JPH11302304A - 高分子微粒子の製造方法及び液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法 - Google Patents

高分子微粒子の製造方法及び液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法

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JPH11302304A
JPH11302304A JP10107745A JP10774598A JPH11302304A JP H11302304 A JPH11302304 A JP H11302304A JP 10107745 A JP10107745 A JP 10107745A JP 10774598 A JP10774598 A JP 10774598A JP H11302304 A JPH11302304 A JP H11302304A
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polymer fine
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hydrophobic
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JP10107745A
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English (en)
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Kazuyuki Oishi
和之 大石
Kazuhiko Shimada
一彦 嶋田
Yuji Setoguchi
雄二 瀬戸口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高架橋度を有し、親水性であり、十分な大き
さの細孔を有し、かつ親水性基が粒子表面付近に偏在し
ている均一な粒径の高分子微粒子を容易に製造すること
を可能とする方法、並びにそのような高分子微粒子を用
いた液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法を提供
する。 【解決手段】 水性分散媒に分散された疎水性高分子微
粒子(A)に、疎水性架橋性単量体(B)または疎水性
架橋性単量体(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)を
含む単量体混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収
させて、重合開始剤(F)の存在下に重合し、さらに重
合の途中で親水性単量体(G1)を添加して重合を継続
し、それによって高架橋度であり、平均細孔半径が10
0〜1000Åの細孔を有する親水性高分子微粒子(H
1)を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒径が均一な親水
性高分子微粒子及び該高分子微粒子を用いた液体クロマ
トグラフィー用充填剤の製造方法に関し、より詳細に
は、架橋度が高く、平均細孔半径が100〜1000Å
の細孔を有する親水性の高分子微粒子を製造する方法及
び該親水性高分子微粒子よりなる液体クロマトグラフィ
ー用充填剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ミクロンサイズ(0.5〜100
μm径程度)の高分子微粒子が、有機顔料、トナー粒
子、スペーサ、分離材料、生化学用担体、標準粒子、化
粧品用充填剤、各種添加剤あるいは配合剤などに幅広く
用いられている。この種の用途に用いられる高分子微粒
子では、その粒子径ができるだけ均一であることが強く
求められている。
【0003】また、用途によっては、高分子微粒子が親
水性官能基を有すること、あるいは耐圧性に優れている
ことなどが求められることがある。例えば、分離材料と
して用いられる高分子微粒子においては、イオン交換基
や親水性水酸基を保有させることにより、様々な物質を
分離する材料とすることができる。特に、液体クロマト
グラフィー用充填剤では、充填剤として、以下の特性を
有することが求められていた。すなわち、真球状の粒子
であり、平均粒径が分析用途においては1〜20μm程
度であり、粒度分布が均一であること。また、高圧下で
のカラム充填や分析が可能であるように、大きな耐圧
性、すなわち高架橋度を有することが求められていた。
特に、水系における分析においては、十分な親水性を有
することも求められていた。また、担体として用いられ
る高分子微粒子では、高分子微粒子の表面付近の親水性
官能基を利用して、化学物質や生体物質と反応させるこ
とができる。
【0004】従来のミクロンサイズの高分子微粒子の製
造方法としては、懸濁重合、乳化重合あるいは分散重合
を用いた各種方法が知られている。しかしながら、懸濁
重合法を用いた場合には、得られる高分子微粒子の粒度
分布が広いため、粒径を揃えるには煩雑な分級操作が必
要であった。また、現在の分級方法では、単分散レベル
まで分級することは非常に困難であった。
【0005】乳化重合法を用いた場合には、得られる高
分子微粒子の粒径は揃うものの、平均粒径をミクロンサ
イズまで大きくすることは非常に困難であった。さら
に、分散重合法を用いた場合には、架橋反応が困難であ
ったり、親水性単量体と疎水性単量体との共重合が困難
であったりするため、得られる高分子微粒子の種類に制
約があった。加えて、分散媒に多量の有機溶剤を必要と
するため、生産に際しての取扱いの点で難があった。
【0006】上述した問題点を解消するものとして、乳
化重合や分散重合で得られた高分子微粒子に、さらに単
量体を吸収させて重合し、粒径の均一性を保持したまま
粒径を増大させる方法が知られている。
【0007】高分子微粒子に単量体を吸収させてさらに
重合する方法において、架橋度の高い高分子微粒子を得
るには、架橋性単量体を含む単量体混合物を、高分子微
粒子内に吸収させて重合させればよいことが知られてい
る(特公平5−62605号公報)。
【0008】また、架橋反応と同時に高分子微粒子に親
水性を付与する方法として、親水性単量体と架橋性単量
体との混合物を高分子微粒子内に吸収させて重合させる
方法が知られている(例えば、特公平7−103206
号公報など)。
【0009】しかしながら、これらの方法では、重合
後に得られた架橋粒子内にも親水性単量体由来の親水性
基が存在することになるため、耐圧性が低下すること、
(pHや塩濃度などの)外部環境の変化に対する反応
が、高分子微粒子内部の親水性基の存在により遅くな
り、かつ膨潤や収縮が起きやすいこと、親水性単量体
は水に対する拡散速度が大きいため、高分子微粒子に十
分に吸収させることが困難であることなどの問題があっ
た。
【0010】他方、特開昭61−215603号公報に
は、まず疎水性単量体を高分子微粒子に吸収させた後、
親水性単量体を吸収させる方法、すなわち2段階の吸収
方法を用いることにより、親水性単量体を高分子微粒子
に効率よく吸収させ得る旨が示されている。特開昭61
−215603号公報に記載の製造方法を用いれば、上
述したすなわち親水性単量体を高分子微粒子に吸収さ
せ難い問題は改善されるとされているものの、上述した
及びの問題点は依然として解消されていなかった。
【0011】さらにこの重合方法を応用して液体クロマ
トグラフィー用充填剤に適した高分子微粒子を調製しよ
うとする試みがなされている。例えば、高分子微粒子
に、先ず、親水性単量体を含まずかつ架橋性単量体を主
として含む単量体混合物を吸収させて重合し、重合反応
の途中で親水性単量体を添加する方法が提案されている
(特開平6−262070号公報)。しかしながら、こ
の方法では、細孔半径が10〜75Åと限定されている
ため、高分子化合物と低分子化合物との混合物から、前
処理操作を行うことなく低分子化合物を逆相モードで分
離する充填剤に限定される。従って高分子化合物に対し
ても細孔内表面の官能基が作用を及ぼす必要のあるイオ
ン交換モードや、ふるいの原理を応用したゲル浸透クロ
マトグラフィーには応用することができない。
【0012】また、特公平8−7197号公報には、架
橋度が高く、多孔性で、親水性基が表面付近に偏在する
粒子よりなる液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方
法が開示されている。しかしながらこの方法では、懸濁
重合を用いているため、粒度分布の均一化が困難であ
り、煩雑な分級操作を実施しなければならなかった。
【0013】以上のように、従来の液体クロマトグラフ
ィー用充填剤の製造方法では、平均粒径がミクロンサ
イズであり、粒度分布が均一な真球状の高分子微粒子
であり、高架橋度かつ親水性を有し、さらに該親水
性基が粒子表面付近に偏在し、十分な大きさの細孔を
有するという各種条件を十分満たす充填剤を容易に得る
ことはできなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の高分子微粒子の製造方法の欠点を解消し、高架橋度を
有し、親水性であり、十分な大きさの細孔を有し、かつ
親水性基が粒子表面付近に偏在している均一な粒径の高
分子微粒子を容易に製造することを可能とする方法、並
びにそのような高分子微粒子を用いた液体クロマトグラ
フィー用充填剤の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、水性分散媒に分散された疎水性高分子微粒子(A)
に、疎水性架橋性単量体(B)または疎水性架橋性単量
体(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)を含む単量体
混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収させて、重
合開始剤(F)の存在下に重合し、さらに重合の途中で
親水性単量体(G1)を添加して重合を継続することに
より、架橋されておりかつ平均細孔半径が100〜10
00Åの細孔を有する親水性高分子微粒子(H1)を製
造することを特徴とする高分子微粒子の製造方法であ
る。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、水性分散
媒に分散された疎水性高分子微粒子(A)に、疎水性架
橋性単量体(B)または疎水性架橋性単量体(B)及び
疎水性非架橋性単量体(C)を含む単量体混合物
(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収させて、重合開始
剤(F)の存在下に重合し、さらに重合の途中で化学反
応により親水性基(I)に変換され得る官能基(J)を
有する単量体(G2)を添加して重合を継続し、重合
後、該官能基(J)を親水性基(I)に変換することに
