JPH11271335A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡

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JPH11271335A
JPH11271335A JP10074512A JP7451298A JPH11271335A JP H11271335 A JPH11271335 A JP H11271335A JP 10074512 A JP10074512 A JP 10074512A JP 7451298 A JP7451298 A JP 7451298A JP H11271335 A JPH11271335 A JP H11271335A
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JP
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probe microscope
cover
microscope unit
space region
sample
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JP10074512A
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Inventor
Shuichi Ito
修一 伊東
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外界からの影響を受けること無く、高分解能な
測定を行うことが可能な走査型プローブ顕微鏡を提供す
る。 【解決手段】カンチレバー26及びカンチレバーと試料
24とを相対的に走査させるスキャナ30を有するプロ
ーブ顕微鏡ユニットと、プローブ顕微鏡ユニットを支持
可能であって且つこのプローブ顕微鏡ユニットに外部振
動が伝わるのを除去する除振機構と、この除振機構に支
持されたプローブ顕微鏡ユニットを外界からシールドす
るシールド機構とを備えており、このシールド機構に
は、外気圧よりも低い圧力に引かれた気密空間領域Tが
形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば原子オーダ
ーの分解能で試料の表面情報を測定するための走査型プ
ローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の走査型プローブ顕微鏡は、自由
端に尖鋭化した探針を持つカンチレバーと、探針と試料
とを相対的に移動させるスキャナとを備えている。そし
て、探針を試料に対向して近接させると、探針先端と試
料表面との間に働く相互作用(原子間力、斥力、引力、
粘性、磁気力など)によって、カンチレバーの自由端が
変位する。この自由端に生じる変位量を電気的あるいは
光学的に検出しながら、探針を試料表面に沿ってXY方
向に相対的に走査することによって、試料の表面情報等
(例えば、凹凸情報)を三次元的にSPM測定してい
る。
【0003】また、近年では、上述したようなSPM測
定に際し、外界からの影響を除去して高分解能化を実現
するために、走査型プローブ顕微鏡全体をシールドする
装置が開発されている。
【0004】例えば特開平5−40005号公報には、
図6(a)に示すように、探針2及びこの探針2を試料
4に対して走査させるチューブスキャナ6等から成るプ
ローブ顕微鏡ユニットを外界からシールドする装置が開
示されている(第1の従来技術)。
【0005】この第1の従来技術のシールド装置は、プ
ローブ顕微鏡ユニット全体を覆う所定の厚さの箱体8
と、この箱体8の内面全体に亘って貼着された吸音材1
0とから構成されており、外的磁気ノイズや外的騒音等
の影響を受けること無くSPM測定を行うことができる
ように構成されている。
【0006】例えば特開昭63−121740号公報に
は、図6(b)に示すように、レーザー光源12から試
料14表面にレーザー光を照射しながら、探針16と試
料14表面との間に流れるトンネル電流を検出すること
によって試料14の表面を分析する装置が開示されてお
り、探針16及びこの探針16を試料14に対して走査
させるアクチュエータ18等から成るプローブ顕微鏡ユ
