JPH11310774A - 帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止剤及び帯電防止性樹脂組成物

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JPH11310774A
JPH11310774A JP12098498A JP12098498A JPH11310774A JP H11310774 A JPH11310774 A JP H11310774A JP 12098498 A JP12098498 A JP 12098498A JP 12098498 A JP12098498 A JP 12098498A JP H11310774 A JPH11310774 A JP H11310774A
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JP
Japan
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acid
antistatic
antistatic agent
resin
glycol
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Application number
JP12098498A
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English (en)
Inventor
Yukihiko Kawarada
雪彦 川原田
Tetsuya Yamazaki
哲也 山崎
Shiro Sakatani
史郎 酒谷
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成型品の耐薬品性、耐水性、耐候性等を低下
させることなく、帯電防止効果の優れた持続性を付与す
る。 【解決手段】 ポリ(エチレンオキシド)グリコール、
2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル、
5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム、エチレン
グリコールを反応させて得られる、フッ素化炭化水素基
を有するポリエーテルエステルを、帯電防止剤として熱
可塑性樹脂に配合。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止効果、帯
電防止効果の持続性、透明性、耐水性および耐候性にお
いて著しく良好な帯電防止剤及びそれを含有してなる帯
電防止性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、一般に軽量で成形加工
性に優れ、また、耐熱性、機械物性、電気的性質にも優
れ、その上美観に優れるため、電気製品のハウジング
材、電気部品材、自動車部品、包装材料等各種用途に多
量に使用されている。しかし、熱可塑性樹脂は、帯電防
止性に劣るため、それを使った製品に静電気によりホコ
リが付着し易く美観を損ねたり、あるいは、帯電した静
電気により電気製品、電装機器及び自動車駆動装置が誤
作動したりする欠点を有している。これらの欠点を改善
するために、通常、各種の帯電防止剤を、特にその持続
効果の高い永久帯電防止剤を熱可塑性系樹脂に添加する
ことが為されている。この様な熱可塑性樹脂用の永久帯
電防止剤としては、例えば、特開平9−59601号公
報には、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとモノ
グリコールとスルホン化フタル酸金属塩又はそのエステ
ルを反応させて得られる、ポリエーテルエステル系帯電
防止剤が挙げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平9−59601号公報記載のポリエーテルエステル
系帯電防止剤を用いた場合、帯電防止効果は良好なもの
の、成形品の耐薬品性、耐水性、耐候性を著しく低下さ
せるものであった。また、透明性の熱可塑性樹脂に配合
した場合、成形品の透明性が著しく損なわれるものであ
った。本発明が解決しようとする課題は、成型品の耐薬
品性、耐水性、耐候性等を低下させることなく、帯電防
止効果の優れた持続性を付与することができると共に、
透明性の熱可塑性樹脂に配合した際にその透明性を損な
うことのない、帯電防止剤、および、これらの性能を兼
備した熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、ポリエーテルエステル系の帯電防止剤に
おいて、その分子構造中にフッ素原子を有する炭化水素
骨格を導入することにより、熱可塑性樹脂に、帯電防止
効果の優れた持続性を付与できると共に、耐水性、耐候
性、耐薬品性を付与で、更に、透明性の熱可塑性樹脂を
用いる場合には、透明性が著しく良好になることを見出
し本発明を完成するに至った。
【0005】即ち本発明は、分子構造中にフッ素原子を
有する炭化水素骨格を含有するポリエーテルエステルを
有することを特徴とする帯電防止剤、及び、該帯電防止
剤と、熱可塑性樹脂とを必須成分とすることを特徴とす
る帯電防止性樹脂組成物に関する。
【発明の実施の形態】
【0006】本発明の帯電防止剤として使用されるポリ
エーテルエステルは、その骨格中にフッ素原子を有する
炭化水素骨格を有することを特徴としている。ここで、
フッ素原子を有する炭化水素骨格としては、特に制限さ
れるものではないが、例えば、ペルフルオロ−n−ブチ
ル基、ペルフルオロシクロヘキシル基、ヘキサフルオロ
プロピル基、ヘキサフルオロプロピニル基、ヘキサフル
オロフェニル基、ジフェニルヘキサフルオロプロピル
基、ジナフチルヘキサフルオロプロピル基、パーフルオ
ロオリゴエーテル基、パーフルオロオクタンカルボキシ
ル基、トリクロロトリフルオロエチル基等が挙げられ
る。また、該フルオロカーボン骨格には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、C4〜C18のアルキル基もしく
はフェニル基、ベンジル基、ナフチル基、ピリジル基等
の芳香族置換基が導入されていることが好ましい。なか
でも特に透明性、耐候性、耐水性、耐薬品性の効果が顕
著である点から、ジフェニルヘキサフルオロプロピル
基、ジナフチルヘキサフルオロプロピル基が好ましい。
【0007】ここで、フッ素原子を有する炭化水素骨格
のポリエーテルエステルに含まれる量としては、特に制
限されるものではないが、該ポリエーテルエステル中に
存在するフッ素原子を有する炭化水素骨格を、その原料
単量体の重量に換算した際の、該ポリエーテルエステル
重量に対する比率で、0.1〜80重量%、好ましくは
0.5〜60重量%となる範囲であることが、耐薬品
性、耐水性、耐候性、透明性等の本発明の効果が顕著と
なる点から好ましい。
【0008】また、該ポリエーテルエステルは、更に、
分子構造中に、スルホン酸塩を導入することにより、従
来になく優れた帯電防止効果を発現させることができ
る。この様なスルホン酸塩は、具体的には下記式1で表
されるものが挙げられる。
【0009】
【式1】−SO3M 式1
【0010】ここで、Mは、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、ホスホニウム系化合物、アミン系化合物等であ
り、特に、Na、K、Li、Mg、Caが好ましい。
【0011】このスルホン酸塩の含有量は特に制限され
るものではないが、該ポリエーテルエステル中に存在す
るスルホン酸塩基を、その原料単量体の重量に換算した
際の、該ポリエーテルエステル重量に対する比率で、
0.1〜10重量%となる割合であることが帯電防止性
の改善効果の点から好ましい。
【0012】また、ポリエーテルエステル構造中のポリ
エーテル構造部位は、特に限定されるものではなく、ポ
リエチレンオキシド構造単位、ポリ−1,2−プロピレ
ンオキシド構造単位、ポリ−1,3−プロピレンオキシ
ド構造単位、ポリテトラメチレンオキシド構造単位、ポ
リ−ヘキサメチレンオキシド構造単位、ポリ−ヘキサフ
ルオロエチレンオキシド構造単位、ポリ−ヘキサフルオ
ロプロピレンオキシド構造単位、エチレンオキシドとプ
ロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合構造
単位、及び、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの
ブロックまたはランダム共重合構造単位等のポリエーテ
ル構造単位、或は、ビスフェノール類の末端水酸基に上
記ポリエーテル構造単位が結合したビスフェノール類の
ポリ(アルキレンオキシド)グリコール付加構造単位が