より、架橋されておりかつ平均細孔半径が100〜10
00Åの細孔を有する親水性高分子微粒子(H2)を製
造することを特徴とする高分子微粒子の製造方法であ
る。
【0017】また、請求項3に記載の発明は、水性分散
媒に分散された疎水性高分子微粒子(A)に、疎水性架
橋性単量体(B)または疎水性架橋性単量体(B)及び
疎水性非架橋性単量体(C)を含む単量体混合物
(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収させて、重合開始
剤(F)の存在下に重合し、さらに重合の途中で親水性
単量体(G1)を添加して重合を継続することにより、
架橋されておりかつ平均細孔半径が100〜1000Å
の細孔を有する親水性高分子微粒子(H1)よりなる液
体クロマトグラフィー用充填剤を製造する方法である。
【0018】請求項3に記載の発明においては、好まし
くは、請求項4に記載のように、上記親水性単量体(G
1)としてイオン交換基を有する単量体が用いられ、親
水性高分子微粒子(H1)がイオン交換用充填剤とされ
る。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、水性分散
媒に分散された疎水性高分子微粒子(A)に、疎水性架
橋性単量体(B)または疎水性架橋性単量体(B)及び
疎水性非架橋性単量体(C)を含む単量体混合物
(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収させて、重合開始
剤(F)の存在下に重合し、さらに重合の途中で化学反
応により親水性基(I)に変換され得る官能基(J)を
有する単量体(G2)を添加して重合を継続し、重合
後、該官能基(J)を親水性基(I)に変換することに
より、架橋されておりかつ平均細孔半径が100〜10
00Åの細孔を有する親水性高分子微粒子(H2)より
なる液体クロマトグラフィー用充填剤を製造する方法で
ある。
【0020】請求項5に記載の発明においては、好まし
くは、請求項6に記載のように、上記親水性基(I)が
イオン交換基とされ、前記親水性高分子微粒子(H2)
がイオン交換用充填剤とされる。
【0021】以下、本発明の詳細を説明する。 (水性分散媒)本発明において、上記水性分散媒として
は、水または水に溶解する適宜の有機溶媒及びこれらの
混合物を用いることができる。有機溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコー
ル類;酢酸エチル;アセトン;アセトニトリルなどを例
示することができるが、特にこれらに限定されるもので
はない。もっとも、水性分散媒は、疎水性高分子微粒子
(A)を溶解させないものであることが必要である。
【0022】水性分散媒には、必要に応じて、疎水性高
分子微粒子(A)を分散させるための分散助剤を添加し
てもよい。このような分散助剤としては、特に限定され
るわけではないが、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ゼラチン、デンプン、ヒドロキシセルロー
ス、ポリビニルエーテルなどの高分子化合物;ラウリル
硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのイオン性界面活
性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リエチレングリコールモノステアリレート、ソルビタン
モノステアリレートなどの非イオン性界面活性剤などを
例示することができる。
【0023】上記水性分散媒の使用量については、後述
の疎水性高分子微粒子(A)100重量部に対し、好ま
しくは500〜200000重量部、より好ましくは、
1000〜100000重量部とされる。水性分散媒の
使用量が500重量部未満の場合には、疎水性高分子微
粒子(A)を水性分散媒に均一に分散させることが困難
となることがあり、200000重量部を超えると、吸
収効率が低下し、粒径が十分でなくなることがある。
【0024】(疎水性高分子微粒子(A))上記疎水性
高分子微粒子(A)としては、特に限定されるわけでは
ないが、ミクロンサイズの高分子微粒子(H1)又は
(H2)を得るうえで、好ましくは平均粒径0.1〜3
0μm、より好ましくは0.5〜10μmのものが用い
られる。平均粒径が0.1μm未満では、ミクロンサイ
ズの大きな高分子微粒子(H1)又は(H2)が得られ
ないことがあり、10μmを超えると、粒径の均一性が
損なわれることがある。
【0025】また、上記疎水性高分子微粒子(A)の粒
径のばらつきCV値(%){(標準偏差/平均粒径)×
100}は、好ましくは20%以下、より好ましくは1
5%以下である。CV値が20%を超えると、得られる
高分子微粒子(H1)又は(H2)の粒径のばらつきが
大きくなることがある。
【0026】また、上記疎水性高分子微粒子(A)とし
ては、好ましくは、後述の疎水性架橋性単量体(B)ま
たは単量体混合物(D)が十分量吸収される、膨潤可能
な非架橋性または低架橋性高分子が用いられる。ここ
で、低架橋性とは、架橋性単量体が0〜10重量%、非
架橋性単量体が100〜90重量%の割合で混合してな
る単量体混合物を重合して得られる重合体を指すものと
する。疎水性高分子微粒子(A)が高架橋度であると、
後に添加する単量体(G1)又は(G2)が吸収され難
くなるからである。
【0027】疎水性高分子微粒子(A)の製造方法につ
いては、特に限定されず、単量体を公知の懸濁重合、乳
化重合、分散重合などにより重合することより得ること
ができる。
【0028】上記疎水性高分子微粒子(A)を得るのに
用いられる単量体(K)の例としては、スチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロメチルス
チレン、スチレンスルホン酸、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベン
ゼン、ジビニルナフタレン等のスチレン誘導体;塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸
ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレー
トなどの(メタ)アクリル酸エステル誘導体;1,3−
ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサンジエンなど
の脂肪族ジエン化合物;および上記単量体の誘導体など
を例示することができる。
【0029】上記単量体としては、イオン交換基などを
有しないものを用いることが好ましい。なお、請求項
1,3に記載の発明において、最終的に得られた高分子
微粒子(H1)が親水性を有するのは、高分子微粒子
(H1)が有する親水性官能基のほとんどが後述の親水
性単量体(G1)に由来するからである。また、請求項
2,5に記載の発明において、最終的に得られた高分子
微粒子(H2)が親水性を有するのは、高分子微粒子
(H2)が有する親水性官能基のほとんどが後述の単量
体(G2)が変換された親水性基(I)に由来するから
である。
【0030】(疎水性架橋性単量体(B))上記疎水性
架橋性単量体としては、上述した疎水性高分子微粒子
(A)を構成するのに用いられる単量体(K)のうちの
架橋性単量体(2官能性以上の単量体)が用いられる。
もっとも、疎水性高分子微粒子(A)を構成するのに用
いられている架橋性単量体と、疎水性架橋性単量体
(B)とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0031】(疎水性非架橋性単量体(C))上記疎水
性非架橋性単量体(C)としては、上述した疎水性高分
子微粒子(A)を構成するための単量体(K)のうちの
非架橋性単量体の1種以上が用いられる。もっとも、疎
水性高分子微粒子(A)を構成するのに用いられる非架
橋性単量体と、上記疎水性非架橋性単量体(C)とは、
同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0032】(単量体混合物(D))上記疎水性架橋性
単量体(B)と、疎水性非架橋性単量体(C)との混合
比率は、特に限定されるわけではないが、好ましくは、
疎水性架橋性単量体(B)を混合物の80重量%以上、
より好ましくは90重量%以上とされる。疎水性架橋性
単量体(B)の混合割合を80重量%以上とすることに
より、最終的に得られる高分子微粒子(H1)又は(H
2)の架橋度を高めて耐圧性を高めることが容易とな
る。耐圧性を高めるには、疎水性架橋性単量体(B)を
100%用いることが望ましいが、厳密に100%の疎
水性架橋性単量体(B)を得るためには、高精度な精製
が必要となる。従って、精製技術の限界や動作の煩雑さ
を考慮し、また必ずしも疎水性架橋性単量体(B)のみ
を用いずとも十分な耐圧性が得られるため、上述したよ
うに、疎水性架橋性単量体(B)を80重量%以上含む
単量体混合物(D)を用いることが望ましい。
【0033】(疎水性架橋性単量体(B)または単量体
混合物(D)の使用量)上記疎水性架橋性単量体(B)
または単量体混合物(D)の使用量については、疎水性
高分子微粒子(A)の粒径と、生成物である高分子微粒
子(H1)又は(H2)の粒径との差などにより決定さ
れ、特に限定されるわけではないが、好ましくは、疎水
性高分子微粒子(A)100重量部に対し、疎水性架橋
性単量体(B)または単量体混合物(D)は100〜3
0000重量部、より好ましくは200〜20000重
量部とされる。疎水性架橋性単量体(B)または単量体
混合物(D)の使用割合が100重量部未満の場合に
は、高分子微粒子(H1)又は(H2)の架橋度を高め
ることが困難となり、十分な耐圧性を有する高分子微粒
子(H1)又は(H2)を得ることができないことがあ
り、30000重量部を超えると、疎水性架橋性単量体
(B)または単量体混合物(D)の全量を高分子微粒子
(A)に吸収させることが困難となり、重合後に微粒子
が発生することがある。
【0034】上記疎水性架橋性単量体(B)または単量
体混合物(D)を添加する方法についても、特に限定さ
れるわけではないが、疎水性架橋性単量体(B)または
単量体混合物(D)に重合開始剤(F)を溶解してから
上記分散媒に分散してもよく、あるいは重合開始剤
(F)とは別個に分散媒に分散され、後混合されてもよ
い。
【0035】(高分子微粒子(A)への疎水性架橋性単
量体(B)または単量体混合物(D)の吸収)疎水性高
分子微粒子(A)に、上記疎水性架橋性単量体(B)ま
たは単量体混合物(D)を吸収させる方法としては、公
知の任意の方法を用いることができる。例えば、疎水性
架橋性単量体(B)または単量体混合物(D)を疎水性
高分子微粒子(A)よりも微細な液滴とした後、疎水性
架橋性単量体(B)または単量体混合物(D)と疎水性
高分子微粒子(A)とを混合し攪拌する方法( J.L.Jan
sson, M.C.Wellons,G.W.Poehlein:J Polym Sci Part
