JPH1131207A - 非接触型icカードとその非常時読出方法 - Google Patents

非接触型icカードとその非常時読出方法

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JPH1131207A
JPH1131207A JP9186608A JP18660897A JPH1131207A JP H1131207 A JPH1131207 A JP H1131207A JP 9186608 A JP9186608 A JP 9186608A JP 18660897 A JP18660897 A JP 18660897A JP H1131207 A JPH1131207 A JP H1131207A
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JP
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chip
card
data
module
memory
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JP9186608A
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Kazuo Kobayashi
一雄 小林
Yoshie Arai
美江 新井
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非接触型ICカードの一部の破損などの非常時
でも、記録されたデータを読み出す。 【解決手段】カード基体の内部に配置されるICモジュ
ール5に、複数のメモリ用ICチップ7とこれらに同一
のデータを記憶する制御用ICチップ6を設ける。これ
により、カードのいずれかの部品の破損などがあって
も、いずれかのメモリ用ICチップ7が正常なまま残る
可能性を大にする。ICモジュール5には、いずれのメ
モリ用ICチップ7からも記録されたデータを接触読出
方式で読み出せるように非常読出用端子9を設けてお
く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カード基体にIC
モジュールおよび送受信を行う結合手段を配置した非接
触型ICカードとその非常時読出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICカードは、例えばコンピュータの外
部記憶手段として、あるいはクレジットカード、IDカ
ード、キャッシュカードなどとして実用化されている。
このうち、非接触式のICカードについては、カード内
へのデータの書き込みを外部の書込装置から発した電磁
波または光によって非接触で行うことができ、かつ記録
したデータも電磁波または光を用いて外部の送受信装置
で読み取ることが可能とされている。従って、通信端子
の接触不良が回避され、データの読み書き装置も簡略化
でき、遠隔通信も可能であるなどの利点がある。
【0003】電磁誘導式の非接触型ICカードの内部構
造は、データの処理を行うマイクロプロセッサおよびデ
ータを記憶するメモリ部を備えたICモジュールと呼ば
れる部分と、電磁波の送受信のためのアンテナからな
る。そして、ICモジュールとアンテナとが、プラスチ
ック製のカード基体に埋設されて、非接触式のICカー
ドが形成されている。非接触型ICカードの規格として
は、ISO 10536があり、ここではカードの厚さは、
0.76mmと規定されている。従って、埋設されるI
Cモジュールおよびアンテナの厚さには限度がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ICモジュ
ールは、プリント基板に、マイクロプロセッサやメモリ
の機能を持つICチップを実装し、さらにこれらのIC
チップをエポキシ樹脂などで覆った構造になっている。
ICチップの端子はプリント基板上の配線パターンにボ
ンディングワイヤなどによって接続されている。ICチ
ップは、カードへの内蔵用に薄く加工されており、その
厚さは300μm程度である。このように薄肉にされた
ことにより、ICチップは脆く、衝撃時に応力を受けて
割れることがある。また、ICチップの端子とプリント
基板上の配線パターンとを接続するワイヤも衝撃によっ
て破損、または切断、剥離することがある。ICチップ
をエポキシ樹脂などで覆うことにより、ICモジュール
の機械的強度が向上するが、それでもICチップやワイ
ヤの破損または切断、剥離は完全には防止できない。
【0005】また、アンテナは、導線をコイル状に巻い
た巻線コイルとして設けられたり、プリント基板にスパ
