JPH11279446A - 光触媒塗料及びその製造方法、並びにその塗料を使用した光触媒脱臭紙 - Google Patents

光触媒塗料及びその製造方法、並びにその塗料を使用した光触媒脱臭紙

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JPH11279446A
JPH11279446A JP10100155A JP10015598A JPH11279446A JP H11279446 A JPH11279446 A JP H11279446A JP 10100155 A JP10100155 A JP 10100155A JP 10015598 A JP10015598 A JP 10015598A JP H11279446 A JPH11279446 A JP H11279446A
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JP
Japan
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photocatalyst
photocatalytic
weight
paper
coating material
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Application number
JP10100155A
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English (en)
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Yoshiaki Tomotake
義明 友竹
Osamu Nakano
修 中野
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Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機系バインダーの種類によ
って、凝集やゲル化を起こさない光触媒塗料及びその製
造方法、並びにその塗料を使用した光触媒脱臭紙を得
る。 【解決手段】 光触媒塗料を調製する際、光
触媒及びポリビニルアルコールを併用することによっ
て、ポリビニルアルコールが光触媒の表面に膜を形成
し、有機系バインダーを添加しても、直接有機系バイン
ダーが光触媒と接することが無いので凝集やゲル化を抑
制することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒を用いた光
触媒塗料及びその製造方法、並びにその塗料を使用した
光触媒脱臭紙に関し、詳しくは脱臭、抗菌、VOC分解
性能を持ち、ポリビニルアルコールの被膜作用により有
機系バインダーと光触媒が直接接することを避けるため
に凝集やゲル化が起こることを回避できる光触媒塗料及
びその製造方法、並びにその塗料を使用した光触媒脱臭
紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、環境アセスメントをはじめとする
環境の見直しが地球規模で行われているなか、人々は生
活環境をさらに向上させるために、身の回りの環境を見
直そうという気運が高まっている。ここ数年で、「抗
菌」、「防かび」、「殺菌作用」等の言葉が日常生活を
送る上で頻繁に目にするようになった。例を挙げると、
シャープペン、ボールペン、ノート、自動車のハンド
ル、シーツ、プラスチック製の台所用品などの様に「抗
菌性」等の言葉が商品価値を高めるプラスアルファの機
能として付加されることが多くなっている。
【0003】抗菌に関して特に世間の人々が関心を寄せ
た理由として、1996年の病原性大腸菌O−157の
発生により多数の死者を出したことが挙げられる。その
事件をきっかけとして、より多くの抗菌性製品が市場に
出回るようになった。一方、HIVやMRSA院内感染
等は、21世紀の高齢化社会を迎えるにあたって大きな
社会問題となることは避けて通れない問題であろう。従
って、このような問題を解決するための一つの手段とし
て、近年光触媒が脚光を浴びている。中でも、光触媒能
力に優れ、人体に安全な光触媒酸化チタンが多く使用さ
れ、様々な形での研究開発が行われている。