C;Vol.21 No.11 pp937-943 )、あるいは膨潤助剤を使
用する方法(特公昭57−24369号公報)などを例
示することができる。
【0036】(有機溶媒(E))上記有機溶媒(E)と
しては、単量体(B)および(D)を溶解し、その重合
体を溶解しないものが選択される。有機溶媒(E)の使
用量は、単量体(B)または(D)100重量部に対
し、20〜2000重量部とすることが好ましい。有機
溶媒(E)の使用量が20重量部未満の場合には、細孔
径が小さくなりすぎ、細孔内面の官能基が試料と充分な
相互作用を及ぼし合うことができなくなる。2000重
量部を越えると、細孔径が大きくなりすぎて耐圧性が低
下したり、重合途中で凝集物が発生することがある。上
記有機溶媒(E)は、上記単量体(B)または単量体混
合物(D)に溶解してから反応系に添加されのが好まし
い。上記有機溶媒(E)の具体的な例としては、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソアミルアルコー
ルなどのアルコール類;酢酸エチル、アセトン、メチル
エチルケトンなどの脂肪族系有機溶媒;ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などを例示する
ことができる。
【0037】(重合開始剤(F))上記重合開始剤
(F)としては、特に限定されず、水溶性または油溶性
の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。重
合開始剤(F)の使用量は、疎水性高分子微粒子(A)
100重量部に対し、1〜2000重量部とすることが
好ましい。重合開始剤(F)の使用量が1重量部未満の
場合には、重合反応が不十分となったり、重合に長時間
を要することがあり、2000重量部を超えると、急激
な反応の進行により、凝集物が発生することがある。
【0038】上記重合開始剤(F)は、上記疎水性架橋
性単量体(B)または単量体混合物(D)に溶解してか
ら反応系に添加されてもよく、単独で溶液状、他の液状
物質に溶解した溶液または分散液として反応系に添加し
てもよい。
【0039】上記重合開始剤(F)の具体的な例として
は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウムなどの過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、o−クロロベンゾ
イルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシア
セテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t
−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾ
ビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス
(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシクロヘキサ
ンカルボニトリルなどのアゾ化合物;および上記重合開
始剤の誘導体類などを例示することができる。
【0040】(重合)疎水性高分子微粒子(A)、疎水
性架橋性単量体(B)または単量体混合物(D)、重合
開始剤(F)および有機溶媒(E)を含む系を、該重合
開始剤(F)がラジカルを発生する温度にまで昇温する
ことにより、疎水性架橋性単量体(B)または単量体混
合物(D)の重合が行われる。重合温度は、重合開始剤
(F)の種類によっても異なるが、通常、40〜120
℃とされる。
【0041】重合中の粒子の凝集を防止するために、上
記分散助剤を含む水溶液を反応系に添加してもよい。こ
の場合の分散媒組成は、疎水性高分子微粒子(A)、疎
水性架橋性単量体(B)または単量体混合物(D)及び
重合開始剤(F)などを分散する際に用いた分散媒と異
なっていてもよい。
【0042】重合のこの段階までは、請求項1及び3に
記載の発明と、請求項2及び5に記載の発明とは、同様
であるが、以後の操作は異なるので、それぞれ別々に説
明する。
【0043】まず、請求項1及び3に記載の発明につい
て説明する。
【0044】請求項1及び3の発明においては、上記疎
水性架橋性単量体(B)または単量体混合物(D)の重
合途中において、親水性単量体(G1)を反応系に添加
する。この重合途中とは、疎水性架橋性単量体(B)ま
たは単量体混合物(D)の重合が完全に終了する前を意
味し、好ましくは、疎水性架橋性単量体(B)または単
量体混合物(D)の重合率が20〜98%、より好まし
くは30〜95%の範囲とされ、かつ最初に添加した重
合開始剤(F)が残存している状態で上記親水性単量体
(G1)を添加する。
【0045】また、疎水性架橋性単量体(B)または単
量体混合物(D)の重合を開始してから、すなわち所定
温度に達してから、親水性単量体(G1)の添加までの
重合時間は、好ましくは0.3〜20時間、より好まし
くは0.5〜10時間とされる。0.3時間未満の場合
には、疎水性架橋性単量体(B)または単量体混合物
(D)の重合が十分に進んでいない段階で親水性単量体
(G1)を添加するため、親水性単量体を最終的に得ら
れる高分子微粒子表面付近に偏在させ難くなり、20時
間を超えると、疎水性架橋性単量体(B)または単量体
混合物(D)の重合が完了に近くなり、親水性単量体
(G1)の重合がし難くなる。また、上記親水性単量体
(G1)を添加する際に、上記重合開始剤(F)を、さ
らに添加してもよい。
【0046】(親水性単量体(G1))上記親水性単量
体(G1)は、最終的に得られる親水性高分子微粒子
(H1)の表面付近に親水性基を導入するために添加さ
れる。親水性単量体(G1)の添加量については、好ま
しくは、疎水性高分子微粒子(A)100重量部に対
し、100〜50000重量部、より好ましくは500
〜20000重量部である。親水性単量体(G1)の添
加割合が100重量部未満の場合には、得られる親水性
高分子微粒子(H1)の表面付近の親水性が不十分とな
ることがあり、50000重量部を超えると、凝集物が
発生することがある。
【0047】親水性単量体(G1)は、重合反応中に凝
集を引き起こしやすい。従って、親水性単量体(G1)
の重合が十分進行しない状態で(すなわち凝集が起こる
前に)、重合反応を停止することが好ましい。
【0048】親水性単量体(G1)は、上記「凝集前に
反応を停止する」場合を含め、その全てを重合させる必
要はない。必要な親水性度が得られた時点で反応を停止
することができる。この場合、親水性単量体(G1)の
添加量は、重合後に得られる親水性高分子微粒子(H
1)に含まれる親水性単量体(G1)成分の量と一致し
ないことになる。また、未反応の親水性単量体(G1)
は、重合後の洗浄により除去することができる。
【0049】重合反応系における有機溶媒の存在は、親
水性単量体(G1)の重合中に凝集物が発生する確立が
高くなるため、用いる単量体種と有機溶媒種の組み合わ
せは慎重に決定する必要がある。
【0050】親水性単量体(G1)の重合時間は、添加
開始から好ましくは0.3〜40時間、より好ましくは
0.5〜20時間である。親水性単量体(G1)の重合
時間が0.3時間未満の場合には、親水性単量体(G
1)の重合率が不十分であり、40時間を越えると凝集
物が発生しやすくなる。
【0051】上記親水性単量体(G1)としては、親水
性基を有する単量体であれば、特に限定されるものでは
ないが、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、アリルスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、
スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カ
リウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホ
プロピルメタクリレート、2−(メタ)(アクリロイル
オキシエチル)アシッドホスフェートなどのカチオン交
換基を有する単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アリルアミン、(メタ)アクリレートハイドロオキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなどのア
ニオン交換基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの酸アミド
類;エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル;お
よび上記の単量体の誘導体類などを挙げることができ
る。
【0052】上記親水性単量体(G1)を添加する方法
については、疎水性架橋性単量体(B)または単量体混
合物(D)の重合中に、親水性単量体(G1)を滴下ロ
ートなどから反応系に滴下する方法を挙げることができ
る。
【0053】(親水性高分子微粒子(H1))請求項
1、3、4に記載の発明により得られる親水性高分子微
粒子(H1)の平均粒径は、好ましくは、約0.5〜1
00μmであり、均一な粒度分布を有する。この均一な
粒度分布とは、CV値(%){(標準偏差/平均粒径)
×100}が好ましくは10%以下であることを意味す
る。
【0054】細孔半径は、100〜1000Åに限定さ
れる。細孔半径が100Å未満であると、試料が高分子
である場合などは、細孔内に試料が拡散しにくく、細孔
内表面の官能基が有効に作用せず、また細孔半径が10
00Åを越えると、耐圧性に問題を生じる。
【0055】また、上記親水性高分子微粒子(H1)
は、高架橋度に架橋されている。これは、上記単量体混
合物(D)中に、多量の疎水性架橋性単量体(B)が含
まれているからであり、前述した通り、疎水性架橋性単
量体(B)の含有割合を高めることにより高架橋度の高
分子微粒子(H1)を得ることができる。
【0056】また、上記親水性単量体(G1)を添加し
重合しているため、親水性高分子微粒子(H1)は親水
性を有する。特に、上記親水性単量体(G1)は、疎水
性架橋性単量体(B)または単量体混合物(D)の重合
途中で添加され、重合されるため、また、疎水性高分子
微粒子(A)、疎水性架橋性単量体(B)及び疎水性非
架橋性単量体(C)には親水性基が少ないため、最終的
に得られた親水性基は、親水性高分子微粒子(H1)の
表面付近に偏在し、親水性高分子微粒子(H1)内部に
は親水性基が少なくなっている。よって、膨潤や収縮が
少ないため、親水性を有するが、親水性高分子微粒子
(H1)は十分な耐圧性も有する。親水性高分子微粒子
(H1)は、粒子内または表面に実質的に有効な細孔を
有しており、その大きさは、細孔内表面の官能基が、細
孔内に侵入した試料と相互作用を及ぼし得るものであ
る。
【0057】次に、請求項2及び5に記載の発明につい
