JPH11258055A - サーモパイル型温度センサ - Google Patents

サーモパイル型温度センサ

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JPH11258055A
JPH11258055A JP10083024A JP8302498A JPH11258055A JP H11258055 A JPH11258055 A JP H11258055A JP 10083024 A JP10083024 A JP 10083024A JP 8302498 A JP8302498 A JP 8302498A JP H11258055 A JPH11258055 A JP H11258055A
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JP
Japan
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thermopile
thermistor
thin film
sensor
temperature sensor
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Application number
JP10083024A
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Inventor
Masayoshi Higuchi
誠良 樋口
Mikifumi Danno
幹史 團野
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度計測用のサーモパイルとサーミスタのよ
うな温度計測素子とを有するサーモパイル型温度センサ
の小型化を図り、また冷接点温度を赤外線の影響を受け
ることなく正確に計測できるようにする。 【解決手段】 ヒートシンク2の上面にサーモパイル9
を形成し、ヒートシンク2の下面に薄膜サーミスタ13
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非接触で対象物の
温度を計測するためのサーモパイル型温度センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱電対に発生する起電力を利
用したサーモパイル型温度センサが用いられている。サ
ーモパイル型温度センサは、2種類の異種金属又は半導
体を接合した熱電対を直列に接続してサーモパイルを形
成し、サーモーパイルの温接点を絶縁薄膜のような熱容
量の小さな部材上に配置し、サーモパイルの冷接点をヒ
ートシンクのような熱容量の大きな部材上に配置し、温
接点を赤外線吸収体によって覆ったものである。そし
て、測定対象物から放出された赤外線が温接点上に形成
された赤外線吸収体に吸収されて熱に変換されると、冷
接点と温接点に温度差が生じることでサーモパイルの両
端に形成された電極間に起電力が生じるので、この起電
力を計測することによって対象物の温度を測定する。す
なわち、サーモパイルの温接点又は冷接点の温度がTの
時そこに生じる熱起電力がφ(T)で表されるとする
と、温接点の温度がTw、冷接点の温度がTcであると
き、m個の温接点とm個の冷接点を有するサーモパイル
の両端間には、次の(1)式で表される起電力Vが発生す
る。 V=m[φ(Tw)−φ(Tc)] …(1) 従って、ヒートシンクの温度Tcが既知であるとする
と、サーモパイルに発生する起電力Vを測定することで
測定対象物の温度Twを非接触で計測することができ
る。
【0003】このような原理のサーモパイル型温度セン
サで検出できるのは、温接点と冷接点の間の温度差のみ
であるから、温接点の温度を決めるためには基準となる
冷接点の温度を別途測定する必要がある。冷接点の温度
を求めるためには主としてサーミスタが用いられてお
り、サーミスタを実装基板等の上でサーモパイル型温度
センサの近辺に実装し、サーミスタの温度を冷接点温度
として検出していた。
【0004】しかしながら、このようにサーモパイル型
温度センサの付近にサーミスタを実装したものでは、サ
ーミスタが、実装基板上で僅かではあるがサーモパイル