【0004】光触媒の一つである酸化チタンは従来か
ら、白色顔料として製紙、プラスチック、塗料、化粧品
など広い範囲にわたって工業的に利用されている。その
理由として、酸化チタンは300〜400nmの紫外光
をよく吸収するために紫外線吸収剤として働き、且つ安
価であるためである。
【0005】酸化チタンそのものを紫外線吸収剤として
用いた場合、酸化チタンは紫外線を吸収すると共に電子
及び正孔対を生じ、その正孔対は表面の水分と反応し
て、強い酸化力を有するヒドロキシルラジカル等の活性
酸素種を生成する。そこで、従来は正孔対と水分の反応
を防ぎ、活性酸素種の生成を抑制するために表面処理を
行った酸化チタンを紫外線吸収剤として用いていた。
【0006】近年、酸化チタンをはじめとする光触媒の
見直しがされ、従来欠点とされていた酸化力を積極的に
発揮させようとする動きが工業界で起きてきた。すなわ
ち、活性酸素種の酸化力は大部分の有機物やNOXやS
Xなどの無機物を分解する能力を持つことがわかって
おり、特開平7−102678号公報及び特開平8−1
75887号公報には院内感染を予防するためのセラミ
ック又は陶磁質の構造体が、特開平8−173520号
公報には環境浄化用の装飾品が開示されている。
【0007】この光触媒効果を有する光触媒が見直され
ている一つの理由として、脱臭剤としては活性炭等の吸
着脱臭剤とは異なり永続的であり、また、殺菌剤として
みた場合、塩素系、酸性、アルカリ性殺菌剤のように人
体に影響を及ぼすこともなく無害であることが挙げられ
る。
【0008】光触媒の紙への応用は、光触媒により隣接
するセルロース繊維が分解されて強度低下が生じ、非常
に困難であった。しかし、その問題を解決するために、
予め光触媒酸化チタンを水中で凝集させてセルロース繊
維と接触する面積を低下させることで強度低下を抑える
ことが可能な酸化チタン内添紙が特開平8−26660
2号公報に、同様に光触媒の歩留まりを向上させるため
に微細繊維と酸化チタンを凝集させてセルロース繊維の
水素結合を利用する留め方が特開平8−266601号
公報に提案されている。また、紙内部の光触媒を有効利
用するために紙全体の透明性を向上させて、内部の光触
媒まで光が透過する様に工夫した方法が特開平8−12
0594号公報に提案されている。
【0009】紙へ光触媒を担持させる方法としては、原
料に内添し、常法により抄造することによって得る内添
方法と光触媒を塗料化した材料を塗布する塗工方法があ
る。塗工方法としては、基紙に使用するセルロース繊維
を水溶性無機物質で処理した後に水不溶化させて基紙を
抄造した後に、その上に光触媒酸化チタン層を設ける方
法が特開平8−173805号公報に、さらに基紙と光
触媒を直接触する事を防止するために、基紙と光触媒層
の間に皮膜形成性無機物含有層を設けることにより強度
低下を抑制し、耐久性を向上させた方法が特開平8−1
73762号公報に提案されている。また、コロイダル
シリカ、及び熱可塑性高分子エマルジョンを併用した光
触媒除去層を設けた脱臭紙が特開平9−234375号
公報に提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】紙へ光触媒を担持させ
る方法には、大きく分けて内添方法と塗工方法がある
が、光触媒は基本的に表面反応であるため、効率的に光
触媒反応を起こすためには光触媒に光が当たること、分
解する物質が光触媒に接触あるいは接近することが必要
不可欠である。このようなことを考慮すると、内添方法
は紙内部まで完全に光が透過しないため有効な方法でな
いことが分かる。従って、光が光触媒に到達しやすく、
分解する物質が接触あるいは接近しやすいことを考慮す
ると紙へ光触媒を塗工し、表面に光触媒塗工層として存
在させる塗工方法が優れていることは明らかである。
【0011】しかし、上記した公報の内容では柔軟性の
ある紙に塗工した場合、有機系バインダーのみを用いた
塗工層では有機系バインダーが光照射とともに分解され
てしまい粉落ちの原因となり、無機系バインダーのみを
用いた塗工層では基紙との接着強度が不足したり、折り
曲げによるひび割れが発生するためにコルゲート加工等
の加工が困難であった。
【0012】有機系バインダーの種類により、光触媒と
有機系バインダーが接する(混合)と光触媒自身の持つ
反応性の高さに起因する凝集が起こったり、塗料の調製