て説明する。
【0058】請求項2及び5に記載の発明においては、
前述の重合の項の説明における上記疎水性架橋性単量体
(B)または単量体混合物(D)の重合途中において、
化学反応により親水性基(I)に変換され得る官能基
(J)を有する単量体(G2)を反応系に添加する。こ
の重合途中とは、疎水性架橋性単量体(B)または単量
体混合物(D)の重合が完全に終了する前を意味し、好
ましくは、疎水性架橋性単量体(B)または単量体混合
物(D)の重合率が20〜98%、より好ましくは30
〜95%の範囲とされ、かつ最初に添加した重合開始剤
(F)が残存している状態で上記単量体(G2)を添加
する。
【0059】また、疎水性架橋性単量体(B)または単
量体混合物(D)の重合を開始してから、すなわち所定
温度に達してから、単量体(G2)の添加までの重合時
間は、好ましくは0.3〜20時間、より好ましくは
0.5〜10時間とされる。0.3時間未満の場合に
は、疎水性架橋性単量体(B)または単量体混合物
(D)の重合が十分に進んでいない段階で単量体(G
2)を添加するため、単量体(G2)を最終的に得られ
る高分子微粒子の表面付近に偏在させ難くなり、20時
間を超えると、疎水性架橋性単量体(B)または単量体
混合物(D)の重合が完了に近くなり、単量体(G2)
の重合が起こり難くなる。また、上記単量体(G2)を
添加する際に、上記重合開始剤(F)を、さらに添加し
てもよい。
【0060】(化学反応により親水性基(I)に変換さ
れ得る官能基(J)を有する単量体(G2))上記単量
体(G2)は、最終的に得られる親水性高分子微粒子
(H2)の表面付近に親水性基を導入するために添加さ
れる。単量体(G2)の添加量については、好ましく
は、疎水性高分子微粒子(A)100重量部に対し、1
00〜50000重量部、より好ましくは500〜20
000重量部である。単量体(G2)の添加割合が10
0重量部未満の場合には、得られる親水性高分子微粒子
(H2)の表面付近の親水性が不十分となることがあ
り、50000重量部を超えると、凝集物が発生するこ
とがある。
【0061】単量体(G2)は重合反応中に凝集を引き
起こしやすいため、単量体(G2)の重合が十分進行し
ない状態で(すなわち凝集が起こる前に)、重合反応を
停止することが好ましい。
【0062】単量体(G2)は、上記「凝集前に反応を
停止する」場合を含め、その全てを重合させる必要はな
い。必要な官能基(J)量が得られた時点で反応を停止
することができる。この場合、単量体(G2)の添加量
は、重合後に得られる親水性高分子微粒子(H2)に含
まれる単量体(G2)成分の量と一致しないことにな
る。また、未反応の単量体(G2)は、重合後の洗浄に
より除去することができる。
【0063】重合反応系における有機溶媒の存在は、単
量体(G2)の重合中に凝集物が発生する確立が高くな
るため、用いる単量体種と有機溶媒種の組み合わせは慎
重に決定する必要がある。
【0064】単量体(G2)の重合時間は、添加開始か
ら好ましくは0.3〜40時間、より好ましくは0.5
〜20時間である。単量体(G2)の重合時間が0.3
時間未満の場合には、単量体(G2)の重合率が不十分
であり、40時間を超えると、凝集物が発生しやすくな
る。
【0065】単量体(G2)は化学反応により親水性基
(I)に変換され得る官能基(J)を有する単量体であ
る。ここで言う化学反応とは、官能基(J)を何らかの
形で分解することにより親水性基(I)に変換させる反
応(加水分解反応など)、および親水性基(I)を有す
る化合物を官能基(J)に結合させる反応(縮合反応、
エステル化反応、アシル化反応など)を含む。
【0066】親水性基(I)に変換され得る官能基
(J)としては、例えば、各種エステル基、アミド基、
メルカプト基、アミノ基、カルボニル基、水酸基、エポ
キシ基、ベンジル基を例示することができる。
【0067】単量体(G2)の具体的な例としては、
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン
酸などの有機酸類;ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートな
どの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリロニトリル、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸誘導体;ス
チレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;ア
リルアミン、酢酸ビニルなどが挙げられる。
【0068】上記単量体(G2)を添加する方法につい
ては、疎水性架橋性単量体(B)または単量体混合物
(D)の重合中に、単量体(G2)を滴下ロートなどか
ら反応系に滴下する方法を挙げることができる。
【0069】(化学反応による官能基(J)の親水性
化)単量体(G2)の有する官能基(J)は上記化学反
応によって親水性基(I)に変換される。親水性基
(I)とは、カルボキシキル基、スルホン酸基、各種ア
ミノ基といったイオン交換基や親水性水酸基である。こ
のことにより、最終形態である高分子微粒子(H2)は
親水性の微粒子とすることができる。
【0070】化学反応は例えば、以下のようにして行わ
れる。単量体(G2)としてメチルメタクリレートを用
いた場合には、官能基(J)はメチルエステル基であ
り、アルカリ性下において加熱することにより該エステ
ル基が加水分解され、親水性基(I)であるカルボキシ
ル基に変換される。あるいはまた、単量体(G2)とし
てグリシジルメタクリレートを用いた場合、酸性下で亜
硝酸化合物と反応させることにより、官能基(J)であ
るグリシジル基が、親水性基(I)であるスルホン酸基
に変換される。単量体(G2)の官能基(J)に対する
化学反応の選択は、公知の技術の中から行うことができ
る。但し、該化学反応は、高分子微粒子(H2)を損傷
させないような条件下で行う必要がある。
【0071】(親水性高分子微粒子(H2))請求項
2、5、6に記載の発明により得られる親水性高分子微
粒子(H2)の平均粒径は、好ましくは、約0.5〜1
00μmであり、均一な粒度分布を有する。この均一な
粒度分布とは、CV値(%){(標準偏差/平均粒径)
×100}が好ましくは10%以下であることを意味す
る。
【0072】細孔半径は、100〜1000Åに限定さ
れる。細孔半径が100Å未満であると、試料が高分子
である場合などは、細孔内に試料が拡散しにくく、細孔
内表面の官能基が有効に作用せず、また細孔半径が10
00Åを越えると、耐圧性に問題を生じる。
【0073】また、上記親水性高分子微粒子(H2)
は、高架橋度に架橋されている。これは、上記単量体混
合物(D)中に、多量の疎水性架橋性単量体(B)が含
まれているからであり、前述した通り、疎水性架橋性単
量体(B)の含有割合を高めることにより高架橋度の高
分子微粒子(H2)を得ることができる。
【0074】また、上記単量体(G2)を添加し重合
し、かつ単量体(G2)の有する官能基(J)を親水性
基(I)に変換しているため、高分子微粒子(H2)は
親水性を有する。特に上記単量体(G2)は、疎水性架
橋性単量体(B)または単量体混合物(D)の重合途中
で添加され重合されるため、また疎水性架橋性高分子
(A)、疎水性架橋性単量体(B)および疎水性非架橋
性単量体(C)には親水性基が少ないため、最終的に得
られた親水性基は、高分子微粒子(H2)の表面付近に
偏在し、粒子内部の親水性基が少なくなっている。よっ
て、膨潤や収縮が少ないため、親水性を有するが、親水
性高分子微粒子(H2)は十分な耐圧性も有する。親水
性高分子微粒子(H2)は、粒子内または表面に実質的
に有効な細孔を有しており、その大きさは、細孔内表面
の官能基が、細孔内に侵入した試料と相互作用を及ぼし
得るものである。
【0075】(請求項1に記載の発明に係る方法により
得られた親水性高分子微粒子(H1)及び請求項2に記
載の発明に係る方法により得られた親水性高分子微粒子
(H2)の応用)親水性高分子微粒子(H1)又は(H
2)の用途は特に限定されず、種々の分野で用いること
ができるが、例えば、下記の付加的な手法を用いること
により従来技術に記載のような様々な分野に用いること
ができる。
【0076】すなわち、高分子微粒子(H1)又は(H
2)中に、鉄、コバルトもしくはニッケルなどの強磁性
金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合
金や化合物のような磁性材料、あるいは無機顔料やカー
ボンブラック、各種染料などを含有させておくことによ
り、トナー用粒子や着色材料に好適に用いることができ
る。なお、染料としては、例えば、Valifast Red、Opla
s Red 、 Oil Scarlet(オリエント化学社製)、Oil Bl
ue V、 Oil Green(大和化工社製)、Sumiplast Blue、
Sumiplast Yellow(住友化学社製)などの油性染料; O
rient Oil Blue(オリエント化工社製)、Sumilaron Br
illiant Blue、Sumikaron Violet(住友化学社製)、Ka
yalon Polyester Blue、 Kayalon Polyester Red(日本
化薬社製)などの分散染料を例示することができる。
【0077】また、得られた親水性高分子微粒子(H
1)又は(H2)に、各種免疫活性物質(リウマチ因
子、ヒトアルブミン、イムノグロブリン、ストレプトリ
ジンO、C−反応性蛋白、アルファフェトプロテインな
ど)を添加し、固定化することにより、免疫試薬用担体
とすることも可能である。また酵素類を固定化すること
により固定化酵素として用いることができる。
【0078】(請求項3に記載の発明に係る液体クロマ
トグラフィー用充填剤の製造)請求項3に記載の発明に
係る液体クロマトグラフィー用充填剤は、上記請求項1
に記載の発明に係る製造方法により得られた、高架橋度
で有効な細孔を有する親水性高分子微粒子(H1)を液
体クロマトグラフィー用充填剤とするものである。従っ
て、親水性高分子微粒子(H1)を得るまでの工程につ
いては、前述した親水性高分子微粒子(H1)の製造方
法と同様に行われる。
【0079】また、請求項4に記載のように、親水性単
量体(G1)として、イオン交換基を有する単量体を用
いることにより、親水性高分子微粒子(H1)をイオン
交換用充填剤である液体クロマトグラフィー用充填剤と
することができる。この場合、親水性単量体(G1)と
しては、前述したカチオン交換基やアニオン交換基を有
する単量体を挙げることができる。
【0080】液体クロマトグラフィー用充填剤として用
いる場合、上記親水性高分子微粒子(H1)を、ステン
レス製などのカラムに充填することにより液体クロマト
グラフィー用カラムを構成することができる。充填に際
しては、適宜の方法を用いることができ、特に、湿式法
