JPH11311859A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JPH11311859A
JPH11311859A JP11896298A JP11896298A JPH11311859A JP H11311859 A JPH11311859 A JP H11311859A JP 11896298 A JP11896298 A JP 11896298A JP 11896298 A JP11896298 A JP 11896298A JP H11311859 A JPH11311859 A JP H11311859A
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JP
Japan
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group
photosensitive
acid
compound
printing plate
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Pending
Application number
JP11896298A
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English (en)
Inventor
Koichi Kawamura
浩一 川村
Tatsuji Azuma
達治 東
Yasuo Okamoto
安男 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP11896298A priority Critical patent/JPH11311859A/ja
Publication of JPH11311859A publication Critical patent/JPH11311859A/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光材料の階調が硬調で、インナードラム型
のプレートセッターで露光しても散乱光や反射光による
カブリが少なく、露光量を上げて使用可能な耐刷性にも
優れた直接レーザー書き込み可能な光重合性である感光
性組成物を用いたネガ型の感光性平版印刷版を提供す
る。 【解決手段】 支持体上に、少なくともa.フルオロ脂
肪族基とc.酸性基を有する高分子化合物、重合可能な
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物および光重合
開始剤を含有する感光性組成物を有することを特徴と
し、前記高分子化合物が、更にb.長鎖脂肪族基または
脂肪族基で置換された芳香族基ロ脂肪族基を有すること
が好ましく、c.酸性基としては、酸性水素原子を持ち
該酸性水素原子が窒素原子に結合した酸性基であること
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性組成物
(以下、ネガ型感光性組成物または単に感光性組成物と
もいう)を感光層として用いた感光性平版印刷版に関す
るものである。特に可視光領域のレーザー光線に対して
高感度でかつ散乱光や反射光によるカブリ性が良好で高
耐刷力を有する光重合性組成物を感光層として用いた直
接製版可能な感光性平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ネガ型の感光性平版印刷版は
広く知られており種々の感光層がある。ジアゾ樹脂含有
型、光重合型、光架橋型等がある。このような感光性平
版印刷版を作成するには、これらの平版印刷版上に透明
のネガフィルム原稿(リスフィルム)をのせ、紫外線を
用いて画像露光するのが一般的であり、そのため作業に
非常に手間暇がかかっていた。近年、画像形成技術の発
展に伴い、可視領域の光線に対し高い感光性を有するフ
ォトポリマーが要請されている。それは、例えば非接触
型の投影露光製版や可視光レーザー製版等に適合した感
光材料(組成物)であり、光重合系が最も高感度で有望
である。該可視光レーザーとしてはArレーザーの48
8、514.5nm光、半導体レーザーの第2高調波光
(SHG−LD、350〜600nm)、FD−YAG
レーザーの532nm光などが、有望視されている。
【0003】そこで感光層にある種の高感度な光重合性
組成物を用いる事で、細くビームを絞ったレーザー光を
その版面上に走査させ、文字原稿、画像原稿などを直接
版面上に形成させれば、フイルム原稿を用いずとも直接
製版が可能となる。例えば、特公昭61−9621号、
特開昭63−178105号、特開平2−244050
号公報等に記載の感光性組成物の使用により、フイルム
原稿を用いず直接製版が可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
こうした高感度の光重合性組成物を用いた印刷版は階調
が軟調であるため、印刷版を固定しミラーを高速で回転
し露光するインナードラム型のレーザープレートセッタ
ーで画像露光すると、散乱光や反射光によるカブリが発
生しやすかった。印刷版の耐刷力を上げるために、高い
エネルギーで露光したいが、散乱光や反射光によるカブ
リがますます悪くなるため、露光量を上げ耐刷力を上げ
ることができなかった。耐刷力を上げるために、高露光
量でも散乱光や反射光によるカブリが発生しないように
する事が必要である。そのためには、階調を硬調にする
事で解決する事ができる。なぜなら、レーザーによる画
像露光は、1ドット当たり約1μ秒オーダーの時間露光
されるが、散乱光や反射光によるカブリは数分のオーダ
ーで極弱い光が長時間感光材料にさらされ、感光層が光
硬化するものである。
【0005】よって、感光材料の階調が硬調になると弱
い光では感光材料が光硬化しにくく、現像により除去さ
れカブリにならないのである。従って本発明は、感光材
料の階調が硬調で、インナードラム型のプレートセッタ
ーで露光しても散乱光や反射光によるカブリが少なく、
露光量を上げて使用可能な耐刷性にも優れた直接レーザ
ー書き込み可能な光重合性である感光性組成物を用いた
ネガ型の感光性平版印刷版を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究の結果、少なくとも a.フルオロ脂肪族基、c.酸性水素原子を持ち該酸性
水素原子が窒素原子に結合した酸性基で示される官能基
を有する高分子化合物を含有する光重合型(ネガ型)の
感光性組成物を感光層として用いることににより、上記
問題を解決する事が出来た。
【0007】即ち本発明は以下の通りである。 (1)支持体上に、少なくとも下記a、cで示される官
能基を有する高分子化合物、重合可能なエチレン性不飽
和二重結合を有する化合物および光重合開始剤を含有す
る感光性組成物を有することを特徴とする感光性平版印
刷版。a.フルオロ脂肪族基、c.酸性基
【0008】(2)支持体上に、少なくとも下記a,
b,cで示される官能基を有する高分子化合物、重合可
能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物および光
重合開始剤を含有する感光性組成物を有することを特徴
とする感光性平版印刷版。a.フルオロ脂肪族基、b.
長鎖脂肪族基または脂肪族基で置換された芳香族基、
c.酸性基
【0009】(3)支持体上に、少なくとも下記a,
b,cで示される官能基を有する高分子化合物、重合可
能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物および光
重合開始剤を含有する感光性組成物を有することを特徴
とする感光性平版印刷版。a.フルオロ脂肪族基、b.
長鎖脂肪族基または脂肪族基で置換された芳香族基、
c.酸性水素原子を持ち該酸性水素原子が窒素原子に結
合した酸性基
【0010】(4)前記高分子化合物が少なくとも下記
a,b,cで示される構成単位を共重合成分として有す
るものであることを特徴とする前記(3)の感光性平版
印刷版。 a.フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加重合可能なモ
ノマー、b.9個以上の炭素原子を有する脂肪族基を側
鎖に有するか、もしくは2個以上の炭素原子を有する脂
肪族基で置換された芳香族基を側鎖に有するアクリレー
ト、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリル
アミド、c.酸性水素原子を持ち該酸性水素原子が窒素
原子に結合した酸性基を有する付加重合可能なモノマー
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性平版印刷版
ついて詳細に説明する。本発明の感光性平版印刷版の感
光層である感光性(光重合性)組成物中に含有されるフ
ッ素系高分子化合物(以下、フッ素系ポリマーまたは含
フッ素ポリマーともいう)は、上記a、b、cの官能基
または共重合成分を含むものならばどのようなポリマー
の形態でもよい。形態としてはアクリル樹脂、メタアク
リル樹脂、スチリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リアセタール樹脂などを用いることができる。そのう
ち,スチリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂が有用であり、とくにアクリル樹脂、メタアクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂が有用である。
【0012】重合の構造単位成分bとしては、アクリル
樹脂、メタアクリル樹脂の形態で使用するときには9個
以上の炭素原子を有する脂肪族基または2個以上の炭素
原子を有する脂肪族基で置換された芳香族基であること
が望ましい。またポリウレタン樹脂の形態で使用すると
きには10個以上の直鎖、分岐鎖脂肪族基、もしくはア
ルキレン基および/または4個以上の炭素原子を有する
脂肪族基で置換された芳香族基であることが望ましい。
アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂の
うち合成適性の上でアクリル樹脂、メタアクリル樹脂が
とくに有用である。以下に、本発明で用いるフッ素系ポ
リマーの一例である、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂
について詳細に記載する。
【0013】本発明の特徴を成すフッ素系ポリマーがア
クリル樹脂、メタアクリル樹脂である場合、その各成分
(a)、(b)、(c)は以下の通りである。成分
(a)である、炭素原子上の水素原子がフッ素化されて
いるフルオロ脂肪族基とは、通常飽和されかつ一般に1
価、2価の脂肪族基である。これは直鎖、分岐鎖、また
は環式のものを含む。フルオロ脂肪族基は本発明の目的
において十分な効果を発揮するためには、3〜20、好
ましくは6〜12の炭素原子を有し、かつ40重量%以
上の好ましくは50重量%以上の、炭素原子に結合した
フッ素を有するものである。好適なフルオロ脂肪族基
は、Cn2n+1−(nは1以上好ましくは3以上の整
数)のように実質上完全にまたは十分にフッ素化された
パーフルオロ脂肪族基(以下、Rf基とも略す)であ
る。
【0014】成分(b)において、9個以上の炭素原子
を有する脂肪族基または2個以上の炭素原子を有する脂
肪族基で置換された芳香族基は、感光性組成物、特に印
刷版の低露光部における現像抑制効果をもたらし、よっ
て本発明の効果である硬調化効果を増大させるのに有効
な働きを成すものである。成分(b)において、9個以
上の炭素原子を有する脂肪族基とは、1価、2価の脂肪
族基を含む。また9個以上の炭素原子を有する脂肪族基
としては、直鎖、分岐鎖、または環式のものを含む。こ
れらの脂肪族基が本発明の目的において十分な効果を発
揮するためには、12〜30、好ましくは12〜25の
炭素原子を有していることが好ましい。具体的には、ド
デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、オクタデシ
ル基、などを挙げることができる。
【0015】また2個以上の炭素原子を有する脂肪族基
で置換された芳香族基における芳香族基の炭素原子数と
しては6〜30、好ましくは6〜20である。置換基と
して用いる2個以上の炭素原子を有する脂肪族基として
は2〜20,より好ましくは4〜18までの直鎖、分岐
鎖、または環式の脂肪族基が望ましい。また、これらの
9個以上の炭素原子を有する脂肪族基、および2個以上
の炭素原子を有する脂肪族基で置換された芳香族基は置
換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原
子、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アルコキシ
カルボニル、シアノ,芳香族基、などを挙げることが出
来る。
【0016】成分(c)である、酸性基とは、Pka2
−11までの酸解離定数を示すものであり、具体的には
カルボキシル基、フェノール性水酸基、リン酸などの酸
素原子に結合した水素を有する酸性基、活性メチレン
基、活性メチン基などのカルボニル基などの電子吸引性
基に隣接した炭素原子に結合した水素を有する酸性基、
スルホンアミド基、スルホニルアミド基などの窒素原子
に結合した水素を有する酸性基を挙げることができる。
これらの酸性基のうち特に本発明においては窒素原子に
結合した水素を有する酸性基が特に有効である。
【0017】成分(c)である、酸性水素原子を持ち、
該酸性水素原子が窒素原子に結合した酸性基としては、
文献公知の酸性基のいずれも用いることが出来る。酸性
基の公知文献としては、J.A.Dean ed., Lange's Handbo
ok of Chemistry 3rd. ed. 1985 McGraw-Hill Book Co.
