JPH11284183A - 半導体素子の製造方法と製造装置 - Google Patents

半導体素子の製造方法と製造装置

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JPH11284183A
JPH11284183A JP8687298A JP8687298A JPH11284183A JP H11284183 A JPH11284183 A JP H11284183A JP 8687298 A JP8687298 A JP 8687298A JP 8687298 A JP8687298 A JP 8687298A JP H11284183 A JPH11284183 A JP H11284183A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゲート絶縁膜の損傷を防止する。 【解決手段】シリコン基板1上に形成されたゲート絶縁
膜2に損傷が加わる反応性イオンエッチング11の前
に、重水素雰囲気10中で熱処理を行うことによりゲー
ト絶縁膜2中又はゲート絶縁膜2とシリコン基板1との
界面に重水素を導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造技術に
係わり、特に重水素を用いてゲート絶縁膜の改質処理を
行う半導体素子の製造方法と製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】重水素雰囲気中の熱処理を行うと、軽水
素を用いたときよりもホットキャリアストレスによる膜
質の劣化を抑制できることが知られている。この性質を
利用して、ゲート絶縁膜を具備する半導体素子に対して
重水素雰囲気中で熱処理を行い、ホットキャリアストレ
スによる膜質の劣化を抑制する半導体素子の製造方法が
広く用いられている。この方法によれば、ゲート絶縁膜
の界面準位の形成を低減し、ゲート電圧のしきい値Vth
を安定化させることができる。
【0003】このような重水素を用いた熱処理を行った
後の半導体素子にホットキャリアストレスが加わった場
合の膜質が劣化する様子を図12に示す。横軸はSiバ
ンドギャップ、縦軸は界面準位密度を示し、破線は軽水
素のアニールサンプルを、実線は重水素のアニールサン
プルを、一点鎖線はホットキャリアストレスが加わる前
のサンプルを示す。図12に示すように、ホットキャリ
アストレスが加わることによりゲート絶縁膜の界面準位
密度が高くなるが、軽水素のサンプルに比較して重水素
のサンプルは界面準位密度が低減されるため、膜質の劣
化が抑制されることが分かる。
【0004】しかし、図12の測定における重水素雰囲
気中の熱処理は、素子構造を形成し、パッシベーション
膜を堆積した後の半導体素子の製造工程の最終部でなさ
れたものである。
【0005】これに対して、パッシベーション膜堆積前
でも、ゲート絶縁膜の劣化を招くことがある。その一例
を図13に示す。シリコン基板1上にゲート絶縁膜2及
び素子分離膜3が堆積し、このゲート絶縁膜2上にゲー
ト電極4が形成され、さらに層間絶縁膜5、コンタクト
ホール6を介して配線材料が堆積している。ここで、こ
の配線材料を例えば反応性イオンエッチングによりパタ
ーニングして配線層7’とする際、配線層7’に負電荷
8が侵入することにより、コンタクトホール6を介して
配線層7’と接続されたゲート電極4が帯電してゲート
絶縁膜2中に電流9が流れ、膜質の劣化を抑制すること
ができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
は半導体素子の製造工程の最終工程で重水素雰囲気中の
熱処理を行うことによりゲート絶縁膜の膜質の改善がな
されていたが、この最終工程前にゲート絶縁膜に電流が
流れるような工程を経る場合、ゲート絶縁膜の損傷を防
止できなかった。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、ゲート絶縁膜の損
傷を防止する半導体素子の製造方法と製造装置を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導体素子
の製造方法は、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜に
損傷が加わる工程を施す前に、前記ゲート絶縁膜中又は
該ゲート絶縁膜と前記半導体層との界面に重水素を導入
することを特徴とする。
【0009】本発明の望ましい形態を以下に示す。 (1)重水素を導入する前に、ゲート絶縁膜中又は該ゲ
ート絶縁膜と半導体層との界面の軽水素を脱離させる。 (2)軽水素の脱離は、電子線を照射し、又はプラズマ
雰囲気中にゲート絶縁膜を有する基板を晒すことにより
行う。 (3)ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶縁膜と半導体層と
の界面の軽水素を脱離させてから重水素を導入する工程
を、ゲート絶縁膜に損傷が加わる工程の前におく。 (4)軽水素を脱離させる工程は、重水素雰囲気中で行
う。 (5)重水素雰囲気中でゲート絶縁膜中又は該ゲート絶
縁膜と半導体層との界面の水素を脱離させる工程を行っ
