JPH11315445A - 制電性、吸水性、吸放湿性に優れた織編物 - Google Patents

制電性、吸水性、吸放湿性に優れた織編物

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JPH11315445A
JPH11315445A JP10120820A JP12082098A JPH11315445A JP H11315445 A JPH11315445 A JP H11315445A JP 10120820 A JP10120820 A JP 10120820A JP 12082098 A JP12082098 A JP 12082098A JP H11315445 A JPH11315445 A JP H11315445A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度の制電性、吸水性、吸放湿性を兼ね備
え、かつ長期間の保管においても経時的黄変の少ない織
編物を提供する。 【解決手段】 ポリアルキレンオキサイド、ポリオール
および脂肪属ジイソシアネート化合物との反応によって
得られるポリエチレンオキサイド変性物をポリアミドに
含有せしめることにより、温度34℃、相対湿度90%
RHにおける吸湿率がナイロン6の1.5倍以上の性能
を有するポリアミド系繊維Aと、ポリエステル繊維Bと
からなる織編物であって、該織編物中に占めるAとBと
の混合重量比A/Bが30/70〜70/30であるこ
とをを特徴とする制電性、吸水性、吸放湿性に優れた織
編物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制電性、吸水性、
吸放湿性に優れ、しかも長期保管においても黄変の極め
て少ないインナー、中衣、シャツ、ブラウス、スポーツ
ウエア等の衣料素材に好適な織編物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合成繊維は、木綿、麻、ウール、絹等の
天然繊維と比べて強力、耐摩耗性、寸法安定性、ウオッ
シュアンドウエア性、速乾性等の点で優れており、衣料
用素材として広く使用されている。しかし、合成繊維
は、一般に天然繊維が有する優れた制電性能、吸水性能
や吸湿性能を有しておらず、冬場の着用時には静電気に
よるまとわりつきやほこりの付着など、また夏場の着用
時には発汗によりムレ、ベタツキ等が生じ、天然繊維よ
りも快適性の点で劣っていた。
【0003】上記問題を解決すべく、従来より合成繊維
に制電性や吸水性を付与する試みがなされている。例え
ば、V字、U字あるいは1個以上の凹部を有する異型断
面糸に帯電防止剤、吸水加工剤を併用する方法(特開昭
54ー131045号公報、特開昭52ー148218
号公報、特開昭53ー106848号公報、特開昭55
ー122074号公報)等が知られているが、これらの
方法では、ある程度の制電性や吸水性能を付与せしめる
ことが可能であるが、性能耐久性が乏しくかつ天然繊維
が持つ吸湿性能は有しておらず、天然繊維に比べ着心地
の点で劣っていた。
【0004】上記問題に対し、合成繊維に制電性、吸水
性、吸湿性の性能を付与する試みも種々なされている。
例えば、後加工によってナイロン繊維、ポリエステル繊
維に上記性能を付与する方法として、ラジカル開始剤や
電子線を用いてビニルカルボン酸をグラフト重合する方
法(特開平4ー146271号公報、特開平4ー272
272号公報)が知られているが、この方法は加工処理
による繊維の強力低下、風合の硬化、効果の耐久性不足
といった種々の問題を有していた。
【0005】また、原糸製造段階でポリアルキレングリ
コールをポリエステルに配合した複合繊維(特公昭39
ー5214号公報)、繊維表面から中空部まで貫通する
貫通溝を有する繊維形成性ポリマーよりなる中空繊維
(特公昭60ー37203号公報)、有機スルホン酸化
合物を均一に分散させたポリエステル繊維をアルカリ処
理した微多孔性繊維(特開昭60ー167969号公
報)等が提案されている。しかし、これらの繊維は、い
ずれも吸湿性のレベルが低く、また制電性、吸水性、吸
放湿性の両性能を同時に十分なレベルで満たすものでは
なかった。
【0006】これらの問題を解消するために、10%以
上の吸湿性能を有する樹脂を芯部、ポリエステルを鞘部
として構成された芯鞘型複合繊維(特開平2ー9961
2号公報)が提案されている。しかしながら、この繊維
は原糸製造段階で十分な吸水性と吸放湿性を有するもの
