JPH11286511A - エチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体の製造方法

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JPH11286511A
JPH11286511A JP23080798A JP23080798A JPH11286511A JP H11286511 A JPH11286511 A JP H11286511A JP 23080798 A JP23080798 A JP 23080798A JP 23080798 A JP23080798 A JP 23080798A JP H11286511 A JPH11286511 A JP H11286511A
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JP
Japan
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chromium
compound
ethylene
catalyst
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JP23080798A
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English (en)
Inventor
Hisashi Monoi
尚志 物井
Hidenobu Torigoe
秀信 鳥越
Shintaro Inasawa
伸太郎 稲沢
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Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Japan Polyolefins Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性と耐環境応力亀裂(ESCR)のバラン
ス、および成形性に優れた大型ブロー用エチレン系重合
体を効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 三酸化クロムまたは焼成によって少なく
とも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物
(A)、クロムカルボン酸塩、クロム−1,3−ジケト
化合物、クロム酸エステル、クロムアミド化合物から選
ばれる有機基と結合したクロム化合物(B)、担体、お
よび所望により有機金属化合物からなる触媒を用いるこ
とを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。好ましく
は、担体にクロム化合物(A)を担持した後焼成し、次
いでクロム化合物(B)および所望により有機金属化合
物を担持した触媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン系重合体の
製造方法に関する。さらに詳しくは、異なる2種類のク
ロム化合物および担体からなる触媒を用いることによ
り、剛性と耐環境応力亀裂(ESCR)のバランスおよ
び成形性に優れ、特にブロー用に適し、なかんずく大型
ブロー用に適したエチレン系重合体を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】エチレン系重合体は、各種の成形品の樹
脂材料として、一般に広く用いられており、その成形方
法と用途によって要求される特性が異なっている。例え
ば、射出成形法によって成形される製品には分子量が比
較的低く、狭い分子量分布を有する重合体が適している
が、フィルム成形やブロー成形などによって成形される
製品には、分子量が比較的高く、分子量分布の広い重合
体が適している。従来より、三酸化クロムをシリカなど
の無機酸化物に担持させた、いわゆるフィリップス系触
媒を用いることにより、ブロー成形等に適した広い分子
量分布のエチレン系重合体が得られることは公知であ
る。また、特開平2-123108号、特開平4-18407号、特開
平5-230136号などに開示されたチーグラー触媒による一
段または多段重合によっても、ブロー成形等に適した広
い分子量分布のエチレン系重合体が得られる。
【0003】しかしながら、近年、ガソリンタンク、ブ
ロー成形等に適したエチレン系重合体に関して一層の高
品質化が要望されている。上記の触媒によって得られる
広い分子量分布を有するエチレン系重合体を使用してブ
ロー成形物を製造した場合、該成形物は(1)剛性と耐
環境応力亀裂(ESCR)のバランスが十分ではないこ
と、(2)成形性に関しては溶融張力が十分でないた
め、ブロー成形物の肉厚にムラがあるのみならず、成形
物の表面が荒れるため、外観上望ましくないことなどの
いずれかの点において必ずしも満足すべきものではな
い。2種類の異なるクロム化合物および担体からなる触
媒を用いて重合を行ない、分子量分布の広いエチレン系
重合体を得る方法としては、米国特許5,527,867号報、
同5,543,376号公報に開示されたように、いわゆるフィ
リップス触媒にクロモセンを担持した触媒を用いる方法
などがある。しかしながら、これらの方法により得られ
るエチレン系重合体は、剛性と耐環境応力亀裂(ESC
R)のバランス、溶融張力が共に十分なレベルではな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改良して、剛性と耐環境応力亀裂(ESCR)のバラ
ンス、および成形性に優れ、特にブロー用に適し、なか
んずく大型ブロー用に適したエチレン系重合体を効率よ
く製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意検討した結果、異なる2種類のクロム化合
物および担体からなる触媒を用いることを特徴とするエ
チレン系重合体の製造方法によって前記課題を解決し
た。
【0006】すなわち、本発明は、 1)三酸化クロムまたは焼成によって少なくとも部分的
に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)、およびク
ロムカルボン酸塩、クロム−1,3−ジケト化合物、ク
ロム酸エステル、クロムアミド化合物から選ばれる有機
基と結合したクロム化合物(B)を担体に担持した触媒
を用いることを特徴とするエチレン系重合体の製造方
法、 2)三酸化クロムまたは焼成によって少なくとも部分的
に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)を担体に担
持した後焼成し、次いでクロムカルボン酸塩、クロム−
1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミ
ド化合物から選ばれる有機基と結合したクロム化合物
(B)を担持した触媒を用いることを特徴とするエチレ