挙げられる。
【0013】この様な、ポリエーテルエステル中のポリ
エーテル単位又はポリ(アルキレンオキシド)グリコー
ル付加構造単位の含有量は特に制限されるものではない
が、ポリエーテルエステル重量に対する、ポリエーテル
単位又はポリ(アルキレンオキシド)グリコール付加構
造単位を構成する単量体成分重量の比率で10〜90重
量%であることが好ましい。即ち、10重量%以上にお
いてポリエーテルエステルの帯電防止効果が著しく良好
となり、一方、90重量%以下の場合には得られるポリ
エーテルエステルの機械的性質や耐熱性が良好となる。
特にこれらのバランスに優れる点から40〜80重量%
の範囲が好ましい。
【0014】また、ポリエーテルエステルにおけるエス
テル構造部位は、原料となるカルボキシル基含有化合物
と、前記ポリエーテル構造部位及びその他のグリコール
等のグリコール成分とによって形成されるエステル構造
をいう。このエステル構造の含有量としては特に制限さ
れるものではないが、例えば、ポリエーテルエステル重
量に対する、エステル構造を形成する、カルボキシル基
またはそのエステル基含有化合物の重量の比率で、1〜
60重量%となる割合で用いられることが好ましい。即
ち、1重量%以上によりポリエーテルエステルの機械的
性質や耐熱性が良好となり、一方、60重量%以下の場
合には得られるポリエーテルエステルの帯電防止効果が
良好となる。特にこれらのバランスに優れる点から10
〜60重量%の範囲が好ましい。
【0015】また、この様なポリエーテルエステルの分
子量は特に制限されるものではないが、帯電防止剤とし
ての分散性、帯電防止効果及び透明性の点から数平均分
子量1,000〜1,000,000、特に好ましくは
10,000〜500,000であることが好ましい。
【0016】この様なポリエーテルエステルは、特にそ
の製造方法が限定されるものではないが、例えば、 方法:(a1)フッ素原子を有する炭化水素骨格を有
する多価アルコール、多価カルボン酸又はそのエステ
ル、(a2)多価カルボン酸又はそのエステル(a3)
ポリアルキレンオキシド骨格含有ジオール、及び、(a
4)アルキレングリコールを必須成分として反応させる
方法、或は、
【0017】更に帯電防止効果を改善すべく、スルホン
酸金属塩を導入する場合には、 方法:(a1)フッ素原子を有する炭化水素骨格を有
する多価アルコール、多価カルボン酸又はそのエステ
ル、(a2)多価カルボン酸又はそのエステル(a3)
ポリアルキレンオキシド骨格含有ジオール、(a4)ア
ルキレングリコール、及び、(a5)スルホン化フタル
酸塩又はそのエステルを必須成分として反応させる方法
が挙げられる。
【0018】ここで用いられるフッ素原子を有する炭化
水素骨格を有する多価アルコール、多価カルボン酸又は
そのエステル(a1)としては、特に制限されるもので
はないが、例えば、二価、三価および四価以上のフッ素
原子を有する炭化水素骨格を有するアルコール、カルボ
ン酸およびカルボン酸無水物、若しくは、これらフッ素
原子を有する炭化水素骨格を有するアルコール、又は、
多価カルボン酸のエステルの一種単独または二種以上の
混合物であることが好ましい。更に、その多価アルコー
ルあるいはカルボン酸を構成する総炭素原子数は、特に
制限されるものではないが、1〜200であることが帯
電防止効果および透明性等の点から好ましい。
【0019】この様なフッ素原子を有する炭化水素骨格
を有する多価アルコール、多価カルボン酸又はそのエス
テル(a1)の中で、フッ素原子を有する炭化水素骨格
を有する多価アルコールとして具体的には、二価アルコ
ールとしては、ヘキサフルオロプロパンジオール、ヘキ
サフルオロブタンジメタノール、オクタフルオロペンタ
ンジエタノール、パーフルオロダイマージオ−ルのエチ
レンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはラ
ンダム共重合物、パーフルオロ水添ビスフェノールA、
パーフルオロ水添ビスフェノールF、および、2,2−
ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等
が挙げられる。
【0020】三価アルコールとしては、パーフルオロジ
ブチルシクロヘキサンタントリブタノール、ペンタフル
オロジメチルヘキサンヘキサノールジプロパノール、ウ
ンデカフルオロアリルプロペニルシクロノナントリヘキ
サノール、パーフルオロジオクチルヘキサントリヘキサ
ノール、テトラフルオロジノナデシルシクロペンタンデ
カノールジウンデカノール、および、パーフルオロジウ
ンデシルテトラデカンペンタジエノールジウンデカノー
ル等が挙げられる。
【0021】四価以上の多価アルコールとしては、パー
フルオロトリエチルシクロペンタンジブタノールジウン
デカノール、テトラデカフルオロジヘキシルシクロヘキ
サンブタノールトリプロペニノール、パーフルオロペン
タトリデシルヘキサンプロペニノールトリプロパノー
ル、ヘプタフルオロジフェニルシクロヘキサンジブタノ
ールジオクタノール、ヘキサデカフルオロジブチルエチ
ルシクロデカンジエタノールジオクタノール、および、
パーフルオロペンタウンデシルシクロテトラデカントリ
エタノールトリウンデカノール等が挙げられる。
【0022】これらのフッ素原子を有する炭化水素骨格
を有する多価アルコールの中で、重合性、色調および物
性の点から側鎖を有するヘキサフルオロプロパン骨格を
有する化合物が好ましく、特にジフェニルヘキサフルオ
ロプロパン骨格を有する二価アルコールが好ましく、具
体的には、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサ
フルオロプロパンが好ましい。
【0023】次に、フッ素原子を有する炭化水素骨格を
有する多価アルコール、多価カルボン酸又はそのエステ
ル(a1)の中で、フッ素原子を有する炭化水素骨格を
有する多価カルボン酸として具体的には、例えば、二価
カルボン酸としてはパーフルオロプロパンジカルボン
酸、ウンデカフルオロヘキサデカンジプロピオン酸、パ
ーフルオロジプロピルシクロヘキサンジテトラデカン
酸、ノナフルオロジエチルヘプタンジアクリル酸、テト
ラフルオロオクタンジクロトン酸、パーフルオロエチル
ヘキサデシルシクロデカンジトリコサン酸、テトラデカ
フルオロオクタデシルテトラウンデシルエイコサンジプ
ロピオン酸、および、これらのジカルボン酸無水物等が
挙げられる。
【0024】三価カルボン酸としてはパーフルオロノナ
ントリカルボン酸、ヘプタフルオロブタントリドデカン
酸、ドデカフルオロジプロピルペンタントリプロピオン
酸、パーペンチルシクロヘキサントリヘキサデカン酸、
デカフルオロジオクタデシルブチルシクロノナントリク
ロトン酸、ペンタデカフルオロジエチルヘキサデシルシ
クロデカントリアクリル酸、トリデカフルオロドデシル
ジウンデシルシクロテトラデカントリドデカン酸等およ
びトリカルボン酸無水物等が挙げられる。
【0025】四価カルボン酸としては、ヘキサフルオロ
ジペンチルヘキサンテトラ酢酸、パーフルオロジオクチ
ルヘプチルシクロヘプタンテトラカルボン酸、デカフル
オロトリオクチルペンチルオクタンテトラヘキサデカン
酸、ヘキサフルオロジエチルジヘキサデシルデカンテト
ラ吉草酸、等およびテトラカルボン酸無水物等が挙げら
れる。これらは単独で用いてもよいし、また、2種以上
を併用してもよい。
【0026】これらの中で、重合性、色調および物性の
点から側鎖を有するヘキサフルオロプロパン骨格を有す
る化合物が好ましく、特にヘキサフルオロプロパン骨格
を有する二価カルボン酸が好ましく、具体的には、2,
2−ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ンが好ましい。
【0027】次に、フッ素原子を有する炭化水素骨格を
有する多価アルコール、多価カルボン酸又はそのエステ
ル(a1)の中で、フッ素原子を有する炭化水素骨格を
有する多価カルボン酸のエステルとして具体的には、前
記フッ素原子を有する炭化水素骨格を有する多価カルボ
ン酸のモノエステル体、ジエステル体およびトリ、テト
ラエステル体などの多価カルボン酸の一部乃至全部がエ
ステル化された化合物が挙げられ、具体的にはパーフル
オロプロパンジカルボン酸モノメチル、ブチルシクロブ
タンジプロピオン酸ジエチル、ジプロピルシクロペンタ
ンジカルボン酸モノブチル、ジオクチルシクロヘプタン
テトラドデカン酸テトラエチル、オクチルペンチルシク
ロオクタントリヘキサデカン酸ジプロピル、ジオクタデ
シルシクロノナンテトラカルボン酸トリヘプチル、エチ
ルヘキサデシルプロペニルシクロデカンテトラプロピオ
ン酸トリドデシル、オクタデシルテトラプロペニルシク
ロウンデカンテトラカルボン酸モノブチルジノナデシ
ル、ジオクタデシルシクロトリデカンテトラヘキサン酸