及び塗工紙とした場合に凝集物が多数塗工面に現れるこ
とが判明した。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
問題を解決するために鋭意検討した結果、光触媒、有機
系バインダー、無機系バインダー及びポリビニルアルコ
ールを併用することで有機系バインダーの長所である可
塑性と無機系バインダーの長所である酸化分解されにく
い特徴を生かしながら、上記課題を解決することが可能
となることを見いだした。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光触媒塗料及びその塗料
を使用した光触媒脱臭紙の塗工層は、少なくとも片面に
基紙と光触媒、有機系バインダー、無機系バインダー及
びポリビニルアルコールからなることが必要である。ま
た、光触媒塗料の製造方法としては、無機系バインダ
ー、光触媒、ポリビニルアルコール、有機系バインダー
の順で添加することが必要である。
【0015】本発明に用いられる光触媒としては、酸化
チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化
ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等の金属酸化
物、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化鉛、硫化銅、硫化
モリブデンなどの金属硫化物などの公知の光触媒粒子を
少なくとも一種以上選択して用いることが出来る。中で
も、酸化チタンが優れた光触媒能を有し、化学的安定
性、人体に対して無害、比較的安価の面から好ましい。
光触媒の添加量として好ましくは、光触媒塗料の30〜
80重量%である。30重量%より少ないと光触媒性能
が不足し、80重量%より多いとバインダーが不足する
ためである。
【0016】本発明において述べる、酸化チタンとはア
ナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸
化チタン、メタチタン酸、オルソチタン酸等の各種の酸
化チタンあるいは水酸化チタン、含水水酸化チタンを意
味する。
【0017】本発明の光触媒が光触媒反応により有害物
質等を分解するためには、光触媒にバンドギャップ以上
のエネルギーを持つ波長の光を照射する必要がある。そ
こで生じた活性酸素種(OH・、・O2 -、H22など)
が有害物質を分解していき、最終的に二酸化炭素や水な
どの最終生成物へと分解する。このような作用により、
殺菌効果、抗菌効果が発生する。
【0018】有害物質の例を挙げると、アルデヒド類、
アミン類、アルコール類等の炭化水素、トリハロメタ
ン、テトラクロロエチレン、フロン等の有機ハロゲン化
合物やSOX、NOX等がある。このほか、分解可能なも
のとしては、BOD、農薬、タンパク質、アミノ酸等が
あり、菌類、かび類などの殺菌も可能である。
【0019】光触媒にバンドギャップ以上のエネルギー
を持つ波長の光、すなわち400nm以下の光を照射す
るための光源としては、太陽光、蛍光灯、水銀灯、キセ
ノンランプ、ブラックライトなどの紫外光を含むものが
挙げられる。
【0020】光触媒含有層に使用する光触媒の有機系バ
インダーとしては、ポリテトラフルオロエチレンエマル
ジョン等のフッ素樹脂やシリコン樹脂など酸化劣化に強
い熱可塑性高分子を分散したものを使用することが好ま
しいが、水に溶解または分散可能な熱可塑性高分子であ
れば何れも使用可能である。有機系バインダーとして使
用可能なものとしては、スチレン−ブタジエンラテック
ス、変性スチレン−ブタジエンラテックス、アクリロニ
トリル−ブタジエンラテックス、メチルメタクリレート
−ブタジエンラテックス、変性メチルメタクリレート−
ブタジエンラテックス、、クロロプレンラテックス、ブ
チルラテックス、ポリブテンラテックス、ポリウレタン
ラテックス、チオコールラテックス、ポリエチレンエマ
ルジョン、エチレン酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニ
リデンエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、アクリ
ル樹脂系エマルジョン、ポリテトラフルオロエチレンエ