ン系重合体の製造方法、 3)クロム化合物(A)および/またはクロム化合物
(B)を担持した担体に有機金属化合物を担持した触媒
を用いる前記1または2に記載のエチレン系重合体の製
造方法、
【0007】4)三酸化クロムまたは焼成によって少な
くとも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物
(A)を担体に担持した後焼成し、次いで有機金属化合
物を担持し、さらに、クロムカルボン酸塩、クロム−
1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミ
ド化合物から選ばれる有機基と結合したクロム化合物
(B)を担持した触媒を用いることを特徴とするエチレ
ン系重合体の製造方法、 5)三酸化クロムまたは焼成によって少なくとも部分的
に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)を担体に担
持した後焼成し、次いで、クロムカルボン酸塩、クロム
−1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル、クロムア
ミド化合物から選ばれる有機基と結合したクロム化合物
(B)を担持し、さらに有機金属化合物を担持した触媒
を用いることを特徴とするエチレン系重合体の製造方
法、
【0008】6)三酸化クロムまたは焼成によって少な
くとも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物
(A)を担体に担持した後焼成し、次いで有機金属化合
物を担持し、さらに、クロムカルボン酸塩、クロム−
1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミ
ド化合物から選ばれる有機基と結合したクロム化合物
(B)を担持し、さらに有機金属化合物を担持した触媒
を用いることを特徴するエチレン系重合体の製造方法、 7)重合時に触媒を有機金属化合物と接触させる前記1
乃至6のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造方
法、
【0009】8)担体が無機酸化物担体である前記1乃
至7のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法、 9)担体の比表面積が50〜1000m2/g、細孔体積が
0.5〜3.0cm3/g、平均粒径が10〜200μmであ
る前記1乃至8のいずれかに記載のエチレン系重合体の
製造方法、 10)三酸化クロムまたは焼成によって少なくとも部分
的に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)およびク
ロムカルボン酸塩、クロム−1,3−ジケト化合物、ク
ロム酸エステル、クロムアミド化合物から選ばれる有機
基と結合したクロム化合物(B)をクロム原子として担
体重量に対し合計0.05〜5.0重量%担持させる前記1乃
至9のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法、
【0010】11)担体に担持するクロム化合物(A)
およびクロム化合物(B)の割合がクロム原子比で1:
99〜99:1である前記1乃至10のいずれかに記載
のエチレン系重合体の製造方法、 12)有機金属化合物が周期律表第1、2または13族
元素の有機金属化合物である前記3乃至11のいずれか
に記載のエチレン系重合体の製造方法、および 13)有機金属化合物が有機リチウム化合物、有機マグ
ネシウム化合物、有機アルミニウム化合物または有機ホ
ウ素化合物である前記3乃至12のいずれかに記載のエ
チレン系重合体の製造方法を開発することにより上記の
目的を達成した。
【0011】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の方法で異なる2種類のクロム化合物、すなわち、
(A)三酸化クロムまたは焼成によって少なくとも部分
的に酸化クロムを形成するクロム化合物、および(B)
クロムカルボン酸塩、クロム−1,3−ジケト化合物、
クロム酸エステル、クロムアミド化合物から選ばれる有
機基と結合したクロム化合物を使用する。
【0012】三酸化クロムまたは焼成によって少なくと
も部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)
は、一般にフィリップス触媒で用いられる化合物であ
る。
【0013】具体例としては、クロムのハロゲン化物、
オキシハロゲン化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、クロム
−1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル等が挙げら
れ、具体的には三酸化クロム、塩化クロミル、重クロム
酸カリウム、クロム酸アンモニウム、硝酸クロム、酢酸
クロム、硫酸クロム、クロムアセチルアセトネート、ビ
ス(tert−ブチル)クロメート等が挙げられる。
【0014】クロムカルボン酸塩、クロム−1,3−ジ
ケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミド化合物か
ら選ばれる有機基と結合したクロム化合物(B)は、以
下のような化合物である。クロムカルボン酸塩として
は、一般式(1)または(2)で表わされるクロム(I
I)またはクロム(III)の化合物が挙げられる。
【0015】
【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は各々水素また
は炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一であっても
異なっていてもよい。)
【0016】具体例としては、蟻酸クロム(II)、酢酸
クロム(II)、プロピオン酸クロム(II)、酪酸クロム
(II)、ペンタン酸クロム(II)、ヘキサン酸クロム
(II)、2−エチルヘキサン酸クロム(II)、安息香酸
クロム(II)、ナフテン酸クロム(II)、オレイン酸ク
ロム(II)、シュウ酸クロム(II)、蟻酸クロム(II
I)、酢酸クロム(III)、プロピオン酸クロム(II
I)、酪酸クロム(III)、ペンタン酸クロム(III)、
ヘキサン酸クロム(III)、2−エチルヘキサン酸クロ
ム(III)、安息香酸クロム(III)、ナフテン酸クロム
(III)、オレイン酸クロム(III)、シュウ酸クロム
(III)などが挙げられ、中でも酢酸クロム(II)、2
−エチルヘキサン酸クロム(II)、酢酸クロム(II
I)、2−エチルヘキサン酸クロム(III)が好ましい。
【0017】クロム−1,3−ジケト化合物は、一般式
(3)で表わされる、1,3−ジケト化合物を1個乃至
3個有するクロム(III)錯体である。
【0018】
【化2】Cr(X)k(Y)m(Z)n (3) (式中、Xは1,3−ジケト型キレート配位子であり、
YおよびZはハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、
アルキル、アリール、アミドから選ばれ、同一であって
も異なっていてもよい。k+m+n=3、1≦k≦3で
ある。)
【0019】具体例としては、クロム−1,3−ブタン
ジオネート、クロムアセチルアセトネート、クロム−
2,4−ヘキサンジオネート、クロム−2,4−ヘプタ
ンジオネート、クロム−2,4−オクタンジオネート、
クロム−3,5−オクタンジオネート、クロムベンゾイ
ルアセトネート、クロム−1,3−ジフェニル−1,3
−プロパンジオネート、クロム−2−メチル−1,3−
ブタンジオネート、クロム−2−エチル−1,3−ブタ
ンジオネート、クロム−2−フェニル−1,3−ブタン
ジオネート、クロム−1,2,3−トリフェニル−1,
3−プロパンジオネートなどが挙げられ、中でもクロム
アセチルアセトネートが好ましい。
【0020】クロム酸エステルは、一般式(4)で表わ
されるクロム(VI)の化合物である。
【化3】 (式中、R6、R7、R8、R9、R10およびR11は各々炭
素数1〜18の炭化水素基であり、同一であっても異な
っていてもよく、M1およびM2は各々炭素原子またはケ
イ素原子を表わす。)
【0021】具体例としては、M1およびM2が炭素の場
合、ビス(tert−ブチル)クロメート、ビス(1,1−
ジメチルプロピル)クロメート、ビス(2−フェニル−
2−プロピル)クロメート、ビス(1,1−ジフェニル
エチル)クロメート、ビス(トリフェニルメチル)クロ
メート、ビス(1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ル)クロメート、ビス(1,1,2−トリメチルプロピ
ル)クロメートなどが挙げられ、中でもビス(tert−ブ
チル)クロメートが好ましい。
【0022】また、M1およびM2がケイ素の場合、ビス
(トリメチルシリル)クロメート、ビス(トリエチルシ
リル)クロメート、ビス(トリブチルシリル)クロメー
ト、ビス(トリイソペンチルシリル)クロメート、ビス
(トリ−2−エチルヘキシルシリル)クロメート、ビス
(トリデシルシリル)クロメート、ビス(トリ(テトラ
デシル)シリル)クロメート、ビス(トリベンジルシリ
ル)クロメート、ビス(トリフェネチルシリル)クロメ
ート、ビス(トリフェニルシリル)クロメート、ビス
(トリトリルシリル)クロメート、ビス(トリキシリル
シリル)クロメート、ビス(トリナフチルシリル)クロ
メート、ビス(ジメチルフェニルシリル)クロメート、
ビス(ジフェニルメチルシリル)クロメート、ビス(ジ
メチルテキシルシリル)クロメート、ビス(ジメチルイ
ソプロピルシリル)クロメート、ビス(tert−ブチルジ
メチルシリル)クロメート、ビス(トリ−tert−ブチル
シリル)クロメート、ビス(トリエチルフェニルシリ
ル)クロメート、ビス(トリメチルナフチルシリル)ク
ロメート、ポリジフェニルシリルクロメート、ポリジエ
チルシリルクロメートなどが挙げられる。
【0023】クロムアミド化合物としては、一般式
(5)または(6)で表わされるクロム(II)またはク
ロム(III)の化合物を挙げることができる。
【化4】
【0024】(R12、R13、R14、R15、R16、R17
18、R19、R20、R21、R22およびR23は、各々水素
または炭素数1〜18の炭化水素基であり、同一であっ
ても異なっていてもよく、M3、M4、M5およびM6は、
炭素および/またはケイ素原子、L1はエーテルまたは
ニトリルなどの配位子を表わし、0≦p≦2である。)
【0025】
【化5】 (式中、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30
31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R
39、R40およびR41は、各々水素または炭素数1〜18
の炭化水素基であり、同一であっても異なっていてもよ
く、M7、M8、M9、M10、M11およびM12は、炭素お
よび/またはケイ素原子である。)
【0026】具体例としては、ビス(ビストリメチルシ
リルアミド)クロム(II)−THF錯体、ビス(ビスト
リメチルシリルアミド)クロム(II)−ジエチルエーテ
ル錯体、ビス(メチルトリメチルシリルアミド)クロム
(II)−THF錯体、ビス(メチルトリメチルシリルア
ミド)クロム(II)−ジエチルエーテル錯体、ビス(te
rt−ブチルトリメチルシリルアミド)クロム(II)−T
HF錯体、ビス(tert−ブチルトリメチルシリルアミ
ド)クロム(II)−ジエチルエーテル錯体、ビス(フェ
ニルトリメチルシリルアミド)クロム(II)−THF錯
体、ビス(フェニルトリメチルシリルアミド)クロム
(II)−ジエチルエーテル錯体、、トリス(ジメチルア
ミド)クロム(III)、トリス(ジエチルアミド)クロ
ム(III)、トリス(ジイソプロピルアミド)クロム(I
II)、トリス(メチルフェニルアミド)クロム(II
I)、トリス(ジフェニルアミド)クロム(III)、トリ
ス(ビストリメチルシリルアミド)クロム(III)、ト
リス(ビストリエチルシリルアミド)クロム(III)、
トリス(ビストリフェニルシリルアミド)クロム(II
I)などが挙げられ、中でもトリス(ビストリメチルシ
リルアミド)クロム(III)が好ましい。
【0027】担体としては、微粒子状固体であり、重合
媒体中でも固体であるものが好ましく、多孔質が特に好
ましい。具体的には、無機酸化物、無機ハロゲン化物、
無機水酸化物、無機炭酸塩、無機リン酸塩、無機硫酸塩
などの無機化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、またはエチレン、プロピレン、スチレンな
どのオレフィン類とアクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルエーテ
ル、アクリロニトリル、アリルアルコール、酢酸ビニル
などの極性基含有モノマーとの共重合体の有機化合物が
用いられる。中でも無機酸化物担体が好ましい。
【0028】無機酸化物担体は、周期律表第2、4、1
3または14族の金属の酸化物が好ましく、具体的には
マグネシア、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリ
カ、トリア、リン酸アルミニウム、シリカ−チタニア、
シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナまたはこれらの
混合物等が挙げられる。ここで、リン酸アルミニウムは
形式上はリン酸塩であるが、酸化物としての性質を有す
る。これら無機酸化物担体の表面積は50〜1000m2
g、特に200〜800m2/gが好ましく、細孔体積
は0.5〜3.0cm3/g、特に1.0〜2.5cm3/gが好まし
く、平均粒径が10〜200μm、特に30〜150μ
