JP2002055093A - 生体試料中の薬物の分離方法及びそれに用いる分離剤 - Google Patents

生体試料中の薬物の分離方法及びそれに用いる分離剤

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JP2002055093A
JP2002055093A JP2000244062A JP2000244062A JP2002055093A JP 2002055093 A JP2002055093 A JP 2002055093A JP 2000244062 A JP2000244062 A JP 2000244062A JP 2000244062 A JP2000244062 A JP 2000244062A JP 2002055093 A JP2002055093 A JP 2002055093A
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meth
drug
separating
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acrylate
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English (en)
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Atsushi Haginaka
淳 萩中
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛋白質等の妨害成分を多量に含有する生体試
料から、該試料中に含有される薬物を分離する際に、除
蛋白等の前処理をすることなく、試料を直接分離剤に注
入することにより分離する方法を提供する。 【解決手段】 高分子粒子表面に親水性高分子層を有す
る親水性高分子粒子を分離剤として用いる生体試料中の
薬物の分離方法。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体試料中の薬物
の分離方法及び分離剤に関する。詳しくは、生体試料
(食品等も含む)から生理活性物質、医薬品及びそれら
の代謝物等を分離・分析する方法、及びそれに好適に用
いられる新規な分離剤に関するものである。本発明の分
離剤は、血清等の蛋白質を多量に含有する生体成分中の
薬物や代謝物を、オフラインにおける除蛋白等の前処理
をすることなく、該生体成分の直接注入による高速液体
クロマトグラフィー法により分離、分析することを可能
とするものである。
【0002】
【従来の技術】生体試料あるいは食品(以下、単に「生
体試料」と称する)などに含有される、生理活性物質、
医薬品及びそれらの代謝物など(以下、単に「薬物」と
称する)の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分
析においては、蛋白質やその他の妨害成分の除去、目的
成分の濃縮を目的として前処理が行われる。従来これら
の前処理はオフラインで行われていたが、時間と労力を
要し、誤差及び再現性の悪さが問題となっていた。
【0003】これに対し、近年はこれらの前処理をオン
ラインで行う方法が報告されている。それらの方法とし
ては、浸透制限充填剤を用いる、界面活性剤を含む移動
相を用いる、前処理用カラムあるいはデバイスをオンラ
インで分析カラムと連結する(カラムスイッチング法)
などの方法がある。このうち、浸透制限充填剤及び界面
活性剤を含む移動相を用いる前処理法では、妨害成分と
の分離が難しい、高感度検出が困難であるという欠点が
ある。また、従来のカラムスイッチング法では、固定化
抗体カラム、オクタデシルシリル化シリカゲル(OD
S)等の逆相系充填剤、サイズ排除用のゲルの使用が報
告されている。しかしながら、固定化抗体カラムでは抗
体作製の煩雑さ、抗体の安定性等に問題があった。ま
た、逆相充填剤を使用する方法では、カラムの劣化が容
易に起こること、親水性物質に対する保持が小さすぎる
こと等が問題となる。さらにODSカラムの場合には、
化学的な安定性が低く、溶離液のpH範囲等が制限される
こと、アルカリによる回生が出来ない等の欠点がある。
サイズ排除用のゲルを使用する場合には親水性物質に対
する保持力が小さすぎる等の問題点があった。さらに、
鋳型構造を有する高分子重合体の表面に親水層が形成さ
れてなる分離剤が報告されているが、鋳型構造故に分離
対象物質に制限があり、一般の対象物に対しては使用困
難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みて為されたものであり、その目的は、蛋白質等の妨
害成分を多量に含有する生体試料から、該試料中に含有
される薬物を分離する際に、除蛋白等の前処理をするこ
となく、試料を直接注入することにより分離することが
出来る方法、及び、親水性物質等を含めた広い範囲の分
離対象物に対する保持力が大きく、使用できるpH範囲
を広く選択でき、また劣化の少ない分離剤を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を
有する分離剤を生体試料中の薬剤の分離に用いること、
中でも特に、酸性あるいは塩基性の化合物の分離に関し
