JPH11294572A - 自動変速機のコーストダウンシフト制御装置 - Google Patents

自動変速機のコーストダウンシフト制御装置

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JPH11294572A
JPH11294572A JP10093582A JP9358298A JPH11294572A JP H11294572 A JPH11294572 A JP H11294572A JP 10093582 A JP10093582 A JP 10093582A JP 9358298 A JP9358298 A JP 9358298A JP H11294572 A JPH11294572 A JP H11294572A
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JP
Japan
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clutch
speed
shift
duty ratio
gear
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JP10093582A
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English (en)
Inventor
Kazumi Hoshiya
一美 星屋
Hidehiro Oba
秀洋 大庭
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のクラッチと、複数のシンクロ機構とを
備えたコーストダウンシフトを行う自動変速機におい
て、シンクロ切換の際にギヤ同士を係合させるための十
分な押圧力と、よりきめ細かい制御ができるクラッチ油
圧の両方を同時に満たすことのできるライン圧を設定す
る。 【解決手段】 前記シンクロの切換え時(時刻t5 〜t
6 )において、その後半以降(t52〜t6 )において一
時的にライン圧を昇圧する。その際クラッチ油圧の方は
ライン圧を上昇させた分、制御用デューティ比を変換
し、低める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるツインク
ラッチタイプの自動変速機において、コーストダウンシ
フトを実行する際に適用するのに好適な制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、運転者がスロットル開度を閉、
又は、閉に近い状態にしたコースト時において、車速が
低下してダウンシフトの変速点を過ぎるとダウンシフト
が実行される。特に近年では、クラッチツウクラッチ変
速を行う際にギヤ鳴りを防止するため、周知のシンクロ
機構を採用している自動変速機が普及してきている。
【0003】シンクロ機構は、2つの回転速度の異なる
クラッチ出力側のギヤと出力軸側のギヤとを噛み合わせ
る際に、周知のシンクロコーンの摩擦により、互いのギ
ヤの回転速度を同期させる装置である。そして、同期後
に互いのギヤを噛み合わせるようにしている。
【0004】ところで一般にライン圧はスロットル開度
に依存して設定されるため、コーストダウンシフトが実
行されるような状況では非常に低目に設定される。しか
しながら、ライン圧(押圧力)があまり低く設定される
と、互いのギヤを同期させるのに時間を要したり、ギヤ
を噛み合わせるための押圧力が足りなくなってしまう可
能性が発生するため、従来では、そのような不都合が生
じさせないようにライン圧を高目に設定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ライン
圧を高く設定しておくと、前述したように、互いのギヤ
が噛み合う際に、急係合によるショックが発生するだけ
ではなく、近年では例えば公知のデューティソレノイド
バルブ等の油圧制御機器によってクラッチ油圧をよりき
め細かく制御することが要求されるようになってきたた
め、ライン圧が高すぎると、こうしたきめ細かな制御が
し辛くなるという新たな問題が発生してきている。
【0006】そのため、ライン圧は、できるだけ低く抑
えておきたいという要求がある反面、互いのギヤが係合
する際に必ず完全に噛み合うだけの押圧力を確保しなけ
ればならないという、相反する条件を同時に満たさなけ
ればならないので、その設定については非常に難しい面
があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、コーストダウンシフトが実行さ
れるような状況において、シンクロ機構により2つのギ
ヤを同期後に噛み合わせるための十分な押圧力を確保し
つつ、一方で急係合、あるいは急噛合によるショックを
防止し、更にはきめ細かいクラッチ油圧制御ができるよ
うな相反する要件を同時に満すことのできるライン圧を
生成することのできる自動変速機のコーストダウンシフ
ト制御装置を提供することを、その課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数のクラッチと、複数のシンクロ機構と、を備
え、該シンクロ機構の切換えと前記複数のクラッチツウ
クラッチによる切換えとの組合せによって、コースト状
態で高速段から低速段へのダウンシフトを実行する自動
変速機のコーストダウン制御装置において、前記シンク
ロ機構の切換えを伴うコーストダウンシフトを実行すべ
き変速判断があったことを検出する手段と、前記変速判
断があったときは、前記シンクロ機構の切換え時に、そ
れまで出力されていたライン圧を一時的に昇圧する手段
と、を備えたことにより、上記課題を解決したものであ
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記ライン圧の
昇圧期間は、前記低速段側のクラッチ油圧のデューティ
比を前記ライン圧の昇圧に対応するように変換すること