型温度センサから離れた位置に存在しているため、冷接
点の温度でなく温度センサを実装する実装基板の温度を
検出してしまい、正確な冷接点の検出が困難であった。
【0005】さらに、実装基板上では、サーモパイル型
温度センサとサーミスタの各実装面積が必要であるた
め、サーモパイル型温度センサとサーミスタを実装する
ための全体としての必要面積が増大し、サーモパイル型
温度センサとサーミスタからなる温度検出器の小型化が
困難であった。そのため、細い管の内部に温度センサを
差し込んで管内部の温度を検出したい場合、管内の奥ま
で温度センサを差し込めず、正確な測定ができないとい
う問題があった。例えば、耳式体温計として用いる場合
には、温度センサを小型化しないと、一番正確な体温を
検出できる鼓膜付近まで温度センサを入れることができ
ず、正確な体温を計測することができない。
【0006】そこで、特開平5−90649号公報に開
示されているサーモパイル型温度センサ(サーモパイル
型赤外線センサ)では、サーモパイル型温度センサのチ
ップ表面にサーミスタを一体に設けている。この従来例
では、サーミスタをサーモパイル型温度センサのチップ
表面に設けているので、サーミスタと冷接点とを接近さ
せることができ、サーミスタの検出温度と冷接点の温度
との誤差は小さくなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来例で
は、サーモパイルと同一面上にサーミスタが形成されて
いるので、例えば赤外線が温接点に照射された時、同時
にサーミスタや冷接点にも赤外線が照射されることがあ
る。冷接点はシリコン基板上に形成されており、シリコ
ンは赤外線を透過するので、冷接点は赤外線照射による
影響を受けにくい。これに対し、サーミスタは赤外線を
浴びると温度変化を発生する。このため、サーミスタに
赤外線が照射されると、正確に冷接点の温度を測定でき
なくなり、温度センサの計測精度や信頼性に問題があっ
た。
【0008】また、この従来例では、サーミスタをサー
モパイル型温度センサのチップ表面に形成しているの
で、サーモパイル型温度センサとサーミスタからなる全
体のサイズを幾分か小さくすることができたかに思え
る。しかし、サーモパイルの占める領域とサーミスタの
占める領域が同一平面上に存在しているため、素子2個
分の面積が必要となり、結果としては大幅な小型化には
結び付かなかった。従って、外耳道のような細い管内に
奥まで挿入できるような小型のサーモパイル型温度セン
サを製作することができなかった。
【0009】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、温度計測用
のサーモパイルとサーミスタのような温度計測素子とを
有するサーモパイル型温度センサの小型化を図ることに
ある。また、本発明の別な目的は、冷接点温度を赤外線
の影響を受けることなく正確に計測できるようにするこ
とにある。
【0010】
【発明の開示】請求項1に記載のサーモパイル型温度セ
ンサは、温接点と冷接点を有するサーモパイルをセンサ
基板上に形成されたサーモパイル型温度センサにおい
て、センサ基板の、サーモパイルが形成されている面と
反対面に、サーミスタのような温度計測素子を設けたこ
とを特徴としている。
【0011】請求項2に記載のサーモパイル型温度セン
サは、温接点と冷接点を有するサーモパイルを形成され
たセンサ基板が、サーモパイルを形成されている面と反
対側の面をサーミスタのような温度計測素子の上に載置
され、一体化されていることを特徴としている。
【0012】請求項1及び請求項2に記載したサーモパ
イル型温度センサは、サーミスタのような温度計測素子
とサーモパイルとが積層された構造となっているので、
温接点と冷接点の間の温度差を計測するためのサーモパ
イルと冷接点の温度を計測するための温度計測素子を備
えたサーモパイル型温度センサを小型化することができ
る。従って、センサ基板の元になる1枚の親基板(半導
体ウエハなど)から得ることができるセンサ数が多くな
り、サーモパイル型温度センサを低コスト化することが
できる。
【0013】また、サーモパイル型温度センサを小型化
することができるので、細い管や孔などの奥までサーモ
パイル型温度センサを挿入することができ、例えば耳式
