JPH11274685A - プリント回路基板の加工方法 - Google Patents

プリント回路基板の加工方法

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JPH11274685A
JPH11274685A JP7585498A JP7585498A JPH11274685A JP H11274685 A JPH11274685 A JP H11274685A JP 7585498 A JP7585498 A JP 7585498A JP 7585498 A JP7585498 A JP 7585498A JP H11274685 A JPH11274685 A JP H11274685A
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formula
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JP7585498A
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Inventor
Akira Iwamori
暁 岩森
Noriyuki Yanagawa
紀行 柳川
Mitsuru Sadamoto
満 貞本
Moriji Morita
守次 森田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント回路基板のポリイミド層を高速でエッ
チングする方法の提供。 【解決手段】回路基板の絶縁層は、導電層と導電層との
間に形成され、主に樹脂から構成される。該絶縁層は異
なる種類の樹脂の層を複数積層して構成されている。電
気的接続をとるための樹脂層の孔開け加工をプラズマを
用いて行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント回路基板の
絶縁層の孔開け方法に関する。詳しくは本発明は、異な
る種類の樹脂の層を複数積層して得られる、絶縁層を用
いてなる、プリント回路基板の絶縁層の孔開け方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子産業において、電子機器の高
性能化、高機能化、コンパクト化が求められており、そ
れに伴ってICチップ、ICチップを実装する為のボー
ド(Board)も微細化、高密度化が進んでいる。I
Cチップでは、シリコン等の微細なパターニングに際し
て、プラズマを用いたドライプロセスは必須である。ま
た、導電層である銅箔と絶縁層であるポリイミドを交互
に積層した回路基板はポリイミドの有する優れた耐熱
性、電気的特性、等の理由によりICの実装用基板とし
て広く用いられている。
【0003】プリント配線板の実装技術、とりわけプリ
ント回路基板製造時における、スルーホール、バイアホ
ール形成技術は特に重要である。現在のスルーホール
(Through Hole)、バイアホール(Via Hole)形成法と
してメカニカルドリル法、レーザー加工法等のドライプ
ロセスがあるが、コスト或いは処理能力(エッチング速
度)の面においてウエット法を用いている場合が多いの
が現状である。
【0004】近年、プリント基板においては、様々な機
械的、電気的特性が要求され、絶縁層である樹脂層に複
数の異なる構造を有するポリマーを用いる場合がある。
例えば、絶縁層として耐熱性ポリマーであるポリイミド
を用いることが多いが、ポリイミドの種類により物理化
学的性質が異なり、必要に応じて複数のポリイミドを絶
縁層として用いることがある。
【0005】従来のウエットエッチング法においては絶
縁層の種類によってそのエッチング速度が異なる為、絶
縁層のある層ではエッチング速度が速く、他の層では遅
くなることがある。特にエッチングされ易い樹脂層を先
にエッチングし、その後エッチングされ難い樹脂層をエ
ッチングする場合、新たな問題が生じることが分かっ
た。すなわち、エッチング速度の遅い層をエッチングし
ている間に、エッチング速度の速い層は更にエッチング
されてアンダーカットが大きくなり、絶縁層全体でみた