た後に、ゲート絶縁膜に損傷が加わる工程を行う。 (6)重水素の供給を重水素を含有した膜から行なう。 (7)重水素の導入は、ゲート絶縁膜又は該ゲート絶縁
膜の上層若しくは下層の少なくとも一部を重水素を含む
材料を用いて形成し、該形成された層に含まれる重水素
をゲート絶縁膜又は該ゲート絶縁膜と半導体層との界面
へ拡散することにより行う。 (8)重水素の拡散は、ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶
縁膜と半導体層との界面の軽水素を脱離させるとともに
重水素雰囲気中で行う。 (9)重水素の拡散は、熱処理により行う。 (10)ゲート絶縁膜に損傷が加わる工程とは、ゲート
絶縁膜中の半導体と他の物質との結合が切られるような
工程をいい、より具体的には例えばゲート絶縁膜がSi
2 からなる場合、Si−F,Si−O,Si−H,S
i−OH,Si−N等の結合が切られる工程をいう。 (11)ゲート絶縁膜に損傷が加わる工程とは、ゲート
絶縁膜に対して電流ストレスが加わる工程をいう。 (12)軽水素脱離、重水素導入、ゲート絶縁膜に損傷
が加わる工程を同一チャンバ内で行う。
【0010】また、本発明に係る半導体素子の製造装置
は、ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶縁膜と該ゲート絶縁
膜の下層に形成された半導体層との界面の軽水素を脱離
させる軽水素脱離手段と、前記ゲート絶縁膜中又は該ゲ
ート絶縁膜と前記半導体層との界面に重水素を導入する
重水素導入手段と、前記ゲート絶縁膜に損傷が加わる処
理を施す手段とを具備してなり、前記各手段による処理
を大気に晒すことなく連続して行うことを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る半導体素子の製造装置
は、ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶縁膜と半導体層との
界面に重水素を導入する工程と、ゲート絶縁膜に損傷が
加わる工程を大気に晒すことなく行うことを特徴とす
る。
【0012】また、本発明に係る半導体素子の製造装置
は、ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶縁膜と半導体層との
界面の水素を脱離させる工程と、重水素を導入する工程
を、大気に晒すことなく行うことを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る半導体素子の製造装置
は、ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶縁膜と半導体層との
界面の水素を脱離させるのと同時に重水素を導入する工
程と、ゲート絶縁膜に損傷が加わる工程を大気に晒すこ
となく行う。
【0014】本発明の望ましい形態は、重水素導入手
段、軽水素脱離手段、ゲート絶縁膜に損傷が加わる手段
を同一チャンバ内に設置する。 (作用)本発明では、ゲート絶縁膜に損傷が加わる工程
の前に、ゲート絶縁膜又は該ゲート絶縁膜と半導体層と
の界面に重水素を導入する。これによってゲート絶縁膜
に電流が注入されるような工程を経た場合に生ずるゲー
ト絶縁膜の損傷を低減できる。
【0015】また、重水素を導入する工程の前にさらに
軽水素を脱離させる工程を行うことで、ゲート絶縁膜又
はその界面への重水素の導入を容易にすることができ、
これによってゲート絶縁膜の損傷をさらに低減すること
ができる。また、これら軽水素脱離工程と同時に重水素
導入工程を行うことで、重水素の導入効率をさらに高め
ることができる。
【0016】また、重水素の導入を、ゲート絶縁膜の上
層又は下層に形成された重水素を含む膜からの拡散によ
り行うことで、重水素が拡散しにくいような例えばシリ
コン窒化膜等がゲート絶縁膜の上層に形成された後に
も、ゲート絶縁膜中又はその界面に重水素を供給するこ
とが可能である。
【0017】また、軽水素を脱離させる工程と、重水素
を導入する工程と、ゲート絶縁膜に損傷が加わるような
工程を大気に晒すことなく連続して行う半導体素子の製
造装置を用いることで、各工程の待機時間に、大気中の
水分に起因する水酸基や水滴等が基板表面に付着するの
を防ぐことができる。従って、ゲート絶縁膜への軽水素
の混入を防止することができ、重水素の導入効率を高め
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係る半
導体素子の製造方法の工程断面図である。まず、シリコ
ン基板1上に熱酸化法によってSiO2 からなるゲート
絶縁膜2及び素子分離膜3を形成する。次いで、このゲ
ート絶縁膜2及び素子分離膜3上に例えばCVD法等に
より多結晶シリコン被膜を形成し、反応性イオンエッチ
ング法等によりパターニングを行いゲート電極4を形成
する。次いで、CVD法等によりSiO2 等からなる層
間絶縁膜5を形成する。次いで、この層間絶縁膜5を反
応性イオンエッチング等によりゲート電極4が露出する
まで掘り込み、コンタクトホール6を形成する。次い
で、層間絶縁膜5上にコンタクトホール6内部を含めて
Alからなる配線材料7を堆積する(図1(a))。
