JPH11247812A - 締結体 - Google Patents

締結体

Info

Publication number
JPH11247812A
JPH11247812A JP5373598A JP5373598A JPH11247812A JP H11247812 A JPH11247812 A JP H11247812A JP 5373598 A JP5373598 A JP 5373598A JP 5373598 A JP5373598 A JP 5373598A JP H11247812 A JPH11247812 A JP H11247812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin member
cylindrical
hole
mold
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5373598A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Umezawa
良雄 梅澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP5373598A priority Critical patent/JPH11247812A/ja
Publication of JPH11247812A publication Critical patent/JPH11247812A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Insertion Pins And Rivets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造を簡素とし通常の加工で製造可能とし、
樹脂部品の一部にでも容易に製作可能とする。 【解決手段】 透孔へ先端部分が貫通される筒部40の
筒穴54の基端口部分にピン部材42を一体成形し、筒
部40側を成形する金型62の一部とピン部材42を成
形する金型58の一部との境界部分にこれら金型を分離
して型抜き可能なように係合部材52を一体成形し、ピ
ン部材42が筒穴54内へ挿入され透孔部分に締結され
た状態を保持するよう係合部材52と係合する支持構造
部80、82を筒部40に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、支持部材に穿孔
した透孔に筒部を貫通した状態で、この筒部の筒孔にピ
ンを圧入し、筒部を拡径させて被取付部材を支持部材へ
締結させる締結体に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂部品を支持部材の透孔を利用して締
結するための締結体として、従来より図15〜図17に
例示するようないわゆるギボシ(爪)が用いられてい
る。このギボシは、樹脂部品、例えば被取付部材である
プラスチックカバー部材10の締結部分に、筒部12を
一体に成形するとともに、この筒部12の筒孔14にお
ける一方の端口部にピン部材16を一体に突設して構成
されている。
【0003】この筒部12は、そのピン部材16を設け
たのと反対側の端口部が挿通用筒部12Aとしてカバー
部材10から延設されている。この延設された挿入用筒
部12Aには、その直径方向に対向する2箇所にスリッ
ト18が穿設されており、この部分が拡がることにより
挿入用筒部12Aが容易に弾性変形して挿入用筒部12
Aが拡径するようになっている。
【0004】この筒部12の筒孔14は、ピン部材16
を設けた側からこれと反対の挿通用筒部12Aの先端へ
かけて滑らかに内径が縮まる円錐台形の周面状に形成さ
れている。すなわち、挿通用筒部12Aは、その自由端
側へかけて肉厚が厚くなるように形成されている。さら
に挿通用筒部12Aの外周におけるプラスチックカバー
部材10への付け根部分には円環状の溝である応力集中
を避けるため等の溝20が穿設されている。
【0005】このように構成されたギボシは、図15に
示す如くその挿入用筒部12Aの先端部を支持部材22
の透孔24に貫通させた状態で、そのピン部材16を筒
孔14側へ打ち込む。するとピン部材16の端口部との
連結部分が破断し、ピン部材16が挿入用筒部12A内
に圧入されて図17に示す締結状態とされる。
【0006】この図17の締結状態では、挿通用筒部1
2Aの先端にかけて内径が縮まるよう円錐台形の周面状