ジドコシル、ドデシルウンデシルシクロテトラデカンジ
ヘプタン酸ジヘキサデシル等が挙げられる。これらのな
かでも特に、重合性、色調および物性の点からヘキサフ
ルオロプロパン骨格を有する化合物が好ましく、特に
2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパンジカルボン
酸のジメチルエステルが好ましい。
【0028】また、本発明の帯電防止剤において、フッ
素原子を有する炭化水素骨格を有する多価アルコール、
多価カルボン酸又はそのエステル(a1)は、ポリエー
テルエステルを構成する各原料の比率で3〜80重量%
となる割合で用いられることが好ましい。3重量%以上
によりポリエーテルエステルの機械的性質や耐熱性等の
物性が良好となり、一方80重量%以下の場合には得ら
れるポリエーテルエステルの帯電防止効果が良好とな
る。特にこれらのバランスに優れる点から10〜60重
量%の範囲が好ましい。
【0029】次に、本発明で用いる多価カルボン酸又は
そのエステル(a2)としては、特に制限されるもので
はないが、二価、三価および四価以上のカルボン酸およ
びカルボン酸無水物またはこれら多価カルボン酸のエス
テル体の一種単独または二種以上の混合物を示し、ま
た、その多価カルボン酸を構成する炭素原子数は4〜2
0であることが好ましい。
【0030】多価カルボン酸とは二価以上のカルボン酸
又はそのカルボン酸無水物であり、二価カルボン酸及び
その無水物としては、特に制限されないが、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン
酸、ジフェニル−4,4´−ジカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸、インデン−4,7−ジカルボン
酸、ナフタレン−2,5−ジカルボン酸、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸、アズレン−2,5−ジカルボン
酸、ヘプタレン−1,7−ジカルボン酸、ビフェニレン
−1,5−ジカルボン酸、as-インダセン−2,6−ジ
カルボン酸、s-インダセン−1,7−ジカルボン酸、ア
セナフチレン−3,8−ジカルボン酸、フルオレン−
1,8−ジカルボン酸、フェナレン−4,8−ジカルボ
ン酸、フェナントレン−1,6−ジカルボン酸、アント
ラセン−1,8−ジカルボン酸、フルオランテン−6,
7−ジカルボン酸、アセフェナントリレン−3,8−ジ
カルボン酸、アセアントリレン−3,7−ジカルボン
酸、トリフェニレン−2,10−ジカルボン酸、ピレン
−1,6−ジカルボン酸、クリセン1,7−ジカルボン
酸、ナフタセン−1,5−ジカルボン酸、プレイアンデ
ン2,5−ジカルボン酸、ピセン−2,8−ジカルボン
酸、ペリレン−2,8−ジカルボン酸、ペンタフェン−
5,11−ジカルボン酸、ペンタセン2,6−ジカルボ
ン酸、これらのアルキル核置換カルボン酸、および、こ
れらのハロゲン核置換カルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸およびジシクロヘキシル−
4,4´−ジカルボン酸、ペンタレン−1,6−ジカル
ボン酸、および、これらのアルキル核置換カルボン酸等
の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン
酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
ドデカンジカルボン酸等の非環状脂肪族ジカルボン酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸、および上記各ジカルボ
ン酸の無水物等が挙げられ、
【0031】三価カルボン酸としては、1,2,4−ト
リメリット酸、1,2,5−ナフタレントリカルボン
酸、2,6,7−ナフタレントリカルボン酸、3,3
´,4−ジフェニルトリカルボン酸、ベンゾフェノン
3,3´,4−トリカルボン酸、ジフェニルエーテル−
3,3´,4−トリカルボン酸、インデン−3,4,7
−トリカルボン酸、ナフタレン−2,5,7−トリカル
ボン酸、ナフタレン−2,4,6−トリカルボン酸、ア
ズレン−2,5,7−トリカルボン酸、ヘプタレン−
1,3,7−トリカルボン酸、ビフェニレン−1,3,
5−トリカルボン酸、as-インダセン−2,4,6−ト
リカルボン酸、s-インダセン−1,3,7−トリカルボ
ン酸、アセナフチレン−3,6,8−トリカルボン酸、
フルオレン−1,5,8−トリカルボン酸、フェナレン
−2,4,8−トリカルボン酸、フェナントレン−1,
6,8−トリカルボン酸、アントラセン−1,5,8−
トリカルボン酸、フルオランテン−4,6,7−トリカ
ルボン酸、アセフェナントリレン−3,6,8−トリカ
ルボン酸、アセアントリレン−3,5,7−トリカルボ
ン酸、トリフェニレン−2,6,10−トリカルボン
酸、ピレン−1,3,6−トリカルボン酸、クリセン
1,4,7−トリカルボン酸、ナフタセン−1,3,5
−トリカルボン酸、プレイアンデン2,5,8−トリカ
ルボン酸、ピセン−2,5,8−トリカルボン酸、ペリ
レン−2,4,8−トリカルボン酸、ペンタフェン−
5,11,14−トリカルボン酸、ペンタセン2,6,
14−トリカルボン酸、およびこれらのアルキル核置換
体、ハロゲン核置換体等の芳香族トリカルボン酸、エチ
レン1,1,2−トリカルボン酸、プロピレン−1,
2,3−トリカルボン酸、ペンタレン−1,4,6−ト
リカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸、および、上記
各トリカルボン酸の無水物等、
【0032】四価カルボン酸としては、ピロメリット
酸、ジフェニル−2,2´,3,3´−テトラカルボン
酸、ベンゾフェノン−2,2´,3,3´−テトラカル
ボン酸、ジフェニルスルホン−2,2´,3,3´−テ
トラカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,2´,3,
3´−テトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレン
テトラカルボン酸、インデン−2,3,4,7−テトラ
カルボン酸、ナフタレン−2,3,5,7−テトラカル
ボン酸、ナフタレン−2,4,6,7−テトラカルボン
酸、アズレン−2,3,5,7−テトラカルボン酸、ヘ
プタレン−1,3,4,7−テトラカルボン酸、ビフェ
ニレン−1,3,5,7−テトラカルボン酸、as-イン
ダセン−2,4,6,7−テトラカルボン酸、s-インダ
セン−1,2,3,7−テトラカルボン酸、アセナフチ
レン−3,4,6,8−テトラカルボン酸、フルオレン
−1,2,5,8−テトラカルボン酸、フェナレン−
2,3,4,8−テトラカルボン酸、フェナントレン−
1,2,6,8−テトラカルボン酸、アントラセン−
1,5,6,8−テトラカルボン酸、フルオランテン−
4,5,6,7−テトラカルボン酸、アセフェナンテト
ラレン−2,3,6,8−テトラカルボン酸、アセアン
テトラレン−3,4,5,7−テトラカルボン酸、テト
ラフェニレン−2,3,6,10−テトラカルボン酸、
ピレン−1,3,6,7−テトラカルボン酸、クリセン
1,4,7,8−テトラカルボン酸、ナフタセン−1,
2,5,7−テトラカルボン酸、プレイアンデン2,
5,8,9−テトラカルボン酸、ピセン−2,5,7,
8−テトラカルボン酸、ペリレン−2,4,5,8−テ
トラカルボン酸、ペンタフェン−5,11,12,14
−テトラカルボン酸、ペンタセン2,3,6,14−テ
トラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸、エチレン
−1,1,2,2−テトラカルボン酸、プロピレン−
1,1,3,3−テトラカルボン酸、ペンタレン−1,
2,4,6−テトラカルボン酸等の脂肪族テトラカルボ
ン酸、および上記各化合物のテトラカルボン酸モノ無水
物およびテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。こ
れらは1種または2種以上で用いることができる。
【0033】これらの中で、重合性、色調および物性の
点からテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく、特にテレフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。ま
た、透明性の点からは縮合多環炭化水素骨格を有する二
価カルボン酸が好ましい。また、三価以上の多価カルボ
ン酸を併用すると、目的とするポリエーテルエステルの
分子量を容易に上げることができ好ましい。
【0034】次に多価カルボン酸エステルとは、前記多