(スラリー法)を用いることが好ましい。すなわち、親
水性高分子微粒子(H1)を溶離液に用いる溶媒などの
分散媒に所定量分散し、カラム内にパッカーなどを経由
して圧入することにより充填することができる。
【0081】また、液体クロマトグラフィー用充填剤と
して親水性高分子微粒子(H1)を用いる場合、親水性
単量体(G1)を適宜選択することにより、液体クロマ
トグラフィーの各種分離モードに適用させることができ
る。例えば、イオン交換クロマトグラフィーとする場合
には、イオン交換基を有する親水性単量体(G1)を用
いればよく、逆相クロマトグラフィーを構成する場合、
疎水性基などを有する単量体を親水性単量体(G1)と
して用いればよく、順相クロマトグラフィーを構成する
場合、1級アミノ基やシアノ基などを有する単量体を親
水性単量体(G1)として用いればよく、アフニティク
ロマトグラフィーを構成する場合には、用いるリガンド
と反応性を有する官能基(例えば、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基など)を有する単量体を親水性単量体
(G1)として用いればよく、ゲル浸透クロマトグラフ
ィーを構成する場合には、親水性水酸基などを有する単
量体を親水性単量体(G1)として用いればよい。
【0082】(請求項5に記載の発明に係る液体クロマ
トグラフィー用充填剤の製造)請求項5に記載の発明に
係る液体クロマトグラフィー用充填剤は、上記請求項2
に記載の発明に係る製造方法により得られた、高架橋度
で有効な細孔を有する親水性高分子微粒子(H2)を液
体クロトグラフィー用充填剤とするものである。従っ
て、親水性高分子微粒子(H2)を得るまでの工程につ
いては、前述した親水性高分子微粒子(H2)の製造方
法と同様に行われる。
【0083】また、請求項6に記載のように、単量体
(G2)として、化学反応によりイオン交換基に変換し
得る官能基(J)を有する単量体を用いることにより、
親水性高分子微粒子(H2)をイオン交換用充填剤であ
る液体クロマトグラフィー用充填剤とすることができ
る。この場合、単量体(G2)としては、前述した化学
反応によりカチオン交換基やアニオン交換基に変換し得
る官能基を含有する単量体を挙げることができる。
【0084】液体クロマトグラフィー用充填剤として用
いる場合、上記親水性高分子微粒子(H2)を、ステン
レス製などのカラムに充填することにより液体クロマト
グラフィー用カラムを構成することができる。充填に際
しては、適宜の方法を用いることができ、特に、湿式法
(スラリー法)を用いることが好ましい。すなわち、親
水性高分子微粒子(H2)を溶離液に用いる溶媒などの
分散媒に所定量分散し、カラム内にパッカーなどを経由
して圧入することにより充填することができる。
【0085】また、液体クロマトグラフィー用充填剤と
して親水性高分子微粒子(H2)を用いる場合、単量体
(G2)および化学反応方法を適宜選択することによ
り、液体クロマトグラフィーの各種分離モードに適用さ
せることができる。例えば、イオン交換クロマトグラフ
ィーとする場合には、化学反応によりイオン交換基を生
じる官能基(J)を有する単量体(G2)を用いればよ
く、逆相クロマトグラフィーを構成する場合、化学反応
により疎水性基を生じる単量体を単量体(G2)として
用いればよく、順相クロマトグラフィーを構成する場
合、化学反応により1級アミノ基やシアノ基などを生じ
る単量体を単量体(G2)としてを用いればよく、アフ
ニティクロマトグラフィーを構成する場合には、化学反
応により、用いるリガンドと反応性を有する官能基(例
えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基など)を生じ
る単量体を単量体(G2)として用いればよく、ゲル浸
透クロマトグラフィーを構成する場合には、化学反応に
より親水性水酸基を生じる単量体を単量体(G2)とし
て用いればよい。
【0086】上記発明により製造された液体クロマトグ
ラフィー用充填剤の測定対象物質としては、以下のもの
が挙げられる。イオン交換クロマトグラフィーの場合、
アドレナリン、ノルアドレナリンなどのカテコールアミ
ン誘導体類;AMP、GMPなどのヌクレオチド類;エ
ンドルフィン、インスリンなどのペプチド類;糖化ヘモ
グロビン、アルブミン、ミオグロビンなどのタンパク質
類など。
【0087】イオンクロマトグラフィーの場合、塩素イ
オン、硝酸イオン、亜硝酸イオンなどのアニオン類;ナ
トリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン
などのカチオン類など。逆相クロマトグラフィーの場
合、抗不整脈剤、向精神薬などの薬物類;シュウ酸、マ
レイン酸などの有機酸類;ビタミン類;アルブミン、ミ
オグロビンなどのタンパク質類など。
【0088】順相クロマトグラフィーの場合、マンノー
ス、グリコースなどの糖類;プロゲステロン、テストス
テロンなどのステロイド類;ホスファチジルコリンなど
のリン脂質類など。ゲル浸透クロマトグラフィーの場
合、ポリアクリレート、ポリエチレングリコールなどの
合成高分子類;デキストランなどの多糖類;各種ペプチ
ド類、核酸類、タンパク質などの生体高分子類など。溶
離液については、公知のもの、例えば、無機塩や有機酸
などを含む緩衝液や、水溶性有機溶媒と水との混合液な
どを用いることができる。
【0089】(作用)請求項1に記載の発明に係る高分
子微粒子の製造方法では、水性分散媒に分散された疎水
性高分子微粒子(A)に、疎水性架橋性単量体(B)ま
たは疎水性架橋性単量体(B)及び疎水性非架橋性単量
体(C)からなる単量体混合物(D)、並びに有機溶媒
(E)を吸収させて、重合開始剤(F)の存在下に重合
する。この場合、疎水性架橋性単量体(B)により架橋
度が高められるため、最終的に得られる高分子微粒子
(H1)の耐圧性が高められる。
【0090】加えて、疎水性単量体のみを疎水性高分子
微粒子(A)に吸収させて重合するため、親水性基はほ
とんど存在しない、高分子微粒子骨格を得ることができ
る。
【0091】他方、上記疎水性架橋性単量体(B)また
は単量体混合物(D)を吸収させて重合する途中で、親
水性単量体(G1)を添加して重合を継続するため、高
分子微粒子骨格の周囲に形成される層は、上記親水性単
量体重合物を含むことになるため、得られた高分子微粒
子(H1)が親水性単量体(G1)由来の親水性基によ
り親水性を有し、かつ親水性基が親水性高分子微粒子
(H1)の表面付近に偏在される。従って、親水性を有
しつつ、上記のように耐圧性に優れた高分子微粒子(H
1)を得ることができると共に、外部環境の変化による
親水性基の応答速度が高められ、すなわち平衡時間の短
縮効果が得られる。
【0092】請求項2に記載の発明に係る高分子微粒子
の製造方法では、水性分散媒に分散された疎水性高分子
微粒子(A)に、疎水性架橋性単量体(B)または疎水
性架橋性単量体(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)
を含む単量体混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸
収させて、重合開始剤(F)の存在下に重合する。この
場合、疎水性架橋性単量体(B)により架橋度が高めら
れるため、最終的に得られる高分子微粒子(H2)の耐
圧性が高められる。
【0093】加えて疎水性単量体のみを疎水性架橋性単
量体(A)に吸収させて重合するため、親水性基はほと
んど存在しない、高分子微粒子骨格を得ることができ
る。他方、上記疎水性架橋性単量体(B)または単量体
混合物(D)を吸収させて重合する途中で、化学反応に
より親水性基(I)に変換され得る官能基(J)を有す
る単量体(G2)を添加して重合を継続するため、高分
子微粒子骨格の周囲に形成される層は、上記単量体(G
2)を含むことになるため、その後の化学反応により得
られた高分子微粒子(H2)が、単量体(G2)由来の
親水性基(I)を有し、かつ親水性基が親水性高分子微
粒子(H2)の表面付近に偏在される。従って親水性を
有しつつ、上記のように耐圧性に優れた高分子微粒子
(H2)を得ることができると共に、外部環境の変化に
よる親水性基の応答速度が高められ、すなわち平衡時間
の短縮効果が得られる。
【0094】請求項3に記載の発明では、上記のように
耐圧性に優れかつ親水性を有する親水性高分子微粒子
(H1)を用いた液体クロマトグラフィー用充填剤が得
られるため、様々な液体クロマトグラフィーに好適に用
い得るカラムを構成することができる。
【0095】請求項4に記載の発明では、親水性単量体
(G1)がイオン交換基を有する単量体であるため、得
られる親水性高分子微粒子(H1)がイオン交換用充填
剤とされ、従ってイオン交換クロマトグラフィーに好適
な液体クロマトグラフィー用充填剤とすることができ
る。
【0096】請求項5に記載の発明では、上記のように
耐圧性に優れかつ親水性を有する親水性高分子微粒子
(H2)を用いた液体クロマトグラフィー用充填剤が得
られるため、様々な液体クロマトグラフィーに好適に用
い得るカラムを構成することができる。
【0097】請求項6に記載の発明では、単量体(G
2)が、化学反応によりイオン交換基を生じる官能基を
有する単量体であるため、得られる親水性高分子微粒子
(H2)がイオン交換用充填剤とされ、従ってイオン交
換クロマトグラフィーに好適な液体クロマトグラフィー
用充填剤とすることができる。
【0098】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0099】(参考例1)疎水性高分子微粒子A−1の
調製:メチルメタクリレート(和光純薬社製)200g
を、イオン交換水1200gに添加した。攪拌しながら
窒素雰囲気下で70℃に昇温した後、0.5重量%過硫
酸カリウム(E.Merk社製)水溶液10mL及び2重量%
スチレンスルホン酸ナトリウム(和光純薬社製)水溶液
10mLを反応系に滴下した。24時間70℃で重合を
行い、反応生成物を濾過し、疎水性高分子微粒子A−1
を得た。電子顕微鏡(日本電子社製)で観察したとこ
ろ、真球状の粒子であり、平均粒径は0.8μm、CV
値は3.5%であった。
【0100】(参考例2)疎水性高分子微粒子A−2の
調製:Aerosol OT(和光純薬社製)5g及び
ポリビニルピロリドン(和光純薬社製)35g、重合開
始剤として2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)(和光純薬社製)15gとをメタノール
(和光純薬社製)350mLに溶解した。この溶液にイ
オン交換水50g及びスチレン(キシダ化学社製)70
gを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で昇温し、60
℃で10時間重合した。反応生成物を水及びメタノール
で洗浄し、疎水性高分子微粒子A−2を得た。電子顕微
鏡で観察したところ、真球状の粒子であり、平均粒径は