により、ライン圧が変化しても、それに依存することな
く適したクラッチ油圧を確保することができる。
【0010】請求項3の記載の発明は、前記昇圧は、前
記シンクロ機構の切換え時において、該切換えによって
タービン回転速度が変化する期間の後半以降に実行する
ことにより、同じく上記課題を解決したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0012】図2は、本発明が適用されたトルクコンバ
ータ付きのツインクラッチ式4段自動変速機の全体の構
造を模式的に示した図である。
【0013】図2において、1はエンジンを、2はロッ
クアップ機構付きのトルクコンバータを、3はツインク
ラッチ式自動変速機を表わしている。
【0014】エンジン1の出力軸10はトルクコンバー
タ2のフロントカバー20に連結されている。フロント
カバー20は、流体流を介して連結されるポンプインペ
ラ21とタービン22を介して、あるいは、ロックアッ
プクラッチ23を介してトルクコンバータ出力軸24に
連結されている。トルクコンバータ2の出力軸24は、
ツインクラッチ式自動変速機3の入力軸(変速機入力
軸)30に一体回転可能に連結されている。なお、25
はステータ、26はワンウェイクラッチである。
【0015】入力軸30は、第1クラッチC1の第1ク
ラッチ入力ディスクC1i 、第2クラッチC2の第2ク
ラッチ入力ディスクC2i が連結されている。
【0016】そして、第1クラッチC1の第1クラッチ
出力ディスクC1o 、第2クラッチC2の第2クラッチ
出力ディスクC2o に、それぞれ、第1クラッチ出力軸
40、第2クラッチ出力軸50が、入力軸30の外側に
同軸的に連結されている。
【0017】又、副軸60と出力軸(変速機出力軸)7
0が、これらの軸に平行に配設されている。
【0018】第2クラッチ出力軸50には、第2速ドラ
イブギヤI2 、副軸ドライブギヤIs 、第4速ドライブ
ギヤI4 が固定的に連結されている。
【0019】一方、第1クラッチ出力軸40には、第4
速ドライブギヤI4 に隣接するようにして第3速ドライ
ブギヤI3 が、更にそのトルクコンバータ2側に第1速
ドライブギヤI1 が固定的に連結されている。
【0020】出力軸70には、第2速ドライブギヤI2
と常時噛合する第2速ドリブンギヤO2 、第4速ドライ
ブギヤI4 と常時噛合する第4速ドリブンギヤO4 、第
3速ドライブギヤI3 と常時噛合する第3速ドリブンギ
ヤO3 、第1速ドライブギヤI1 と常時噛合する第1速
ドリブンギヤO1 が、それぞれ、回転自在に取り付けら
れている。
【0021】第1シンクロ(シンクロ機構)D1は、出
力軸70に固定的に連結された第1ハブH1と、その外
周端部上に軸方向摺動自在に取り付けられた第1スリー
ブS1からなり、この第1スリーブS1を、第1シフト
フォークY1を介して第1スリーブアクチュエータAC
T1によって移動し、第1速ドリブンギヤO1 に固定結
合されている第1速クラッチギヤG1 、又は、第3速ド
リブンギヤO3 に固定結合されている第3速クラッチギ
ヤG3 に係合させることによって、第1速ドリブンギヤ
O1 及び第3速ドリブンギヤO3 を選択的に出力軸70
に連結させる。
【0022】同様に、第2シンクロ(シンクロ機構)D
2は出力軸70に固定的に連結された第2ハブH2と、
その外周端部上に軸方向摺動自在に取り付けられた第2
スリーブS2からなり、この第2スリーブS2を、第1
シフトフォークY2を介して第2スリーブアクチュエー
タACT2によって移動し、第4速ドリブンギヤO4に
固定結合されている第4速クラッチギヤG4 、又は、第
2速ドリブンギヤO2に固定結合されている第2速クラ
ッチギヤG2 に係合させることによって第4速ドリブン
ギヤO4 、及び第2速ドリブンギヤO2 を選択的に出力
軸70に連結させる。
【0023】副軸60には、副軸ドライブギヤIs と常
時噛合する副軸ドリブンギヤOs 、第1速ドライブギヤ
I1 とアイドラギヤMR を介して常時噛合する後進ドラ
イブギヤIR が配設されている。副軸ドリブンギヤOs
は副軸60に固定的に連結され、常時副軸60と一体に
回転するが、後進ドライブギヤIR は回転自在に取り付
けられていて、両ギヤの中間に配設された第3シンクロ
(シンクロ機構)D3により、選択的に副軸60に連結
される。
【0024】第3シンクロD3は、副軸60に固定的に
連結された第3ハブH3と、その外周端部上に軸方向摺
動自在に取り付けられた第3スリーブS3からなり、こ
の第3スリーブS3を第3シフトフォークY3を介して
第3スリーブアクチュエータACT3によって移動し、
後進ドライブギヤIR に固定結合されている後進クラッ
チギヤGR に係合させることによって、後進ドライブギ
ヤIR を選択的に副軸60と一体に回転させる。
【0025】図3の(A)(B)は、各速度段におけ
る、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1スリー
ブS1、第2スリーブS2、第3スリーブS3の係合の
状態を示したものである。
【0026】○が付されたものは、その変速段における
動力の伝達のための係合であって、Δはダウンシフト用
の予備選択を、▽はアップシフト用の予備選択をした場
合に付加される係合を示している。予備選択により付加
された係合は、その変速段における動力の伝達には寄与
しない。
【0027】例えば、第1速段では第1クラッチC1が
係合され、第1クラッチ出力ディスクC1o に結合され
た第1クラッチ出力軸40が第1速ドライブギヤI1 、
第3速ドライブギヤI3 と共に回転し、第1速ドライブ
ギヤI1 に常時噛合している第1速ドリブンギヤO1 が
回転し、次に、第1スリーブS1が第1速クラッチギヤ
G1 側に位置していることによって出力軸70が第1ハ
ブH1、第2ハブH2と共に回転し、動力が伝達され
る。
【0028】第2速段では第2クラッチC2が係合さ
れ、第2クラッチ出力ディスクC2oに結合された第2
クラッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第2ク
ラッチ出力軸50、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドラ
イブギヤIs と共に回転し、第2速ドライブギヤI2 に
常時噛合している第2速ドリブンギヤO2 が回転し、次
に、第2スリーブS2が第2速クラッチギヤG2 側に位
置していることによって、出力軸70が第1ハブH1、
第2ハブH2と共に回転し、動力が伝達される。
【0029】第3速段では第1クラッチC1が係合さ
れ、第1クラッチ出力ディスクC1oに結合された第1
クラッチ出力軸40が第1速ドライブギヤI1 、第3速
ドライブギヤI3 と共に回転し、第3速ドライブギヤI
3 に常時噛合している第3速ドリブンギヤO3 が回転
し、次に、前述のように第1スリーブS1が第3速クラ
ッチギヤG3 側に位置していることによって、出力軸7
0が第1ハブH1、第2ハブH2と共に回転し、動力が
伝達される。
【0030】第4速段では第2クラッチC2が係合さ
れ、第2クラッチ出力ディスクC2oに係合された第2
クラッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第2ク
ラッチ出力軸50、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドラ
イブギヤIs と共に回転し、第4速ドライブギヤI4 に
常時噛合している第4速ドリブンギヤO4 が回転し、次
に、第2スリーブS2が第4速クラッチギヤG4 側に位
置していることによって、出力軸70が第1ハブH1、
第1ハブH2と共に回転し、動力が伝達される。
【0031】後進段では第2クラッチC2が係合され、
第2クラッチ出力ディスクC2o に結合された第2クラ
ッチ出力軸50が第2速ドライブギヤI2 、第2クラッ
チ出力軸50、第4速ドライブギヤI4 、副軸ドライブ
ギヤIs と共に回転し、副軸ドライブギヤIs に常時噛
合している副軸ドリブンギヤOs を介して副軸60が回
転し、第3スリーブS3が後進クラッチギヤGR 側に位
置していることにより後進ドライブギヤIR が回転し、
その結果、後進アイドラギヤMR を介して第1速ドリブ
ンギヤO1 が回転し、次に、第1スリーブS1が第1速
クラッチギヤG1 側に位置していることによって、出力
軸70が第1ハブH1、第2ハブH2と共に回転し、動
力が伝達される。
【0032】そして、各変速段の間の変速は、変速後の
変速段の伝達経路の完成に必要なスリーブを移動して係
合し、次に、変速前に使用されている一方のクラッチを
解放しながら、変速後に使用される他方のクラッチを係
合していき、変速前の変速段の伝達経路を完成している
スリーブを移動して解放することにより行われる。
【0033】例えば、第2速段から第3速段への変速
は、第1スリーブS1を第3クラッチギヤG3 と係合す
るように移動せしめ、第2クラッチC2を解放させなが
ら、第1クラッチC1を係合し、そして、第2スリーブ
S2を第2速クラッチギヤG2との係合から解放される
ように移動せしめる。
【0034】なお、この実施形態では図3の(B)に示
すようにその時点での走行環境(例えば車速)から次変
速段を予測し、これに対応するシンクロ機構を予め係合
させておくことにより、変速判断があった時点で直ちに
クラッチの切換え制御に入れるように制御している。
【0035】第1クラッチC1と第2クラッチC2の係
合、解放の制御(クラッチツウクラッチの切換制御)
は、それぞれ、第1クラッチ入力ディスクC1i 、第2
クラッチ入力ディスクC2i に連結された第1クラッチ
・クラッチプレート(図示しない)、第2クラッチ・ク
ラッチプレート(図示しない)を、油圧によって駆動さ
れる第1クラッチピストン(図示しない)、第2クラッ
チピストン(図示しない)によって、第1クラッチ出力
ディスクC1o 、第2クラッチ出力ディスクC2o に連
結された第1クラッチ・クラッチプレート(図示しな
い)、第2クラッチ・クラッチプレート(図示しない)
に摩擦係合せしめることによって行われる。
【0036】前記ピストンの駆動は、図2における油圧
供給源OPから供給された作動油をピストン油室に給排
制御することにより行われ、第1クラッチ供給油圧制御
弁VC1及び第2クラッチ供給油圧制御弁VC2を電子
制御ユニット(以下ECUという)100によって、微
細に制御することにより行われる。
【0037】又、第1スリーブS1、第1スリーブS
2、第3スリーブS3の移動は、前述したように、それ
ぞれ、第1スリーブアクチュエータACT1、第2スリ
ーブアクチュエータACT2、第3スリーブアクチュエ
ータACT3により行われる。
【0038】各スリーブアクチュエータの構造の詳細な
説明は省略するが、シフトフォークが連結されたピスト
ンを所望の方向に移動するものであって、油圧供給源O
Pから供給された作動油をピストンの両側に形成されて
いるピストン油室に給排制御することにより行われる。
そのため、各ピストン油室への作動油の供給を制御する
弁と、各ピストン油室からの作動油の排出を制御する弁
とが備えられ、ECU100によってこれらの弁の開閉
が制御される。
【0039】本発明においては、各スリーブが所定の移
動をしたかどうかを確認することが必要があるため、第
1スリーブアクチュエータACT1、第2スリーブアク
チュエータACT2、第3スリーブアクチュエータAC
T3は、前記ピストンの移動からスリーブの位置を検出
する第1、第2、第3のスリーブ位置センサ115a、
115b、115cを有していて、その信号はECU1
00の入力インターフェイス回路101に送られる。
【0040】ECU100は、デジタルコンピューテか
らなり、相互に接続された入力インターフェイス回路1
01、ADC(アナログデジタル変換器)102、CP
U(マイクロプロセッサ)103、RAM(ランダムア