価カルボン酸のモノエステル体、ジエステル体およびト
リ、テトラエステル体などの多価カルボン酸の一部また
は全部がエステル化された化合物が何れも使用できる。
【0035】この多価カルボン酸又はそのエステル(a
2)の使用量としては、例えば、最終的に得られるポリ
エーテルエステルを構成する各原料の比率で5〜60重
量%の範囲で組み込まれることが帯電防止効果の点から
好ましい。
【0036】次に、ポリアルキレンオキシド骨格含有ジ
オール(a3)としては、特に限定されるものではない
が、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールまたはビス
フェノール類のポリ(アルキレンオキシド)グリコール
付加物であることが帯電防止効果、機械的強度の点から
好ましい。
【0037】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
しては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ
(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ
(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テ
トラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチ
レンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピ
レンオキシドのブロックまたはランダム共重合体および
エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまた
はランダム共重合体等が挙げられる。これらは単独で使
用してもよいし、2種以上併用してもよい。
【0038】また、ビスフェノール類のポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコール付加物におけるビスフェノール
類としては、特に制限されるものではなく、例えばビス
フェノールA、ビスフェノールS、フッ素化ビスフェノ
ールA、塩素化ビスフェノールA、臭素化ビスフェノー
ルA、4,4−ビス(ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)アミンなどが挙げられるが、なかでもビス
フェノールA骨格を有する化合物が好ましい。
【0039】これらのポリ(アルキレンオキシド)グリ
コールの中でも、特に、帯電防止効果が優れることか
ら、該グリコールを構成するアルキレンオキシド構造単
位において炭素原子数2〜4のものが好ましく、具体的
には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2
−ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド等をアル
キレンオキシド構造単位として有していることが好まし
い。
【0040】また、アルキレンオキシド構造単位は、単
一の構成部分から成っていてもよいし、上掲した例示化
合物の如く、異なる複数の構成部分からなっていてもよ
いが、特に帯電防止効果に優れる点から、エチレンオキ
シドを構成成分として含有することが好ましい。具体的
には、エチレンオキシド鎖の含有率(ポリ(アルキレン
オキシド)グリコールの分子量に対するエチレンオキシ
ド基部分の分子量の比率)が10重量%以上含有するも
のが帯電防止効果の点から好ましく、特にポリ(エチレ
ンオキシド)グリコールが好ましい。
【0041】また、ビスフェノール類のポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコール付加物は、特に帯電防止効果並
びに機械的特性の点から数平均分子量が400〜20
0,000のものが好ましい。即ち、数平均分子量40
0以上にすることにより帯電防止効果がより顕著に向上
し、また、数平均分子量が200,000以下の場合に
は、得られるポリエーテルエステルの機械的性質が良好
なものとなる。これらのバランスに優れる点から特に数
平均分子量500〜9,000の範囲が好ましい。
【0042】また、ビスフェノール類のポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコール付加物は、ポリエーテルエステ
ルを構成する各原料の比率で10〜90重量%となる割
合で用いられることが好ましい。10重量%以上により
ポリエーテルエステルの帯電防止効果が著しく良好とな
り、一方、90重量%以下の場合には得られるポリエー
テルエステルの機械的性質や耐熱性が良好となる。特に
これらのバランスに優れる点から40〜80重量%の範
囲が好ましい。
【0043】次に、本発明においてはアルキレングリコ
ール(a4)の併用により、帯電防止効果および機械的
強度が著しく改善される。この様なアルキレングリコー
ル(a4)としては、例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1、2−ブチレングリコール、トリメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコ
ール、トリエチレングリコール、オクタメチレングリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のアルキ
レングリコール類等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよいし、また、2種以上を併用してもよい。これら
の中でも、機械的強度が優れることから、炭素原子数2
〜8のグリコールが好ましく、特に、エチレングリコー
ルが好ましい。
【0044】また、方法において、エステルを形成す
るカルボン酸成分として、前述の(a1)、(a2)に
加え、スルホン化フタル酸塩又はそのエステル(a5)
を併用することにより帯電防止効果を飛躍的に向上させ
ることができる。
【0045】スルホン化フタル酸塩又はそのエステル
(a5)としては、特に構造が特定されるものではない
が、スルホン化フタル酸金属塩、スルホン化フタル酸ホ
スホニウム塩、スルホン化フタル酸アンモニウム塩、又
は、それらのモノエステル体およびジエステル体などの
スルホン化フタル酸塩の一部または全部がエステル化さ
れた化合物が挙げられ、具体的には、スルホテレフタル
酸ナトリウム塩、スルホテレフタル酸カリウム塩、スル
ホテレフタル酸マグネシウム塩、スルホテレフタル酸カ
ルシウム塩、スルホテレフタル酸亜鉛塩、スルホテレフ
タル酸ホスホニウム塩、スルホテレフタル酸アンモニウ
ム塩、スルホテレフタル酸アンモニウム塩、スルホイソ
フタル酸ナトリウム塩、スルホイソフタル酸カリウム
塩、スルホイソフタル酸マグネシウム塩、スルホイソフ
タル酸カルシウム塩、スルホイソフタル酸亜鉛塩、スル
ホイソフタル酸ホスホニウム塩、スルホイソフタル酸ア
ンモニウム塩、スルホテレフタル酸モノメチルナトリウ
ム塩、スルホテレフタル酸モノメチルカリウム塩、スル
ホテレフタル酸モノメチルマグネシウム塩、スルホテレ
フタル酸モノメチルカルシウム塩、スルホテレフタル酸
モノメチル亜鉛塩、スルホテレフタル酸モノメチルホス
ホニウム塩、スルホテレフタル酸モノメチルアンモニウ
ム塩、スルホテレフタル酸ジメチルナトリウム塩、スル
ホテレフタル酸ジメチルカリウム塩、スルホテレフタル
酸ジメチルマグネシウム塩、スルホテレフタル酸ジメチ
ルカルシウム塩、スルホテレフタル酸ジメチル亜鉛塩、
スルホテレフタル酸ジメチルホスホニウム塩、スルホテ
レフタル酸ジメチルアンモニウム塩、スルホイソフタル
酸モノメチルナトリウム塩、スルホイソフタル酸モノメ
チルカリウム塩、スルホイソフタル酸モノメチルマグネ
シウム塩、スルホイソフタル酸モノメチルカルシウム
塩、スルホイソフタル酸モノメチル亜鉛塩、スルホイソ
フタル酸モノメチルホスホニウム塩、スルホイソフタル
酸モノメチルアンモニウム塩、スルホイソフタル酸ジメ
チルナトリウム塩、スルホイソフタル酸ジメチルカリウ
ム塩、スルホイソフタル酸ジメチルマグネシウム塩、ス
ルホイソフタル酸ジメチルカルシウム塩、スルホイソフ
タル酸ジメチル亜鉛塩、スルホイソフタル酸ジメチルホ
スホニウム塩、スルホイソフタル酸ジメチルアンモニウ
ム塩等が挙げられる。
【0046】これらのなかでも、ナトリウム塩、カリウ
ム塩、マグネシウム塩、及び、カルシウム塩等のアルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩が好ましく、また、これ
らのスルホン化フタル酸塩は、その一部または全部がエ
ステル化された化合物が好ましい。特に、メチルエステ