に形成された筒孔14は、その内径が一定となるように
押し拡げられる。これにより、透孔24から突出した挿
通用筒部12の先端部は、その外周面部の外径が透孔2
4の内径より拡大されて、この挿通用筒部12が透孔2
4から抜け出せなくなり、支持部材22に対するプラス
チックカバー部材10の締結状態が保持される。
【0007】また、上述のように用いられるギボシは、
プラスチックカバー部材10を成形して製造するとき
に、同時に一体成形される。この際、ギボシ部分は、図
15に示す形状に成形されるので、そのピン部材16の
外面部と、挿通用筒部12Aの外周部とは別々の成形型
によって成形し、これらの軸線方向に沿って各成形型を
移動することにより型抜きできる。さらに、筒孔14
は、その成形時の開口端にかけて内径が縮まるようにな
っているので、図16に示すように、この筒孔14を形
成するための中子としてのスライドピン26をいわゆる
無理抜き法により型抜きする。すなわち、他の型抜き後
に、スライドピン26を強く引くことにより、挿通用筒
部12Aを弾性変形させて引き抜き、この締結体である
ギボシを製作する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のような締結体と
してのいわゆるギボシの構造では、図17の締結状態を
保持するためには、筒孔14内に打ち込んだピン部材1
6が抜け落ちないようにしなければならない。この締結
状態では、ピン部材16は筒孔14に圧入されたときの
ピン部材16の外径が縮むように弾性変形するときの反
力による摩擦でのみ保持されているだけなので、ピン部
材16の弾性変形量(圧入代)を適正に保たないと、ピ
ン部材16を保持する摩擦力が大きく変動してしまい摩
擦力が小さくなった場合には、ピン部材16が筒孔14
から抜けてしまう恐れもある。そこで、ピン部材16の
圧入代を適正に保つため、ピン部材16の外径、筒孔1
4の内径、及びその他の寸法形状を極めて高精度で加工
製造せねばならなかった。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、構造が簡素で
通常の加工により容易に製造でき、しかも一体成形に適
した締結体を新たに提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
締結体は、支持部材の孔内へ嵌合して被取付部材を締結
させるために、被取付部材に設けられる締結体であっ
て、孔へ先端部分が貫通される筒部と、筒部の筒孔にお
ける基端口部分に、破断可能な接続部を介して被取付部
材へ先端部分が一体成形により接続されるピン部材と、
筒部側を成形するための金型とピン部材側を成形するた
めの金型とを分離することにより型抜き可能なように、
ピン部材に一体成形された係合部材と、ピン部材が筒部
との接続部を破断して筒孔内へ挿入され筒部の外径を拡
大して孔部分に締結された状態で、係合部材と係合して
ピン部材が筒部の筒孔から抜けないようにする支持構造
部と、を有することを特徴とする。
【0011】上述のように構成することにより、筒部と
ピン部材とが一体成形された締結体の本体を、その筒部
を支持部材の透孔へ貫通させた状態でピン部材を筒孔内
へ打ち込むことにより、この筒部の外周を拡径させ透孔
から抜け出せないようにして締結する。このとき、ピン
部材に突設された係合部材が筒部側に設けられた支持構
造部と係合し、筒孔からピン部材が抜け出せないよう支
持する。このような抜け止めとしてピン部材に設けられ
る係合部材は、突出した形状に構成されるので、係合部
材を一体成形する金型から成形品を型抜きする際に引っ
掛からないよう筒部側の金型とピン部材側の金型とが組
み合わさって係合部材成形用のキャビティを構成するよ
う、これらの金型の境界部分に係合部材が位置するよう
設定し、締結体を成形後、この筒部側の金型と、ピン部
材側の金型とを分離し、係合部材部分を囲んでいる金型
部分を割るように引き離し、この係合部材部分を金型か
ら引き出す型抜きを容易に行えるようにする。
【0012】請求項2記載の発明は請求項1記載の締結
体において、筒部が、ピン部材をもうけた側から自由端
部側へかけて、肉厚が徐々に厚くなるように形成される
と共に、筒部に、その自由端部に開放するスリットが形
成され、スリットに係合部材を係合するための支持構造
部が設けられたことを特徴とする。
【0013】上述のように構成することにより前述した
請求項1記載の締結体の作用、及び効果に加えて、係合
部材を一体成形する金型から成形品を型抜きする際に、