を挙げることが出来る。これらの酸性基のうち酸性水
素原子が窒素原子に結合した酸性基の部分構造の具体的
なものとして、下記〔A〕〜〔G〕で表されるものを挙
げることができる。
【0018】 −SO2 NH2 〔A〕 −SO2 NH− 〔B〕 −CONHSO2 − 〔C〕 −CONHCO− 〔D〕 −SO2 NHSO2 − 〔E〕 −CONHSO2 NH− 〔F〕 −NHCONHSO2 − 〔G〕 またこれらの構造以外にも特開平7−248628号公
報記載のカップラー構造を有する窒素含有ヘテロ環構造
も含まれる。これらの窒素含有ヘテロ環構造の例として
は下記〔H〕,〔I〕で表されるものを挙げることがで
きる。
【0019】
【化1】
【0020】以下本発明の特徴をなす各成分(a)、
(b)、(c)のビニル単量体についてさらに詳しく説
明する。成分(a)として示される炭素原子上の水素原
子がフッ素化されているフルオロ脂肪族基を有する付加
重合可能なモノマーにおける付加重合性モノマー部とし
てはラジカル重合可能な不飽和基を持つビニル単量体が
用いられる。これらのビニル単量体のうち好ましいもの
としてはアクリレート、メタクリレート、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、スチレン系、ビニル系である。
フルオロ脂肪族基が結合したアクリレート,メタクリレ
ートの具体例としては、例えば、Rf−R′−OOC−
C(R″)=CH2(ここでR′は、例えば、単結合、
アルキレン、スルホンアミドアルキレン、またはカルボ
ンアミドアルキレンであり、R″は水素原子、メチル
基、ハロゲン原子、またはパーフルオロ脂肪族基)で表
される化合物が挙げられる。
【0021】これらの具体例としては例えば米国特許第
2803615号、同第2642416号、同第282
6564号、同第3102103号、同第328290
5号、及び同第3304278号、特開平6−2562
89号、特開昭62−1116号、特開昭62−487
72号、特開昭63−77574号、特開昭62−36
657号に記載のもの及び日本化学会誌1985(No.
10)1884〜1888頁記載のものを挙げることが
できる。またこれらのフルオロ脂肪族基結合モノマーの
ほかにも、Reports Res. Lab.Asahi Glass Co. Ltd.,
34巻1984年27〜34頁記載のフルオロ脂肪族基
結合マクロマーを優位に用いることができる。またフル
オロ脂肪族基結合モノマーとしては、下記構造式の様な
パーフルオロアルキル基の長さの異なる混合物であって
も用いることができる。
【0022】
【化2】
【0023】本発明で用いられる含フッ素共重合ポリマ
ー中に用いられるこれらのフルオロ脂肪族基含有ビニル
単量体の量は、該共重合ポリマーの重量に基づいて3〜
70重量%であり、好ましくは7〜40重量%の範囲で
ある。
【0024】成分(b)で示される、9個以上の炭素原
子を有する脂肪族基、または2個以上の炭素原子を有す
る脂肪族基で置換された芳香族基を有する重合性基とし
ては、アクリレート、メタリレート、アクリルアミドま
たはメタクリルアミドが良い。N−ラウリルマレイミド
等のマレイミド基は、生成したポリマーの有機溶剤性を
低下させ、またステアリン酸アリルのようなアリルエス
テルはモノマーの重合性が悪い他、生成したポリマーの
性能も良くないという欠点がある。成分(b)として示
される、9個以上の炭素原子を有する脂肪族基、または
2個以上の炭素原子を有する脂肪族基で置換された芳香
族基を有するアクリレート、メタクリレート、アクリル
アミドもしくはメタアクリルアミドの具体例としては、
下記のモノマーを挙げることが出来る。
【0025】例えばアクリル酸ノニル、アクリル酸デシ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸ベヘニル、アクリル酸エチルベンジル、アクリル
酸n−プロピルベンジル、アクリル酸iso−プロピル
ベンジル、アクリル酸n−ブチルベンジル、アクリル酸
iso−ブチルベンジル、アクリル酸tert−ブチル
ベンジル、アクリル酸エチルフェニル、アクリル酸n−
プロピルフェニル、アクリル酸iso−プロピルフェニ
ル、アクリル酸n−ブチルフェニル、アクリル酸iso
−ブチルフェニル、アクリル酸tert−ブチルフェニ
ルである。好ましくはアクリル酸ラウリル、アクリル酸
ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸tert
−ブチルベンジル、アクリル酸tert−ブチルフェニ
ルである。
【0026】更にメタクリル酸エステル類をあげること
ができる。例えばメタクリル酸ノニル、メタクリル酸デ
シル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸エチルベンジ
ル、メタクリル酸n−プロピルベンジル、メタクリル酸
iso−プロピルベンジル、メタクリル酸n−ブチルベ
ンジル、メタクリル酸iso−ブチルベンジル、メタク
リル酸tert−ブチルベンジル、メタクリル酸エチル
フェニル、メタクリル酸n−プロピルフェニル、メタク
リル酸iso−プロピルフェニル、メタクリル酸n−ブ
チルフェニル、メタクリル酸iso−ブチルフェニル、
メタクリル酸tert−ブチルフェニルである。好まし
くはメタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸tert−ブチル
ベンジル、メタクリル酸tert−ブチルフェニルであ
る。
【0027】さらにつぎのようなアクリルアミド類、メ
タアクリルアミド類を例として挙げることが出来る。N
−ノニルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、
N−ラウリルアクリルアミド、N−ステアリルアクリル
アミド、N−ノニルメタアクリルアミド、N−デシルメ
タアクリルアミド、N−ラウリルメタアクリルアミド、
N−ステアリルメタアクリルアミド、など。また、これ
ら9個以上の炭素原子を有する脂肪族基、もしくは2個
以上の炭素原子を有する脂肪族基で置換された芳香族基
を有するアクリレート、メタクリレート、アクリルアミ
ドまたはメタクリルアミドのうちより好ましいものとし
ては、12個以上の炭素原子を有する脂肪族基を有する
アクリレート、メタクリレート、アクリルアミドまたは
メタクリルアミドを挙げることができる。本発明で用い
られる含フッ素共重合ポリマー中に用いられるこれらの
9個以上の炭素原子を有する脂肪族基もしくは2個以上
の炭素原子を有する脂肪族基で置換された芳香族基に結
合したビニル単量体の量は、該共重合ポリマーの重量に
基づいて5〜70重量%であり、好ましくは10〜50
重量%の範囲である。
【0028】成分(c)として示される酸性水素原子を
持ち、該酸性水素原子が窒素原子に結合した酸性基を有
する付加重合可能なモノマーにおける付加重合性モノマ
ー部としてはラジカル重合可能な不飽和基を持つビニル
単量体が用いられる。これらのビニル単量体のうち好ま
しいのもとしてはアクリレート、メタクリレート、アク
リルアミド、メタクリルアミド、スチレン系、ビニル系
である。酸性水素原子を持ち、該酸性水素原子が窒素原
子に結合した酸性基含有ビニル単量体の好ましい構造の
例としては下記の一般式〔1〕、〔2〕もしくは〔3〕
で示される構造単位を有するモノマーを挙げることが出
来る。
【0029】
【化3】
【0030】式中、Aは水素原子、ハロゲン原子または
炭素数1〜4のアルキル基を表す。Bはアリーレン基を
表す。Xは−CO−、または−SO2−を表す。Xが−
SO2−のとき、Yは水素原子、アルキル基、アリール
基、−CO−R1、または−SO2−R1を表す。またX
が−CO−のとき、Yは−CO−R1または−SO2−R
1を表す。Zは−NH−、−NR1−、−O−を表す。E
はアリーレン基、またはアルキレン基を表す。R2は水
素原子、アルキル基、アリール基を表す。mおよびnは
0または1を表すが、mおよびnが共に0であることは
ない。R1はアルキル基、アリール基を表す。また、B
とY、あるいはEとR2とは連結して非金属原子からな
る環を形成しても良い。
【0031】
【化4】
【0032】F、Gはフェニレン基またはアルキレン基
を表す。Tは−O−CO−、−CO−、もしくは−SO
2−を表す。p、p′、q、q′は0、もしくは1を表
すが、q、q′が同時に0になることはない。前記一般
式〔1〕、および〔2〕において、Aの好ましいものと
しては水素原子、またはメチル基である。Y、R1もし
くはR2で表される好ましいアルキル基としてはメチ
ル、エチル、イソプロピルなどの炭素数1〜20のアル
キル基があり、Y、R1もしくはR2で表される好ましい
アリール基としてはフェニル、ナフチルなどの炭素数6
〜18のアリール基がある。BもしくはEで表される好
ましいアリーレン基としてはフェニレン、ナフチレンな
どのを挙げることができ、Eで表される好ましいアルキ
レン基としてはメチレン、エチレンなどの炭素数1〜2
0のアルキレン基がある。
【0033】Y、R1もしくはR2で表されるアルキル
基、アリール基、およびBもしくはEで表されるアリー
レン基、アルキレン基は置換基を有していても良く、置
換基としてはフッ素、クロロ、ブロモなどのハロゲン原
子、メトキシ、エトキシ、などのアルコキシ基、フェノ
キシなどのアリールオキシ基、シアノ基、アセトアミド
などのアミド基、エトキシカルボニル基のようなアルコ
キシカルボニル基などのほか炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜18のアリール基などを挙げることがで
きる。
【0034】前記一般式〔3〕において、F、Gの好ま
しいものとしてはBもしくはEで用いたものと同義のも
のを挙げることができる。なお、前記一般式〔1〕〜
〔3〕において、〔1〕及び〔2〕のモノマーがより好
ましい。本発明で用いられる含フッ素ポリマー中に用い
られるこれらの酸性基含有ビニル単量体の量は、該含フ
ッ素ポリマーの重量に基づいて5〜80重量%であり、
好ましくは10〜70重量%の範囲である。次に本発明
に用いられる酸性水素原子が窒素原子に結合した酸性基
含有ビニル単量体の具体的な構造の例を以下に示す。
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】本発明の含フッ素ポリマーは公知慣用の方
法で製造することができる。例えばフルオロ脂肪族基を
有する(メタ)アクリレート、脂肪族基もしくは芳香族
基を有する(メタ)アクリレートおよび酸性水素原子が
窒素原子に結合した酸性基含有ビニル単量体とを、有機
溶媒中、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、熱重合さ
せることにより製造できる。もしくは場合によりその他
の付加重合性不飽和化合物とを、添加して上記と同じ方
法にて製造することができる。
【0042】また場合により用いられるその他の付加重
合不飽和化合物としては、PolymerHandbook 2nd ed.,
J.Brandrup, Wiley Interscience (1975) Chapter 2 Pa
ge 1〜483記載のものを用いることが出来る。これらの
例としてはたとえば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、などの(メ
タ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド、N−エ
チル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)ア
クリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(p−ヒ
ドロキシフェニル)−(メタ)アクリルアミドなどの
(メタ)アクリルアミド類、酢酸アリル、カプロン酸ア
リル、アリルオキシエタノール等のアリル化合物;エチ
ルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビ
ニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトトキシエ
チルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、
2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロ
フルフリルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、
トリルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類;ビニルアセテート、ビニ
ルブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセ
テート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルア
セテート、ビニルアセトアセテート、安息香酸ビニル、
クロル安息香酸ビニル等のビニルエステル類;スチレ
ン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、ジメチルス
チレン、クロルメチルスチレン、エトキシメチルスチレ
ン、ヒドロキシスチレン、クロルスチレン、ブロムスチ
レン等のスチレン類;メチルビニルケトン、エチルビニ
ルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン等のビニルケトン類;イソブチレン、ブタジエン、イ
ソプレン等のオレフィン類;その他、クロトン酸ブチ
ル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、マレイ
ン酸ジメチル、フマル酸ジエチル、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルピリジン、アクリロニトリル等が挙げら
れる。
【0043】またこれらのモノマーの他、特開昭62−
226143号、特開平3−172849号公報記載の
ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートを用いるこ
とが出来る。以下、本発明による含フッ素ポリマーの具
体的な構造の例を示す。なお式中の数字は各モノマー成
分のモル比率を示す。
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】本発明で用いるフッ素系ポリマーの分子量
の範囲は平均分子量として3000〜200,000ま
でのものであり、好ましくは6,000〜100,00
0までのものを用いることができる。また本発明で用い
るフッ素系ポリマーの添加量は、溶媒を除く感光性組成
物の全組成分に対して、0.001〜10重量%の範囲
であり、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲であ
る。
【0052】[(A)光重合性感光層]次に本発明の感
光性平版印刷版の光重合性感光層について説明する。本
発明の感光性平版印刷版の光重合性感光層は、前述のフ
ッ素系ポリマーを含んだ感光性組成物を、アルミニウム
基板等の支持体上にコーティング等を行うことによって
形成される。本発明で用いられる光重合性感光層(組成
物)の主な成分は、前記フッ素系ポリマーの他、付加重
合可能なエチレン性二重結合を含む化合物、光重合開始
剤、有機高分子結合剤(バインダー)等であり、必要に
応じ、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物
が添加される。
【0053】付加重合可能な二重結合を含む化合物は、
末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましく
は2個以上有する化合物の中から任意に選択することが
できる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量
体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物な
らびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつもので
ある。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽
和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸な
ど)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽
和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が
あげられる。
【0054】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アク
リル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテ
ル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサン
ジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジア
クリレート、ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレ−
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソル
ビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリ
レート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトー
ルヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等
がある。
【0055】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ジペンタエリスリト−ルペンタメタアクリレ
−ト、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトール
テトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオ
キシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチル
メタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フ
ェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0056】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。
【0057】クロトン酸エステルとしては、エチレング
リコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジ
クロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、
ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロ
トン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソク
ロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネー
ト、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マ
レイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレ
ート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリ
スリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等
がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物もあ
げることができる。
【0058】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。その他の例としては、特公昭48−417
08号公報中に記載されている1分子中に2個以上のイ
ソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、
下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニル
モノマーを付加せしめた1分子中に2個以上の重合性ビ
ニル基を含有するビニルウレタン化合物等があげられ
る。 CH2 =C(R5 )COOCH2 CH(R6 )OH (A) (ただし、R5 およびR6 はHあるいはCH3 を示
す。)
【0059】また、特開昭51−37193号に記載さ
れているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−
64183号、特公昭49−43191号、特公昭52
−30490号各公報に記載されているようなポリエス
テルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル
酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のア
クリレートやメタクリレートをあげることができる。さ
らに日本接着協会誌 vol. 20、No. 7、300〜30
8ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリ
ゴマーとして紹介されているものも使用することができ
る。なお、これらの使用量は、全成分に対して5〜70
重量%(以下%と略称する。)、好ましくは10〜50
%である。
【0060】本発明で用いられる光重合性感光層(組成
物)に含まれる光重合開始剤としては、使用する光源の
波長により、特許、文献等で公知である種々の光開始
剤、あるいは2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合
開始系)を適宜選択して使用することができる。例えば
400nm付近の光を光源として用いる場合、ベンジ
ル、ベンゾインエーテル、ミヒラーズケトン、アントラ
キノン、チオキサントン、アクリジン、フェナジン、ベ
ンゾフェノン等が広く使用されている。
【0061】また、400nm以上の可視光線、Arレ
ーザー、半導体レーザーの第2高調波、SHG−YAG
レーザーを光源とする場合にも、種々の光重合開始系が
提案されており、例えば、米国特許第2,850,44
5号に記載のある種の光還元性染料、例えばロ−ズベン
ガル、エオシン、エリスロシンなど、あるいは、染料と
光重合開始剤との組み合わせによる系、例えば、染料と
アミンの複合開始系(特公昭44−20189号)、ヘ
キサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤と染料と
の併用系(特公昭45−37377号)、ヘキサアリー
ルビイミダゾールとp−ジアルキルアミノベンジリデン
ケトンの系(特公昭47−2528号、特開昭54−1
55292号)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と
染料の系(特開昭48−84183号)、環状トリアジ
ンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024
号)、3−ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−1
12681号、特開昭58−15503号)、ビイミダ
ゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−
140203号)、有機過酸化物と色素の系(特開昭5
9−1504号、特開昭59−140203号、特開昭
59−189340号、特開昭62−174203号、
特公昭62−1641号、米国特許第4766055
号)、染料と活性ハロゲン化合物の系(特開昭63−2
58903号、特開平2−63054号など)、染料と
ボレ−ト化合物の系(特開昭62−143044号、特
開昭62−150242号、特開昭64−13140
号、特開昭64−13141号、特開昭64−1314
2号、特開昭64−13143号、特開昭64−131
44号、特開昭64−17048号、特開平1−229
003号、特開平1−298348号、特開平1−13
8204号など)、ローダニン環を有する色素とラジカ
ル発生剤の系(特開平2−179643号、特開平2−
244050号)、チタノセンと3−ケトクマリン色素
の系(特開昭63−221110号)、チタノセンとキ
サンテン色素さらにアミノ基あるいはウレタン基を含む
付加重合可能なエチレン性不飽和化合物を組み合わせた
系(特開平4−221958号、特開平4−21975
6号)、チタノセンと特定のメロシアニン色素の系(特
開平6−295061号)、チタノセンとベンゾピラン
環を有する色素の系(特開平8−334897号)等を
挙げることができる。これらの光重合開始剤の使用量
は、エチレン性不飽和化合物100重量部に対し、0.
