JPH11293570A - ゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

ゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法

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JPH11293570A
JPH11293570A JP10097337A JP9733798A JPH11293570A JP H11293570 A JPH11293570 A JP H11293570A JP 10097337 A JP10097337 A JP 10097337A JP 9733798 A JP9733798 A JP 9733798A JP H11293570 A JPH11293570 A JP H11293570A
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冬樹 寺阪
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俊男 山内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムとの接着性に優れ、かつ耐疲労性も良好
なゴム補強用ポリエステル繊維を提供する。 【解決手段】 ポリエステル繊維をフッ素化ウレタン化
合物を含む第1処理剤で処理し、好ましくは加撚処理し
てコードとなした後にエポキシ化合物およびブロックド
ポリイソシアネート化合物を含む第2処理剤で処理し、
引き続いてレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス
(RFL)を含む第3処理剤で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴム補強用ポリエ
ステル繊維の製造方法に関するものである。さらに詳し
くは、ゴムとの接着性に優れると共に耐疲労性も良好
で、タイヤコード、ベルト、ホースなどの補強用として
好適に使用することができるゴム補強用ポリエステル繊
維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート繊維で代表
されるポリエステル繊維は、強力、ヤング率、寸法安定
性および耐疲労性などの優れた特性を有していることか
ら、タイヤコード、ベルト、ホースなどのゴム複合体の
補強用繊維として汎用されている。しかし、ポリエステ
ル繊維は、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミ
ド繊維と比較すると、ゴムと繊維の接着に広く用いられ
ているレゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RF
L)で処理してもゴム類との接着性が不十分なため、該
ポリエステル繊維の優れた力学的特性を十分に発揮する
ことができない。このため、RFLとの反応性を有し、
かつポリエステル繊維とも親和性を有するエポキシ化合
物やイソシアネート化合物等の反応性が高い物質で処理
した後に、RFLで処理して接着性を向上させる方法が
実用に供されている(特開昭54−77794号公報、
特開昭60−99076号公報、特開昭60−2192
4号公報参照)。
【0003】しかしながら、この様な方法では、エポキ
シ化合物やイソシアネート化合物などの処理剤は繊維表
面に硬い被覆層を形成するため、繊維コードでの単繊維
間自由度が阻害される結果、耐疲労性が悪化するという
問題がある。この問題を解消させるために、繊維コード
を緻密構造にしたり、処理剤を付与する際に繊維コード
に高いテンションをかけたりして、エポキシ化合物やイ
ソシアネート化合物などの処理剤がコード内部に浸透す
るのを抑える方法等が提案され、一部実用に供されてい
る。確かにこれらの方法によれば、処理剤の浸透が抑え
られて単繊維の自由度の阻害が低減されるものの、実際
にゴム補強用繊維として使用した場合、コード端面など
から高温の水や水蒸気などが浸透しやすいため、加水分
解によるポリエステルの劣化が生じやすく、用途によっ
ては耐疲労性が不十分であるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術を背景になされたもので、その目的は、ゴムとの接着
性に優れると共に耐疲労性も良好で、タイヤ、ベルト、
ホースなどの補強用繊維として好適に使用することがで
きるポリエステル繊維を製造する方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、予めフッ素化
ウレタン化合物を付着させたポリエステル繊維を、エポ
キシ化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物
を含む処理剤で処理した後、さらにRFLを含む処理剤