筒部の外側を成形する金型を外した後ち、筒部の筒孔を
形成するための金型であるスライドピンを無理抜き法で
引き抜いて容易に製造可能とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の締結体に係る第1実施の
形態について、図1〜図9に従って説明する。図9の概
略斜視図に示すように、本第1実施の形態に係る締結体
本体30は、車輛のシートベルト装置用のリトラクタ3
2の枠金具34に樹脂部品であるポリプロピレン製のス
プリングカバー36を締結するため、スプリングカバー
36のフランジ部38の所定3箇所に一体成形によって
構成されている。
【0015】図1〜図4から解るように、締結体本体3
0には、スプリングカバー36のフランジ部38へ一体
に設けられた筒部40と、これに付設されたピン部材4
2とが設けられている。この筒部40は、筒形状に形成
され、その一方の端部がフランジ部38の枠金具34に
当接される底面から枠金具34の肉厚寸法より長く突設
されている。
【0016】図3に示される如く、この筒部40には、
その直径方向に対応した2箇所のうちの一方にスリット
44が設けられ、他方に係着部付スリット46が各々筒
部40の軸方向に沿って設けられている。図3、図4及
び図7から解るようにスリット44は、筒部40の先端
から、筒部40の軸方向にフランジ部38の底面に相当
する位置まで図9に示される如く幅Sの逆U字状に切欠
して形成されている。
【0017】また、係着部付スリット46は、筒部40
の先端から、フランジ部38の底面と反対側の外側の平
面直下まで切欠して形成されており、幅Sより大きな幅
Lに設定されている。この係着部付スリット46には、
そのスリットの一方の側部の長手方向中間部の所定位置
から係留突部48がスリットの幅寸法を狭める方向へ突
設されている。
【0018】この係留突部48は、図2に示すように略
台形状で、そのピン部材42側がスリットの幅を狭める
方向へ斜状に形成された案内斜辺部48Aに構成され、
その筒部40の先端側がスリットの側面から直角に切り
立った係止辺48Bに形成されている。さらに、係着部
付スリット46の他方の側部における筒部40の先端部
分に、支持突部50がスリットの幅方向へ突設されてい
る。この支持突部50は、図2に示すように略三角形状
で、係留突部48の係止辺48Bから筒部40の先端方
向へ所定距離置いた位置から、筒部40の先端へかけて
スリットの幅を狭める方向へ斜状に形成された支持辺部
50Aが構成されている。
【0019】図5、及び図6に示すように、上述のよう
に構成された係着部付スリット46では、その係留突部
48の係止辺48Bと、支持突部50における最も突出
した先端から所定距離下がった位置に当たる支持辺部5
0Aの中間位置との間部分に、ピン部材42に突設され
た小矩形柱状の係合部材52が係留されるように設定さ
れている。
【0020】図1、及び図2に示すように、このピン部
材42は、円柱状で、その図2に向かって下側の底面の
角周部が、筒部40のフランジ部38における底面と反
対の外側部の筒部40の基端口部分(後述する固定型5
8と、可動型60の一部としてのスライドピン62との
境界部分)に、破断して分離可能なように接続部42A
を介して一体成形されている。
【0021】図1、図2及び図4に示すようにピン部材
42には、その外周部におる係着部付スリット46に連
続する位置に、係合部材52が突設されている。この係
合部材52は、直方体状に形成され、その横幅L1が係
着部付スリット46の幅Lと略同等とされている。ま
た、係合部材52の縦幅Mは筒部40の軸方向に見て係
留突部48の係止辺48Bと、支持突部50の支持辺部
50Aの中間部との間の高さ距離とされ、その高さH
(ピン部材42の外周面からの突出量)が筒部40の最
も薄い肉厚Nと略同等の長さとなるように構成されてい
る。
【0022】図2〜図4に示すように、筒部40の筒孔
54の内周面は、ピン部材42を一体に設けた端口部か
ら、自由端の端口部へかけて先すぼまりとなる円錐台形
の斜周面状に形成されている。このため、筒部40の肉
厚は、ピン部材42を設けた側から自由端側へかけて除
々に厚くなるよう形成されている。さらに、筒孔54の
一部をピン部材42が塞いでいる図2、図4に示される
未使用の状態では、筒部40と、ピン部材42との一体
成形され接続された接続部42Aがピン部材42を図2
の矢印A方向へ打ち込んだときに破断し易くするため、