場合の加工形状が一定に保たれないのである。さらに、
プリント回路基板のファイン化に伴い、複数の絶縁層を
用いた場合では、前記加工形状の問題は一層深刻になっ
てきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
ズマを用いた、回路基板の絶縁層の孔明け加工方法、よ
り詳しくは、絶縁層として、異なる構造のポリマーから
得られる層を複数積層して得た、ポリイミド層を有す
る、プリント回路基板をプラズマを用いてエッチングす
る技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記した
問題点について鋭意検討した結果、構造の異なる樹脂の
層を複数積層してなる絶縁層を有する、プリント回路基
板の孔明け加工に際し、プラズマを用いればよいことを
見だした。とりわけ、ポリマーの構造によらず、高速で
エッチングしても各絶縁層のエッチング速度に殆ど差が
なく、一定の加工形状を提供する技術を見いだし、本発
明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)導電層と導電層と
の間に形成された、主に樹脂からなる、絶縁層におい
て、該絶縁層が異なる種類の樹脂の層を複数積層して構
成され、電気的接続をとるための樹脂の層の孔開け加工
がプラズマを用いて行われることを特徴とするプリント
回路基板の加工方法であり、(2)樹脂の層のガラス転
位温度Tgが少なくとも130℃である耐熱性樹脂から
なることを特徴とする(1)に記載のプリント回路基板
の加工方法であり、(3)樹脂が異なる構造のポリイミ
ドからなることを特徴とする(1)又は(2)のいずれ
かに記載のプリント回路基板の加工方法であり、(4)
芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミンを反応させた
ポリイミドにおいて、芳香族テトラカルボン酸の構造体
が、式(1)〔化13〕、式(2)〔化14〕、式
(3)〔化15〕および式(4)〔化16〕の内の少な
くとも1種、芳香族ジアミンの構造体が、式(5)〔化
17〕、式(6)〔化18〕、式(7)〔化19〕、式
(8)〔化20〕および式(9)〔化21〕の内の少な
くとも1種からなることを特徴とする(3)に記載のプ
リント回路基板の加工方法であり、
【0009】
【化13】
【0010】
【化14】
【0011】
【化15】
【0012】
【化16】
【0013】
【化17】
【0014】
【化18】
【0015】
【化19】
【0016】
【化20】
【0017】
【化21】 (5)ポリイミドの構造体が、式(10)〔化22〕、
式(11)〔化23〕および式(12)〔化24〕の内
少なくとも2種を組み合わせたものであることを特徴と
する(4)に記載のプリント回路基板の加工方法であ
り、
【0018】
【化22】
【0019】
【化23】
【0020】
【化24】 (6)樹脂の層の樹脂のTgの内最も低いものをTg1
とし、孔開けを行う雰囲気の温度Tを、 (Tg1−1
00)℃≦T≦(Tg1+100)℃ の範囲に制御し
てプラズマ加工することを特徴とする(1)乃至(5)
のいずれかに記載のプリント回路基板の加工方法であ
り、(7)プラズマを生起させるのに用いるガスが、酸
素とフッ素系化合物ガスの混合ガスであることを特徴と
する(1)乃至(6)のいずれかに記載のプリント回路
基板の加工方法であり、(8)フッ素系化合物ガスがフ
ッ素であることを特徴とする(7)に記載のプリント回
路基板の加工方法であり、(9)フッ素系化合物ガスが
三フッ化窒素であることを特徴とする(7)に記載のプ
リント回路基板の加工方法であり、(10)プラズマを
生起させる方法が10乃至100MHzの高周波電源を
用いることを特徴とする(1)乃至(9)のいずれかに
記載のプリント回路基板の加工方法であり、および(1
1)高周波電源とは独立に、高周波電圧に負の直流電圧
を印加することを特徴とする(10)に記載のプリント
回路基板の加工方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の回路基板は、導電層であ