の、染色仕上げ加工時、特に減量加工時に繊維の鞘部が
破損し芯成分である吸湿性樹脂が溶出してしまい、所期
の吸水性と吸放湿性が低下するという問題があった。さ
らにまた、特願平9ー289464号にて提案した非水
溶性ポリエチレンオキシド変性物または非水溶性ポリエ
チレンオキシド変性物とポリアミドとの混合物からなる
芯成分とポリアミドからなる鞘成分により構成された芯
鞘型複合繊維とポリエステル繊維とからなる織編物は高
度の制電性、吸水性、吸放湿性を有してはいるものの、
長期間の放置により織編物が黄変するという問題があっ
た。このように、合成繊維に十分なレベルの制電性、吸
水性、吸放湿性を付与することは非常に難しく、未だ実
用化された例は認められない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みて行われたものであり、高度の制電性、吸水
性、吸放湿性とを備えた織編物であり、かつ長期間の保
管においても黄変の少ない織編物を提供することを技術
的な課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、次の構成を有するものである。すなわ
ち本発明は、温度34℃、相対湿度90%における吸湿
率がナイロン6の1.5倍以上であるポリアミド系繊維
Aと、ポリエステル繊維Bとからなる織編物であって、
該織編物中に占めるポリアミド系繊維Aとポリエステル
繊維Bとの混用重量比A/Bが30/70〜70/30
であり、かつ該織編物を30日間放置したときのCIE
−LAB表色系におけるb値が−1〜5であることを特
徴とする制電性、吸水性、吸放湿性に優れた織編物およ
びポリアミド系繊維Aがポリアルキレンオキサイド、ポ
リオールおよび脂肪属ジイソシアネート化合物との反応
によって得られるポリエチレンオキサイド変性物をポリ
アミドに含有せしめたものである制電性、吸水性、吸放
湿性に優れた織編物、さらに、ポリアミド系繊維Aがポ
リアルキレンオキサイド、ポリオールおよび脂肪属ジイ
ソシアネート化合物との反応によって得られるポリエチ
レンオキサイド変性物又は前記変性物とポリアミドとの
混合物からなる芯成分とポリアミドからな鞘成分より構
成された芯鞘型複合繊維である制電性、吸水性、吸放湿
性に優れた織編物、さらにまた、制電性が1000V以
下、吸水性が150%以上、吸湿能力が1.5%以上を
有することを特徴とす制電性、吸水性、吸放湿性に優れ
た織編物を要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明では、織編物に高度の吸水性と吸放湿性を
付与するために、織編物を構成する一方の糸条として、
温度34℃、相対湿度90%における吸湿率がナイロン
6の1.5倍以上であるポリアミド系繊維Aを用いる必
要がある。ここで、吸湿率がナイロン6の1.5倍未満
の場合、本発明の目的とする制電性、吸放湿性が得られ
ない。
【0010】本発明でいう温度34℃、相対湿度90%
における吸湿率がナイロン6の1.5倍以上であるポリ
アミド系繊維Aとは、ナイロン4のホモポリマー及びこ
れを主体とする共重合体やポリビニルピロリドン、ポリ
エーテルエステルアミド、あるいはポリアルキレンオキ
サイド、ポリオールおよび脂肪属ジイソシアネート化合
物との反応によって得られるポリエチレンオキサイド変
性物等の吸湿性を有するポリマーをポリアミド系重合体
に含有せしめて製糸した繊維である。ここで、製糸性、
糸質物性、染色性、染色堅牢度、製糸後の繊維の経時的
黄変等を考慮するとポリアルキレンオキサイド、ポリオ
ールおよび脂肪属ジイソシアネート化合物との反応によ
って得られるポリエチレンオキサイド変性物をポリアミ
ド系重合体に含有せしめた繊維が好ましく用いられる。
【0011】ここで、上記ポリエチレンオキサイド変性
物に使用するポリアルキレンオキサイドとしては、ポリ
エチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドおよび
両者の共重合体、ポリオールとしてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなど
のグリコール類、脂肪属ジイソシアネートは、ここでは
脂環属ジイソシアネートも含むが、ジシクロヘキシルメ
タンー4,4’ージイソシアネート、1,6ーヘキサメ
チレンジイソシアネートなどが挙げられる。ここで、芳
香族成分を含むジイソシアネートを用いると、得られた
織編物が着色または経時的な黄変がみられるので好まし