イラル状のパターンを形成することによって設けられた
りする。このようにループ状に形成されるのは、誘導電
磁界を通信に利用するためであり、かかる観点からは、
アンテナのループ面積は大きいほど、通信には望まし
い。ただし、アンテナの厚さは、巻線コイルの巻き数
や、巻き方を工夫したり、プリント基板を用いるなどに
より、ICチップに比べて、薄くすることも可能であ
る。アンテナは、ICチップよりも衝撃に強く、特にプ
リント基板を用いたものならば、圧力や温度に対しても
導線を用いたものよりも強くできる。従って、非接触I
CカードにおいてはアンテナよりもICチップの破損に
よる故障が発生しやすい。
【0006】特開平6−183190号公報には、IC
モジュールを発泡樹脂で覆い、この発泡樹脂の緩衝作用
によりICモジュールを保護する技術が開示されてい
る。また、特開平3−121583号公報には、補強シ
ートによりICモジュールを補強する技術が開示されて
いる。しかし、これらのいずれの技術でもICチップの
破損や配線の断線を完全に防止することが不可能であ
る。
【0007】また、特開昭62−227795号には、
接触式ICカードにおいて、複数のICチップをフレキ
シブル基板に実装し、各ICチップにかかる応力を低減
する技術が開示されている。しかし、この技術でもIC
チップや配線の断線の破損を完全に防止することが不可
能である。また、この技術では、各ICチップには、一
つのアプリケーションが割り当てられているため、一つ
のICチップでも破壊されると、そのICチップに対応
するアプリケーションは実行できない。
【0008】ICチップの破損や配線の断線などが発生
すると、従来、ICモジュールに記録されたデータを読
み出すことが不可能であった。ICカードには金融業な
どにおいて使用されるものも多く、記録された貴重なデ
ータを読み出す技術の開発が要望されている。
【0009】本発明は上記の事情を考慮してなされたも
のであり、カードの一部の破損などの非常時でも、記録
されたデータを読み出すことが可能な非接触型ICカー
ドおよびその非常時読出方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る非接触型ICカードは、カード基体
と、上記カード基体の内部に配置されたICチップを有
するICモジュールと、上記カード基体の内部にに配置
され、上記ICモジュールに接続されて上記ICモジュ
ールと外部装置との送受信を行う結合手段とを備える非
接触型ICカードであって、上記カード基体の内部に
は、上記ICチップに記録されたデータを電気的な接触
による読出すことが可能な読出用接続端子が設けられて
いることを特徴とする。
【0011】上記ICモジュールは、データの記録専用
ICチップと、データ処理および通信制御用ICチップ
を有すると好ましい。あるいは、上記ICモジュール
は、少なくとも二つのデータの記録専用ICチップと、
上記データの記録専用ICチップのそれぞれに同一のデ
ータを記録するデータの処理および通信制御用ICチッ
プを有すると好ましい。あるいは、上記ICモジュール
は、データの記録専用ICチップと、データの記録、処
理および通信制御用ICチップとを有しており、上記デ
ータの記録、処理および通信制御用ICチップは、上記
データの記録、処理および通信制御用ICチップと上記
データの記録専用ICチップのそれぞれに同一のデータ
を記録するものでもよい。
【0012】上記非接触型ICカードの非常時読出方法
は、上記非接触型ICカードの上記カード基体に外部装
置の接続端子を突き刺し、上記外部装置の上記接続端子
を上記読出用接続端子に接触させて、上記ICチップに
記録されたデータを読み出すことを特徴とする。この場
合、上記カード基体に突き刺す上記接続端子の先端が針
状にとがっていると好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係
る非接触型ICカードの構成要素を示す斜視図である。
このICカードは、互いに積層された平板状の表側シー
ト1と裏側シート2と、両者の間に挟み込まれたインレ
ット3とを備える。表側シート1と裏側シート2は、加
熱プレス(熱ラミネーション法)または接着剤により接
合されており、これにより図2に示すように平板状のカ
ード基体Sが形成され、これと同時にインレット3がカ
ード基体Sの内部に配置されている。
【0014】カード基体Sの材料としては、PVC(ポ
リ塩化ビニル)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、PET(ポリエチエンテレフ
タレート)、PC(ポリカーボネート)、PI(ポリイ