温度計に用いる場合には、外耳道内の奥深く(鼓膜の近
く)まで入れることが可能になり、正確に温度(体温)
測定をすることができる。
【0014】さらに、サーモパイルと温度計測素子とが
互いにセンサ基板の反対面に設けられているので、サー
モパイル側に赤外線が照射されても、温度計測素子はセ
ンサ基板の裏側にあって赤外線の影響を受けにくく、冷
接点の温度を正確に計測することができる。よって、温
接点側で計測している対象物の温度も精度良く計測する
ことができる。
【0015】もし、赤外線がサーモパイル側からセンサ
基板を透過して多少でも温度計測素子に届く恐れがある
場合には、サーモパイルと温度計測素子の中間に赤外線
遮断層を設ければ、温度計測素子における赤外線の影響
を排除することができ、より計測精度を向上させること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1及び図2
は本発明の一実施形態によるサーモパイル型温度センサ
1のセンサ取付基板16への実装前と実装後の状態を示
す断面図である。図1に示すように、シリコン基板から
なるヒートシンク(センサ基板)2の上面中央部には、
皿状ないし擦り鉢状をした凹部3が形成されており、凹
部3の上面には電気的な絶縁性を有する温接点支持膜
(絶縁薄膜)4が平面状に張られている。温接点支持膜
4は、Si02やSiNなどによって形成されており、
熱容量を小さくするため数ミクロンの厚みにしている。
なお、図には示していないが、温接点支持膜4の一部に
は、シリコン基板をエッチングして凹部3を形成するす
るために用いた微小な孔もしくはスリットがあいてい
る。
【0017】ヒートシンク2の上面と温接点支持膜4の
上面の間には、図3に示すように、第1熱電材料5と第
2熱電材料6が交互に配線されており、ヒートシンク2
上面で第1及び第2熱電材料5,6を接合させて熱電対
の冷接点7を設け、温接点支持膜4上面で第1及び第2
熱電材料5,6を接合させて熱電対の温接点8を設け、
これによって熱電対が直列に接続された温度計測用のサ
ーモパイル9を形成している。また、サーモパイル9の
両端には、それぞれ電極10が設けられている。なお、
温接点8の上は赤外線吸収体により覆ってもよい。従っ
て、温接点8に赤外線が照射されると、温接点8に熱起
電力が発生し、サーモパイル9の両端の電極10からは
温接点8と冷接点7との温度差に応じた起電力が出力さ
れる。
【0018】ヒートシンク2の下面全面には、アルミニ
ウム薄膜11を形成してあり、アルミニウム薄膜11は
絶縁薄膜12で全体を覆われている。なお、赤外線遮断
層としては、アルミニウム薄膜11以外の金属薄膜や多
層反射膜を用いてもよいが、安価なアルミニウム薄膜1
1が好ましい。この絶縁薄膜12の表面には、図4に示
すような薄膜サーミスタ13が形成されており、薄膜サ
ーミスタ13の両端には引出し配線14,15が設けら
れている。ヒートシンク2は熱容量が大きいので、温度
変化が小さく、冷接点7とヒートシンク2の温度は等し
い。従って、薄膜サーミスタ13によりヒートシンク2
の温度を測定することにより、冷接点7の温度を計測す
ることができる。
【0019】サーモパイル型温度センサ1を実装するた
めのセンサ取付基板16の上面には、図1及び図5に示
すように、薄膜サーミスタ13と対向する領域が一段低
くなっていて凹所17が形成されており、その両側に薄
膜サーミスタ13の引出し配線14,15と接続するた
めの配線パターン18が形成されている。しかして、図
2に示すように、サーモパイル型温度センサ1をセンサ
取付基板16上に載置し、薄膜サーミスタ13の引出し
配線14,15を導電性接着剤19でセンサ取付基板1
6の配線パターン18にダイボンドすることにより、サ
ーモパイル型温度センサ1をセンサ取付基板16に固定
すると共に薄膜サーミスタ13の引出し配線14,15
と配線パターン18とを電気的に接続される。
【0020】さらに、サーモパイル9の両電極10にボ
ンディングワイヤ(図示せず)を結線してサーモパイル
9の出力(温度変化)をセンサ取付基板16上へ、ある
いはセンサ取付基板16外へ取り出すことができるよう
にし、センサ取付基板16の配線パターン18から出力
回路に配線をつなぐことで薄膜サーミスタ13の出力
