JPH11303982A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

Info

Publication number
JPH11303982A
JPH11303982A JP10109868A JP10986898A JPH11303982A JP H11303982 A JPH11303982 A JP H11303982A JP 10109868 A JP10109868 A JP 10109868A JP 10986898 A JP10986898 A JP 10986898A JP H11303982 A JPH11303982 A JP H11303982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
automatic transmission
program
control
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10109868A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihide Ito
彰英 伊藤
Noriyuki Takahashi
徳行 高橋
Katsumi Kono
克己 河野
Noriki Asahara
則己 浅原
Takashi Inoue
孝志 井上
Masato Kaigawa
正人 甲斐川
Shigeru Azeyanagi
滋 畔柳
Akihito Iwai
岩井  明史
Yasuhiro Kanzaki
靖宏 神崎
Takuhiro Tarumoto
拓啓 樽本
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
Shinsuke Tanaka
伸介 田中
Toshihiro Kashiwabara
俊浩 柏原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd, Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP10109868A priority Critical patent/JPH11303982A/ja
Publication of JPH11303982A publication Critical patent/JPH11303982A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動変速機の変速に伴っておこなわれる制御
のプログラムを簡略化することの可能な自動変速機の変
速制御装置を提供する。 【解決手段】 車両の走行状態に基づいて自動変速機を
変速させるか否かを判断する変速判断手段(ステップ
1,3)と、変速判断手段(ステップ1,3)により自
動変速機を変速させる判断が成立した場合に、自動変速
機の変速に伴って、所定の制御内容に対応するプログラ
ムを選択するプログラム選択手段(ステップ4ないし
6)とを備えた自動変速機の変速制御装置において、プ
ログラムが、変速の種類毎に独立した複数のサブプログ
ラムからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動変速機の変
速制御装置に関し、特に、電子制御装置に記憶されてい
るプログラムに基づいて、所定の制御をおこなう自動変
速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両に搭載されている電子制御
式の自動変速機は、複数組の遊星歯車により構成された
歯車変速機構と、この歯車変速機構のトルク伝達経路を
切り換える摩擦係合装置と、摩擦係合装置の動作を油圧
により制御する油圧制御装置と、車両の走行状態に基づ
いて、油圧制御装置の各種のソレノイドバルブを制御す
る電子制御装置とを備えている。
【0003】この電子制御装置は、中央演算処理装置
(CPU)および記憶装置(RAM、ROM)ならびに
入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュ
ータにより構成されている。記憶装置には、車速やアク
セル開度などのパラメータに基づいて自動変速機の変速
を判断する変速線図や、変速時に油圧制御装置を制御す
るためのデータなどが記憶されている。また、電子制御
装置には、各種のセンサの信号が入力されるように構成
されている。
【0004】そして、各種のセンサにより検出される車
両の走行状態に基づいて、自動変速機の変速を判断し、
変速判断が成立した場合には摩擦係合装置を係合・解放
して変速が実行される。このような電子制御式の自動変
速機の制御装置の一例が実開昭4−128569号公報
に記載されている。
【0005】ところで、自動変速機においては、各変速
段を達成するための摩擦係合装置が受け持つトルクの変
化や、回転部材の慣性力の変化などにより、自動変速機
の出力トルクが急激に変化し、このトルクの変動が変速
