JP3863812B2 - クリップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば2枚の板状部材を互いに連結する場合などに好適に使用されるクリップに関し、更に詳述すると、フランジ体の下面に脚部を突設したクリップ本体と、頭部の下面に軸部を突設したピンとからなり、2枚の板状部材にそれぞれ貫通孔を形成して互いの貫通孔を連通させた状態でこれら2枚の板状部材を重ね合わせ、この貫通孔にクリップ本体の脚部を挿入して該脚部内にピンの軸部を圧入することにより、クリップ本体の脚部先端側が拡径して2枚の板状部材を連結固定することができるクリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のバンパーをボディーに取り付ける場合、合成樹脂製のクリップを用いてバンパーフェイシャーをボディーパネルのリテーナに固定することが行われている。
【0003】
このようなクリップとしては、フランジ部の下面に略筒状の脚部を突設したクリップ本体と、頭部下面に軸部を突設したピンとからなるクリップが知られており、このクリップは、互いに連結固定する2つの板状部材にそれぞれ貫通穴を形成し、互いの貫通穴を連通させた状態で両板状部材を重ね合わせ、クリップ本体の脚部をこれら貫通穴に挿入して、該脚部にピンの軸部を圧入し、これによりクリップ本体の脚部先端側を拡径させ、2つの板状部材をクリップ本体のフランジ部下面と拡径した脚部先端側とで挟圧固定するものである、
【0004】
この種のクリップの一例として、実開昭55−120818号公報に開示されたクリップがある、即ち、このクリップは、図12,13に示したように、丸板状のフランジ部c中央部にピン押通孔を穿設すると共に、該フランジ部c下面に略円筒状の脚部dをその中空部が上記ピン挿通孔と連通した状態で突設し、この脚部dの周壁に4つのスリットeを等間隔ずつ離間させて軸方向に沿って形成することにより、該脚部dを4つの分割部に分割したクリップ本体aと、丸板状の頭部fの下面に軸部gを突設すると共に、該軸部gの周面に上記クリップ本体aのスリットeに相応した4つのリブhを軸方向に沿って設けたピンbとから構成されている。
【0005】
このクリップを用いて、2つの板状部材iとjとを互いに連結固定する場合、板状部材i,jを、それぞれに設けた貫通穴k,lを互いに連通させた状態で重ね合わせ、その貫通穴k,lに上記クリップ本体aの脚部dを挿入する(図12)。この状態で、クリップ本体aの脚部d内に上記ピンbの軸部gを圧入する。これにより、図13に示されているように、脚部d内空部の小径に形成された先端側が軸部gにより外側へと押圧されて脚部dの各分割部がそれぞれ外側へと撓み、該脚部dの先端側が拡径して貫通穴lの内周面を抑圧し、この拡径した脚部d先端側とフランジ部c下面とで両板状部材i,jとを互いに挟圧固定するものである。なお、この際ピンbの軸部gに設けられた係止凹部mにクリップ本体aの脚部d内空部に設けられた係止突部nが係合し、脚部dの拡径状態が保持されると共に、ピンbの軸部gに設けられたリブhはクリップ本体aのスリットe内に挿入された状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、自動車のバンパーをボディに取り付ける場合などの自動車の組立て工程においてこの種のクリップを用いる場合、組立てラインの流れに遅れないように確実に作業を完了させる必要があり、固定状態の確実性と共に、取扱い性が良好であることが要求される。
【0007】
この場合、この種のクリップでは、上記ピンbを容易に圧入し得るか否かが取扱い性の良否に大きく影響し、ピンbの圧入に要する力が小さければ、それだけ取扱い性を向上させることができる。
【0008】