mのものが好ましい。
【0029】上記クロム化合物(A)および(B)は上
記担体に担持して用いるのが好ましい。担持方法として
は、クロム化合物(A)を担持してから焼成を行ない、
次にクロム化合物(B)を担持する方法が好ましい。
【0030】担体にクロム化合物(A)を担持させるに
は、含浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行な
うことができ、使用するクロム化合物(A)の種類によ
って適当な方法を用いれば良い。担持するクロム化合物
(A)の量は、クロム原子として担体重量に対して0.05
〜5.0重量%、好ましくは0.3〜4.0重量%、さらに好ま
しくは0.5〜3.0重量%である。
【0031】クロム化合物(A)を担持した担体を焼成
して賦活を行なう。焼成賦活は一般に水分を実質的に含
まない非還元性雰囲気、たとえば酸素存在下で行なわれ
るが、不活性ガスの存在下あるいは減圧下で行なっても
良い。好ましくは乾燥空気が用いられる。焼成は温度4
00℃以上、好ましくは500〜900℃で数分〜数十
時間、好ましくは0.5〜10時間行なう。焼成時は充分
に乾燥した空気を用い、流動状態下で賦活を行なうのが
好ましい。
【0032】担持もしくは焼成時にチタネート類やフッ
素含有塩類等を添加して、活性や分子量、共重合性等を
調節する公知の方法を併用しても良い。クロム化合物
(B)の担持反応はプロパン、ブタン、イソブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水
素溶媒中で行なうのが好ましい。担体1gあたりの溶媒
量は任意の量を用いることができる。また、担持反応
後、溶媒を真空下で除去またはろ過によって分離するな
どの方法によって、担持された触媒を溶媒と分離するこ
ともできる。担体に担持するクロム化合物(B)の量
は、クロム原子が担体に対して0.05〜5.0重量%、好ま
しくは0.07〜3.0重量%の担持量となるような量が好ま
しい。担持反応温度は0℃〜溶媒の沸点、担持反応時間
は5分〜24時間である。
【0033】担持するクロム化合物(A)および(B)
の比率はクロム原子比で1:99〜99:1が好まし
い。得られた触媒に有機金属化合物を担持すること、お
よび/または重合時に触媒と有機金属化合物を接触させ
ることが好ましい。
【0034】有機金属化合物としては、周期律表第1、
2、または13族の有機金属化合物、具体的には、有機
リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミ
ニウム化合物、有機ホウ素化合物が好ましく用いられ
る。
【0035】有機リチウム化合物としては、アルキルリ
チウムまたはシクロアルカジエニルリチウム化合物、具
体的にはメチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチル
リチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、シクロペンタジエニルリチウム、インデニルリチウ
ム、フルオレニルリチウム等が挙げられ、中でもメチル
リチウム、n−ブチルリチウムが好ましい。
【0036】有機マグネシウム化合物としては、ジアル
キルマグネシウム、アルキルマグネシウムアルコキシド
またはアルキルマグネシウムハライド化合物等が挙げら
れ、具体例としては、ブチルエチルマグネシウム、ジブ
チルマグネシウム、エチルマグネシウムメトキシド、エ
チルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムイソ
プロポキシド、エチルマグネシウムn−ブトキシド、エ
チルマグネシウムイソブトキシド、エチルマグネシウム
フェノキシド、ブチルマグネシウムメトキシド、ブチル
マグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムイソプロ
ポキシド、ブチルマグネシウムn−ブトキシド、ブチル
マグネシウムイソブトキシド、ブチルマグネシウムフェ
ノキシド、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグ
ネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムクロライ
ド、フェニルマグネシウムクロライド、メチルマグネシ
ウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、n−
ブチルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウム
ブロマイドなどが挙げられ、中でもブチルエチルマグネ
シウム、エチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネ
シウムイソプロポキシド、エチルマグネシウムn−ブト
キシド、エチルマグネシウムイソブトキシドが好まし
い。
【0037】有機アルミニウム化合物としては、トリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライ
ド、ジアルキルアルミニウムアルコキシド、アルキルア
ルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムジアルコ
キシド、ジアルキルアルミニウムハイドライド、アルモ
キサン、シロキシアラン等が挙げられる。
【0038】トリアルキルアルミニウムの具体例として
は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルア
ルミニウム等が挙げられ、中でもトリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムが好ましい。
【0039】ジアルキルアルミニウムハライドの具体例
としては、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチル
アルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムク
ロライド等が挙げられ、中でもジエチルアルミニウムク
ロライドが好ましい。
【0040】ジアルキルアルミニウムアルコキシドの具
体例としては、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメ
チルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムイ
ソプロポキシド、ジメチルアルミニウムn−ブトキシ
ド、ジメチルアルミニウムイソブトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムイソプロ
ポキシド、ジエチルアルミニウムn−ブトキシド、ジエ
チルアルミニウムイソブトキシド、ジイソブチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムイソプロ
ポキシド、ジイソブチルアルミニウムn−ブトキシド、
ジイソブチルアルミニウムイソブトキシド、ジn−ヘキ
シルアルミニウムエトキシド、ジn−ヘキシルアルミニ
ウムイソプロポキシド、ジn−ヘキシルアルミニウムn
−ブトキシド、ジn−ヘキシルアルミニウムイソブトキ
シド等が挙げられ、中でもジエチルアルミニウムエトキ
シドが好ましい。
【0041】アルキルアルミニウムジハライドの具体例
としては、メチルアルミニウムジクロライド、エチルア
ルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジク
ロライド等が挙げられ、中でもエチルアルミニウムジク
ロライドが好ましい。
【0042】アルキルアルミニウムジアルコキシドの具
体例としては、メチルアルミニウムジメトキシド、メチ
ルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジイ
ソプロポキシド、メチルアルミニウムジn−ブトキシ
ド、メチルアルミニウムジイソブトキシド、エチルアル
ミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジイソプロ
ポキシド、エチルアルミニウムジn−ブトキシド、エチ
ルアルミニウムジイソブトキシド、イソブチルアルミニ
ウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジイソプロ
ポキシド、イソブチルアルミニウムジn−ブトキシド、
イソブチルアルミニウムジイソブトキシド、n−ヘキシ
ルアルミニウムジエトキシド、n−ヘキシルアルミニウ
ムジイソプロポキシド、n−ヘキシルアルミニウムジn
−ブトキシド、n−ヘキシルアルミニウムジイソブトキ
シド等が挙げられ、中でもエチルアルミニウムジエトキ
シドが好ましい。
【0043】ジアルキルアルミニウムハイドライドの具
体例としては、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジn−ブチルアルミ
ニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイド
ライド、ジn−ヘキシルアルミニウムハイドライド等が
挙げられ、中でもジエチルアルミニウムハイドライドが
好ましい。
【0044】アルモキサンは当分野でよく知られている
化合物であるが、その製法および構造はPolyhedron, 9,
429〜453 (1990)、Ziegler Catalysts, G. Fink et a
l. (Eds.) 57〜82,Springer-Verlag (1995)などに詳し
く記載されている。
【0045】本発明に用いられるアルモキサンとして
は、下記一般式(7)または(8)で表わされる化合物
が挙げられる。
【化6】 式中、R42は、メチル基、エチル基、プロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基であり、好ま
しくは、メチル基、イソブチル基である。qは1から1
00の整数であり、好ましくは4以上特に好ましくは8
以上である。
【0046】この種の化合物の製法は公知であり、例え
ば、結晶水を有する塩類(硫酸銅水和物、硫酸アルミニ
ウム水和物等)のペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエンなどの不活性
炭化水素溶媒の懸濁液にトリアルキルアルミニウムを添
加して製造する方法や、炭化水素溶媒中でトリアルキル
アルミニウムに、固体、液体あるいは気体状の水を作用
させる方法を例示することができる。
【0047】また、一般式(9)または(10)で示さ
れるアルモキサンを用いてもよい。
【化7】
【0048】式中、R43は、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基などの炭化水素基
であり、好ましくは、メチル基、イソブチル基である。
また、R44はメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブ
チル基、イソブチル基などの炭化水素基、あるいは塩
素、臭素などのハロゲンまたは水素、水酸基から選ば
れ、R43とは異なった基を示す。また、複数存在するR
43およびR44は、各々同一でも異なっていてもよい。r
は通常1から100の整数であり、好ましくは3以上で
あり、r+sは2から101、好ましくは6以上であ
る。
【0049】一般式(9)あるいは(10)の化合物に
おいて、(O−Al(R43))rユニットと(O−Al(R
44))sユニットは、ブロック的に結合したものであって
も、規則的あるいは不規則的にランダムに結合したもの
であっても良い。このようなアルモキサンの製法は、前
述した一般式のアルモキサンと同様であり、1種類のト
リアルキルアルミニウムの代わりに、2種類以上のトリ
アルキルアルミニウムを用いるか、1種類以上のジアル
キルアルミニウムモノハライドあるいはジアルキルアル
ミニウムモノハイドライドなどを用いれば良い。
【0050】シロキシアランは一般式(11)で表わさ
れる化合物である。
【化8】 R454647Si−O−AlR4849 (11) (式中、R45、R46、R47、R48およびR49は炭素数1
〜18の炭化水素基であり、同一であっても異なってい
てもよい。)
【0051】具体例としては、トリメチルジメチルシロ
キシアラン、トリメチルジエチルシロキシアラン、トリ
メチルジイソブチルシロキシアラン、トリメチルジn−
ヘキシルシロキシアラン、トリエチルジメチルシロキシ
アラン、トリエチルジエチルシロキシアラン、トリエチ
ルジイソブチルシロキシアラン、トリエチルジn−ヘキ
シルシロキシアラン、トリフェニルジメチルシロキシア
ラン、トリフェニルジエチルシロキシアラン、トリフェ
ニルジイソブチルシロキシアラン、トリフェニルジn−
ヘキシルシロキシアランなどが挙げられ、中でもトリメ
チルジメチルシロキシアラン、トリメチルジエチルシロ
キシアラン、トリメチルジイソブチルシロキシアラン、
トリメチルジn−ヘキシルシロキシアラン、トリエチル
ジメチルシロキシアラン、トリエチルジエチルシロキシ
アラン、トリエチルジイソブチルシロキシアラン、トリ
エチルジn−ヘキシルシロキシアランが好ましい。
【0052】上記のようなシロキシアランは、 1)一般式R454647Si−OHで表わされるシラノ
ール化合物と一般式R4849RAlで表わされる有機ア
ルミニウム化合物との反応、 2)環状シロキサンと一般式R4849RAlで表わされ
る有機アルミニウム化合物との反応、 3)ポリシロキサンと一般式R4849RAlで表わされ
る有機アルミニウム化合物との反応によって公知の方法
で合成することができる。1)〜3)において、R45
49は一般式R454647Si−O−AlR4849にお
けるR45〜R49と同一であり、Rは一般式R454647
Si−O−AlR4849におけるR45〜R49と同等のも