ショックとして体感される可能性がある。
【0006】このため、電子制御式の自動変速機におい
ては、変速ショックを抑制するために、変速過渡時にク
ラッチやブレーキなどの摩擦係合装置の油圧を制御し
て、慣性トルクをこれらの摩擦係合装置で吸収してい
る。また、変速過渡時にエンジンの点火時期の遅角制御
をおこなってエンジントルクを一時的に低下させること
により、摩擦係合装置で吸収するエネルギー量を減少さ
せて変速ショックを低下させている。このように、変速
ショックを抑制するために変速に伴っておこなわれる制
御のプログラムは、記憶装置に記憶されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電子
制御式の自動変速機においては、変速の種類が異なる場
合であっても一つのプログラムとして記憶装置に記憶さ
れていた。したがって、所定の種類の変速に関する一部
のプログラムを変更する場合でも、プログラム全体を修
正しなければならず面倒であり、また、バグ(プログラ
ムの誤り)を生じやすかった。
【0008】また、プログラムのデバッグ(誤りの発
見)をする場合にも、プログラム全体を対象としなけれ
ばならなかった。さらに、プログラムの一部を変更した
場合に、デバッグによりその変更箇所を視覚的に発見す
ることが困難であった。したがって、プログラムの変更
および修正に要する工数が増大し、プログラムの作成コ
ストが高くなるとともに、プログラムの品質が低下する
問題があった。
【0009】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、自動変速機の変速に伴っておこなわれ
る制御のプログラムを簡略化することの可能な自動変速
機の変速制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するためこの発明は、自動変速機の変速を判断
する変速判断手段と、この変速判断手段により前記自動
変速機の変速判断が成立した場合に、前記自動変速機の
変速に伴っておこなわれる制御のプログラムを選択する
プログラム選択手段とを備えた自動変速機の変速制御装
置において、前記プログラムが、変速の種類毎に独立し
た複数のサブプログラムからなることを特徴とする。
【0011】ここで、変速に伴っておこなわれる制御と
は、例えば、変速ショックを抑制するために変速過渡時
におこなわれる制御であり、具体的には、自動変速機に
対してトルクを伝達するエンジンのトルクをダウンさせ
る制御と、自動変速機の摩擦係合装置を制御するために
設けられている油圧制御装置の油圧回路のライン圧を変
更する制御と、摩擦係合装置の係合圧を調整する制御
と、エンジンと自動変速機との間のトルク伝達経路に設
けられているロックアップクラッチの動作の制御とが含
まれる。
【0012】この発明によれば、自動変速機の変速に伴
っておこなわれる所定の制御プログラムが、変速の種類
毎に独立した複数のサブプログラムから構成されてい
る。このため、変速の種類毎にサブプログラムが簡略化
され、そのサブプログラムの変更やデバッグを、変速の
種類毎に単独で容易におこなうことが可能になる。ま
た、変更されたプログラムの確認も、サブプログラム毎
に別個におこなうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を図面に基づいて
より具体的に説明する。図2は、この発明が適用される
車両の全体的な制御系統を示すブロック図であり、駆動
力源としてのエンジン1の出力側には自動変速機2が連
結されている。エンジン1は、その出力を電気的に制御
するように構成されており、エンジン1の吸気管3に
は、サーボモータ4によって駆動される電子スロットル
バルブ5が設けられている。また、エンジン1は、燃焼
室1Aの燃料噴射量を制御するインジェクタ6Aを含む
燃料噴射制御装置6と、スパークプラグ7Aおよびディ
ストリビュータ7Bおよびイグニッションコイル7Cを
含む点火時期制御装置7とを備えている。
【0014】一方、エンジン1に対する出力要求を表す
アクセルペダル8の踏み込み量、すなわちアクセル開度
は、アクセルペダルスイッチ9によって検出され、その
検出信号がエンジン用電子制御装置(E−ECU)10
に入力されている。このエンジン用電子制御装置10
は、中央演算処理装置(CPU)11、記憶装置(RA
M、ROM)12、入力インターフェース13、出力イ
ンターフェース14を主体とするマイクロコンピュータ
により構成されている。
【0015】このエンジン用電子制御装置10には、制
御のためのデータとして、エンジン(E/G)回転数N
e を検出するエンジン回転数センサ15の信号、吸入空
気量Qを検出する吸入空気量センサ16の信号、吸入空
気温度を検出する吸入空気温度センサ17の信号、電子
スロットルバルブ5の開度を検出するスロットルセンサ
18の信号などが入力されている。
【0016】さらにエンジン用電子制御装置10には、
自動変速機2の出力軸の回転数を検出する出力回転数セ
