JPH11252842A - コイル成形体、その製造方法、コア、その製造方法および回転機 - Google Patents
コイル成形体、その製造方法、コア、その製造方法および回転機Info
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Abstract
る技術、回転機の固定子における鉄心材料の利用率を高
める技術を提供する。 【解決手段】 コアバック部22と複数のティース部2
1とからなる回転機用コア2と、各ティース部21にコ
イル成形体1を装着してステータが形成される。コアバ
ック部22と複数のティース部21とは別体に設けら
れ、コアバック部22の各ティース連結部221に対応
するティース部21の連結部213を嵌合させて、コア
バック部22とティース部21とを連結する。コイル成
形体1は、線材が、貫通孔1aを保持して環状に巻線さ
れた状態で成形される。貫通孔1aは、ティース部21
と嵌合可能な断面形状を有する。
Description
着した回転機に係り、特に、コイルの寸法形状を確保し
て高密度巻線を実現する、コイル成形体およびその製造
方法、コアおよびその製造方法、ならびに、それらを用
いた回転機に関する。
の電動機、誘導発電機、同期発電機、直流発電機等の発
電機などの回転機は、基本構造として、固定子(ステー
タ)と回転子(ロータ)とを有する。その固定子は、コ
アとコイルとからなる。コイルは、コアに多数設けられ
たスロットに装着される。
は、一般的にインサータ方式が知られている。例えば、
特開平9−135555号公報に示されるように、予め
所定の形状に巻線されたコイルをブレードと呼ばれるコ
イルガイドにセットし、これを油圧などを利用してスト
リッパーと呼ばれる押し込み治具でコアのスロットの中
に挿入する方法が採られている。コイルとコアの間の電
気的絶縁は、線材被膜に加えて、コアのスロット内周面
にスロット絶縁紙をあらかじめ配置しておき、その中に
コイルを挿入する方法が採られている。また、そのとき
の巻線は、分布巻と呼ばれる巻線方法で、コアのスロッ
トティースを複数個跨って巻線される形態をとる。
ある。これは、1つのティースに1つのコイルを巻線す
る方法である。この巻線法には、コアの内周部から直接
線材を巻き付ける直巻巻線方式と、特開平6−1054
87号公報に示されるように固定子コアを分割して、そ
の分割したコア1つ1つに巻線を施し、巻線コイルを施
されたコアピースを溶接接合し、組み立てる方法とが、
主流として採られている。
は、次の問題がある。第1に、固定子コイルを巻線後に
インサータ方式で挿入すると、コイルインサータ方式
は、巻線されたコイルをスロットの隙間を利用して挿入
する方式のため、占積率コアスロットの断面積に対する
線材断面積の比率)が大きくとれないという問題があ
る。占積率として、現状では、60〜65%が限界とな
っている。第2に、集中巻方式においても、直巻方式に
おいては、インサータ方式と同じくコアスロットの隙間
を利用して線材を挿入していくため、占積率はさほど高
くない(60%程度)。また、コアを分割して巻線する
方式をとっても、コア組立の際のクリアランスや、線材
間の巻線むら,隣り合わせたコイルの干渉を考慮する等
の寸法関係などから占積率は高くとれない状況にある。
第3に、コアの材料利用率についてみると、インサータ
方式、直巻方式とも、四角い材料から丸いステータコア
をとるため、材料の利用率は30〜40%と低い。ま
た、コアを分割して、板取りを考慮したとしても、50
〜60%程度となっているのが現状である。
定子巻線の占積率を向上する技術を提供することにあ
る。
定子における鉄心材料の利用率を高める技術を提供する
ことにある。
るため、本発明の第1の態様によれば、コアのコアバッ
ク部から内周側に突出するティース部と嵌合して、一部
がスロットに収容されるコイル成形体であって、線材
が、貫通孔を保持して環状に巻線された状態で成形さ
れ、前記貫通孔が、前記ティース部と嵌合可能な断面形
状であることを特徴とするコイル成形体が提供される。
ようにすることができる。また、それらを適宜組合わせ