る銅箔と絶縁層である樹脂層を交互に積層した回路基板
である。銅箔と銅箔に挟まれた絶縁層として、複数の種
類の樹脂の層を積層する。本発明は、かかる回路基板で
あれば、何れの回路基板にも適応できる。なかんずく優
れた耐熱性、電気的特性等を有するポリイミドを該樹脂
として用いた、多層回路基板に好適に用いることができ
る。
【0022】絶縁層のエッチングに、従来用いられてき
たウエット法と遜色のない程度のエッチング速度を得る
ことが工業的には重要である。その為にはプリント回路
基板を加熱すること、酸素系ガスとフッ素系化合物ガス
の混合ガスによるプラズマを用いること、が有効な手段
である。
【0023】エッチングは物理的反応ではなくむしろ化
学的反応で進行することを考えると、加熱下に行うこと
が反応速度を向上させる上で必要であり、特に絶縁層の
ガラス転移温度付近に加熱して行うのが最も反応性が高
い。ポリマーの種類により最適な温度Tは異なる。例え
ばTgが150℃以上の耐熱性を有するポリマーの場
合、そのポリマーのガラス転移温度をTgとする。(T
g−100)℃≦T≦(Tg+100)℃で行えば、室
温で行った場合よりも高いエッチング速度が得られるこ
と、このエッチング速度はTg付近の温度、つまり(T
g−50)℃≦T≦Tg℃の温度雰囲気中で更に高くな
る。
【0024】Tgよりも高い温度ではポリマーの熱物性
が大きく変化し、エッチング後の回路基板の不良をもた
らすことがある。従って、本発明において絶縁層として
異なる種類の樹脂の積層体を用いる場合、これら樹脂の
内、Tgが最も低いものをTg1とすると、エッチング
を行う雰囲気の温度Tは、(Tg1−100)℃≦T≦
(Tg1+100)℃、好ましくは(Tg1−50)℃
≦T≦Tg1℃である。
【0025】更に、エッチング種として酸素ガスの他に
フッ素系化合物ガス、例えば、三フッ化窒素(NF3
ガスやフッ素(F2 )ガスを添加した系が良いこと、つ
まり酸素ガスにこれらのガスを添加した系は高速エッチ
ングに効果的である。これらのガスの添加が効果的であ
る理由は一般的にエッチング種として用いられているC
4 等のフッ素系化合物ガスに比べ、F−F結合やN−
F結合はC−F結合より結合エネルギーが低く、プラズ
マ中で容易にフッ素イオンやNFxイオン、ラジカルに
なり易いためである。
【0026】本発明において回路基板の絶縁層としての
ポリマーは特に限定されるわけではないが、現在は耐熱
性樹脂であるポリイミド系の樹脂を用いる場合が多い。
ポリイミド層として具体的な例を示すとすれば、カプト
ン、ユーピレックス、アピカル等の商品名で、市場で入
手できるポリイミドフィルムである。さらに、ピロメリ
ット酸無水物、ビフタル酸無水物、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、オキシジフタル酸無水物、ハイド
ロフランジフタル酸無水物等の酸無水物とメトキシジア
ミノベンゼン、4,4’ーオキシジアニリン、3,4’
オキシジアニリン、3,3’オキシジアニリン、ビスジ
アニリノメタン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、
p,p−アミノフェノキシベンゼン、p,m−アミノフ
ェノキシベンゼン、m,p−アミノフェノキシベンゼ
ン、m,m−アミノフェノキシベンゼン、クロル−m−
アミノフェノキシベンゼン、p−ピリジンアミノフェノ
キシベンゼン、m−ピリジンアミノフェノキシベンゼ
ン、p−アミノフェノキシビフェニル、m−アミノフェ
ノキシビフェニル、p−ビスアミノフェノキシベンジル
スルホン、m−ビスアミノフェノキシベンジルスルホ
ン、p−ビスアミノフェノキシベンジルケトン、m−ビ
スアミノフェノキシベンジルケトン、p−ビスアミノフ
ェノキシベンジルヘキサフルオロプロパン、m−ビスア
ミノフェノキシベンジルヘキサフルオロプロパン、m−
ビスアミノフェノキシベンジルヘキサフルオロプロパ
ン、p−ビスアミノフェノキシベンジルプロパン、o−
ビスアミノフェノキシベンジルプロパン、m−ビスアミ
ノフェノキシベンジルプロパン、p−ジアミノフェノキ