(冷接点7の温度)を取り出すことができる。
【0021】このサーモパイル型温度センサ1は、上記
のような構造を有しているから、次のような特徴があ
る。ヒートシンク2のサーモパイル形成面と対向する面
に薄膜サーミスタ13を形成しているので、サーモパイ
ル9と同程度の占有面積でサーモパイル9及び薄膜サー
ミスタ13を配置することができ、サーモパイル型温度
センサ1のチップサイズを非常に小さくすることができ
る。特に、耳式体温計として用いる場合には、サーモパ
イル型温度センサ1を小型化することにより、一番正確
な体温が検出できる鼓膜付近まで温度センサ1を入れる
ことができ、正確に体温を図ることができる。さらに、
チップサイズを小さくすることができるので、1枚のシ
リコンウエハから得ることのできるチップ個数が増加
し、温度センサ1のコストを安価にすることができる。
【0022】また、薄膜サーミスタ13はサーモパイル
9と反対側の面に設けられているので、サーモパイル9
に赤外線が照射されても、ヒートシンク2が赤外線を通
さない場合にはヒートシンク2や温接点支持膜4によっ
て赤外線が遮断され、ヒートシンク2が赤外線に対して
透明である場合には、この実施形態のようにアルミニウ
ム薄膜11を設けることによって赤外線を遮断すること
ができる。従って、薄膜サーミスタ13は赤外線の影響
を全く受けることなく、正確に冷接点7の温度を検出す
ることができ、サーモパイル型温度センサ1の温度計測
精度も向上する。
【0023】さらに、センサ取付基板16の上面には、
凹所17を設けて薄膜サーミスタ13とセンサ取付基板
16とが接触しないようにしているので、センサ取付基
板16に万一温度変化が起きても薄膜サーミスタ13は
センサ取付基板16に影響されることなく、冷接点7温
度を正確に検出できる。
【0024】また、ヒートシンク2下面の温度計測素子
として薄膜サーミスタ13を用いているので、サーモパ
イル9を形成するヒートシンク2とほぼ等しい体積でサ
ーモパイル型温度センサ1を製作することが可能にな
る。つまり、冷接点7の温度を計測するための素子をヒ
ートシンク2に一体化してもサーモパイル型温度センサ
1が大きくならず、小型で、かつ測定精度の高いサーモ
パイル型温度センサ1が得られる。
【0025】また、サーモパイル型温度センサ1をセン
サ取付基板16に実装する際、導電性接着剤19を用い
れば、サーモパイル型温度センサ1のセンサ取付基板1
6への固定と薄膜サーミスタ13と配線パターン18と
の電気的接続とを同時に行うことができ、作業工程を削
減できる。
【0026】つぎに、上記サーモパイル型温度センサ1
の製造プロセスを図6(a)〜(g)により説明する。
まず、ヒートシンク2となるシリコン基板20の裏面に
アルミニウムをスパッタリングし、アルミニウム薄膜1
1を形成する[図6(a)]。ついで、CVD装置など
によりシリコン基板20の両面にシリコン酸化膜やシリ
コン窒化膜等の絶縁薄膜4a,12を堆積させ[図6
(b)]、絶縁薄膜12の上に薄膜サーミスタ13とそ
の引出し配線14,15を形成し、パターニングする
[図6(c)]。この後、シリコン基板20の表面に異
種金属、例えばポリシリコン(第1熱電材料5)とアル
ミニウム(第2熱電材料6)等を直列に接続して温接点
8と冷接点7を有するサーモパイル9を形成する[図6
(d)]。さらに、シリコン基板20の両面にCVD装
置などにより酸化膜を堆積させて、表裏両面を酸化膜2
1で覆った[図6(e)]後、シリコン基板20表面
の、サーモパイル9下の領域をウエットエッチングによ
り一部除去する[図6(f)]。このとき、図では省略
してあるが、表面の絶縁薄膜4aには微小な孔やスリッ
ト等を開口してあり、その隙間からエッチング液がシリ
コン基板20に接触し、シリコン基板20に凹部3がエ
ッチングされ、その上に絶縁膜4aの一部からなる温接
点支持膜4が形成される。最後に、基板表面に堆積して
いる酸化膜21をフッ酸等でウエットエッチング除去す
ると、サーモパイル型温度センサ1が完成する[図6
(g)]。
【0027】(第2の実施形態)図7及び図8は本発明
の別な実施形態によるサーモパイル型温度センサ31の
センサ取付基板16への実装前と実装後の状態を示す断
面図である。このサーモパイル型温度センサ31は、薄