この種のクリップにおいて、ピンbの圧入力を小さくするには、上言脚部dの材料を選定することにより剛性を低く設定して脚部dの可撓性を向上させればよいが、脚部dの剛性を低くするとクリップの重要な性能である固定状態の確実性が低下することとなってしまう。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ピンの圧入力を小さくして取扱い性を向上させることができ、しかも良好な固定状態を達成することができるクリップを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、フランジ部にピン挿通孔を穿設すると共に、該フランジ部下面に略筒状の脚部をその内空部が上記ピン挿通孔と連通した状態に穿設し、かつ、この脚部の周壁に複数のスリットを軸方向に沿って形成して該脚部を複数の分割部に分割すると共に、各分割部の内面先端側に係止突起を突設したクリップ本体と、頭部の下面に軸部を突設し、該軸部に上記係止突起と係合する係合部を設けたピンとを具備し、上記ピンの軸部を上記ピン挿通孔を通して上記クリップ本体の脚部中空部内に挿入して上記クリップ本体と上記ピンとを連結したクリップであり、上記ピンを押圧して該ピンの軸部を上記クリップ本体の脚部先端側へと更に圧入することにより、該軸部でクリップ本体脚部の各分割部を外側へと押圧し、脚部先端側を拡径させると共に、該脚部の上記係止突起とピン軸部の上記係合部とを係合させて脚部の拡径状態を保持するクリップにおいて、上記クリップ本体の脚部に設けた各スリットの脚部基端側を幅広に、脚部先端側を幅狭に形成すると共に、上部が幅広で下部が幅狭に形成された複数のリブを上記ピンの軸部外周面に軸方向に沿って設けて、上記脚部の拡径状態において上記各スリットの幅広部の内側に各リブの幅広部が位置するように構成し、また各リブの上記幅広部と幅狭部との境界部分に漸次幅狭となるテーパ部を設けることにより、ピンの軸部をクリップ本体の脚部中空部に挿入する際の作業を容易ならしめるようにしたことを特徴とするクリップを提供する。
【0011】
また、上記本発明クリップの好適な実施態様として、ピンの軸部先端部に上部がテーパ面になった複数の保持凹部を形成すると共に、該保持凹部の上方に隣接して係合部を形成し、ピンの軸部をクリップ本体の脚部内に挿入して、ピン軸部の保持凹部内にクリップ本体脚部の係止突起を係合させることによりクリップ本体とピンとを連結してなり、ピンの頭部を押圧することにより、ピンの軸部がクリップ本体の脚部内を先端側へと進行し、上記係止突起が上記保持凹部のテーパ面により押圧されて脚部先端側が拡径すると共に、該係止突起が係合部に係合して脚部の拡径状態が保持されるように構成したクリップを提供する。
【0012】
本発明のクリップは、複数の板状部材を連結固定する場合などに好適に使用されるもので、クリップ固定用の貫通穴を設けた複数の板状部材を互いの貫通穴を連通させた状態に重ね合わせ、この貫通穴に上記クリップ本体の脚部を挿入すると共に、該クリップ本体に連結された上記ピンを押圧して該ピンの軸部を上記脚部の先端側へと更に圧入することにより脚部先端側を拡径させ、両板状部材を上記クリップ本体のフランジ部と拡径した脚部先端部とで挟圧固定するものである。
【0013】
即ち、クリップ本体の脚部を重ね合わせた板状部材の貫通穴に挿入して該脚部の先端部を板状部材の反対側に突出させると共に、クリップ本体のフランジ部下面を一方の板状部材に当接させ、この状態で、脚部中空部内に軸部が挿入されてクリップ本体に連結されたピンを押圧し、該ピンの軸部をクリップ本体脚部の先端側へと更に圧入すると、ピンの軸部によりクリップ本体脚部の各分割部が押圧されて各分割部先端側が外側へと撓み、脚部先端側が拡径すると共に、各分割部内面に突設された係止突起と軸部に設けられた係合部とが係合して脚部先端側の拡径状態が保持される。これにより、拡径した脚部先端側が板状部材の貫通穴の内周を押圧して本クリップが貫通穴に固定されると共に、クリップ本体のフランジ部下面と拡径した脚部先端側とで板状部材を挟圧固定するものである。
【0014】