くない。
【0012】本発明では上記ポリエチレンオキサイド変
性物をポリアミドに含有せしめる方法としては公知のブ
レンド法、あるいは繊維の鞘成分をポリエチレンオキサ
イド変性物とし芯成分をポリアミドとしたり、または繊
維の芯成分をポリエチレンオキサイド変性物とポリアミ
ドとのブレンド物とし、鞘成分をポリアミドとする等の
芯鞘複合繊維、もしくは繊維の片方をポリエチレンオキ
サイド変性物とし、もう片方をポリアミドとしたり、繊
維の片方をポリエチレンオキサイド変性物とポリアミド
とのブレンド物とし、もう片方をポリアミドとしたサイ
ドバイサイド型複合繊維等が挙げられる。芯鞘複合繊維
あるいはサイドバイサイド型複合繊維で片方の成分をポ
リエチレンオキサイド変性物とポリアミドとのブレンド
物とする場合、両者を予め溶融混合してマスターチップ
化しておいてもよい。ここで、製糸性、糸質物性、染色
性、染色堅牢度、湿潤時のぬめり感等を考慮すると繊維
の芯成分をポリエチレンオキサイド変性物またはポリエ
チレンオキサイド変性物とポリアミドとのブレンド物と
し、鞘成分をポリアミドとした芯鞘複合繊維が好ましく
用いられる。
【0013】本発明で芯成分の一部に用いたり、鞘成分
として用いるポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD
(ポリメタキシリレンアジパミド)等のホモポリマー及
びこれらを主体とする共重合体もしくは混合物が好まし
く用いられる。
【0014】ポリアミド繊維にポリエチレンオキサイド
変性物を含有せしめる際の含有率は、使用するポリアミ
ドの種類や芯成分と鞘成分の複合比により得られる繊維
の吸放湿性が異なるため、本発明では特に限定されるも
のではないが、一般にはポリアミド繊維重量に対して
0.5〜60重量%の範囲にあることが好ましい。ポリ
エチレンオキサイド変性物の含有率が0.5重量%未満
では、目的とする吸放湿性が得られない場合があり、含
有率が60重量%を超えると、製糸性に問題が生じるお
それがあるので好ましくない。
【0015】本発明に用いるポリアミド系繊維Aは、常
法にしたがって製造することができる。ここで、芯鞘複
合繊維あるいはサイドバイサイド型複合繊維とする場合
の複合比は、使用するポリマーや要求される性能の度合
いにより異なるが、ポリエチレンオキサイド変性物を含
有する成分とポリアミドのみの成分が重量比で15/8
5〜85/15の範囲にあることが好ましい。これより
もポリエチレンオキサイド変性物を含有する成分の割合
が少ないと、吸放湿性に劣り、逆に芯成分が多くなりす
ぎると、製糸性に問題が生じる場合があり、好ましくな
い。
【0016】次に、本発明にて使用するポリエステル繊
維Bとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートな
どのホモポリマーおよびこれらを主体とし、イソフタル
酸、5ーナトリウムスルホイソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸成分や他種の
グリコール成分との共重合体や上記ポリエステルの混合
物が好ましく用いられる。
【0017】本発明の制電性、吸水性、吸放湿性に優れ
た織編物は、上述のポリアミド系繊維Aとポリエステル
繊維Bとを混用した織物、編物であり、その混用態様と
してはあらかじめポリアミド系繊維Aとポリエステル繊
維Bとを流体攪乱処理等の方法により交絡して得られる
混繊糸を製造しておき織編物に供する方法、ポリアミド
系繊維Aとポリエステル繊維Bとからなる交織、交編等
公知の方法により得ることができる。
【0018】本発明では、上述の織編物中に占めるポリ
アミド系繊維Aとポリエステル繊維Bとの混用重量比A
/Bが30/70〜70/30の範囲にある必要があ
る。混用重量比A/Bが30/70未満では、目的とす
る制電性、吸水性、吸放湿性が得られず、好ましくな
い。混用重量比A/Bが70/30を越えると、目的と
する制電性が得られず。さらに、染色時、ポリエステル
繊維Bを染色する分散染料がポリアミド系繊維Aを汚染
する程度が大きくなり、染色堅牢度が不良となる場合が
ある。
【0019】次に、本発明の織編物は、温湿度管理され
ていない室内で太陽光は入射するが直接日光の当たらな
い場所に30日間放置したときのCIE−LAB表色系
におけるb値が−1〜5である必要がある。これは、最
終の繊維製品とした場合でも色調変化が殆どなく、商品
価値を低下させないために必要であり、好ましくはb値