1.5μm、CV値は4.2%であった。
【0101】(実施例1)疎水性高分子微粒子(A−
1)1gを分散させた0.5重量%ラウリル硫酸ナトリ
ウム(和光純薬社製)水溶液400mLに、3重量%ポ
リビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液200
mLを添加し、1時間室温で攪拌した(A−1分散
液)。一方で、疎水性架橋性単量体としてトリエチレン
グリコールジメタクリレート(キシダ化学社製)50g
およびイソアミルアルコール20mLを混合し、重合開
始剤として過酸化ベンゾイル(和光純薬社製)1.0g
を溶解させた。これに0.5重量%ラウリル硫酸ナトリ
ウム水溶液900mLを添加して、ホモジナイザー(IK
A Labotechnik 社製)にて、24000rpmで15分
ホモジナイズした。得られた乳化液を、上記A−1分散
液に添加して24時間室温で攪拌し、単量体、重合開始
剤及び有機溶媒を高分子微粒子A−1に吸収させた。そ
の後、反応系を70℃に昇温し2時間重合を行った。2
時間後、親水性単量体としてメタクリル酸(和光純薬社
製)20gを添加し、さらに70℃で2時間重合を行っ
た。イオン交換水およびメタノールで洗浄して乾燥し、
親水性高分子微粒子(H−1)を得た。
【0102】(実施例2)疎水性高分子微粒子(A−
2)1gを分散させた0.5重量%ラウリル硫酸ナトリ
ウム(和光純薬社製)水溶液400mLに、3重量%ポ
リビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液200
mLを添加し、1時間室温で撹拌した(A−2分散
液)。一方で、疎水性架橋性単量体としてジビニルベン
ゼン(キシダ化学社製)50gおよびトルエン20mL
を混合し、重合開始剤として過酸化ベンゾイル(和光純
薬社製)1.0gを溶解させた。これに0.5重量%ラ
ウリル硫酸ナトリウム水溶液900mLを添加して、ホ
モジナイザー(IKA Labotechnik 社製)にて、2400
0rpmで15分ホモジナイズした。得られた乳化液
を、上記A−2分散液に添加して24時間室温で撹拌
し、単量体、重合開始剤及び有機溶媒を高分子微粒子A
−2に吸収させた。その後、反応系を70℃に昇温し2
時間重合を行った。2時間後、親水性単量体として2−
ヒドロキシエチルメタクリレート(新中村化学社製)2
5gを添加し、さらに70℃で2時間重合を行った。イ
オン交換水およびメタノールで洗浄して乾燥し、親水性
高分子微粒子(H−2)を得た。
【0103】(比較例1)本例では、疎水性架橋性単量
体と親水性単量体を混合して、疎水性高分子微粒子
(A)に吸収させて重合を行った。実施例1の方法に基
づき、疎水性架橋性微粒子(A−1)1gに、トリエチ
レングリコールジメタクリレート25g、メタクリル酸
25g、イソアミルアルコール20mLの混合物を吸収
させ、80℃で8時間重合し、重合後、実施例1と同様
に処理し、親水性高分子微粒子(H−3)を得た。
【0104】(比較例2)本例では、細孔半径が100
Å未満の粒子を調製した。実施例1における有機溶媒イ
ソアミルアルコールを5mLとした他は、実施例1と同
様に操作し、親水性高分子微粒子(H−4)を得た。
【0105】(比較例3)本例では、細孔半径が100
Å未満の粒子を調製した。実施例2における有機溶媒ト
ルエンを5mLとした他は、実施例2と同様に操作し、
親水性高分子微粒子(H−5)を得た。
【0106】(比較例4)本例では、細孔半径が100
0Åを超えた粒子を調製した。実施例2における有機溶
媒トルエンを100mLとした他は、実施例2と同様に
操作し、親水性高分子微粒子(H−6)を得た。
【0107】(比較例5)本例では、特公平8−719
7号公報に記載の方法(粒径の制御がなされていない方
法)によって粒子を調製した。トリエチレングリコール
ジメタクリレート(キシダ化学社製)50gにイソアミ
ルアルコール20g及び重合開始剤として過酸化ベンゾ
イル(和光純薬社製)1.0gを溶解し、4重量%ポリ
ビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液200m
Lを添加し撹拌した。その後、反応系を80℃に昇温し
2時間重合を行った。その後、親水性単量体としてメタ
クリル酸(和光純薬社製)30gを添加し、さらに80
℃で2時間重合を行った。イオン交換水およびメタノー
ルで洗浄して乾燥し、親水性高分子微粒子(H−7)を
得た。
【0108】(評価)上記実施例1、2及び比較例1〜
5で得られた高分子微粒子について、粒度分布測定お
よび細孔分布測定、耐膨潤性試験、耐圧性試験、
具体的な測定を、それぞれ、下記の要領で行い、評価し
た。
【0109】粒度分布測定および細孔分布測定 透過型電子顕微鏡(日本電子社製)により各親水性高分
子微粒子を観察し、顕微鏡写真から粒度分布を測定し
た。結果を下記の表1及び表2に示す。実施例1、2及
び比較例1〜3(H−1〜H−5)では、均一な粒度分
布が得られた。比較例4(H−6)では粒子の一部が凝
集しており、粒度分布としてはバラツキが大きくなっ
た。比較例5(H−7)では、バラツキが非常に大きか
った。これはH−7が、粒径の制御がなされていない手
法に基づいて製造されているからである。
【0110】細孔分布測定装置(カルロエルバ社製)に
より平均細孔半径を測定した。同様に結果を下記の表1
及び表2に示す。実施例1、2及び比較例1、5(H−
1、2、3、7)では、細孔半径が100〜1000Å
の範囲になっていた。比較例2、3(H−4、5)は1
00Å未満、比較例4(H−6)では1000Åを超え
ていた。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】耐膨潤性試験 カルボキシル基を有する高分子微粒子H−1(実施例
1)およびH−3(比較例1)について、これらをカラ
ムに充填した後、pH及びイオン強度の異なる溶媒を通
液して圧力損失を調べることにより、耐膨潤性を確認し
た。
【0114】各高分子微粒子を1.0g採り、50mM
リン酸緩衝液(pH=6.0)30mLに分散し、5分
間超音波処理した後、よく攪拌した。全量を、ステンレ
ス製空カラム(6mm径×40mm)を接続したパッカ
ー(梅谷精機社製)に注入した。パッカーに送液ポンプ
(サヌキ工業社製)を接続し、200kg/cm2 で定
圧充填した。
【0115】得られたカラムに送液ポンプ(LC−9
A:島津製作所製)を接続し、50mMリン酸緩衝液
(pH=5.0:A液とする)を、流速1.5mL/分
で30分送液した。しかる後、通液する液を300mM
リン酸緩衝液(pH=8.0:B液とする)に変更し
た。送液中の送液ポンプに表示された圧力の変動をモニ
ターした。結果を下記の表3に示す。
【0116】
【表3】
【0117】表3から明らかなように、高分子微粒子H
−1(実施例1)の方が、高分子微粒子H−3(比較例
1)に比べて、膨潤・収縮が少なく、また外部環境への
平衡化も素早いことがわかった。これは、高分子微粒子
H−1が、親水性基を高分子微粒子内部にあまり有さ
ず、親水性基が表面に偏在していることによるためと考
えられる。
【0118】耐圧性試験 親水性高分子微粒子H−2(実施例2)及びH−6(比
較例4)について、それぞれ充填したカラムに異なる流
速の液を通液し、該流速とそのときの圧力損失を調べる
ことにより、耐圧性を評価した。
【0119】各親水性高分子微粒子を、上記耐膨潤性試
験と同様にステンレス製カラムに充填し(充填圧50k
g/cm2 )、カラムを送液ポンプに接続し、上記A液
を1mL/分で30分間通液した。しかる後、流速を
0.5mL/分ずつ早め、各流速で10分間通液したと
きの送液ポンプの圧力表示を読み取った。その結果、親
水性高分子微粒子H−2では、流速と圧力損失の関係
は、圧力400kg/cm 2 においても直線性を示し
た。通液後、カラムより高分子微粒子H−2の一部を抜
き取り、電子顕微鏡で観察したが、変形や破損などは認
められなった。
【0120】これに対して、親水性高分子微粒子H−6
では、100kg/cm2 の圧力までしか直線性を示さ
なかった。通液後の高分子微粒子H−6は、電子顕微鏡
観察によると、一部に変形及び破損が認められた。これ
により細孔半径が1000Åを超えるH−6では、耐圧
性能が大きく劣ることがわかった。
【0121】測定例 (a)イオン交換によるヘモグロビン類の測定例 カルボキシル基を有する高分子微粒子H−1(実施例
1)、H−3(比較例1)、H−4(比較例2)及びH
−7(比較例5)について、ヒト血液中のヘモグロビン
類の分離を行った。まずそれぞれの高分子微粒子を上記
と同様の手法で、4.6mm径×35mmのステンレス
製カラムに充填し、以下の測定条件で試料の測定を行っ
た。
【0122】測定条件 システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所製) 溶離液:溶離液A:100mMリン酸緩衝液(pH5.7) 溶離液B:300mMリン酸緩衝液(pH7.2) 測定開始より0〜1分の間は溶離液Aを流し、1〜1.1分の間は溶 離液Bを流し、1.1〜2分の間は溶離液Aを流した。 流速:1.5ml/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μl
【0123】測定試料 健常人血をフッ化ナトリウム採血し、これを溶血希釈液
(0.1重量%トリトンX−100のリン酸緩衝液溶液
(pH7.0))で溶血し、150倍に希釈して測定試
料とした。
【0124】測定結果 上記測定条件により、試料を測定して得られたクロマト
グラムを図1〜4に示した。図1は充填剤がH−1、図
2は充填剤がH−3、図3は充填剤がH−4、図4は充
填剤がH−7のカラムを用いて得られたものである。ピ
ーク1はヘモグロビンA1a(HbA1a)及びヘモグ
ロビンA1b(HbA1b)、ピーク2はヘモグロビン
F(HbF)、ピーク3は不安定型ヘモグロビンA1c
(不安定型HbA1c)、ピーク4は安定型ヘモグロビ
ンA1c(安定型HbA1c)、ピーク5はヘモグロビ
ンA0(HbA0)を示す。
【0125】図1(H−1使用)では短時間に分離で
き、各ピークもシャープであった。これに対して、図2
(H−3使用)では、各ピークが鋭くなく、また1回の
測定終了後、次の試料測定のためにカラム内を測定開始
状態(A液100%の状態)に平衡化させるのに、長時
間を要している。H−3では、粒子内部に多く存在する
親水性官能基のため膨潤・収縮しやすく、平衡化に時間
がかかることに起因するものと思われる。図3(H−4
使用)では、各ピークが拡がっており、分離が不十分で
ある。これは細孔半径が小さいため、細孔内表面のイオ
ン交換基が有効に作用せず、充分なイオン交換反応によ
る分離がなされていないためと考えられる。図4(H−
7使用)では、各ピークがさらに拡がっており、測定時
間も延長されている。これは高分子微粒子の粒度分布の
不均一さに起因すると思われる。
【0126】(b)ゲル浸透クロマトグラフィーによる