てもよい。 (1) 前記スロットに収容される部分の側面が、前記
貫通孔の一端側から他端側に向かって扇形状に広がる形
状であり、前記一端側がティース部先端側に位置する端
面となり、前記他端側がコアバック部側に位置する端面
となる。 (2)ティース部先端側に位置する端面が、内周側に向
かって後退して傾斜する形状である。 (3) 線材の直径をd、コアの半径方向に並ぶ巻数を
m、コアの接線方向に並ぶ巻線の段数をnとして、前記
スロット内に線材が整然と巻かれた状態での、ある断面
における断面積S0を S0={d+√3d/2×(n−1)}×(d×m) とすると、同一部位での断面における前記スロットに収
容される部分の断面積Spが、 Sp<S0 である。
アに装着するコイル成形体の製造方法において、ボビン
に線材を巻回してコイルを形成し、この状態でコイルの
外周および端面を金型で圧縮して成形し、その後、ボビ
ンから外してコイル成形体を得ることを特徴とするコイ
ル成形体の製造方法が提供される。
て、次のようにすることができる。また、これらを適宜
組合わせてもよい。 (1)前記金型による成形は、コイル断面寸法が巻回さ
れた線材の直径と巻回段数で決定される幾何学的寸法よ
りも小さい寸法に圧縮して行う。 (2)前記金型による成形は、外周側の1組の側面が断
面において、一端側から他端側に向かって扇形状に広が
る形状となるように圧縮することにより行う。
部とティース部とからなる回転機用コアにおいて、前記
コアバック部とティース部とは別体に設けられ、前記コ
アバック部は、その内周側に前記ティース部を連結する
ティース連結部を有し、前記ティース部は、その基端が
前記ティース連結部に装着されて前記コアバック部に連
結されていることを特徴とする回転機用コアが提供され
る。
することができる。また、それらを適宜組合わせてもよ
い。 (1)前記ティース部は、その先端側で連接した一体の
ティース組立体である。 (2)前記ティース連結部は、前記ティース部をその基
端を挟んで連結する構造である。
部とティース部とからなる回転機用コアの製造方法にお
いて、前記ティース部を連結すべきティース連結部を有
するコアバック部を構成する部材を帯状部材から打ち抜
くと共に、製造すべきコアの大きさに応じた長さに切断
し、前記コアバック部を構成する部材を目的の厚さとな
るまで積層すると共に、前記ティース連結部を内周側と
して屈曲し、当該部材の両端を固定し、前記コアバック
部を構成する部材のティース連結部との連結部を有する
と共に、各ティース部の先端がつながった状態の部材を
帯状部材から打ち抜くと共に、製造すべきコアの大きさ
に応じた長さに切断し、前記ティース部を構成する部材
を目的の厚さとなるまで複数枚積層すると共に、ティー
ス部先端を外向きにしてリング状に屈曲して、当該部材
の両端を固定して、ティース組立体を形成し、前記ティ
ース組立体の各ティース部に、予め成形したコイル成形
体を装着し、前記コアバック部の内周に前記ティース組
立体を挿入する共に、ティース連結部に前記ティース部
材の連結部を装着して各ティース部をコアバック部に固
定することを特徴とする回転機用コアの製造方法が提供
される。
第1の態様のコイル成形体を前記第3の態様の回転機用
コアのティース部に装着して形成されるステータを有す
る回転機が提供される。
形状をコイル巻線後に成形し、巻線時の断面形状を変化
させることにより、各々のコイルの断面寸法精度を高
め、限られたスロット断面を有効に使って、回転機の占
積率を向上する。回転機の占積率を向上することによる
効率向上、小形化、組立性の向上を実現する。また、コ
アのティース部とコアバック部とを分割すると共に、そ
れらを帯状に形成することにより、鉄心材料の利用率を
高めている。
て、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態
では、インダクションモータ、シンクロナスモータ等の
モータを例として説明する。しかし、本発明は、これに
限られない。発電機を含む、種々の回転機に適用可能で
ある。
