JPH11291404A - 伸縮性複合フィルム - Google Patents

伸縮性複合フィルム

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JPH11291404A
JPH11291404A JP9351398A JP9351398A JPH11291404A JP H11291404 A JPH11291404 A JP H11291404A JP 9351398 A JP9351398 A JP 9351398A JP 9351398 A JP9351398 A JP 9351398A JP H11291404 A JPH11291404 A JP H11291404A
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JP
Japan
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film
ethylene
weight
copolymer
component
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JP9351398A
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English (en)
Inventor
Hidenori Ishizuka
英紀 石塚
Hideaki Toda
英明 戸田
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮性に優れ、引張り破断時の強度及び伸度
が大きい使い捨て紙オムツ等におけるギャザー部材等に
使用可能なフィルムを提供する。 【解決手段】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
体ゴム30〜65%、(b)エチレン共重合体30〜6
5%及び(c)ポリエチレン5〜40%を含有する組成
物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部
を含有する樹脂組成物からなるフィルムと熱可塑性エラ
ストマーからなるフィルムを積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性複合フィル
ムに関し、より詳しくは使い捨て紙オムツ等におけるギ
ャザー部材等に使用する伸縮性複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ベビー用、大人用の使い捨てオムツ、ギ
ャザー付ナプキン等の伸縮性が要求されるギャザーの部
材として、ポリウレタンフォーム、ポリウレタン系フィ
ルム、ポリウレタン弾性糸、スチレン系エラストマー等
の合成ゴムや天然ゴム等のゴム等、或いはそれらを不織
布等とホットメルト貼合したものが使われている。しか
し、ポリウレタンフォームは、強度が弱い、価格が高
い、各種不織布等と熱接着できない等の問題があり、ポ
リウレタン系フィルムは、一般的に伸縮強度が強すぎ
る、ホットメルト接着性が悪い、ブロッキングし易い、
製膜時に離型紙の使用を必要とする等の問題があり、ポ
リウレタン弾性糸は、ホットメルト接着性が悪い、熱接
着できない等の問題がある。又、天然ゴムは、価格面で
の優位性があるものの、ホットメルト接着性が極めて悪
い、熱接着できない等の問題がある。
【0003】又、エチレン−プロピレン共重合体ゴム等
のエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムとエチレン−
酢酸ビニル共重合体等のエチレン共重合体とからなる、
ホットメルト時の接着性や熱融着性に優れる部材も開発
されているが、ブロッキングし易いという性質があり、
その防止のために線状低密度ポリエチレン等を配合する
と、伸縮性が低下するという弊害がある。一方、天然ゴ
ムに近く、コストが易いスチレン系エラストマーやエチ
レン−α−オレフィン共重合体ゴム等も上記の素材に使
われているものの、それ単独ではフィルムがべたつくた
めに、製品としては全く不充分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記諸問題
を解決し、伸縮性に優れ、引張り破断時の強度及び伸度
が大きい使い捨て紙オムツ等におけるギャザー部材等に
使用可能なフィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム
とエチレン共重合体とを、好ましくは更にポリエチレン
を、特に好ましくは更に無機充填剤ポリエチレンを、配
合した樹脂組成物からなるフィルムと、熱可塑性エラス
トマーからなるフィルムとを複合したフィルムが本発明
の目的を解決し得ることを見出だして、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は、(a)エチレン−α
−オレフィン共重合体ゴム30〜70重量%及び(b)
エチレン共重合体70〜30重量%を含有する組成物か
らなるフィルム(A)と熱可塑性エラストマーからなる
フィルム(F)を積層してなる伸縮性複合フィルムを要
旨とする。又、本発明は、(a)エチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共
重合体30〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜4
0重量%を含有する組成物からなるフィルム(B)と熱
可塑性エラストマーからなるフィルム(F)を積層して
なる伸縮性複合フィルムを要旨とする。更に、本発明