【0019】これら複数の層が形成された半導体素子
を、常圧、450℃の重水素雰囲気10中で30分熱処
理する。この熱処理により、ゲート絶縁膜2中のシリコ
ンの未結合手に重水素が結合する。また、シリコンに結
合した軽水素の一部も結合が切れ、これにより生じた未
結合手にも重水素が結合し、ゲート絶縁膜2中に重水素
が導入される。
【0020】この重水素導入工程の後に、フォトレジス
ト12を塗布してパターニングし、このフォトレジスト
12をマスクとして配線材料7を反応性イオンエッチン
グ11によりパターニングして配線層7’を形成する
(図1(b))。このパターニングの際には、ゲート絶
縁膜2中に重水素が導入されているためにゲート絶縁膜
2の損傷は低減される。
【0021】このように形成された半導体素子における
ゲート絶縁膜2中の重水素量を2次イオン質量分析装置
によって求めた結果、重水素の量が軽水素の量との比率
にして2%となった。この値はゲート絶縁膜2中又はそ
の界面に存在する重水素の総量計測されたものである。
【0022】また、このように形成された半導体素子の
ゲート電圧Vg の時間的変化の測定結果を図2に示す。
重水素アニールサンプルを実線で示し、比較のために軽
水素アニールサンプルを破線で示す。ストレス電流密度
stress=−10mA/cm2 として測定を行ったもの
で、横軸は時間を、縦軸はゲート電圧Vg を示す。図2
に示すように、軽水素アニールサンプルは時間の経過と
共にゲート電圧Vg が徐々に劣化していくが、重水素ア
ニールサンプルの場合、劣化する割合が軽水素アニール
サンプルに比較して小さい。従って、ゲート絶縁膜2中
に電流を注入した際に生ずるゲート絶縁膜2の損傷が重
水素導入により低減されていることが分かる。
【0023】このように、ゲート絶縁膜2に予め重水素
を導入しているため、反応性イオンエッチング11に伴
うゲート絶縁膜2のリーク電流の増大を抑制することが
できる。
【0024】(第2実施形態)図3は本発明の第2実施
形態に係る半導体素子の製造方法の工程断面図である。
本実施形態において第1実施形態と共通する部分には同
一符号を付し、詳細な説明は省略する。まず、シリコン
基板1上に熱酸化法によってSiO2 からなるゲート絶
縁膜2及び素子分離膜3を形成した後、多結晶シリコン
被膜を形成し、反応性イオンエッチング法によってゲー
ト電極4を形成し、CVD法によってSiO2 等からな
る層間絶縁膜5を形成する。しかる後に、層間絶縁膜5
にコンタクトホール6を開口して配線材料7を形成す
る。ここまでは第1実施形態と同様である。
【0025】これら複数の層が形成された半導体素子を
230℃の酸素プラズマ雰囲気31中で10分間熱処理
する(図3(a))。このプラズマ雰囲気31により、
配線材料7表面に負電荷8が誘起される。この負電荷8
により、ゲート絶縁膜2中でシリコンと軽水素の結合が
切れ、軽水素が脱離して配線材料7まで引き出される。
従って、酸素プラズマ雰囲気31中に晒す前に比較し
て、未結合手を持つシリコンの比率が高くなる。
【0026】さらに、軽水素の脱離した半導体素子に対
して、常圧で450℃の重水素雰囲気10中で15分間
の熱処理を行う(図3(b))。この熱処理により、シ
リコンの未結合手に重水素が結合し、ゲート絶縁膜2中
に重水素が導入される。
【0027】これら軽水素脱離工程及び重水素導入工程
を経た後、反応性イオンエッチング11によって配線層
7’を形成する(図3(c))。このように形成された
半導体素子におけるゲート絶縁膜2中の重水素量を2次
イオン質量分析装置によって求めた結果、重水素の量が
軽水素の量との比率にして10%となった。この値はゲ
ート絶縁膜2中又はその界面に存在する重水素の総量計
測されたものであり、第1実施形態の場合よりも重水素
の導入量が増加しているのが分かる。これは、軽水素脱
離により軽水素導入量を低減し、さらに重水素を結合さ
せる未結合手を持つシリコンの比率を増加させているか
らである。従って、第1実施形態と比較して反応性イオ
ンエッチング11に伴うゲート絶縁膜2のリーク電流増
大を大幅に低減することができる。
【0028】(第3実施形態)図4は本発明の第3実施
形態に係る半導体素子の製造方法の工程断面図である。
本実施形態において上記実施形態と共通する部分には同
一符号を付し、詳細な説明は省略する。まず、シリコン
基板1の上に、熱酸化法によってSiO2 からなるゲー
ト絶縁膜2及び素子分離膜3を形成した後、多結晶シリ
コン被膜を形成し、反応性イオンエッチング法によって
ゲート電極4を形成し、CVD法によってSiO2 等か
らなる層間絶縁膜5を形成する。しかる後に、層間絶縁
膜にコンタクトホール6を開口する。ここまでは第1実
施形態と同様である。
【0029】次いで、このコンタクトホール6を含めて
層間絶縁膜5上にCuからなる配線材料41を形成す
る。これら複数の層が形成された半導体素子を重水素雰
囲気10中で熱処理してゲート絶縁膜2又はその界面に
重水素を導入するとともに、配線材料41表面に電子線
42を照射して配線材料41表面を負電荷8で帯電させ
てゲート絶縁膜2中の軽水素を脱離させる(図4
(a))。その際、温度は450℃とし、30分間の処