05〜100重量部、好ましくは0.1〜70重量部、
更に好ましくは0.2〜50重量部の範囲で用いること
ができる。
【0062】光重合性組成物は、通常、バインダーとし
て有機高分子重合体を含有するが、このような有機高分
子重合体としては、光重合可能なエチレン性不飽和化合
物と相溶性を有している有機高分子重合体である限り、
どれを使用してもかまわない。好ましくは水現像或いは
弱アルカリ水現像を可能とする水あるいは弱アルカリ水
可溶性又は膨潤性である有機高分子重合体が選択され
る。有機高分子重合体は、該組成物の皮膜形成剤として
だけでなく、水、弱アルカリ水或は有機溶剤現像剤とし
ての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有
機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様
な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有
する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特
公昭54−34327号、特公昭58−12577号、
特公昭54−25957号、特開昭54−92723
号、特開昭59−53836号、特開昭59−7104
8号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共
重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、ク
ロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル
化マレイン酸共重合体等がある。
【0063】また同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸
性セルロース誘導体がある。この外に水酸基を有する付
加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用で
ある。特にこれらの中で〔ベンジル(メタ)アクリレー
ト/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重
合性ビニルモノマー〕共重合体及び〔アリル(メタ)ア
クリレート(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の
付加重合性ビニルモノマー〕共重合体が好適である。こ
の他に水溶性有機高分子として、ポリビニルピロリドン
やポリエチレンオキサイド等が有用である。また硬化皮
膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ポリアミドや
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン
とエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0064】これらの有機高分子重合体は光重合性性感
光層(組成物)の全組成中に任意な量を混和させること
ができる。しかし90重量%を超える場合には形成され
る画像強度等の点で好ましい結果を与えない。好ましく
は10〜90%、より好ましくは30〜80%である。
また光重合可能なエチレン性不飽和化合物と有機高分子
重合体は、重量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好
ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更
に好ましくは3/7〜7/3である。
【0065】また、本発明においては以上の基本成分の
他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合
可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止す
るために少量の熱重合禁止剤を添加することが望まし
い。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−
メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノ
ン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒ
ドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等があげられる。
熱重合禁止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約
0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸
素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸
アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後
の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級
脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約1
0%が好ましい。
【0066】更に感光層の着色を目的として、着色剤を
添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシア
ニン系顔料(C.I.Pigment Blue15:3,15:4,15:6など)、
アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔
料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ア
ゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料があ
る。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5%〜
約20%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良す
るために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチ
ルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等
の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全組成物の
10%以下が好ましい。
【0067】本発明の光重合性組成物を後述する支持体
上に塗布する際には種々の有機溶剤に溶かして使用に供
される。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレ
ンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセ
トン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノ
ール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メト
キシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸
メチル、乳酸エチルなどがある。これらの溶媒は、単独
あるいは混合して使用することができる。そして、塗布
溶液中の固形分の濃度は、1〜50重量%が適当であ
る。
【0068】本発明における光重合性組成物には、塗布
面質を向上するために界面活性剤を添加することができ
る。本発明で用いる光重合性組成物を後述の支持体上へ
被覆する場合の被覆量は、乾燥後の重量で約0.1g/
2 〜約10g/m2 の範囲が適当である。より好まし
くは0.3〜5g/m2 である。更に好ましくは0.5
〜3g/m2 である。
【0069】[(B)酸素遮断性保護層]本発明の感光
性平版印刷版は、前記光重合性感光層の上に、酸素によ
る重合阻害を防止する目的で、酸素遮断性保護層を設け
ることができる。酸素遮断性保護層に含まれる水溶性ビ
ニル重合体としては、ポリビニルアルコール、およびそ
の部分エステル、エーテル、およびアセタール、または
それらに必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未
置換ビニルアルコール単位を含有するその共重合体が挙
げられる。ポリビニルアルコールとしては、71〜10
0%加水分解され、重合度が300〜2400の範囲の
ものが挙げられる。
【0070】具体的には株式会社クラレ製PVA−10
5,PVA−110,PVA−117,PVA−117
H,PVA−120,PVA−124,PVA−124
H,PVA−CS,PVA−CST,PVA−HC,P
VA−203,PVA−204,PVA−205,PV
A−210,PVA−217,PVA−220,PVA
−224,PVA−217EE,PVA−220,PV
A−224,PVA−217EE,PVA−217E,
PVA−220E,PVA−224E,PVA−40
5,PVA−420,PVA−613,L−8等があげ
られる。上記の共重合体としては、88〜100%加水
分解されたポリビニルアセテートクロロアセテートまた
はプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビ
ニルアセタール並びにそれらの共重合体が挙げられる。
その他有用な重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼ
ラチンおよびアラビアゴムが挙げられ、これらは単独ま
たは、併用して用いても良い。
【0071】本発明の酸素遮断性保護層を塗布する際用
いる溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エ
タノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトンなどのケトン類を純水と混合しても良い。そして
塗布溶液中の固形分の濃度は1〜20重量%が適当であ
る。本発明の酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上
させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するための
水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶
性の可塑剤としてはたとえばプロピオンアミド、シクロ
ヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等があ
る。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを
添加しても良い。酸素遮断性保護層の被覆量は乾燥後の
重量で約0.1/m2〜約15/m2の範囲が適当である。より好
ましくは1.0/m2〜約5.0/m2である。
【0072】本発明の感光性平版印刷版において、前記
光重合性感光層を形成するための支持体としては、特に
限定されないが、以下のアルミニウム支持体(基板とも
いう)が一般的に用いられる。 [(C)アルミニウム支持体]本発明に用いられるアル
ミニウム支持体としては、寸度的に安定なアルミニウム
を主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金からなる。純アルミニウム板の他、アルミニ
ウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又はア
ルミニウム(合金)がラミネートもしくは蒸着されたプ
ラスチックフィルム又は紙の中から選ばれる。更に、特
公昭48−18327号公報に記載されているようなポ
リエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシ
ートが結合された複合体シートでもかまわない。
【0073】以下の説明において、上記に挙げたアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金からなる基板をアルミニ
ウム基板と総称して用いる。前記アルミニウム合金に含
まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンな
どがあり、合金中の異元素の含有量は10重量%以下で
ある。本発明では純アルミニウム板が好適であるが、完
全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難である
ので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このよう
に本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特
定されるものではなく、従来より公知公用の素材のも
の、例えばJIS A 1050、JISA 110
0、JIS A 3103、JIS A 3005など
を適宜利用することが出来る。また、本発明に用いられ
るアルミニウム基板の厚みは、およそ0.1mm〜0.