この接続部分に断面三角形状の切欠部54Aが形成され
ている。
【0023】図2、及び図4に示すように、フランジ部
38の底面には、その筒部40の外周に沿って、断面逆
U字状の溝56が穿設されている。この溝56は、筒部
40の外周とフランジ部38との接点部位に応力が集中
するのを防止するとともに、筒部40の延出した自由端
部が各スリット44、46を開くように弾性変形をし易
く構成されている。
【0024】次に、本第1実施の形態に係る締結体本体
部分の製造方法の一例について図7、及び図8により説
明する。
【0025】この締結体本体30は、リトラクタ32用
のスプリングカバー36の射出成形時に同時に形成され
る。すなわち、スプリングカバー36用の射出成形金型
である固定型58と、可動型60の一部としてのスライ
ドピン62との所定部所に締結体本体30の金型部分が
構成されている。
【0026】この締結体本体30を成形するための金型
として、固定型58、可動型60の他にスライドピン6
2が設けられている。この固定型58には、ピン部材4
2を形成するための凹部64、係合部材52の底面を除
く所要面部を形成するための凹部66、及びフランジ部
38のピン部材42側の側面部を形成する面形成部68
が設けられている。すなわち、係合部材52は、図7の
固定型58が上方へ離型できる形状であれば良く、この
ためには、係合部材52はピン部材42の平面形状(図
1)においてピン部材42の外周から突出した形状であ
れば良い。
【0027】また、可動型60には、筒部40の先端面
から外周面にかけての部分を形成するための凹部70、
溝56を形成するための環状突部である凸部72、及び
フランジ部38の筒部40側の側面部である底面を形成
する面形成部74が設けられている。さらに可動型60
の凹部70部分には、スライドピン62が凹部70の軸
線方向へ摺動操作可能に装着されている。
【0028】スライドピン62には、その丸軸棒の自由
端部に大径の底面部を自由端とした円錐台形状に形成し
た筒孔54を形成するための筒孔用雄形部76が設けら
れている。この筒孔用雄形部76の先端周部には、切欠
部54Aを形成するための切欠部用突部76Aが設けら
れている。
【0029】また、筒孔用雄形部76の直径方向に対峙
する2箇所には、係着部付スリット46を形成するため
の係着部付スリット用雄形部78と、スリット44を形
成するための図示しないスリット用雄形部が設けられて
いる。この係着部付スリット用雄形部78には、その一
方の側部に係留突部48を形成するための係留突部用凹
部80が形成され、さらに他方の側部に支持突部50を
形成するための支持突部用凹部82が形成されている。
さらに、係着部付スリット用雄形部78は、その先端の
端面が固定型58の係合部材52形成用の凹部66の一
つの開放面を塞ぎ、これらが相俟って係合部材52を形
成する金型を構成する。すなわち、固定型58の所定部
と、これに対応する可動型の一部としてのスライドピン
62との間の境界部分に、ピン部材42から突設される
係合部材52を作るための金型のキャビティが構成され
るよう設定されている。
【0030】上述のように構成された各金型は、固定型
58のピン部材用の凹部64内にスライドピン62の筒
孔用雄形部76の部分を挿入し、固定型58と可動型6
0とを相互間にフランジ部38の肉厚寸法に相当するキ
ャビティを作るように合致させる。そして、この金型の
キャビティ内に溶融ポリプロピレンを射出して締結体本
体30とともにスプリングカバー36全体を一体成形す
る。この後、成形品としての締結体本体30を型抜きす
る。この型抜き作業に当たって、固定型58には、その
ピン部材42用の凹部64に孔の出口の口径より内部の
内径が大きい構造であるいわゆるアンダーカット部分が
無いし、また、係合部材52用の凹部66には成形品と
しての締結体本体30を型抜きのため引き出す方向に当
たる係合部材52の底面部分がなく、キャビティの一部
が開放された状態なので、この固定型58から係合部材
52を難なく引き出すことができる。
【0031】また、可動型60側から成形品としての締
結体本体30を型抜きする場合には、その可動型60自
体の凹部70、突部72の部分に、いわゆるアンダーカ
ット部分が無いので、この可動型60自体から容易に引
き出すことができる。
【0032】しかしスライドピン62から成形品として
の締結体本体30を型抜きする場合には、筒孔用雄形部
76の部分にいわゆるアンダーカットがあり、しかも係