ここで、この種のクリップ、即ちピンの軸部を圧入することによりクリップ本体の脚部先端側を拡径させるクリップでは、クリップ本体脚部の各分割部が良好に撓んで先端側がスムーズに拡径しなければならず、上述したようにこれがクリップの取扱い性に大きく影響するものであるが、本発明のクリップでは、各スリットの脚部基端側を幅広に、脚部先端側を幅狭に形成すると共に、上記ピン軸部外周面に軸方向に沿ってリブを設け、各リブの軸部上部を幅広に、軸部下部を幅狭に形成し、脚部の拡径状態において、各スリットの幅広部の内側に各リブの幅広部が位置するようにスリット及びリブを形成しているので、クリップとしての脚部基端側の剛性を向上させることができ、剪断力に対する強度を大幅に向上させることができるものである。更に、上記スリットの脚部基端側を幅広に形成したことにより脚部の各分割部基端側が幅狭となり、このため各分割部の可撓性が向上し、ピン軸部挿入による脚部先端側の拡径がより容易になり、クリップ固定時のピンの挿入力を小さくして取扱い性を高めることができる。また更に、スリットの脚部先端側は幅狭に形成されているので脚部分割部の先端側は幅広となり、脚部先端側の拡径状態を保持しておくための各係止突起の係止幅を十分にとることができ、この係止突起とピン軸部の係止部とを確実に係合させて脚部先端側の拡径状態を確実に保持することができる。しかも、上記各リブの幅広部と幅狭部との境界部分には、漸次幅狭となるテーパ部が設けられ、このテーパ部の作用によりピンの軸部をピン挿通孔を通してクリップ本体の脚部中空部内に挿入して上記クリップ本体と上記ピンとを連結する作業を容易に行うことができるものである。
【0015】
このように、本発明のクリップによれば、クリップ本体とピンとを連結してクリップを構成する作業を容易に行うことができると共に、クリップ固定時において、剪断力に対する強度を向上させることができ、ピンの軸部を圧入するのに必要な力が小さくて済み、取扱い性を向上させることができ、しかも良好な固定状態を達成することができ、取り外し作業も容易に行われるものである。
【0016】
【発明の実施の形態及び実施例】
以下、本発明の実施例につき図面を参照して説明する。
図1〜11は、本発明の一実施例にかかるクリップを示すもので、このクリップは、図1,2に示されているように、クリップ本体1とピン2とから構成されている。
【0017】
上記クリップ本体1は、図3〜6に示されているように、丸板状のフランジ部3の中央部にピン押通孔4を穿設し、かつ該フランジ部3の下面中央部に略円筒状の脚部5をその中空部を上記ピン押通孔4と連通させた状態に突設させたものである。
【0018】
このクリップ本体1を構成する上記フランジ部3の上面中央には、円形のピン嵌入凹部6が設けられており、かつ該フランジ部3上面に後方向に沿って帯状に比較的幅広の工具挿入溝7が形成されている。
【0019】
また、クリップ本体1を構成する上記脚部5には、その周壁に4つのスリット8,8,8,8が互いに等間隔ずつ離間して軸方向に沿って形成されており、これらスリット8,8,8,8により脚部5が4つの分割部9,9,9,9に分割されている。更に、これらスリット8,8,8,8は、それぞれ上部が幅広部10、下部が幅狭部11に形成されており、かつ上部の幅広部10は上記フランジ部3を貫通してフランジ部3の上面に開放している。
【0020】
上記スリット8,8,8,8により分割された各分割部9,9,9,9の内面先端部には、それぞれ係止突起12,12,12,12が突設されており、この係止突起12,12,12,12により脚部5先端部の内径が小径になっている。また、脚部5の先端外周縁部は、周方向に沿って面取りが施されており、これにより脚部5先端の外径が小径に形成されている。
【0021】
次に、上記ピン2は、図8,9に示されているように、丸皿状頭部13の下面中央に略円柱状の軸部14を突設したものである。該ピン2を構成する軸部14の先端部外周面には、4つの保持凹部15(図では2つしか現れていない)が等間隔ずつ離間して周方向に沿って連設されており、これら保持凹部15の上部は上方に向かうに従って漸次その深さが浅くなるテーパ面16となっている。また、これら保持凹部15の上方には、係止段差17を介してリング状の係合凹部(係合部)18が周方向に沿って形成されている。更に、軸部14の外周面には、基端部から上記係止段差17にかけて4つのリブ19が等間隔ずつ離間して軸方向に沿って形成されている。これらリブ19はその上部が幅広部20、下部が幅狭部21に形成されており、上記クリップ本体1の脚部5に形成された各スリット8に相応した形状となっている。そして、上記各リブの幅広部20と幅狭部21との境界部分には、漸次幅狭となるテーパ部22がそれぞれ設けられていると共に、上記幅狭部21は下方に向かうに従ってその高さが漸次低くなるテーパ状に形成され、上記係止段差17部分で軸部14の周面と一体化している。なお、軸部14の先端外周縁は面取りが施されており、これによって該先端が小径に形成されている。
