示しない第2フォークの制御に
より、第2リングギヤ24と第2モーター50とを連結
可能であり、一方向にのみ動力伝達することができるの
も同じである。
【0041】第1円錐クラッチ48と第2円錐クラッチ
54は、それぞれ独立して作動させることが可能であ
り、選択的に一方を連結したり両者を同時に連結したり
でき、両者を同時に連結した場合には後述するように第
1遊星歯車10および第2遊星歯車20全体を一体的に
連結する。
【0042】第1モーター34と第2モーター50およ
び第3モーター52とは、それぞれ回転方向を正転・逆
転に切り替えられるとともに、モーターとしての機能と
発電機としての機能を有しており、図示しないコントロ
ーラーからの指令で任意に切り替えることができる。
【0043】図1に示す駆動装置を搭載した自動車は、
エンジン70と、第1モーター34と第2モーター50
および第3モーター52の2種類の動力源を有するの
で、いわゆるハイブリッド自動車を構成する。次に、上
記構成の駆動装置の作動について説明する。以下の説明
で『正回転』とは、エンジン70の回転方向と同じ方向
の回転を言い、『逆回転』とはその逆方向の回転を言
う。
【0044】はじめに、図示しないバッテリーから供給
される電力による発進と加速を説明する。通常、自動車
が発進する際はエンジン70が停止している。まず、コ
ントローラーを介してバッテリーから第1モーター34
に正回転する方向に電流を流す。すると、第1モーター
34の回転子34aと連結された出力軸32は、アイド
ラ歯車38、出力歯車40および差動装置42を介して
左右の車軸44a、44bを駆動する。図示しない車輪
は車軸44a、44bに駆動され、自動車は発進し加速
を始める。
【0045】この際、エンジン70が停止しているた
め、入力軸30と連結された第1キャリア16は回転せ
ず、第1サンギヤ12および第2サンギヤ22は逆回転
し、第2リングギヤ24および第3モーター52は正回
転するが、いずれもトルクを伝達せず空転するのみであ
る。このように、第1モーターのみで駆動する状態を第
1駆動モードと呼ぶ。
【0046】次に、さらに駆動力を強くするためにエン
ジン70を始動させる際の作動を説明する。この場合
は、第1モーター34での駆動に加えて正回転している
第3モーター52に発電させることで、第2リングギヤ
に逆回転方向のトルクが作用して第1キャリア16は正
回転方向に駆動され、入力軸30を介してエンジン70
を回転させる。ここでエンジン70に燃料を供給したり
図示しない点火回路を接続するなどの制御を行うとエン
ジン70が始動する。
【0047】エンジン70が始動して駆動を始めると、
以下のように動力伝達が行われる。エンジン70の動力
は第1キャリア16に入って第1遊星歯車10でトルク
分割され、一部は第1リングギヤ14を通って出力軸3
2を駆動し、残りのトルクは第1サンギヤ12から第2
サンギヤ22へ伝えられ、第2ピニヨン28を介して第
2リングギヤ24を逆回転させる。
【0048】ここで、直ちに第3モーター52を逆回転
の発電機に切り替えるとともに、図示しない第2フォー
クで第2円錐クラッチ48を押しつけて連結させる。つ
まり、第2円錐クラッチ48は第2リングギヤ22から
逆回転方向に駆動されるとセルフロックするように構成
されている。このセルフロックにより第2モーター50
が第2リングギヤ22と連結され、第3モーター52と
ともに逆回転する。そして、第3モーター52とともに
第2モーター50にも発電させ、第1モーター34に電
力を供給する。
【0049】第3モーター52と第2モーター50が逆
回転しながら発電することで、出力軸32と連結された
第2キャリア26に正回転方向のトルクが作用するの
で、入力軸30から第1遊星歯車10、第2遊星歯車2
0を介して出力軸32に機械的に伝達されるトルクの比
は以下になる。すなわち、第1リングギヤ14の歯数に
対する第1サンギヤ12の歯数の比をα1とし、第2リ
ングギヤ24の歯数に対する第2サンギヤ22の歯数の
比をα2とすると、(α1+α2+α1・α2)/(α
2+α1・α2)倍に増大されたトルクが機械的に伝達
される。
【0050】実際に出力軸32を駆動するトルクは、上
記の機械的伝達分に第1モーター34の出力トルクが加
算されたものとなる。したがって、バッテリーから第1
モーター34に電力を供給し続ければ、第1モーター3
4はバッテリーからの電力と、第3モーター52および
第2モーター50が発電した電力とで駆動することにな
り、出力軸32を駆動する動力源はエンジン70とバッ
テリーになる。
【0051】ここで、バッテリーからの電力供給をやめ
ると、第1モーター34は第3モーター52と第2モー
ター50が発電した電力のみで駆動することになり、出
力軸32が第1遊星歯車10、第2遊星歯車20を介し
て機械的に動力伝達されるトルクも含めて動力源はエン
ジン70だけになる。このように、第3モーター52お