が0〜3である。織編物のb値は、ポリマーの原料に含
まれる不純物、重合条件、紡糸条件など種々の要因によ
って変わるが、現状では吸放湿性を有するポリマーに色
調悪化の主要因がある場合が多い。したがって、b値を
前記範囲内とするためには、吸放湿性を有するポリマー
を改良する必要があるが、前述したポリアルキレンオキ
サイド変性物は色調変化が極めて少なく本発明に好適に
用いることができる。
【0020】本発明では、得られた織編物は、JIS
L1094B法による摩擦帯電圧が1000V以下であ
る制電性を有するのが好ましい。摩擦帯電圧が1000
Vを超えると、この織編物を縫製して着用した際、静電
気によるまとわりつきや埃の付着等があり、着心地が悪
くなることがある。
【0021】また本発明の織編物は、JIS L190
7 5.3で規定された吸水性測定法による吸水性が1
50%以上であることが好ましい。吸湿性が150%未
満の場合は、着用状態により異なるが、着用中の発汗に
伴いべたつきを感じることがあり好ましくない。
【0022】本発明の織編物は、標準状態での吸湿率と
温度34℃、相対湿度90%RHにおける吸湿率の差で
ある吸湿能力が1.5%以上であることが好ましい。吸
湿能力が1.5%未満の場合には、着用時にむれ感を感
じることがあり、好ましくない。
【0023】
【作用】本発明において、ポリエステル繊維Bとともに
織編物を構成するポリアミド系繊維Aは、ナイロン4の
ようにそれ自身が高度な吸放湿性を有していたり、ある
いはポリビニルピロリドン、ポリエーテルエステルアミ
ド、ポリエチレンオキサイド変性物等の高度な吸放湿性
と吸水性を有するポリマーをポリアミドに含有せしめて
いるので、優れた吸放湿性と吸水性を発揮することがで
きる。
【0024】上述のポリアミド系繊維Aは、高度な吸放
湿性と吸水性を有しているものの、制電性については摩
擦帯電圧で2000V程度であり、一般的な合成繊維に
比較すると静電気が発生しても衣服がまとわりつかない
レベルではあるが、静電気によるほこりの付着が発生す
るレベル(摩擦帯電圧1000V以下にならないとほこ
りの付着がなくならない。)である。
【0025】しかしながら、本発明の織編物のごとくポ
リアミド系繊維Aとポリエステル繊維Bと構成すること
により高度な制電性を発揮することができる。この理由
については定かではないが、本発明者等らは下記の様に
考えている。本発明のポリアミドとポリエステルとの帯
電列をみると、ポリアミドに静電気を与えると正の電荷
を持つ。これに対してポリエステルに静電気を与えると
負の電荷を持つ。これらポリアミドとポリエステルの帯
電列の間に綿、シルク、レーヨン、アセテート、アクリ
ル等の繊維がありこれらの繊維と接触することにより、
いったんポリアミドは正の電荷、ポリエステルは負の電
荷を帯びるが、次にこれらの電荷が打ち消し合って帯電
量が低くなるものと思われる。この際、特にポリアミド
系繊維Aがポリアルキレンオキサイド、ポリオールおよ
び脂肪属ジイソシアネート化合物との反応によって得ら
れるポリエチレンオキサイド変性物をポリアミドに含有
せしめたものである場合にポリエステル繊維Bとの比率
により打ち消し合う電荷量が異なるが、優れた制電効果
が得られるものと考えている。
【0026】
〔JIS L1096織物の試験法の6.26.2吸水率と同じ方法が?〕
(3)織編物の制電性 染色した試料の制電性について、次のJISに従って測
定した。 半減期 ;JIS L−1094 A法 摩擦帯電圧;JIS L−1094 B法 (4)織編物のb値 試料を温湿度管理されていない室内で太陽光は入射する
が直接日光の当たらない場所で30日間放置後、マクベ
ス社製のMS−2020型分光光度計を用い、光反射率
を測定し、国際照明委員会でで定義された色差式CIE
−LABから求めた(実際には分光光度計により自動的
に出力される)。測定に際し、試料以外からの反射光の
影響を極力小さくするため、試料を幾重にも折り畳んで
光が組織の間隙を通過しないことを目視で確認した後、
測定を行う。
【0027】実施例1 m−クレゾール溶媒中で濃度0.5g/デシリットル、
温度20℃にて測定した相対粘度2.6のナイロン6を
85重量部とポリエチレンオキサイド、1,4ーブタン
ジオールおよびジシクロヘキシルメタンー4,4’ージ
イソシアネートとの反応物であるポリエチレンオキサイ
ド変性物15重量部とをドライブレンドした混合物を芯
成分、上記ナイロン6を鞘成分とし、芯成分/鞘成分の
重量比が50/50の芯鞘型複合繊維を溶融紡糸した。