理を行う。
【0030】しかる後に、反応性イオンエッチング11
によって配線層41’を形成する(図4(b))。この
ように形成された半導体素子におけるゲート絶縁膜2中
の重水素量を2次イオン質量分析装置によって求めた結
果、重水素の量が軽水素の量との比率にして17%とな
った。この値はゲート絶縁膜2中又はその界面に存在す
る重水素の総量計測されたものであり、第1,2実施形
態の場合よりも重水素の導入量を増加させることができ
ることが分かる。これは、ゲート絶縁膜2中又はその界
面の軽水素を脱離させるのと同時に重水素を導入してい
るため、ゲート絶縁膜2中への重水素の導入が容易にな
るからであり、そのため反応性イオンエッチング11に
起因するゲート電流の増大を第2実施形態の場合よりも
さらに低減できる。
【0031】(第4実施形態)図5は本発明の第4実施
形態に係る半導体素子の製造方法の工程断面図である。
本実施形態において上記実施形態と共通する部分には同
一符号を付し、詳細な説明は省略する。SiO2 からな
るゲート絶縁膜2を熱酸化法によってシリコン基板1上
に形成した後、軽水素が重水素によって置き換えられた
シランガス(SiD4 )を用いて多結晶シリコン被膜を
形成する。そして、この多結晶シリコン被膜を反応性イ
オンエッチング法によってパターニングしてゲート電極
51を形成する。このゲート電極51には通常軽水素が
混入しているが、重水素に置換されたシランガスを用い
ているため重水素が混入している。
【0032】次いで、CVD法によってSiO2 等から
なる層間絶縁膜5を形成する。しかる後に、層間絶縁膜
5にコンタクトホール6を開口し、Alからなる配線材
料7を形成する(図5(a))。
【0033】次いで、真空中で350℃にて配線材料7
に向けて電子線42を照射して配線材料7表面を帯電さ
せる。この電子線42の照射によりゲート絶縁膜2中の
軽水素が脱離する。また、350℃の高温で熱処理され
るため、軽水素の脱離と同時にゲート電極51に混入し
た重水素52がゲート絶縁膜2中に拡散し、ゲート絶縁
膜2中に重水素52が導入される(図5(b))。
【0034】しかる後に、反応性イオンエッチング11
によって配線層7’を形成する(図5(c))。このよ
うに形成された半導体素子におけるゲート絶縁膜2中の
重水素量を2次イオン質量分析装置によって求めた結
果、重水素の量が軽水素の量と同等以上になり、第1〜
3実施形態の場合よりも重水素の量を増加させることが
できることが分かる。これは、第1〜3実施形態に比較
して軽水素の量がゲート絶縁膜2中で既に少なくなって
いる状態で、軽水素脱離により軽水素導入量を低減し、
重水素を結合させる未結合手を持つシリコンの比率をさ
らに増加させるからである。従って、第1〜3実施形態
と比較しても反応性イオンエッチング11に伴うゲート
絶縁膜2のリーク電流増大を大幅に低減することができ
る。
【0035】なお、配線層7’の形成後、シリコン窒化
膜等からなるパッシベーション膜を配線層7’上に堆積
する場合、従来ではシリコン窒化膜がバリア層となり重
水素の拡散が妨げられたが、本実施形態によれば、パッ
シベーション膜堆積時には既にゲート電極51中に重水
素が導入されているため、バリア層であるパッシベーシ
ョン膜を介することなくゲート絶縁膜2に容易に重水素
の導入が行える。
【0036】(第5実施形態)図6は本発明の第5実施
形態に係る半導体素子の製造方法の工程断面図である。
本実施形態において上記実施形態と共通する部分には同
一符号を付し、詳細な説明は省略する。まず、第1実施
形態と同様の方法によりシリコン基板1,ゲート絶縁膜
2,ゲート電極4からなるMOS構造を形成する。次い
で、軽水素が重水素で置き換えられたテトラエトキシシ
ラン(TEOS:Si(OC254)を用いて層間
絶縁膜61をCVD法により形成し、350℃の窒素雰
囲気中で30分の熱処理を行う。次いで、反応性イオン
エッチングによってコンタクトホール6を開口し、Al
からなる配線材料7を形成する(図6(a))。
【0037】しかる後に、真空中で450℃にて、15
分間電子線42を照射して配線材料7表面を帯電させ、
ゲート絶縁膜2中又はその界面の軽水素を脱離させると
同時に、層間絶縁膜61中に混入した重水素62を拡散
させ、ゲート電極4を介してゲート絶縁膜2中又はその
界面に重水素62を導入する(図6(b))。しかる後
に、反応性イオンエッチング11によって配線層7’を
形成する(図6(c))。
【0038】このように形成された半導体素子における
ゲート絶縁膜2中の重水素量を2次イオン質量分析装置
によって求めた結果、重水素の量が軽水素の量と同程度
になり、第1〜3実施形態の場合よりも重水素の導入量
を増加させることができることが分かる。これは、層間
絶縁膜61を通常のテトラエトキシシラン(TEOS)
を用いて形成した場合よりも、ゲート絶縁膜2中の軽水
素の量が少なくなっている状態で、さらに軽水素を脱離
させながら同時に重水素62を導入しているからであ
る。従って、第3実施形態と比較しても反応性イオンエ
ッチング11に伴うゲート絶縁膜2のリーク電流増大を
大幅に低減することができる。
【0039】なお、バリア層であるパッシベーション膜