タは、基本構造として、図1に示すように、固定子(ス
テータ)3と回転子(ロータ)6とを有する。その固定
子3は、コア2とコイル1とからなる。本発明では、コ
イル1として、成形されたコイル成形体が用いられる。
部22と、その内周側に突出するティース部21とで構
成される。コア2の内側において、ティース部21に挟
まれる空間がスロット23となる。ティース部21にコ
イル成形体1が装着されて、スロット23にコイル1が
挿入される。本発明では、コイル成形体1およびコア2
について、それぞれ新たな工夫がなされている。さら
に、コア2およびコイル成形体1により、ステータを組
み立てる方法についても新たな工夫がなされている。
材が、貫通孔1aを保持して環状に巻線された状態で成
形される。この貫通孔1aは、前記ティース部21と嵌
合可能な断面形状に形成される。貫通孔1aを形成する
コイル成形体1の内側部分は、辺部が平行な形状が望ま
しい。これは、ティース部21のコイル装着部分の両辺
部が平行に形成されるためである。したがって、ティー
ス部の形状が異なる場合には、それに合わせて、貫通孔
1aの断面形状も変えることになる。コイル成形体1
は、電気的接続を行なうための引き出し線12を有す
る。
収容される部分の側面が、前記貫通孔1aの一端側から
他端側に向かって扇形状に広がる形状を有する。この場
合、扇形状に広がる形状は、当該コイル形成体1をスロ
ット23に収容した際に、各スロット23の中心を通る
コア2の半径のうち、隣接する二つの半径によって挟ま
れる領域内に収容できる形状であればよい。好ましく
は、この領域の広がりと一致する扇形状の広がりとす
る。そのようにすることで、より多くの巻線を収容する
ことが可能となる。また、隣接するコイル成形体1どう
しの空間的干渉を避けることができる。その結果、ステ
ータを組み立てる際に、コイル成形体1の当接を回避で
きて、組立時の隣接コイル間での当接、摩擦等による、
損傷、絶縁不良等の発生を防止することができる。
とその表面を絶縁被覆する絶縁皮膜とからなる。金属線
としては、例えば、銅が一般的に用いられる。また、絶
縁皮膜としては、例えば、ポリエステルイミドが用いら
れる。本実施の形態では、PEW(ポリエステルイミド
線)を用いている。
に、コイル成形体1の一端側(扇形の幅の狭い側)の端
部がティース部先端211側に位置する端面1cとな
り、他端側(扇形の幅の広い側)がコアバック部22側
に位置する端面1dとなる。ここで、ティース部先端2
11側に位置する端面1aは、内周側に向かって後退し
て傾斜する形状としてある。これは、ティース部21の
先端211の裏面側が傾斜していることに合せたもので
ある。もちろん、この端面1aは、必ずしも傾斜させな
くともよい。
7から図13を参照して説明する。図7から図9は、成
形の金型およびそれによる成形の工程を示す。図10お
よび図11は、成形条件について示す。図12および図
13は、巻線の圧縮状態について示す。
ル成形用金型を示す。なお、図7では、既に圧縮成形さ
れた後の状態を示す。
を巻線するためのボビン15aと、このボビン15aに
巻線された線材11の群を押圧する押圧金型15b、1
5cおよび15dとで構成される。成形には、図示して
いない加圧装置、および、加圧を制御する制御装置とが
用いられる。加圧源には、例えば、油圧、空気圧が用い
られる。
面、すなわち、コイル成形体1の側面1bとなる部分を
押圧する。押圧金型15cおよび15dは、コイル巻線
11群の端面、すなわち、コイル成形体1の端面1cと
なる部分を押圧する。この場合、押圧金型15cは、押
圧金型15bとは直交する方向に押圧する。このため、
押圧金型15dの下端面と押圧金型15cの上端面とを
斜めに当接させて、この斜面15eにより、押圧金型1
5dの押圧力から直交する方向の分力を取り出して、押
圧金型15cを横方向に押圧するように構成してある。
このようにすることで、押圧を共通の圧力源により同一
方向から行うことができる利点がある。
説明する。なお、説明を簡単にするため、コイル成形体
1は、端面1cが傾斜していないものとする。
1が巻線された状態で、上述した押圧金型15b、15