よび第2モーター50が逆回転で発電しながら駆動する
状態を第2駆動モードと呼ぶ。
【0052】この第2駆動モードにおける入力軸30の
回転数と出力軸32の回転数の比(変速比)は、入力軸
30に入るエンジン70のトルクの大きさと、自動車を
駆動する出力軸32のトルク(負荷)の大きさ、および
バッテリーから第1モーター34に供給される電力とで
自動的に決まる。また、第3モーター52と第2モータ
ー50が発電する電力もそれらに応じて変化する。
【0053】すなわち、自動車が低速でエンジン70の
トルクが大きく出力軸32の負荷が大きい場合は、入力
軸30の回転数が出力軸32の回転数より大幅に高く、
徐々に自動車の速度が上昇して出力軸32の負荷が小さ
くなると、出力軸32の回転数が上昇し逆に入力軸30
の回転数が下降するように無段階に変化する。と、同時
に第3モーター52と第2モーター50の回転数も下降
する。
【0054】そして、さらに車速が上昇したりエンジン
70の回転数が下降したりすると、第2リングギヤ24
とともに第3モーター52と第2モーター50の回転数
が下がり、やがて停止するに至る。第2リングギヤ24
が停止するためには、バッテリーから少なくとも第3モ
ーター52に正回転方向のトルクを発生させるように電
力を供給して電気的にケース46に固定する必要があ
る。
【0055】通常、モーターは回転数が0の状態で最も
大きカトルクを出す特性を持つので、第2リングギヤ2
4をケース46に固定するのに要する電力はわずかであ
り、第3モーター52は前述のエンジン70を始動する
ことと第2リングギヤ24の固定を維持するだけの力を
発揮できればよいので、第2モーター50に比べて小さ
な容量で済む。
【0056】このようにして、第3モーター52ととも
に第2リングキヤ24が停止すると、入力軸30の回転
数と出力軸32の回転数の比(変速比:出力軸回転数/
入力軸回転数)は、前述のトルク比の逆数(α2+α1
・α2)/(α1+α2+α1・α2)になり、固定さ
れた減速比の機械的な動力伝達になる。ここで、固定さ
れた減速比を得るためにケース46に固定する第2リン
グギヤ24が前述のメンバーAである。このように、固
定された減速比の機械的な動力伝達の状態を第3駆動モ
ードと呼ぶ。
【0057】尚、第3駆動モードにおいても、バッデリ
ーから第1モーター34に電力を供給して機械的伝達の
動力に加勢することが可能であるし、逆に機械的な駆動
をしながら第1モーター34に発電させてバッテリーを
充電することもできる。第3駆動モードにおいては、第
1サンギヤ12および第2サンギヤ22は正回転してい
る。
【0058】第3駆動モードにおいて、第3モーター5
2が第2リングギヤ24の固定を維持したまま、バッテ
リーから第2モーター50に電力を供給して正回転させ
ると、前記のセルフロックは解消して第2円錐クラッチ
54の連結は解放され、第2モーター50の回転数が上
昇してやがて第1サンギヤ12および第2サンギヤ22
とほぼ同じに至る。
【0059】ここで、第1フォーク62を作用させると
同時に第2モーター50を発電機に切り替えて第1円錐
クラッチ48を連結させ、合わせて第3モーターへの電
力供給をやめる。すなわち、第1円錐クラッチ48は、
第1サンギヤ12および第2サンギヤ22から正回転で
第2モーター50を駆動する方向においてセルフロック
するように構成されているので、第2モーター50は第
1サンギヤ12および第2サンギヤ22と連結され、正
回転で発電する。
【0060】第2モーター50で発電された電力は第1
モーター34に供給される。この場合、バッテリーから
も第1モーター34に電力供給することもできる。第2
モーター50が発電することで、第1キャリア16から
第1リングギヤ14へ機械的に伝達されるトルクの比
は、1/(1+α1)になる。すなわち、出力軸32に
機械的に伝達されるトルクは入力軸30へ入るエンジン
70のトルクより小さくなるが、出力軸32にはさらに
第1モーター34の出力トルクが加わる。
【0061】この場合も、入力軸30の回転数と出力軸
32の回転数の比(変速比)は、入力軸30に入るエン
ジン70のトルクの大きさと、自動車を駆動する出力軸
32のトルク(負荷)の大きさ、およびバッテリーから
第1モーター34に供給される電力とで自動的に決ま
り、変速比は無段階に変化する。また、第2モーター5
0が発電する電力もそれらに応じて変化する。第2リン
グギヤ24および第3モーター52は正回転方向に空転
する。このように、第1サンギヤ12から正回転で駆動
されて第2モーター50が発電して第1モーター34に
電力供給し、かつ、出力軸32の回転数が入力軸30の
回転数より低い状態を第4駆動モードと呼ぶ。
【0062】自動車の速度が上昇したりエンジン70の
回転数が下がると、やがて出力軸32と入力軸30の回
転数がほぼ同じに至る。ここで再び第2フォークを作用
させると第2円錐クラッチ54を連結することができ