ミド)、エポキシなどの合成樹脂のほか、従来からIC
カードの基体に使用されている公知の材料が用いられ
る。合成樹脂には、強度や色を調節するためにガラス繊
維、ガラスビーズ、酸化チタン、炭酸カルシウムなどを
含有させてもよい。その他、合成紙や紙などのシート材
料であれば、カード基体Sの素材として使用することが
可能である。
【0015】インレット3の厚さにより、カード基体S
の表面または裏面に凹凸が生じないように、表側シート
1と裏側シート2との間には、インレット3の厚さと同
等の厚さの中間層を設けてもよい。中間層は合成樹脂シ
ート、充填剤、接着剤などで形成することができる。ま
た、表側シート1と裏側シート2の互いに対向する面の
少なくとも一方にインレット3を嵌合する溝あるいは凹
みを形成して、カード基体Sの表面または裏面の凹凸の
発生を防止してもよい。なお、図示では二枚のシート
1,2によってカード基体Sが構成されているが、さら
に多数枚のシートによってカード基体Sが構成されてい
てもよい。
【0016】カード基体Sは、図示ではシートの積層に
よって形成されているが、射出成形によって形成しても
よい。この場合は、インレット3を金型内に配置し、カ
ード基体Sの素材となる熱可塑性樹脂を金型に注入す
る。
【0017】カード基体Sの表面または裏面には、IC
カードの用途などに応じた絵柄や文字を印刷してもよ
く、この印刷部分を保護する保護層を設けてもよい。保
護層はシート状のものを接着して設けてもよいし、合成
樹脂をコートして固化させて設けてもよい。カードの使
用途中に情報を視認可能な文字・記号で追記するため
に、例えばポリエステル樹脂などによって印刷可能なラ
ベルまたは受像層をカード基体Sの表面または裏面に設
けてもよい。
【0018】インレット3は、アンテナ(結合手段)4
とICモジュール5とから構成されている。図1に示す
例では、アンテナ4はコイル状またはスパイラル状に巻
かれた巻線コイルとして設けられている。なお、アンテ
ナとしての機能を果たすのであれば、図1に示す以外の
巻き方にしてもよい。アンテナ4は扁平な断面矩形の導
線を用いて形成すれば、コイル状またはスパイラル状に
湾曲させても、その断面のアスペクト比が良好である。
【0019】また、図示しない基板の上に図1と同様の
スパイラル状のアンテナパターンを形成し、このアンテ
ナパターンをアンテナ4として使用してもよい。この場
合は、後述するプリント配線板8と一括してアンテナ4
が表側シート1と裏側シート2との間に挟み込まれる。
そのようなアンテナパターンは、エッチング、メッキ、
印刷のいずれによって形成してもよいが、これらにより
形成されたアンテナは厚さが小さい。
【0020】アンテナ4の材料としては、導電性が十分
にあれば特に限定されないが、安価なことから銅製のも
のが好適であり、その他、金、銀、アルミニウム、カー
ボンなども使用しうる。なお、直流抵抗が大きいと通信
特性が低下するため、抵抗値を考慮して材質を決定する
必要がある。また、印刷で設けるのであれば、導電粉体
をペースト状インキに混入させたものも使用しうる。ア
ンテナ4は、ループをなすように形成されており、その
具体的な形状は通信に利用される電磁波の波長によって
変更される。電磁波を効率よく入出力するため、ループ
の形状は大きいほど有利である。
【0021】ICモジュール5はプリント配線板8を備
えており、プリント配線板8にはマイクロプロセッサの
機能を持つ一つの制御用ICチップ6と、メモリの機能
を持つ二つのメモリ用ICチップ7が実装されている。
制御用ICチップ6は、データの処理および通信を制御
する一方、メモリ用ICチップ7は、データの記録専用
である。プリント配線板8は、ガラス繊維にエポキシ樹
脂を含浸させたガラスエポキシからなる。ただし、PI
フィルムやICリードフレームに用いられる金属などが
用いられることもある。その他、PVCやPETなど通
常のプリント配線板に用いられる材料であれば、プリン
ト配線板8の素材として使用しうる。
【0022】図3および図4中、網目の部分はプリント
配線板8上の配線パターンを示す。配線パターンは銅箔
で形成されるが、銀やアルミなどのその他の導電性材料
を使用してもよい。プリント配線板8上には、アンテナ
4と制御用ICチップ6との電気的接続のための接続用
端子10が二つ形成されている。
【0023】この接続用端子10は制御用ICチップ6
に接続された二つの配線パターンの端部の太い部分であ
る。アンテナ4の両端部および接続用端子10の接続
は、導電性の接着剤、半田付け、圧着などで両者を固定
して行ってもよいし、単に両者を接触させるだけで行っ
てもよい。両者を固定せずに接触させる場合にあって