6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版
の大きさ及びユーザーの希望により適宜変更することが
できる。
【0074】本発明に用いられるアルミニウム基板は、
例えば特公昭47−5125号公報に記載されているよ
うにアルミニウム板を陽極酸化処理したのちに、アルカ
リ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理してもかまわない。
また米国特許第2,714,066号、第3,181,
461号、第3,280,734号および第3,90
2,734号の明細書に開示されているようなアルカリ
金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法を
適用することができる。この方法に従い、アルカリ金属
ケイ酸塩が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜1
5重量%であり、25℃のpHが10〜13である水溶
液に、陽極酸化皮膜が形成されたアルミニウム基板を、
例えば15〜80℃で0.5〜120秒浸漬する。
【0075】本発明に用いられるアルカリ金属ケイ酸塩
としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸
リチウムなどが使用される。アルカリ金属ケイ酸塩水溶
液のpHを高くするために使用される水酸化物としては
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムな
どがある。なお、上記の処理液にアルカリ土類金属塩も
しくは第IVB族金属塩を配合してもよい。アルカリ土類
金属塩としては、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウ
ム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウムのような硝酸塩
や、硫酸塩、塩酸塩、燐酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ホ
ウ酸塩などの水溶性の塩が挙げられる。
【0076】第IVB族金属塩として、四塩化チタン、三
塩化チタン、フッ化チタンカリウム、蓚酸チタンカリウ
ム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウ
ム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四
塩化ジルコニウムなどを挙げることができる。アルカリ
土類金属塩もしくは、第IVB族金属塩は単独又は2以上
組み合わせて使用することができる。これらの金属塩の
好ましい範囲は0.01〜10重量%であり、更に好ま
しい範囲は0.05〜5.0重量%である。
【0077】また、米国特許第3,658,662号の
明細書に記載されているようなシリケート電着も有効で
ある。更に、特公昭46−27481号、特開昭52−
58602号、特開昭52−30503号公報に開示さ
れているような電解グレインを施した支持体と、上記陽
極酸化処理およびケイ酸ソーダ処理を組合せた表面処理
も有用である。
【0078】このようにしてシリケート処理を施したア
ルミニウム基板に、更に酸性溶液による処理を行っても
かまわない。このとき用いる酸としては、塩酸、硫酸、
硝酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸、スルファミン酸、
ベンゼンスルフォン酸等があげられるが、これらの二種
以上を組み合わせて用いてもかまわない。本発明で用い
られる酸処理液としては、pH0〜6の酸性水溶液が望
ましい。酸処理液のpHが0より低いと取り扱いが危険
で製造適性がなく、pHが6より高いと充分な密着力向
上の効果が得られない。このときの酸処理条件として、
例えば温度10〜80℃で1〜300秒浸漬することに
より行うことが適当である。
【0079】このようにして処理されたアルミニウム基
板は、更にその表面にラジカルによって付加反応を起こ
し得る官能基(以下、付加反応性官能基と呼ぶ)を有す
るシリコーン化合物を含む接着層を塗設してもかまわな
い。この付加反応性官能基を有するシリコーン化合物を
含む層の塗設は、有機シリコーン化合物を原料として用
いる方法によるのが好ましい。
【0080】具体的には、付加反応性官能基をR1 と表
わした時、下記式(1): R1 Si(OR2 ) 3 (1) (式中、−OR2 は加水分解可能なアルコキシ基又は−
OCOCH3 基である。)で表わされる有機シリコーン
化合物(1)を用いてアルミニウム基板を処理すること
により、基板表面の金属、金属酸化物、水酸化物、−O
H基、又は基板の化成処理によって形成されたシラノー
ル基などと反応させて基板表面と共有結合を形成させ、
下記式(2):
【0081】 ・ (R3 O)2 (R1 )Si− (2) で示される官能基を基板表面に結合(又は植え付け)さ
せればよい。式中、R3はR2 と同種又は異種のアルキ
ル基もしくは水素原子、あるいは隣接する別のSi原子
との結合を表わす。上記において、付加反応性官能基R
1 が中央のSi原子に2個以上結合した下記式(1a)
又は(1b):
【0082】 (R1 2 Si(OR2 2 (1a) (R1 3 SiOR2 (1b) で表わされる有機シリコ−ン化合物(1a)(1b)を
用いることもできる。また、付加反応性官能基R1 が−
O−を介して中央のSi原子に結合する官能基である場
合は、 (R1 4 Si (1c) で表わされる有機シリコーン化合物(1c)を用いるこ
ともできる。有機シリコーン化合物(1)は、中央のS
i原子に結合する4個のR1 のうち少なくとも1個が加
水分解されずに残っている状態の時にアルミニウム基板
に塗布される。
【0083】有機シリコーン化合物(1)をアルミニウ
ム基板上に塗設する際、このものを単独で用いてもよ
く、又は適当な溶媒で希釈して用いてもよい。アルミニ
ウム基板上で有機シリコーン化合物(1)をより強固に
結合させるために、水及び/又は触媒を加えることがで
きる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ヘキ
シレングリコール等のアルコール類が好ましく、触媒と
しては塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などの酸、又はアンモ
ニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの塩
基が使用できる。
【0084】アルミニウム基板上の付加反応性官能基の
量は、結合させる付加反応性官能基の種類によって異な
るが、10nm2 当り一般に0.01〜1000個、好
ましくは0.05〜200個、更に好ましくは0.1〜
50個とすることが適当である。付加反応性官能基量が
10nm2 当り0.01個より少ないと十分な光接着強
度が得られ難い。有機シリコーン化合物(1)を厚く塗
り重ねることによって、10nm2 当りの付加反応性官
能基量を実質的に幾らでも多くすることが可能である
が、最表面に顔を出す付加反応性官能基量は10nm2
当り高々10個であるので、厚く塗り過ぎても無駄にな
る。付加反応性官能基量が多過て、PS板として使用し
た時の非画像部の親水性が不足しないためには、10n
2 当りの付加反応性官能基の量は1000個以内とす
るのが好ましい。
【0085】従って、有機シリコーン化合物を用いてア
ルミニウム基板表面に付加反応性官能基を結合する(植
え付ける)際は、有機シリコーン化合物を希釈する溶媒
の種類と量、基板表面上での加水分解用に加える水の量
(加える場合)、基板表面上での加水分解を促進するた
めの触媒の種類と量(加える場合)、有機シリコーン化
合物の溶液を基板上に施用する方法、基板に施用した後
の乾燥雰囲気、乾燥温度、乾燥時間等のプロセスパラメ
ータを種々変更し、基板表面に保持される付加反応性官
能基量が上記の量の範囲内となるように制御することが
必要である。アルミニウム基板表面に保持される付加反
応性官能基の量は、処理後の基板表面を適当な方法、例
えばケイ光X線分析法、赤外線吸収法等の方法で測定
し、表面にあるSi原子量の定量、炭素−炭素の多重結
合量の定量等を行なうことによって決定することができ
る。上記の如くアルミニウム基板上に場合によって陽極
酸化皮膜及びシリケート皮膜を形成し、更にその表面に
付加反応性官能基を結合して、本発明の支持体が完成す
る。
【0086】但し、この支持体(付加反応性支持体)を
用いて平版印刷版を構成する場合、式(1)の有機シリ
コーン化合物のみを用いてアルミニウム基板の処理をし
ただけでは印刷汚れを生じる場合がある。即ち、付加反
応性官能基を結合してなる支持体上に光重合性の感光性
組成物を塗布して感光層を設け、これに像様露光して画
像通りの界面光接着を起させ、現像液で未露光部を取り
去ることにより、支持体上には光のパターン通りの光重
合密着膜が残る。そして、これにインクと水を塗ると、
インクは光重合接着した像様露光部へ、水は未露光部へ
それぞれ付着して印刷版となるが、上記有機シリコーン
化合物を単独で使用した場合には、水が付着するべき未
露光部に過剰の有機官能基が存在ことがあり、水の他に
インクも付着して印刷物上に汚れとなって観察されるこ
とがある。
【0087】そこで、この印刷汚れを防ぐために、アル
ミニウム基板表面上に付加反応性官能基R1 の他にOH
基を多く固定して親水性を強くすることが好ましい。好
ましくは、アルミニウム基板表面への付加反応性官能基
の結合において、式(1):R1 Si(OR2 ) 3 で表わ
される有機シリコーン化合物(1)の他に、式(3):
Si(OR4 ) 4 (式中、−OR4 は加水分解可能なアル
コキシ基、アルコキシアルコキシ基、アリールオキシ基
又は−OCOCH3 基であり、R4 はR2 と同じであっ
ても異なってもよい。)で表わされる有機シリコーン化
合物(3)を併用し、基板表面に前述の式(2)で示さ
れる反応サイトを結合すると同時に、式(4):
【0088】 (R3 O)2 (OH)Si− (4) で示される親水性サイトを結合することが好ましい。こ
こで、式中、R3 はアルキル基、水素原子、又は隣接す
る別のSi原子との結合を表わすが、R3 が水素原子で
あることが親水性の面からは最も好ましい。なお、R3
が水素原子以外のものであるときは、必要に応じて、表
面をアルカリ溶液で洗うことによって、親水性を高める
ことができる。
【0089】式(1)の有機シリコーン化合物(1)と
式(3)の有機シリコーン化合物(3)との混合比は、
支持体の性状によって、それぞれの化合物の支持体表面
への結合(植えつけ)効率が変動するため、一概に好適
な範囲を決めることができない。しかし、具体的には、
両者の比を種々に変えて支持体処理を行ない、付加反応
性官能基R1 に基づく光接着性と、式(4)で示される
部分構造に由来する親水性とが両立する条件を実験的に
確定して使用することになる。いずれにしても、付加反
応性官能基の密度が前記範囲内になるようにすればよ
い。具体的には、有機シリコーン化合物(1)に対する
有機シリコーン化合物(3)の混合モル比は0.05〜
500が適当であるが、好ましくは0.2〜200、更
に好ましくは1〜100である。またこの範囲内で、式
(3)の有機シリコーン化合物(3)に由来する親水性
基の量を多くすればするほど非画像部の親水性が増す。
ただし、親水性基の密度が低い場合でも、付加反応性官
能基を親水化処理することによって親水性基の密度を向
上させることができる。
【0090】アルミニウム基板表面への付加反応性官能
基の結合には、大別すると、有機シリコーン化合物をそ
のまま用いることからなる上述の方法(以下、SC法と
呼ぶ)の他に、有機シリコーン化合物を加水分解すると
ともに重縮合させて得られた−Si−O−Si−結合を
含む無機高分子に付加反応性官能基が固定された形の有
機無機複合体を用いることからなる方法(以下、SG法
と呼ぶ)がある。この有機無機複合体をアルミニウム基
板に塗布して乾燥させると、無機高分子部分が基板と密
着し、付加反応性官能基はそのまま基板表面上に残る。
【0091】SC法の場合、アルミニウム基板表面にお
ける付加反応性官能基の結合位置は基板表面上の特定の
性質をもった位置となりやすく、基板表面上に一様に分
布させるのが困難な場合がある。つまり、特定の酸点や
塩基点においてのみSi原子との間の共有結合が形成さ
れ、付加反応性官能基の分布がアルミニウム基板表面の
酸点や塩基点の分布に支配されやすい。従って、光接着
強度や非画像部親水性にムラを生じる場合がある。こう
した状況の時はSG法に従うのが有利である。
【0092】細かく見れば、SC法、SG法の他に、中
間の態様、例えば式(1)の有機シリコーン化合物
(1):R1 Si(OR2 ) 3 中のOR2 の一部もしくは
全部が加水分解して2分子又は3分子が結合した形の有
機シリコーン化合物を出発原料として用いる処理も可能
である。SG法による付加反応性官能基の結合法に従え
ば、式(1)の有機シリコーン化合物(1)を、場合に
より式(3)の有機シリコーン化合物(3)と所望の混
合比に混合し、液中で、必要により触媒の存在下で、付
