JPH11269677A - ステンレスの酸洗処理方法 - Google Patents
ステンレスの酸洗処理方法Info
- Publication number
- JPH11269677A JPH11269677A JP7737198A JP7737198A JPH11269677A JP H11269677 A JPH11269677 A JP H11269677A JP 7737198 A JP7737198 A JP 7737198A JP 7737198 A JP7737198 A JP 7737198A JP H11269677 A JPH11269677 A JP H11269677A
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- Japan
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- stainless steel
- acid
- hydrogen peroxide
- pickling
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- Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 公害面などで問題となっている硝酸、弗酸を
使用しないステンレス鋼の酸洗処理液を提供する。 【解決手段】 ステンレス綱の酸洗に際し、（１）ステ
ンレス綱を塩化第２鉄で処理する工程、（２）処理され
たステンレス綱を過酸化水素及び無機酸を含有する溶液
で処理する工程、からなるステンレス鋼の酸洗処理方
法。
使用しないステンレス鋼の酸洗処理液を提供する。 【解決手段】 ステンレス綱の酸洗に際し、（１）ステ
ンレス綱を塩化第２鉄で処理する工程、（２）処理され
たステンレス綱を過酸化水素及び無機酸を含有する溶液
で処理する工程、からなるステンレス鋼の酸洗処理方
法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸洗液により所定
の酸洗速度で適切な表面仕上がりを得るためのステンレ
ス綱の酸洗方法に関する。
の酸洗速度で適切な表面仕上がりを得るためのステンレ
ス綱の酸洗方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来からステンレス鋼の酸洗は、一般に
フッ酸及び硝酸の混酸を使用することで行われてきた。
しかし、硝酸を用いることは、環境面、公害面で大きな
問題が生じている。すなわち、酸洗時のＮＯｘガスの発
生、高濃度の硝酸イオンを含む処理廃液による海域の汚
染等が深刻な問題となっている。このような問題に対応
するため、廃液からの硝酸イオンの除去が必要になって
いる。しかしその技術は、大きな処理設備が必要である
上、ランニングコスト面での負担も多く実施が極めて困
難な状況に有る。また、弗酸を用いることも、作業上の
危険性、環境面、公害面から好ましくない。
フッ酸及び硝酸の混酸を使用することで行われてきた。
しかし、硝酸を用いることは、環境面、公害面で大きな
問題が生じている。すなわち、酸洗時のＮＯｘガスの発
生、高濃度の硝酸イオンを含む処理廃液による海域の汚
染等が深刻な問題となっている。このような問題に対応
するため、廃液からの硝酸イオンの除去が必要になって
いる。しかしその技術は、大きな処理設備が必要である
上、ランニングコスト面での負担も多く実施が極めて困
難な状況に有る。また、弗酸を用いることも、作業上の
危険性、環境面、公害面から好ましくない。
【０００３】かかる状況下、硝酸および弗酸を使用しな
い酸洗浴が強く求められている。例えば特公昭４３−５
２０１号公報、特開昭５０−７１５２４号公報、特開昭
５０−７４５２９号公報には、塩化第二鉄−塩酸からな
るステンレス鋼の酸洗方法が開示されている。このよう
に、ステンレス鋼を塩化第二鉄−塩酸からなる溶液で酸
洗する処方については多数の報告がなされており、この
方法は硝酸や弗酸を使用しない有効な処方である。ま
た、特開平４−１０７２７９号公報には、ステンレス鋼
を塩化第二鉄溶液でエッチングする場合、溶解加工面に
腐食生成物が付着するという記載がある。
い酸洗浴が強く求められている。例えば特公昭４３−５
２０１号公報、特開昭５０−７１５２４号公報、特開昭
５０−７４５２９号公報には、塩化第二鉄−塩酸からな
るステンレス鋼の酸洗方法が開示されている。このよう
に、ステンレス鋼を塩化第二鉄−塩酸からなる溶液で酸
洗する処方については多数の報告がなされており、この
方法は硝酸や弗酸を使用しない有効な処方である。ま
た、特開平４−１０７２７９号公報には、ステンレス鋼
を塩化第二鉄溶液でエッチングする場合、溶解加工面に
腐食生成物が付着するという記載がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】このように、ステンレ
ス綱のエッチングに用いられている塩化第二鉄は、溶解
加工面に腐食生成物が付着し、加工面の汚れを発生させ
るという難点があり、本発明は、かかる難点を排除し得
るステンレス綱の酸洗処理方法を提供することである。
ス綱のエッチングに用いられている塩化第二鉄は、溶解
加工面に腐食生成物が付着し、加工面の汚れを発生させ
るという難点があり、本発明は、かかる難点を排除し得
るステンレス綱の酸洗処理方法を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩化第二