シベンジルチオエーテル、m−ジアミノフェノキシベン
ジルチオエーテル、インダンジアミン、スピロビジアミ
ン、ジケトンジアミン等のアミンと反応、イミド化して
形成されるポリイミドも本発明に効果的に用いることが
できる。
【0027】この中でも特に芳香族テトラカルボン酸と
芳香族ジアミンを反応させたポリイミドにおいて、芳香
族テトラカルボン酸の構造体が、前述の式(1)、式
(2)、式(3)および式(4)の内の少なくとも1
種、芳香族ジアミンの構造が、式(5)、式(6)、式
(7)、式(8)および式(9)の内の少なくとも1種
からなるものが、プリント回路基板の絶縁層として良く
用いられており、本発明において効果的に用いられる。
ここで言う各構造体の少なくとも1種類とは、例えば式
(1)と式(5)を構造単位とするポリイミドにおい
て、芳香族テトラカルボン酸が、式(1)と、式(2)
または式(3)の構造体を一定の割合で含むもの、或い
は芳香族ジアミンが、式(5)と、式(6)、式
(7)、または式(8)を一定の割合で含むものでいわ
ゆるブロックポリマーをさす。
【0028】絶縁層の厚みは特に限定はされないが、回
路基板の絶縁層としての役割を考えると、余り薄すぎて
は絶縁性が保たれ難く、また厚すぎるとエッチング加工
に時間を要するばかりか、コスト増、その他性能面でも
問題が生じる。従って、1つの絶縁層(複数の絶縁層を
積層した状態で)としての厚みは5〜500μm程度、
好ましくは10〜100μm程度である。
【0029】このようなポリイミド系の樹脂を中心とし
た、複数の異なる種類の樹脂からなる、絶縁層を有する
回路基板を、プラズマを用いてドライエッチングするに
際し、絶縁層を構成する樹脂のうちTgが最も低いもの
に近い温度雰囲気下、より具体的には、例えば、Tgが
約250℃と350℃のポリイミドを積層した絶縁層の
場合、Tg1は250℃であるから、150℃〜350
℃の範囲、好ましくは200℃〜250℃の範囲でエッ
チングを行うと速度が飛躍的に向上する。
【0030】エッチングガスの添加量は、酸素ガスに対
して5〜90 vol%、好ましくは10〜50 vol%程度
である。また、本発明において、プラズマを生起させる
のに用いる電源としては、高周波電源が好ましく、その
周波数は10kHz〜1000MHz、好ましくは10
MHz〜100MHzであるが、電波法上および取扱い
上13.56MHz或いは27MHzが好適に用いられ
る。特にこの範囲の周波数がプラズマ中でのイオン、ラ
ジカルの運動性を制御する上で好ましいためである。更
に前記した高周波電源とは独立に、高周波に負の直流成
分を印加することは、イオンポテンシャルを制御し、イ
オンによる選択的エッチング性を制御するのに有効な手
段である。
【0031】本発明においては、少なくとも、(a)回
路基板の導入手段、その保持手段、その排出手段を具備
した、プラズマ処理を行うプラズマ処理室、(b)電力
印加装置、(c)真空排気手段、(d)基板加熱及び温
度制御手段を備えたドライエッチング装置であればよ
い。更に、エッチング工程の効率を向上させる為には
(e)基板ホルダー上に設置された回路基板を搬入する
為の搬入室、(f)搬出する為の搬出室、ならびに
(g)搬入室からプラズマ処理室、プラズマ処理室から
搬出室へ基板ホルダーを搬送する為の搬送機構、をも備
えた装置を用いるのが良い。これは、プラズマ処理を連
続的に行なう場合、処理室は高真空である為、予めある
程度の真空を保ったチャンバー内に回路基板を保持させ
ておき、そこからエッチング処理を行う処理室へ回路基
板を搬送させた方が高真空になるまでの時間を短縮でき
るからである。ここで言う予備室とは、この予めある程
度の真空を保ったチャンバーで(e)搬入室と(f)搬
出室のことを指す。
【0032】また、本発明におけるプラズマ処理装置の
操作圧力は、プラズマ処理室はプラズマが生起可能な圧
力であれば特に限定はされない。例えば0.13〜1,
330Pa、好ましくは1.3〜270Pa程度であ
る。また、搬入室と搬出室の操作圧力はプラズマ処理室
の圧力よりも高い圧力、例えば1.3〜13,300P