着部スリット用雄形部78の部分における係留突部48
部分用の凹部80と、支持突部50部分用の凹部82と
の部分に凹凸の引掛かりを生じるので、いわゆる無理抜
き法によって型抜きをする。すなわち、可動型60を固
定型58から離して、筒部40から抜け出た状態で成形
品とての締結体本体30を弾性変形させながらスライド
ピン62を引き抜く。実際には可動型60の離型動作と
スライドピン62の筒部40からの抜き出し動作は可動
型60の移動ストロークに連動して行われる。このと
き、筒部40における係留突部48を設けた方の片部
は、図8に示すように小角度先端を開けるよう弾性変形
し、支持突部50を設けた方の片部も小角度先端を開け
るよう弾性変形するだけで容易に型抜きすることができ
る。
【0033】次に、上述のように構成された本第1実施
の形態に係る締結体の作用、及び使用法について説明す
る。
【0034】この締結体本体30は、その射出成形後、
未使用のときに、図2、及び図4に示す状態とされてい
る。すなわち、筒部40の外方側端口部にピン部材42
が打ち込み可能状態で待機された状態とされている。こ
の状態において、図9に示すように、スプリングカバー
36をリトラクタ32の枠金具34の所定位置に位置合
わせし、図2、及び図4に示す如く、枠金具34に穿孔
した筒部40の外径と同径の透孔84に、筒部40の先
端部を挿通する。次に、ピン部材42を図の矢印A方向
へ打ち込む。すると、ピン部材42の筒部40と一体成
形された接続部42Aが破断し、ピン部材42が図5、
及び図6に示す状態まで筒孔54内に挿入される。すな
わち、ピン部材42が筒孔54内に入るに従って筒孔5
4の先細りの孔をスリット44、46を拡大しつつ押し
広げ、図5に示されるように筒部40の透孔84を貫通
して延出された部分の外径を透孔84の内径より大きく
広げる。これにより、筒部40は、透孔84から抜けな
いよう締結される。さらに、これと同時にピン部材42
に突設された係合部材52が係着部付スリット46内を
移動し、案内斜辺部48Aに案内されながら係留突部4
8を乗り起えて、支持突部50の支持辺部50Aに乗り
上げ、そのときの反力で係留突部48の係止辺48B
と、スリット46の側壁とに圧接されて保持される状態
となる。この状態では、ピン部材42がその軸線方向に
沿って筒部40の矢印A方向へ移動しようとしても、係
着部付スリット46における係合部材52が支持突部5
0に当たってその動きが制止され、さらにピン部材42
が矢印Aと逆方向へ移動しようとしても、係合部材52
が係着部付スリット46の係留突部48に当ってその動
きが制止される。よって、ピン部材42が筒部40から
抜ける動作が、この係合部材52と、係着部付スリット
46との作用で制止できる。
【0035】また、ピン部材42の係合部材52は、成
形時に固定型58とスライドピン62との間の接続部4
2Aが設けられる境界部分に設定されているので、これ
ら固定型58とスライドピン62とを分離させれば、固
定型58の凹部66に入っている係合部材52を引き出
せるからこれらの金型を型抜きする場合に全く邪魔とな
らない。よって、この突出した係合部材52を作るの
に、型抜きのため型の一部を横にスライドさせる金型等
の複雑に分解、組み合せされる金型を用いることなく簡
素な構成の金型で製造できる。さらに、例えばスプリン
グカバー36を作るための金型が複雑であって他に複雑
な金型構成を付加できない状態でも、本実施の形態の締
結体本体30を作るための構造簡素で小型の締結体製作
用金型部分を、スプリングカバー36の全体の金型の一
部に容易に付加できる。
【0036】また、筒孔54内にピン部材42が挿入さ
れた締結状態ではピン部材42は筒孔54との摩擦だけ
で保持されているのではなく、係合部材52と支持構造
部としての係着部付スリット46との係合で支持されて
いるので、ピン部材42、筒部40等の製造上の寸法誤
差によりピン部材42が抜け止めされる力が変動しない
ようにでき、製造精度を極めて高精度にしなくても製造
可能とする。
【0037】次に、本発明の締結体における第2実施の
形態について、図10〜図14に従って説明する。本第
2実施の形態では、筒孔54内に係止用の突部を設け、
この突部に係合する凹部をピン部材に設けて構成されて
いる。
【0038】図11、及び図12に示すように筒部40
は、その自由端部(図11に向かって下側の端部)を前
述した第1実施の形態の筒部40より延長し、この延長
部分に筒孔54の端口部分の内径を小さく絞るように筒