【0022】
本実施例のクリップは、上記クリップ本体1とピン2とを連結したもので、図1に示されているように、ピン2の軸部14をクリップ本体1のフランジ部3側からピン挿通孔4を通してクリップ本体1の脚部5内空部内に挿入し、ピン2の軸部14先端部に形成した4つの保持凹部15内にクリップ本体1脚部5の各分割部9内面先端部に形成した各係止突起12を係合させることにより、クリップ本体1とピン2とを連結したものである。この場合、図1に示されているように、ピン2の頭部13及び軸部14基端部がクリップ本体1のフランジ部3上面より上方に突出した状態となる。
【0023】
そして、この状態からピン2の頭部13を押圧してピン2の軸部14をクリップ本体1の脚部5内に押し込むことにより、図2に示されているように、該軸部14が脚部5内を下方へと進行して脚部5の各分割部9内面に突設された係止突起12がピン2軸部14の先端部に形成された各保持凹部15のテーパ面16により外方へと押圧され、各分割部9がそれぞれ外側へと撓んで脚部5の先端側が拡径し、上記各係止突起12がピン2軸部14の上記各保持凹部15の上方に設けられた係止段差17を乗り越えて係合凹部18に係合する。これにより、係止突起12が係止段差17により係止されて脚部5先端側の拡径状態が保持されるようになっている。また、このときピン2の各リブ19はクリップ本体1脚部5の各スリット8内に挿入され、リブ19の幅広部20がスリット8の幅広部10内に、リブ19の幅狭部21がスリット8の幅狭部11内にそれぞれ位置するようになっている。更に、ピン2の頭部13は、クリップ本体1のフランジ部3上面に形成されたピン嵌入凹部6内に嵌入され、フランジ部3から突出することがないようになっている。
【0024】
次に、本実施例クリップの使用法及び動作について説明する。
本クリップを用いて2枚の板状部材を連結固定する場合、図10に示したように、互いに連結する2枚の板状部材i,jにそれぞれ設けた貫通穴k,lを連通させた状態で両板状部材i,jを重ね合わせ、貫通穴k,lに本クリップのクリップ本体1軸部5をピン2の軸部14と共に挿入し、クリップ本体1のフランジ部3下面が一方の板状部材iの上面に当接した状態とする。
【0025】
この状態で、図11に示したように、ピン2の頭部13を押圧Pしてピン2の軸部14を脚部5内で下方へと進行させ、上述した通りの動作によりピン2の保持凹部15に設けたテーパ面16で脚部5先端側を拡径させると共に、脚部5各分割部9の係止突起12をピン2軸部14の係合凹部18に係合させて係止段差17で係止することにより、脚部5先端側の拡径状態を保持する。
【0026】
これにより、拡径した脚部5先端側が板状部材i,jの貫通穴k,lの内周を押圧して本クリップが貫通穴k,lに固定されると共に、クリップ本体1のフランジ部3下面と拡径した軸部5先端側とで両板状部材i,jを挟圧固定するものである、またこの際、ピン2軸部14の外周面に設けられた各リブ19がクリップ本体1脚部5の各スリット8内に挿入される。
【0027】
この場合、本実施例のクリップにあっては、上記各スリット8の基端側を幅広に形成したことにより脚部5の各分割部9基端側が幅狭となり、このため各分割部9の可撓性が向上し、ピン2軸部14の挿入による脚部5先端側の拡径がより容易になり、クリップ固定時のピン2の挿入力を小さくして取扱い性を高めることができる。
【0028】