マルジョン等の水系ラテックスや水系エマルジョンの単
独或いは2種類以上を混合して使用する事ができる。有
機系バインダーの添加量として好ましくは、光触媒塗料
の1〜30重量%である。1重量%より少ないと基紙な
どに塗工した場合に塗工層としての柔軟性が無くなりひ
び割れが容易に生じ、30重量%より多いと有機系バイ
ンダーが多すぎるために光触媒の表面を大部分覆ってし
まい光触媒性能が光照射初期において不十分となるため
である。
【0021】本発明に使用するポリビニルアルコールと
しては、水あるいは熱水に溶解可能でかつ冷却時に容易
に固化、沈澱しないものであれば何れも使用出来る。ポ
リビニルアルコールを使用する際は、水あるいは熱水に
溶解して水溶液として使用する。ポリビニルアルコール
は被膜形成性に優れた材料であるため、光触媒の粉末の
表面に非常に薄い膜を形成し、有機系バインダーと光触
媒が塗料中で直接接触した際に凝集することを抑制でき
る効果をもつ。本発明の光触媒脱臭紙に光照射を行う
と、光触媒を覆う非常に薄い膜が短時間で光触媒作用に
より分解し、水と二酸化炭素になる。そのため、光触媒
作用が阻害されることはない。ポリビニルアルコールの
添加量として好ましくは、光触媒塗料の0.1〜30重
量%である。0.1重量%より少ないと光触媒の表面を
十分に覆うことが出来ないため凝集やゲル化の原因とな
ってしまう。30重量%より多いと有機系バインダーと
同様に被膜が厚くなる結果、光照射初期の光触媒性能が
不十分になる原因となる。
【0022】塗料の調製時には、必ずポリビニルアルコ
ールは有機系バインダーを添加する前に添加することが
必要である。その理由として、光触媒表面に薄膜を形成
することによって、光触媒と有機系バインダーが接触す
ることによって凝集を抑制することが必要である為であ
る。この薄膜に保護された光触媒粉末は、一種の保護コ
ロイド状になるために、塗工機内部等に付着した塗料の
洗浄が速やかに行える効果も発現する。
【0023】本発明に用いる無機系バインダーとして
は、コロイダルシリカ、アルミナゾル、サポナイト、ヘ
クトライト、スメクタイト、セピオライトなどの被膜形
成性の無機物が使用でき、バインダーとして作用するこ
とが可能な無機化合物は、列挙した無機化合物に限定さ
れることなく使用できる。無機系バインダーの添加量と
して好ましくは、光触媒塗料の10〜50重量%であ
る。10重量%より少ないと光照射により光触媒作用に
より粉落ちが生じる。50重量%より多いと光触媒の表
面を覆ってしまい、無機系バインダーは光照射によって
も分解されないために永久に光触媒能力が不足すること
につながる。
【0024】本発明の光触媒含有層には、無機系バイン
ダー、有機系バインダー及びポリビニルアルコールを併
用することが必要不可欠である。併用することによっ
て、無機系バインダーのみの場合に比較して、紙をコル
ゲート加工したときに応力が加わっても塗工面が割れに
くくなる。これは、無機系バインダーのみを用いると乾
燥後はガラス状の塗工面となり、僅かな応力が加わった
だけでひび割れが生じ、塗工層が脱落しやすくなる。し
かし、有機系バインダーを併用するとひび割れ箇所の接
着剤として有機系バインダーが働くために割れが大きく
ならず、その結果、割れにくくなるのである。
【0025】本発明の基紙に用いる製紙用繊維として
は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP),針葉樹晒
クラフトパルプ(NBKP),広葉樹未晒クラフトパル
プ(LUKP),広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P),針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サー
モメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプ、楮,ミ
ツマタ,藁,麻,竹,ワラ,リンター,バガス,ケナフ
およびエスパルト等の非木材パルプや、ポリオレフィン
等の合成パルプ、レーヨン、ビニロン、ナイロン、ポリ
エステル等の合成繊維の単独若しくは混合したものが使
用できる。
【0026】基紙の製造は、前記したごとき製紙用繊維
に、必要に応じて染料や顔料等の着色剤を添加し、さら