で処理することにより、コード中の単繊維の自由度をあ
まり抑制することなく繊維とゴムとの接着性を改善する
ことができ、さらにはコード中への水浸透性も低下して
耐疲労性が向上することを見出だし本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の目的は、「ポリエステ
ル繊維を、フッ素化ウレタン化合物を含む第1処理剤で
処理した後、エポキシ化合物およびブロックドポリイソ
シアネート化合物を含む第2処理剤で処理し、次いでレ
ゾルシン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)を含
む第3処理剤で処理することを特徴とするゴム補強用ポ
リエステル繊維の製造方法」により達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明が対象とするポリエステル
繊維は、全繰返し単位の90モル%以上がエチレン−
2,6−ナフタレート単位であるか、または全繰返し単
位の90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であ
るポリエステルからなるものであればよいが、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートまたはポリエチレンテレフ
タレート繊維が好ましい。10モル%以下の割合で含ん
でいても差し支えない共重合3成分としては、(a)2
個のエステル形成性官能基を有する化合物として、例え
ばシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイ
マー酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロプロパンジカ
ルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソ
フタル酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェ
ニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3,5−ジカ
ルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのジカルボ
ン酸;グリコール酸、p−オキシ安息香酸、p−オキシ
エトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸;プロピレン
グリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチレングリコール、p−キシリレン
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールA、p,p’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン、2,2−ビス(p−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)プロパン、ポリアルキレングリコールなどのオキ
シ化合物が挙げられ、さらに(b)1個のエステル形成
性官能基を有する化合物、例えば安息香酸、ベンジルオ
キシ安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなど
を、重合体の重合度があまり低下しない範囲内で使用す
ることができ、また(c)3個以上のエステル形成性官
能基を有する化合物、例えばグリセリン、ペンタエリス
トール、トリメチロールプロパンなども、重合体が実質
的に線状である範囲内で使用可能である。
【0008】また、これらのポリエステル中には、二酸
化チタンなどの艶消剤や、リン酸、亜リン酸、それらの
エステルなどの安定剤が含まれてもよい。
【0009】本発明においては、上記のポリエステル繊
維は、先ずフッ素化ウレタン化合物を含有する第1処理
剤で処理する必要がある。ここでポリエステル繊維は予
め加撚してコードにしておいてもよいが、無撚の状態の
方が各単繊維を十分に処理することができ耐疲労性がよ
り向上するので好ましい。例えば、ポリエステル繊維を
製糸する際の紡糸工程や延伸工程など、または撚糸工程
の前の段階で、該フッ素化ウレタン化合物を含む処理剤
を付着させる方法を挙げることができる。
【0010】ここで使用されるフッ素化ウレタン化合物
とは、イソシアネート化合物とパーフルオロアルキル基
を構造中に有する活性水素化合物との縮合反応物を主成
分とするウレタン化合物であって、この様なフッ素化ウ
レタン化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシ
アネートなどの脂肪族イソシアネート化合物やイソホロ
ンジイソシアネートなどの脂環族イソシアネート化合物