その際、12孔の吐出孔を有する紡糸口金を使用して、
紡糸温度255℃で溶融紡糸し、紡出した糸条に18℃
の空気を吹きつけて冷却し、油剤を付与した後、130
0m/分で捲き取り、3.0倍の延伸を行って、50d
/12fのポリアミド系繊維Aを得た。この繊維の温度
34℃相対湿度90%における吸湿率は13.0%であ
った。次に、フェノールとテトラクロロエタンの等重量
混合溶媒中で濃度0.5g/dl、温度25℃で測定し
た相対粘度1.38のポリエチレンテレフタレートを溶
融紡糸した。その際、36個の丸型断面形状の吐出孔を
有する紡糸口金を使用して、紡糸温度285℃で溶融紡
糸し、紡出した糸条に18℃の空気を吹き付けて冷却
し、油剤を付与した後、3600m/分の速度で捲き取
り、1.5倍の延伸を行って50d/36fのポリエス
テル繊維Bを得た。上記で得られたポリアミド系繊維A
とポリエステル繊維Bとを供給糸とし、デュポン製イン
ターレーサーJD−1を用いて、糸速600m/分、空
気圧1Kg/cm2 、オーバーフィード率2.0%の条
件で空気交絡処理を施し、交絡数が55個/m、ポリア
ミド系繊維Aとポリエステル繊維Bとの混用重量比が5
0/50の交絡混繊糸を得た。次に、この交絡混繊糸を
経糸および緯糸に用いて、経糸密度120本/吋、緯糸
密度90本/吋の平織物を製織し、得られた生機を用い
て常法により精練、プレセット、アルカリ減量(減量率
21.2%)した後、Sumikaron Yellow ERPD(住友化
学工業株式会社製、分散染料)1% owfとLanaset Yel
low 2R (日本チバガイギー株式会社製、酸性染料)1
% owfにて染色(染色温度120℃、染色時間30分)
を行った。さらに、常法により還元洗浄処理し、110
℃で60分間の乾燥、170℃で30秒間の熱処理を行
って、本発明の織物を得た。
【0028】比較例1 実施例1において、ポリアミド系繊維Aとしてナイロン
6繊維50d/12fを用いること以外は実施例1と同
一の方法により比較例の織物を得た。
【0029】比較例2、3 ポリアミド系繊維Aの繊度を50d/12fから各々3
0d/6f(比較例2)、120d/24f(比較例
3)に変え、ポリエステル繊維Bの繊度を50d/36
fから100d/68f(比較例2)、30d/12f
(比較例3)に変えて、ポリアミド系繊維Aとポリエス
テル繊維Bとの混用重量比を23/77(比較例2)、
80/20(比較例3)とすること以外は実施例1と同
一の方法により比較例の織物を得た。
【0030】比較例4 実施例1において、ポリエチレンオキサイド変性物の原
料としてジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネー
トの代わりに芳香族環をもつ4,4'- ジフェニルメタンジ
イソシアネートを用いた以外は同様にして50d/24
fの延伸糸を得た。このポリアミド系繊維Aを用いて実
施例1と同様の方法にて比較例の織物を得た。この織物
の吸放湿性は実施例1と同程度であったが、製造30日
後のb値は12.6と著しく黄変した。実施例1及び比
較例1〜3で得られた織物の評価を合わせて表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、実施例1で得ら
れた織物は、優れた制電性、吸水性、吸放湿性を有して
おり、快適衣料素材として好適なものであった。一方、
ポリアミド系繊維Aの芯成分にポリエチレンオキサイド
変性物が存在しない比較例1と、ポリアミド系繊維Aの
割合が少ない比較例2の織物は、制電性、吸水性、吸放
湿性すべての項目においてその性能が劣るものであっ
た。また、芯ポリアミド系繊維Aの割合が多い比較例3
の織物は、優れた吸水性と吸放湿性を有するものの、制
電性に劣るものであった。
【0033】実施例2 ポリアミド系繊維Aとして実施例1にて採取した50d
/12fを使用した。次に、フェノールとテトラクロロ
エタンの等重量混合溶媒中で濃度0.5g/デシリット
ル、温度25℃で測定した相対粘度1.38のポリエチ
レンテレフタレートを溶融紡糸した。その際、36個の
W型断面形状の吐出孔を有する紡糸口金を使用して、紡
糸温度285℃で溶融紡糸し、紡出した糸条に18℃の
空気を吹き付けて冷却し、油剤を付与した後、3600
m/分の速度で捲き取り、1.5倍の延伸を行って50
d/24fのW断面型ポリエステル繊維Bを得た。次
に、このポリアミド系繊維AとW断面型ポリエステル繊