ニットが、シールド装置によって外界からシールドされ
ている(第2の従来技術)。
【0007】この第2の従来技術のシールド装置は、プ
ローブ顕微鏡ユニット全体を真空環境下に置くことが可
能な真空容器20を備えており、外界からの影響を受け
ること無くSPM測定を行うことができるように構成さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来技術のシールド装置には、以下のような問題が存在
する。箱体8の厚さを例えば1mmから5mm程度まで
厚くした場合でも、音の強さは、約10dB程度(約3
0%程度)しか低減させることはできない。即ち、音の
強さIと音圧Pとの間には、 I=P2 /(ρc) ρ:空気密度、 c:空気粒子の速度 なる関係があるため、音圧Pは、約55%程度低減する
に過ぎない。
【0009】この場合、箱体8の内面全体に吸音材10
を貼着しても、例えば100Hz程度の低周波の音を減
衰させることは困難であり、音の強さは、せいぜい10
%程度)しか低減させることはできない。
【0010】また、第2の従来技術のシールド装置に
は、以下のような問題が存在する。プローブ顕微鏡ユニ
ットには、図示しないステージ等の摺動部が設けられて
おり、真空中では、この摺動部に用いられている潤滑剤
が蒸発してしまうため、円滑な摺動動作を維持すること
ができなくなってしまう。
【0011】また、プローブ顕微鏡ユニットには、光学
部品等を固定するために接着剤が用いられており、真空
中では、この接着剤が蒸発して光学部品に付着してしま
うため、光学部品の光学特性が低下してしまう。
【0012】更に、プローブ顕微鏡ユニットには、電気
信号のプリアンプ等としてICが用いられており、真空
中では、このICの足同士の間で放電が起こりやすくな
っているため、放電が起こった場合にはICが破壊して
しまう。
【0013】本発明は、このような問題を解決するため
に成されており、その目的は、外界からの影響を受ける
こと無く、高分解能な測定を行うことが可能な走査型プ
ローブ顕微鏡を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、カンチレ
バー及びカンチレバーと試料とを相対的に走査させるス
キャナを有するプローブ顕微鏡ユニットと、プローブ顕
微鏡ユニットを支持可能であって且つこのプローブ顕微
鏡ユニットに外部振動が伝わるのを除去する除振機構
と、この除振機構に支持されたプローブ顕微鏡ユニット
を外界からシールドするシールド機構とを備えており、
このシールド機構には、外気圧よりも低い圧力に引かれ
た気密空間領域が形成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る走査型プローブ顕微鏡について、図1を参照して説明
する。本実施の形態の走査型プローブ顕微鏡に適用可能
な測定法としては、探針接触圧設定時のカンチレバーの
撓み状態を一定に維持しながら、カンチレバーを励振さ
せること無く探針を試料に沿って走査することによっ
て、試料の表面情報を測定するスタティックモード測定
法と、所定の共振周波数でカンチレバーを励振させた状
態において、例えば振動中心と試料表面との間の距離を
一定に維持しながら、探針を試料に沿って走査すること
によって、試料の表面情報を測定するダイナミックモー
ド測定法とが知られているが、以下の説明では、両測定
法を総称して単にSPM測定ということとする。
【0016】また、走査型プローブ顕微鏡は、固定した
試料に対して探針を所定方向に移動させることによっ
て、試料の表面情報をSPM測定する探針走査型と、固
定した探針に対して試料を所定方向に移動させることに
よって、試料の表面情報をSPM測定する試料走査型と
に大別されるが、いずれにも本実施の形態に適用するこ
とができる。
【0017】なお、探針走査型の走査型プローブ顕微鏡
は、スキャナ(例えば、チューブ型圧電体スキャナ)の
可動端にカンチレバーが取り付けられており、スキャナ
に印加する電圧を制御することによって、探針を試料に
沿って所定方向に所定量だけ移動させることができるよ
うに構成されている。一方、試料走査型の走査型プロー
ブ顕微鏡は、スキャナの可動端に試料を載置することが
できるようになっており、スキャナに印加する電圧を制