加反応性官能基R1 では反応を起さずに−OR2 及び−
OR4 で加水分解させるとともに重縮合反応を行なわせ
て、中心のSi原子が−Si−O−Si−結合でつなが
った無機高分子を含む液状組成物として、これをアルミ
ニウム基板表面に塗布し、場合により乾燥させることに
よって、基板上に付加反応性官能基を結合する。
【0093】SG法を用いると、アルミニウム基板表面
上に結合固定される付加反応性官能基の分布が基板表面
の酸点や塩基点などの化学的な性質の分布に左右される
ことが少ない。また、出発原料として有機シリコーン化
合物(1)の他に有機シリコーン化合物(3)を併用す
る場合、上記式(2)で示される付加反応性官能基サイ
トと上記式(4)で示される親水性サイトとの相対比が
有機シリコーン化合物(1)及び化合物(3)の仕込み
比でほぼ決められるため、最適表面を得るための処方決
定の道筋がSC法よりも整然とする利点がある。本発明
で使用する上記式(1)で示される有機シリコーン化合
物(1)の具体例として、以下のものを挙げることがで
きる。
【0094】CH2 =CH−Si(OCOCH3 ) 3 、C
2 =CH−Si(OC2 5 ) 3 、CH2 =CH−Si
(OCH3 ) 3 、CH2 =CHCH2 −Si(OC2 5 )
3 、CH2 =CHCH2 NH(CH2 ) 3 −Si(OCH
3 ) 3 、CH2 =CHCOO−(CH2 ) 3 −Si(OC
3 ) 3 、CH2 =CHCOO−(CH2 ) 3 −Si(O
2 5 ) 3 、CH2 =C(CH3 )COO−(CH2 )
3 −Si(OCH3 ) 3 、CH2 =C(CH3 )COO−
(CH2 ) 3 −Si(OC2 5 ) 3 、CH2 =C(C
3 )COO−(CH2 ) 4 −Si(OCH3 ) 3 、CH2
=C(CH3 )COO−(CH2 ) 5 −Si(OCH3 )
3 、CH2 =CHCOO−(CH2 ) 4 −Si(OC
3 ) 3 、(CH2 =C(CH3 )COO−(CH2 )
3 2 −Si(OCH3 ) 2 、CH2 =C(CH=CH
2 )−Si(OCH3 ) 3 、CH2 =CH−SO2 NH−
(CH2 ) 3 −Si(OCH3 ) 3 、CH2 =CH−ph
−O−Si(OCH3 ) 3 、CH2 =CH−ph−CON
H−(CH2 ) 3 −Si(OCH3 ) 3 、CH2 =CH−
ph−CH2 NH−(CH2 ) 3 −Si(OCH3 ) 3
ph:ベンゼン環を示す HC≡C−Si(OC2 5 ) 3 、CH3 C≡C−Si(O
2 5 ) 3
【0095】(H3CO)2N−(CH210−CONH
−(CH23−Si(OCH3)3、CH2 =CHCH2
−Si(OCH3 ) 3 、(CH2 =CHCH2 O) 4
i、HO−CH2 −C≡C−Si(OC2 5 ) 3 、CH
3 CH2 CO−C≡C−Si(OC2 5 ) 3 、CH2
CHS−(CH2) 3 −Si(OCH3 ) 3 、CH2 =C
HCH2 O−(CH2 ) 2 −SCH2 −Si(OCH3 )
3 、CH2 =CHCH2 S−(CH2 ) 3 −S−Si(O
CH3 ) 3 、(CH3 ) 3 CCO−C≡C−Si(OC2
5 ) 3 、(CH2 =CH) 2 N−(CH2 ) 2 −SC
2 −Si(OCH3 ) 3 、CH3 COCH=C(CH3 )
−O−Si(OCH3 ) 3
【0096】また、式(3)で示される有機シリコーン
化合物(3)の具体例としてはテトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、
テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキ
シ)シラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラ
ン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、
テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラフ
ェノキシシラン、テトラアセトキシシランなどを挙げる
ことができ、中でもテトラエトキシシランが好ましい。
【0097】アルミニウム基板表面へ付加反応性官能基
を結合するのにSC法を用いる場合もSG法を用いる場
合も、溶媒の種類、基板への施用方法、乾燥方法等は共
通であるが、SG法の場合、付加反応性官能基が保持さ
れた無機高分子組成物を予かじめ調液しておく必要があ
る。以下にその好ましい具体例を示す。式(1)及び
(3)で表わされる有機シリコーン化合物(1)及び
(3)を加水分解とともに重縮合させてSG法に好適な
組成物とするのに使用できる溶媒は、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレング
リコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類であ
る。溶媒の使用量は、使用する有機シリコーン化合物
(1)及び(3)の総重量に基づいて、一般に0.2〜
500倍、好ましくは0.5〜100倍、更に好ましく
は1〜20倍である。使用量が0.2倍より少ないと反
応液が経時でゲル化しやすく不安定となり好ましくな
い。また、500倍より多いと、反応が数日を要するよ
うになり好ましくない。
【0098】有機シリコーン化合物を加水分解するため
に加える水の量は、一般に有機シリコーン化合物1モル
当り0.1〜1000モル、好ましくは0.5〜200
モル、更に好ましくは1.5〜100モルである。水の
量が有機シリコーン化合物1モル当り、0.1モルより
少ない時は、加水分解とそれに続く重縮合反応の進行が
非常に遅くなり、安定な表面処理が可能となるまでに数
日を要し好ましくない。一方、水の量が有機シリコーン
化合物1モル当り1000モルより多くなると、生成し
た組成物を金属表面に塗設した場合密着不良を起す他、
組成物の経時安定性が悪く、すぐにゲル化してしまうこ
とが多いため、塗布作業を安定して行ないにくくなる。
【0099】SG法に好適な組成物を調液するための反
応温度は室温〜100℃程度が常用されるが、以下に述
べる触媒の種類によっては室温以下あるいは100℃以
上の温度を用いることもできる。溶媒の沸点よりも高い
温度で反応させることも可能であり、必要に応じて反応
器に還流冷却器を付設するのがよい。必要に応じて使用
される触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢
酸、リンゴ酸、シュウ酸などの酸、又はアンモニア、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムなどの塩基が使用できる。触媒の
添加量は、有機シリコーン化合物(1)及び場合により
追加される有機シリコーン化合物(3)の合計量を基準
として、有機シリコーン化合物1モル当り0.001〜
1モル、好ましくは0.002〜0.7モル、更に好ま
しくは0.003〜0.4モルである。触媒添加量を1
モルより多くしても、その添加効果に比べて経済的に特
に利益があるわけではない。
【0100】酢酸、リンゴ酸等の弱酸を触媒として使用
する時は、反応温度を40℃〜100℃の範囲とするの
が有利であるが、硫酸、硝酸等の強酸を触媒として使用
する時は10℃〜60℃の範囲がよい。リン酸を触媒と
して用いる場合は10℃〜90℃で反応を行なわせるこ
とができる。SG法に用いる組成物の調液工程、及びこ
れをアルミニウム基板に塗布し乾燥する工程で、多くの
場合熱が加えられるが、揮発性の酸を触媒として使用す
ると、揮発して周囲の装置に付着し、これを腐食させる
場合がある。主として鉄を素材とした装置を用いる工程
で本方法を使用する場合は、不揮発性の硫酸及び/又は
リン酸を触媒として用いるのが好ましい。
【0101】以上述べたように、式(1)及び(3)で
表わされる有機シリコーン化合物と、有機溶媒、水、及
び場合により触媒からなる組成物を、適当な反応温度、
反応時間、及び場合により適当な撹拌条件を選んで反応
させると、加水分解とともに重縮合反応が起りSi−O
−Si結合を含む高分子又はコロイド状高分子が生成
し、液状組成物の粘度が上昇し、ゾル化する。式(1)
及び(3)で表わされる有機シリコーン化合物を両方使
用してゾル液を調製する場合、両方の有機シリコーン化
合物を反応の最初から反応容器内に装荷してもよく、ま
たは一方のみで加水分解と重縮合反応をある程度進めた
後に他方の有機シリコーン化合物を加え、反応を終了さ
せてもよい。SG法で用いる上記ゾル液は、室温で放置
すると重縮合反応が引き続き進行しゲル化することがあ
る。従って、一度上記の方法で調液したゾル液を、アル
ミニウム基板への塗布時に希釈のために使用する予定の
溶媒で予じめ希釈して、ゾル液のゲル化を防止ないし遅
延させることができる。
【0102】SC法及びSG法のいずれにおいても、支
持体上に目的量の有機シリコーン化合物もしくは付加反
応性官能基を結合するために、また支持体上での有機シ
リコーン化合物または付加反応性官能基の分布ムラが無
いようにするために、これらの処理液を支持体に塗布す
る前に溶媒を加えて濃度調整を行なうことが好ましい。
この目的に使用する溶媒としてはアルコール類、殊にメ
タノールが好適であるが、他の溶剤、有機化合物、無機
添加剤、界面活性剤などを加えることもできる。他の溶
剤の例としては、メチルエチルケトン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メト
キシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳
酸メチル、乳酸エチル、アセチルアセトン、エチレング
リコール等を挙げることができる。
【0103】添加することのできる有機化合物の例とし
ては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、
ウレタン樹脂、ノボラック樹脂、ピロガロール−アセト
ン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルメチルエーテル、ポリプロピレングリコ
ール等が挙げられる。無機添加剤の例としては、コロイ
ダルシリカ、コロイダルアルミナなどを挙げることがで
きる。エチレングリコール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル等の高沸点溶剤は、支持体に塗布する濃度
にまで希釈された液の安定性を高め、支持体に結合され
た付加反応性官能基の反応再現性を保証する働きがあ
る。ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂等の
有機化合物も同様の効果を有するが、得られる支持体の
表面の親水性を低下させる副作用があり、添加量を細か
く調整する必要がある。
【0104】SG法に好適なゾル液もしくは液状組成物
は、アルミニウム基板表面に塗設後、風乾ないし加熱乾
燥させると、Si−O−Si結合からなる無機高分子が
ゲル化すると同時に基板表面と共有結合する。乾燥は溶
媒、残留水及び場合により触媒を揮散させるために行な
うものであるが、処理後の基板の使用目的によってはこ
の工程を省くこともできる。SC法においても、この乾
燥工程は溶媒、残留水等の揮散という意味の他に、有機
シリコーン化合物とアルミニウム基板との密着を確実に
するという意味を有する。従って、目的によっては、乾
燥終了後にも更に温度をかけ、加熱を継続してもよい。
乾燥及び場合により継続されるその後の加熱における最
高温度は付加反応性官能基R1 が分解しない範囲にある
ことが好ましい。従って、使用できる乾燥温度条件は室
温〜200℃、好ましくは室温〜150℃、更に好まし
くは室温〜120℃である。
【0105】乾燥時間は一般に1秒〜30分間、好まし
くは5秒〜10分間、更に好ましくは10秒〜3分間で
ある。本発明において用いられる液状組成物(有機シリ
コーン化合物もしくはその溶液又はゾル液)の施工方法
は、ハケ塗り、浸漬塗布、アトマイジング、スピンコー
ティング、ドクターブレード塗布、ホイラー塗布等各種
のものも使用することができ、アルミニウム基板表面の
形状や必要とする処理膜厚等を勘案して決められる。ア
ルミニウム基板には前述の親水化処理の前に、適宜後述
の基板表面処理を施した方が好ましい。
【0106】[(1)砂目立て処理]砂目立て処理方法
は、特開昭56−28893号に開示されているような
機械的砂目立て、化学的エッチング、電解グレインなど
がある。さらに塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に
砂目立てする電気化学的砂目立て方法、及びアルミニウ
ム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイ
ン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立です
るボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を
砂目立てするブラシグレイン法のような機械的砂目立て
法を用いることができ、上記砂目立て方法を単独あるい
は組み合わせて用いることもできる。