ては、イオン交換基を持つ架橋高分子の表面に親水層を
形成させた分離剤を、中性の化合物に対してはイオン交
換基を持たない架橋高分子の表面に親水層を形成させた
分離剤を使用することにより目的を達成できることを見
いだし本発明に到達した。
【0006】即ち本発明の要旨は、高分子粒子表面に親
水性高分子層を有する親水性高分子粒子を分離剤として
用いることを特徴とする生体試料中の薬物の分離方法、
に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明においては、高分子粒子表面に親水性高分子
層を有する高分子粒子を生体試料中の薬物の分離に用い
る。本発明において対象となる高分子粒子は、その分離
対象とする物質の種類により、イオン交換基を有するも
のと有さないもののいずれかが選択されるが、両者とも
公知の方法で製造することができる。
【0008】イオン交換基を有する高分子粒子は、イオ
ン交換基を有するモノマーを原料モノマーとして用いて
重合して高分子粒子を製造しても良いし、予め製造され
た高分子粒子にイオン交換基を導入しても良い。本発明
の高分子粒子の形状は破砕状、球状、その他何でも良い
が、高分離能を達成するためには球状が好ましい。粒子
径は、通常、1〜1000μmであり、好ましくは1〜
200μm、さらに好ましくは1〜20μmであって、
粒子径の変動係数が10%以下球状高分子粒子が高速液
体クロマトグラフィー用分離剤として特に好適に用いら
れる。
【0009】粒子径が1〜20μmであり、且つ粒子径
の変動係数が10%以下である球状高分子粒子の製造方
法としては、粒子径分布の狭い種粒子を用い、これにさ
らに重合性単量体を含浸させて重合するいわゆるシード
重合法を利用する方法が一例として挙げられる。本発明
の分離剤の高分子粒子はは多孔性を有していてもいなく
ても良いが、多量の対象物を処理するためには多孔質構
造を有している方が好ましい。
【0010】以下、シード重合法を例に挙げて、本発明
において対象とする分離剤を製造する方法について説明
するが、本発明の分離剤の製造方法はかかる方法に限定
されるものではない。シード重合法において用いられる
種粒子は、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合
のいずれかの方法により製造されるものが、粒子径分布
が狭く種粒子として好ましい。例えば分散重合により製
造された1〜10μmの重合体粒子を種粒子としてシー
ド重合する方法(特開昭64−26617号)は好適に
使用できる。
【0011】種粒子としての高分子粒子は、芳香族ビニ
ル単量体及び/または脂肪族ビニル単量体からなる重合
体が好適である。これらは、単独重合体もしくは2種以
上の単量体からなる共重合体のいずれでも良く、1重量
%以下の重合性ポリビニル単量体との共重合体であって
も良い。単量体の好ましい例としては、スチレン、メタ
クリル酸エステルが挙げられる。粒子径については、通
常、0.1〜10μmであって粒子径の変動係数10%
以下であることが好ましい。
【0012】次いでかかる種粒子に重合性単量体を含浸
させる。重合性単量体としては重合性ビニル単量体及び
/または重合性ポリビニル単量体を挙げることが出来
る。重合性ビニル単量体としては(メタ)アクリル酸、
イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸;(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アク
リル酸3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸2、3-ジヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸2-クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)ア
クリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸テ
トラヒドロフルフリル等の(メタ)アクリル酸エステル
類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)
アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;ス
チレン、メチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロ
スチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン及びその
アルキルまたはハロゲンまたはハロゲン化アルキル置換
体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等
のビニルエーテル類;アリルアルコール及びそのエステ
ルまたはエーテル類;(メタ)アクリロニトリル、ビニ
ルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、ビニルピリジ
ン、ビニルピロリドン等のその他のビニル化合物が挙げ
られ、これらの重合性ビニル単量体は単独あるいは2種
類以上を混合して用いることができる。
【0013】また、重合性ポリビニル単量体としては芳