a、好ましくは13〜1,330Pa程度である。搬入
室と搬出室の圧力が高いのは、プラズマ処理室を真空に
引く為の時間を節約する為であり、前記した圧力から大
気開放、大気から前記した圧力に真空引きを行って操作
する。尚、プラズマ処理室の圧力のコントロールは、搬
入室との間のゲートバルブ開放時に室内の圧力が上昇す
るので、プラズマ生起圧力まで真空引きを行い、一方、
搬出室との間のゲートバルブ開放時に再び室内の圧力が
上昇するので、プラズマ生起圧力まで真空引きを行うこ
とによって行われる。以下、平行平板型のRF電極を用
いた場合の連続処理装置を例に、より具体的に説明す
る。
【0033】プラズマ処理室11は、13.56MHz
の平行平板型高周波電極(RF電源を含む電極)61
と、それとは独立にRF電極61に直流電圧を印加でき
るローパスフィルター62とおよび、対向電極71(接
地)を有する。該プラズマ処理室11にベローバルブ付
きフランジ81、81’、部屋を仕切るゲートバルブ8
2、82’を取り付け、次いで基板搬入室21、基板搬
出室22を連結する。尚、プラズマ処理室11と電極6
1、71には温度制御、加熱ができるようヒーターが取
り付けてある。また、基板搬入室21とプラズマ処理室
11との間の基板の搬入手段及び、基板搬出室22とプ
ラズマ処理室11との間の基板の搬出手段として搬送用
のアーム41、41’がそれぞれ設置されている。搬送
用アーム41、41’の先端は基板ホルダー31を載せ
られるようにフォーク状になっている。基板搬入室2
1、基板搬出室22には、大気開放できるように、リー
クバルブが備え付けられている。また、プラズマ処理室
11には、内部を真空にできるように、ロータリーポン
プ12、更に高い真空度を達成できるようにメカニカル
ブースターポンプ13が連結されている。また基板搬入
室21及び搬出室22にも、内部が真空に保てるよう
に、ロータリーポンプ12’、12”がそれぞれ備え付
けられている。また、プラズマ処理室11にはエッチン
グに用いるガスライン14(酸素及びNF3 他)が連結
されている。
【0034】プラズマエッチング法として、まず回路基
板51を基板ホルダー31に設置する。その後、回路基
板51及び基板ホルダー31を、基板搬入室21内の基
板搬送用アーム41の先端(フォーク状構造)に設置
し、基板搬入室21の蓋を閉じ、真空引きを行う。真空
度がプラズマ処理室11と同等かやや高い圧力に達する
とゲートバルブ82が開く。ゲートバルブ82が開いた
後、基板51を載せた基板ホルダー31をプラズマ処理
室11に搬入し、電極61上に設置する。その後、搬送
用アーム41は基板搬入室へ戻り、ゲートバルブ82を
閉じる。プラズマ処理室11にはガスライン14を通し
てガスが流れ、一定時間プラズマが生起される。この
時、基板搬入室21は大気開放されているので、新たに
基板51を載せた基板ホルダー31をセットすることが
できる。一定時間のプラズマ処理(エッチング)が終了
した後、基板搬出室22の真空度がプラズマ処理室11
と同等かやや高い圧力に達するとゲートバルブ82’が
開く。ゲートバルブ82が開いた後、基板搬出室22に
あった搬送用アーム41’が基板51を載せた基板ホル
ダー31をプラズマ処理室11から基板搬出室22へ搬
出し、ゲートバルブ82’は閉じる。基板搬出室22は
大気開放され、大気圧に戻れば基板51並びに基板ホル
ダー31を取り出す。この時、基板搬入室21にある基
板ホルダー31にセットされた新たな基板51は、ゲー
トバルブ82が開放された後、プラズマ処理室11へ搬
送される。このようにして搬送、プラズマ処理を繰り返
すことで、連続的にかつ高速で回路基板のエッチングが
行われる。なお、本装置の例では、RF電極上に回路基
板を設置してエッチングしているが、電極の設置場所を
換え、対向電極上に基板を設置して行っても良い。この
ような装置の模式図を図1に示す。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。ポリイミドの構造が、前記式(10)、式
(11)、式(12)で示されるものからなるフィルム
を、接着性ポリイミドPI−Aを用いて、貼り合わせた