c、15dにより押圧される。これにより、図9に示す
ように、各線材11間の間隙が押しつぶされると共に、
線材11自体が変形し、場合によっては圧縮されて、コ
イル成形体1が形成される。図9に示すように、成形後
は、線材11の変形によって、全体の形状が維持され
る。なお、成形の際に、各線材に被覆されている絶縁皮
膜(図示せず)も、線材自体の変形に伴って変形する。
ただし、後述する図10に示すように、本発明者らの実
験によれば、成形によって、線材の絶縁被覆が破壊され
ることはなかった。
に応じて、適宜選定する。例えば、図7に示す金型は、
上述したように、コイル成形体1の一端側の端面を傾斜
面とする構造のものを成形する場合に用いられる。一
方、図8、図9に示す金型は、コイル成形体1の一端側
の端面を傾斜面としない構造とする場合に用いられる。
ついて図10、図11および図12を参照して説明す
る。図12に示すように、線材11を巻線した状態での
コイル断面寸法と、成形後のコイル成形体1の断面寸法
とは、明らかに異なる。すなわち、線材11の直径をd
とすると、図面横方向の寸法D1は、{d+√3d/2
×(段数−1)}となる。また、縦方向寸法L1は、
(d×本数)となる。コイル断面積は、(D1×L1)
となる。したがって、巻線状態での断面寸法は、幾何学
的にこの断面積以下にはなり得ない。
挿入部に成形を加えることによって、コイル断面積を巻
線状態のそれよりも小さくする。線材自体の断面積が同
等であるならば、成形を加えることにより、成形後のコ
イル断面積(D2×L2)は、巻線後のコイル断面積
(D1×L1)よりも小さくなる。また、線材の断面積
自体を圧縮により小さくするならば、その圧縮限界まで
の圧縮成形により、コイル断面全体の断面積(D2×L
2)はもとの約8割となる。本発明は、このように、巻
線の状態から成形工程を加えることによって、コイルの
断面積を変化させる。
材の直径をd、コアの半径方向に並ぶ巻数をm、コアの
接線方向に並ぶ巻線の段数をnとして、前記スロット内
に線材が整然と巻かれた状態での、ある断面における断
面積S0を S0={d+√3d/2×(n−1)}×(d×m) として、同一部位での断面における前記スロットに収容
される部分の断面積Spが、(Sp<S0)となるように
成形する。
の関係を図10に示す。そして、この関係をグラフにし
たものを図11に示す。なお、これら関係において、荷
重は、480mm2当たりに加わる荷重で表している。
また、線径1.2mmの線材を用いた場合について示し
ている。図10および図11に示すように、成形時の押
圧力を大きくすると、断面寸法が小さくなっている。た
だし、ある程度以上の荷重、例えば、6ton以上で
は、大きく変化しない。
の絶縁皮膜の破れた箇所の個数を意味する。通常、電解
液に電線を浸したときに、何箇所から電気がもれるかを
チェックする検査法である。検査結果は、個数で表わさ
れる。本実施の形態では、図10に示す範囲では、荷重
が増加してもピンホール数は0である。したがって、成
形によって、絶縁皮膜が損傷することがなかったことを
示している。
効果について、図13を参照して説明する。図13
(a)ないし図13(e)に、ティース部への巻線状態
を示す。
ど、角を有する多角形形状への巻線においては、図13
(a)に示すように、コイル1の線材は、角部で金型、
ボビン、ティース部21などの巻線母材に密着し(図1
3(b)参照)、辺中央部で巻線母材から最も隙間があ
いた状態で巻線される。図13(c)のB−B断面に示
すように、辺中央部では、母材との間でかなりの隙間を
有することがわかる。このままの状態で、コイルをモー
タステータとして組立した場合、この隙間により占積率
が低下することになり、モータ性能を低下することにな
る。そこで、上述したように、巻線後に、巻線状態のコ
イルの辺部分に成形力を加えることにより、図13
(d)および図13(e)に示すように、コイルの辺部
分においても線材が母材に密着した形状のコイルとして
いる。これにより、占積率の高い状態でモータステータ
を組み立てることができる。