香族ポリビニル単量体、脂肪族ポリビニル単量体が好適
である。芳香族ポリビニル化合物としてはジビニルベン
ゼン、ビスビニルフェニルアルカンが、脂肪族ポリビニ
ル単量体としては多価アルコールのポリ(メタ)アクリ
レートやアルキレンポリ(メタ)アクリルアミドが好ま
しい。具体的には(ポリ)エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロキシブタンジ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、メチレ
ンビスアクリルアミド、ピペラジンジアクリルアミド、
ジアリル酒石酸ジアミド等が挙げられ、これらは単独で
も混合物として用いても良く、特にエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリ
レートが好ましい。
【0014】上記した中でも、特に酸性の薬剤を分離す
る際には(メタ)アクリル酸共重合体、塩基性の薬剤を
分離する際には4−ビニルピリジン共重合体、中性の薬
剤を分離する際にはスチレン共重合体が、それぞれ好適
に用いられる。ここで、本発明において、(メタ)アク
リル酸共重合体、4−ビニルピリジン共重合体、スチレ
ン共重合体とは、それぞれの高分子粒子を構成する全単
量体単位中、(メタ)アクリル酸、4−メチルピリジ
ン、スチレンが、0.1重量%以上であるものを意味
し、好ましくは、1重量%以上である。
【0015】これらの重合性モノビニル単量体及び/ま
たは重合性ポリビニル単量体の種類及び量は、使用する
種粒子の大きさと目的とする粒子の大きさを考慮して適
宜決定される。高速液体クロマトグラフィー用分離剤と
して用いる場合の耐圧性を高めるためには、含浸される
全重合性ビニル単量体中、通常1〜100重量%、好ま
しくは20〜100重量%の重合性ポリビニル単量体を
含むことが好ましい。
【0016】また、シード重合により多孔質体高分子粒
子を製造する場合には、多孔質剤を存在させることが望
ましい。そのための多孔質化剤、すなわち種粒子に含浸
させる多孔質化溶媒としては、シード重合時に相分離剤
として作用し、粒子の多孔質化を促進する有機溶媒であ
れば良く、脂肪族或いは芳香族の炭化水素類、エステル
類、ケトン類、エーテル類、アルコール類が挙げられ
る。具体的には例えば、トルエン、キシレン、シクロヘ
キサン、オクタン、酢酸ブチル、フタル酸ジブチル、メ
チルエチルケトン、ジブチルエーテル、1-ヘキサノー
ル、2-オクタノール、デカノール、ラウリルアルコー
ル、シクロヘキサノール等が挙げられ、これらは単独も
しくは混合して使用することができる。また、場合によ
ってはシード粒子として用いた高分子を相分離剤として
使用することもできる。
【0017】シード重合時のラジカル重合開始剤は、過
酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系
開始剤が好ましい。これら重合開始剤は、ビニル単量体
或いは多孔質化溶媒に溶解し、ビニル単量体の含浸と同
時にまたはその前後に種粒子に含浸させる。また、これ
らの重合性ビニル単量体及び/または重合性ポリビニル
単量体、多孔質化溶媒、ラジカル重合開始剤等を種粒子
に含浸させる際に場合により種粒子に対して親和性の高
い溶媒で希釈し含浸させることもできる。このような溶
媒としては、アルコール、アセトン等の水混和性溶媒や
ジクロロエタン、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素
等が挙げられる。
【0018】このように種粒子となる高分子粒子に重合
性ビニル単量体及び/または重合性ポリビニル単量体、
多孔質化溶媒、重合開始剤を含浸させ、種粒子を肥大化
させた後、水性媒体中に懸濁してシード重合を行う。該
水性媒体中には、シード重合中の凝集、変形、融着を防
止し、その分散安定性を増すために、分散安定剤を含有
させることが好ましい。該分散安定剤としては、公知の
アニオン系、ノニオン系の界面活性剤およびポリビニル
ピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコー
ル等が好ましい。シード重合は重合温度に昇温されるこ
とによって開始される。重合温度は使用する重合開始剤
の種類にもよるが、50〜80℃が好ましい。また、シ
ード重合の時間は重合介在の半減期前後、またはそれ以
上が好ましく、例えば3〜48時間が好ましい。
【0019】イオン交換基を有する高分子粒子を製造す
る場合、イオン交換基は公知の方法で導入することがで
きる。重合性(ポリ)ビニル単量体としてイオン交換能
を有するものを用いても良いし、重合後、重合体にイオ
ン交換基を導入しても良い。イオン交換能を有する重合
性モノマーとしては、例えば重合性ビニル単量体として
は(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不
飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)
アクリルアミド誘導体;ビニルスルホン酸,p−スチレ
ンスルホン酸、ビニルピリジン等のその他のビニル化合
物が挙げられる。
【0020】イオン交換基を導入しうるモノマーとして