孔54の開口中心に向けて断面三角形状に延設された受
け止め部86が設けられている。
【0039】また、筒孔54内の内壁部における受け止
め部86から筒部40(40A、40B)の軸方向に沿
って所定間隔開けた部分には、係止突部88が突設され
ている。この係止突部88は、図12に示すように底面
視半円形状で、図11に示すように縦断面が略三角形状
に形成されている。この係止突部88には、筒孔54内
のピン部材42側から受け止め部86側へ滑らかに傾斜
して筒孔54内へ突出する案内斜面88Aが形成される
とともに、その頂点から受け止め部86側へ急傾斜する
斜面である係止辺部88Bが形成されている。なお、筒
部40には、細溝状のスリット44を直径方向へ対峙さ
せて2個形成する。
【0040】図10、及び図11に示すように、ピン部
材42には、その自由端から筒部40との一体に接続さ
れた部分(図示しない成形用金型である固定型と、可動
型の一部としてのスライドピンとの境界部分)にかけ
て、ピン部材42の軸方向に沿って直線状に図10に示
される如く平面視半円形状の通し溝部90が設けられて
いる。すなわち、ピン部材42には、その筒部40との
接続部42Aに、通し溝部90が埋まる如くに形成され
た係着突部92が設けられている。この通し溝部90
と、これに続く係着突部92とは、筒孔54内の係止突
部88と直線上に並ぶよう配設されている。
【0041】上述のように構成された締結体本体30を
射出成形で製作するには、例えば前述した第1実施の形
態と同様に、固定型、可動型及びスライドピンを用いる
ことができる。この場合には、図示しないが、固定型の
ピン部材42を形成するための凹部内に通し溝部90を
形成する突条を設ける。また、スライドピンの筒孔用雄
形部の周面所定箇所に係止突部88を形成するための凹
部を設ける。
【0042】このように構成された金型を用いる場合、
固定型は、直線状の通し溝部90に沿って固定型凹部内
の突条を外せるのでそのまま型抜きできる。
【0043】しかし、スライドピンから締結体本体30
を型抜きする場合には、図14に示すようないわゆる無
理抜き法を行う。この無理抜き法を行うときに、筒部4
0の一対のスリット44で分けられた筒孔54内に係止
突部88を設けた片部40Aは、筒孔用雄形部76を通
すため小角度弾性変形する。また、筒部40の係止突部
88を設けていない片部40Bは、受け止め部86のみ
が筒孔用雄形部76から外れれば良いので、これに対応
する角度だけ弾性変形することになる。
【0044】また、ピン部材42の係着突部92は、固
定型とスライドピンとの間の境界部分に設定されている
ので、これら固定型とスライドピンとを分離させれば、
固定型の凹部に入っている係着突部92を引き出せるか
らこれらの金型を型抜きする場合に全く邪魔とならな
い。よって、この突出した係着突部92を作るのに、型
抜きのため型の一部を横にスライドさせる金型等の複雑
に分解、組み合せされる金型を用いることなく簡素な構
成の金型で製造できる。
【0045】なお、本第2実施の形態における以上説明
した以外の構成、作用、及び効果は前述した第1実施の
形態と同様であるので、同一部材には同一符号を付すこ
ととし、その詳細な説明を省略する。
【0046】前述した各実施の形態では筒部40が透孔
84内へ挿入される構成について説明したが、筒部40
を挿入する孔形状が孔入口よりも孔奥側が大径とされて
いる孔であれば全て適用できる。
【0047】
【発明の効果】本発明の締結体は、構造が簡素なので、
通常の加工により容易に製造でき、しかも樹脂部品の一
部に一体成形する場合でも、容易に製作可能とするとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に関わる締結体のピン
部材部分を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施の形態に係わる締結体の締結
される部所へ配置された状態を示す図1の2−2線断面
に相当する断面図である。
【図3】本発明の第1実施の形態に係わる締結体の筒部
部分を示す図2の底面図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係わる締結体の締結
される部所へ配置された状態を示す図2の4−4線断面
図である。
【図5】本発明の第1実施の形態に係わる図2の状態か
ら締結体が締結された状態を示す図1の5−5線断面に
相当する一部破断側面図である。