ンサ19の信号、エンジン水温を検出するエンジン水温
センサ20の信号、ブレーキペダル21の踏み込み量を
検出するブレーキスイッチ22からの信号などが入力さ
れている。この出力回転数センサ19の信号に基づい
て、車速が演算される。
【0017】そしてエンジン用電子制御装置10によ
り、各種のセンサやスイッチにより検出されるデータを
演算処理することで車両の走行状態が判断され、この判
断結果に基づいて、電子スロットルバルブ5の開度、燃
料噴射制御装置6の燃料噴射量、点火時期制御装置7の
点火時期のうちの少なくとも1つが制御される。
【0018】図3は、上記の自動変速機2のギアトレー
ンの一例を示すスケルトン図であり、図3においては、
前進5段・後進1段の変速段を設定する有段式の自動変
速機2が示されている。すなわち、自動変速機2は、ト
ルクコンバータ23と、副変速部24と、主変速部25
とを備えている。トルクコンバータ23は、ポンプイン
ペラ26に一体化させたフロントカバー27と、タービ
ンランナ28を一体に取付けた部材、言い換えればハブ
29と、ロックアップクラッチ30とを有している。
【0019】フロントカバー27はエンジン1のクラン
クシャフト31に連結され、またタービンランナ28に
連結された入力軸32は、副変速部24を構成するオー
バドライブ用の遊星歯車機構33のキャリヤ34に連結
されている。
【0020】この遊星歯車機構33を構成するキャリヤ
34とサンギヤ35との間には、多板クラッチC0 と一
方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラ
ッチF0 は、サンギヤ35がキャリヤ34に対して相対
的に正回転、つまり、入力軸32の回転方向に回転した
場合に係合するようになっている。そして、副変速部2
4の出力要素であるリングギヤ36が、主変速部25の
入力要素である中間軸37に接続されている。また、サ
ンギヤ35の回転を選択的に止める多板ブレーキB0 が
設けられている。
【0021】したがって副変速部24は、多板クラッチ
C0 もしくは一方向クラッチF0 が係合した状態で遊星
歯車機構33の全体が一体となって回転するため、中間
軸37が入力軸32と同速度で回転し、低速段となる。
またブレーキB0 を係合させてサンギヤ35の回転を止
めた状態では、リングギヤ36が入力軸32に対して増
速されて正回転し、高速段となる。
【0022】他方、主変速部25は三組の遊星歯車機構
38,39,40を備えており、それらの回転要素が以
下のように連結されている。すなわち第1遊星歯車機構
38のサンギヤ41と第2遊星歯車機構39のサンギヤ
42とが互いに一体的に連結されている。また、第1遊
星歯車機構38のリングギヤ43と、第2遊星歯車機構
39のキャリヤ44と、第3遊星歯車機構40のキャリ
ヤ45とが連結され、かつそのキャリヤ45に出力軸4
6が連結されている。さらに第2遊星歯車機構39のリ
ングギヤ47が、第3遊星歯車機構40のサンギヤ48
に連結されている。
【0023】この主変速部25の歯車列では後進段と前
進側の四つの変速段とを設定することができ、そのため
のクラッチおよびブレーキが以下のように設けられてい
る。先ずクラッチについて述べると、互いに連結されて
いるリングギヤ47およびサンギヤ48と、中間軸37
との間に第1クラッチC1 が設けられている。また、互
いに連結された第1遊星歯車機構38のサンギヤ49お
よび第2遊星歯車機構39のサンギヤ42と、中間軸3
7との間に第2クラッチC2 が設けられている。
【0024】つぎにブレーキについて述べると、第1ブ
レーキB1 はバンドブレーキであって、第1遊星歯車機
構38および第2遊星歯車機構39のサンギヤ49,4
2の回転を止めるように配置されている。またこれらの
サンギヤ49,42とケーシング50との間には、第1
一方向クラッチF1 と多板ブレーキである第2ブレーキ
B2 とが直列に配列されている。第1一方向クラッチF
1 はサンギヤ49,42が逆回転、つまり入力軸32の
回転方向とは反対方向に回転しようとする際に係合する
ようになっている。
【0025】多板ブレーキである第3ブレーキB3 が、
第1遊星歯車機構38のキャリヤ51とケーシング50
との間に設けられている。そして第3遊星歯車機構40
のリングギヤ52の回転を止めるブレーキとして、多板
ブレーキである第4ブレーキB4 と第2一方向クラッチ
F2 とが設けられている。第4ブレーキB4 および第2
一方向クラッチF2 は、ケーシング50とリングギヤ5
2との間に相互に並列に配置されている。なお、この第
2一方向クラッチF2 はリングギヤ52が逆回転しよう
とする際に係合するように構成されている。
【0026】上記のように構成された自動変速機2にお
いては、各クラッチやブレーキを図4の動作図表に示す
ように係合・解放することにより、前進5段・後進1段
の変速段を設定することができる。なお、図4において
○印は係合状態、●印はエンジンブレーキ時に係合状