も、成形しない場合に比べて、占積率を向上することが
できる。また、単に、コイルの辺部を圧縮するのみでは
なく、スロット挿入部分の断面形状を、図6に示すよう
な形状、すなわち、スロット23の1/2の部分の内部
形状に一致するように成形することができる。このよう
にすれば、占積率をより向上することができて好まし
い。
図14(a)および図14(b)を参照して説明する。
図4に、コイルを装着していない状態のコアを示す。ま
た、図5に、コイル成形体の装着した状態のコアを示
す。図14(a)には、ティース組立体を構成する部材
を示し、図14(b)には、コアバック部を構成する部
材を示す。
部22と、ティース組立体21aとで構成される。ティ
ース組立体21aは、先端で連接された12個のティー
ス部21からなる。図4から明らかなように、コアバッ
ク部22およびティース組立体21aは、共に、リング
状に形成されている。ただし、それぞれを構成する部材
は、図14(a)および図14(b)に示すように、帯
状の板材で構成される。すなわち、図14(a)および
図14(b)に示す部材を目的の厚さとなるまで積層
し、これをリング状に屈曲させて構成される。
ように、ティース部21の個数に対応する単位部材22
aが12個連接された帯状の形状に形成される。これ
は、図示していない帯状部材(フープ)から、例えば、
打ち抜きにより製造することができる。単位部材22a
には、内周側に面する側に、ティース部21の連結部2
13と連結するティース連結部221、および、部材を
リング状に屈曲した際に、部材の縮みを吸収する切り込
み222と、外周側に面する側に、部材をリング状に屈
曲した際の外周側の部材の伸びを吸収する切欠223と
が設けられている。これらは、いずれも切り込んだ状態
で設けられる。コアバック部を構成する部材は、リング
状に曲げて両端を当接させた状態で固定する。固定は、
例えば、溶接、かしめ等で行なうことができる。かしめ
であれば、例えば、珪素鋼板を塑性変形させて接続する
ことになる。
するティース部21側の連結部213と嵌合して外れな
い形状とするため、本実施の形態では、連結部213を
ありとし、ティース連結部221をあり溝とする形状と
してある。
示すように、ティース部となるべき部分が互い違いに向
き合う形で交互に並んだ二組のティース部を構成する部
材が、1本の帯状部材(フープ)から打ち抜きで製作さ
れる。この場合も、ティース部21を単位として、それ
が連なった状態で製作される。そして、必要な個数のテ
ィース部21となる長さに形成される。また、図14
(a)に示すように、帯状部材から二組の部材を取るた
め、材料の利用効率を大幅に向上することができる。
1の先端211の横方向端部211aと、隣接するティ
ース部21の先端211の横方向端部211aとで連接
されている。このような連接構造とすることで、ティー
ス部21を一体として扱えるため、製造および組立の際
に、取り扱いが便利である。また、構造上、強度が増す
という利点もある。
先端側の突出部の裏面は斜めにカットされている。ま
た、ティース部21の基端側には、前述したように、コ
アバック部22と連結するための連結部213が設けら
れている。
211を互いに分離したものの例を示す。この例では、
ティース部21が連結されたティース組立体からそれぞ
れのティース部21を切断して形成される。もちろん、
それに限定されない。なお、切断は、図17に示すよう
に、コアバック部材22に取り付けてから行なう。
2と、ティース部21とを分割して、それぞれ独立に形
成する構造となっている。かつ、それぞれ、帯状の板材
から打ち抜きにより製作される部材を積層して構成され
る。そのため、材料の板取が容易であり、しかも、板材
の利用効率を高くすることができる。特に、ティース部
については、二組のティース組立体を交互に配置する構
造とするため、材料の利用効率をさらに高めることが可
能となる。本実施の形態では、図14(a)からわかる
ように、ティース部21については、無駄な部分は、二
組を切り離す切代21cが主である。そこで、この切代