は(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒ
ドロキシプロピル,(メタ)アクリル酸2−クロロエチ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル類;スチレン、メチルスチレン、α−メチ
ルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン等
のスチレン及びそのアルキルまたはハロゲンまたはハロ
ゲン化アルキル置換体等が挙げられるが、これ以外にも
イオン交換基を導入できるものであれば何ら制限される
ものではない。
【0021】本発明における分離剤は、前述した高分子
粒子の表面に親水性高分子層を形成されてなるものであ
る。親水性高分子層の種類やその形成方法は特に限定さ
れるものではないが、例えば特開平1−310744号
公報、特開平3−179259号公報、特開平6−26
2070号公報、特開平6−265533号公報、特開
平7−088366号公報に開示されているような水酸
基等の親水性基或いは加水分解等によって水酸基等の親
水性基を生成しうるポリマーにより高分子粒子の表面を
被覆するか、或いは親水性基または加水分解等により親
水性基を生成しうる重合性ビニル単量体を用いて高分子
粒子に重合させ、要すれば加水分解等により親水性基を
生成させる方法が挙げられる。中でも重合性(ポリ)ビ
ニル単量体の重合反応の際、重合反応の継続中に親水性
ビニル単量体および/または親水性基を生成しうる官能
基をを有する重合性ビニル単量体を添加することにより
高分子表面に親水性高分子層を導入する方法が好ましく
用いられる。
【0022】親水性ビニル単量体としては、例えば(メ
タ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カ
ルボン酸類;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸
2,3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリ
コシルエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等のヒドロキシ
ル基、アミノ基、エーテル基等を有する(メタ)アクリ
ル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド
類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、アリルアルコール、ビニルピロリド
ン等が挙げられるが、中でも(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)
アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、(メタ)ア
クリル酸グリコシルエチル、アリルアルコール等の水酸
基を有する(メタ)アクリル酸エステル類および(メ
タ)アクリルアミド、ビニルピロリドン等の親水性の高
いものが好ましい。親水性基を生成しうる官能基を有す
る重合性ビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸3−クロロ−
3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロ
ロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)
アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド、N,
N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル
(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル類;2−クロロエチルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、フタル酸ジアリル等のアリルアルコールのエス
テルおよびエーテル類;ビニレンカーボネート等が挙げ
られるが、この中でも(メタ)アクリル酸グリシジル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニレンカーボネー
ト等の水酸基を生成しうるものが好ましく用いられる。
【0023】また、重合反応の継続中に親水性ビニル単
量体および/または親水性基を生成しうる官能基を有す
る重合性ビニル単量体を添加する場合に、必要に応じて
親水性の重合性ポリビニル単量体を使用することも可能
である。このような親水性の(ポリ)ビニル単量体とし
ては、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールジ(メタ)アクリレート、テトラメチロー
ルメタンジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレング
リコールジビニルエーテル、メチレンビス(メタ)アク
リルアミド等が挙げられ、好ましくはグリセロールジ
(メタ)アクリレートが用いられる。重合反応の継続中
に添加される親水性ビニル単量体および/または親水性
基を生成しうる重合性ビニル単量体中の親水性の重合性