また、上記脚部5を各分割部9に分割するスリット8の基端側を幅広に形成し、このスリットの幅広部10内に剛性を高く設定することができるピン2軸部14のリブ19が挿入されるようになっているので、クリップとしての脚部5基端側の性を向上させることができ、剪断力に対する強度を大幅に向上させることができるものである。従って、一方の板状部材iに図11中矢印方向Fの強い力がかかってクリップに強い剪断力が生じても、良好に両板状部材i,jを連結固定することができる。
【0029】
更に、本実施例のクリップにあっては、スリット8の脚部先端側は幅狭に形成されているので脚部5の各分割部9先端側は幅広となり、脚部5先端側の拡径状態を保持しておくための上記各係止突起12の係止幅を十分にとることができ、この係止突起12とピン2軸部14に形成した係止段差17とを確実に係合させて脚部5先端側の拡径状態を確実に保持することができるものである。即ち、図7に示したように、本実施例のクリップでは、脚部5に設けたスリット8をその先端側(下部)を幅狭に形成したので、各係止突起12の先端幅Wを十分にとることができるものである。しかしながら、このスリット8を全長に亘って幅広に形成した場合、本実施例のクリップと同様に剪断力の向上は達成されるものの、図7中一点鎖線30で示したように、係止突起12の先端幅wは非常に狭くなり、上記係止段差17との係合幅が狭く、十分な係止力が得られなくなり、不意に脚部5の拡径状態が解除されてしまうおそれがあると共に、この係止突起12がピン2軸部の周面を摺動することにより摩耗して十分な係合が得られなくなるおそれもある。
【0030】
更にまた、本実施例のクリップでは、ピン2の頭部13がクリップ本体1のフランジ部3に設けられたピン嵌入凹部6内に嵌入するように構成されているので、ピン2頭部13に何かが引掛かってピン2が持ち上がり、不意に脚部5の拡径状態が解除されてしまうことが防止される。しかも、ピン2を引き上げて脚部5の拡径状態を解除したい場合には、クリップ本体1のフランジ部3に設けた工具挿入溝7からマイナスドライバーの先端部をピン2の頭部13とピン嵌入凹部6の上面との間に挿入し、ピン2の頭部13をこじり上げることにより、容易にピン2を引き上げて脚部5の拡径状態を解除することができるものである。なおこの場合、脚部5各分割部9に設けられた各係止突起12がピン2軸部14の係止段差17を乗り越えるまでピン2を引き上げることにより、脚部5各分割部9の弾性復帰力と係止段差17の下方に形成された保持凹部15のテーパ面16との作用によってピン2が自動的に持ち上がり、ほんの少しピン2を引き上げることにより、極めて容易に脚部5の拡径状態を解除することができる。
【0031】
本実施例のクリップにあっては、上記各リブ19の幅広部20と幅狭部21との境界部分には、漸次幅狭となるテーパ部22がそれぞれ設けられている。更に、上記各リブ下部の幅狭部においては、その高さが漸次低くなるようにテーパ状に形成されている。これらテーパの作用によりピン2の軸部14をピン挿通孔4を通してクリップ本体1の脚部5中空部内に挿入して上記クリップ本体1と上記ピン2とを連結する作業を容易に行うことができる。
【0032】
なお、本発明のクリップは、上記実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施例では工具挿入溝7をフランジ部3の径方向に沿って帯状に形成し、フランジ部3周縁部に工具差し込み用の間隙が2箇所形成されるようにしたが、ピン嵌入凹部6の周縁部を1箇所だけ切り欠いてフランジ部3外周に開放させることにより工具差し込み用の間隙が1箇所だけ形成されるようにしてもよく、またピン嵌入凹部6の周縁部を3箇所以上切り欠いて3箇所以上の工具差し込み用間隙を形成してもよい。更に、これらピン嵌入凹部6及び工具挿入溝7を省略することもできる。ピン2の構成は適宜変更することができ、更にその他の構成についても本発明の要旨の範囲内で適宜変更しても差し支えない。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のクリップによれば、剛性を低下させることなく、クリップ固定時のピンの挿入力を小さくすることができると共に、クリップ本体とピンとを連結してクリップを構成する作業を容易に行うことができ、取扱い性を向上させることができるものである。また、脚部に設けられた係止突起とピン軸部の係止部とを確実に係合させることができ、脚部先端側の拡径状態を確実に保持して信頼性の高い固定状態を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるクリップを示す正面図である。