態、△印は係合・解放のいずれでもよいこと、空欄は解
放状態をそれぞれ示す。
【0027】そして、この実施例では、シフトレバー5
3のマニュアル操作により、P(パーキング)レンジ、
R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D
(ドライブ)レンジ、3レンジ、2レンジ、Lレンジの
各レンジを設定可能になっている。
【0028】また、図2に示された油圧制御装置54に
より、自動変速機2における変速段の設定または切り換
え制御、ロックアップクラッチ30の係合・解放やスリ
ップ制御、油圧制御装置54の油圧回路のライン圧の制
御、摩擦係合装置の係合圧の制御などがおこなわれる。
この油圧制御装置54は電気的に制御されるもので、自
動変速機2の変速を実行するための第1ないし第3のシ
フトソレノイドバルブS1 ,〜S3 と、エンジンブレー
キ状態を制御するための第4ソレノイドバルブS4 とを
備えている。
【0029】さらに、油圧制御装置54は、油圧回路の
ライン圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLT
と、自動変速機2の変速過渡時におけるアキュームレー
タ背圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLN
と、ロックアップクラッチ30や所定の摩擦係合装置の
係合圧を制御するためのリニアソレノイドバルブSLUと
を備えている。
【0030】さらにまた、油圧制御装置54には自動変
速機用電子制御装置(T−ECU)55が接続されてお
り、この自動変速機用電子制御装置55は、中央演算処
理装置(CPU)56、記憶装置(RAM、ROM)5
7、入力インターフェース58、出力インターフェイス
59を主体とするマイクロコンピュータにより構成され
ている。
【0031】この自動変速機用電子制御装置55には、
自動変速機2を制御するためのデータとしてスロットル
センサ18の信号、出力回転数センサ19の信号、エン
ジン水温センサ20の信号、ブレーキスイッチ22の信
号、シフトレバー53のマニュアル操作を検出するシフ
トポジションセンサ60の信号、自動変速機2の制御に
適用される変速線図を変更または補正するパターンセレ
クトスイッチ61の信号、オーバドライブスイッチ62
の信号、多板クラッチC0 の回転速度を検出する入力回
転数センサ63の信号、自動変速機2の作動油温を検出
する油温センサ64の信号などが入力されている。
【0032】自動変速機用電子制御装置55とエンジン
用電子制御装置10とは、相互にデータ通信可能に接続
されており、エンジン用電子制御装置10から自動変速
機用電子制御装置55に対しては、1回転当たりの吸入
空気量(Q/Ne )などの信号が送信され、また自動変
速機用電子制御装置55からエンジン用電子制御装置1
0に対しては、各ソレノイドバルブに対する指示信号と
同等の信号および変速段を指示する信号などが送信され
ている。
【0033】また、自動変速機用電子制御装置55に
は、自動変速機2の変速を制御する変速線図(変速マッ
プ)が記憶されている。この変速線図には、車両の走行
状態、例えばアクセル開度と車速とをパラメータとし
て、所定の変速段から他の変速段に変速するための変速
点が設定されている。そして、この変速線図に基づいて
自動変速機2の変速が判断され、変速判断が成立した場
合は、自動変速機用電子制御装置55からソレノイドバ
ルブに対して制御信号が入力されることにより、所定の
摩擦係合装置の係合・解放がおこなわれる。
【0034】さらに、自動変速機用電子制御装置55に
は、ロックアップクラッチ30の動作を制御するロック
アップクラッチ制御マップが記憶されている。このロッ
クアップクラッチ制御マップには、アクセル開度および
車速をパラメータとして、ロックアップクラッチ30を
係合または解放する領域、もしくはスリップ制御する領
域が設定されている。さらにまた、自動変速機用電子制
御装置55は、各種のソレノイドバルブのフェールを判
断し、この判断結果に基づいて車両の走行に支障が生じ
ないように構成要素の状態を制御するフェールセーフ機
能とを備えている。
【0035】一方、自動変速機2の変速過渡時において
は、摩擦係合装置の係合圧、つまりトルク容量の変化
や、回転部材の慣性力の変化により、自動変速機2の出
力トルクが急激に変化し、このトルクの変動が変速ショ
ックとして体感される可能性がある。そこで、自動変速
機2の変速過渡時における変速ショックを抑制するため
に、エンジン1のトルクを低下させる制御、油圧制御装
置54の油圧回路のライン圧の制御、摩擦係合装置の係
合圧の制御、ロックアップクラッチ30の制御などの複
数種類の制御がおこなわれる。以下、これらの制御につ
いて簡単に説明する。
【0036】エンジン用電子制御装置10は、入力され
た信号およびデータに基づいて、燃料噴射量および点火
時期ならびに電子スロットルバルブ13の開度などを制