る。と、同時に第2モーター50での発電をやめる。す
なわち、第4駆動モードにおいて第2リングギヤ24は
入力軸30の回転数よりやや低い回転数で正回転方向に
空転しているが、出力軸32と入力軸30の回転数がほ
ぼ同じになると、第2リングギヤ24め回転数もほぼ同
じになる。
【0063】第2円錐クラッチ54は逆回転方向に第2
モーター50を駆動する場合にセルフロック可能である
ので、第2円錐クラッチ54には逆回転方向のトルクが
作用し第1円錐クラッチ48には正回転方向のトルクが
作用して両円錐クラッチ54、48がともにセルフロッ
ク状態になる。このため、第1遊星歯車10と第2遊星
歯車20および第2モーター50、さらには第3モータ
ー52、出力軸32、第1モーター34は、ともに入力
軸30と一体になって回転し、入力軸30と出力軸32
は機械的に直結される。
【0064】このように、入力軸30と出力軸32が機
械的に直結され、変速比が1になった状態を第5駆動モ
ードと呼ぷ。この直結は純粋に機械的に維持されるの
で、動力伝達のために消費する電力は0になる。無論、
第5駆動モードにおいてもバッテリーから第1モーター
34に電力を供給して機械的な動力伝達に加勢すること
が可能であるし、逆に機械的な直結駆動をしながら第1
モーター34に発電させてバッテリーを充電することも
できる。
【0065】この状態から再び第2モーター50に発電
させて第1モーター34に電力供給して、出力軸32の
回転数が入力軸30より高くなるように制御すると第2
円錐クラッチ54の連結は解除され、前述の第4駆動モ
ードと同様に、エンジン70の動力の一部で第1サンギ
ヤ12を介して第2モーターが発電して第1モーター3
4を駆動することになる。
【0066】この場合も、第4駆動モードと同様に第1
キャリア16から第1リングギヤ14へ機械的に伝達さ
れるトルクの比は、1/(1+α1)になり、変速比は
エンジン70のトルクの大きさと、出力軸32のトルク
(負荷)の大きさ、およびバッテリーから第1モーター
34に供給される電力とで無段階に変化する。また、第
2モーター50が発電する電力もそれらに応じて変化す
る。このように、第1サンギヤ12から駆動されて第2
モーター50が正回転で発電して第1モーター34に電
力供給し、かつ、出力軸32の回転数が入力軸30の回
転数より高い状態を第6駆動モードと呼ぶ。
【0067】この状態で、自動車の速度がさらに上昇す
るか、エンジン70の回転数が下がると、やがて第1サ
ンギヤ12の回転がほぼ停止するに至る。この際に、バ
ッテリーから第2モーター50に逆回転方向のトルクを
出すように電力供給して、電気的に第1サンギヤ12を
ケース46に固定する。第1サンギヤ12をケース46
に固定すると、変速比は(1+α1)になり、入力軸3
0から出力軸32へ固定された変速比で増速駆動され
る。ここで、固定された増速比を得るためにケース46
に固定する第1サンギヤ12を前述のようにメンバーB
と呼ぶ。また、このように固定された変速比で機械的に
増速駆動される状態を第7駆動モードと呼ぶ。
【0068】第7駆動モードにおいても、バッテリーか
ら第1モーター34およびさらには第3モーター52に
も電力を供給して機械的な動力伝達に加勢することが可
能であるし、逆に機械的な増速駆動をしながら第1モー
ター34に発電させてバッテリーを充電することもでき
る。
【0069】次に、自動車の速度を徐々に下げる場合、
および制動する場合について説明する。上記の第1駆動
モードから第7駆動モードのいずれの場合であっても、
運転者が自動車のスロットルペダルを解放したり、ブレ
ーキペダルを踏んで制動する場合には、直ちに上記の駆
動をやめてエンジン70を停止し、第1モーター34に
発電させる。
【0070】第1円錐クラッチ48および第2円錐クラ
ッチ54は、いずれもエンジン70による駆動時にのみ
セルフロックして動力伝達が可能なように構成されてい
るので、エンジン70を停止すると直ちにセルフロック
が解除される。第1モーター34の発電量を制御するこ
とにより適度な制動を行うとともに、従来は摩擦ブレー
キで熱に変えて捨てていた自動車の運動エネルギーの一
部を電気に変えてバッテリーに蓄え、いわゆるエネルギ
ー回生を行うことができる。エネルギー回生でバッテリ
ーに蓄えた電力は、次に自動車を加速する際に使うこと
で自動車の燃料消費を少なくする効果が得られる。
【0071】次に、自動車を後進させる場合について説
明する。自動車の後進は、バッテリーからの電力供給で
第1モーター34を逆回転させることで発進から加速を
行うことができる。この場合、エンジン70は停止した
ままであるため、第1サンギヤ12、第2サンギヤ22
は正回転し、第2リングギヤ24は逆回転している。
【0072】後進駆動において、第1モーター34の出
力だけでは駆動力が不足する場合は、前記の第1サンギ
ヤ12、第2サンギヤ22および第2リングギヤ24の