鉄−塩酸の浴によるステンレス鋼の酸洗において、ステ
ンレス鋼の表面に発生する腐食生成物の除去方法につい
て鋭意検討した結果、過酸化水素と無機酸からなる溶液
に浸漬する事によって容易に腐食生成物を除去すること
が可能であることを見いだした。すなわち本発明は、ス
テンレス綱の酸洗に際し、（１）ステンレス綱を塩化第
２鉄で処理する工程、（２）処理されたステンレス綱を
過酸化水素及び無機酸を含有する溶液で処理する工程、
からなるステンレス鋼の酸洗処理方法に関するものであ
る。
鉄−塩酸の浴によるステンレス鋼の酸洗において、ステ
ンレス鋼の表面に発生する腐食生成物の除去方法につい
て鋭意検討した結果、過酸化水素と無機酸からなる溶液
に浸漬する事によって容易に腐食生成物を除去すること
が可能であることを見いだした。すなわち本発明は、ス
テンレス綱の酸洗に際し、（１）ステンレス綱を塩化第
２鉄で処理する工程、（２）処理されたステンレス綱を
過酸化水素及び無機酸を含有する溶液で処理する工程、
からなるステンレス鋼の酸洗処理方法に関するものであ
る。
【０００６】
【発明の実施の形態】第一段階としての塩化第二鉄処理
は、所定の溶解速度でステンレス鋼を溶解できる条件に
設定する。例えば、ＳＵＳ３０４鋼を処理する場合、塩
化第二鉄３０〜４５重量％、処理温度４０〜７０℃とす
れば、十分な溶解量が得られる。
は、所定の溶解速度でステンレス鋼を溶解できる条件に
設定する。例えば、ＳＵＳ３０４鋼を処理する場合、塩
化第二鉄３０〜４５重量％、処理温度４０〜７０℃とす
れば、十分な溶解量が得られる。
【０００７】所定量溶解されたＳＵＳ３０４鋼は、表面
に腐食生成物が発生している。第二段階では、この腐食
生成物が発生したＳＵＳ３０４鋼を過酸化水素及び無機
酸からなる溶液で処理する。無機酸は、塩酸、硫酸又は
硝酸が好ましい。ここで用いる溶液は、過酸化水素０．
１〜３重量％を含有し、かつ無機酸０．１〜５重量％を
含有すればよい。
に腐食生成物が発生している。第二段階では、この腐食
生成物が発生したＳＵＳ３０４鋼を過酸化水素及び無機
酸からなる溶液で処理する。無機酸は、塩酸、硫酸又は
硝酸が好ましい。ここで用いる溶液は、過酸化水素０．
１〜３重量％を含有し、かつ無機酸０．１〜５重量％を
含有すればよい。
【０００８】腐食生成物除去のための処理を行うことに
よって、ＳＵＳ３０４鋼の腐食生成物以外の金属が溶解
するのを防ぐために、無機酸の濃度は腐食生成物を除去
しうる最低限の濃度とすることが好ましい。また、過酸
化水素濃度も、自己分解による消費量を低減させるため
に、無機酸と同様に最低限の濃度とすることが好まし
い。すなわち腐食生成物除去対象となるステンレス鋼の
テストサンプルであらかじめ所望の腐食生成物除去が行
える濃度を求めておき、腐食生成物除去を行う場合その
求めた濃度を保ちながら腐食生成物除去処理を行う。
よって、ＳＵＳ３０４鋼の腐食生成物以外の金属が溶解
するのを防ぐために、無機酸の濃度は腐食生成物を除去
しうる最低限の濃度とすることが好ましい。また、過酸
化水素濃度も、自己分解による消費量を低減させるため
に、無機酸と同様に最低限の濃度とすることが好まし
い。すなわち腐食生成物除去対象となるステンレス鋼の
テストサンプルであらかじめ所望の腐食生成物除去が行
える濃度を求めておき、腐食生成物除去を行う場合その
求めた濃度を保ちながら腐食生成物除去処理を行う。
【０００９】腐食生成物除去手順は、所定の濃度の過酸
化水素と無機酸との溶液を調整し、腐食生成物の発生し
たステンレス鋼にスプレーノズル等を使用して噴射する
か、エアレーションやポンプ循環を併用した浸漬法等所
望の方法を適宜選択すればよい。処理温度は、１０〜６
０℃が好ましい。処理温度が高いほど腐食生成物除去時
間は短縮されるが、過酸化水素の自己分解を抑制する点
から、処理温度は低い方が有利であり、室温で処理して
も十分な腐食生成物除去が行える。
化水素と無機酸との溶液を調整し、腐食生成物の発生し
たステンレス鋼にスプレーノズル等を使用して噴射する
か、エアレーションやポンプ循環を併用した浸漬法等所
望の方法を適宜選択すればよい。処理温度は、１０〜６
０℃が好ましい。処理温度が高いほど腐食生成物除去時
間は短縮されるが、過酸化水素の自己分解を抑制する点
から、処理温度は低い方が有利であり、室温で処理して
も十分な腐食生成物除去が行える。
【００１０】本発明に使用する過酸化水素は任意の濃度
の水溶液が使用できるが３５重量％あるいは６０重量％
のものが工業薬品として入手できることから好ましい。
また、無機酸としての塩酸、硫酸、硝酸も任意の濃度の
水溶液が使用できるが、それぞれ３５重量％、９５重量
％、６５重量％のものが工業用薬品として入手できるこ
とから好ましい。
の水溶液が使用できるが３５重量％あるいは６０重量％
のものが工業薬品として入手できることから好ましい。
また、無機酸としての塩酸、硫酸、硝酸も任意の濃度の
水溶液が使用できるが、それぞれ３５重量％、９５重量
％、６５重量％のものが工業用薬品として入手できるこ
とから好ましい。
【００１１】本発明の方法は、ステンレスの鋼種及び製
造履歴に関係なく適用できる。例えば鋼種としてオース
テナイト系及びフェライト系そして熱延鋼板にも冷延鋼
板にも適用できる。
造履歴に関係なく適用できる。例えば鋼種としてオース
テナイト系及びフェライト系そして熱延鋼板にも冷延鋼
板にも適用できる。
【００１２】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明は実施例によって制限されるものでない。