は、(a)エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム30
〜65重量%、(b)エチレン共重合体30〜65重量
%及び(c)ポリエチレン5〜40重量%を含有する組
成物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量
部を含有する樹脂組成物からなるフィルム(C)と熱可
塑性エラストマーからなるフィルム(F)を積層してな
る伸縮性複合フィルムを要旨とする。又、本発明の複合
フィルムは、上記エチレン共重合体(b)が、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体
から選ばれる共重合体であることを特徴とする。又、本
発明の複合フィルムは、上記ポリエチレン(c)が、密
度が0.915〜0.925g/cm3 であり、メルト
インデックスが0.5〜10g/10分であることを特
徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の伸縮性複合フィルムを形
成するフィルム(A)は、(a)エチレン−α−オレフ
ィン共重合体ゴム30〜70重量%及び(b)エチレン
共重合体70〜30重量%を含有する組成物からなるも
のである。又、本発明の伸縮性複合フィルムを形成する
フィルム(B)は、(a)エチレン−α−オレフィン共
重合体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共重合体
30〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜40重量
%を含有する組成物からなるものである。又、本発明の
伸縮性複合フィルムを形成するフィルム(C)は、
(a)エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム30〜6
5重量%、(b)エチレン共重合体30〜65重量%及
び(c)ポリエチレン5〜40重量%を含有する組成物
100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部を
含有する樹脂組成物からなるものである。
【0008】上記各組成物の(a)成分のエチレン−α
−オレフィン共重合体ゴムは、エチレンとプロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンとの共重
合体ゴム、更にそれらと1,3−ブタジエン、1,4−
ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペン
タジエン等のジエン化合物との共重合体ゴム等が使用可
能であるが、それらの中でも、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ムが好適である。エチレン−プロピレン共重合体ゴム
は、プロピレンの含有量は通常35〜70重量%であ
り、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムは、通
常エチレンの含有量は40〜65重量%、プロピレンの
含有量は25〜55重量%、ジエンの含有量は1〜15
重量%である。
【0009】又、上記各組成物の(b)成分のエチレン
共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体等が挙げられる。エチレン−
酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの含有量は通常10
〜40重量%であるが、特に酢酸ビニルの含有量が15
〜30重量%、メルトフローレイト(MFR:190
℃,荷重2.16kg)が0.8〜25g/10分のも
のが好ましい。エチレン−アクリル酸エステル共重合体
及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体(以下、
これらをエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体という。)としては、(メタ)アクリル酸エステル含
有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイト(M
FR:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g
/10分、特に2〜25g/10分のものが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリ
ル酸と炭素数が1〜6個の低級脂肪族アルコールとのエ
ステルが望ましく、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等が例示
できるが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
メチルメタクリレート及びエチルメタクリレートが特に
望ましい。
【0010】更に、フィルム(B)及びフィルム(C)
の(c)成分のポリエチレンは、0.915〜0.95
0g/cm3 の密度を有している。このような密度を有
するポリエチレンには、密度が0.915〜0.925
g/cm3 の、高圧法で得られる低密度ポリエチレン、
チーグラー系触媒の存在下、微量の1−ブテン等のα−
オレフィンと共重合して得られる密度が0.920〜
0.930g/cm3 の、線状低密度ポリエチレン(L
−LDPE)、密度が0.926〜0.940g/cm
3 の中密度ポリエチレンが含まれるが、これらの中で