膜サーミスタ13の一方の引出し配線15がヒートシン
ク2を介してその上面のサーミスタ用パッド(ワイヤボ
ンディング用パッド)32と導通している点が特徴であ
る。
【0028】このためには、まず一方の引出し配線15
をヒートシンク2と電気的に接続する必要がある。すな
わち、ヒートシンク2と薄膜サーミスタ13の一方の引
出し配線15とは、つぎのようにして電気的に導通させ
ている。例えばヒートシンク2となるシリコン基板とし
てn型のものを使用する場合には、シリコン基板(ヒー
トシンク2)の裏面にリン(P)をドープしてn+層を
形成しておく。このn+層の上にアルミニウム薄膜11
を形成した後、熱処理によりシリコン基板とアルミニウ
ム薄膜11をオーミック接続させる。また、アルミニウ
ム薄膜11の上に形成された絶縁薄膜12に薄膜サーミ
スタ13及び引出し配線(アルミニウム電極)14,1
5を形成する際、一方の引出し配線15の位置で絶縁薄
膜12に窓を開口しておくことにより、薄膜サーミスタ
13の一方の引出し配線15をアルミニウム薄膜11に
接続する。これによって、薄膜サーミスタ13の一方の
引出し配線15がヒートシンク2と電気的に導通させら
れる。
【0029】一方、ヒートシンク2の上面に形成された
絶縁薄膜4aを開口し、その上にサーミスタ用パッド3
2を設け、熱処理によりサーミスタ用パッド32とヒー
トシンク2をオーミック接合させる。こうして、ヒート
シンク2の下面に形成された薄膜サーミスタ13の一方
の引出し配線15は、ヒートシンク2上面のサーミスタ
用パッド32と電気的に導通する。また、絶縁薄膜12
の上に形成された薄膜サーミスタ13の表面はさらに絶
縁薄膜12で覆われており、他方の引出し配線14だけ
が絶縁薄膜12から露出している。
【0030】この実施形態のセンサ取付基板16には、
凹所17はなく、フラットな表面に帯状の配線パターン
18が設けられている。しかして、図7に示すように、
センサ取付基板16上面の配線パターン18の通過して
いる領域にサーモパイル型温度センサ31の面積程度の
広さに導電性接着剤19を塗布し、図8に示すように、
その上にサーモパイル型温度センサ31を接着固定す
る。
【0031】このような構造では、サーモパイル型温度
センサ31の下面には引出し配線14が1個しかないた
め、サーモパイル型温度センサ31をセンサ取付基板1
6にダイボンドする際にシビアな位置合わせが不要とな
り、作業が容易になると共に作業効率が向上する。ま
た、センサ取付基板16に特別な加工が不要となるの
で、コストダウンにつながる。なお、この実施形態のサ
ーモパイル型温度センサ31を図5に示したようなセン
サ取付基板16に実装してもよい。
【0032】また、一方の引出し配線15は、アルミニ
ウム薄膜11に接続することによってヒートシンク2に
導通させているので、薄膜サーミスタ13の形状にかか
わらず、引出し配線15を任意の位置で容易にアルミニ
ウム薄膜11に接続することができる。
【0033】(第3の実施形態)図9及び図10は本発
明のさらに別な実施形態によるサーモパイル型温度セン
サ41のセンサ取付基板16への実装前と実装後の状態
を示す断面図である。このサーモパイル型温度センサ4
1では、ヒートシンク2の上面の凹部3と対向させて下
面にも凹部42を形成してあり、下面の凹部42内の天
面にアルミニウム薄膜11及び絶縁薄膜12を介して薄
膜サーミスタ13を設けている。この薄膜サーミスタ1
3の一方の引出し配線15は、第2の実施形態の場合と
同じ方法により、ヒートシンク2を介してその上面のサ
ーミスタ用パッド32に導通させられており、他方の引
出し配線14は凹部3の外のヒートシンク2の下面に導
かれている。
【0034】この実施形態では、センサ取付基板16と
して金属基板を用いた場合を示してあり、このセンサ取
付基板16の上面に導電性接着剤19を塗布してサーモ
パイル型温度センサ41をダイボンドすることにより、
サーモパイル型温度センサ41を接着固定すると共に、
下面の引出し配線14をセンサ取付基板16に導通させ
ている。
【0035】なお、図では、赤外線カット用のアルミニ
ウム薄膜11を介して薄膜サーミスタ13の引出し配線
15をヒートシンク2に接続しているが、引出し配線1