21cを可能な限り追い込むことで、例えば、81%程
度の材料利用率とすることを可能としている。また、コ
アバック部22の場合には、無駄が少ない形状であるた
め、例えば、材料利用率を85%とすることができる。
したがって、本実施の形態によれば、ティース部および
コアバック部のいずれについても、80%以上の材料利
用率とすることができる。このため、従来の構造のもの
に比べて、材料利用率を大幅に向上することができる。
よび図15を参照して、回転機のステータの組立につい
て説明する。なお、組立は、以下に述べる方法に限られ
ない。ただし、以下の方法によれば、各部材の取り扱い
が容易であるため、自動化しやすいという利点がある。
を、図7に示すように、押圧金型15a、15bおよび
15cを用いて押圧して、コイル巻線を圧縮成形する。
これにより、図3に示すようなコイル成形体1を得る。
図14(b)に示すように、帯状部材から、ティース組
立体21aとなる部材、および、コアバック部22とな
る部材をそれぞれ打ち抜き等で形成する。なお、これら
の部材の製作は、打ち抜きに限られない。他の方法で行
なってもよい。この後、ティース組立体21aとなる部
材、および、コアバック部22となる部材をそれぞれ必
要な枚数積層する。そして、曲げ成形を行なう。すなわ
ち、それぞれリング状となるように曲げる。曲げた後、
それぞれの両端部を、例えば、溶接、かしめ等の方法に
より固定する。これにより、コアバック部22およびテ
ィース組立体21aが製作される。
うに、コイル成形体1をティース組立体21aの各ティ
ース部21に嵌め込む。すなわち、コイル形成体1の貫
通孔1aとティース部21とを嵌合させる。この時、各
コイル成形体1を、その端面1aが内周側を向くように
して、ティース部21と嵌合させる。この状態を図15
(c)に示す。
バック部22の内周に、コイル成形体1が装着されたテ
ィース組立体21aを嵌合させる。この際、コアバック
部22のティース連結部221と、ティース部21の連
結部213とが嵌合するように、円周方向の位置合わせ
を行なう。このようにして、組み立てられると、コアの
形成と共に、図5に示すようなステータが得られる。
形体1をティース組立体21aに対して、各ティース部
21がコイル成形体1の貫通孔1aに挿入されるように
押し込むことで、装着することができるため、コアへの
コイルの装着が極めて容易に行なえる。しかも、コイル
成形体1は、一定の形態を保持しているため、装着に際
して、コイルが乱れないようにするための特別に治具を
必要としない。また、コイル成形体1自体について、高
密度に巻線を実装することができるため、スロット23
における占積率を高くすることができる。
保ったまま、材料の利用率高くすることができる。この
ような構造のステータをさらに、性能面で向上し得る構
造について、図16を参照して説明する。
バック部とティース部との連結部の他の第1の形態から
他の第7の形態を示す。これらの形態は、ティース部2
1の連結部213と、コアバック部22の連結部221
との間に生じる可能性がある間隙を無くす例である。
の曲げ成形の曲げ中心をティース部21の延長上に配置
し、コイル成形体とコア2の組立を行なったのち、最終
的にコアバック部22の外周部にハウジングを組付ける
際に、ハウジングとコアの圧入により、曲げ成形部分を
さらに圧縮させ、コアバック部分とティース部分の結合
部を締付ける構造をとる。そのため、切り込み224を
コアバック部材22に予め設けておく。
ック部22との連結部213をテーパ形状とし、コアバ
ック部22の外周部にハウジングを組付ける際にハウジ
ングとコアの圧入により、結合部分をさらに圧縮させ、
コアバック部22とティース部21の連結部213を締
付ける構造をとる。
部221を、図に示すように、円周方向に長く切り込ん
だ形状とする。これにより、コア材のばね性を利用し
て、ティース部21の連結部(図示せず)を組付ける時
に、コアバック部22のティース連結部221を弾性変
形させ、ティースと結合させた後も連結部に締結力が残
る構造とする。
ース部21をつなぐ別の部材24を介してコアバック部