も、特に高圧法で得られる密度が0.915〜0.92
5g/cm3 で、メルトインデックス(MI:190
℃、荷重2.16kg)が0.5〜10g/10分、特
に0.5〜5g/10分の低密度ポリエチレンが望まし
い。
【0011】フィルム(C)の(d)成分の無機充填剤
としては、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、石
膏、カーボンブラック、マイカ、クレー、カオリン、シ
リカ、ケイソウ土等が挙げられる。これらの中でも、特
にタルク及び炭酸カルシウムが好ましい。これら無機充
填剤は、平均粒子径が0.5〜5μmの粒子状のものが
望ましく、その表面が脂肪酸等の表面処理剤で処理され
たものも使用可能である。
【0012】フィルム(A)を形成する樹脂組成物は、
(a)成分を30〜70重量%及び(b)成分を70〜
30重量%含有するものである。(a)成分が30重量
%未満では、フィルムにべと付き感を生じ、耐ブロッキ
ング性及び製膜安定性も悪くなり、70重量%を超える
と、押出しトルクが増大し、加工性が悪化することとな
る。
【0013】フィルム(B)を形成する樹脂組成物は、
(a)成分を30〜65重量%、(b)成分を30〜6
5重量%及び(c)成分を5〜40重量%含有するもの
である。(a)成分が30重量%未満では、フィルムに
べと付き感が残り、耐ブロッキング性が不十分となり、
65重量%を超えると、押出しトルクが増大し、加工性
が悪化することとなる。(b)成分が30重量%未満で
は、押出しトルクが増大し、加工性が悪くなり、65重
量%を超えると、溶融張力が低下し、製膜時のバブルの
安定性が悪くなる。(c)成分が5重量%未満では、製
膜時のバブルの安定性確保が不十分となると共に、スリ
ット巻(レコード巻)製品の保管時の耐ブロッキング性
が不十分となり、40重量%を超えると、フィルムの伸
長歪が大きくなる。
【0014】フィルム(C)を形成する樹脂組成物は、
(a)成分を30〜65重量%、(b)成分を30〜6
5重量%及び(c)成分を5〜40重量%含有する組成
物100重量部並びに(d)無機充填剤5〜40重量部
を含有するものである。(a)成分、(b)成分及び
(c)成分の含有量が上記の範囲を外れると、上記フィ
ルム(B)を形成する樹脂組成物の場合と同じ問題があ
る。又、(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有
する組成物100重量部当り、(d)成分が5重量部未
満では、開口性、耐ブロッキング性が悪化し、40重量
部を超えると、柔軟性が不足し好ましくない。
【0015】上記(a)成分及び上記各樹脂組成物は、
上記各成分以外に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤
等の他の成分を適宜配合することができる。上記(a)
成分又は上記各樹脂組成物は、(a)成分、(b)成
分、(c)成分及び必要に応じて他の成分を添加し、例
えばヘンシェルミキサー又は高速ミキサー等を用いて予
めドライブレンドした後、例えば160〜220℃程度
の加熱下、押出機等を用いて溶融混練して押し出し、ペ
レット化することによって得られる。
【0016】上記各樹脂組成物からフィルム(A)、フ
ィルム(B)又はフィルム(C)とする方法は、多く行
われているT−ダイ押出機を用いる成形方法によっても
フラットなフィルムを成形することができるが、フィル
ムの縦と横の強度バランス及び薄膜の高速成形性(生産
性の向上)等を考慮すると、チューブ状のフィルムを成
形する空冷インフレーション成形法が好ましい。空冷イ
ンフレーション成形法は、樹脂温度140〜180℃
で、ブロー比2.0〜5.0で行うのが望ましい。
【0017】本発明の伸縮性複合フィルムを形成するフ
ィルム(F)は、熱可塑性エラストマーからなる。該エ
ラストマーとしては、スチレン系エラストマー、上記
(a)成分としてのエチレン−α−オレフィン共重合体
ゴム、密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトイ
ンデックスが0.1〜50g/10分、重量平均分子量
/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜
8個のα−オレフィンコモノマーを18重量%以上含有
する低密度ポリエチレン等が挙げられる。
【0018】スチレン系エラストマーとしては、スチレ
ンを主体とする重合体ブロックとブタジエンやイソプレ
ン等の共役ジエンを主体とする重合体ブロックとのブロ
ック共重合体及びこのブロック共重合体の水素添加物が
挙げられる。その具体例としては、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共
重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体(SIS)、SBSの水素添加物であるス
チレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体
(SEBS)、SISの水素添加物であるスチレン−エ
チレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SE
PS)等を挙げることができる。これらの中でも、SB
S、SIS、SEBS、SEPS等の3成分ブロック共
重合体が好ましい。これらのブロック共重合体は、いず
れもそのスチレン重合体ブロックの含有量が50重量%
以下で、メルトフローレイト(MFR:230℃、荷重
2.16kg)が0.5〜8.0g/10分のものが望