【0107】その中でも本発明に有用に使用される表面
粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に
砂目立てする電気化学的方法であり、適する電流密度は
100C/dm2 〜400C/dm2 の範囲である。さ
らに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含
む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、
電流密度100C/dm2 〜400C/dm2 の条件で
電解を行うことが好ましい。
【0108】このように砂目立て処理したアルミニウム
基板は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングさ
れる。酸をエッチング剤として用いる場合は、微細構造
を破壊するのに時間がかかり、工業的に本発明を適用す
るに際しては不利であるが、アルカリをエッチング剤と
して用いることにより改善できる。本発明において好適
に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、
アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、
水酸化カリウム、水酸化リチウム等を用い、濃度と温度
の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃
であり、Alの溶解量が5〜20g/m3 となるような
条件が好ましい。
【0109】エッチングのあと表面に残留する汚れ(ス
マット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられ
る酸は硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフ
ッ化水素酸等が用いられる。特に電気化学的粗面化処理
後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭
53−12739号公報に記載されているような50〜
90℃の温度の15〜65重量%の硫酸と接触させる方
法及び特公昭48−28123号公報に記載されている
アルカリエッチングする方法が挙げられる。
【0110】[(2)陽極酸化処理]以上のようにして
処理されたアルミニウム基板は、さらに陽極酸化処理が
施されると好ましい。陽極酸化処理はこの分野で従来よ
り行われている方法で行うことができる。具体的には、
硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミ
ン酸、ベンゼンスルフォン酸等もしくはこれらの二種以
上を組み合わせて水溶液または非水溶液中でアルミニウ
ムに直流もしくは交流を流すとアルミニウム支持体表面
に陽極酸化皮膜を形成することができる。陽極酸化処理
の条件は使用される電解液によって種々変化するので一
概に決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜
80%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペ
ア/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10〜100秒
の範囲が適当である。
【0111】これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国
特許第1,412,768号明細書に記載されている、
硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法及び米国特許第
3,511,661号明細書に記載されているリン酸を
電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。本発明にお
いては、陽極酸化皮膜は1〜10g/m2 であることが
好ましく、1g/m2 未満であると版に傷が入りやす
く、10g/m2 を超えると製造に多大な電力が必要と
なり、経済的に不利である。好ましくは、1.5〜7g
/m2 である。更に好ましくは、2〜5g/m2 である。
更に、本発明においては、砂目立て処理及び陽極酸化
後、アルミニウム基板に封孔処理を施してもかまわな
い。かかる封孔処理は、熱水及び無機塩または有機塩を
含む熱水溶液への基板の浸漬ならびに水蒸気浴などによ
って行われる。
【0112】上記の如くアルミニウム基板上に、(1)
砂目立て処理、(2)陽極酸化処理、場合によっては
(3)シリケート処理、(4)酸処理を施し、更に
(5)接着層を塗設してなる支持体上に、前述の光重合
性組成物からなる感光層を形成することで、本発明のネ
ガ型の感光性平版印刷版が形成されるが、感光層を塗設
する前に必要に応じて有機下塗層を設けてもかまわな
い。水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸、ス
ルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリ
アクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしく
は、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適であ
る。
【0113】この有機下塗層に用いられる有機化合物と
しては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキスト
リン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸など
のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよ
いフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキル
ホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン
酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、
置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン
酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リ
ン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナ
フチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリ
セロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンや
β−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノール
アミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの
塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用いても
よい。
【0114】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水または
メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を
溶解させた溶液に、アルミニウム基板を浸漬して上記有
機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、
乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の塗布に
よる方法では、上記の有機化合物の0.005〜10重
量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、
バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン
塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の浸
漬による方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量
%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は
20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時
間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0115】これに用いる溶液は、アンモニア、トリエ
チルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩
酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1
〜12の範囲で使用することもできる。また、光重合性
平版印刷版の調子再現性改良のために、黄色染料を添加
することもできる。有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2
〜200mg/m2 が適当であり、好ましくは5〜100m
g/m2 である。上記の被覆量が2mg/m2 より少ないと
十分な耐刷性が得られない。また、200mg/m2 より
大きくても同様である。また、アルミニウム支持体は、
途中更にフッ化ジルコニウム酸カリウム、リン酸塩等の
水溶液への浸漬処理などの表面処理がなされてもかまわ
ない。
【0116】かくして得られた感光性平版印刷版は、A
rレーザー、半導体レーザーの第2高調波(SHG−L
D、350〜600nm)、YAG−SHGレーザーに
より直接露光された後、現像処理される。かかる現像処
理に使用される現像液としては従来より知られているア
ルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウ
ム、ケイ酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン
酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸ナト
リウム、第二リン酸カリウム、第二リン酸アンモニウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホ
ウ酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニ
ウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムなどの無機
アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジ
メチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピル
アミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイ
ミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ
剤も用いられる。
【0117】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。上記のアルカリ水溶液の
内、本発明による効果が一段と発揮される現像液はアル
カリ金属ケイ酸塩を含有するpH12以上の水溶液であ
る。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液はケイ酸塩の成分で
ある酸化ケイ素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2 Oの
比率(一般に〔SiO2 〕/〔M2 O〕のモル比で表
す)と濃度によって現像性の調節が可能であり、例え
ば、特開昭54−62004号公報に開示されているよ
うな、SiO2 /Na2 Oのモル比が1.0〜1.5
(即ち〔SiO 2 〕/〔Na2 O〕が1.0〜1.5で
あって、SiO2 の含有量が1〜4重量%のケイ酸ナト
リウムの水溶液や、特公昭57−7427号公報に記載
されているような、〔SiO2 〕/〔M〕が0.5〜
0.75(即ち〔SiO2 〕/〔M 2 O〕が1.0〜
1.5)であって、SiO2 の濃度が1〜4重量%であ
り、かつ該現像液がその中に存在する全アルカリ金属の
グラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを
含有していることとからなるアルカリ金属ケイ酸塩が好
適に用いられる。
【0118】更に、自動現像機を用いて、該感光性平版
印刷版を現像する場合に、現像液よりもアルカリ強度の
高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、
長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量の