22とティース部21分を連結する構造である。そのた
めに、コアバック部22には、軸方向の切欠225を設
ける。一方、ティース部21の連結部213にも同様の
切欠215を設ける。
ボール拡管方式と呼ばれる結合方法を用いたものであ
る。すなわち、コアバック部22に孔226を、ティー
ス部21の連結部213を挟む位置に設けるか、ティー
ス部21の連結部に孔215を設けておく。それぞれ連
結された状態で、それらの孔を広げるように、孔より若
干大きめのボール及び軸を孔に通す。これにより、コア
バック部22またはティース部21を塑性変形させて、
結合力を得る。
ック部22の形状を,上述した実施の形態のようにあり
溝構造として、あり(213)とあり溝(221)との
間に、通称カミソリと呼ばれる楔26を打ち込んで位置
決めする構造である。
り、コアバック部とティース部の連結部分においては、
その隙間を限りなく小さくすることが可能となる。この
ため、振動騒音を一段を抑制することができる。その結
果、寿命、特性への影響をより低減したステータコアを
得ることが可能となる。
化させることにより断面寸法精度を高め、占積率の向上
をはかることができる。これによって、回転機の効率向
上をはかることができる。また、効率向上分のコア小形
化によって、回転機自体の体格を小形にすることがで
き、また、使用する導体も少なくできることから材料費
の低減が可能となる。さらに、材料利用率の点からも、
材料費を大幅に低減することが可能となる。その結果、
回転機、特に、電動機は、セット製品のキーパーツであ
るため、電動機を用いたセット製品の小形、軽量化、低
価格化が実現できる。
一部切欠斜視図。
構造を示す斜視図。
す説明図。
態を示す部分断面図。
説明図。
前の状態を示す説明図。
形寸法関係を示す説明図。
成形寸法およびピンホールとの関係を示す図表。
成形寸法との関係を示すグラフ。
化を示す説明図。
部に装着した状態を示す説明図、図13(b)はそのA
−A断面図、図13(c)はB−B断面図、図13
(d)は本発明によるコイル成形後の巻線状態を示す説
明図、図13(e)はそのA−A断面図。
材を帯状部材から打ち抜いた状態を示す平面図、図14
(b)は、コアバック部を構成する部材を帯状部材から
打ち抜いた状態を示す平面図。
とによりステータを組み立てる状態を示す斜視図、図1
5(b)はティース組立体にコイルを装着する状態を示
す説明図、図15(c)は、ティース組立体にコイルを
装着した状態を示す説明図。
部との連結関係の他の第1の形態を示す部分平面図、図
16(b)は、コアバック部とティース部との連結関係
の他の第2の形態を示す部分平面図、図16(c)、コ
アバック部とティース部との連結関係の他の第3の形態
を示す部分平面図、図16(d)、コアバック部とティ
ース部との連結関係の他の第4の形態を示す部分平面
図、図16(e)、コアバック部とティース部との連結
関係の他の第5の形態を示す部分平面図、図16
(f)、コアバック部とティース部との連結関係の他の
第6の形態を示す部分平面図、図16(g)、コアバッ
ク部とティース部との連結関係の他の第7の形態を示す
部分平面図。
いに分離したものを装着したコアの平面図。
線材 2…コア、21…ティース部、21a…ティース組立
体、213…連結部、22…コアバック部、23…スロ
ット、27…楔 3…回転子(ステータ)、4…ハウジング、5…軸、6
…回転子(ロータ)、15…金型、15a…ボビン、1
5b、15c、15d…押圧金型、
Claims (12)
- 【請求項1】 コアのコアバック部から内周側に突出す
るティース部と嵌合して、一部がスロットに収容される
コイル成形体であって、 線材が、貫通孔を保持して環状に巻線された状態で成形
され、前記貫通孔が、前記ティース部と嵌合可能な断面
形状であることを特徴とするコイル成形体。 - 【請求項2】 請求項1に記載のコイル成形体におい
て、 前記スロットに収容される部分の側面が、前記貫通孔の
一端側から他端側に向かって扇形状に広がる形状であ
り、 前記一端側がティース部先端側に位置する端面となり、