ましい。スチレン重合体ブロックの含有量が50重量%
を超えると、得られるフィルムが硬く、歪みが大きくな
るので好ましくない。又、MFRが0.5g/10分未
満では、フィルム製膜時の押出しトルクが増大し、フィ
ルム表面が鮫肌状となる原因となり、8.0g/10分
を超えると、溶融張力が低下し、製膜時のバブル安定性
が低下することとなり好ましくない。スチレン系エラス
トマーは1種に限らず、2種以上併用することができ
る。
【0019】上記熱可塑性エラストマーとして使用する
ことができる上記の低密度ポリエチレンとしては、該ポ
リエチレンを形成する上記のα−オレフィンコモノマー
が1−オクテンであるものが望ましく、又、その含有量
が20〜35重量%のものが特に望ましい。α−オレフ
ィンコモノマーの含有量が18重量%未満では、充分な
柔軟性を得られない。(a)成分は、メルトインデック
ス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜5
0g/10分、望ましくは0.5〜20g/10分のも
のが用いられる。MIが0.1g/10分未満だと、製
膜時にトルクが増大して、極端なメルトフラクチャーが
発生し、50g/10分を超えると、バブルが不安定と
なり、フィルムの製膜安定性が悪化する。該ポリエチレ
ンは、分子量分布の目安となる重量平均分子量/数平均
分子量(Mw/Mn)が1.8〜2.8と小さいところ
に特徴があるが、このようなポリエチレンは、分子量分
布の幅を狭くすることができるメタロセン触媒を用いて
製造したものが好ましい。
【0020】上記メタロセン触媒とは、チタン、ジルコ
ニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系のシクロペ
ンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基等を含
有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化合物である
メタロセンと、アルミニウム化合物等の助触媒とを組合
わせたものである。該ポリエチレンは、例えばチタノセ
ン、ジルコノセン等のメタロセンを、助触媒であるアル
キルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムルハライド等のア
ルミニウム化合物で活性化したメタロセン触媒の存在
下、エチレン及びコモノマーの炭素数が4〜8個のα−
オレフィン、好ましくは1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン等、特に好ましくは1−オクテンを溶
液重合することによって製造することができる。
【0021】上記熱可塑性エラストマーからフィルム
(F)とする方法は、通常のプラスチックフィルムの成
形方法に従えば良く、例えば、上記のフィルム(A)、
フィルム(B)又はフィルム(C)の成形方法と同様に
しても良い。フィルム(F)の厚さは、本発明の複合フ
ィルムの用途により適宜選択されるが、通常は10〜1
00μmである。
【0022】本発明の伸縮性複合フィルムは、上記フィ
ルム(A)、フィルム(B)又はフィルム(C)(以
下、それらの代表としてのフィルム(A)で説明す
る。)と、上記フィルム(F)を積層したものである。
両者の積層は、フィルム(A)とフィルム(F)を接着
剤を介して接合するドライラミネーション法、一方のフ
ィルムの上に他方のフィルムの溶融原料樹脂をフィルム
状に押出して接合する押出しコーティング法、フィルム
(A)とフィルム(F)の両溶融原料樹脂を同時にフィ
ルム状に押出して接合する共押出しコーティング法等の
通常の積層法で行われる。本発明の伸縮性複合フィルム
は、フィルム(A)とフィルム(F)のみの2層構造以
外に、例えばフィルム(A)/フィルム(F)/フィル
ム(A)、フィルム(F)/フィルム(A)/フィルム
(F)、フィルム(A)/フィルム(F)/フィルム
(A)/フィルム(F)/フィルム(A)等の3層以上
の多層構造にしても良いことは言うまでもない。
【0023】上記複合フィルムの厚さは、その用途によ
り適宜選択され、特定するものではないが、通常は20
〜300μmである。従って、該複合フィルムを構成す
るフィルム(A)とフィルム(F)の各々の厚さは、そ
れらの合計厚さが上記複合フィルムの厚さに対応するよ
うに任意に設定すれば良いが、フィルム(A)の厚さを
フィルム(F)のそれよりも薄くした方が望ましく、通
常フィルム(A)の厚さは5〜50μm、フィルム
(F)の厚さは10〜100μmである。
【0024】本発明の複合フィルムは上記の構成からな
るが、そのもの単独、或いは他の部材と積層して、その
伸縮性を利用できる種々の用途に使用できる。例えば、
更に、上記のスリットした伸縮フィルムにホットメルト
接着剤等を塗布したテープとし、このテープを伸縮した
状態で不織布、織布、プラスチックフィルム又はシー
ト、及びこれらの積層体に接着し、テープの伸縮を緩和
すれば、例えばオムツ等のギャザー部材、伸縮性湿布材
用基材等とすることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。樹脂組成物を調製する際に用いた各成分 (a)成分 エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(エクソン
化学(株)製,商品名ビスタロン3708;MI0.1
g/10分,密度0.87g/cm3 ) (b)成分 (b)−1成分:エチレン−酢酸ビニル共重合体(日本
ユニカー(株)製,商品名NUCポリエチレンコポリマ
ーDQDJ3269,酢酸ビニル含有量28重量%,M