クセスメモリ)104、ROM(リードオンリメモリ)
105、出力インターフェイス回路106を具備してい
る。
【0041】CPU103には、ギヤ段位置を検出する
ギヤ段センサ111、車速(変速機出力軸の回転速度)
を検出する車速センサ112、スロットル開度を出力す
るスロットル開度センサ113、入力軸30の回転速度
を検出する入力軸回転速度センサ114、及び前述の各
スリーブアクチュエータ内に設けられたスリーブ位置を
検出するスリーブ位置センサ115a、115b、11
5c等の各センサの出力信号が、入力インターフェイス
回路101を介して、あるいは更にADC102を介し
て入力される。
【0042】CPU103は上記各種センサの値と、R
OM105に記憶しておいたデータから後述する本発明
の制御を行うために、前記各スリーブを移動せしめるス
リーブアクチュエータを制御する信号を発生する他、ツ
インクラッチ式自動変速機のクラッチを制御する第1ク
ラッチ供給油圧制御弁VC1及び第2クラッチ供給油圧
制御弁VC2を制御する信号、前記ロックアップクラッ
チを制御するロックアップ油圧制御弁VLを制御する信
号を発生し、出力インターフェイス回路106を介し
て、それぞれに送出する。
【0043】次に制御の内容について詳しく説明する。
【0044】図4は、本発明に係るコーストダウンシフ
トの制御を示すタイムチャートである。
【0045】このタイムチャートは、第4速段及び第2
速段兼用の第2クラッチC2 に対するデューティ比、第
3速段及び第1速段兼用の第1クラッチC1 に対するデ
ューティ比、タービン回転速度(=変速機入力軸30の
回転速度)NT、第1、第2シンクロD1 、D2 の切換
え状態、変速出力、エンジン回転速度NE、各変速段の
同期回転速度DK1 、DK2 、DK3 、DK4 、及び目
標タービン回転速度NTt相互の関係を示している。理
解を容易にするため、ここではエンジン回転速度NEは
一定として表示している。
【0046】なお、図4のデューティ比、油圧の欄にお
いて太線はデューティ比を示し、細線は油圧を示してい
る。デューティ比が100%のとき、各クラッチC1 、
C2にライン圧が100%供給され、デューティ比が0
%のとき、各クラッチC1 、C2 の油圧が完全ドレンさ
れる。
【0047】又、前述したように、第1クラッチC1 は
第3速段のクラッチcl3 と第1速段のクラッチcl1 とし
ての機能を兼用し、第2クラッチC2 は第4速段のクラ
ッチcl4 と第2速段のクラッチcl2 としての機能を兼用
する。以下説明の便宜のため、適宜呼び名称を切換えて
説明する。
【0048】この実施形態ではタービン回転速度NTが
エンジン回転速度+所定値ΔNT1に維持されるように
低速段側クラッチ(及び高速段側クラッチ)を制御する
ようにしている。
【0049】図4の左端の時刻t1 で示す部分は、第4
速段クラッチcl4 が完全係合し、且つ第3速段クラッチ
cl3 が完全解放されている変速動作前の状態(第4速段
が成立している状態)を示している。
【0050】この第4速段の状態から、コースト状態
(スロットル開度が全閉又は全閉に近い状態)でタービ
ン回転速度NTが第3速段のダウンシフト点以下になる
と、ダウンシフトすべき変速判断があったとして、まず
時刻t2 で第4速段クラッチcl4 のデューティ比を急激
に落とし、該第4速段クラッチcl4 を解放する(但しこ
こでは未だ完全解放状態ではない)。
【0051】又、これと同時に、第3速段クラッチcl3
を係合させるべく、第3速段クラッチcl3 の油圧を期間
T1 だけデューティ比100%を出力し(いわゆるファ
ーストクイックフィルと呼ばれる操作)、時刻t3 より
デューティ比をDL1 にまで下げた状態で待機させ、そ
の後ΔDL1 ずつ上昇させる。
【0052】なお、このデューティ比DL1 は、第3速
段クラッチcl3 が容量を持つぎりぎりの値である。
【0053】従来ならば、第4速段クラッチcl4 の解放
と共に第3速段クラッチcl3 の係合が開始されるので、
タービン回転速度NTはある時刻から上昇を開始する。
しかしながらこの実施形態ではここで車両を弱エンジン
ブレーキ状態に維持するために、タービン回転速度NT
が、エンジン回転速度NEよりも所定値ΔNT1 だけ高
くなるように設定した目標回転速度(目標値)NTtに
維持されるように第3速段クラッチ(変速出力段側クラ
ッチ)cl3 のデューティ比を制御する。即ち、第3速段
クラッチcl3 が容量を持ち始めタービン回転速度NTが
若干上昇した時刻t4 で第4速段クラッチcl4 のデュー
ティ比を完全ドレン(0%)状態にすると共に、タービ
ン回転速度NTが目標回転速度NTtを維持するように
第3速段クラッチcl3 のデューティ比をフィードバック
制御する。従ってタービン回転速度NTは目標回転速度
NTtに維持され、上昇はしない。
【0054】一方、時刻t4 からカウント開始されたド
レンタイマT2 が経過したことが検出されると(時刻t
5 )、第2シンクロD2 を第4速段位置から第2速段位
置へと切換える指令が出される。
【0055】なお、ここで、第2シンクロD2 の切換指
令をドレンタイマT2 が経過したするまで待ってから開
始されるようにしたのは、第4速段クラッチcl4 の油圧
が少しでも容量を持っていると、第2シンクロD2 の切
換えに支障がでる可能性があるため、それを防止したた
めである。シンクロの移動は、支障がない範囲でできる
だけ早く切換えを開始・移動・完了させる。
【0056】時刻t6 で第2シンクロD2 の切換えが完
了したことが確認されると、時刻t7 で3→2の変速出
力が出され、新しく低速段側クラッチとなった第2速段
クラッチcl2 (第2クラッチC2 )を再び係合させるべ
く、所定時間T3 だけ第2速段クラッチcl2 のデューテ
ィ比を100%出力し(ファーストクイックフィルを実
施し)、その後時刻t8 から一旦、デューティ比をDL
1 まで下げて待機させ、その後ΔDL1 ずつ上昇させ
る。この状態は第1クラッチC1 が容量を持ち始め、若