と、パーフルオロアルキル基を含有する活性水素化合物
と、必要に応じて脂肪族アルコールを併用して得られる
反応生成物を例示することができる。なかでもヘキサメ
チレンジイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート化
合物と、パーフルオロアルキル基を含有する活性水素化
合物および脂肪族アルコールとの反応生成物が好まし
い。
【0011】上記フッ素化ウレタン化合物は、ポリエス
テル繊維の製造時に油剤と混合して付着させても、ある
いは、ポリエステル繊維製糸後独立に付着させてもよい
が、ポリエステル繊維に対する付着量があまりに多くな
りすぎると接着性が低下する傾向にあり、他方少なくな
りすぎると耐疲労性の改善効果が低下する傾向にあるの
で、ポリエステル繊維重量を基準として0.1〜3.0
重量%、好ましくは0.3〜1.0重量%の範囲とする
のが適当である。
【0012】次に、フッ素化ウレタン化合物を含む第1
処理剤で処理したポリエステル繊維を、エポキシ化合物
およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第2
処理剤で処理する。好ましく用いられるエポキシ化合物
としては、一分子中に2個以上のエポキシ基を、該化合
物100gあたり0.2g当量以上含有するものを挙げ
ることができ、具体的にはエチレングリコール、グリセ
ロール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリエ
チレングリコールなどの多価アルコール類とエピクロル
ヒドリンの如きハロゲン含有エポキシド類との反応生成
物、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメ
チルメタン、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾ
ルシン・ホルムアルデヒド樹脂などの多価フェノール類
と前記ハロゲン含有エポキシド類との反応生成物、過酢
酸または過酸化水素などで不飽和化合物を酸化して得ら
れるポリエポキシド化合物、すなわち、3,4−エポキ
シシクロヘキセンエポキシド、3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカル
ボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチル−
シクロヘキシルメチル)アジペートなどを挙げることが
できる。これらの中、特に、多価アルコールとエピクロ
ルヒドリンとの反応生成物、すなわち、多価アルコール
のポリグリシジルエーテル化合物、例えばカルビトール
ジグリシジエルエーテル、ソルビビトールジギリシジル
エーテルなどが優れた性能を示すので好ましい。
【0013】かかるポリエポキシド化合物は、通常水乳
化液または水溶液として使用される。乳化液または溶液
とするには、該化合物をそのままあるいは必要に応じて
少量の溶媒に溶解した後、公知の乳化剤、例えばアルキ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ、ジオクチルスルホサクシ
ネートナトリウム塩、ノニルフェノールエチレンオキサ
イド付加物等を用いて水中に乳化または溶解すればよ
い。
【0014】また第2処理剤に含有されるブロックドポ
リイソシアネート化合物とは、ポリイソシアネート化合
物とブロック化剤との付加反応化合物であって、加熱に
よりブロック成分が遊離して活性なポリイソシアネート
化合物を生ぜしめるものである。ポリイソシアネート化
合物としては、例えばトリレンジイソシアネート、メタ
フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート、
あるいはこれらポリイソシアネートと活性水素原子を2
個以上有する化合物、例えばトリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールなどとをイソシアネート基(−N
CO)とヒドロキシル基(−OH)の比が1を超えるモ
ル比で反応させてえられる末端イソシアネート基含有の
アルキレンポリオールアダクトポリイソシアネートなど
が挙げられる。特にトリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニ
ルイソシアネートの如き芳香族ポリイソシアネートが優
れた性能を発現するので好ましい。ブロック化剤として
は例えばフェノール、チオフェノール、クレゾール、レ
ゾルシノール等のフェノール類、ジフェニルアミン、キ
シリジン等の芳香族第2級アミン類、フタル酸イミド
類、カプロラクタム、バレロラクタム等のラクタム類、
アセトキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘ
キサンオキシム等のオキシム類及び酸性亜硫酸ソーダな
どをあげることができる。