を介することなくゲート絶縁膜2に容易に重水素の導入
が行える点は第4実施形態と同様である。 (第6実施形態)図7は本発明の第6実施形態に係る半
導体素子の製造方法の工程断面図である。本実施形態に
おいて上記実施形態と共通する部分には同一符号を付
し、詳細な説明は省略する。まず、シリコン基板1上に
四塩化シリコンSiCl4 と亜酸化窒素N2 Oガスを用
いたCVD法によってゲート絶縁膜71を形成する。こ
のゲート絶縁膜71上に、軽水素が重水素で置き換えら
れたシランガスSiD4 を用いて多結晶シリコン被膜を
形成し、反応性イオンエッチングによってゲート電極5
1を形成する。次いで、軽水素を重水素で置換したテト
ラエトキシシラン(TEOS)を用いて層間絶縁膜61
を形成し、250℃の酸素プラズマ雰囲気31中で10
分の熱処理を行う。これにより、ゲート絶縁膜71中又
はその界面での水素が脱離し、かつ重水素が導入され
る。次いで、コンタクトホール6を反応性イオンエッチ
ングによって開口し、Al等からなる配線材料7を形成
する(図7(a))。
【0040】次いで、真空中で450℃にて、15分間
電子線42を照射して、配線材料7表面を帯電させる。
この配線材料7の帯電によりゲート絶縁膜71中の軽水
素が脱離する。また、高温熱処理により、軽水素の脱離
と同時にゲート電極51及び層間絶縁膜61中に混入し
た重水素52,62がゲート絶縁膜71中に拡散し、ゲ
ート絶縁膜71中に重水素52,62が導入される(図
7(b))。
【0041】しかる後に、反応性イオンエッチング11
によって配線層7’を形成する(図7(c))。その結
果、ゲート電極51や層間絶縁膜61を軽水素を含む材
料で形成した場合よりもゲート絶縁膜71中の軽水素量
が遙かに少ない状態で、残存している軽水素を脱離させ
ながら重水素を導入しているので、ゲート絶縁膜71中
又はその界面の重水素の総量は軽水素よりも遙かに多
く、重水素と軽水素を合わせた水素の総量の大部分を占
める。また、軽水素脱離工程及び重水素導入工程を配線
材料7形成後のみならず層間絶縁膜61形成後にも行う
ことにより、さらに重水素の比率を高めることができ
る。
【0042】そのため、反応性イオンエッチング11に
よるゲート絶縁膜71のリーク電流の増大は、反応性イ
オンエッチング11を用いない場合と比較してもほぼ同
等にまで抑制することができる。
【0043】(第7実施形態)図8は本発明の第7実施
形態に係る半導体素子の製造方法の工程断面図である。
本実施形態において上記実施形態と共通する部分には同
一符号を付し、詳細な説明は省略する。まず、シリコン
基板1の表面を軽水素が重水によって置き換えられたフ
ッ化水素ガスにさらした後、軽水素が重水素で置き換え
られた塩酸及びオゾンを用いて処理することによって、
シリコン基板1上に極めて薄いSiO2からなるバリア
層81を形成する。このバリア層81は、シリコン基板
1からその上層に形成されるべきゲート絶縁膜82への
拡散を防止するために形成される。そして、このバリア
層81の形成されたシリコン基板1を窒素雰囲気中で9
00度3分の熱処理を行う。この熱処理により、バリア
層81中の原子間の結合を高めて軽水素の拡散を困難と
し、シリコン基板1とゲート絶縁膜82とのバリア効果
を高めることができる。
【0044】次いで、軽水素が重水素で置き換えられた
Ta(OC255 と酸素ガスを用いたCVD法によ
ってゲート絶縁膜82を形成した後、350℃の酸素プ
ラズマ中で30分の熱処理を行う。これにより、ゲート
絶縁膜82中又はその界面の軽水素が脱離し、さらに重
水素がゲート絶縁膜82中又はその界面に導入される。
【0045】しかる後に、四塩化チタンTiCl4 と軽
水素が重水素で置換されたアンモニアND3 を用いて、
CVD法によって窒化チタン等からなる被膜を形成し、
反応性イオンエッチングによってゲート電極83を形成
した後、軽水素が重水素によって置き換えられたテトラ
エトキシシラン(TEOS)を用いて層間絶縁膜61を
形成する。しかる後に、再び酸素プラズマ中で400℃
で10分の熱処理してゲート絶縁膜82中又はその界面
の軽水素を脱離し、層間絶縁膜61から重水素をゲート
電極83を介してゲート絶縁膜82中又はその界面に導
入した後、コンタクトホール6を反応性イオンエッチン
グによって開口し、Al等からなる配線材料7を形成す
る(図8(a))。
【0046】しかる後に、真空中で450℃にて、15
分間電子線42を照射して、配線材料7表面を帯電さ
せ、ゲート絶縁膜82中又はその界面の軽水素を脱離
し、各層に残存する重水素を拡散させ、ゲート絶縁膜8
2中又はその界面に導入する(図8(b))。しかる後
に、反応性イオンエッチング11によって配線層7’を
形成する(図8(c))。
【0047】その結果、ゲート絶縁膜82、ゲート電極
83、層間絶縁膜61のそれぞれを、軽水素を含まない
材料で形成し、ゲート電極83中に軽水素が極めて少な
い状態で更に残存している軽水素を脱離させながら同時
に重水素を導入しているので、ゲート絶縁膜82中又は
その界面の重水素の量は軽水素よりも遥かに多く、重水
素と軽水素を合わせた総量の大部分を重水素が占める。
また、軽水素脱離工程及び重水素導入工程を配線材料7