前記他端側がコアバック部側に位置する端面となること
を特徴とするコイル成形体。 - 【請求項3】 請求項2に記載のコイル成形体におい
て、 ティース部先端側に位置する端面が、内周側に向かって
後退して傾斜する形状であることを特徴とするコイル成
形体。 - 【請求項4】 請求項1、2および3のいずれか一項に
記載のコイル成形体において、 線材の直径をd、コアの半径方向に並ぶ巻数をm、コア
の接線方向に並ぶ巻線の段数をnとして、前記スロット
内に線材が整然と巻かれた状態での、ある断面における
断面積S0を S0={d+√3d/2×(n−1)}×(d×m) とすると、 同一部位での断面における前記スロットに収容される部
分の断面積Spが、 Sp<S0 であることを特徴とするコイル成形体。 - 【請求項5】 回転機のコアに装着するコイル成形体の
製造方法において、 ボビンに線材を巻回してコイルを形成し、この状態でコ
イルの外周および端面を金型で圧縮して成形し、その
後、ボビンから外してコイル成形体を得ることを特徴と
するコイル成形体の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載のコイル成形体の製造方
法において、 前記金型による成形は、コイル断面寸法が巻回された線
材の直径と巻回段数で決定される幾何学的寸法よりも小
さい寸法に圧縮して行うことを特徴とする巻線成形体の
製造方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載のコイル成形体の製造方
法において、 前記金型による成形は、外周側の1組の側面が断面にお
いて、一端側から他端側に向かって扇形状に広がる形状
となるように圧縮することにより行うことを特徴とする
コイル成形体の製造方法。 - 【請求項8】 コアバック部と複数のティース部とから
なる回転機用コアにおいて、 前記コアバック部と複数のティース部とは別体に設けら
れ、 前記コアバック部は、その内周側に前記各ティース部を
連結する複数のティース連結部を有し、 前記ティース部は、その基端が前記ティース連結部に装
着されて前記コアバック部に連結されていることを特徴
とする回転機用コア。 - 【請求項9】 請求項8に記載の回転機用コアにおい
て、 前記ティース部は、その先端側で連接した一体のティー
ス組立体であることを特徴とする回転機用コア。 - 【請求項10】 請求項8および9のいずれか一項に記
載の回転機用コアにおいて、 前記ティース連結部は、前記ティース部をその基端を挟
んで連結する構造であることを特徴とする回転機用コ
ア。 - 【請求項11】 コアバック部とティース部とからなる
回転機用コアの製造方法において、 前記ティース部を連結すべきティース連結部を有するコ
アバック部を構成する部材を帯状部材から打ち抜くと共
に、製造すべきコアの大きさに応じた長さに切断し、 前記コアバック部を構成する部材を目的の厚さとなるま
で積層すると共に、前記ティース連結部を内周側として
屈曲し、当該部材の両端を固定し、 前記コアバック部を構成する部材のティース連結部との
連結部を有すると共に、各ティース部の先端がつながっ
た状態の部材を帯状部材から打ち抜くと共に、製造すべ
きコアの大きさに応じた長さに切断し、 前記ティース部を構成する部材を目的の厚さとなるまで
複数枚積層すると共に、ティース部先端を外向きにして
リング状に屈曲して、当該部材の両端を固定して、ティ
ース組立体を形成し、 前記ティース組立体の各ティース部に、予め成形したコ
イル成形体を装着し、 前記コアバック部の内周に前記ティース組立体を挿入す
る共に、ティース連結部に前記ティース部材の連結部を
装着して各ティース部をコアバック部に固定することを
特徴とする回転機用コアの製造方法。 - 【請求項12】 請求項1、2、3および4のいずれか
一項に記載のコイル成形体を、請求項8、9および10
のいずれか一項の回転機用コアのティース部に装着して
形成されるステータを有することを特徴とする回転機。
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