は、アンテナ4の両端部および接続用端子10の少なく
とも一方に導電性ゴム製のコネクタやバネを設けて接続
を確実にしてもよい。両者の接続により、アンテナ4を
介して、制御用ICチップ6と外部の非接触式書込・読
取装置と間の信号の送受信が可能となされている。送受
信は電磁波を利用して非接触式で行われる。
【0024】制御用ICチップ6およびメモリ用ICチ
ップ7の実装は、ワイヤーボンディング法を用いたCO
B方式、ICチップのパターン面をプリント配線板8の
配線パターンに対向させて接触させるフリップチップ方
式、またはTAB方式などで行われている。図3〜図5
は、フリップチップ方式によるものを示す。このように
して、接続用端子10と制御用ICチップ6の入出力端
子の間が接続され、制御用ICチップ6と各メモリ用I
Cチップ7の端子相互の間も接続されている。
【0025】このようにして実装された制御用ICチッ
プ6およびメモリ用ICチップ7は、エポキシ樹脂など
の合成樹脂で封止されて保護される(図示せず)。封止
の方法としてはポッティング法やトランスファーモール
ド法などが用いられる。
【0026】なお、外部の書込・読取装置との通信に用
いる電磁波の周波数に、アンテナ4の共振周波数を合わ
せるために、コンデンサ(図示せず)をプリント配線板
8上に実装してもよい。この場合、コンデンサはセラミ
ック製のチップコンデンサが好適である。
【0027】さて、ICモジュール5においては、二種
類のICチップ6,7が設けられている。メモリ用IC
チップ7はデータの記憶専用に用いられる。制御用IC
チップ6は、マイクロプロセッサの機能を備えており、
外部の非接触式書込・読取装置からアンテナ4を介して
供給される受信信号に基づいて演算処理を行い、演算結
果により得られたデータを両方のメモリ用ICチップ7
に記憶する。このようにして、メモリ用ICチップ7に
は常に同一のデータが記憶されている。また、制御用I
Cチップ6は、一方または両方のメモリ用ICチップ7
に記憶されたデータを読み出して、このデータをアンテ
ナ4を介して上記の非接触式書込・読取装置へ転送す
る。送受信の際、制御用ICチップ6はデータの暗号化
処理を行ってもよい。
【0028】制御用ICチップ6は、いずれかのメモリ
用ICチップ7に記憶されたプログラムに基づいて上記
の機能を果たすが、制御用ICチップ6の機能は、チッ
プ6内に構成したハードウエアロジックで実現してもよ
い。なお、図示の例では、制御用ICチップ6は一つで
あるが、複数の制御用ICチップ6を設けてこれらに上
記の機能を分担させてもよい。
【0029】メモリ用ICチップ7のメモリ部はEEP
ROMが好ましいが、ICカードの内部にICモジュー
ル5に電力を供給するバッテリを設けるのであれば、S
RAMでもよい。強誘電体メモリも使用可能である。な
お、図示の例では、メモリ用ICチップ7は二つである
が、さらに多数のメモリ用ICチップ7を設けてもよ
い。この場合、全てのメモリ用ICチップ7に制御用I
Cチップ6が同一データを記憶するようにしてもよい
し、いくつかのメモリ用ICチップ7に制御用ICチッ
プ6が同一データを記憶するようにしてもよい。
【0030】上記のようにこの非接触型ICカードにお
いては、データの処理および通信制御機能とメモリ機能
とが、別個のチップに分担されている。また、ICモジ
ュール5においては、複数のチップ6,7が設けられて
いるため、非接触型ICカードに荷重が加わったとき、
各チップ6,7にかかる応力が小さくなり、チップ6,
7の破損のおそれを少なくすることができる。
【0031】さて、図4に示すように、プリント配線板
8上には、複数の非常読出用端子(読出用接続端子)9
が形成されている。各非常読出用端子9は、各メモリ用
ICチップ7の読出用端子に接続された配線パターンの
端部の太い部分である。つまりメモリ用ICチップ7の
各読出用端子は、制御用ICチップ6に接続されている
だけでなく、プリント配線板8上の非常読出用端子9に
も接続されている。
【0032】従って、衝撃または大きな荷重により、制
御用ICチップ6が破損した場合、アンテナ4が破損し
た場合、チップ6,7の相互間やチップ6とアンテナ4
との間の断線が生じた場合には、非常読出用端子9を介
して接触読出方式でメモリ用ICチップ7に記憶された
データを読み出すことが可能である。以上述べた効果
は、メモリ用ICチップ7が一つの場合でも、同様に達
成できる。すなわち、メモリ用ICチップ7は少なくと
も一つあれば、本発明は実現可能である。
【0033】さらに、この実施形態においては、複数の
メモリ用ICチップ7に同一のデータが記憶されるた
め、以上のいずれかの不具合に加えて、いずれかのメモ