干のタービン回転速度NTの上昇により第2クラッチC
2 のデューティ比が減少(C2 の受け持ち容量の減少)
しDH2 に達するまで続けられ、その時点t9 で第3速
段クラッチcl3 (第1クラッチC1 )のデューティ比を
0%(完全ドレン)にする。
【0057】前記と同様に時刻t9 以降では、(新たに
低速段側クラッチとなった)第2速段クラッチcl2 (第
2クラッチC2 )が容量を持ってきているので、この段
階でタービン回転速度NTを目標回転速度NTtに維持
する制御は、第2速段クラッチcl2 のフィードバック制
御によって実現するように切換えられる。
【0058】時刻t10で、第3速段クラッチcl3 (第1
クラッチC1 )の油圧が完全にドレンされたことが(ド
レンタイマにより)検出されると、第1シンクロD1 を
第3速段位置から第1速段位置へ切換える作業が開始さ
れる。
【0059】時刻t11で第1シンクロD1 の切換えが完
了したことが確認されると、時刻t12で2→1の変速出
力が出され、新しく低速段側クラッチとなった第1変速
段クラッチcl1 (第1クラッチC1 )のデューティ比を
再び、所定時間T4 だけ100%とし(ファーストクイ
ックフィルを実施し)デューティ比をDL1 とした後
(時刻t13)、ΔDL1 ずつ増大させるが、時刻t14で
第1クラッチC1 が容量を持ち始めるまでは第2速段ク
ラッチcl2 によるフィードバックを継続し、時刻t14で
第2速段クラッチcl2 を完全ドレンする。
【0060】時刻t14以降はタービン回転速度NTを目
標回転速度NTtに維持する制御は(低速段側クラッチ
である)第1速段クラッチcl1 (第1クラッチC1 )の
デューティ比をフィードバック制御することによって行
う。
【0061】なお、タービン回転速度NTが目標回転速
度NTtに達した時刻t15以降は、タービン回転速度N
Tが所定の低下速度で低下するように、第1速段クラッ
チcl1 の油圧をフィードバック制御してもよい。
【0062】時刻t16になると、第1変速クラッチcl1
が完全に係合したとして(車速により確認:コースト制
御の所定条件非成立又はコースとダウン終了条件成立に
より確認)、該第1速段クラッチcl1 のデューティ比は
100%に維持され、やがて車両は時刻t17で停止す
る。
【0063】次に、本実施形態の特徴であるライン圧制
御を説明するために第4速段から第3速段のコーストダ
ンシフトに注目し図1に基づいてより詳細に説明する。
なお、本発明は、第4速段から第3速段のコーストダウ
ンシフトのみに限定するものではなくすべての段に対し
てのコーストダウンシフト及び飛び越しコーストダウン
シフトに適用する。
【0064】なお図1は第4速段クラッチcl4 (C2)
のデューディ比及びその油圧値、第3速段クラッチcl3
のデューティ比、第3速段クラッチcl3 の油圧、ライン
圧PL、タービン回転速度(=変速機入力軸30の回転
速度)NT、又、第4速段、第3速段の同期回転速度D
K4、DK3及び、後述する目標回転速度NTtの相互
関係を示している。又、前述と同様に理解を容易にする
ため、エンジン回転速度NEは一定として説明する。
【0065】図1では、時刻t1 から時刻t5 までは図
4のタイムチャートと同一であるので、重複を避けるた
め、ここでは説明を省略する。
【0066】時刻t5 で第4速段のクラッチCL4 の油
圧が完全にドレンされたことが検出されると、第2シン
クロD2 は第2変速段側へ移動を開始する。その結果、
時刻t51で第2シンクロD2 が第2速段クラッチギヤG
2 とスリーブS2 が同期するように動作し始める。
【0067】動作方法は、従来と何等変わることはない
が、第2スリーブS2 の先端部に取り付けられた周知の
シンクロコーン(図示せず)を第2速段クラッチギヤG
2 の壁に押圧し、摩擦により第2速段クラッチギヤG2
と第2スリーブS2 とが同じ回転速度(同期)になるま
で押圧するようにする。回転速度が同じになったら(同
期後)、第2速クラッチギヤG2 と第2スリーブS2 の
ギヤ(以後、互いのギヤという)とを噛み合わせ(係合
させ)る(時刻t6 )。
【0068】ここで、従来の制御設定について少し説明
する。
【0069】従来では、該第2速クラッチギヤG2 と第
2スリーブS2 とを同期させる際には、互いのギヤを確
実に係合させるため、十分なライン圧PLの確保が必要
なため、(コースト時ではあっても)相応に高い値に設
定していた。しかしながら、ライン圧を高めに設定して
おくと、当然に、シンクロ移動用の油圧のみならずクラ
ッチ油圧も高くなってしまいよりきめ細やかな制御性に
欠けるという問題があった。又同期するまでの速度変化
が早くなり過ぎて係合時にショックが発生し易くなると
いう問題も生じた。
【0070】そこで、本実施形態では、第2シンクロD
2 が動作する(クラッチの出力側のギヤ比が変化し始め
る)時刻t51から互いのギヤが同期し、係合・完了され
る時刻t6 までの間において、該時刻t6 より時間T5
だけ前の時刻t52から時刻t6 までライン圧PLを一時
的に昇圧するようにする。つまり、時刻t52より前にお
いては、クラッチ圧が制御し易く、且つ速度変化が急に
ならないように低めのライン圧PLに維持しておき、時
刻t52以降では、互いのギヤを係合させるために必要な
十分の押圧力を確保できるように一時的にライン圧PL
を高めるようにする。
【0071】ここで、このライン圧PLの昇圧期間につ
いて更に詳しく説明する。
【0072】時刻t52(時間T5 )の設定方法は、互い
のギヤを係合させる際の一番強く押圧力を必要とすると
きより若干前に設定するようにする。つまり、ライン圧
の昇圧が真に必要なのは、完全同期後、第2速クラッチ
ギヤG2 と第2スリーブS2が噛み合う瞬間、即ち、時
刻t6 から若干経過したt61までである。しかしながら
一番強く押圧力が必要な瞬間にライン圧PLの昇圧する
指令を出力しても、油圧の応答の遅れにより直ぐには昇