ポリビニル単量体の割合は0〜60重量%が好ましい。
60重量%を越えると高分子粒子表面の親水化が不十分
になる。親水性ビニル単量体および/または親水基を生
成しうる官能基を有する重合性ビニル単量体の添加量
は、反応中の重合体に対して1〜30重量%であり、好
ましくは2〜20重量%である。
【0024】親水性ビニル単量体および/または親水基
を生成しうる官能基を有する重合性ビニル単量体は、重
合反応開始後0.5〜24時間後、好ましくは1〜12
時間後一括または分割して添加する。分割して添加する
場合には、例えば10〜60分毎に添加する方法が好ま
しい。また、親水性ビニル単量体および/または親水基
を生成しうる官能基を有する重合性ビニル単量体は、そ
のまま添加するか、もしくは溶媒で希釈もしくは溶解し
て添加される。親水性ビニル単量体および/または親水
基を生成しうる官能基を有する重合性ビニル単量体の添
加に際し、重合開始剤、特に過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウム等の水溶性開始剤を同時に添加することも高
分子粒子表面の親水性高分子層の形成に好ましい。
【0025】このようにして製造される高分子粒子の表
面に親水性高分子層を有する親水性高分子粒子の平均粒
径は、通常、1 〜 1000μm、好ましくは、1〜
200 μm,さらに好ましくは 1〜20μmであ
る。本発明の分離方法においては、上述したような親水
性高分子粒子を分離剤として用いて、生体試料における
薬物を分離する。
【0026】本発明において対象とする生体試料として
は、血清,血漿,尿、脊髄液等が挙げられる。また分離
対象とする薬物の一例としては、(S)-ナプロキセン,イ
ブプロフェン,フルルビプロフェン,ケトプロフェン等
のフェニル酢酸誘導体(ナフチル酢酸誘導体等も含
む),(S)-プロプラノロール,(S)-アルプレノロール,
ピンドロール等のβ-遮断薬,テオフィリン等のキサン
チン誘導体,フェノバルビタール,カルバマゼピン,フ
ェ二トイン,バルプロ酸等の抗てんかん薬,バルビター
ル、ニトラゼパム、ジアゼパム等がある。
【0027】これらのうち、(S)-ナプロキセン,イブプ
ロフェン,フルルビプロフェン,ケトプロフェン,バル
プロ酸等の酸性を示すもの、(S)-プロプラノロール,
(S)-アルプレノロール,ピンドロール,テオフィリン,
カルバマゼピン,フェニトイン等の塩基性のものは、イ
オン交換基を有する高分子粒子を用いるのが好ましく、
またフェノバルビタール、バルビタール、ニトラゼパ
ム、ジアゼパム等の中性(ここで、「中性」とは通常の
pH範囲では電荷を持たないことを意味する)のものは、
イオン交換基を有さない高分子粒子を用いるのが好まし
い。
【0028】本発明の分離方法は、特に高速液体クロマ
トグラフィーに適用した場合に効果的であり、通常の高
速液体クロマトグラフィー分析に使用される装置,分析
方法を適用することができる.
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例によって限定されるものではない。 実施例1 平均粒子径が1.0μmである球状ポリスチレン粒子か
らなる種粒子の水懸濁液(固形濃度0.497ml/m
l)0.17mlを、膨潤助剤であるフタル酸ジブチル
0.48mlおよび界面活性剤であるラウリル硫酸ナト
リウム0.02gを水10mlの中に分散させたマイク
ロエマルジョンと混合し、室温で緩やかに15時間攪拌
した(一次膨潤)。この一次膨潤は光学顕微鏡による観
察において加えたマイクロエマルジョン液滴が見られな
くなるまで行った。次に多孔質化溶媒であるトルエン
4.0mL、開始剤であるアゾビスジメチルバレロニト
リル0.375gを、懸濁安定剤である4.8%ポリビ
ニルアルコール(重合度500、鹸化度86.5〜89
%)10mlと水12.5mlとを混合した溶液中に懸
濁させた微分散液を、上記の一次膨潤後の懸濁液に加
え、室温で2時間緩やかに攪拌した(二次膨潤)。
【0030】二次膨潤が終了した懸濁液に対し、重合性
ポリビニル単量体としてエチレングリコールジメタクリ
レート6.0ml、4−ビニルピリジン0.64mlお
よび界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム0.02
gを懸濁安定剤である4.8%ポリビニルアルコール
(重合度、鹸化度)溶液10mlと水12.5mlとを
混合した溶液中に懸濁させた微分散液を上記の二次膨潤
後の懸濁液に加え、室温で2時間緩やかに攪拌した(三
次膨潤)。
【0031】三次膨潤の終了した懸濁液をアルゴン雰囲
気下、緩やかに攪拌しながら温度を50℃に上げて重合
を開始した。重合開始後、4時間経過した時点で親水性
ビニル単量体であるメタクリル酸2,3−ジヒドロキシ
プロピル0.5ml、親水性の重合性ポリビニル単量体
であるグリセロールジメタクリレート0.5ml及び水
溶性重合開始剤である過硫酸カリウム0.02gを一括
添加し、温度を70℃に上げて20時間重合を行った。
重合の終了した懸濁液を水250ml中に投入し、粒子
の沈降後上澄みを廃棄することで懸濁安定剤を除去し
た。さらに粒子をメタノールに再分散させ、粒子の沈降
後に上澄みを除く方法で洗浄した。この操作をメタノー
ルでさらに1回行った。得られた粒子の平均直径は5.