御することによって、試料を探針に対して所定方向に移
動させることができるように構成されている。
【0018】本実施の形態では、その一例として、図1
に示すように、XYステージ22上にセットされた試料
24の表面に沿ってカンチレバー26先端の探針28を
走査させることによって、試料24の表面情報をSPM
測定する探針走査型のプローブ顕微鏡を想定する。
【0019】カンチレバー26は、スキャナ30(例え
ば、チューブ型圧電体スキャナ)の可動端に取り付けら
れており、このスキャナ30は、スキャナ支持体32を
介してZステージ34に固定されている。このZステー
ジ34は、XYステージ22と共に筐体36に対して移
動自在に取り付けられている。そして、以下の説明で
は、このような構成を有する走査型プローブ顕微鏡をプ
ローブ顕微鏡ユニットと言うこととする。
【0020】また、本実施の形態の走査型プローブ顕微
鏡に適用したシールド装置は、プローブ顕微鏡ユニット
を支持可能であって且つこのプローブ顕微鏡ユニットに
外部振動が伝わるのを除去する除振機構と、この除振機
構に支持されたプローブ顕微鏡ユニットを外界からシー
ルドするシールド機構とを備えている。
【0021】除振機構は、プローブ顕微鏡ユニット全体
をセット可能な定盤38と、この定盤38を床面40上
に支持すると共にプローブ顕微鏡ユニットに外部振動が
伝わるのを除去する除振台42とを備えている。除振台
42としては、例えば、エアスプリング、ゴム(樹
脂)、機械的バネに代表されるような弾性体(弾性部
材、弾性機構など)を用いることが効果的である。
【0022】シールド機構は、プローブ顕微鏡ユニット
全体を覆うような形状(例えば、矩形状)を成してお
り、定盤38上に取付可能な遮音性の外カバー44と、
この外カバー44の内側に配置され且つ定盤38上に取
付可能な遮音性の内カバー46とを備えている。
【0023】これら外カバー44及び内カバー46は、
シール材48を介して定盤38上に取り付けられてい
る。このため、外カバー44と内カバー46との間に
は、外界からの空気が流入しない気密空間領域Tが形成
される。
【0024】ところで、ある物体を通過する音に対する
遮音性は、その物体の面密度の増加に伴って向上する
(一般に質量則という)。従って、外カバー44及び内
カバー46は、共に、面密度の高い材質(例えば、鉄や
ステンレス等の金属)で形成することが好ましい。
【0025】また、外カバー44及び内カバー46に
は、夫々、プローブ顕微鏡ユニットのメンテナンス(例
えば、カンチレバーの取換など)や、試料24の交換等
のために、外扉50及び内扉52が開閉自在に取り付け
られており、外扉50と外カバー44との間及び内扉5
2と内カバー46との間には、外扉用シール材54及び
内扉用シール材56が設けられている。
【0026】また、外カバー44と内カバー46との間
に形成された気密空間領域Tには、外カバー44に取り
付けられたチューブ58を介して真空ポンプ60が連通
接続されており、外カバー44とチューブ58との間に
は、チューブ接続用シール材62が設けられている。
【0027】真空ポンプ60としては、例えば真空機工
株式会社製の型式DA−20Dのポンプを使用すること
が可能であり、この真空ポンプ60によってチューブ5
8を介して気密空間領域Tの真空圧力を例えば100k
Paから5kPa程度まで低圧にすることができる。
【0028】このような構成によれば、外扉50及び内
扉52を閉めた状態において、真空ポンプ60によって
気密空間領域Tを真空(外気よりも低圧)にした後に
は、外扉50と外カバー44との間及び内扉52と内カ
バー46との間並びに外カバー44とチューブ58との
間を介して外部空気が気密空間領域Tに流入するのを防
止することができる。
【0029】なお、外扉50及び内扉52には、夫々、
図示しないロック機構が設けられており、外扉50及び
内扉52を閉めた際の空気漏れ等が防止されている。次
に、本実施の形態の動作について説明する。
【0030】例えば外扉50及び内扉52を開いた後、
試料24をプローブ顕微鏡ユニットのXYステージ22
上にセットする。次に、外扉50及び内扉52を閉めて
ロックさせると、この状態で、外カバー44と内カバー
46との間には、外界からの空気が流入しない気密空間