高分子物質の測定例 親水性水酸基を有する高分子微粒子H−2(実施例
2)、H−5(比較例3)について、高分子化合物であ
るポリエチレングリコールの分離を行った。まずそれぞ
れの高分子微粒子を上記と同様の手法で、7.5mm径
×150mmのステンレス製カラムに充填し、以下の測
定条件で試料の測定を行った。
【0127】測定条件 システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製) 検出器:Shodex RI SE−51(昭和電工社製) 溶離液:蒸留水 流速:1.2ml/分
【0128】測定試料 分子量が200〜7500のポリエチレングリコール
(和光純薬社製)水溶液を用いた。
【0129】測定結果 得られたクロマトグラムを図5、6に示した。図5は充
填剤がH−2、図6は充填剤がH−5のカラムを用いて
得られたものである。ピーク6は分子量7500、ピー
ク7は分子量2000、ピーク8は分子量1000、ピ
ーク9は分子量400、ピーク10はエチレングリコー
ルを示す。図5から明らかなようにH−2では短時間に
分離でき、各ピークもシャープであった。これに対して
図6から明らかなように、H−5では、各ピークの分離
がほとんどできなかった。これは細孔半径が小さすぎ、
ふるい効果による分離が十分に行われなかったためと思
われる。
【0130】(実施例3)疎水性高分子微粒子(A−
1)1gを分散させた0.5重量%ラウリル硫酸ナトリ
ウム(和光純薬社製)水溶液400mLに、3重量%ポ
リビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液200
mLを添加し、1時間室温で攪拌した(A−1分散
液)。一方で、疎水性架橋性単量体としてトリエチレン
グリコールジメタクリレート(キシダ化学社製)50g
およびイソアミルアルコール20mLを混合し、重合開
始剤として過酸化ベンゾイル(和光純薬社製)1.0g
を溶解させた。これに0.5重量%ラウリル硫酸ナトリ
ウム水溶液900mLを添加して、ホモジナイザー(IK
A Labotechnik 社製)にて、24000rpmで15分
ホモジナイズした。得られた乳化液を、上記A−1分散
液に添加して24時間室温で攪拌し、単量体、重合開始
剤及び有機溶媒を高分子微粒子A−1に吸収させた。そ
の後、反応系を80℃に昇温し2時間重合を行った。そ
の後、単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(新中村化学社製)30gを添加し、さらに70℃で
2時間重合を行った。イオン交換水およびメタノールで
洗浄して乾燥した。得られた高分子微粒子10gに5重
量%水酸化ナトリウム水溶液50mLを添加し、80℃
で20時間反応させて加水分解反応を行い、2−ヒドロ
キシエチル基を解離させてカルボキシル基に変換し、親
水性高分子微粒子(H2−1)を得た。
【0131】(実施例4)疎水性高分子微粒子(A−
2)1gを分散させた0.5重量%ラウリル硫酸ナトリ
ウム(和光純薬社製)水溶液400mLに、3重量%ポ
リビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液200
mLを添加し、1時間室温で撹拌した(A−2分散
液)。一方で、疎水性架橋性単量体としてジビニルベン
ゼン(キシダ化学社製)50gおよびトルエン20mL
を混合し、重合開始剤として過酸化ベンゾイル(和光純
薬社製)1.0gを溶解させた。これに0.5重量%ラ
ウリル硫酸ナトリウム水溶液900mLを添加して、ホ
モジナイザー(IKA Labotechnik 社製)にて、2400
0rpmで15分ホモジナイズした。得られた乳化液
を、上記A−2分散液に添加して24時間室温で撹拌
し、単量体、重合開始剤及び有機溶媒を高分子微粒子A
−2に吸収させた。その後、反応系を70℃に昇温し2
時間重合を行った。2時間後、親水性単量体としてグリ
シジルメタクリレート(日本油脂製)25gを添加し、
さらに70℃で2時間重合を行った。イオン交換水およ
びメタノールで洗浄して乾燥した。
【0132】得られた高分子微粒子10gにキシレン3
0mLを添加し、含浸させた。これを4重量%ポリビニ
ルアルコール水溶液に分散させ、さらに硫酸1.5mL
を添加した。撹拌しながら80℃で2時間反応させ、グ
リシジル基にスルホン酸基を導入した。得られた粒子を
水およびアセトンで洗浄し乾燥させて、親水性高分子微
粒子(H2−2)を得た。
【0133】(比較例6)本例では、疎水性架橋性単量
体と化学反応性単量体を混合して、疎水性高分子微粒子
(A)に吸収させて重合を行った。実施例1の方法に基
づき、疎水性架橋性微粒子(A−1)1gに、トリエチ
レングリコールジメタクリレート25gおよび2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート25gの混合物を吸収さ
せ、70℃で8時間重合し、重合後、実施例3と同様に
化学反応を行い親水性高分子微粒子(H2−3)を得
た。
【0134】(比較例7)本例では、細孔半径が100
Å未満の粒子を調製した。実施例3における有機溶媒イ
ソアミルアルコールを5mLとした他は実施例3と同様
に操作し、親水性高分子微粒子(H2−4)を得た。
【0135】(比較例8)本例では、細孔半径が100
Å未満の粒子を調製した。実施例4における有機溶媒ト
ルエンを5mLとした他は実施例4と同様に操作し、親
水性高分子微粒子(H2−5)を得た。
【0136】(比較例9)本例では、細孔半径が100
0Åを超える粒子を調製した。実施例4における有機溶
媒トルエンを100mLとした他は実施例4と同様に操
作し、親水性高分子微粒子(H2−6)を得た。
【0137】(比較例10)本例では、特公平8−71
97号公報に記載の方法(粒径の制御がなされていない
方法)によって粒子を調製した。トリエチレングリコー
ルジメタクリレート(キシダ化学社製)50gにイソア
ミルアルコール20mLおよび重合開始剤として過酸化
ベンゾイル(和光純薬社製)1.0gを溶解し、4重量
%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液2
00mLを添加し撹拌した。その後、反応系を80℃に
昇温し2時間重合を行った。その後、単量体として2−
ヒドロキシエチルメタクリレート30gを添加し、さら
に80℃で2時間重合を行った。イオン交換水およびメ
タノールで洗浄して乾燥し、さらに実施例1と同様に処
理して親水性高分子微粒子(H2−7)を得た。
【0138】(評価)上記実施例3、4及び比較例6〜
10で得られた高分子微粒子について、粒度分布測定
および細孔分布測定、耐膨潤性試験、耐圧性試験、
具体的な測定を、それぞれ、下記の要領で行い、評価
した。
【0139】粒度分布測定および細孔分布測定 実施例1の評価方法と同様にして各親水性高分子微粒子
を観察し、顕微鏡写真から粒度分布を測定した。結果を
下記の表4及び表5に示す。実施例3、4及び比較例6
〜8(H2−1〜H2−5)では、均一な粒度分布が得
られた。比較例9(H2−6)では粒子の一部が凝集し
ていた。比較例10(H2−7)では、バラツキが非常
に大きかった。これはH2−7が、粒径の制御がなされ
ていない手法に基づいて製造されているからである。
【0140】実施例1の評価方法と同様にして平均細孔
半径を測定した。同様に結果を下記の表4及び表5に示
す。実施例3、4及び比較例6、10(H2−1、2、
3、7)では、細孔半径が100〜1000Åの範囲に
なっていた。比較例7、8(H2−4、5)は100Å
未満、比較例9(H2−6)では1000Åを超えてい
た。
【0141】
【表4】
【0142】
【表5】
【0143】耐膨潤性試験 カルボキシル基を有する高分子微粒子H2−1(実施例
3)およびH2−3(比較例6)について、実施例1の
評価方法と同様にして耐膨潤性試験し結果を下記の表6
に示す。
【0144】
【表6】
【0145】表6から明らかなように、高分子微粒子H
2−1(実施例3)の方が、高分子微粒子H2−3(比
較例6)に比べて、膨潤・収縮が少なく、また外部環境
への平衡化も素早いことがわかった。これは、高分子微
粒子H2−1が、親水性基を高分子微粒子内部にあまり
有さず、親水性基が表面付近に偏在していることによる
ためと考えられる。
【0146】耐圧性試験 親水性高分子微粒子H2−2(実施例4)及びH2−6
(比較例9)について、実施例2の評価方法と同様にし
て耐圧性試験した。その結果、親水性高分子微粒子H2
−2では、流速と圧力損失の関係は、圧力400kg/
cm2 においても直線性を示した。通液後、カラムより
高分子微粒子H2−2の一部を抜き取り、電子顕微鏡で
観察したが、変形や破損などは認められなった。
【0147】これに対して、親水性高分子微粒子H2−
6では、100kg/cm2 の圧力までしか直線性を示
さなかった。通液後の高分子微粒子H2−6は、電子顕
微鏡観察によると、一部に変形及び破損が認められた。
これにより細孔半径が1000Åを超えるH2−6で
は、耐圧性能が大きく劣ることがわかった。
【0148】測定例 (a)イオン交換によるヘモグロビン類の測定例 カルボキシル基を有する高分子微粒子H2−1(実施例
3)、H2−3(比較例6)、H2−4(比較例7)及
びH2−7(比較例10)について、実施例1の評価方
法と同様にしてヒト血液中のヘモグロビン類の分離を行
った。
【0149】測定結果 得られたクロマトグラムを図7〜10に示した。図7は
充填剤がH2−1、図8は充填剤がH2−3、図9は充
填剤がH2−4、図10は充填剤がH2−7のカラムを
用いて得られたものである。
【0150】図7(H2−1使用)では短時間に分離で
き、各ピークもシャープであった。これに対して、図8
(H2−3使用)では、各ピークが鋭くなく、また1回
の測定終了後、次の試料測定のためにカラム内を測定開
始状態(A液100%の状態)に平衡化させるのに、長
時間を要している。H2−3では、粒子内部に多く存在
する親水性官能基のため膨潤・収縮しやすく、平衡化に
時間がかかることに起因するものと思われる。図9(H
2−4使用)では、各ピークが拡がっており、分離が不
十分である。これは細孔半径が小さいため、細孔内表面
のイオン交換基が有効に作用せず、充分なイオン交換反
応による分離がなされていないためと考えられる。図1
0(H2−7使用)では、各ピークがさらに拡がってお
り、測定時間も延長されている。これは高分子微粒子の
粒度分布の不均一さに起因すると思われる。
【0151】(b)ゲル浸透クロマトグラフィーによる
高分子物質の測定例 親水性水酸基を有する高分子微粒子H2−2(実施例
4)、H2−5(比較例8)について、実施例2の評価
方法と同様にして高分子化合物であるポリエチレングリ
コールの分離を行った。
【0152】測定結果 得られたクロマトグラムを図11、12に示した。図1
1は充填剤がH2−2、図12は充填剤がH2−5のカ
ラムを用いて得られたものである。図11から明らかな