【0015】エポキシド化合物Aとブロックドポリイソ
シアネート化合物Bとの混合比は、0.05≦(A)/
〔(A)+(B)〕≦0.50(重量比)、特に0.1
0≦(A)/〔(A)+(B)〕≦0.30(重量比)
の範囲が好ましい。なお、第2処理剤中にはゴムラテッ
クスL、特に後述する第3処理剤に含まれるRFLに使
用されているゴムラテックスと同じものを用いる場合、
ゴム接着性が向上するだけでなく、耐疲労性も向上する
のでより好ましい。エポキシド化合物Aとブロックドポ
リイソシアネート化合物Bの合計とゴムラテックスLと
の混合比は、3≦〔(A)+(B)〕/(L)≦10
(重量比)の範囲が適当である。
【0016】上記、エポキシド化合物およびブロックド
ポリイソシアネート化合物を含む第2処理剤は、ポリエ
ステル繊維製糸後、撚糸してコードとなす前に付着させ
ても一旦撚糸してコードとなした後に付着させてもよい
が、後者の撚糸後の方が耐疲労性に優れているのでより
好ましい。ポリエステル繊維に対するエポキシド化合物
およびブロックドポリイソシアネート化合物の付着量は
合計で0.5〜10重量%、特に1〜5重量%の範囲が
適当である。
【0017】本発明においては、上記のようにエポキシ
ド化合物およびブロックドポリイソシアネート化合物を
含む処理剤で処理されたポリエステル繊維を、必要に応
じて複数本合わせて加撚処理し、レゾルシン・ホルマリ
ン・ゴムラテックス(RFL)を含む第3処理剤を付与
する。この際、加撚処理する前に第3処理剤を付与した
場合には、処理後に加撚処理してコードとなし実用に供
される。
【0018】撚糸条件は、使用目的によって異なるが、
通常は所望の太さのコードが得られるように複数本のポ
リエステル繊維を引揃え、4≦K≦10、好ましくは6
≦K≦8の範囲内で加撚処理する。ここでKは撚係数で
あり、撚数をT(回/m)、Dを繊維コードの繊度とす
るとき、K=(T×D1/2 )/2874で算出される値
である。なお、ポリエステル繊維を複数本引揃える場合
には、夫々のポリエステル繊維を予め4≦K≦10の範
囲内で加撚処理してもよいが、その撚糸方向は合糸後の
加撚方向と通常逆方向が採られる。
【0019】第3処理剤に含まれるレゾルシン・ホルマ
リン・ゴムラテックスは、通常RFLと呼ばれるもので
あり、レゾルシンとホルムアルデヒドのモル比が1:
0.1から1:8、好ましくは1:0.5〜1:5、さ
らに好ましくは1:1〜1:4の範囲で用いられる。ゴ
ムラテックスとしては、例えば天然ゴムラテックス、ス
チレン・ブタジエン・コポリマーラテックス、ビニルピ
リジン・スチレン・ブタジエンターポリマーラテック
ス、ニトリルゴムラテックス、クロロプレンゴムラテッ
クスなどがあり、これらを単独または併用して使用す
る。ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマ
ーラテックスを使用する場合には全ラテックス重量の1
/2量以上使用した場合が優れた性能を示す。
【0020】レゾルシン・ホルマリンとゴムラテックス
との配合比率は、後述の添加剤の添加割合にもよるが、
固形分量比で1:1〜1:15、好ましくは1:3〜
1:12の範囲が望ましい。ゴムラテックスの比率が少
なすぎると処理されたポリエステル繊維材料が硬くなり
耐疲労性が低下する傾向にあり、一方多すぎると接着力
やゴム付着率が低下しやすい。
【0021】本発明においては、上記のRFLを含有す
る第3処理剤を、未処理のポリエステル繊維の重量を基
準として0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%
付着させるのが好適である。付着量が0.5重量%より
低い場合にはゴムとの接着性が低下し、一方10重量%
を越える場合には、ゴムとの接着性が逆に低下したり耐
疲労性も低下しやすくなる。
【0022】なお、第1処理剤、第2処理剤および第3
処理剤をポリエステル繊維に付着させるには、従来公知
の方法、例えばローラーとの接触もしくはノズルからの
噴射による塗布、または浸漬などの方法を採用すること
ができる。また繊維に対する付着量を制御するために
は、ローラーの回転数調整、圧接ローラーによる絞り、
スクレイパーなどによるかきおとし、空気吹き付けによ
る吹き飛ばし、吸引、ビーターによる叩きなどの任意の
手段を用いればよい。
【0023】撚糸前に第1処理剤を付与し、撚糸後に第
2および第3処理剤を付与する場合には、例えばポリエ
ステル繊維の紡糸延伸工程で第1処理剤を付与した後、
100〜240℃で0.05秒〜120秒、好ましくは
130〜200℃で0.1秒〜60秒間熱処理する。第
1処理剤で処理したポリエステル繊維は撚糸してコード
となした後、第2処理剤で処理し、50〜180℃で
0.5〜5分間、好ましくは1〜3分間乾燥し、ついで
180℃からポリエステル繊維の融点より10℃低い温
度、好ましくは220〜250℃の温度で0.5〜5.