領域Tが形成される。
【0031】続いて、真空ポンプ60を駆動して気密空
間領域Tの空気を抜く。ここで、外カバー44の幅寸法
を1m、高さ寸法を0.6m、奥行寸法を1mとすると
共に、内カバー46の幅寸法を0.9m、高さ寸法を
0.55m、奥行寸法を0.9mとすると、気密空間領
域Tの容積は、約150リットルとなる。この場合、真
空機工株式会社製の型式DA−20Dのポンプを用いる
と、約1分で気密空間領域Tの圧力を3.32kPa
(大気圧の3%)まで低減することができる。
【0032】そして、気密空間領域Tを目標の圧力(例
えば、3.32kPa)に低減した後は、上述したよう
なSPM測定が外部コントローラ(図示しない)を操作
することにより行われる。
【0033】このSPM測定中において、真空ポンプ6
0の脈動がチューブ58から気密空間領域Tを介して伝
達され、SPM測定データにノイズとなって重畳するよ
うな場合には、例えばチューブ58の途中にバルブ(図
示しない)を取り付けて、このバルブを閉めてから真空
ポンプ60を停止したり、或いは、例えばチューブ58
の途中にアキュムレータ(図示しない)を取り付けて、
真空ポンプ60の脈動に起因した圧力変動を吸収すれば
良い。この結果、真空ポンプ60の脈動の影響を受ける
こと無く、高分解能なSPM測定を行うことができる。
【0034】また、SPM測定中において、外部振動が
外カバー44に伝わった場合、この外部振動は、外カバ
ー44を振動させた後、気密空間領域Tから内カバー4
6を介してシールド機構内に侵入しようとする。
【0035】しかし、気密空間領域Tは、大気圧の3%
程度の低圧(3.32kPa)に引かれており、この気
密空間領域Tの空気密度は、0.03kg/cm3 まで
減少している。
【0036】ここで、音圧Pと空気密度ρとの間には、 P=ρcv c:音速、 v:空気粒子の速度 なる関係があり、音圧Pと空気密度ρとは比例関係にあ
る。
【0037】また、シールド機構のシールド性実験結果
によれば、装置に与えた音圧Pと、この音圧Pに起因す
るノイズ(外部振動)とは比例関係にあることが知られ
ている。
【0038】従って、気密空間領域Tの圧力を大気圧の
3%程度に減圧することによって、外部振動に起因した
ノイズを3%程度に減少させることができる。即ち、第
1の従来技術(音圧を約55%程度に低減させた技術)
に比べて、本実施の形態に適用したシールド機構は、音
圧を約20倍程度低減させることができる。
【0039】また、本実施の形態に適用したシールド機
構によれば、外カバー44及び内カバー46自体も遮音
性を有するため、上記の音圧低減効果を計算値以上に向
上させることができる。
【0040】更に、本実施の形態に適用したシールド機
構において、大気圧100kPaに対する気密空間領域
Tの圧力を3.32kPaに低減した場合、この圧力差
(約97kPa)に対応した圧力で外カバー44及び内
カバー46が圧迫される。従って、外部振動によって外
カバー44及び内カバー46が振動しても、その振動振
幅は、圧力がかかっていない場合に比較して小さくな
る。つまり、外カバー44及び内カバー46が外部振動
に起因して振動しても、その振動振幅は小さくなる。
【0041】また、本実施の形態に適用したシールド機
構によれば、外気に対する気密空間領域Tの空気密度が
小さくしているため、断熱効果を向上させることができ
る。従って、外気温度が変化(気密空間領域Tの温度よ
りも増加又は減少)しても、その外気温度変化は、外気
よりも空気密度の小さい気密空間領域Tによって断熱さ
れるため、シールド機構内に配置された走査型プローブ
顕微鏡は、外気温度変化の影響を受けることは無い。こ
の結果、SPM測定データが、外気温度変化に起因して
ドリフトすることは無い。
【0042】更に、本実施の形態に適用したシールド機
構によれば、プローブ顕微鏡ユニットの周囲及び雰囲気
は、真空に引かれておらず、大気と同一の空間領域を形
成することができるため、従来技術のようなステージを
円滑に摺動させるための潤滑剤の蒸発、光学部品等を固
定するための接着剤の蒸発等が生じることは無い。この
ため、常に円滑なステージ移動を確保することができる
と共に、光学部品の光学的特性を低下させることも無
い。この結果、高分解能なSPM測定を行うことができ