場合について示す。
【0036】実施例1 厚さ18μm、0.3mmφの孔径を有する銅薄膜と、
熱可塑性ポリイミドフィルム(商品名:レグルス,厚さ
12.5μm,Tg=270℃、三井化学株式会社製)
の両面に、熱可塑性の接着性ポリイミドPI−A(三井
化学株式会社製:厚さ3μm、Tg=約200℃)を塗
布し、更にその片面上にポリイミドフィルム(商品名:
カプトンH,厚さ12.5μm,Tg=約420℃、東
レ−デュポン社製)とPI−Aを積層して得られた、ポ
リイミド層とおよび、厚さ2mmの銅板とをプレスによ
り張り合わせた、銅板/ポリイミド/銅薄膜からなる積
層体を回路基板とした(構成は図2参照;ウエット法で
はカプトンHよりもレグルスの方がエッチングされ難
い)。酸素ガスとNF3 の混合ガス(組成比は80:2
0)を用いて、図1に記載のプラズマエッチング装置
(但し、ローパスフィルター62による直流電圧の印加
は行わなかった)によりエッチングを行った。エッチン
グ条件を以下に示す。 エッチング条件: 酸素ガス/NF3 ガス流量 80/20 sccm 搬送室、搬出室圧力 133 Pa 処理室圧力 13.3 Pa RF電極パワー 400 W 温度 200 ℃ (処理室)
【0037】実施例2 厚さ18μm、0.3mmφの孔径を有する銅薄膜と、
ポリイミドフィルム(商品名:ユーピレックスS,厚さ
12.5μm,Tg=359℃、宇部興産社製)の両面
に、熱可塑性の接着性ポリイミドPI−A(三井化学株
式会社製:厚さ3μm、Tg=約200℃)を塗布し、
更にその片面上に、ポリイミドフィルム(商品名:カプ
トンH,厚さ12.5μm,Tg=約420℃、東レ−
デュポン社製)とPI−Aを積層して得られた、ポリイ
ミド層とおよび、厚さ2mmの銅板とをプレスにより張
り合わせた、銅板/ポリイミド/銅薄膜からなる積層体
を回路基板とした(構成は図3参照;ウエット法ではユ
ーピレックスSの方がカプトンHよりもエッチングされ
難い)。酸素ガスとF2 の混合ガス(組成比は80:2
0)を用いて、図1に記載のプラズマエッチング装置
(但し、ローパスフィルター62により−300Vの負
の直流電圧の印加を行った)によりエッチングを行っ
た。エッチング条件を以下に示す。 エッチング条件: 酸素ガス/F2 ガス流量 80/20 sccm 搬送室、搬出室圧力 133 Pa 処理室圧力 27 Pa RF電極パワー 400 W 直流電圧 −300 V 温度 180 ℃ (処理室)
【0038】実施例3 図1において13.56MHzの高周波電源に換えて2
7MHzの高周波電源を用いた以外は、実施例1と同様
な条件でエッチングを行った。 エッチング条件: 酸素ガス/NF3 ガス流量 80/20 sccm 搬送室、搬出室圧力 133 Pa 処理室圧力 13.3 Pa RF電極パワー 400 W 温度 200 ℃ (処理室)
【0039】比較例1 実施例1記載の回路基板を用いて、ヒドラジン溶液によ
りエッチングを行った。
【0040】比較例2 実施例1記載の回路基板を用いた。実施例1と同様にし
てエッチングを行った。但し、処理室の温度は室温(約
20℃)に一定にして行った。 エッチング条件: 酸素ガス/NF3 ガス流量 80/20 sccm 搬送室、搬出室圧力 133 Pa 処理室圧力 27 Pa RF電極パワー 400 W 温度 20 ℃ (処理室)
【0041】試験例1 実施例1、2、および比較例1、2において、ポリイミ
ド層の孔開けに要した時間を測定し、表1にまとめた。
また、エッチング加工形状についても評価を行ない、異
方性を、+、−(アスペクト比が3以上で異方性の大き
いものは+、部分的に等方的(アスペクト比が1に近い
もの)になったものは−)で記した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明によって、ドライエッチングによ
り、複数の、構造の異なる樹脂の、層を絶縁層とした、
回路基板の孔明け加工法が提供可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 装置の模式図である。