0分間、好ましくは1〜3分間熱処理する。引き続いて
第3処理剤で処理後、80〜180℃で0.5〜5分
間、好ましくは1〜3分間乾燥し、ついで150〜26
0℃、好ましくは220〜250℃で0.5〜5.0分
間、好ましくは1〜3分間熱処理する。ここで第2処理
および第3処理での熱処理温度が低すぎる場合にはゴム
との接着が不十分になりやすく、一方温度が高すぎる場
合にはポリエステル繊維が溶融・融着したり、著しく硬
くなったり、あるいは強力劣化を起こしやすくなる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中における各物性値は下記方法
により測定した。
【0025】(1)撥水性(水吸い上げ高さ) 撚糸前のポリエステル繊維を筒網にし、一端を水に浸漬
して垂直に保持し、24時間後の水吸い上げ高さをcm
で表示した。
【0026】(2)コード引抜接着力 処理コードとゴムとの剪断接着力を示すものである。コ
ードをゴムブロック中に埋め込み、140℃下40分間
(初期値)または175℃下45分間(耐熱値)、90
kg/cm2 のプレス圧力下で加硫した後、コードをゴ
ムブロックから200mm/分の速度で引き抜き、引き
抜きに要した力をkg/cmの単位で表示した。
【0027】(3)プライ間剥離力 処理コードとゴムとの接着力を示すものである。処理コ
ードをコード密度36本/25mm(ただし2000デ
ニールのコードの場合)で並べ、厚さ0.4mmの未加
硫ゴム2枚に挟み、得られた成形シート2枚を90度の
角度をなすようにクロスプライとしてゴム中に埋め込み
150℃下30分間、50kg/cm2のプレス圧力下
で加硫した後、両プライを200mm/分の引張速度で
剥離させるに要する力をkg/25mmで表示した。
【0028】(4)ゴム付着率 繊維に対するゴムの接着性を示す尺度である。上記のプ
ライ間剥離力測定の際にゴムから剥離されたコードを肉
眼で観察し、目視判定でコード表面のうちゴムが付着し
ている部分を百分率で表示した。
【0029】(5)疲労性(グッドリッチ法) コードをゴムブロック中に埋め込み、140℃下40分
間、50kg/cm2のプレス圧力下で加硫した後、J
IS L−1017(1983年)に準じ、コードを埋
めたゴムブロックを伸長率6.3%、圧縮率12.5
%、2380rpmで70時間繰り返し疲労を与えた後
の強力残存率を百分率で表示した。
【0030】なお、第2処理剤は下記のとおり配合し
た。エポキシ化合物3g(ナガセ化成工業株式会社製、
ソルビトールポリグリシジルエーテル:デナコールEX
−611)に、界面活性剤2.5g(第一工業製薬株式
会社製、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩3
0%水溶液:ネオコールSW−30)を加え、水734
gに攪拌しながら均一に溶解する。ついでブロックドポ
リイソシアネート化合物48g(明成化学工業株式会社
製、ε−カプロラクタムブロックドイソシアネートの2
5重量%水乳化物:S−3)を加えて攪拌し、ゴムラテ
ックス212.5g(日本ゼオン株式会社製、ビニルピ
リジン・スチレン・ブタジエンターポリマーゴムラテッ
クスの41重量%水乳化物:ニッポール2518FS)
を加えさらに撹拌して均一に混合する。
【0031】また第3処理剤は、下記のとおり配合し
た。10重量%苛性ソーダー水溶液4.4gおよび28
重量%アンモニア水溶液12.8gを水314.6gに
加え、よく攪拌して得た水溶液中に、酸性触媒で反応せ
しめたレゾルシン・ホルマリン初期縮合物(住友化学株
式会社製、65重量%水溶液:スミカノール700S)
17.7gを添加し,十分に攪拌して分散させる。次に
ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンターポリマーゴ
ムラテックス(日本ゼオン株式会社製、41重量%水乳
化物:ニッポール2518FS)263g、およびスチ
レン・ブタジエンコポリマーゴムラテックス(日本ゼオ
ン株式会社製、41重量%水乳化物:ニッポールLX−
112)112.8gを、水343.7gで希釈する。
この希釈液の中に上記レゾルシン・ホルマリン初期縮合
分散液をゆっくりかき混ぜながら加えてゆき、さらにホ
ルマリン(37重量%水溶液)15.3gを添加して均
一に混合し配合剤をえる。
【0032】[実施例1]固有粘度1.00のポリエチ
レンテレフタレートチップを300℃の温度で溶融し、
192ホールを有する紡糸口金より吐出した。吐出量
は、紡糸延伸後に得られるポリエステル繊維の総繊度が
1000deになるように調整した。吐出された糸条は
紡糸油剤を付与した後、460m/分の速度で引き取っ
た。引き続き、全延伸倍率が5.6倍となるように2段
延伸し、さらに3%の弛緩処理を施した後、パーフルオ
ロオクチル基を含有するフッ素化ウレタン化合物(松本
油脂製薬株式会社製、30重量%水溶液:KCM−50
0)を付着し、200℃にて0.1秒間熱セットしてか
ら2500m/分で巻き取った。このときのフッ素化ウ