る。
【0043】このように本実施の形態によれば、外界か
らの影響を受けること無く、高分解能な測定を行うこと
が可能な遮音性及び断熱性に優れた走査型プローブ顕微
鏡を提供することができる。
【0044】なお、本発明は、上述した実施の形態の構
成に限定されることは無く、種々変更することが可能で
ある。例えば図2(a)には、第1の変形例に適用した
シールド機構の構成が示されており、このシールド機構
は、プローブ顕微鏡ユニット全体を覆うように組み立て
ることが可能な複数のカバーユニット64から構成され
ている。なお、プローブ顕微鏡ユニットの構成は、図1
と同一であるため、図2(a)中では、省略する。
【0045】これらカバーユニット64は、夫々、中空
気密構造を成しており、各々のカバーユニット64内に
は、気密空間領域Tが形成されている。また、図3
(a)に示すように、各々のカバーユニット64は、チ
ューブ58を介して真空ポンプ60が連通接続させるこ
とができるようになっており、カバーユニット64とチ
ューブ58との間には、チューブ接続用シール材62が
設けられている。
【0046】このような構成によれば、真空ポンプ60
によって各々のカバーユニット64の気密空間領域Tを
真空(外気よりも低圧)にした状態において、図3
(b)に示すように、チューブ58の途中をバンド66
で気密状に締めた後、このバンド66と真空ポンプ60
との間でチューブ58を切断すれば、各々のカバーユニ
ット64の気密空間領域Tを半永久的に真空状態に維持
させることができる。
【0047】そして、このように真空に引かれた気密空
間領域Tを有する各々のカバーユニット64を図2
(a)のように組み立てれば、遮音性及び断熱性に優れ
たシールド機構によってプローブ顕微鏡ユニット全体を
覆うことができる。
【0048】また、プローブ顕微鏡ユニットのメンテナ
ンス(例えば、カンチレバーの取換など)や試料24の
交換等のために、複数のカバーユニット64によって構
成したシールド機構には、気密性に優れた開閉扉68を
設けることが好ましい。
【0049】この開閉扉68は、中空気密構造を成して
おり、その内部には、気密空間領域Tが形成されてい
る。この開閉扉68の気密空間領域Tも各カバーユニッ
ト64の気密空間領域Tと同低圧にすることが好まし
い。
【0050】開閉扉68の気密空間領域Tを真空に引く
方法としては、例えば真空ポンプ60によって開閉扉6
8の気密空間領域Tを真空にした状態において(図3
(a)参照)、チューブ58の途中をバンド66で気密
状に締めた後、このバンド66と真空ポンプ60との間
でチューブ58を切断すれば良い(図3(b)参照)。
また、図示しない真空装置によって気密空間領域Tが予
め真空に引かれた開閉扉68を用意しても良い。
【0051】また、開閉扉68を締めた状態において、
外部空気がプローブ顕微鏡ユニット周囲及び雰囲気に流
入するのを防止するために、開閉扉68とこの開閉扉6
8に隣接する各カバーユニット64との間には、シール
ド部材70を設けることが好ましい。
【0052】また、開閉扉68の開閉機構としては、例
えばヒンジ72を用いることが可能である。この第1の
変形例によれば、開閉扉68の開閉動作に関係無く、常
に、プローブ顕微鏡ユニット全体を覆っている各々のカ
バーユニット64の気密空間領域Tを低圧に保持するこ
とができるため、開閉扉68の開閉毎に各々のカバーユ
ニット64を真空に引く必要が無くなる。この結果、個
々の試料に対するSPM測定準備時間を短くすることが
できる。更に、各々のカバーユニット64が箱構造とな
るため、カバーユニット64全体の剛性が上がり、外部
振動に対して強固なシールド機構を実現することができ
る。
【0053】なお、その他の作用効果は、上述した一実
施の形態と同様であるため、その説明は省略する。ま
た、例えば図2(b)には、第2の変形例に適用したシ
ールド機構の構成が示されており、このシールド機構
は、プローブ顕微鏡ユニット全体を覆うように延出した
1つのカバーユニット64´から構成されている。な
お、プローブ顕微鏡ユニットの構成は、図1と同一であ
るため、図2(b)中では省略する。
【0054】このカバーユニット64´は、上記第1の
変形例に適用した複数のカバーユニット64を一体化し