【図2】同クリップを構成するピンの軸部をクリップ本体の脚部内に圧入した状態を示す一部を切り欠いて断面とした正面図である。
【図3】同クリップを構成するクリップ本体を示す平面図である。
【図4】同クリップ本体を示す正面図である。
【図5】同クリップ本体を示す図3のA−A線に沿った断面図である。
【図6】同クリップ本体を示す底面図である。
【図7】同クリップ本体の脚部に形成した係止突起を示す部分拡大平面図である。
【図8】同クリップを構成するピンを示す正面図である。
【図9】同ピンを示す底面図である。
【図10】同クリップを用いて2枚の板状部材を連結固定するため、同クリップの脚部を板状部材の貫通穴に挿入した状態を示す断面図である。
【図11】同クリップを用いて2枚の板状部材を連結固定した状態を示す断面図である。
【図12】従来のクリップを示すもので、2枚の板状部材を連結固定するため、同クリップの脚部を板状部材の貫通穴に挿入した状態を示す断面図である。
【図13】同従来のクリップを示すもので、2枚の板状部材を連結固定した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 クリップ本体
2 ピン
3 フランジ部
4 ピン挿通孔
5 脚部
8 スリット
9 分割部
10 スリットの幅広部
11 スリットの幅狭部
12 係止突起
13 ピンの頭部
14 ピンの軸部
15 保持凹部
16 テーパ面
17 係止段差
18 係合凹部(係合部)
19 リブ
20 リブの幅広部
21 リブの幅狭部
22 テーパ部
i,j 板状部材
k,l 貫通孔

Claims (2)

  1. フランジ部にピン挿通孔を穿設すると共に、該フランジ部下面に略筒状の脚部をその内空部が上記ピン挿通孔と連通した状態に穿設し、かつ、この脚部の周壁に複数のスリットを軸方向に沿って形成して該脚部を複数の分割部に分割すると共に、各分割部の内面先端側に係止突起を突設したクリップ本体と、頭部の下面に軸部を突設し、該軸部に上記係止突起と係合する係合部を設けたピンとを具備し、上記ピンの軸部を上記ピン挿通孔を通して上記クリップ本体の脚部中空部内に挿入して上記クリップ本体と上記ピンとを連結したクリップであり、上記ピンを押圧して該ピンの軸部を上記クリップ本体の脚部先端側へと更に圧入することにより、該軸部でクリップ本体脚部の各分割部を外側へと押圧し、脚部先端側を拡径させると共に、該脚部の上記係止突起とピン軸部の上記係合部とを係合させて脚部の拡径状態を保持するクリップにおいて、
    上記クリップ本体の脚部に設けた各スリットの脚部基端側を幅広に、脚部先端側を幅狭に形成すると共に、上部が幅広で下部が幅狭に形成された複数のリブを上記ピンの軸部外周面に軸方向に沿って設けて、上記脚部の拡径状態において上記各スリットの幅広部の内側に各リブの幅広部が位置するように構成し、また各リブの上記幅広部と幅狭部との境界部分に漸次幅狭となるテーパ部を設けることにより、ピンの軸部をクリップ本体の脚部中空部に挿入する際の作業を容易ならしめるようにしたことを特徴とするクリップ。
  2. ピンの軸部先端部に上部がテーパ面になった複数の保持凹部を形成すると共に、該保持凹部の上方に隣接して係合部を形成し、ピンの軸部をクリップ本体の脚部内に挿入して、ピン軸部の保持凹部内にクリップ本体脚部の係止突起を係合させることによりクリップ本体とピンとを連結してなり、
    ピンの頭部を押圧することにより、ピンの軸部がクリップ本体の脚部内を先端側へと進行し、上記係止突起が上記保持凹部のテーパ面により押圧されて脚部先端側が拡径すると共に、該係止突起が係合部に係合して脚部の拡径状態が保持されるように構成した請求項1記載のクリップ。
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