るが、本発明は実施例によって制限されるものでない。
【００１３】オーステナイト系ステンレス鋼ＳＵＳ３０
４およびフェライト系ステンレス鋼ＳＵＳ４３０のテス
トピース（５０×３０×０．８ｍｍ）を３０〜４５重量
％の塩化第二鉄溶液に５０〜６０℃で浸漬処理し、約２
０μｍの溶解量を得た。いずれのステンレス鋼も、処理
後の表面は、真っ黒な腐食生成物に覆われていた。腐食
生成物除去条件は、過酸化水素の濃度や無機酸の濃度、
処理時間、処理温度を適宜選択した。処理結果を第１表
に示す。無機酸単独では、いずれの条件でも腐食生成物
は除去できないが、過酸化水素と無機酸との混合溶液で
処理した場合は、腐食生成物は除去され適度な光沢を有
する表面が得られた。
４およびフェライト系ステンレス鋼ＳＵＳ４３０のテス
トピース（５０×３０×０．８ｍｍ）を３０〜４５重量
％の塩化第二鉄溶液に５０〜６０℃で浸漬処理し、約２
０μｍの溶解量を得た。いずれのステンレス鋼も、処理
後の表面は、真っ黒な腐食生成物に覆われていた。腐食
生成物除去条件は、過酸化水素の濃度や無機酸の濃度、
処理時間、処理温度を適宜選択した。処理結果を第１表
に示す。無機酸単独では、いずれの条件でも腐食生成物
は除去できないが、過酸化水素と無機酸との混合溶液で
処理した場合は、腐食生成物は除去され適度な光沢を有
する表面が得られた。
【００１４】
【発明の効果】本発明によれば、塩化第二鉄処理後に発
生するステンレス鋼表面の腐食生成物を容易に除去で
き、きれいな仕上がり面を得ることができる。
生するステンレス鋼表面の腐食生成物を容易に除去で
き、きれいな仕上がり面を得ることができる。
【００１５】
【表１】
Claims (3)
- 【請求項１】 ステンレス綱の酸洗に際し、（１）ステ
ンレス綱を塩化第２鉄で処理する工程、（２）処理され
たステンレス綱を過酸化水素及び無機酸を含有する溶液
で処理する工程、からなるステンレス鋼の酸洗処理方
法。 - 【請求項２】 無機酸が塩酸、硫酸又は硝酸である請求
項１記載のステンレス鋼の酸洗処理方法。 - 【請求項３】 溶液が過酸化水素０．１〜３重量％及び
無機酸０．１〜５重量％を含有する請求項１記載のステ
ンレス鋼の酸洗処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7737198A JPH11269677A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ステンレスの酸洗処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7737198A JPH11269677A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ステンレスの酸洗処理方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11269677A true JPH11269677A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13632051
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7737198A Pending JPH11269677A (ja) | 1998-03-25 | 1998-03-25 | ステンレスの酸洗処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11269677A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6645306B2 (en) * | 2001-04-09 | 2003-11-11 | Ak Steel Corporation | Hydrogen peroxide pickling scheme for stainless steel grades |
| CN105256322A (zh) * | 2015-11-02 | 2016-01-20 | 常熟风范电力设备股份有限公司 | 一种钢结构钝化处理前的酸洗方法 |
-
1998
- 1998-03-25 JP JP7737198A patent/JPH11269677A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6645306B2 (en) * | 2001-04-09 | 2003-11-11 | Ak Steel Corporation | Hydrogen peroxide pickling scheme for stainless steel grades |
| CN105256322A (zh) * | 2015-11-02 | 2016-01-20 | 常熟风范电力设备股份有限公司 | 一种钢结构钝化处理前的酸洗方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050202 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050915 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051005 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060215 |