リ用ICチップ7が破損したとしても、他のメモリ用I
Cチップ7が正常なまま残る可能性がある。従って、こ
の場合も、いずれかの有効なメモリ用ICチップ7に対
応する非常読出用端子9を介して接触読出方式でそのメ
モリ用ICチップ7に記憶されたデータを読み出すこと
が可能である。このようにして、従来読み出すことをあ
きらめざるを得なかった記憶データでも、読み出すこと
ができる。
【0034】具体的な読出方法としては、カード基体S
を破壊し、接触式読取装置の電極(接続端子)を非常読
出用端子9に接触させて行う方法がある。あるいは、図
6に示すように、接触式読取装置の電極(接続端子)1
1をカード基体Sに突き刺し、電極11を非常読出用端
子9に接触させてメモリ用ICチップ7の記憶データを
読み出してもよい。この場合の電極11の材質は導電性
を有し、かつカード基体Sより硬ければよい。電極11
の先端は針状にとがっていると好適である。
【0035】非常読出用端子9の位置は、非接触型IC
カードの製造者またはこれから情報の提供を受けた者で
あれば知っているので、これらの者であればカード基体
Sで覆われている非常読出用端子9の位置を特定するこ
とが可能である。従って、誤って読取に必要なメモリ用
ICチップ7を破損するようなことなく、データを読み
出すことが可能である。そしてこのようにカード基体S
が破壊された非接触型ICカードまたは電極11が突き
刺されて孔があいた非接触型ICカードは、使用不可能
であることが目視で判断できるから、使用可能なカード
と容易に区別することができる。
【0036】なお、図4において、非常読出用端子9は
プリント配線板8の周縁付近に設けられているが、これ
に限らず、制御用ICチップ6とメモリ用ICチップ7
との間、またはメモリ用ICチップ7相互の間などに設
けてもよい。この場合、非常読出用端子は各チップ間の
接続用の配線パターンを兼ねるようにしてよい。
【0037】図7〜図9は、上記の実施形態の変更例を
示す。これらの図に示すICモジュール5では、プリン
ト配線板8上の部品の配置や配線パターンが上記実施形
態と異なる。ただし、本質的には、上記実施形態と同様
であり、共通する構成要素には同一の符号を付けて、そ
の説明を省略する。
【0038】なお、上記の実施形態では、ICモジュー
ル5と外部の非接触式書込・読取装置とのデータの送受
信は、アンテナ4を介して電磁波により行っているが、
これに限らず光学式媒介手段を用いて光によって行って
もよい。例えば、書込・読取装置からの受信は光センサ
で行い、書込・読取装置への送信はLEDなどの発光素
子で行うようにすればよい。
【0039】また、上記の実施形態では、制御用ICチ
ップ6は、データの処理および通信を制御するだけであ
るが、この代わりにデータの処理および通信の制御機能
に加えてデータの記憶も可能なICチップを設けてもよ
い。この場合には、そのICチップが、自身に、メモリ
用ICチップ7と同一のデータを記録すると好適であ
る。これによれば、データの記録、処理および通信制御
用ICチップとメモリ用ICチップ7に同一のデータが
記録されるので、いずれかのチップが破損したとして
も、他のチップからデータを読み出すことが可能であ
る。メモリ用ICチップ7は一つでもよい。
【0040】
【実施例】上記の実施形態に対応する非接触型ICカー
ドを実際に製作した。プリント配線板8上の部品の配置
や配線パターンは図7〜図9に従った。アンテナ4は銅
線をループ状に4回巻いて形成した。アンテナ4とIC
モジュール5の接続用端子10との接続は半田付けで行
った。
【0041】プリント配線板8としてはガラスエポキシ
製のものを使用し、その上の配線パターンは銅箔で形成
し、この配線パターンの厚さは35μmとした。配線パ
ターンにおいて、ICチップ6,7の端子と接続する部
分には、ニッケルでメッキを施し、さらにその上に金メ
ッキを施した。ICチップ6,7の実装方法としては、
ワイヤーボンディング法を用いたCOB方式を採用し
た。ワイヤーボンディング用のワイヤには金線を使用し
た。
【0042】メモリ用ICチップ7は、メモリ部として
EEPROMを備えたものを使用した。なお、ICチッ
プ6,7はポッティング法を用いてエポキシ樹脂で封止
した。
【0043】このようにして形成したインレット3を表
側シート1および裏側シート2の間に挟み込み、熱ラミ
ネート法でシート1,2を接合し非接触型ICカードを
製造した。表側シート1および裏側シート2は、それぞ
れ白色のPVCで厚さ380μmに製作した。
【0044】このようにして製作した非接触型ICカー
ドのカード基体Sに接触式書込・読取装置の電極11を