感光性平版印刷版を処理することができることが知られ
ている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用
される。例えば、特開昭54−62004号公報に開示
されているような現像液の〔SiO2 〕/〔Na2 O〕
のモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2 〕/〔Na
2 O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2 の含有量
が1〜4重量%のケイ酸ナトリウムの水溶液を使用し、
しかも感光性平版印刷版の処理量に応じて連続的または
断続的にSiO2 /Na2 Oのモル比が0.5〜1.5
(即ち〔SiO2 〕/〔Na2 O〕が0.5〜1.5)
のケイ酸ナトリウム水溶液(補充液)を現像液に加える
方法、更には、特公昭57−7427号公報に開示され
ている、〔SiO2 〕/〔M〕が0.5〜0.75(即
ち、〔SiO2 〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であ
って、SiO2 の濃度が1〜4重量%であるアルカリ金
属ケイ酸塩の現像液を用い、補充液として用いるアルカ
リ金属ケイ酸塩の〔SiO2 〕/〔M〕が0.25〜
0.75(即ち〔SiO2 〕/〔M2 O〕が0.5〜
1.5)であり、かつ該現像液および該補充液のいずれ
もがその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基
準にして少なくとも20%のカリウムを含有しているこ
ととからなる現像方法が好適に用いられる。
【0119】このようにして現像処理された感光性平版
印刷版は特開昭54−8002号、同55−11504
5号、同59−58431号等の各公報に記載されてい
るように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、
アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理
される。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれら
の処理を種々組み合わせて用いることができる。このよ
うな処理によって得られた感光性平版印刷版はオフセッ
ト印刷機等に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。印
刷時、版上の汚れ除去のため使用するプレートクリーナ
ーとしては、従来より知られているPS版用プレートク
リーナーが使用され、例えば、CL−1,CL−2,C
P,CN−4,CN,CG−1,PC−1,SR,I
C,(富士写真フイルム株式会社製)等があげられる。
【0120】
【実施例】以下合成例および実施例をもって本発明を説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 〔フッ素系ポリマーP−14の合成例〕下記化合物(1
−5)25.6g、下記化合物(2−7)26.4g、
メタアクリル酸ラウリル20.4gおよびジメチルアセ
トアミド160gを500mlの3口フラスコに取り窒素
気流下攪拌しながら65℃に保った。2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を2.30g加
え攪拌を続けた。4時間後75℃まで昇温し1時間保っ
た。反応終了後、室温にまで冷却し、反応液を400ml
中の水中に注いだ。折出した固体をろ取し、乾燥した。
【0121】
【化18】
【0122】収率68.4g、GPCによりこの固体は
重量平均分子量2.5万の高分子化合物(P−14)で
あった。 〔フッ素系ポリマーP−2、5、6、18の合成例〕上
記フッ素系ポリマーP−14の合成例と同様の方法にし
て表1に示したポリマーを合成した。
【0123】〔実施例1〜5、比較例1〕厚さ0.30
mmの材質1Sのアルミニウム板を8号ナイロンブラシ
と800メッシュのパミストンの水懸濁液を用い、その
表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸
化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングし
た後、流水で水洗後、20%HNO3 で中和洗浄、水洗
した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番
波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で300クーロン/d
m2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表
面粗さを測定したところ0.45μm(Ra表示)であ
った。ひきつづいて30%のH2 SO4 水溶液中に浸漬
し、55℃で2分間デスマットした後、33℃、20%
2 SO4 水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置し
て、電流密度5A/dm2 において50秒間陽極酸化した
ところ厚さが2.7g/m2 であった。
【0124】更に3号ケイ酸ソーダ(SiO2 =28〜
30%、Na2 O=9〜10%、Fe=0.02%以
下)の2.5重量%、pH=11.2、70℃の水溶液
に13秒浸漬し、続いて水洗させた。その時のシリケー
ト量は10mg/m2 であった。測定は、ケイ光X線分
析でSi元素量を求めた。次に下記の手順によりSG法
の液状組成物(ゾル液)を調整した。ビーカーに下記組
成物を秤量し、25℃で20分間撹拌した。 Si(OC2 5 ) 4 38 g 3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 13 g 85重量%リン酸水溶液 12 g イオン交換水 15 g メタノール 100 g
【0125】その溶液を三口フラスコに移し、還流冷却
器を取り付け三口フラスコを室温のオイルバスに浸し
た。三口フラスコの内容物をマグネティックスターラー
で撹拌しながら、30分間で50℃まで上昇させた。浴
温を50℃に保ったまま、更に1時間反応させ液組成物
(ゾル液)を得た。このゾル液をメタノール/エチレン
グリコール=20/1(重量比)で0.5重量%になる
ように希釈して基板にホイラー塗布し、100℃1分乾
燥させた。その時の塗布量は4mg/m2 であった。こ
の塗布量もケイ光X線分析法によりSi元素量を求め、
それを塗布量とした。このように処理されたアルミニウ
ム板上に、下記組成の高感度光重合性組成物1を乾燥塗
布重量が1.5g/m2 となるように塗布し、100℃
で1分間乾燥させ、感光層を形成した。
【0126】 〔光重合性組成物〕 テトラメチロールメタンテトラアクリレート 1.5 g 線状有機高分子重合体(B1) 2.0 g アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (共重合モル比 80/20) 増感剤(C1) 0.15 g
【0127】
【化19】
【0128】 (λmax THF479nm,ε=6.9×104 ) 光重合開始剤(D1) 0.2 g
【0129】
【化20】
【0130】 IRGACURE907(E1)(Ciba-Geigy社製) 0.4 g 表1に示すフッ素系ポリマー(P) 0.2 g ε−フタロシアニン/(B1)分散物 0.2 g フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF177 0.03 g (大日本インキ化学工業(株)製) メチルエチルケトン 9.0 g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.5 g トルエン 11.0 g
【0131】この感光層上に、酸素遮断性保護層として
ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度5
00)の3重量%の水溶液を乾燥塗布重量が2.5g/
m2となるように塗布し、120℃で3分間乾燥させ、光
重合性平版印刷版を得た。これらの版をオプトロニクス
社製XLP4000(Arレーザー75mW、488n
m)を用い0.15mJ/cm2 で、4000dpi1
75線/インチの条件で、1%きざみで1〜99%をそ
れぞれ2箇所づつ露光した。その後120℃に20秒間
さらすことにより後加熱処理を施した。
【0132】現像は、下記の現像液に25℃で、30秒
間浸漬して行った。 (現像液) 1Kケイ酸カリウム 30g 水酸化カリウム 15g 水 1000g
【0133】次にGU−7(富士写真フイルム(株)
製)ガム液を水で2倍に希釈し版面を処理した。400
0dpi、175線/インチの条件で、1%が再現する
版面エネルギー量をそのサンプルの感度として求めた。
耐刷性測定には印刷機としてハイデルベルグ社製SOR
KZを使用し、インキとしては、大日本インキ社製クラ
フG(N)を使用した。プレートクリーナーとしては、
酸性のPSプレートクリーナーCL−2(富士写真フイ
ルム(株)製)を用いた。
【0134】各サンプルを60℃に3日間保存後同様に
露光現像し印刷し、非画像部の汚れ性も目視評価し経時
安定性を評価した。印刷スタートから5000枚目にP
SプレートクリーナーCL−2を印刷用スポンジにしみ
こませ、網点部をふき版面のインキを洗浄した。その後
10,000枚毎に145,000枚目まで同様にPS
プレートクリーナーCL−2で版面のインキを洗浄し、
150、000枚印刷した。10,000枚毎に印刷物
を抜き取り、PSプレートクリーナーCL−2で版面を
洗浄した網点と洗浄しない網点を評価した結果を表1に
示す。
【0135】なおベタ耐刷性とは、ベタ印刷部に素抜け
が等がおこることなく正常に印刷できる枚数を示し、ハ
イライト耐刷性は175線/インチの2%の網点が印刷
物上で再現する印刷枚数を示すものである。階調は、上
述の感度評価したサンプルのクリアー段数とベタ段数の
差を表した。この値が低い程硬調であることを示す。
【0136】
【表1】
【0137】以上の結果から、本発明の感光性平版印刷
版において、感光性組成物に本発明の特有のフッ素系ポ
リマーを使用することにより、印刷版の耐刷性を保った
まま、印刷版の画像を硬調化することができた。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感光性平
版印刷版は、光重合性感光層として本発明の特有のフッ
素系ポリマーを含有する感光性組成物を使用することに
より、耐刷性があり、硬調な画像を得ることができるも
のとなった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも下記a,cで示
    される官能基を有する高分子化合物、重合可能なエチレ
    ン性不飽和二重結合を有する化合物および光重合開始剤
    を含有する感光性組成物を有することを特徴とする感光
    性平版印刷版。 a.フルオロ脂肪族基、c.酸性基
  2. 【請求項2】 支持体上に、少なくとも下記a,b,c
    で示される官能基を有する高分子化合物、重合可能なエ
    チレン性不飽和二重結合を有する化合物および光重合開
    始剤を含有する感光性組成物を有することを特徴とする
    感光性平版印刷版。 a.フルオロ脂肪族基、b.長鎖脂肪族基または脂肪族
    基で置換された芳香族基、c.酸性基
  3. 【請求項3】 支持体上に、少なくとも下記a,b,c
    で示される官能基を有する高分子化合物、重合可能なエ
    チレン性不飽和二重結合を有する化合物および光重合開
    始剤を含有する感光性組成物を有することを特徴とする
    感光性平版印刷版。 a.フルオロ脂肪族基、b.長鎖脂肪族基または脂肪族
    基で置換された芳香族基、c.酸性水素原子を持ち該酸
    性水素原子が窒素原子に結合した酸性基
  4. 【請求項4】 前記高分子化合物が少なくとも下記a,
    b,cで示される構成単位を共重合成分として有するも
    のであることを特徴とする請求項3記載の感光性平版印
    刷版。 a.フルオロ脂肪族基を側鎖に有する付加重合可能なモ
    ノマー、b.9個以上の炭素原子を有する脂肪族基を側
    鎖に有するか、もしくは2個以上の炭素原子を有する脂
    肪族基で置換された芳香族基を側鎖に有するアクリレー
    ト、メタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリル
    アミド、c.酸性水素原子を持ち該酸性水素原子が窒素
    原子に結合した酸性基を有する付加重合可能なモノマー
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1225478A2 (en) * 1998-04-06 2002-07-24 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photosensitive resin composition
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