のであり、反応において置換される基を表わしている。
【0053】有機ホウ素化合物としては、トリアルキル
ボラン、ジアルキルアルコキシボラン、アルキルジアル
コキシボラン等が挙げられ、具体例としては、トリメチ
ルボラン、トリエチルボラン、トリプロピルボラン、ト
リブチルボラン、トリヘキシルボラン、トリオクチルボ
ラン、ジメチルメトキシボラン、ジメチルエトキシボラ
ン、ジメチルプロポキシボラン、ジメチルブトキシボラ
ン、ジエチルメトキシボラン、ジエチルエトキシボラ
ン、ジエチルプロポキシボラン、ジエチルブトキシボラ
ン、メチルジメトキシボラン、メチルジエトキシボラ
ン、メチルジプロポキシボラン、メチルジブトキシボラ
ン、エチルジメトキシボラン、エチルジエトキシボラ
ン、エチルジプロポキシボラン、エチルジブトキシボラ
ン、フェニルジメトキシボラン、フェニルジエトキシボ
ラン、フェニルジプロポキシボラン、フェニルジブトキ
シボラン、ジフェニルメトキシボラン、ジフェニルエト
キシボラン、ジフェニルプロポキシボラン、ジフェニル
ブトキシボラン等が挙げられる。中でもトリエチルボラ
ン、トリブチルボラン、ジメチルメトキシボラン、ジメ
チルエトキシボラン、ジメチルプロポキシボラン、ジメ
チルブトキシボラン、ジエチルメトキシボラン、ジエチ
ルエトキシボラン、ジエチルプロポキシボラン、ジエチ
ルブトキシボランが好ましい。
【0054】上記有機金属化合物は、単独で用いてもよ
いし、2種類以上併用することもできる。触媒に担持お
よび/または重合時に触媒と接触させる有機金属化合物
の量としては、金属原子とクロム原子のモル比が0.2〜1
000、好ましくは0.5〜100となるような量が好まし
い。
【0055】有機金属化合物を担持する方法としては、
(α)クロム化合物(A)を担体に担持後焼成し、次に
有機金属化合物を担持し、さらにクロム化合物(B)を
担持する方法、(β)クロム化合物(A)を担体に担持
後焼成し、次にクロム化合物(B)を担持し、さらに有
機金属化合物を担持する方法、(γ)クロム化合物
(A)を担体に担持後焼成し、次に有機金属化合物を担
持し、さらにクロム化合物(B)を担持し、さらにまた
有機金属化合物を担持する方法、があり、いずれの方法
でも良い。(γ)の方法では、はじめに担持する有機金
属化合物と後に担持する有機金属化合物とは同一でも異
なっていても良い。
【0056】有機金属化合物を担持する場合の担持反応
は、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒中で行なう
のが好ましい。担体1gあたりの溶媒量は任意の量を用
いることができる。また、担持反応後、溶媒を真空下で
除去またはろ過によって分離するなどの方法によって、
担持された触媒を溶媒と分離することもできる。担持反
応温度は0℃〜溶媒の沸点、担持反応時間は5分〜24
時間である。
【0057】担持または重合時に接触させる有機金属化
合物の量は、金属原子とクロム化合物(A)のクロム原
子または金属原子とクロム化合物(B)のクロム原子の
モル比がそれぞれ0.2〜1000、好ましくは0.5〜100と
なるような量が用いられる。
【0058】本発明の方法を実施するにあたり、上記ク
ロム系触媒を用いて本発明のエチレン系重合体の製造を
実施するには、スラリー重合、溶液重合のような液相重
合法あるいは気相重合法などで行なうことができる。液
相重合法は通常炭化水素溶媒中で実施される。炭化水素
溶媒としてはプロパン、ブタン、イソブタン、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの不活性炭化水素の単独または混合物が用
いられる。気相重合法では、不活性ガス共存下にて、流
動床、撹拌床等の通常知られる重合法を採用でき、場合
により重合熱除去の媒体を共存させる、いわゆるコンデ
ンシングモードを採用することもできる。
【0059】液相または気相重合における重合温度は、
一般的には0〜300℃であり、実用的には20〜20
0℃である。反応器中の触媒濃度およびエチレン圧は重
合を進行させるのに十分なものであれば任意の濃度およ
び圧力でよい。また、分子量調節のために重合反応器内
に水素などを共存させることができる。さらに、必要に
応じてプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィ
ンを単独または2種類以上反応器に導入して共重合させ
ることもできる。得られる共重合体中のα−オレフィン
含量は10mol%以下、好ましくは5mol%以下が
望ましい。
【0060】上記の触媒を用いる重合方法によって剛性
と耐環境応力亀裂(ESCR)のバランスおよび成形性
に優れたエチレン系重合体を得ることができる。ブロー
成形、特にガソリンタンク、ドラム、パレット等の大型
ブロー成形において適切なメルトフローレート(後述の
実施例に記載した方法で測定されるHLMFR)は、H
LMFR=0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜15
g/10分、さらに好ましくは1.0〜10g/10分で
ある。密度(後述の実施例に記載した方法で測定される
密度)は、0.930〜0.980g/cm3、好ましくは0.935〜
0.975g/cm3、さらに好ましくは0.940〜0.970g/c
3である。
【0061】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。なお、実施例および比較例に
おいて使用した測定方法は以下の通りである。
【0062】a)物性測定のためのポリマー前処理 東洋精機(株)製プラストグラフを用い、添加剤として
チバガイギー社製B225を0.2重量%添加し、窒素
下、190℃、7分間混練した。 b)分子量および分子量分布 ゲル透過クロマトグラフ(GPC)により測定し、数平
均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を求め
た。分子量分布はMwのMnに対する比率(Mw/M
n)で表わされ、Mw/Mnが大きいほど分子量分布が
広い。GPCにおける測定条件は以下の通りである。 装置:WATERS 150Cモデル、 カラム:Shodex−HT806M、 溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン、 温度:135℃、 サンプル濃度:2mg/5ml、 単分散ポリスチレンフラクションを用いてユニバーサル
評定。
【0063】c)メルトフローレート JIS K−7210(1996年版)の表1、条件7に従
い、温度190℃、荷重21.6Kgfにおける測定値をH
LMFRとして示した。 d)密度 JIS K−7112(1996年版)に従い測定した。 e)溶融張力 東洋精機(株)製のメルトテンションテスターを用い、
樹脂温度210℃、オリフィス径2.1mm、オリフィス
長さ8mm、押出し速度15mm/分、巻き取り速度6.