突き刺し非常読出用端子9に接触させてメモリ用ICチ
ップ7に直接、データを書き込んだ。そして、同様に電
極11を非常読出用端子9に接触させた状態で、書き込
まれたデータをメモリ用ICチップ7から上記と同様の
書込・読取装置で読み取った。この電極11は、18−
8系ステンレス鋼であるSUS302で形成した。
【0045】この試験では、二つのメモリ用ICチップ
7にデータを直接書き込むことも、メモリ用ICチップ
7からデータを直接読み取ることも可能であった。制御
用ICチップ6はデータの書込には使用しなかったが、
本発明の有用性が証明された。非接触型ICカードのカ
ード基体Sには、電極11により穿孔されているため、
他の非接触型ICカードとは容易に目視で区別すること
ができた。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カードの一部の破損などの非常時でも、記録されたデー
タを読み出すことが可能である。また、非常時に接触式
の読取方法を採用することにより、この方法で読み取っ
たカードを他のカードから容易に目視で区別することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る非接触型ICカード
の構成要素を示す斜視図である。
【図2】 完成状態の上記非接触型ICカードを示す断
面図である。
【図3】 上記非接触型ICカードのインレットを示す
平面図である。
【図4】 図3に示すインレットのICモジュールを示
す拡大平面図である。
【図5】 図4のV-V線矢視断面図である。
【図6】 上記非接触型ICカードからデータを接触式
で読み取る過程を示す図2のA部を拡大図である。
【図7】 上記実施形態の変更例に係る非接触型ICカ
ードで用いられるインレットを示す平面図である。
【図8】 図7に示すインレットのICモジュールを示
す拡大平面図である。
【図9】 図8のIX-IX線矢視断面図である。
【符号の説明】
1…表側シート、2…裏側シート、3…インレット、4
…アンテナ(結合手段)、5…ICモジュール、6…制
御用ICチップ、7…メモリ用ICチップ、8…プリン
ト配線板、9…非常読出用端子(読出用接続端子)、1
0…接続用端子、11…電極(接続端子)、S…カード
基体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード基体と、 上記カード基体の内部に配置されたICチップを有する
    ICモジュールと、 上記カード基体の内部にに配置され、上記ICモジュー
    ルに接続されて上記ICモジュールと外部装置との送受
    信を行う結合手段とを備える非接触型ICカードであっ
    て、 上記カード基体の内部には、上記ICチップに記録され
    たデータを電気的な接触による読出すことが可能な読出
    用接続端子が設けられていることを特徴とする非接触型
    ICカード。
  2. 【請求項2】 上記ICモジュールは、データの記録専
    用ICチップと、データ処理および通信制御用ICチッ
    プを有することを特徴とする請求項1に記載の非接触型
    ICカード。
  3. 【請求項3】 上記ICモジュールは、少なくとも二つ
    のデータの記録専用ICチップと、上記データの記録専
    用ICチップのそれぞれに同一のデータを記録するデー
    タの処理および通信制御用ICチップを有することを特
    徴とする請求項1に記載の非接触型ICカード。
  4. 【請求項4】 上記ICモジュールは、データの記録専
    用ICチップと、データの記録、処理および通信制御用
    ICチップとを有しており、上記データの記録、処理お
    よび通信制御用ICチップは、上記データの記録、処理
    および通信制御用ICチップと上記データの記録専用I
    Cチップのそれぞれに同一のデータを記録することを特
    徴とする請求項1に記載の非接触型ICカード。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の非
    接触型ICカードの上記カード基体に外部装置の接続端
    子を突き刺し、上記外部装置の上記接続端子を上記読出
    用接続端子に接触させて、上記ICチップに記録された
    データを読み出すことを特徴とする非接触型ICカード
    の非常時読出方法。
  6. 【請求項6】 上記カード基体に突き刺す上記接続端子
    の先端が針状にとがっていることを特徴とする請求項5
    に記載の方法。
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