ようにH2−2では短時間に分離でき、各ピークもシャ
ープであった。これに対して図12から明らかなよう
に、H2−5では、各ピークの分離がほとんどできなか
った。これは細孔半径が小さすぎ、ふるい効果による分
離が十分に行われなかったためと思われる。
【0153】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係る高分子微粒
子の製造方法によれば、疎水性高分子微粒子(A)に、
疎水性架橋性単量体(B)または疎水性架橋性単量体
(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)からなる単量体
混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収させて、重
合開始剤(F)の存在下に重合するため、疎水性架橋性
単量体(B)または単量体混合物(D)を重合してなる
架橋度の高く、有効な細孔半径を有する粒子が形成さ
れ、従って耐圧性に優れた多孔性高分子微粒子骨格が形
成される。
【0154】加えて上記疎水性架橋性単量体(B)また
は単量体混合物(D)を重合する途中で、親水性単量体
(G1)を添加して重合を継続して親水性高分子微粒子
(H1)を得ているため、親水性高分子微粒子(H1)
では表面付近に親水性単量体由来の親水性基が偏在して
おり、親水性を確保しつつ、膨潤や収縮等が生じ難い親
水性高分子微粒子(H1)を得ることが可能とされてい
る。よって請求項1に記載の発明により、高架橋度であ
り、耐圧性に優れ、親水性を示し、かつ粒径の揃った親
水性高分子微粒子を提供することができる。
【0155】請求項2に記載の発明に係る高分子微粒子
の製造方法によれば、疎水性高分子微粒子(A)に、疎
水性架橋性単量体(B)または疎水性架橋性単量体
(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)からなる単量体
混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収させて、重
合開始剤(F)の存在下に重合するため、疎水性架橋性
単量体(B)または単量体混合物(D)を重合してなる
架橋度の高く、有効な細孔半径を有する粒子が形成さ
れ、従って耐圧性に優れた多孔性高分子微粒子骨格が形
成される。
【0156】加えて上記疎水性架橋性単量体(B)また
は単量体混合物(D)を重合する途中で、化学反応によ
り親水性基(I)に変換され得る官能基(J)を有する
単量体(G2)を添加して重合を継続し、重合後、該官
能基(J)を親水性基(I)に変換して親水性高分子微
粒子(H2)を得ているため、親水性高分子微粒子(H
2)では表面付近に単量体(G2)由来の官能基(J)
が変換された親水性基(I)が偏在しており、親水性を
確保しつつ、膨潤や収縮等が生じ難い親水性高分子微粒
子(H2)を得ることが可能とされている。よって請求
項2に記載の発明により、高架橋度であり、耐圧性に優
れ、親水性を示し、かつ粒径の揃った親水性高分子微粒
子を提供することができる。
【0157】また上記親水性高分子微粒子(H1)を、
請求項3に記載のように液体クロマトグラフィー充填剤
として用いた場合、親水性高分子微粒子(H1)が、耐
圧性に優れているため、高圧充填が可能であり、各種ク
ロマトグラフィーにおける測定の速度を高めることがで
きると共に、様々な試料を正確かつ繰り返し測定するこ
とができる。よって、高圧充填可能であるだけでなく、
測定精度の向上、並びに充填剤の寿命の長寿化を図るこ
とが可能となる。
【0158】請求項4に記載の発明のように、親水性単
量体(G1)として、イオン交換基を有する単量体を用
いることにより、親水性高分子微粒子(H1)をイオン
交換溶充填剤とすることができ、従ってイオン交換クロ
マトグラフィーに適した充填剤を提供することができ
る。
【0159】また、上記親水性高分子微粒子(H2)
を、請求項5に記載のように液体クロマトグラフィー用
充填剤として用いた場合、親水性高分子微粒子(H2)
が、耐圧性に優れているため、高圧充填可能であり、各
種液体クロマトグラフィーにおける測定の速度を高める
ことができると共に、様々な試料を正確にかつ繰り返し
測定することができる。よって、高圧充填可能であるだ
けでなく、測定精度の向上、並びに充填剤の寿命の長時
間化を図ることが可能となる。
【0160】請求項6に記載の発明のように、単量体
(G2)が、化学反応によりイオン交換基を生じる官能
基を有する単量体を用いることにより、親水性高分子微
粒子(H2)をイオン交換用充填剤とすることができ、
従ってイオン交換クロマトグラフィーに適した充填剤を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(高分子微粒子H−1)を用い、ヘモ
グロビン類の分析を行った際に得られるクロマトグラム
を示す図。
【図2】比較例1(高分子微粒子H−3)を用い、ヘモ
グロビン類の分析を行った際に得られるクロマトグラム
を示す図。
【図3】比較例2(高分子微粒子H−4)を用い、ヘモ
グロビン類の分析を行った際に得られるクロマトグラム
を示す図。
【図4】比較例5(高分子微粒子H−7)を用い、ヘモ
グロビン類の分析を行った際に得られるクロマトグラム
を示す図。
【図5】実施例2(高分子微粒子H−2)を用い、ポリ
エチレングリコールの分析を行った際に得られるクロマ
トグラムを示す図。
【図6】比較例3(高分子微粒子H−5)を用い、ポリ
エチレングリコールの分析を行った際に得られるクロマ
トグラムを示す図。
【図7】実施例3(高分子微粒子H2−1)を用い、ヘ
モグロビン類の分析を行った際に得られるクロマトグラ
ムを示す図。
【図8】比較例6(高分子微粒子H2−3)を用い、ヘ
モグロビン類の分析を行った際に得られるクロマトグラ
ムを示す図。
【図9】比較例7(高分子微粒子H2−4)を用い、ヘ
モグロビン類の分析を行った際に得られるクロマトグラ
ムを示す図。
【図10】比較例10(高分子微粒子H2−7)を用
い、ヘモグロビン類の分析を行った際に得られるクロマ
トグラムを示す図。
【図11】実施例4(高分子微粒子H2−2)を用い、
ポリエチレングリコールの分析を行った際に得られるク
ロマトグラムを示す図。
【図12】比較例8(高分子微粒子H2−5)を用い、
ポリエチレングリコールの分析を行った際に得られるク
ロマトグラムを示す図。
【符号の説明】
1 HbA1a及びHbA1bのピーク 2 HbFのピーク 3 不安定型HbA1cのピーク 4 安定型HbA1cのピーク 5 HbA0のピーク 6 分子量7500のポリエチレングリコールのピーク 7 分子量2000のポリエチレングリコールのピーク 8 分子量1000のポリエチレングリコールのピーク 9 分子量400のポリエチレングリコールのピーク 10 エチレングリコールのピーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性分散媒に分散された疎水性高分子微
    粒子(A)に、疎水性架橋性単量体(B)または疎水性
    架橋性単量体(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)を
    含む単量体混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収
    させて、重合開始剤(F)の存在下に重合し、さらに重
    合の途中で親水性単量体(G1)を添加して重合を継続
    することにより、架橋されておりかつ平均細孔半径が1
    00〜1000Åの細孔を有する親水性高分子微粒子
    (H1)を製造することを特徴とする高分子微粒子の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 水性分散媒に分散された疎水性高分子微
    粒子(A)に、疎水性架橋性単量体(B)または疎水性
    架橋性単量体(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)を
    含む単量体混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収
    させて、重合開始剤(F)の存在下に重合し、さらに重
    合の途中で化学反応により親水性基(I)に変換され得
    る官能基(J)を有する単量体(G2)を添加して重合
    を継続し、重合後、該官能基(J)を親水性基(I)に
    変換することにより、架橋されておりかつ平均細孔半径
    が100〜1000Åの細孔を有する親水性高分子微粒
    子(H2)を製造することを特徴とする高分子微粒子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 水性分散媒に分散された疎水性高分子微
    粒子(A)に、疎水性架橋性単量体(B)または疎水性
    架橋性単量体(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)を
    含む単量体混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収
    させて、重合開始剤(F)の存在下に重合し、さらに重
    合の途中で親水性単量体(G1)を添加して重合を継続
    することにより、架橋されておりかつ平均細孔半径が1
    00〜1000Åの細孔を有する親水性高分子微粒子
    (H1)よりなる液体クロマトグラフィー用充填剤を製
    造する方法。
  4. 【請求項4】 前記親水性単量体(G1)が、イオン交
    換基を有する単量体であり、前記親水性高分子微粒子
    (H1)がイオン交換用充填剤である請求項3に記載の
    液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 水性分散媒に分散された疎水性高分子微
    粒子(A)に、疎水性架橋性単量体(B)または疎水性
    架橋性単量体(B)及び疎水性非架橋性単量体(C)を
    含む単量体混合物(D)、並びに有機溶媒(E)を吸収
    させて、重合開始剤(F)の存在下に重合し、さらに重
    合の途中で化学反応により親水性基(I)に変換され得
    る官能基(J)を有する単量体(G2)を添加して重合
    を継続し、重合後、該官能基(J)を親水性基(I)に
    変換することにより、架橋されておりかつ平均細孔半径
    が100〜1000Åの細孔を有する親水性高分子微粒
    子(H2)よりなる液体クロマトグラフィー用充填剤を
    製造する方法。
  6. 【請求項6】 前記親水性基(I)がイオン交換基であ
    り、前記親水性高分子微粒子(H2)がイオン交換用充
    填剤である、請求項5に記載の液体クロマトグラフィー
    用充填剤の製造方法。
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