5m/分の条件で測定した。 f)剛性 JIS K−7203(1996年版)に従って測定した曲
げ弾性率を剛性の値とした。 g)ESCR JIS K−6760(1996年版)に従って測定したB
TL法によるF50値をESCRの値とした。
【0064】実施例1 (1)触媒調製 三酸化クロムをシリカ−チタニアに担持したフィリップ
ス触媒として、グレース(W.R.Grace)社から購入したM
963 Cogel触媒(Cr担持量1.0重量%)を空気中で80
0℃、12時間焼成した。予め窒素で置換した200m
lのフラスコに、上記触媒4.0g、さらにn−ヘキサン
40mlを加えスラリーとした。このスラリーにシュト
レム(STREM)社製2−エチルヘキサン酸クロム(III)
の0.1mol/リットル−ヘキサン溶液3.8ml(クロム
原子担持量0.50重量%)を加え、25℃で1時間撹拌し
た。この時間の終わりに東ソー・アクゾ社製イソブチル
アルモキサンの1.0mol/リットル−ヘキサン溶液を3
8.0ml加え、25℃で2時間撹拌した。減圧下で溶媒
を除去して、さらさらの自由流動性(free flowing)の
触媒を得た。
【0065】(2)重合 充分に窒素置換した3.0リットルのオートクレーブにイ
ソブタン1.0リットル、上記(1)で得られた触媒20
0mgを仕込み、内温を100℃まで昇温した。ついで
エチレンを圧入し、エチレン分圧を14Kg/cm2
なるように保ちながら、1時間重合を行なった。ついで
内容ガスを系外に放出することにより重合を終結した。
その結果、310gのポリエチレンが得られた。触媒1
g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は1550g/
g・hrであった。その他の物性測定結果と共に表1に
示す。
【0066】実施例2 (1)触媒調製 2−エチルヘキサン酸クロム(III)の代わりに、和光
純薬社製クロムアセチルアセトネートの0.1mol/リ
ットル−トルエン溶液3.8ml(クロム原子担持量0.50
重量%)を加えた以外は、全て実施例1(1)と同様に
調製を行ない、触媒を得た。
【0067】(2)重合 上記(1)の触媒を用いた以外は、全て実施例1(2)
と同様に重合を行なった。その結果、300gのポリエ
チレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は1500g/g・hrであった。その他の
物性測定結果と共に表1に示す。
【0068】実施例3 (1)ビス(tert−ブチル)クロメートの合成 Synth. Commun., 10, 905 (1980)に記載された方法に従
って、三酸化クロムとtert−ブタノールとの反応によ
り、ビス(tert−ブチル)クロメートを合成した。
【0069】(2)触媒調製 2−エチルヘキサン酸クロム(III)の代わりに、上記
(1)で合成したビス(tert−ブチル)クロメートの0.
1mol/リットル−トルエン溶液1.5ml(クロム原子
担持量0.20重量%)を用い、さらにイソブチルアルモキ
サンの代わりに東ソー・アクゾ社製トリエチルアルミニ
ウムの1.0mol/リットル−ヘキサン溶液を1.5ml用
いた以外は、全て実施例1(1)と同様に調製を行な
い、触媒を得た。
【0070】(3)重合 上記(2)の触媒を用いた以外は、全て実施例1(2)
と同様に重合を行なった。その結果、370gのポリエ
チレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は1850g/g・hrであった。その他の
物性測定結果と共に表1に示す。
【0071】実施例4 (1)トリス(ビストリメチルシリルアミド)クロム
(III)の合成 J. Chem. Soc. (A), 1433 (1971)に記載された方法に従
って、無水三塩化クロムとリチウムビストリメチルシリ
ルアミドとの反応により、トリス(ビストリメチルシリ
ルアミド)クロム(III)を合成した。
【0072】(2)触媒調製 2−エチルヘキサン酸クロム(III)の代わりに、上記
(1)で合成したトリス(ビストリメチルシリルアミ
ド)クロム(III)の0.1mol/リットル−ヘキサン溶
液1.5ml(クロム原子担持量0.20重量%)を用いた以
外は、全て実施例1(1)と同様に調製を行ない、触媒
を得た。
【0073】(3)重合 上記(2)の触媒を用いた以外は、全て実施例1(2)
と同様に重合を行なった。その結果、350gのポリエ
チレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は1750g/g・hrであった。その他の
物性測定結果と共に表1に示す。
【0074】実施例5 (1)触媒調製 フィリップス触媒としてM963 Cogel触媒の代わりに、ク
ロスフィールド(Crosfield)社から購入したEP30
X触媒(Cr担持量1.0重量%)を空気中で800℃、
30時間焼成した触媒を用い、さらに2−エチルヘキサ
ン酸クロム(III)の代わりに、実施例4(1)で合成
したトリス(ビストリメチルシリルアミド)クロム(II
I)の0.1mol/リットル−ヘキサン溶液1.5ml(ク
ロム原子担持量0.20重量%)を用いた以外は、全て実施
例1(1)と同様に調製を行ない、触媒を得た。
【0075】(2)重合 上記(1)の触媒を用いた以外は、全て実施例1(2)
と同様に重合を行なった。その結果、310gのポリエ
チレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は1550g/g・hrであった。その他の
物性測定結果と共に表1に示す。
【0076】比較例1 (1)触媒調製 三酸化クロムをシリカに担持したフィリップス触媒とし
て、グレース(W.R.Grace)社から購入した969ID触
媒(Cr担持量1.0重量%)を空気中で600℃、30
時間焼成し、触媒を得た。
【0077】(2)重合 上記(2)の触媒を用いた以外は、全て実施例1(2)
と同様に重合を行った。その結果、300gのポリエチ
レンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当た
りの重合活性は1500g/g・hrであった。その他の物
性測定結果と共に表1に示す。実施例1〜5の場合より
も剛性、ESCRおよび溶融張力ともに低くなった。
【0078】比較例2 (1)触媒調製 予め窒素で置換した200mlのフラスコに、500℃
で24時間焼成したクロスフィールド(Crosfield)社
から購入したES70グレードシリカ(比表面積320
2/g,細孔体積2.0cm3/g,平均粒径40μm)
4.0g、さらにn−ヘキサン40mlを加えスラリーと
した。このスラリーに実施例3(1)で合成したビス
(tert−ブチル)クロメートの0.1mol/リットル−
ヘキサン溶液1.5ml(クロム原子担持量0.20重量%)
を加え、25℃で1時間撹拌した。次いで東ソー・アク
ゾ社製トリエチルアルミニウムの1.0mol/リットル
−ヘキサン溶液を1.5ml加え、25℃で2時間撹拌し
た。減圧下で溶媒を除去して、さらさらの自由流動性
(free flowing)の触媒を得た。
【0079】(2)重合 上記(1)の触媒を用いた以外は、全て実施例1(2)
と同様に重合を行った。その結果、320gのポリエチ
レンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当た
りの重合活性は1600g/g・hrであった。その他の物
性測定結果と共に表1に示す。実施例3の場合と溶融張
力は同程度であったが、剛性とESCRはともに低くな
った。
【0080】
【表1】
【0081】
【発明の効果】本発明を実施することにより、剛性と耐
環境応力亀裂(ESCR)のバランスおよび成形性に優
れた大型ブロー用エチレン系重合体を効率よく製造する
ことができ、工業的に価値がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用する触媒調製のフローチャート
である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三酸化クロムまたは焼成によって少なく
    とも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物
    (A)、およびクロムカルボン酸塩、クロム−1,3−
    ジケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミド化合物
    から選ばれる有機基と結合したクロム化合物(B)を担
    体に担持した触媒を用いることを特徴とするエチレン系
    重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 三酸化クロムまたは焼成によって少なく
    とも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)
    を担体に担持した後焼成し、次いでクロムカルボン酸
    塩、クロム−1,3−ジケト化合物、クロム酸エステ
    ル、クロムアミド化合物から選ばれる有機基と結合した
    クロム化合物(B)を担持した触媒を用いることを特徴
    とするエチレン系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 クロム化合物(A)および/またはクロ
    ム化合物(B)を担持した担体に有機金属化合物を担持
    した触媒を用いる請求項1または2に記載のエチレン系
    重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 三酸化クロムまたは焼成によって少なく
    とも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)
    を担体に担持した後焼成し、次いで有機金属化合物を担
    持し、さらに、クロムカルボン酸塩、クロム−1,3−
    ジケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミド化合物
    から選ばれる有機基と結合したクロム化合物(B)を担
    持した触媒を用いることを特徴とするエチレン系重合体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 三酸化クロムまたは焼成によって少なく
    とも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)
    を担体に担持した後焼成し、次いで、クロムカルボン酸
    塩、クロム−1,3−ジケト化合物、クロム酸エステ
    ル、クロムアミド化合物から選ばれる有機基と結合した
    クロム化合物(B)を担持し、さらに有機金属化合物を
    担持した触媒を用いることを特徴とするエチレン系重合
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 三酸化クロムまたは焼成によって少なく
    とも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物(A)
    を担体に担持した後焼成し、次いで有機金属化合物を担
    持し、さらに、クロムカルボン酸塩、クロム−1,3−
    ジケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミド化合物
    から選ばれる有機基と結合したクロム化合物(B)を担
    持し、さらに有機金属化合物を担持した触媒を用いるこ
    とを特徴するエチレン系重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合時に触媒を有機金属化合物と接触さ
    せる請求項1乃至6のいずれかに記載のエチレン系重合
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 担体が無機酸化物担体である請求項1乃
    至7のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 担体の比表面積が50〜1000m2/g、
    細孔体積が0.5〜3.0cm3/g、平均粒径が10〜20
    0μmである請求項1乃至8のいずれかに記載のエチレ
    ン系重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 三酸化クロムまたは焼成によって少な
    くとも部分的に酸化クロムを形成するクロム化合物
    (A)およびクロムカルボン酸塩、クロム−1,3−ジ
    ケト化合物、クロム酸エステル、クロムアミド化合物か
    ら選ばれる有機基と結合したクロム化合物(B)をクロ
    ム原子として担体重量に対し合計0.05〜5.0重量%担持
    させる請求項1乃至9のいずれかに記載のエチレン系重
    合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 担体に担持するクロム化合物(A)お
    よびクロム化合物(B)の割合がクロム原子比で1:9
    9〜99:1である請求項1乃至10のいずれかに記載
    のエチレン系重合体の製造方法。
  12. 【請求項12】 有機金属化合物が周期律表第1、2ま
    たは13族元素の有機金属化合物である請求項3乃至1
    1のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 有機金属化合物が有機リチウム化合
    物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物
    または有機ホウ素化合物である請求項3乃至12のいず
    れかに記載のエチレン系重合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080520A (ja) * 2000-09-07 2002-03-19 Japan Polyolefins Co Ltd エチレン系重合体及びその製造方法
JP2006182917A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nippon Polyethylene Kk 有機ホウ素処理フッ素化クロム重合触媒及びエチレン系重合体の製造方法並びにエチレン系重合体

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