形成後のみならずゲート絶縁膜82形成後及び層間絶縁
膜61形成後にも行うことにより、さらに重水素の比率
を高めることができる。
【0048】従って、反応性イオンエッチング11によ
るゲート絶縁膜82のリーク電流の増大は、反応性イオ
ンエッチング11を用いない場合と比較してもほぼ同等
にまで抑制することが出来る。
【0049】(第8実施形態)図9は本発明の第8実施
形態に係る半導体素子の製造方法の工程断面図である。
本実施形態において上記実施形態と共通する部分には同
一符号を付し、詳細な説明は省略する。シリコン基板1
上に熱酸化法によってバリア層81を介してゲート絶縁
膜82を形成する。ここまでは第7実施形態と同様であ
る。
【0050】次いで、ゲート絶縁膜82上に、軽水素が
重水素によって置き換えられたシランガス(SiD4
を用いて多結晶シリコン被膜を形成し、この多結晶シリ
コン被膜を反応性イオンエッチング法によってパターニ
ングしてゲート電極51を形成する。次いで、CVD法
によってSiO2 等からなる層間絶縁膜61を形成す
る。しかる後に、層間絶縁膜61にコンタクトホール6
を開口し、Cuからなる配線材料41を形成する(図9
(a))。
【0051】しかる後に、四塩化チタンTiCl4 と軽
水素が重水素で置換されたアンモニアND3 を用いて、
CVD法により窒化チタン被膜91を形成し、反応性イ
オンエッチングによって窒化チタン被膜91をパターニ
ングする。そして、フォトレジストを除去した後、本発
明に係る半導体素子の製造装置にこの半導体素子を導入
する。
【0052】本発明に係る半導体素子の製造装置の全体
構成を図10に示す。図10に示すように、チャンバ1
01の上部には反応ガスや重水素ガス等を導入する導入
口102が設けられ、その下部には反応ガス等を排気す
る排気口103が設けられている。また、チャンバ10
1内にはステージ104が配置されており、このステー
ジ104上に上記製造工程により作製された半導体素子
105が載置される。また、ステージ104内部にはヒ
ータ106が組み込まれ、ヒータ106の加熱により半
導体素子105を加熱する。さらに、ステージ104と
対峙して電極107が設けられている。
【0053】この半導体素子の製造装置のチャンバ10
1中に半導体素子105を搬入し、400℃、0.1気
圧の重水素雰囲気10を導入口102から導入し、ヒー
タ106で1時間熱処理を施す(図9(b))。この熱
処理により、ゲート絶縁膜82中又はその界面に重水素
が導入される。しかる後に、同一チャンバ101中で大
気に晒すことなく、反応ガスを導入口102から導入
し、反応性イオンエッチング11によって配線材料41
をパターニングし、配線層41’を形成する(図9
(c))。
【0054】このように、同一チャンバ101内で大気
に晒すことなく重水素導入と配線材料41のパターニン
グを行うため、重水素導入後の半導体素子表面に水分等
が付着するのを防ぐことができ、ゲート絶縁膜82中の
軽水素比率が上がるのを防止できる。そのため、反応性
イオンエッチング11によるゲート絶縁膜82のリーク
電流の増大は、重水素導入工程とゲート電極51のパタ
ーニング工程を連続的に行なわない場合に比べて、更に
低減することができる。また、窒化チタン被膜91を重
水素を含む材料により形成することで、配線層からも重
水素を導入することができるため、重水素の導入効率を
さらに高めることができる。
【0055】(第9実施形態)図11は本発明の第9実
施形態に係る半導体素子の製造方法の工程断面図であ
る。シリコン基板1上に、熱酸化法によってバリア層8
1を介してゲート絶縁膜82を形成した後、多結晶シリ
コン被膜を形成し、反応性イオンエッチング法によって
ゲート電極51を形成し、CVD法によってSiO2
からなる層間絶縁膜61を形成する。しかる後に、層間
絶縁膜61にコンタクトホール6を開口する。ここまで
は第8実施形態と同様である。
【0056】次いで、層間絶縁膜61上に、コンタクト
ホール6内部を含めてAl等からなる配線材料7を形成
する(図11(a))。しかる後に、配線材料7上にC
VD法で窒化チタン被膜91を形成し、反応性イオンエ
ッチングによってパターニングする。そして、パターニ
ングに用いたフォトレジストを除去した後、図10に示
すチャンバ101中にこの半導体素子105を導入し、
図示しない電子線照射部から電子線42を照射しながら
400℃、0.1気圧の重水素雰囲気10中で1時間熱
処理し、ゲート絶縁膜82中又はその界面での軽水素脱
離及び重水素導入を行う(図11(b))。しかる後
に、同一チャンバ101中で、大気に晒すことなく反応
ガスを導入口102から導入し、反応性イオンエッチン
グ11によって配線材料7をパターニングし、配線層
7’を形成する(図11(c))。
【0057】その結果、ゲート絶縁膜82中又はその界
面に重水素を導入する工程と、ゲート電極51のパター
ニング工程を連続して行うことで、大気中の水分に起因
する水酸基や水滴が半導体素子表面に付着することを防
ぐことが出来るので、ゲート絶縁膜82中又はその界面
の総重水素量を、軽水素の量との比率にして25%まで
増加させることが出来る。そのため、反応性イオンエッ
チング11によるゲート絶縁膜82のリーク電流の増大