に必要に応じて、クレー、炭酸カルシウム等の各種の填
料、ロジン系、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、
デンプン系、ポリアクリルアミド等の乾燥紙力増強剤、
メラミン樹脂、ポリアミン・ポリアミド・エピクロルヒ
ドリン樹脂等の湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、ポリアク
リルアミド等の定着剤等の慣用的な製紙用副資材を適宜
併用し、常法により長網抄紙機、円網抄紙機を用いて抄
造する。
【0027】また基紙に難燃性、不燃性が必要なときは
抄造中あるいは抄造後に難燃処理を施す場合もある。難
燃剤としてはスルファミン酸グアニジン、リン酸グアニ
ジン、スルファミン酸アンモニウム、縮合リン酸アルキ
ルエステル誘導体、硫酸グアニジン、リン酸アンモニウ
ム、硫酸アンモニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム、ホウ砂、ホウ酸等の水溶液もしくは水に分散可能
なものが使用出来る。他の方法としては、無機粉体を6
5重量%以上混抄して難燃、不燃化を図る方法もある。
【0028】更に、基紙表面の難燃性を向上させるため
に水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の結晶水
を持った物質を主成分とする塗料を塗工することもでき
る。難燃紙としては、JIS A 1322「建築用薄
物材料の難燃性試験方法」に規定する難燃性の種類で、
防炎1または2のいずれかに該当する基紙が使用でき
る。
【0029】本発明で使用できる基紙の種類としては、
一例として上記した難燃紙以外にアート紙、コート紙、
上質紙、クラフト紙等に代表される印刷情報用紙、包装
用紙、雑種紙、段ボール原紙などが挙げられる。
【0030】本発明では、無機系バインダー、有機系バ
インダー、光触媒及びポリビニルアルコールが必要不可
欠であるが、分散剤、増粘剤、減粘剤、pH調整剤等の
塗料調製用の助剤やある特定の物質を優先的に吸着除去
するために活性炭、シリカゲル、ゼオライト等の吸着
剤、抗菌作用を高めるために抗菌剤等を適宜併用するこ
とが可能である。
【0031】
【実施例】実施例1 不燃性基紙(商品名:「TT−120C」、特種製紙
(株)製造)に、光触媒酸化チタン(商品名:「PC−
101」、チタン工業(株)製造)50重量部、無機系
バインダー(商品名:「スノーテックスC」、日産化学
(株)製造)10重量部、有機系バインダー(商品名:
「ポリラック750」、三井東圧化学工業(株)製造)
5重量部、ポリビニルアルコール(商品名:「PVA1
05」、クラレ(株)製造)2重量部を含んだ光触媒含
有層を10g/m2設け、脱臭紙を得た。
【0032】実施例2 不燃性基紙(「TT−120C」)に光触媒酸化チタン
(「PC−101」)50重量部、無機系バインダー
(「スノーテックスC」)30重量部、有機系バインダ
ー(「ポリラック750」)20重量部、ポリビニルア
ルコール(「PVA105」)5重量部を含んだ光触媒
含有層を20g/m2設け、脱臭紙を得た。
【0033】実施例3 不燃性基紙(「TT−120C」)に、光触媒酸化チタ
ン(商品名:「ST−01」、石原産業(株)製造)7
0重量部、無機系バインダー(「スノーテックスC」)
20重量部、有機系バインダー(商品名:「クリヤー
E」、恒和化学工業(株)製造)10重量部、ポリビニ
ルアルコール(「PVA105」)3重量部を含んだ光
触媒含有層を15g/m2設け、脱臭紙を得た。
【0034】実施例4 基紙(PPC用紙)に、光触媒酸化チタン(「ST−2
1」)80重量部、無機系バインダー(「スノーテック
スC」)10重量部、有機系バインダー(「クリヤー
E」)10重量部、ポリビニルアルコール(「PVA1
05」)0.5重量部を含んだ光触媒含有層を15g/
2設け、脱臭紙を得た。
【0035】実施例5 基紙(PPC用紙)に、光触媒酸化チタン(「ST−2
1」)60重量部、無機系バインダー(「スノーテック
スC」)10重量部、有機系バインダー(「クリヤー
E」)10重量部、ポリビニルアルコール(「PVA1
05」)2重量部を含んだ光触媒含有層を15g/m2
設け、脱臭紙を得た。
【0036】比較例1 不燃性基紙(「TT−120C」)に光触媒酸化チタン