5としてアルミニウム電極を用いれば、アルミニウム薄
膜11のない箇所で直接ヒートシンク2に接合させるこ
とが可能である。また、薄膜サーミスタ13とヒートシ
ンク2の間のアルミニウム薄膜11を省略し、サーミス
タ13の引出し配線15にアルミ電極を用いて直接ヒー
トシンク2と電気的接続をとるようにすれば、赤外線照
射の影響は受けるが、作製工程を削減することが可能と
なる。
【0036】この実施形態では、センサ取付基板16と
して金属基板を用いているので、薄膜サーミスタ13の
引出し配線14の接続個所が自由となり、接続作業も容
易になる。また、センサ取付基板16に一切の加工が不
要となり、市販のセンサ取付基板16(センサステム)
を使用することが可能になる。なお、第1及び第2の実
施形態で、センサ取付基板16として金属基板を用いて
も同様の効果が得られる。
【0037】また、ヒートシンク2下面に凹部42を設
け、この凹部42内に薄膜サーミスタ13を設けている
ので、センサ取付基板16に凹所17などを設けずと
も、薄膜サーミスタ13がセンサ取付基板16と接触す
ることがなく、薄膜サーミスタ13により冷接点温度を
正確に検出することができる。
【0038】なお、この実施形態のサーモパイル型温度
センサ41の製造方法については、はじめにシリコン基
板の下面に凹部42を形成しておけば、その後は図6に
示した方法と同様な方法によって製造することができ
る。
【0039】(第4の実施形態)図11及び図12はそ
れぞれ本発明のさらに別な実施形態によるサーモパイル
型温度センサ51,61の構造を示す断面図である。こ
のサーモパイル型温度センサ51、61にあっては、ヒ
ートシンク2の上面にサーモパイル9を形成したセンサ
チップ52を市販のサーミスタ53の上面に接合してい
る。
【0040】図11のサーモパイル型温度センサ51の
ようにヒートシンク2とサーミスタ53のチップサイズ
がほぼ同じである場合には、センサチップ52をサーミ
スタ53上にダイボンドする際、センサチップ52のヒ
ートシンク2下面に設けられたアルミニウム薄膜11を
サーミスタ53の上面電極と導電性接着剤54で接続
し、センサチップ52の上面のサーミスタ用パッド32
に引き出す。サーミスタ53の下面電極も、同様に導電
性接着剤19によりセンサ取付基板16に固定するとと
もに電気的に接続する。
【0041】あるいは、図12のサーモパイル型温度セ
ンサ61ようにセンサチップ52に比ベてサーミスタ5
3のチップサイズが大きな場合には、サーミスタ53が
センサチップ52からはみ出るので、サーミスタ53の
上面電極は、センサチップ52からはみ出た部分62で
ワイヤボンディングにより直接取り出すことが可能とな
る。
【0042】図12の場合のように、サーミスタ53の
形状がセンサチップ52よりも大きい場合には、センサ
チップ52として従来のサーモパイル型温度センサを使
用することが可能になる。従来のセンサをサーミスタ5
3の上に実装することでセンサ全体のダイボンド必要面
積が縮小し、サーミスタ53上部の電極取り出しをサー
ミスタ53から直接ワイヤボンディングにて行うことに
より、製造工程が簡略化される。例えば、サーミスタ5
3とセンサチップ52の間に赤外線カット用のアルミニ
ウム薄膜11を形成する場合でも、アルミニウム薄膜1
1とヒートシンク2を熱処理によりオーミック接続する
必要がなくなる。
【0043】市販のサーミスタ53で、大量購入などに
より低廉な価格で購入できるものがあれば、この実施形
態のような構造を採用すれば、ヒートシンク2の下面に
薄膜サーミスタ13を形成するより全体のコストが安く
なることも考えられる。コストの算出は容易に可能であ
るため、市販のサーミスタ53を使用するかセンサ基板
に薄膜サーミスタ13を使用するかを使い分けることに
より、低コストのサーモパイル型温度センサを提供する
ことが可能となる。
【0044】(第5の実施形態)図13は本発明のさら
に別な実施形態によるサーモパイル型温度センサ71の
構造を示す断面図である。この実施形態は、市販のサー
ミスタ53の中でも小さなサーミスタ53を使用した場
合を示している。小さなサーミスタ53の上にセンサチ
ップ52を重ねると不安定にあるので、以下に述べるよ
うな構造にしている。