回転数の関係を保ちつつ、バッテリーからの電力供給で
第3モーター52を逆回転方向に駆動させるとともに、
第1円錐クラッチ48を連結させ第2サンギヤ22を経
由して第2モーター50に発電させる。こうすること
で、エンジンにトルクを作用させることなく第2キャリ
ア26が後進駆動されるので、エンジンは停止したまま
後進駆動力を加勢することができる。
【0073】尚、後進時においてもエンジン70を回転
させて第1円錐クラッチ48を連結させ、第2サンギヤ
22を経由して第2モーター50に発電させることがで
きるが、その場合は逆に第1リンギギヤ14に正回転方
向のトルクが作用するので、その分だけ後進駆動力が低
下する。また、後進の制動においても第1モーター34
に発電させることにより、前進と同様にエネルギー回生
を行うことができる。
【0074】以上のように、図1の実施形態にあって
は、メンバーAの第2リングギヤ24およびメンバーB
の第1サンギヤ12と第2モーター50との連結関係
と、第1モーター34、第2モーター50および第3モ
ーター52の駆動や発電、さらにはケース46への固定
などの制御により第1駆動モードから第7駆動モードま
で多様な駆動モードを選択して、自動車を走行させるこ
とができる。
【0075】特に、車速0の発進から第7駆動モードま
で無段階に変速できるとともに、減速、直結、増速の3
種類の固定された変速比の機械的な動力伝達が可能であ
ることが最大の特徴である。すなわち、機械的な動力伝
達においてはエンジン70の動力で発電して第1モータ
ー34を駆動する電気ルートの動力伝達がないため、特
に第3駆動モードと第5駆動モードにおいて従来例より
動力伝達効率が高くなり、走行負荷が大きい低速加速や
登坂時などにおいては減速の第3駆動モードを、都市内
の定常走行などにおいては車速に応じて減速の第3駆動
モードまたは直結の第5駆動モードを、高速走行におい
ては増速の第7駆動モードでの駆動比率を高くすること
で自動車の燃費を良くすることができる。
【0076】次に、図2は、本発明の自動車用駆動装置
における他の実施形態を表すスケルトン図である。はじ
めに、図1の実施形態との違いを中心に説明する。2組
の遊星歯車10と20とを有することは図1と同じであ
るが、第1キャリア16と第2リングギヤ24とが連結
されるとともに入力軸30とも連結しており、第1リン
グギヤ14と第2キャリア26とが連結されるとともに
出力軸32とも連結し、出力軸32は第1モーター34
とも連結している。
【0077】第1サンギヤ12は第1円錐クラッチ48
により第2モーター50と連結可能であるとともにメン
バーBを構成し、第2サンギヤ22は第3モーター52
と常に連結しているとともに、第2円錐クラッチ54を
介して第2モーター50とも連結可能であり、メンバー
Aを構成する。
【0078】詳細な説明は省略するが、以上の構成で、
各モーター34、50、52および第1円錐クラッチ4
8、第2円錐クラッチ54を、図1の実施形態と同様に
制御することで第1駆動モードから第7駆動モードまで
の多様な駆動が可能になる。制動および後進についても
同様である。したがって、図2の実施形態においても、
無段階な変速が可能であるとともに、各遊星歯車10お
よび20の歯数比α1、α2と変速比との関係は図1の
実施形態と異なるが、減速・直結・増速の固定された3
種類の変速比で機械的な動力伝達が可能であり、走行条
件に応じて適切な駆動モードを選択して燃費の良い走行
を行うことができる。
【0079】次に、図3は、本発明の自動車用駆動装置
における他の実施形態を表すスケルトン図である。図3
において、第1遊星歯車10と第2遊星歯車20の連結
関係は図1の実施形態と全く同じであるが、入力軸30
と出力軸32の連結関係が逆になっているとともに、入
力軸30と出力軸32とは同一軸心で互いに逆方向に延
びている。すなわち、入力軸30は第1リングギヤ14
および第2キャリア26と連結しており、出力軸32は
第1キャリア16と連結しているとともに第1モーター
34とも連結している。
【0080】また、第2リングギヤ24は第1円錐クラ
ッチ48により第2モーター50と連結可能であるとと
もにメンバーBを構成し、第1サンギヤ12と第2サン
ギヤ22とは第3モーター52と常に連結しているとと
もに、第2円錐クラッチ54を介して第2モーター50
とも連結可能であり、メンバーAを構成する。図3に示
す実施形態は後輪駆動車に適している。
【0081】詳細な説明は省略するが、以上の構成で、
各モーター34、50、52および第1円錐クラッチ4
8、第2円錐クラッチ54を、図1の実施形態と同様に
制御することで第1駆動モードから第7駆動モードまで
の多様な駆動が可能になる。制動および後進についても
同様である。したがって、図3の実施形態においても、
無段階な変速が可能であるとともに、各遊星歯車10お
よび20の歯数比α1、α2と変速比との関係は図1の