は、重水素導入工程とゲート電極51のパターニング工
程を連続的に行なわない場合に比べて、更に低減するこ
とができる。また、重水素を含む材料により形成された
窒化チタン被膜91からも重水素を導入することができ
るため、重水素の導入効率をさらに高めることができ
る。
【0058】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。重水素は不活性ガスで希釈されていても
よいし、圧力も問わない。加圧して行うことも可能であ
る。ゲート絶縁膜2,71,82はシリコン酸化膜やT
25 膜に限らない。シリコン窒化膜やシリコン酸窒
化膜、チタン酸バリウム、ストロンチウム等、高誘電体
の被膜であってもよい。
【0059】重水素を含むゲート電極51,83として
はポリシリコンに限らない。単結晶シリコンでも良い
し、ポリシリコンや単結晶シリコンと金属の積層構造で
も良いし、重水素を含ませることが出来れば、例えばT
i等の金属被膜でも良い。
【0060】重水素を含んだ層間絶縁膜61としては、
シリコン酸化膜だけでなく、リンを含有したシリコン酸
化膜でも、リンとボロンを同時に含有したシリコン酸化
膜でも、シリコン窒化膜でも、重水素を含んだ絶縁性の
被膜であれば使用可能である。
【0061】配線層7’,41’の材質は、アルミニウ
ムや銅に限らず、半導体素子の配線層として使用可能で
あればどんな材質でも良く、例えば超伝導物質等も使用
可能である。
【0062】重水素を含んだ層としては、ゲート電極5
1,83や層間絶縁膜61のみならず、素子間分離膜3
でも良いし、シリコン基板1そのものに重水素を含有さ
せておくことも出来る。その他、半導体素子を構成する
あらゆる部分が重水素を含有させておく部位として使用
可能である。
【0063】軽水素を脱離させる工程としては、ゲート
絶縁膜2,71,82に電流ストレスが加わるような条
件であれば、電子線照射や、プラズマ中の熱処理に限ら
ない。例えば、半導体素子の表面側に、電位を持たせた
溶液を接触させる方法を用いることも出来るし、熱処
理、光照射等によっても軽水素を脱離させることが可能
である。
【0064】重水素をゲート絶縁膜2,71,82中又
はその界面に導入する場合の温度、処理時間は、ゲート
絶縁膜2,71,82中又はその界面にまで重水素が到
達できるような温度、時間であれば、どのようにとるこ
とも可能である。
【0065】ゲート絶縁膜2,71,82に損傷が加わ
るような工程とは、ゲート絶縁膜中の半導体と他の物質
との結合が切られるような工程をいい、より具体的には
例えばゲート絶縁膜がSiO2 からなる場合、Si−
F,Si−O,Si−H,Si−OH,Si−N等の結
合が切られる工程をいう。その一例として反応性イオン
エッチングが考えられるが、ゲート絶縁膜2,71,8
2中に電流が流れることによりゲート絶縁膜2,71,
82に損傷が加わるような工程であれば、いかなる工程
であっても本発明の対象となる。
【0066】尚、ゲート絶縁膜2,71,82中又はそ
の界面には、様々な工程によって重水素が導入される
が、ゲート絶縁膜2,71,82形成、ゲート電極4,
51,83形成、層間絶縁膜5,61形成以外の工程で
あっても、それらの工程中で用いられる材料として、軽
水素が重水素で置き換えられた材料を用いることで、形
成されるゲート絶縁膜2,71,82中の重水素量と軽
水素量の比率を大きくしておくことができ、反応性イオ
ンエッチング等によってゲート絶縁膜2,71,82へ
加わる損傷を抑制することが出来る。
【0067】また、更にゲート電極4,51,83中に
重水素を導入する工程を複数設けておけば更にゲート絶
縁膜2,71,82に加わる損傷を低減する事が出来
る。更に、ゲート絶縁膜2,71,82中の軽水素を脱
離させる工程を複数含んでいれば、重水素を導入する効
率は更に高くなり、ゲート絶縁膜2,71,82に加わ
る損傷を低減する事が出来るのは勿論である。
【0068】また、本発明による半導体素子の製造方法
は、トランジスタのゲート絶縁膜2,71,82に適用
される場合に限定されるものではない。例えば、トンネ
ル絶縁膜の改質に用いれば、フローティングゲートの蓄
積電荷の書き換えに伴うトンネル絶縁膜の、いわゆるス
トレスリーク電流の増大を抑制することが出来る。
【0069】また、本発明の半導体素子の製造装置とし
て図10に示したが、大気に晒すことなく重水素導入か
らゲート絶縁膜に損傷が加わる工程までを行えるもので
あれば、図10のように同一チャンバ内に各手段を設け
るものでなくてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゲ
ート絶縁膜中又はその界面に重水素を導入しておくと、
ゲート絶縁膜に電流を注入したときに生ずるゲート絶縁
膜の損傷を低減出来る。
【0071】また、重水素をゲート絶縁膜中又はその界
面に導入する工程と、ゲート絶縁膜に損傷が加わるよう
な工程を大気に晒すことなく行なうことで、重水素をゲ
ート絶縁膜中又はその界面に導入した後に半導体素子表
面に水酸基や、水分が被着することを防ぎ、水酸基等に
より軽水素がゲート絶縁膜中又はその界面に導入されて