ルやエチルエステルなどの炭素原子数が6以下の低級ア
ルキルエステルであることが好ましい。これらは単独で
用いてもよいし、また、2種以上を併用してもよい。
【0047】スルホン化フタル酸塩又はそのエステル
(a5)の使用量は、特に制限されるものではないが、
ポリエーテルエステルを構成する各原料の比率で0.1
〜10重量%となる割合で用いられることが好ましい。
0.1重量%以上によりポリエーテルエステルの帯電防
止効果が著しく良好となり、一方、10重量%以下の場
合には得られるポリエーテルエステルの機械的性質や帯
電防止効果の持続性が良好となる。
【0048】この様な原料成分を反応させる具体的方法
は、特に限定されないが、例えば、方法においては、
フッ素原子を有する炭化水素骨格を有する多価アルコー
ル若しくは多価カルボン酸誘導体若しくはそのエステル
(a1)と、多価カルボン酸若しくはそのエステル(a
2)と、ポリアルキレンオキシド骨格含有ジオール(a
3)と、アルキレングリコール(a4)とを、第1段階
として常圧下100〜200℃で反応を行ない、定量的
にエステルが生成したのを見極めて、第2段階として2
00〜300℃に昇温し、かつ減圧下で反応させて、目
的のポリエーテルエステルを得る方法が挙げられ、ま
た、方法においては、
【0049】フッ素原子を有する炭化水素骨格を有する
多価アルコール若しくは多価カルボン酸誘導体若しくは
そのエステル(a1)と、多価カルボン酸若しくはその
エステル(a2)と、スルホン化フタル酸塩又はそのエ
ステル(a5)と、アルキレングリコール(a4)と
を、常圧下100〜200℃で反応を行ない、定量的に
エステルが生成したのを見極めてから、更にポリアルキ
レンオキシド骨格含有ジオール(a3)を添加し、第2
段階として200〜300℃に昇温し、かつ減圧下で反
応させて、目的のポリエーテルエステルを得る方法が挙
げられる。
【0050】上記方法、の製造方法に用いられる触
媒としては、非常に多くの化合物が有効であるが、特に
第一段階ではアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酢酸
塩、第二段階では亜鉛、マンガン、コバルト、アンチモ
ン、ゲルマニウム、チタン、スズ、ジルコニウムの化合
物が挙げられる。特にエステル交換反応や重縮合反応等
全てに有効な触媒としてテトラアルキルチタネート、蓚
酸スズが好ましく用いられる。触媒は通常ポリエーテル
エステルの全反応原料に対し0.005〜1.0重量%
で使用されることが好ましい。
【0051】また、上記ポリエーテルエステルの製造方
法においては、方法、の何れの場合も、ポリエーテ
ルエステルの製造中またはその製造後の任意の時期おい
て酸化防止剤を加えることができる。特に、第二段階の
重縮合工程に入る時点でポリエステルエラストマーの酸
化劣化を防止するため重縮合反応を阻害しない酸化防止
剤を加えることが有効である。
【0052】これらの酸化防止剤としては、リン酸、亜
リン酸の脂肪族、芳香族エステルまたはフェノール系誘
導体特に高度に立体障害を示す基をもついわゆるヒンダ
ードフェノール類が挙げられる。更に数種の酸化防止剤
や紫外線吸収剤等の安定剤を併用するのも好ましい。
【0053】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、詳述し
た本発明の帯電防止剤と熱可塑性樹脂を必須成分とする
ことを特徴とする帯電防止性樹脂組成物である。
【0054】本発明の帯電防止性樹脂組成物全体に占め
る、ポリエーテルエステルの含有率は、特に制限されな
いが例えば1〜30重量%であることが好ましい。即
ち、1重量%以上では、帯電防止性樹脂組成物の帯電防
止性並びににその持続性が良好なものとなり、また、3
0重量%以下の場合には樹脂組成物の機械的性質が良好
になり好ましい。これらのバランスに優れる点から中で
も5〜25重量%であることが好ましい。
【0055】本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、
特に限定されるものではなく、例えばポリスチレン樹
脂、ポリメチルスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン樹
脂(HIPS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重
合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−ア
クリルゴム−スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリ
ロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合
体(AES樹脂)、ABS樹脂とポリカーボネイトのア
ロイ、ABS樹脂とポリエステル系樹脂のアロイ、AB
S樹脂とポリアミド系樹脂のアロイ、ポリスチレンとポ
リフェニレンオキサイドのアロイ等のスチレン系樹脂;
ポリカーボネート樹脂、ポリカーボネート樹脂とポリエ
ステル系樹脂のアロイ、ポリカーボネート樹脂とポリア
ミド樹脂のアロイ等のポリカーボネート系樹脂;ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリ
ブチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリヘキサメ
チレンナフタレンジカルボキシレート等のポリエステル
系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等
のポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等
のポリアミド樹脂;ポリフェニレンオキサイド樹脂;ア
クリル樹脂などが挙げられる。
【0056】なかでも帯電防止剤との相溶性に優れ、透
明性の改善効果が顕著に現れる点から透明性熱可塑性樹
脂、即ち、ポリスチレン樹脂、ポリメチルスチレン樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹
脂)、ポリスチレンとポリフェニレンオキサイドのアロ
イ等のスチレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂とポリエステル系樹脂のアロイ、ポリカ
ーボネート樹脂とポリアミド樹脂のアロイ等のポリカー
ボネート系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘ
キサメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレン
ジカルボキシレート、ポリブチレンナフタレンジカルボ
キシレート、ポリヘキサメチレンナフタレンジカルボキ
シレート等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂;ナ
イロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリフェ
ニレンオキサイド樹脂等が好ましい。更に、帯電防止効
果の改善効果が顕著となる点からスチレン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
【0057】また、勿論、非透明性の熱可塑性樹脂であ
っても、成型品の耐薬品性、耐水性、耐候性等を低下さ
せることなく、帯電防止効果の優れた持続性を発現する
という効果を奏するため、好ましく使用することができ
る。この様な非透明性の熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ゴム変性ポリスチレン樹脂(HIPS樹脂)、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS
樹脂)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共
重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプ
ロピレンゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、AB
S樹脂とポリカーボネイトのアロイ、ABS樹脂とポリ
エステル系樹脂のアロイ、ABS樹脂とポリアミド系樹
脂のアロイ等が挙げられる。
【0058】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、十分な
帯電防止性を有しているが、用途によっては、公知のイ
オン性帯電防止剤を任意の時期に混合してもよい。これ
らの公知のイオン性帯電防止剤の代表例としては、
【0059】