圧されないため、それを考慮して設定するようにする。
つまり、互いのギヤが係合する若干手前からライン圧P
Lを高めておくことで、安定して、十分な押圧力の確保
ができる。具体的にはこの昇圧開始時刻t52は、例えば
第3クラッチcl3 (第1クラッチC1)の回転速度Lcl
3 が第3速段の同期回転速度より所定値ΔLcl3 だけ低
い回転速度に達したらライン圧PLを高めるように設定
するとよい。
【0073】一方、ライン圧PLの昇圧の終了時間に関
しては、時刻t6 まで昇圧を指令しておけば(応答遅れ
があるため)結果として良好な昇圧が実行できる。
【0074】なお、タイマ等を設定し、例えば係合開始
後所定時間が経過してから、係合完了が検出されるまで
ライン圧の昇圧を指令するようにしてもよい。
【0075】時刻t6 以降は、ライン圧PLの指令を昇
圧前の値に戻し、再度よりきめ細かくクラッチ油圧を制
御できるくらいの値に戻すようにする。
【0076】時刻t9 以降の制御については、前述した
図4で説明済みであるため、重複を避けるため、ここで
は説明を省略する。
【0077】ところで、時刻t52から時刻t6 までライ
ン圧PLを一時的に高める指令を出すとそれと共に、当
然にクラッチ油圧も一時的に高い値を示してしまう。ク
ラッチ油圧が高い値を示してしまうと、当然に、クラッ
チの係合が急となるため、大きな変速ショックを伴うも
のとなってしまう。
【0078】そのため、これを防ぐために、時刻t52か
ら時刻t6 までの時間T5 の間は、一時的に第3速段ク
ラッチcl3 の油圧(低速段側のクラッチ油圧)のデュー
ティ比をライン圧に対応するように変換して第3速段ク
ラッチcl3 の油圧に影響を与えないように低めておくよ
うにする(請求項2)。
【0079】なお、前述したように全ての変速に対して
この制御を実行するようにする。
【0080】次に、この図1に示した変速制御を実際に
実行するためのフローチャートを、図5から図10に示
す。なお、このフローチャートも、これまで説明した第
4速段から第3速段へのコーストダウンシフトのみに限
定するものではなく対応できるようになっている。
【0081】但し、ここでは、フローチャートにおいて
も理解を容易にするため、第4速段→第3速段のコース
トダウンシフトが実行される場合に限定して具体的な説
明をする。
【0082】これらのフローチャートによって実行しよ
うとする制御の主な実体的な内容については、既に図1
を用いて説明済みであるため、ここでは各フローチャー
トに沿ってその手順を概略的に説明するに止める。
【0083】図5に示されるように、この一連の制御フ
ローは、変速制御処理ルーチン(ステップ001)、コ
ーストダウン制御処理ルーチン(ステップ002)から
主に構成される。まず図6を用いてこのうちの変速制御
処理ルーチン(ステップ001)から説明する。
【0084】図6のステップ101にて現在の変速判断
段をmsftjdgに記憶し、ステップ102にてシフト位
置、変速判断段、アクセル開度よりアップシフト変速
点、ダウンシフト変速点をマップサーチする。ここで変
速判断段とは現在の走行条件、あるいは走行状態から第
何速段に存在すべきかを判断した結果求められた変速段
を示す。シフト位置とはドライブレンジ、2速レンジ、
あるいはリバースレンジ等のシフトレバーの位置を意味
し、アップシフト変速点、ダウンシフト変速点は、その
時点でアップ側及びダウン側に予めマップによって定め
られている出力軸回転速度の変速閾値のことである。
【0085】ステップ103では、出力軸回転速度がア
ップシフト変速点より高いか否かが判断され、高いと判
断されたときにはステップ104で変速判断段を1だけ
加算しアップフラグをオン、ダウンフラグをオフとしア
ップシフト判断を実施する。一方ステップ103で出力
軸回転速度≦アップシフト変速点であった場合には、同
様にステップ105、106においてダウンシフトの判
断を実施する。
【0086】ステップ107にて変速判断段が変更され
たか否かを判断し、変更されていた場合にはステップ1
01へ戻り、新たな変速判断段に基づく変速判断の更新
を実施する。ステップ108では図7を用いて後述する
シンクロ制御処理が実行される。
【0087】ステップ119〜114は、変速禁止フラ
グがオフ(ステップ119)のときに、変速判断段の変
速出力の反映を制御するためのものである。この制御フ
ローにより、時刻t2 で第4速段→第3速段、時刻t7
で第3速段→第2速段、時刻t12で第2速段→第1速段
の変速出力を順次発生させる手順が実現される。
【0088】次に、図7に大きなステップ108(図
6)において実行されるシンクロ制御処理のサブルーチ
ンを示す。
【0089】ステップ201にてシンクロ位置判断(シ
ンクロ機構は最終的にどの位置にあるべきか)を、シフ
ト位置、変速判断段、出力軸回転速度よりマップサーチ
する。ステップ202ではこの結果得られたシンクロ位
置判断が実際のシンクロ位置出力と異なるか否かが判断
され、異なっていた場合にはステップ203においてシ
ンクロ移動要求フラグをオン、シンクロ移動完了フラグ
をオフとする。
【0090】図3(B)にDレンジでのシンクロ位置判
断マップの例を示す。例えば変速判断段が第1速段であ
った場合には、その時点での出力軸回転速度がNo1よ
り小さいときと大きいときとで場合分けされ、出力軸回
転速度がNo1より小さいときは1速位置のほかニュー
トラル位置が予め用意される。出力軸回転速度がNo1
より大きいときはシンクロ位置は1速側のほか2速位置
が予め選択・連結された状態とされる。これは、出力軸
回転速度がNo1より大きいときはその次に起こる変速
が第2速段への変速である可能性が高いためである。同
様に、変速判断段が第2速段であったときは、その時の
出力軸回転速度がNo2より小さいときはシンクロ位置
判断は1速位置と2速位置が選択され、出力軸回転速度
がNo2より大きいときは2速位置と3速位置が「シン
クロ位置判断」として決定される。
【0091】ステップ204〜ステップ208は、シン