しまうのを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図2】同実施形態におけるゲート電圧Vg の時間変化
を示す図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図4】本発明の第3実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図5】本発明の第4実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図6】本発明の第5実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図7】本発明の第6実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図8】本発明の第7実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図9】本発明の第8実施形態に係る半導体素子の製造
方法の工程断面図。
【図10】同実施形態における半導体素子の製造装置の
全体構成を示す断面図。
【図11】本発明の第9実施形態に係る半導体素子の製
造方法の工程断面図。
【図12】従来のホットキャリアストレスによる界面準
位密度の変化を示す図。
【図13】従来のゲート絶縁膜の損傷を示す図。
【符号の説明】
1…シリコン基板 2,71…ゲート絶縁膜 3…素子分離膜 4,51,83…ゲート電極 5,61…層間絶縁膜 6…コンタクトホール 7,41…配線材料 7’,41’…配線層 8…負電荷 10…重水素雰囲気 11…反応性イオンエッチング 12…フォトレジスト 31…酸素プラズマ雰囲気 42…電子線 52,62…重水素 81…バリア層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体層上に形成されたゲート絶縁膜に
    損傷が加わる工程を施す前に、前記ゲート絶縁膜中又は
    該ゲート絶縁膜と前記半導体層との界面に重水素を導入
    することを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体層上に形成されたゲート絶縁膜中
    又は該ゲート絶縁膜と前記半導体層との界面の軽水素を
    脱離させる工程と、前記ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶
    縁膜と前記半導体層との界面に重水素を導入する工程
    と、前記ゲート絶縁膜に損傷が加わる工程とを含むこと
    を特徴とする半導体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記重水素の導入は、前記ゲート絶縁膜
    又は該ゲート絶縁膜の上層若しくは下層の少なくとも一
    部を重水素を含む材料を用いて形成し、該形成された層
    に含まれる重水素を前記ゲート絶縁膜又は該ゲート絶縁
    膜と前記半導体層との界面へ拡散することにより行うこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のゲート半導体素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記重水素の拡散は、前記ゲート絶縁膜
    又は該ゲート絶縁膜と前記半導体層との界面の軽水素を
    脱離させるとともに重水素雰囲気中で行うことを特徴と
    する請求項3に記載の半導体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゲート絶縁膜中又は該ゲート絶縁膜と該
    ゲート絶縁膜の下層に形成された半導体層との界面の軽
    水素を脱離させる軽水素脱離手段と、前記ゲート絶縁膜
    中又は該ゲート絶縁膜と前記半導体層との界面に重水素
    を導入する重水素導入手段と、前記ゲート絶縁膜に損傷
    が加わる処理を施す手段とを具備してなり、 前記各手段による処理を大気に晒すことなく連続して行
    うことを特徴とする半導体素子の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6975019B2 (en) 2002-11-06 2005-12-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor memory device having a multi-layered interlayer insulation consisting of deuterium and nitride

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US6661065B2 (en) 2000-09-01 2003-12-09 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Semiconductor device and SOI substrate
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