レタン化合物の固形分付着量は0.3重量%であった。
【0033】得られた延伸糸2本を49×49T/10
cmで撚糸して2000デニールのコードとなし、次い
でコンピュートリーター処理機(CAリツラー株式会社
製、タイヤコード処理機)を用い、前記第2処理剤中に
浸漬した後、130℃下2分間乾燥し、引き続き230
℃下1分間熱処理した。次いで、第3処理剤中に浸漬し
た後、170℃下2分間乾燥し、引き続き230℃下1
分間熱処理した。処理後のコードには第2処理剤の固形
分が1.4重量%、第3処理剤の固形分が1.8重量%
付着していた。得られたコードの評価結果を表1に示
す。
【0034】[実施例2]フッ素化ウレタン化合物を延
伸工程ではなく、延伸糸に別工程で付着した後、130
℃下0.5秒間乾燥させた以外は実施例1と同様に行っ
た。結果は表1に示す。
【0035】[比較例1、実施例3]フッ素化ウレタン
化合物の付着量を表1に記載のごとく変更する以外は実
施例1と同様に行った。結果は表1に合わせて示す。
【0036】[比較例2]フッ素化ウレタン化合物に代
えてフッ素化アクリル化合物(明成化学工業株式会社
製、アサヒガードAG−710)を付着させた以外は実
施例1と同様に行った。結果は表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ポリエステ
ル繊維表面に先ずフッ素化ウレタン化合物を付着させて
撥水性を付与した後、第2処理剤および第3処理剤を付
着させているため、第2処理剤および第3処理剤の繊維
集合体内部への浸透を抑えることができる。その結果、
最終的に得られるコード内部の単糸自由度が大きくな
り、物理的作用の変動に容易に追随することができ耐久
性が向上する。また、フッ素化ウレタン化合物付着によ
り撥水性が向上しているので、コード等の補強材料とし
て使用する際のコード内部への水浸透を抑えことがで
き、加水分解による強度劣化が抑制できる。さらに、フ
ッ素化ウレタン化合物はポリエステル繊維表面および第
2処理剤層との間の親和性が良好なので、最終的にゴム
との接着性も良好なレベルを維持することができる。し
たがって、本発明によれば、ゴムとの接着性に優れると
共に耐疲労性も良好で、タイヤ、ベルト、ホースなどに
好適なゴム補強用ポリエステル繊維を提供することが可
能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 19:00 D06M 101:32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維を、フッ素化ウレタン
    化合物を含む第1処理剤で処理した後、エポキシ化合物
    およびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第2
    処理剤で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン・ゴム
    ラテックス(RFL)を含む第3処理剤で処理すること
    を特徴とするゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 フッ素化ウレタン化合物を含む第1処理
    剤で処理するポリエステル繊維が、実質的に無撚の状態
    である請求項1記載のゴム補強用ポリエステル繊維の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 エポキシ化合物およびブロックドポリイ
    ソシアネート化合物を含む第2処理剤ならびにレゾルシ
    ン・ホルマリン・ゴムラテックス(RFL)を含む第3
    処理剤で処理するポリエステル繊維が、加撚処理された
    ポリエステル繊維コードである請求項1記載のゴム補強
    用ポリエステル繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 実質的に無撚の状態で予めフッ素化ウレ
    タン化合物を含む第1処理剤で処理されたポリエステル
    繊維を、加撚してコードとなした後、エポキシ化合物お
    よびブロックドポリイソシアネート化合物を含む第2処
    理剤で処理し、次いでレゾルシン・ホルマリン・ゴムラ
    テックス(RFL)を含む第3処理剤で処理することを
    特徴とするゴム補強用ポリエステル繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 フッ素化ウレタン化合物の付着量が、ポ
    リエステル繊維重量を基準として0.1〜3.0重量%
    である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム補強用
    ポリエステル繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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