た形状を成しており、その内部には、1つの気密空間領
域Tが形成されている。また、このカバーユニット64
´には、第1の変形例に適用した開閉扉68が気密状に
開閉自在に取り付けられている。
【0055】また、図3(a)に示すように、カバーユ
ニット64´は、第1の変形例と同様に、チューブ58
を介して真空ポンプ60が連通接続させることができる
ようになっており、カバーユニット64´とチューブ5
8との間には、チューブ接続用シール材62が設けられ
ている。
【0056】この第2の変形例によれば、真空ポンプ6
0によってカバーユニット64´の気密空間領域Tを真
空(外気よりも低圧)にした状態において、図3(b)
に示すように、チューブ58の途中をバンド66で気密
状に締めた後、このバンド66と真空ポンプ60との間
でチューブ58を切断すれば、カバーユニット64´の
気密空間領域Tを半永久的に真空状態に維持させること
ができる。
【0057】そして、このように真空に引かれた気密空
間領域Tを有するカバーユニット64´を図2(b)の
ように配置すれば、遮音性及び断熱性に優れたシールド
機構によってプローブ顕微鏡ユニット全体を覆うことが
できる。
【0058】なお、この第2の変形例の作用効果は、第
1の変形例と同様であるため、その説明は省略する。ま
た、例えば図4には、第3の変形例に適用したシールド
機構の構成が示されている。このシールド機構は、上述
した一実施の形態に適用した外カバー44及び内カバー
46に加えて、内カバー46の内側に配置され且つプロ
ーブ顕微鏡ユニット全体を覆うように定盤38上に取付
可能な最内カバー74を備えている。なお、プローブ顕
微鏡ユニットの構成は、図1と同一であるため、図4中
では省略する。
【0059】最内カバー74は、シール材48を介して
定盤38上に取り付けられており、最内カバー74と内
カバー46との間には、外界からの空気が流入しない気
密空間領域Tが形成されている。
【0060】最内カバー74は、外カバー44及び内カ
バー46と同様に、面密度の高い材質(例えば、鉄やス
テンレス等の金属)で形成することが好ましい。また、
最内カバー74には、プローブ顕微鏡ユニットのメンテ
ナンス(例えば、カンチレバーの取換など)や試料24
の交換等のために、最内扉76が開閉自在に取り付けら
れており、最内扉76と最内カバー74との間には、最
内扉用シール材78が設けられている。
【0061】最内カバー74と内カバー46との間の形
成された気密空間領域Tには、内カバー44に取り付け
られたチューブ58を介して真空ポンプ60が連通接続
されており、内カバー44とチューブ58との間には、
チューブ接続用シール材80が設けられている。
【0062】このような構成によれば、外扉50及び内
扉52並びに最内扉76を閉めた状態において、真空ポ
ンプ60によって2つの気密空間領域Tを真空(外気よ
りも低圧)にした後には、外扉50と外カバー44との
間及び内扉52と内カバー46との間並びに外カバー4
4とチューブ58との間、最内扉76と最内カバー74
との間及び内カバー46とチューブ58との間を介して
外部空気が2つの気密空間領域Tに流入するのを防止す
ることができる。
【0063】なお、その他の構成は、上述した一実施の
形態と同様であるため、その説明は省略する。この第3
の変形例によれば、遮音性を有するカバー44,46,
74の数を増やして、低圧の気密空間領域Tを2重(即
ち、上述した一実施の形態に比べて2倍)にしたことに
よって、シールド機構の遮音性及び断熱性を2倍に向上
させることが可能となる。
【0064】また、上述した変形例では、気密空間領域
Tを2重にしたが、これに限定されることは無く、3
重、4重及びそれ以上に増やすことが可能であり、気密
空間領域Tを増やすことによって、シールド機構の遮音
性及び断熱性を更に向上させることができる。
【0065】また、このような遮音性及び断熱性の向上
は、例えば図2(a),(b)に示されたカバーユニッ
ト64,64´を複数層に重ねることによっても実現す
ることができる。
【0066】なお、その他の作用効果は、上述した一実
施の形態と同様であるため、その説明を省略する。ま
た、例えば図5には、第4の変形例に適用した除振機構
の構成が示されている。上述した実施の形態及び第1〜