クロ位置を4速位置から2速位置に切換える作業を時刻
t5 から開始し時刻t6 で終了したことを確認したとき
に実施する作業に相当している。
【0092】即ち、シンクロが移動中であるか(ステッ
プ204)、又は、シンクロ移動禁止フラグオン(ステ
ップ205)且つ、シンクロ移動要求フラグオン(ステ
ップ206)の場合に、シンクロ移動タイマをクリアし
(ステップ207)、シンクロ移動を実施する(ステッ
プ208)。
【0093】ステップ209、210にてコーストダウ
ン中フラグ(後述する図8、ステップ314参照)がオ
ン、且つ、クラッチの出力側のギヤ比が変化する期間T
6 (時刻t51から時刻t6 )の後半には、ステップ21
1でライン圧PLの高圧要求フラグをオンとする。な
お、ステップ209(コーストダウン中フラグオン)、
210(期間T6 の後半である)の条件のいずれかが成
立しない場合には、ステップ212でライン圧PLの高
圧要求フラグをオフにする。又、ステップ213にてシ
ンクロ移動完了には、ステップ214にてシンクロ移動
完了フラグをオン、シンクロ移動中フラグをオフ、シン
クロ判断をシンクロ出力とし、ライン圧PLの高圧要求
フラグをオフにする。
【0094】又、ステップ213で、シンクロが移動完
了していない場合には、ステップ215に進み、シンク
ロ移動タイマが所定値以上か否かを判断し、所定値以下
であればリターンし、再度ステップ213でシンクロが
移動を完了するまでこの制御を回り続ける。
【0095】ステップ215で所定値以上ならば、ステ
ップ216に進み、シンクロが故障していると判断し、
シンクロフェイルフラグをオン、シンクロ出力をシンク
ロ判断、シンクロ判断をシンクロ出力とし、シンクロ移
動タイマをクリアして、この制御ルーチンを抜ける。
【0096】次に、図8を用いて大きなステップ002
(図5)のコーストダウン制御処理のサブルーチンに係
るフローチャートを説明する。
【0097】ステップ301では、コーストダウンシフ
ト制御の前提条件(所定の条件)が成立するか否かが判
断される。この実施形態では、当該前提条件として次の
4条件が設定されている。
【0098】1)Dレンジが選択されていること 2)アイドル接点がオンとされていること 3)アクセル開度が(零に近い)所定値以下であること 4)出力軸回転速度(車速)が(零に近い)所定値以上
であること
【0099】前提条件が成立しなかった場合の処理に
ついては本発明と関係がないため省略する。前提条件が
成立したと判断されると、ステップ304に進んでコー
ストダウン中であることを示すフラグがオンであるか否
かが判断される。コーストダウン中フラグがオフであっ
たときにはステップ306に進んで、ダウンシフトであ
るか否か(ダウンフラグがオンか否か)が判断される。
ダウンシフトでなかった場合には、本制御ルーチンから
抜ける。ダウンシフトであった場合には、ステップ30
8に進み、現在の変速出力が第2速段又は第4速段のい
ずれかであるか否かが判断される。もし変速出力が第2
速段又は第4速段のいずれかであった場合には、ステッ
プ310に進んで(高速段側の)デューティ比duhが
第1クラッチC1 のデューティ比、(低速段側の)デュ
ーティ比dulが第2クラッチC2 のデューティ比とし
て定義される。又、変速出力が第2速段、第4速段のい
ずれでもなかった場合には、ステップ312に進んでデ
ューティ比dulがC1 デューティ比、デューティ比d
uhがC2 デューティ比と定義される。
【0100】その後、ステップ314に進んでDH1
(図4の時刻t2 参照)の値を高速段側のデューティ比
duhに代入し、コーストダウン中フラグをオンとす
る。
【0101】又、ステップ316において、タービン回
転速度NTがエンジン回転速度NE+所定値ΔNT1 と
なるようにフィードバックによりデューティ比duhを
決定する。ここで高速段側のデューティ比duhによっ
てタービン回転速度がNE+ΔNT1 となるように制御
するのは、この段階では未だ低速段側のクラッチが容量
を待っていないためである。
【0102】その後ステップ324に進み、(低速段側
クラッチの)ファーストクイックフィルが完了したかど
うかが判断される。当初は未だ完了していないと判断さ
れるため、ステップ326に進んでファーストクイック
フィルが実施され、リターンする。
【0103】リターン後は、ステップ304においてコ
ーストダウン中フラグがオンであると判断されるように
なるため、ステップ318に進み、コーストダウンの終
了条件が成立しているか否かが判断される。コーストダ
ウンの終了条件(所定の条件の解除条件)は次の通りで
ある。
【0104】1)変速出力段が第1速段であること 2)タービン回転速度NTと第1速段の同期回転速度
(出力軸回転速度×第1速段ギヤ比)の偏差が所定値以
下である状態が所定時間連続して検出されること 3)低速段側(第1速段)デューティ比が所定値以上で
あること
【0105】この段階では、未だ当該コーストダウン終
了条件が成立していないと判断されるため、ステップ3
20に進み、デューティ比duhが所定値DH2 (図1
の時刻t4 参照)より小さいか否かが判断される。デュ
ーティ比duhが所定値DH2 より大きいときは、ステ
ップ316に進んで前述したNT=NTt=NE+ΔN
T1 となるように、フィードバックによりデューティ比
duhを決定する作業が続けられる。
【0106】やがて、低速段側(変速出力段側)クラッ
チが容量を持ってくると(ステップ316でのフィード
バック制御の結果として)ステップ320においてデュ
ーティ比duhが所定値DH2 より小さくなったと判断
されるようになるため、ステップ322に進んで該デュ
ーティ比duhが0%(完全ドレン)される。ステップ
322を経た後は、ステップ324でファーストクイッ
クフィルが完了しているか否かが再確認される。完了し
ていなければ再びステップ326に進むが、完了してい
ると確認されると、ステップ328に進んでファースト