I20g/10分,密度0.95g/cm3 ) (b)−2成分:エチレン−メチルアクリレート共重合
体(エクソン化学(株)製,商品名OptimaTC−
130,メチルアクリレート含有量21重量%,MI2
0.0g/10分,密度0.940g/cm3 ) (b)−3成分:エチレン−エチルアクリレート共重合
体(日本ユニカー(株)製,商品名NUCポリエチレン
PPDJ9169,エチルアクリレート含有量28重量
%,MI20g/10分) (b)−4成分:エチレン−メチルメタクリレート共重
合体(住友化学工業(株)製,商品名アクリフトWH3
03,MFR7.0g/10分,DSC融点89℃,溶
解度指数9.3,メチルメタクリレート含有量18重量
%) (c)成分 高圧法低密度ポリエチレン(日本ユニカー(株)製,商
品名NUCポリエチレンDFD0148;MI6.0g
/10分,密度0.923g/cm3 ) (d)成分 炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製,商品名PO
フィラー150B;平均粒子径1μm)
【0026】フィルム(F)を製膜する際に用いた熱可
塑性エラストマー (f)−1:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体エラストマー(SBS)(シェルジャパン社
製,商品名クレイトンDKX−405,スチレンブロッ
ク含有量26重量%,MFR2.5g/10分・190
℃,密度0.94g/cm3 ) (f)−2:スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体エラストマー(SIS)(テキサコポリマー社
製,商品名VECTOR4211,スチレンブロック含
有量30重量%,MFR2.6g/10分・230℃,
密度0.94g/cm3 ) (f)−3:スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン
ブロック共重合体エラストマー(SEBS)(旭化成
(株)製,商品名H1052,スチレンブロック含有量
20重量%,MFR5.0g/10分・230℃,密度
0.89g/cm3 ) (f)−4:メタロセン触媒を用いて製造された低密度
ポリエチレン(ダウケミカル社製,商品名エンゲージE
G8150;MI0.5g/10分,密度0.868g
/cm3 ,Mw/Mn2.15,1−オクテン含有量2
8重量%) (f)−5:エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム(三井石油化学(株)製,商品名タフマーP028
0;MI2.9g/10分,密度0.87g/cm3
【0027】(実施例1) (1)樹脂組成物の製造 (a)成分54重量部、(b)−1成分36重量部、
(c)成分10重量部及び(d)成分10重量部をスー
パーフローター(カワタ(株)製、型式SFC−50)
を用いてドライブレンドした後、2軸混練押出機(日本
製鋼所(株)製、型式TEX−30)を用いて175℃
で溶融混練して、樹脂組成物ペレットを得た。 (2)複合フィルムの製造 (1)で得られた樹脂組成物を得られる複合フィルムの
外層及び内層になるように、又、上記(f)−1成分を
得られる複合フィルムの中間層になるように、それぞれ
下記の空冷インフレーション3層製膜装置に下記の条件
で供給して、厚さ50μm、折径600mm(ブローア
ップ比2.5)のチューブ状複合フィルムを製造すると
共に、長さ60mの紙管に巻き取り、試料フィルムを得
た。得られた試料フィルムの物性その他を下記の方法で
評価し、それらの結果を表2に示した。
【0028】製膜装置 ・押出機 外層 プラコー社製 50mm径 中間層 プラコー社製キーフェル 45mm径 内層 モダンマシナリー社製 50mm径 ・ダイ 150mm径3層スパイラルダイ ・製膜条件及びサンプル仕様 製膜温度 160〜180℃ 引取速度 10m/分 外層/中間層/内層厚さ比 1/4/1フィルム物性の測定 50%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、下
記の機器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150mm チャック間隔:100mm 引張速度:300mm/分 測定雰囲気:23℃,50%RH 100%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、
と同条件で測定した。 150%伸長時強度:JIS L1096に準拠し、
と同条件で測定した。 150%2サイクル伸長後の残留歪:JIS L10
96に準拠し、と同条件で測定した。 破断時強度及び伸度:JIS L1096に準拠し、
下記の機器及び条件で測定した。 使用機器:ストログラフW(東洋精機(株)製) 測定サンプルサイズ:25mm×150mm チャック間隔:50mm 引張速度:300mm/分 測定雰囲気:23℃,50%RHフィルムの開口性の評価 判定基準は以下の通りである。 ○:製膜後その両耳をスリットしたフィルムが、簡単に
2枚に剥がれる。 ×:上記フィルムを2枚に剥がそうとしても全く剥がれ
ず、破れてしまう。バブル安定性 判定基準は以下の通りである。 ○:折幅が一定である。 ×:バブルが上下、左右に変動し、折幅変化が大きい。原反の繰出し性 判定基準は以下の通りである。 ○:良好に繰出しができ、かつ巻き芯まで繰出しができ
るもの。 ×:フィルが剥がれにくく、スムーズな繰出しができな
いか、巻き芯に巻き込まれて、繰出しができないもの。
【0029】(実施例2〜10)表1に示す(a)成