御している。そして、自動変速機2の変速過渡時には、
点火時期制御装置7の点火時期を遅角させる制御、また
は燃料噴射制御装置7により燃料噴射量を削減する制
御、もしくは電子スロットルバルブ4の開度を絞る制御
のうち、少なくとも一つをおこなうことにより、エンジ
ン1の出力トルクを一時的に低減させる制御がおこなわ
れる。
【0037】また、油圧制御装置54の油圧回路のライ
ン圧は、リニアソレノイドバルブSLTにより制御されて
いる。このリニアソレノイドバルブSLTは通電電流に比
例した油圧を発生する機能を備えている。そして、変速
過渡時には、リニアソレノイドバルブSLTのデューテイ
比を制御することにより、ライン圧が調節される。
【0038】さらに、自動変速機2の変速段を達成する
摩擦係合装置の係合圧は、アキュムレータ背圧により制
御されており、このアキュムレータ背圧は、リニアソレ
ノイドバルブSLNにより調圧されている。このリニアソ
レノイドバルブSLNは通電電流に比例した油圧を発生す
る機能を備えている。そして、変速過渡時には、リニア
ソレノイドバルブSLNのデューテイ比を制御することに
より、摩擦係合装置の係合圧を調節する。
【0039】さらにまた、ロックアップクラッチ30の
係合中に変速をおこなうと、トルクコンバータ23によ
るトルク変動の吸収作用が得られないため、変速ショッ
クが増大する可能性がある。そこで、自動変速機2の変
速時にロックアップクラッチ30を一時的に解放するこ
とにより、フロントカバー27から入力軸32に伝達さ
れるトルクの変動を軽減する制御がおこなわれる。
【0040】自動変速機2の変速ショックを抑制するた
めの各種の制御は、自動変速機2の変速進行過程でリア
ルタイムに実行される。このため、自動変速機用電子制
御装置55は、自動変速機2の入力回転数および出力回
転数ならびに変速比などに基づいて、変速の進行度合い
(進行状況)をリアルタイムに判断する機能を備えてい
る。
【0041】これらの変速ショックを抑制するための各
種の制御は、変速の種類毎に制御の内容(具体的にはエ
ンジントルクの低減値、または油圧や摩擦係合装置の係
合圧の高低、ロックアップクラッチ30の係合圧の高低
など)が同一の場合と異なる場合とがある。また、変速
の種類毎に制御の開始時期および終了時期が同じ場合
と、制御の開始時期または終了時期の少なくとも一方が
相違する場合とがある。さらに、特定の種類の変速に限
りおこなわれる制御と、特性の種類の変速に限りおこな
われない制御とがある。
【0042】そして、この実施例においては、図5に示
すように、変速ショックを抑制するための種類の異なる
変速制御X1、Y1、Z1などに対応するプログラム
が、変速の種類毎に独立した複数のサブルーチン、言い
換えればサブプログラム(便宜上、四角い枠で区分され
たブロックで示す)により構成されている。そして、こ
れらのサブプログラムが、エンジン用電子制御装置10
または自動変速機用電子制御装置55に記憶されてい
る。図5において、各ブロックの上段に記載された数字
は自動変速機2の変速段を示し、数字同士の間に示され
た矢印は、左側の数字の変速段から右側の数字の変速段
にアップシフトする場合を意味している。
【0043】つまり、図5の概念図は、所定の変速段か
ら他の変速段にアップシフトする場合の変速過渡時にお
こなわれる制御プログラムを、変速の種類毎に独立した
複数のサブプログラムにより構成する場合の一例を示し
ている。なお、図5の概念図においては、自動変速機2
のアップシフト時におこなわれる制御プログラムを複数
のサブプログラムにより構成しているが、これと同様に
して自動変速機2がダウンシフトする場合の制御プログ
ラムについても、独立した複数のサブプログラムを構成
することも可能である。
【0044】また、独立したサブプログラムの概念に
は、処理手順の開始から終了に至るまでの過程、すなわ
ち、単一のフローチャート全体をサブプログラムとして
把握する場合が含まれる。また、独立したサブプログラ
ムの概念には、単一のフローチャートの処理手順の開始
後に、処理手順の途中で変速の種類を判断するステップ
が存在し、この判断ステップを分岐点として変速の種類
毎に異なる制御内容のステップが設定されている場合に
おいて、判断ステップについでおこなわれる処理手順か
ら終了に到達するまでの過程で変速の種類毎におこなわ
れる処理手順をサブプログラムとして把握する場合も含
まれる。つまり、後者の場合は、単一のフローチャート
全体が、複数の独立したサブプログラムにより構成され
ていることになる。
【0045】そして、変速の種類(変速パターン)と、
その変速の進行状況とをパラメータとして、各サブプロ
グラムに対応する関数アドレスのテーブル(図示せず)
が設定されている。つまり、各サブプログラム毎に、異
なる関数アドレスが設定されている。したがって、各サ
ブプログラムのいずれかを選択、変更、削除、修正する
場合は、ポインタを使用して関数アドレスのコールをお
こなえばよい。