クイックフィルの完了後に起動されるタイマが所定値以
上であるか否かが判断される。このタイマが所定値未満
であるうちは、ステップ330でデューティ比dulが
所定値DL1 に維持される。タイマが所定値以上(タイ
ムアップ)したときには、図9のステップ332に進ん
で、再びデューティ比duhが0%であるか否かが確認
される。もし、ステップ332で高速段側のデューティ
比dulが0%でないと判断されたときには、現時点が
図4でいうt4 、t9 、あるいはt14以前の状態である
と考えれるため、ステップ336に進んで低速段側のデ
ューティ比dulをスイープアップ(漸増)すると共
に、ステップ338でその上限ガード処理を施す。一
方、もしデューティ比duhが0%であると判断された
ときには、高速段側のデューティ比duhが完全ドレン
された後、即ち図4のt4 、t9 、あるいはt14以降で
あると考えられるため、ステップ334へ進んで、ター
ビン回転速度NTがエンジン回転速度NE+所定値ΔN
T1となるように、フィードバックによりdulが決定
される。
【0107】ステップ354では、本実施形態によるラ
イン圧PLの高圧要求フラグをオンか否かを判断し、高
圧要求フラグが出力されていればステップ356に進
み、ライン圧PL用にデューティ比を変換し、リターン
される。又、ステップ354で高圧要求フラグが出力さ
れていないときはそのままリターンされる。
【0108】ここで、ステップ426でのライン圧PL
の高圧(昇圧)用にクラッチ油圧のデューティ比を変換
するための処置についての一例を示す。
【0109】例えば、ライン圧PLの昇圧前(低圧)の
圧力PLLを300kPaとし、昇圧時のライン圧(高
圧)PLHを700kPa、デューティ比DUを50%
とすると、クラッチ油圧Pcは、低圧ライン圧では、T
c=PLL×DU=150kPaであるが、高圧ライン
圧では、Tc=PLH×DU=350kPaとなってし
まう。そこでデューティ比にPLL/PLHの換算する
ことにより、高圧時の高圧用デューティ比DUHをPL
L/PLH×DU=21.4%とすれば、クラッチ油圧
は、Pc=DUH×PLH=150kPaとなり低圧ラ
イン圧と同一とすることができる。
【0110】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明によれ
ば、コースト時のダウンシフトにおいて、変速判断があ
ったときは、シンクロ機構の切換え時に、それまで出力
されていたライン圧を一時的に昇圧することによって、
同期時の変速変化が急になるのを抑えならがクラッチ変
速する際のギヤの係合に必要とする押圧力を十分に確保
でき、且つ、クラッチ油圧をよりきめ細かく制御できる
ようになり、相反する2つの要求を同時に達成できるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を、ツインクラッチタイプのコーストダ
ウンシフトに適用した際の制御特性を示すタイムチャー
【図2】本発明が適用された車両用自動変速機の概略を
示すブロック図
【図3】上記自動変速機の各摩擦係合装置の係合状態及
びシンクロ機構の切換え状態を示す線図
【図4】図1のコーストダウンシフトにおける全般的な
制御特性を示すタイムチャート
【図5】前記自動変速機においてのコーストダウンシフ
トを実行するためにコンピュータにおいて処理される制
御を示すフローチャート
【図6】図5における変速制御処理サブルーチンを示す
フローチャート
【図7】図5におけるシンクロ制御処理サブルーチンを
示すフローチャート
【図8】図5におけるコーストダウン時の油圧処理サブ
ルーチン処理を示すフローチャート
【符号の説明】
C1 …第1クラッチ C2 …第2クラッチ NT…タービン回転速度 20…油圧制御装置 30…コンピュータ 40…各種センサ群 D1 〜D3 …シンクロ(機構) NTt…フィードバックの目標回転速度 DK1 〜DK4 …各変速段の同期回転速度 PL…ライン圧

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のクラッチと、複数のシンクロ機構
    と、を備え、該シンクロ機構の切換えと前記複数のクラ
    ッチツウクラッチによる切換えとの組合せによって、コ
    ースト状態で高速段から低速段へのダウンシフトを実行
    する自動変速機のコーストダウン制御装置において、 前記シンクロ機構の切換えを伴うコーストダウンシフト
    を実行すべき変速判断があったことを検出する手段と、 前記変速判断があったときは、前記シンクロ機構の切換
    え時に、それまで出力されていたライン圧を一時的に昇
    圧する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機のコーストダウン
    シフト制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記ライン圧の昇圧期間は、前記低速段側のクラッチ油
    圧のデューティ比を前記ライン圧の昇圧に対応するよう
    に変換することを特徴とする自動変速機のコーストダウ
    ンシフト制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記昇圧は、前記シンクロ機構の切換え時において、該
    切換えによって前記クラッチ出力側のギヤ比が変化する
    期間の後半以降に実行することを特徴とする自動変速機
    のコーストダウンシフト制御装置。
JP10093582A 1998-04-06 1998-04-06 自動変速機のコーストダウンシフト制御装置 Withdrawn JPH11294572A (ja)

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Cited By (3)

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