実施形態と異なるが、減速・直結・増速の固定された3
種類の変速比で機械的な動力伝達が可能であり、走行条
件に応じて適切な駆動モードを選択して燃費の良い走行
を行うことができる。
【0082】次に、図4は、本発明の自動車用駆動装置
における他の実施形態を表すスケルトン図である。図4
において、遊星歯車10はいわゆる複列の構成であり、
第1サンギヤ12と、第2サンギヤ22と、リングギヤ
14と、キャリア16および、該キャリア16に軸支さ
れ第1サンギヤ12およびリングギヤ14と噛み合う第
1ピニヨン18と、同じくキャリア16に軸支され第1
ピニヨン18および第2サンギヤ22と噛み合う第2ピ
ニヨン28から構成されている。キャリア16は入力軸
30と連結されている。入力軸30はエンジン70によ
り駆動される。
【0083】出力軸32は、リングギヤ14と連結され
るとともに第1モーター34とも連結されている。出力
軸32は駆動歯車36と一体になっており、駆動歯車3
6は図1の実施形態と同様に、図示しないアイドラ歯車
などを介して自動車を駆動する。第1サンギヤ12は第
1円錐クラッチ48により第2モーター50と連結可能
であるとともにメンバーBを構成し、第2サンギヤ22
は第3モーター52と常に連結しているとともに、第2
円錐クラッチ54を介して第2モーター50とも連結可
能であり、メンバーAを構成する。
【0084】詳細な説明は省略するが、以上の構成で、
各モーター34、50、52および第1円錐クラッチ4
8、第2円錐クラッチ54を、図1の実施形態と同様に
制御することで第1駆動モードから第7駆動モードまで
の多様な駆動が可能になる。制動および後進についても
同様である。したがって、図4の実施形態においても、
無段階な変速が可能であるとともに、遊星歯車10の歯
数比α1、α2と変速比との関係は図1の実施形態と異
なるが、減速・直結・増速の固定された3種類の変速比
で機械的な動力伝達が可能であり、走行条件に応じて適
切な駆動モードを選択して燃費の良い走行を行うことが
できる。
【0085】次に、図5は、本発明の自動車用駆動装置
における他の実施形態を表すスケルトン図である。遊星
歯車10は、図4の実施形態と同様に複列の構成であ
り、第1サンギヤ12と、第2サンギヤ22と、リング
ギヤ14と、キャリア16と、該キャリア16に軸支さ
れ第1サンギヤ12およびリングギヤ14と噛み合う第
1ピニヨン18と、同じくキャリア16に軸支され第1
ピニヨン18および第2サンギヤ22と噛み合う第2ピ
ニヨン28から構成されている。
【0086】リングギヤ14は入力軸30と連結されて
いる。入力軸30はエンジン70により駆動される。出
力軸32は、キャリア16と連結されるとともに第1モ
ーター34とも連結されている。出力軸32は駆動歯車
36と一体になっており、駆動歯車36は図1の実施形
態と同様に、図示しないアイドラ歯車などを介して自動
車を駆動する。第2サンギヤ22は第1円錐クラッチ4
8により第2モーター50と連結可能であるとともにメ
ンバーBを構成し、第1サンギヤ12は第3モーター5
2と常に連結しているとともに、第2円錐クラッチ54
を介して第2モーター50とも連結可能であり、メンバ
ーAを構成する。
【0087】詳細な説明は省略するが、以上の構成で、
各モーター34、50、52および第1円錐クラッチ4
8、第2円錐クラッチ54を、図1の実施形態と同様に
制御することで第1駆動モードから第7駆動モードまで
の多様な駆動が可能になる。制動および後進についても
同様である。したがって、図5の実施形態においても、
無段階な変速が可能であるとともに、遊星歯車10の歯
数比α1、α2と変速比との関係は図1の実施形態と異
なるが、減速・直結・増速の固定された3種類の変速比
で機械的な動力伝達が可能であり、走行条件に応じて適
切な駆動モードを選択して燃費の良い走行を行うことが
できる。
【0088】以上のように、本発明の各実施形態にあっ
ては、いずれの実施形態においても発進から増速駆動ま
で無段階に変速できるとともに、減速・直結・増速の3
種類の固定された変速比で機械的な動力伝達が可能であ
ることが大きな特徴である。したがって、無段階でスム
ーズな変速によって違和感のない走行が可能であるとと
もに、ハイブリッド自動車の長所を生がして第1駆動モ
ードや他の駆動モードにおいても電気的な駆動と機械的
な駆動を最適に使い分け、あらゆる走行条件における燃
費を良くすことができる。
【0089】また、特に固定された変速比の機械的動力
伝達においては電気ルートの動力伝達がなく動力伝達効
率が高いので、加速や登坂などの負荷が大きい走行にお
いては減速の第3駆動モードを、都市内の定常走行にお
いては車速に応じて減速の第3駆動モードまたは直結の
第5駆動モードを、高速走行においては増速の第7駆動
モードでの駆動を多用することで、各種の走行条件にお
いて最も燃費を良くするように制御することができる。
【0090】本発明の自動車用駆動装置は、当業者の一