0μmであった。
【0032】分析例1 実施例1で得られた粒子を内径4.6mm、長さ30m
mのカラムに充填し、前処理カラムとした。分析カラム
はCosmosil5C18−MS(内径4.6mm、
長さ150mm)を用いた。標準血清100μl及びイ
ブプロフェン5μg/mlを含む標準血清100μlの
カラムスイッチング法逆相液体クロマトグラフィーによ
る直接注入分析を行った。(標準血清中には、血清アル
ブミン,血清グロブリン等の血清タンパクが約7%含有さ
れる。)カラムスイッチング前の移動相は、20mMリ
ン酸緩衝液(pH3.2)/アセトニトリル = 80
/20(V/V)、流速1.0ml/min、通液時間
は9分間とした。カラムスイッチング後の移動相は、2
0mMリン酸緩衝液(pH7.1)/アセトニトリル
= 78/22(V/V)、流速1.0ml/minと
した。検出は223nm紫外検出器にて行った。それぞ
れのクロマトグラムを図1、図2に示す。これにより、
実施例1で合成した分離剤を用いることにより、イブプ
ロフェンの直接分析が可能であることが判る。
【0033】比較例1 前処理カラムとして、カプセルパック−MF(高純度シ
リカゲルをシリコーンポリマーの薄膜で被覆した上に親
水性基と疎水性基を一定の比率で結合させたもの)(資
生堂社製)を用いた他は分析例1と同様の方法で分析を
行った。その結果イブプロフェンは充填剤との相互作用
が弱く前処理カラムに吸着されずに全て溶出した。
【0034】
【発明の効果】本発明の分離方法によれば、蛋白質等の
妨害成分を多量に含有する生体試料から、該試料中に含
有される薬物を分離する際に、除蛋白等の前処理をする
ことなく、試料を直接分離剤に注入することにより分離
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/88 G01N 30/88 Z // C08L 25:04 C08L 25:04 33:02 33:02 39:08 39:08

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子粒子表面に親水性高分子層を有す
    る親水性高分子粒子を分離剤として用いることを特徴と
    する生体試料中の薬物の分離方法。
  2. 【請求項2】 高分子粒子がイオン交換基を有するもの
    である、請求項1に記載の生体試料中の薬物の分離方
    法。
  3. 【請求項3】 高分子粒子が(メタ)アクリル酸共重合
    体である請求項2に記載の生体試料中の薬物の分離方
    法。
  4. 【請求項4】 高分子粒子が4−ビニルピリジン共重合
    体である請求項2に記載の生体試料中の薬物の分離方
    法。
  5. 【請求項5】 生体試料が血清である請求項1〜4のい
    ずれかに記載の生体試料中の薬物の分離方法。
  6. 【請求項6】 分離される薬物が酸性である請求項3に
    記載の生体試料中の薬物の分離方法。
  7. 【請求項7】 分離される薬物が塩基性である請求項4
    に記載の生体試料中の薬物の分離方法。
  8. 【請求項8】 高分子粒子がスチレン共重合体であり、
    イオン交換基を有さないものである請求項1に記載の生
    体試料中の薬物の分離方法。
  9. 【請求項9】 分離される薬物が中性である請求項8に
    記載の生体試料中の薬物の分離方法。
  10. 【請求項10】 生体試料中に含まれる薬物以外の共存
    物質を除去する工程を経ることなく、直接生体試料を分
    離剤に注入する請求項1〜9のいずれかに記載の生体試
    料中の薬物の分離方法。
  11. 【請求項11】 分離剤を高速液体クロマトグラフィー
    用充填剤として用いる請求項1〜10に記載の生体試料
    中の薬物の分離方法。
  12. 【請求項12】 (メタ)アクリル酸系共重合体からな
    る高分子粒子の表面に親水性高分子層が形成されてなる
    分離剤。
  13. 【請求項13】 4−ビニルピリジン共重合体からなる
    高分子粒子の表面に親水性高分子層が形成されてなる分
    離剤。
  14. 【請求項14】 スチレン共重合体からなる高分子粒子
    の表面に親水性高分子層が形成されてなる分離剤。
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