第3の変形例では、気密空間領域Tを介してプローブ顕
微鏡ユニットに伝搬される外部振動を除去する点に着目
した実施の形態を記載した。しかしながら、外部振動
は、外カバー44及び内カバー46を少なからず振動さ
せるため、シール材48を介して定盤38を振動させる
可能性がある。従って、定盤38の振動は、即ち、外部
振動であり、プローブ顕微鏡ユニットに影響を与える。
【0067】そこで、図5に示された除振機構には、プ
ローブ顕微鏡ユニットを載置可能な第2の定盤90と、
この第2の定盤90を定盤38上に支持すると共にプロ
ーブ顕微鏡ユニットに定盤38からの外部振動が伝わる
のを除去する第2の除振台92とを更に備えている。こ
の第2の除振台92としては、例えば、エアスプリン
グ、ゴム(樹脂)、機械的バネに代表されるような弾性
体(弾性部材、弾性機構など)を用いることが効果的で
ある。
【0068】なお、他の構成は、上述した一実施の形態
(図1参照)と同様であるため、その説明は省略する。
このような構成によれば、気密空間領域Tを介してプロ
ーブ顕微鏡ユニットに伝搬される外部振動及び定盤38
からの外部振動を除去することができるため、より効果
的に外部振動が除去され、外界からの影響を受け難い高
分解能な測定を行うことが可能な走査型プローブ顕微鏡
を実現することができる。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、外界からの影響を受け
ること無く、高分解能な測定を行うことが可能な走査型
プローブ顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る走査型プローブ顕
微鏡に適用したシールド装置の構成を概略的に示す図。
【図2】(a)は、本発明の第1の変形例に適用したシ
ールド機構の構成を概略的に示す図、(b)は、本発明
の第2の変形例に適用したシールド機構の構成を概略的
に示す図。
【図3】(a)は、第1及び第2の変形例に適用したシ
ールド機構の気密空間領域を真空に引くための構成を示
す斜視図、(b)は、気密空間領域を真空に引いた後に
バンドで気密状に締めている状態を示す斜視図。
【図4】本発明の第3の変形例に適用したシールド機構
の構成を概略的に示す図。
【図5】本発明の第4の変形例に適用した除振機構の構
成を概略的に示す図。
【図6】(a)は、第1の従来技術に適用したシールド
装置の構成を概略的に示す図、(b)は、第2の従来技
術に適用したシールド装置の構成を概略的に示す図。
【符号の説明】 24 試料 26 カンチレバー 30 スキャナ T 気密空間領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カンチレバー及びカンチレバーと試料と
    を相対的に走査させるスキャナを有するプローブ顕微鏡
    ユニットと、 プローブ顕微鏡ユニットを支持可能であって且つこのプ
    ローブ顕微鏡ユニットに外部振動が伝わるのを除去する
    除振機構と、 この除振機構に支持されたプローブ顕微鏡ユニットを外
    界からシールドするシールド機構とを備えており、 このシールド機構には、外気圧よりも低い圧力に引かれ
    た気密空間領域が形成されていることを特徴とする走査
    型プローブ顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記シールド機構には、遮音性を有する
    複数のカバー部材によって区画された1つの気密空間領
    域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    走査型プローブ顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記シールド機構には、遮音性を有する
    複数のカバー部材によって区画された複数の気密空間領
    域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    走査型プローブ顕微鏡。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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