般的な知識に基づいて、固定された変速比の機械的伝達
を多用しつつ、変速をスムーズに行うためにエンジンお
よび各モーターを能動的に制御することや、燃費をよく
するために固定された変速比を適切に用いるように変速
制御をプログラム化すること、さらには第2モーターと
メンバーAおよびメンバーBとの連結手段を他の構造の
クラッチにするなどの変更や改良を加えた態様で実施す
ることができる。
【0091】
【発明の効果】以上、説明してきたように、本発明の自
動車用駆動装置によれば、以下のような効果を得ること
ができる。 (1) 請求項1に記載の本発明の自動車用駆動装置に
よれば、エンジンより入力軸に入力される駆動力を、遊
星歯車を介して出力軸へ伝達可能で、複数のモーターを
備えた自動車用駆動装置において、出力軸を複数のモー
ターのうちの第1モーターで駆動可能とするとともに、
遊星歯車が、この回転メンバーのうち減速駆動を得るべ
くケースに固定可能なメンバーAと、回転メンバーのう
ち増速駆動を得るべくケースに固定可能なメンバーBと
を備え、メンバーAおよびメンバーBとがそれぞれ第1
モーターとは別のモーターに連結可能に構成したため、
モーターの制御による無段階な変速を行うことができる
とともに、メンバーAをモーターによってケースに固定
することで機械的伝達の減速駆動を行い、メンバーBを
モーターによってケースに固定することで機械的伝達の
増速駆動を行うことができるので、機械的伝達において
は電気ルートの動力伝達がなく従来に比べて減速駆動に
おける動力伝達効率が高くなり、自動車の燃費を向上さ
せることができる。
【0092】(2) 請求項2に記載の本発明の自動車
用駆動装置によれば、1個のモーター(第2モーター)
が、メンバーAおよびメンバーBと選択的に連結可能な
ように構成したため、駆動装置全体のモーター容量を大
きくすることなく無段階な変速と、機械的な減速駆動お
よび増速駆動を行うことができるので、駆動装置の重量
およびスペースが節約でき、製造コストも低くできる。
【0093】(3) 請求項3に記載の本発明の自動車
用駆動装置によれば、1個のモーター(第2モーター)
とメンバーAおよびメンバーBとを選択的に連結する手
段を、ヘリカル面を有する歯で噛み合うコーンリングを
備えて一方向のトルクが作用した際にセルフロック可能
な円錐クラッチとしたため、エンジンから駆動する方向
のトルクが作用した場合のみ円錐クラッチが連結し、駆
動力がなくなると自動的に連結が解除されので、減速・
直結・増速の各機械的な駆動モードから無段階な駆動モ
ードへの移行や、駆動状態から制動作用への切り替えを
スムーズに行うことができる。
【0094】(4) 請求項4に記載の本発明の自動車
用駆動装置によれば、1個のモーター(第2モーター)
とメンバーAおよびメンバーBとを同時に連結可能に構
成したため、両者を同時に連結することにより、前記の
減速駆動および増速駆動に加えて、遊星歯車全体を一体
にして機械的に直結駆動を行うことができるので、これ
も電気ルートの動力伝達がなくなり動力伝達効率が高
く、定常走行のような直結駆動に適した走行条件におけ
る燃費を向上することができる。
【0095】(5) 請求項5に記載の本発明の自動車
用駆動装置によれば、メンバーAが第2モーターと連結
可能であるとともに、第3モーターと常に連結するよう
に構成したため、第3モーターによるメンバーAのケー
スへの固定で第3駆動モードでの減速駆動を行いなが
ら、第2モーターの連結関係をメンバーAからメンバー
Bに切り替えて、第4駆動モードの無段階な変速へスム
ーズに移行することができる。
【0096】(6) 請求項6に記載の本発明の自動車
用駆動装置によれば、前記遊星歯車は、第1サンギヤと
第1リングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持
する第1キャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サン
ギヤと第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨン
を支持する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備
え、第1サンギヤと第2サンギヤとを連結し、第1リン
グギヤと第2キャリアとを連結し、第1キャリアを入力
軸および出力軸のうちの一方と連結し、第1リングギヤ
と第2キャリアとを入力軸および出力軸のうちの他方と
連結するとともに、第1キャリアを入力軸と連結した場
合には第2リングギヤをメンバーAとするとともに第1
サンギヤおよび第2サンギヤをメンバーBとし、第1キ
ャリアを出力軸と連結した場合には第1サンギヤおよび
第2サンギヤをメンバーAとするとともに第2リングギ
ヤをメンバーBとしたため、メンバーAと第3モーター
とを常に連結し、第2モーターとメンバーAおよびメン