【式2】R−SO3M 一般式2 で表わされる有機スルホン酸金属塩が挙げられる。
【0060】ここで、一般式2で示される有機スルホン
酸金属塩は、Rがアルキル基、またはアルキルアリール
基もしくはアリール基およびMがアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属から構成される有機スルホン酸金属塩で
あればいかなるものでも良いが、特にRが炭素原子数8
〜30程度のアルキル基またはアルキルアリール基、M
がNa、K、Li、Mg、Ca等から選択されるものが
好ましい。
【0061】このような有機スルホン酸金属塩の具体例
としては、オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスル
ホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデ
シルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナ
トリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ステアリルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシ
ルスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カ
リウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ドデ
シルスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
リチウム、ドデシルスルホン酸マグネシウム、ドデシル
スルホン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0062】なかでもドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、ドデシルスルホン酸ナトリウムが好ましく用い
られる。
【0063】また、本発明の帯電防止性樹脂組成物に対
して、式2に代表される公知のイオン性帯電防止剤は必
ずしも必要でないが、少量添加することにより、ポリエ
ーテルエステルとの相互的作用から帯電防止性能が著し
く向上することから好ましい。添加量としては本発明の
帯電防止性樹脂組成物全体に対して5重量%以下である
ことが、樹脂組成物の成形品外観や物性を低下させるこ
となく、帯電防止効果を向上させることができる点から
好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%の範囲が挙
げられる。
【0064】さらに、本発明においてはその他公知の帯
電防止剤の併用してもよいのは勿論のことである。
【0065】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に公
知の添加剤を併用することができる。
【0066】この公知の添加剤としては、例えば酸化防
止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジ
メチルフェノール、2、2−メチレンビス−(4−エチ
ル−6−t−メチルフェノール)、4,4’−チオビス
−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジラウ
リルチオジプロピオネート、トリス(ジ−ノニルフェニ
ル)ホスファイト等が挙げられ、紫外線吸収剤としてp
−t−ブチルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒ
ドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリ
アゾール等が挙げられ、滑剤としてパラフィンワック
ス、ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレン
ビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、n
−ブチルステアレート、ケトンワックス、オクチルアル
コール、ラウリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸
トリグリセリド等が挙げられ、難燃剤として酸化アンチ
モン、水酸化アルミニウム、ほう酸亜鉛、トリクレジル
ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、塩素化パラフィン、テトラブロモブタン、ヘキサブ
ロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA等が挙げ
られ、着色剤として酸化チタン、カーボンブラック等が
挙げられ、充填剤として炭酸カルシウム、クレー、シリ
カ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維等が挙げられ
る。
【0067】また、ポリアミド、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリフェニレンオキサイド、ポリオキシメチレ
ン、塩素化ポリエチレン等の他の熱可塑性樹脂を必要に
応じて混合することができる。
【0068】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、更に公
知の相溶化剤を併用することができる。この公知の相溶
化剤としては、例えば非反応型相溶化剤としてスチレン
−エチレン−ブタジエンブロック共重合物、ポリエチレ
ン−ポリメチルメタクリレートブロック共重合物、ポリ
エチレン−ポリスチレングラフト共重合物、ポリエチレ
ン−ポリメチルメタクリレートグラフト共重合物、ポリ
プロピレン−アクリロニトリルグラフト共重合体等が挙
げられ、反応型相溶化剤としては、無水マレイン酸グラ
フトポリプロピレン、スチレン−無水マレイン酸共重合
物、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合物、エ
チレン−グリシジルメタクリレート共重合物へのスチレ
ングラフト共重合物、エチレン−グリシジルメタクリレ
ート共重合物へのメチルメタクリレートグラフト共重合
物、ポリプロピレン−β−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートグラフト共重合物、ポリプロピレン−グリシジルメ
タクリレートグラフト共重合物等が挙げられる。
【0069】本発明の樹脂組成物は、特にその調整方法
が限定されるものではないが、例えば本発明の帯電防止
剤、熱可塑性樹脂、および必要に応じてスルホン酸金属
塩やその他の添加剤成分とを所定量配合し、ヘンシェル
ミキサー、タンブラーミキサー等の混合機で予備混合し
た後、押出機、ニーダー、熱ロール、バンバリーミキサ
ー等で溶融混合をすることによって容易に製造できる。
【0070】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお以
下の各例において%および部は、それぞれ重量%および
重量部を示す。
【0071】実施例1 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量2000のポ
リ(エチレンオキシド)グリコール付加物540部、
2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン66部、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメ
チル375部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリ
ウム塩29部、エチレングリコール270部および触媒
として酢酸カルシウム2.0部を仕込み、窒素流入下1
80℃で2時間かけて、メタノールを除去しながら攪拌
を続けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレング
リコール等の留出物を除去しながら、210℃にて2時
間反応を進行させた。更に、触媒としてテトラブチルチ
タネート1.5部を加え、250℃まで昇温した。次い
で0.1mmHgの減圧下で2時間反応させた後、窒素加圧
下ストランド状に取り出し、ペレタイズを行うことによ
って、ペレット状のポリエーテルエステルを得た。以下
これを帯電防止剤Aと称する。この帯電防止剤Aの溶融
粘度は、レオメーターRDS−II(RHEOMETRI
C INC.製、以下RDSと表記)を用いて、窒素雰
囲気下280℃、回転数100rpmで測定したところ、
その測定値は258Pa・sであった。