分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を表1に示
す割合で用いて、実施例1と同様にして樹脂組成物を得
た。得られた樹脂組成物を得られるフィルムの内外層に
なるように、又、表1に示す(f)成分を得られるフィ
ルムの中間層になるようにそれぞれ用いた以外は、実施
例1と同様にして複合フィルムを得、それらのフィルム
について物性を測定し、それらの結果を表2及び表3に
示した。
【0030】(比較例1)実施例1で用いた樹脂組成物
を得られるフィルムの内外層及び中間層になるように用
いた以外は、実施例1と同様にして複合フィルムを得、
そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表
3に示した。
【0031】(比較例2)実施例2で用いた樹脂組成物
を得られるフィルムの内外層及び中間層になるように用
いた以外は、実施例1と同様にして複合フィルムを得、
そのフィルムについて物性を測定し、それらの結果を表
3に示した。
【0032】(比較例3)(f)−1成分を得られるフ
ィルムの内外層及び中間層になるように用いた以外は、
実施例1と同様にして複合フィルムを得、そのフィルム
について物性を測定し、それらの結果を表3に示した。
【0033】(比較例4)(f)−4成分を得られるフ
ィルムの内外層及び中間層になるように用いた以外は、
実施例1と同様にして複合フィルムを得、そのフィルム
について物性を測定し、それらの結果を表3に示した。
【0034】
【表1】
【表2】
【表3】 表2及び表3から明らかなように、本発明に係る樹脂組
成物から安定して伸縮性フィルムを製膜することができ
る。又、得られた複合フィルムは、熱可塑性エラストマ
ーを使用しないで製膜した比較例1及び2の複合フィル
ムに比べて、伸長後の残留歪が小さく、破断時強度が大
きく、又、各伸長時の行きと戻り及びMD方向とTD方
向の強度差がいずれも小さいという効果を示している。
更に、熱可塑性エラストマーのみから製膜した比較例3
及び4の複合フィルムは、本発明の複合フィルムに比べ
て、一見その物性が優れているようにも見えるが、フィ
ルムの開口性が×であるように、フィルムを2枚に剥が
すことができないことから、その物性は2枚のフィルム
を重ねた状態で測定したものであって、決して優れてい
るとはいえないものである。それよりも、バブル安定
性、フィルムの開口性、原反の繰出し性の総てが×であ
るように、熱可塑性エラストマー単独からは、実質商業
的に製膜できないことを示している。
【0035】
【発明の効果】本発明の複合フィルムは、衛生用品、例
えば使い捨ておむつ等のギャザーやギャザー付きナプキ
ン等、伸縮性湿布材用基材、衣料用等の部材に要求され
る物性を保持していること以外に、機器類や生活用品、
例えばスリッパ、サンダル等の滑り止め材、指パッチ
材、テープ等の巻芯構造体用部材、又、無臭であること
から手術用ドレープ等の医療用部材として有効であり、
剥離強度(開口性)、ブロッキング度が小さいことか
ら、製品を一定の環境下で長期間保管することができ
る。そして、複合フィルムの一方のフィルムはインフレ
ーション法で安定して製膜することができると共に、製
膜時のチューブの口開き性も良好である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
    体ゴム30〜70重量%及び(b)エチレン共重合体7
    0〜30重量%を含有する組成物からなるフィルム
    (A)と熱可塑性エラストマーからなるフィルム(F)
    を積層してなる伸縮性複合フィルム。
  2. 【請求項2】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
    体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共重合体30
    〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜40重量%を
    含有する組成物からなるフィルム(B)と熱可塑性エラ
    ストマーからなるフィルム(F)を積層してなる伸縮性
    複合フィルム。
  3. 【請求項3】 (a)エチレン−α−オレフィン共重合
    体ゴム30〜65重量%、(b)エチレン共重合体30
    〜65重量%及び(c)ポリエチレン5〜40重量%を
    含有する組成物100重量部並びに(d)無機充填剤5
    〜40重量部を含有する樹脂組成物からなるフィルム
    (C)と熱可塑性エラストマーからなるフィルム(F)
    を積層してなる伸縮性複合フィルム。
  4. 【請求項4】 上記エチレン共重合体は、エチレン−酢
    酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
    合体及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体から
    選ばれる共重合体である請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載の伸縮性複合フィルム。
  5. 【請求項5】 上記ポリエチレンは、密度が0.915
    〜0.925g/cm3 であり、メルトインデックスが
    0.5〜10g/10分であることを特徴とする請求項
    2ないし請求項4のいずれかに記載の伸縮性複合フィル
    ム。
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