【0046】つぎに、上記ハード構成を有する車両の変
速制御例を、図1のフローチャートに基づいて説明す
る。まず、各種のセンサにより検出された信号がエンジ
ン用電子制御装置10および自動変速機用電子制御装置
55に対して入力されるとともに、変速線図に基づいて
自動変速機2の変速判断がおこなわれる(ステップ
1)。また、自動変速機2の入力回転数および出力回転
数ならびに変速比に基づいて、変速の進行度合いが判定
される(ステップ2)。このステップ1およびステップ
2は、車両の走行中に常時おこなわれている。
【0047】そして、各種のセンサにより検出される信
号に基づいて、自動変速機2の変速をおこなうか否かが
判断される(ステップ3)。ステップ3で変速判断が成
立した場合は、その変速の種類(変速パターン)が判定
される(ステップ4)。ステップ4の判定は、車速およ
びスロットル開度をパラメータとする変速線図に基づい
ておこなわれる。
【0048】ついで、ステップ4で判定された変速パタ
ーンと、その変速の進行度合いとに基づいて、実施すべ
き制御のプログラムが選択される(ステップ5)。具体
的には、該当するサブプログラムの関数アドレスが選択
される。その後、選択された関数アドレスがポインタを
使用してコールされ(ステップ6)、この制御ルーチン
を終了する。なお、ステップ3で否定判断された場合
は、変速ショックを抑制する制御をおこなう必要性がな
いため、そのまま制御ルーチンを終了する。
【0049】ここで、図1に示された機能的手段とこの
発明の構成との対応関係を説明する。ステップ1および
ステップ3が、この発明の変速判断手段に相当し、ステ
ップ4ないしステップ6が、この発明のプログラム選択
手段に相当する。
【0050】以上のように、この発明によれば、自動変
速機2の変速過渡時におこなわれる所定の制御プログラ
ムが、変速の種類毎に独立したサブプログラムにより構
成されている。このため、個々のサブプログラムが簡略
化され、そのサブプログラムの変更や、サブプログラム
の視覚的な確認およびデバッグを、各サブプログラム毎
に単独で容易におこなうことが可能になる。具体的に
は、制御プログラムの一部の削除および追加ならびに変
更を、関数アドレスのテーブルを変更するのみでおこな
うことができる。したがって、プログラムの作成や変更
ひいていは修正工数が低減され、プログラムの調整に要
するコストが抑制される。また、バグが生じにくく、デ
バッグも容易でありプログラムの品質が向上する。
【0051】なお、上記実施例において、自動変速機2
の変速過渡時におこなわれる制御内容は変速ショックに
関係のない制御をおこなうことも可能である。
【0052】ここで、上記の実施例に開示されたこの発
明の特徴的な構成を列挙すれば以下の通りである。すな
わち、車両の走行状態に基づいて、自動変速機の変速を
判断する変速判断手段と、この変速判断手段により前記
自動変速機の変速判断が成立した場合に、複数種類の摩
擦係合装置を係合・解放させて歯車変速機構のトルク伝
達経路を切り換えて変速を実行する摩擦係合装置制御手
段と、前記自動変速機の変速に伴っておこなわれる制御
のプログラムを選択するプログラム選択手段とを備えた
自動変速機の変速制御装置において、前記プログラム
が、変速の種類毎に独立した複数のサブプログラムから
なることを特徴とする自動変速機の変速制御装置であ
る。
【0053】また、車両の走行状態に基づいて、自動変
速機の変速を判断する変速判断手段と、この変速段判断
手段により判断された変速が、いずれの変速段からいず
れの変速段への変速であるかを判断する変速パターン判
定手段と、前記自動変速機に設けられている複数の摩擦
係合装置を係合・解放させることにより、歯車変速機構
のトルク伝達経路を切り換えて変速を実行する摩擦係合
装置制御手段と、前記変速パターン判定手段により判定
された変速の進行度合いを判定する変速度合い判定手段
と、前記変速パターンおよび変速の進行度合いに基づい
て、所定の制御内容のプログラムを選択するプログラム
選択手段とを備えた自動変速機の変速制御装置におい
て、前記プログラムが、変速の種類毎に独立した複数の
サブプログラムからなることを特徴とする自動変速機の
変速制御装置である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
自動変速機の変速に伴っておこなわれる制御のプログラ
ムが、変速の種類毎に独立した複数のサブプログラムか
らなる。このため、個々のサブプログラムが簡略化さ
れ、そのサブプログラムの変更や、サブプログラムの視
覚的な確認およびデバッグを容易におこなうことが可能
になる。
【0055】つまり、制御プログラムの一部の削除およ
び追加ならびに変更もしくは選択を、各サブプログラム
毎に単独でおこなうことができる。したがって、プログ
ラムの作成や変更、ひいていは修正工数が低減され、プ
ログラムの調整コストが抑制される。また、バグが生じ
にくく、デバッグも各サブプログラム毎に単独で容易に