【0072】実施例2 温度調節器、窒素導入管、攪拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量3000のビ
スフェノールA・ポリ(エチレンオキシド)グリコール
付加物560部、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン43部、ナフタレン−2,6−
ジカルボン酸ジメチル377部、5−スルホイソフタル
酸ジメチルナトリウム塩29部、エチレングリコール2
74部および触媒として酢酸カルシウム2.0部を仕込
み、窒素流入下180℃で2時間かけて、メタノールを
除去しながら攪拌を続けた。次いで10mmHgの減圧下で
過剰のエチレングリコール等の留出物を除去しながら、
210℃にて2時間反応を進行させた。更に、触媒とし
てテトラブチルチタネート1.5部を加え、250℃ま
で昇温した。次いで0.1mmHgの減圧下で2時間反応さ
せた後、窒素加圧下ストランド状に取り出し、ペレタイ
ズを行うことによって、ペレット状のポリエーテルエス
テルを得た。以下これを帯電防止剤Bと称する。この帯
電防止剤Bについて、実施例1と同様に測定した溶融粘
度は268Pa・sであった。
【0073】実施例3 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量1000のビ
スフェノールA・ポリ(エチレンオキシド)グリコール
付加物500部、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン21部、テレフタル酸ジメチル
443部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム
塩85部、エチレングリコール478部および触媒とし
て酢酸カルシウム2.8部を仕込み、窒素流入下180
℃で2時間かけて、メタノールを除去しながら攪拌を続
けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコ
ール等の留出物を除去しながら、210℃にて2時間反
応を進行させた。更に、触媒としてテトラブチルチタネ
ート1.8部を加え、250℃まで昇温した。次いで
0.1mmHgの減圧下で2時間反応させた後、窒素加圧下
ストランド状に取り出し、ペレタイズを行うことによっ
て、ペレット状ののポリエーテルエステルを得た。以下
これを帯電防止剤Cと称する。この帯電防止剤Cについ
て、実施例1と同様に測定した溶融粘度は199Pa・
sであった。
【0074】実施例4 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量2000のポ
リ(エチレンオキシド)グリコール付加物400部、
2,2−ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン200部、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジ
メチル394部、5−スルホイソフタル酸ジメチルナト
リウム塩29部、エチレングリコール396部および触
媒として酢酸カルシウム2.8部を仕込み、窒素流入下
180℃で2時間かけて、メタノールを除去しながら攪
拌を続けた。次いで5mmHgの減圧下で過剰のエチレング
リコール等の留出物を除去しながら、210℃にて2時
間反応を進行させた。更に、触媒としてテトラブチルチ
タネート1.5部を加え、250℃まで昇温した。次い
で0.1mmHgの減圧下で3時間反応させた後、窒素加圧
下ストランド状に取り出し、ペレタイズを行うことによ
って、ペレット状のポリエーテルエステルを得た。以下
これを帯電防止剤Dと称する。この帯電防止剤Dについ
て、実施例1と同様に測定した溶融粘度は241Pa・
sであった。
【0075】実施例5 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量6000のビ
スフェノールA・ポリ(エチレンオキシド)グリコール
付加物540部、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン40部、ナフタレン−2,6−
ジカルボン酸ジメチル380部、5−スルホテレフタル
酸ジメチルナトリウム塩29部、エチレングリコール3
89部および触媒として酢酸カルシウム2.5部を仕込
み、窒素流入下180℃で2時間かけて、メタノールを
除去しながら攪拌を続けた。次いで7mmHgの減圧下で過
剰のエチレングリコール等の留出物を除去しながら、2
10℃にて2時間反応を進行させた。更に、触媒として
テトラブチルチタネート1.8部を加え、250℃まで
昇温した。次いで0.1mmHgの減圧下で2時間反応させ
た後、窒素加圧下ストランド状に取り出し、ペレタイズ
を行うことによって、ペレット状のポリエーテルを得
た。以下これを帯電防止剤Eと称する。この帯電防止剤
Eについて、実施例1と同様に測定した溶融粘度は30
5Pa・sであった。
【0076】実施例6 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量600のポリ
(エチレンオキシド)グリコール付加物600部、2,
2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン20部、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル
419部、スルホイソフタル酸ジメチルカリウム塩35
部、エチレングリコール432部および触媒として酢酸
カルシウム0.8部を仕込み、窒素流入下180℃で2
時間かけて、メタノールを除去しながら攪拌を続けた。
次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコール等
の留出物を除去しながら、210℃にて2時間反応を進
行させた。更に、触媒としてテトラブチルチタネート
1.9部を加え、250℃まで昇温した。次いで0.1
mmHgの減圧下で5時間反応させた後、窒素加圧下ストラ
ンド状に取り出し、ペレタイズを行うことによって、ペ
レット状のポリエーテルエステルを得た。以下これを帯
電防止剤Fと称する。この帯電防止剤Fについて、実施
例1と同様に測定した溶融粘度は211Pa・sであっ
た。
【0077】実施例7 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量3000のポ
リ(エチレンオキシド)グリコール付加物580部、
2,2−ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン20部、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメ
チル430部、エチレングリコール420部および触媒
として酢酸カルシウム1.8部を仕込み、窒素流入下1
80℃で2時間かけて、メタノールを除去しながら攪拌
を続けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレング
リコール等の留出物を除去しながら、210℃にて2時
間反応を進行させた。更に、触媒としてテトラブチルチ
タネート1.9部を加え、250℃まで昇温した。次い
で0.1mmHgの減圧下で5時間反応させた後、窒素加圧
下ストランド状に取り出し、ペレタイズを行うことによ
って、ペレット状のポリエーテルエステルを得た。以下
これを帯電防止剤Gと称する。この帯電防止剤Gについ
て、実施例1と同様に測定した溶融粘度は272Pa・
sであった。
【0078】比較例1 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量1011のポ
リエチレングリコール608部、テレフタル酸ジメチル
429部、エチレングリコール420部および触媒とし
て酢酸カルシウム2.8部を仕込み、窒素流入下180
℃で2時間かけて、メタノールを除去しながら攪拌を続
けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレングリコ
ール等の留出物を除去しながら、210℃にて2時間反
応を進行させた。更に、触媒としてテトラブチルチタネ
ート1.8部を加え、250℃まで昇温した。次いで
0.4mmHgの減圧下で3時間反応させた後、窒素加圧下
ストランド状に取り出し、ペレタイズを行うことによっ
て、ペレット状のポリエーテルエステルを得た。以下こ
れを帯電防止剤Gと称する。この帯電防止剤Hについ
て、実施例1と同様に測定した溶融粘度は、80Pa・
sであった。
【0079】比較例2 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量572のポリ