バーBとを選択的に連結可能にすることにより、簡単な
構成で無段階な変速の他に、固定された変速比で減速・
直結・増速の各駆動を行うことが可能になり、走行条件
に応じて多様な駆動モードを使い分けて燃費を向上させ
ることができる。
【0097】(5) 請求項7に記載の本発明の自動車
用駆動装置によれば、前記遊星歯車は、第1サンギヤと
第1リングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持
する第1キャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サン
ギヤと第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨン
を支持する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備
え、前記第1リングギヤと前記第2キャリアとを前記出
力軸と連結し、前記第1キャリアと前記第2リングギヤ
とを前記入力軸と連結するとともに、前記第2サンギヤ
を前記メンバーAとし、前記第1サンギヤを前記メンバ
ーBとしたため、メンバーAと第3モーターとを常に連
結し、第2モーターとメンバーAおよびメンバーBとを
選択的に連結可能にすることにより、簡単な構成で無段
階な変速の他に、固定された変速比で減速・直結・増速
の各駆動を行うことが可能になり、走行条件に応じて多
様な駆動モードを使い分けて燃費を向上させることがで
きる。
【0098】(8)請求項8に記載の本発明の自動車用
駆動装置によれば、前記遊星歯車は、第1サンギヤが第
1ピニヨンを介してリングギヤに噛み合い、第2サンギ
ヤが第1ピニヨンと第2ピニヨンとを介してリングギヤ
に噛み合い、両ピニヨンがキャリアにより支持され、リ
ングギヤとキャリアとのうち一方を入力軸と連結し、リ
ングギヤとキャリアとのうち他方を出力軸と連結すると
ともに、リングギヤと入力軸とを連結した場合は第1サ
ンギヤをメンバーAとするとともに第2サンギヤをメン
バーBとし、リングギヤと出力軸とを連結した場合は第
2サンギヤをメンバーAとするとともに第1サンギヤを
メンバーBとしたため、メンバーAと第3モーターとを
常に連結し、第2モーターとメンバーAおよびメンバー
Bとを選択的に連結可能にすることにより、簡単な構成
で無段階な変速の他に、固定された変速比で減速・直結
・増速の各駆動を行うことが可能になり、走行条件に応
じて多様な駆動モードを使い分けて燃費を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用駆動装置のスケルトン図であ
る。
【図2】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態のスケルトン図である。
【図3】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態のスケルトン図である。
【図4】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態の要部スケルトン図である。
【図5】本発明の自動車用駆動装置における、他の実施
形態の要部スケルトン図である。
【図6】本発明の自動車用駆動装置における、第1円錐
クラッチの要部断面図である。
【図7】図6のC−Cにおける断面図である。
【図8】従来例を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
10:第1遊星歯車 12:第1サンギヤ 14:第1リングギヤ 16:第1キャリア 18:第1ピニヨン 20:第2遊星歯車 22:第2サンギヤ 24:第2リングギヤ 26:第2キャリア 28:第2ピニヨン 30:入力軸 32:出力軸 34:第1モーター 36:駆動歯車 38:アイドラ歯車 40:出力歯車 42:差動装置 44:車軸 46:ケース 48:第1円錐クラッチ 50:第2モーター 52:第3モーター 54:第2円錐クラッチ 56:第1ハブ 58:第1コーンリング 60:第1アウターリング 62:第1フォーク 70:エンジン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンより入力軸に入力される駆動力
    を、遊星歯車を介して出力軸へ伝達可能で、複数のモー
    ターを備えた自動車用駆動装置において、前記出力軸を
    前記複数のモーターのうちの第1モーターで駆動可能と
    するとともに、前記遊星歯車が、この回転メンバーのう
    ち減速駆動を得るべくケースに固定可能なメンバーA
    と、前記回転メンバーのうち増速駆動を得るべくケース
    に固定可能なメンバーBとを備え、前記メンバーAおよ
    び前記メンバーBとがそれぞれ前記第1モーターとは別
    のモーターに連結可能であることを特徴とする自動車用
    駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記別のモーターのうちの1個のモータ
    ー(第2モーター)が、前記メンバーAおよび前記メン
    バーBと選択的に連結可能であることを特徴とする請求
    項1に記載の自動車用駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記1個のモーター(第2モーター)
    と、前記メンバーAおよび前記メンバーBとを連結する
    手段が、ヘリカル面を有する歯で噛み合うコーンリング
    を備えて一方向のトルクが作用した際にセルフロック可
    能な円錐クラッチであることを特徴とする請求項2に記
    載の自動車用駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記1個のモーター(第2モーター)
    が、前記メンバーAおよび前記メンバーBの両者と同時
    に連結可能であることを特徴とする請求項2乃至3に記
    載の自動車用駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記メンバーAが、前記別の1個のモー
    ター(第2モーター)と連結可能であるとともに、前記
    複数のモーターのうち前記1個のモーターとはさらに別
    のモーター(第3モーター)と常に連結されていること
    を特徴とする請求項2乃至4に記載の自動車用駆動装
    置。
  6. 【請求項6】 前記遊星歯車は、第1サンギヤと第1リ
    ングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持する第
    1ギャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サンギヤと
    第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨンを支持
    する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備え、前記
    第1サンギヤと前記第2サンギヤとを連結し、前記第1
    リングギヤと前記第2キャリアとを連結し、前記第1キ
    ャリアを前記入力軸および前記出力軸のうちの一方と連
    結し、前記第1リングギヤと前記第2キャリアとを前記
    入力軸および前記出力軸のうちの他方と連結するととも
    に、前記第1キャリアを前記入力軸と連結した場合には
    前記第2リングギヤを前記メンバーAとするとともに前
    記第1サンギヤおよび前記第2サンギヤを前記メンバー
    Bとし、前記第1キャリアを前記出力軸と連結した場合
    には前記第1サンギヤおよび前記第2サンギヤを前記メ
    ンバーAとするとともに前記第2リングギヤを前記メン
    バーBとしたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の
    自動車用駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記遊星歯車は、第1サンギヤと第1リ
    ングギヤとこれらに噛み合う第1ピニヨンを支持する第
    1キャリアとを有する第1遊星歯車と、第2サンギヤと
    第2リングギヤとこれらに噛み合う第2ピニヨンを支持
    する第2キャリアを有する第2遊星歯車とを備え、前記
    第1リングギヤと前記第2キャリアとを前記出力軸と連
    結し、前記第1キャリアと前記第2リングギヤとを前記
    入力軸と連結するとともに、前記第2サンギヤを前記メ
    ンバーAとし、前記第1サンギヤを前記メンバーBとし
    たことを特徴とする請求項1乃至5に記載の自動車用駆
    動装置。
  8. 【請求項8】 前記遊星歯車は、第1サンギヤが第1ピ
    ニヨンを介してリングギヤに噛み合い、第2サンギヤが
    前記第1ピニヨンと第2ピニヨンとを介して前記リング
    ギヤに噛み合い、前記両ピニヨンがキャリアにより支持
    され、前記リングギヤと前記キャリアとのうち一方を前
    記入力軸と連結し、前記リングギヤと前記キャリアとの
    うち他方を前記出力軸と連結するとともに、前記リング
    ギヤと前記入力軸とを連結した場合は前記第1サンギヤ
    を前記メンバーAとするとともに前記第2サンギヤを前
    記メンバーBとし、前記リングギヤと前記出力軸とを連
    結した場合は前記第2サンギヤを前記メンバーAとする
    とともに前記第1サンギヤを前記メンバーBとしたこと
    を特徴とする請求項1乃至5に記載の自動車用駆動装
    置。
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