【図2】 回路基板の断面図である。
【図3】 回路基板の断面図である。
【符号の説明】
11:プラズマ処理室 12、12’、12”:ロータリーポンプ 13:メカニカルブースターポンプ 14:ガスライン 21:基板搬入室 22:基板搬出室 31:基板ホルダー 41、41’:搬送用アーム 51:回路基板 61:RF電極 62:直流電圧を印加する為のローパスフィルター 71:対向電極 81、81’:バルブ付きフランジ 82、82’:ゲートバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 守次 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電層と導電層との間に形成された、主に
    樹脂からなる、絶縁層において、該絶縁層が異なる種類
    の樹脂の層を複数積層して構成され、電気的接続をとる
    ための樹脂の層の孔開け加工がプラズマを用いて行われ
    ることを特徴とするプリント回路基板の加工方法。
  2. 【請求項2】樹脂の層のガラス転位温度Tgが少なくと
    も130℃である耐熱性樹脂からなることを特徴とする
    請求項1に記載のプリント回路基板の加工方法。
  3. 【請求項3】樹脂が異なる構造のポリイミドからなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のプリ
    ント回路基板の加工方法。
  4. 【請求項4】芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミン
    を反応させたポリイミドにおいて、芳香族テトラカルボ
    ン酸の構造体が、式(1)〔化1〕、式(2)〔化
    2〕、式(3)〔化3〕および式(4)〔化4〕の内の
    少なくとも1種、芳香族ジアミンの構造体が、式(5)
    〔化5〕、式(6)〔化6〕、式(7)〔化7〕、式
    (8)〔化8〕および式(9)〔化9〕の内の少なくと
    も1種からなることを特徴とする請求項3に記載のプリ
    ント回路基板の加工方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】
  5. 【請求項5】ポリイミドの構造体が、式(10)〔化1
    0〕、式(11)〔化11〕および式(12)〔化1
    2〕の内少なくとも2種を組み合わせたものであること
    を特徴とする請求項4に記載のプリント回路基板の加工
    方法。 【化10】 【化11】 【化12】
  6. 【請求項6】樹脂の層の樹脂のTgの内最も低いものを
    Tg1とし、孔開けを行う雰囲気の温度Tを、 (Tg
    1−100)℃≦T≦(Tg1+100)℃の範囲に制
    御してプラズマ加工することを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載のプリント回路基板の加工方法。
  7. 【請求項7】プラズマを生起させるのに用いるガスが、
    酸素とフッ素系化合物ガスの混合ガスであることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプリント回路
    基板の加工方法。
  8. 【請求項8】フッ素系化合物ガスがフッ素であることを
    特徴とする請求項7に記載のプリント回路基板の加工方
    法。
  9. 【請求項9】フッ素系化合物ガスが三フッ化窒素である
    ことを特徴とする請求項7に記載のプリント回路基板の
    加工方法。
  10. 【請求項10】プラズマを生起させる方法が10乃至1
    00MHzの高周波電源を用いることを特徴とする請求
    項1乃至9のいずれかに記載のプリント回路基板の加工
    方法。
  11. 【請求項11】高周波電源とは独立に、高周波電圧に負
    の直流電圧を印加することを特徴とする請求項10に記
    載のプリント回路基板の加工方法。
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