(「PC−101」)50重量部、無機系バインダー
(「スノーテックスC」)10重量部を含んだ光触媒含
有層を10g/m2設け、脱臭紙を得た。
【0037】比較例2 基紙(PPC用紙)に光触媒酸化チタン(「ST−2
1」)80重量部、有機系バインダー(「クリヤー
E」)10重量部を含んだ光触媒含有層を15g/m2
設け、脱臭紙を得た。
【0038】以上の実施例1〜5と比較例1〜2で得ら
れた各脱臭紙の評価結果を表1に示す。なお評価は下記
方法により行った。
【0039】脱臭性能評価 脱臭性能の評価は、図1に示す装置を用いて、下記条件
にて行い、光照射を開始して2時間後の実験装置内のホ
ルムアルデヒド濃度を測定した。 有害ガス:ホルムアルデヒド 初期ホルムアルデヒドガス濃度:200ppm 試料サイズ:10cm×20cm UV強度:1mW/cm2 実験装置容積:30L 流速:10L/min
【0040】折り曲げ時のひび割れ 得られた脱臭紙を90度に折り曲げひび割れが発生する
かを観察した。
【0041】塗工性 塗工時にハジキ、塗りムラ等が観察されるか否かを評価
した。
【0042】光照射後の粉落ち スガ試験機製オートフェードメーター(型式:FAI−
AU−B)にて、6時間光照射した後の粉落ちを観察し
た。
【0043】
【表1】
【0044】表1の結果から、以下のことが判明した。 (1)脱臭性能の評価では、全ての脱臭紙において初期
濃度の5〜10%までホルムアルデヒドが分解され、良
好な結果が得られた。
【0045】(2)無機系バインダーのみを使用した比
較例1の脱臭紙では、折曲げ時のひび割れや塗工時には
じきが発生してしまい均一な塗工層が得られなかった。
このことは、分解能力が均一に得られないということに
もつながるので好ましくない。
【0046】(3)有機系バインダーのみを使用した比
較例2の脱臭紙は、折曲げ時のひび割れや塗工時のはじ
きは観察されなかったものの、得られた脱臭紙に光照射
を行うと粉落ちが発生した。
【0047】(4)無機系バインダーと有機系バインダ
ーを併用することで光触媒能を維持しながら均一な塗工
層を持ち、はじきが無く、光照射による粉落ちのない脱
臭紙が得られた。
【0048】塗料の調製(凝集の観察) 実施例6 無機系バインダー(「スノーテックスC」)120重量
部に分散剤(商品名:「アロンT−40」、東亜合成化
学工業(株))1.5重量部を加えサンドミルを用いて
10分攪拌した。次に、光触媒酸化チタン(「PC−1
01」)60重量部を添加し40分攪拌した。次に、1
5wt%ポリビニルアルコール(「PVA105」)水
溶液を20重量部加え、20分攪拌した。最後に、メチ
ルメタクリレート−ブタジエンラテックス(「ポリラッ
ク750」)15重量部を添加し、20分攪拌し、光触
媒塗料を得た。
【0049】実施例7 実施例6で使用したメチルメタクリレート−ブタジエン
ラテックスをエチレン酢酸ビニルエマルジョン(商品
名:「スミカフレックス500」、住友化学工業
(株))に変更した他は同じ薬品及び条件にて光触媒塗
料を得た。
【0050】実施例8 実施例6で使用したメチルメタクリレート−ブタジエン
ラテックスをアクリル樹脂系エマルジョン(「クリヤー
E」)に変更した他は同じ薬品及び条件にて光触媒塗料
を得た。
【0051】比較例3 無機系バインダー(「スノーテックスC」)120重量
部に分散剤(「アロンT−40」)1.5重量部を加え
サンドミルを用いて10分攪拌した。次に、光触媒酸化
チタン(「PC−101」)60重量部を添加し40分
攪拌した。最後に、メチルメタクリレート−ブタジエン
ラテックス(「ポリラック750」)15重量部を添加
し、20分攪拌し、光触媒塗料を得た。
【0052】比較例4 比較例3で使用したメチルメタクリレート−ブタジエン
ラテックスをエチレン酢酸ビニルエマルジョン(「スミ
カフレックス500」)に変更した他は同じ薬品及び条
件にて光触媒塗料を得た。
【0053】以上の実施例6〜8と比較例3〜4の条件
で調製した光触媒塗料調製時の凝集及びその塗料を用い
て実施例1で使用した難燃紙に20g/m2塗工したと
きの凝集物を観察した結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2の結果から、以下のことが判明した。 (1)ポリビニルアルコールを有機系バインダー添加前