【図6】本発明の第1実施の形態に係わる締結体の締結
状態を示す部分断面概略斜視図である。
【図7】本発明の第1実施の形態に係わる締結体を金型
を用いて製作する状態を示す図1の5−5線に相当する
断面図である。
【図8】本発明の第1実施の形態に係わる締結体を金型
で製造し、金型を無理抜きする状態を示す図1の2−2
線断面に相当する断面図である。
【図9】本発明の第1実施の形態に係わる締結体を設け
たリトラクタのスプリングカバーの概略を示す斜視図で
ある。
【図10】本発明の第2実施の形態に係わる締結体のピ
ン部材部分を示す平面図である。
【図11】本発明の第2実施の形態に係わる締結体の締
結される部所へ配置された状態を示す図10の11−1
1線断面に相当する断面図である。
【図12】本発明の第2実施の形態に係わる締結体の筒
部分を示す図11の底面図である。
【図13】本発明の第2実施の形態に係わる図11に示
される締結体の締結状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第2実施の形態に係わる図11の締
結体を金型で製造し、金型を無理抜きする状態を示す断
面図である。
【図15】従来の締結体が締結される部所へ配置された
状態を示す断面図である。
【図16】従来の締結体を金型で製造し、金型を無理抜
きする状態を示す断面図である。
【図17】従来の締結体の締結状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
30 締結体本体 36 スプリングカバー(被取付部材) 40 筒部 42 ピン部材 46 係着部付スリット(支持構造部) 48 係留突部(支持構造部) 50 支持突部(支持構造部) 52 係合部材 54 筒孔 58 固定型 60 可動型 62 スライドピン 76 筒孔用雄形部 78 係着部付スリット用雄形部 80 係留突部用凹部 82 支持突部用凹部 84 透孔 86 受け止め部(支持構造部) 88 係止突部(支持構造部) 90 通し溝部 92 係着突部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材の孔内へ嵌合して被取付部材を
    締結させるために、前記被取付部材に設けられる締結体
    であって、 前記孔へ先端部分が貫通される筒部と、 前記筒部の筒孔における基端口部分に、破断可能な接続
    部を介して前記被取付部材へ先端部分が一体成形により
    接続されるピン部材と、 前記筒部側を成形するための金型と前記ピン部材側を成
    形するための金型とを分離することにより型抜き可能な
    ように、前記ピン部材に一体成形された係合部材と、 前記ピン部材が前記筒部との接続部を破断して前記筒孔
    内へ挿入され前記筒部の外径を拡大して前記孔部分に締
    結された状態で、前記係合部材と係合して前記ピン部材
    が前記筒部の筒孔から抜けないようにする支持構造部
    と、 を有することを特徴とする締結体。
  2. 【請求項2】 前記筒部が、前記ピン部材をもうけた側
    から自由端部側へかけて、肉厚が徐々に厚くなるように
    形成されると共に、前記筒部に、その自由端部に開放す
    るスリットが形成され、当該スリットに前記係合部材を
    係合するための前記支持構造部が設けられたことを特徴
    とする請求項1記載の締結体。
JP5373598A 1998-03-05 1998-03-05 締結体 Pending JPH11247812A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5373598A JPH11247812A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 締結体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5373598A JPH11247812A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 締結体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11247812A true JPH11247812A (ja) 1999-09-14

Family