(エチレンオキシド)グリコール552部、ヘキサメチ
レンジアミンとアジピン酸からあらかじめ調製したナイ
ロン6・6塩(AH塩)80部、アジピン酸141部お
よび触媒としてテトラブチルチタネート0.8部を仕込
み、窒素流入下220℃で1時間加熱撹拌した後、26
0℃、1mmHg以下の減圧下で6時間反応を進行させた。
反応後、実施例1と同様の操作により、ペレット状のポ
リエーテルエステルアミドを得た。以下これを帯電防止
剤Iと称する。この帯電防止剤Iについて、実施例1と
同様に測定した溶融粘度は、82Pa・sであった。
【0080】比較例3 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量1010のポ
リ(エチレンオキシド)グリコール614部、テレフタ
ル酸ジメチル361部、5−スルホイソフタル酸ジメチ
ルナトリウム塩69部、エチレングリコール390部お
よび触媒として酢酸カルシウム2.7部を仕込み、窒素
流入下180℃で2時間かけて、メタノールを除去しな
がら攪拌を続けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰のエ
チレングリコール等の留出物を除去しながら、210℃
にて2時間反応を進行させた。更に、触媒としてテトラ
ブチルチタネート1.5部を加え、250℃まで昇温し
た。次いで0.3mmHgの減圧下で2時間反応させ、冷却
パンに取り出した。冷却後、カッティングすることによ
って、ペレット状のポリエーテルエステルを得た。以下
これを帯電防止剤Kと称する。この帯電防止剤Kの溶融
粘度は、レオメーターRDS−II(RHEOMETRI
C INC.製、以下RDSと表記)を用いて、窒素雰
囲気下250℃、回転数100rpmで測定したところ、
その測定値は84Pa・sであった。
【0081】比較例4 温度調節器、窒素導入管、撹拌装置(ダブルヘリカル
翼)を備え付けたフラスコに数平均分子量572のポリ
(エチレンオキシド)グリコール615部、テレフタル
酸ジメチル419部、スルホイソフタル酸ジメチルカリ
ウム塩35部、エチレングリコール432部および触媒
として酢酸カルシウム0.8部を仕込み、窒素流入下1
80℃で2時間かけて、メタノールを除去しながら攪拌
を続けた。次いで10mmHgの減圧下で過剰のエチレング
リコール等の留出物を除去しながら、210℃にて2時
間反応を進行させた。更に、触媒としてテトラブチルチ
タネート1.9部を加え、250℃まで昇温した。次い
で0.1mmHgの減圧下で5時間反応させ、冷却パンに取
り出した。冷却後、カッティングすることによって、ペ
レット状のポリエーテルエステルを得た。以下これを帯
電防止剤Lと称する。この帯電防止剤Lについて、実施
例1と同様に測定した溶融粘度は、17Pa・sであっ
た。
【0082】実施例8〜23および比較例3〜13 各成分を下記第1表〜第7表に示す割合で混合し、
(株)東洋精機製作所製25mm2軸押出機を用いて、
PC系は270℃で、PS系およびPMMA系は220
℃で、混練押出した。得られたペレットを(株)山城精
機製1オンス射出成形機を用い、PS系はシリンダー温
度230℃にて、PC系は265℃にて、PMMA系は
220℃にて、次の各評価を行った。評価結果を第1表
〜第7表に示す。
【0083】(1)落錘衝撃試験 ASTM D−3763に準拠して、計装化落錘衝撃試
験装置Dynatup(GeneralResearch Corporation製 GRC
730-I型)を80×80×3mmの平板を試験板として
用いて実施した。 (2)帯電防止性能試験 80×80×3mmの平板を23℃、相対湿度50%で
24時間状態調整後、SM−8210型超絶縁計(東亜
電波工業(株)製)を用いて表面固有抵抗を測定した。
測定値の単位はΩ/□である。 (3)透明性試験 JIS K7105に準拠して、30×30×3mmの
平板を試験板としてヘイズメーター(日本電色工業
(株)製 型式ND−1001DP)を用いて、全光線
透過率(%)を測定した。 (4)耐候性 63℃、500hrフェードメーター照射後の強度保持
率を測定した。 (5)耐水性 100℃、24hr処理後の強度保持率を測定した。 (6)耐薬品性 30℃、トルエン/アセトン(=1/1)混合溶液で2
4hr処理後の強度保持率を測定した。
【0084】尚、表中、PCは、三菱エンジニアリング
プラスチック(株)製「S−3000」を、PSは、大
日本インキ化学工業(株)製「ディックスチレンGR−
3500」を、PMMAは、三菱レイヨン(株)製「ア
クリペットMD」を、SMAAはスチレン/メタアクリ
ル酸(=85/15)からなる共重合物を、また、DB
Sは竹本油脂(株)製ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムを表す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】
【0093】
【表9】
【0094】
【発明の効果】本発明が解決しようとする課題は、成型
品の耐薬品性、耐水性、耐候性等を低下させることな
く、帯電防止効果の優れた持続性を付与することがで
き、また、透明性の熱可塑性樹脂に配合した際にその透
明性を損なうことのない、帯電防止剤、および、これら
の性能を兼備した熱可塑性樹脂組成物を提供できる。従
って、本発明の帯電防止性樹脂組成物は、電化製品のハ
ウジング材、電気製品の部品、自動車部品、包装材料、
家具等に有用である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子構造中にフッ素原子を有する炭化水
    素骨格を含有するポリエーテルエステルを有することを
    特徴とする帯電防止剤。
  2. 【請求項2】 フッ素原子を有する炭化水素骨格がヘキ
    サフルオロプロパンである請求項1記載の帯電防止剤。
  3. 【請求項3】 ポリエステルエーテルの分子構造中に、
    スルホン酸塩を有している請求項1又は2記載の帯電防
    止剤。
  4. 【請求項4】 ポリエーテルエステルの数平均分子量が
    1,000〜1,000,000である請求項1、2又
    は3記載の帯電防止剤。
  5. 【請求項5】 ポリエーテルエステルが、 (a1)フッ素原子を有する炭化水素骨格を有する多価
    アルコール、多価カルボン酸若しくはそのエステル、 (a2)多価カルボン酸 (a3)ポリアルキレンオキシド骨格含有ジオール、及
    び、 (a4)アルキレングリコールを必須成分として反応さ
    せて得られるものである請求項1、2又は4記載の帯電
    防止剤。
  6. 【請求項6】 ポリエーテルエステルが、 (a1)フッ素原子を有する炭化水素骨格を有する多価
    アルコール、多価カルボン酸若しくはそのエステル、 (a2)多価カルボン酸 (a3)ポリアルキレンオキシド骨格含有ジオール、 (a4)アルキレングリコール、及び、 (a5)スルホン化フタル酸塩又はそのエステルを必須
    成分として反応させて得られるものである請求項1、
    2、3又は4記載の帯電防止剤。
  7. 【請求項7】 ポリアルキレンオキシド骨格含有ジオー
    ル(a2)が、ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
    ル、または、ビスフェノール類のポリ(アルキレンオキ
    シド)グリコール付加物である請求項5又は6記載の帯
    電防止剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1つに記載の帯
    電防止剤と、熱可塑性樹脂を必須成分とすることを特徴
    とする帯電防止性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 帯電防止剤の含有率が、1〜30重量%
    である請求項8記載の帯電防止性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 熱可塑性樹脂が、透明性熱可塑性樹脂
    である請求項8又は9記載の帯電防止性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート系
    樹脂、ポリエステル系樹脂またはスチレン系樹脂である
    請求項8、9又は10記載の帯電防止性樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009007548A (ja) * 2007-05-30 2009-01-15 Toyobo Co Ltd 共重合ポリエステル樹脂

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