【0045】センサチップ52のヒートシンク2下面
に、サーミスタ53の高さとほぼ等しい深さの凹部42
を形成し、この凹部42の天面に赤外線カット用のアル
ミニウム薄膜11を成膜して熱処理によりアルミニウム
薄膜11をヒートシンク2と電気的に接続する。また、
ヒートシンク2の上面には、サーモパイル9と共に、ヒ
ートシンク2に導通したサーミスタ用パッド32を設け
ておく。そして、センサ取付基板(金属基板)16の上
に導電性接着剤72を塗布し、導電性接着剤72により
サーミスタ53の下面電極をセンサ取付基板16に固定
するとともに電気的接続する。ついで、センサ取付基板
16とサーミスタ53上面にそれぞれ導電性接着剤5
4,72を塗布しておき、センサチップ52下面のアル
ミニウム薄膜11をサーミスタ53の上面電極に接着し
て電気的に導通させると共に、センサチップ52下面を
センサ取付基板16に接着してセンサチップ52を固定
する。この時、センサチップ52とセンサ取付基板16
が接触する位置には、センサチップ52側に絶縁薄膜4
が形成されているので、センサチップ52とセンサ取付
基板16は電気的に絶縁されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるサーモパイル型温度
センサのセンサ取付基板への実装前の断面図である。
【図2】同上のサーモパイル型温度センサのセンサ取付
基板への実装後の断面図である。
【図3】同上のサーモパイル型温度センサの上面図であ
る。
【図4】同上のサーモパイル型温度センサの下面図であ
る。
【図5】同上のセンサ取付基板の平面図である。
【図6】(a)〜(g)は同上のサーモパイル型温度セ
ンサの製造工程説明図である。
【図7】本発明の別な実施形態によるサーモパイル型温
度センサのセンサ取付基板への実装前の断面図である。
【図8】同上のサーモパイル型温度センサのセンサ取付
基板への実装後の断面図である。
【図9】本発明のさらに別な実施形態によるサーモパイ
ル型温度センサのセンサ取付基板への実装前の断面図で
ある。
【図10】同上のサーモパイル型温度センサのセンサ取
付基板への実装後の断面図である。
【図11】本発明のさらに別な実施形態によるサーモパ
イル型温度センサのセンサ取付基板への実装後の断面図
である。
【図12】本発明のさらに別な実施形態によるサーモパ
イル型温度センサのセンサ取付基板への実装後の断面図
である。
【図13】本発明のさらに別な実施形態によるサーモパ
イル型温度センサのセンサ取付基板への実装後の断面図
である。
【符号の説明】
2 ヒートシンク 4 絶縁薄膜 7 冷接点 8 温接点 9 サーモパイル 11 アルミニウム薄膜 13 薄膜サーミスタ 16 センサ取付基板 19 導電性接着剤 20 シリコン基板 42 凹所 53 サーミスタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温接点と冷接点を有するサーモパイルを
    センサ基板上に形成されたサーモパイル型温度センサに
    おいて、 センサ基板の、サーモパイルが形成されている面と反対
    面に、サーミスタのような温度計測素子を設けたことを
    特徴とするサーモパイル型温度センサ。
  2. 【請求項2】 温接点と冷接点を有するサーモパイルを
    形成されたセンサ基板が、サーモパイルを形成されてい
    る面と反対側の面をサーミスタのような温度計測素子の
    上に載置され、一体化されていることを特徴とするサー
    モパイル型温度センサ。
  3. 【請求項3】 前記サーモパイルと前記温度計測素子の
    中間に、赤外線遮断層を設けたことを特徴とする、請求
    項1又は2に記載のサーモパイル型温度センサ。
JP10083024A 1998-03-12 1998-03-12 サーモパイル型温度センサ Pending JPH11258055A (ja)

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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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