維Bとを用いて、各々64.6%、35.4%の交編率
にてモックローディアの組織にて交編編物(編機;LP
J−H福原精機(株)製、釜経33インチ、ゲージ数3
2G)を得た。得られた生機を用いて常法により精練、
プレセットした後、Sumikaron Yellow ERPD(住友化学
工業株式会社製、分散染料)2% owfとLanaset Yello
w 2R(日本チバガイギー株式会社製、酸性染料)2%
owfにて染色(染色温度120℃、染色時間30分)を
行った。さらに、常法により還元洗浄処理し、110℃
で60分間の乾燥、170℃で30秒間の熱処理を行っ
て、本発明の編物を得た。
【0034】比較例4 実施例2において、ポリアミド系繊維Aとしてナイロン
6繊維50d/12fを使用すること以外は、実施例2
と同一の方法により比較例の編物を得た。
【0035】比較例5、6 ポリアミド系繊維Aとポリエステル繊維Bとの交編率A
/Bを、各々25.4%/74.6%(比較例6)、8
0.6%/19.4%(比較例7)に変える以外は実施
例2と同一の方法により比較用の編物を得た。実施例2
及び比較例5〜7で得られた織物の評価を合わせて表2
に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかなように、実施例2で得ら
れた編物は、優れた制電性、吸水性、吸放湿性を有して
おり、快適衣料素材として好適なものであった。一方、
ポリアミド系繊維Aの芯成分にポリエチレンオキサイド
変性物が存在しない比較例4と、ポリアミド系繊維Aの
割合が少ない比較例5の編物は、制電性、吸水性、吸放
湿性すべての項目においてその性能が劣るものであっ
た。また、ポリアミド系繊維Aの割合が多い比較例6の
編物は、優れた吸水性と吸放湿性を有するものの、制電
性に劣るものであった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、従来の合成繊維にはな
い高度の制電性、吸水性、吸放湿性を有する織編物を提
供する事ができ、快適性に優れた衣料を得ることが可能
となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度34℃、相対湿度90%における吸
    湿率がナイロン6の1.5倍以上であるポリアミド系繊
    維Aと、ポリエステル繊維Bとからなる織編物であっ
    て、該織編物中に占めるポリアミド系繊維Aとポリエス
    テル繊維Bとの混用重量比A/Bが30/70〜70/
    30であり、かつ該織編物を30日間放置したときのC
    IE−LAB表色系におけるb値が−1〜5であること
    を特徴とする制電性、吸水性、吸放湿性に優れた織編
    物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド系繊維Aがポリアルキレンオ
    キサイド、ポリオールおよび脂肪属ジイソシアネート化
    合物との反応によって得られるポリエチレンオキサイド
    変性物をポリアミドに含有せしめたものであることを特
    徴とする請求項1記載の制電性、吸水性、吸放湿性に優
    れた織編物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド系繊維Aがポリアルキレンオ
    キサイド、ポリオールおよび脂肪属ジイソシアネート化
    合物との反応によって得られるポリエチレンオキサイド
    変性物又は前記変性物とポリアミドとの混合物からなる
    芯成分とポリアミドからなる鞘成分より構成された芯鞘
    型複合繊維であることを特徴とする請求項1記載の制電
    性、吸水性、吸放湿性に優れた織編物。
  4. 【請求項4】 制電性が1000V以下、吸水性が15
    0%以上、吸湿能力が1.5%以上であることを特徴と
    する請求項1、請求項2または請求項3記載の制電性、
    吸水性、吸放湿性に優れた織編物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102560818A (zh) * 2011-12-31 2012-07-11 大连创达技术交易市场有限公司 防皱清爽面料
CN104894728A (zh) * 2015-06-01 2015-09-09 南通市跃达针织服饰有限公司 一种人造丝与绦纶长丝混合纺织工艺
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