おこなうことができ、プログラムの品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の自動変速機の変速制御装置で実行
される制御内容を説明するためのフローチャートであ
る。
【図2】 この発明が適用される車両の全体的な制御系
統を示すブロック図である。
【図3】 この発明で対象とする自動変速機のギヤトレ
インの一例を示すスケルトン図である。
【図4】 図3の自動変速機で各変速段を設定するため
の摩擦係合装置の係合・解放状態を示す図表である。
【図5】 この発明において、自動変速機の制御プログ
ラムを、独立した複数のサブプログラムにより構成した
場合の概念図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…自動変速機、 10…エンジン用
電子制御装置、 55…自動変速機用電子制御装置。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 徳行 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 河野 克己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 浅原 則己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 井上 孝志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 甲斐川 正人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 畔柳 滋 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岩井 明史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 神崎 靖宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 樽本 拓啓 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号 富士通テン株式会社内 (72)発明者 吉田 光男 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号 富士通テン株式会社内 (72)発明者 田中 伸介 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号 富士通テン株式会社内 (72)発明者 柏原 俊浩 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28号 富士通テン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機の変速を判断する変速判断手
    段と、この変速判断手段により前記自動変速機の変速判
    断が成立した場合に、前記自動変速機の変速に伴ってお
    こなわれる制御のプログラムを選択するプログラム選択
    手段とを備えた自動変速機の変速制御装置において、 前記プログラムが、変速の種類毎に独立した複数のサブ
    プログラムからなることを特徴とする自動変速機の変速
    制御装置。
JP10109868A 1998-04-20 1998-04-20 自動変速機の変速制御装置 Pending JPH11303982A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10109868A JPH11303982A (ja) 1998-04-20 1998-04-20 自動変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10109868A JPH11303982A (ja) 1998-04-20 1998-04-20 自動変速機の変速制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11303982A true JPH11303982A (ja) 1999-11-02

Family

ID=14521244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10109868A Pending JPH11303982A (ja) 1998-04-20 1998-04-20 自動変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11303982A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1052432A2 (en) * 1999-05-11 2000-11-15 Denso Corporation Automatic transmission control with object-oriented program