ID=12951095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5373598A Pending JPH11247812A (ja) 1998-03-05 1998-03-05 締結体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11247812A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012060791A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Yazaki Corp 取付物の固定構造
KR101538794B1 (ko) * 2015-04-10 2015-07-22 박재성 자동차 후드 지지용 앵커 브라켓 및 그의 제조방법
JP2016023695A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 日本電産シンポ株式会社 減速機
JP2016205422A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 株式会社パイオラックス 留め具
US20170264180A1 (en) * 2014-08-29 2017-09-14 Juken Swiss Technology Ag Mounting peg

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012060791A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Yazaki Corp 取付物の固定構造
JP2016023695A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 日本電産シンポ株式会社 減速機
US20170264180A1 (en) * 2014-08-29 2017-09-14 Juken Swiss Technology Ag Mounting peg
US10833571B2 (en) * 2014-08-29 2020-11-10 Juken Swiss Technology Ag Mounting peg
KR101538794B1 (ko) * 2015-04-10 2015-07-22 박재성 자동차 후드 지지용 앵커 브라켓 및 그의 제조방법
JP2016205422A (ja) * 2015-04-15 2016-12-08 株式会社パイオラックス 留め具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6896460B2 (en) Fastener
US7105119B2 (en) Method of forming integrally molded clip
US20090265900A1 (en) Clip
JPH0643317U (ja) 結合クリップ
JPH0246668A (ja) ロック機構付きコネクター
JPH0814246A (ja) ボールジョイント
EP2382889B1 (en) Pin fastener
JPH11247812A (ja) 締結体
CN107920633B (zh) 按扣
WO2003072957A2 (en) Integrally molded clip and method of forming the same
JP2004183798A (ja) クリップ及びこのクリップを利用したトリムボード取付構造
JP5134204B2 (ja) グロメット
CN115247670B (zh) 自冲压功能元件、部件组件以及制造部件组件的方法
US4809407A (en) Open-faced buttons
CN106963049B (zh) 按扣和雄体形成方法
US20100313725A1 (en) Puncher
EP1201456A1 (en) Ball point pen
EP1619412A1 (en) Stepwise driving force transmission device
JP3863812B2 (ja) クリップ
KR200185986Y1 (ko) 역류방지 기구를 구비한 필기구
JP3642509B2 (ja) 歯形サイジング用金型
JP2005249073A (ja) クリップ
CN114364888B (zh) 卡扣以及卡扣安装构造
JP2005067029A (ja) クリップ取付構造
CN217907186U (zh) 被子固定装置