に投入することにより、多くの有機系バインダーを使用
でき、且つ凝集が起こらなくなる。その結果、塗工適性
に優れた塗料が調製でき、塗工した際に紙に均一な光触
媒塗工層を付与できる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したごとく、この発明の光触媒
脱臭紙によれば、以下に記載する顕著な効果を奏する。 (1)ポリビニルアルコールを使用することで有機系バ
インダーを使用した場合でも凝集を起こさない。 (2)無機系バインダーを混合することで光触媒の酸化
作用による粉落ちを防止できる。 (3)有機系バインダーを併用することで光触媒含有層
に柔軟性が発現し、折れによりひび割れが生じない光触
媒塗工層が得られる。 (4)有機系バインダーを併用することで塗工適性が向
上するため均一な塗工層が得られ、なおかつ塗工機の洗
浄時に汚れを無機系バインダー単独の場合に比較して速
やかに行える。
【0057】以上のような特性を生かし、本発明で得ら
れた光触媒塗料は紙に限らず、外装、内装、コンクリー
ト壁、板等にも使用できる。また、本発明で得られた光
触媒脱臭紙は空気清浄機、脱臭機、壁紙、抗菌紙、滅菌
紙、照明用反射板などに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の脱臭紙の脱臭性能を評価するための
試験装置である。
【符号の説明】
1 循環ポンプ 2 ホルムアルデヒド注入器 3 ホルムアルデヒド発生器 4 ホルムアルデヒド水溶液 5 ガスバッグ 6 反応器 7 光触媒脱臭紙 8 UVランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 21/14 D21H 1/22 Z 5/22 C

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系バインダー、光触媒、ポリビニル
    アルコール及び有機系バインダーからなることを特徴と
    する光触媒塗料。
  2. 【請求項2】 無機系バインダー10〜50重量%、光
    触媒30〜80重量%、ポリビニルアルコール0.1〜
    30重量%及び有機系バインダー1〜30重量%からな
    ることを特徴とする光触媒塗料。
  3. 【請求項3】 前記光触媒が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項1または2のいずれか一項記載の光触媒
    塗料。
  4. 【請求項4】 無機系バインダー水分散液に、光触媒、
    ポリビニルアルコール、有機系バインダーを順次攪拌し
    ながら添加することを特徴とする光触媒塗料の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 無機系バインダー10〜50重量%の水
    分散液に、光触媒30〜80重量%、ポリビニルアルコ
    ール0.1〜10重量%、有機系バインダー1〜30重
    量%を順次攪拌しながら添加することを特徴とする光触
    媒塗料の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記光触媒が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項4または5のいずれか一項記載の光触媒
    塗料の製造方法。
  7. 【請求項7】 基紙の少なくとも一方の面に光触媒、有
    機系バインダー、無機系バインダー及びポリビニルアル
    コールからなる光触媒含有層を設けたことを特徴とする
    光触媒脱臭紙。
  8. 【請求項8】 基紙の少なくとも一方の面に光触媒30
    〜80重量%、有機系バインダー1〜30重量%、無機
    系バインダー10〜50重量%及びポリビニルアルコー
    ル0.1〜10重量%からなる光触媒含有層を5〜30
    g/m2設けたことを特徴とする光触媒脱臭紙。
  9. 【請求項9】 前記光触媒が酸化チタンであることを特
    徴とする請求項7または8のいずれか一項記載の光触媒
    脱臭紙。
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