JP2005121111A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Isuzu Motors Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP2005147259A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Isuzu Motors Ltd 自動変速機の変速制御装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1052432A2 (en) * 1999-05-11 2000-11-15 Denso Corporation Automatic transmission control with object-oriented program
US6259984B1 (en) 1999-05-11 2001-07-10 Denso Corporation Automatic transmission control with object-oriented program
EP1052432A3 (en) * 1999-05-11 2002-05-29 Denso Corporation Automatic transmission control with object-oriented program
JP2005121111A (ja) * 2003-10-16 2005-05-12 Isuzu Motors Ltd 自動変速機の変速制御装置
JP4703957B2 (ja) * 2003-10-16 2011-06-15 いすゞ自動車株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP2005147259A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Isuzu Motors Ltd 自動変速機の変速制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7676313B2 (en) Target speed control strategy for power-off shifts in a hybrid electric vehicle
JP2008169874A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP3525678B2 (ja) 車両用原動機の制御装置
JP3395548B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JPH11303982A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP4840029B2 (ja) 車両の制御装置
JP4831193B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP7341600B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH0989091A (ja) 自動変速機の制御装置
JP3536344B2 (ja) エンジン及び自動変速機の制御装置
JPH08218909A (ja) エンジンおよび自動変速機の制御装置
JP2779801B2 (ja) 車両用自動変速機のコースト時制御の復帰装置
JP3191666B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP5119807B2 (ja) 車両の制御装置
JP2517916B2 (ja) 自動変速機及びエンジンの一体制御装置
JPH0540358Y2 (ja)
JP3565422B2 (ja) 自動変速機の電子制御装置
JP4114432B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP4946999B2 (ja) 車両の制御装置
JPH1137257A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2959929B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2658651B2 (ja) 自動変速機のライン圧制御装置
JPH09242574A (ja) 自動変速機の制御装置
JPH04345539A (ja) 自動変速機及びエンジンの一体制御装置
JPH09295527A (ja) 自動変速機およびエンジンの一体制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041130

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050531