JPH11246563A - ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖ピラノシド 誘導体より得られる多環式化合物 - Google Patents

ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖ピラノシド 誘導体より得られる多環式化合物

Info

Publication number
JPH11246563A
JPH11246563A JP10064319A JP6431998A JPH11246563A JP H11246563 A JPH11246563 A JP H11246563A JP 10064319 A JP10064319 A JP 10064319A JP 6431998 A JP6431998 A JP 6431998A JP H11246563 A JPH11246563 A JP H11246563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycyclic compound
cyclopropyl group
saccharide
derivative
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10064319A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiya Kawauchi
啓也 川内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noguchi Institute
Original Assignee
Noguchi Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noguchi Institute filed Critical Noguchi Institute
Priority to JP10064319A priority Critical patent/JPH11246563A/ja
Publication of JPH11246563A publication Critical patent/JPH11246563A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 3位または4位に2,2-ジハロゲノシク
ロプロピル基を有する糖ピラノシド誘導体のジハロゲノ
基を更に閉環して得られる多環式化合物。 【効果】 本発明は安価な糖誘導体を出発物質として、
新規な炭素骨格や有用な生理活性を有する天然有機化合
物を製造するために必要なピラノシド環を基礎とした多
環式化合物を提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は安価な糖誘導体を出
発物質として、新規な炭素骨格や有用な生理活性を有す
る天然有機化合物を製造できる誘導体を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のスピロジハロゲノシクロプロピル
基を有する糖誘導体はジメチル基を有する糖誘導体基の
合成中間体として利用されることがほとんどであった。
( H.Hashimoto, N.Kawauchi and J.Yoshimura, Chem.
Lett., 1985, 965-968、R.E.Doll and K.C.Nicolaou,
J. Chem. Soc. Chem. Commun., 1985, 1016-1017、C.Y.
Hong and Y.Kishi, J. Org. Chem..,1990, 55, 4242-42
45.など)これら以外では、2位のスピロジクロロシク
ロプロピル基よりカルベンを発生させ隣接するベンジル
位に挿入する例が報告されているのみである。(R.C.Pe
tter and D.G.Powers, Tetrahedron Lett., 1989, 30,
659-662)
【0003】しかし一般的に2位にスピロジクロロシク
ロプロピル基を有する誘導体は合成することがきわめて
困難であることが知られており(橋本弘信 川内啓也,
有機合成化学協会誌, 1987, 45, 408)、従っておのずと
その用途にも限界が生じ、実用に耐えるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製造が容易
な糖誘導体のピラノシド環上の3位または4位のスピロ
ジハロゲノシクロプロピル基からカルベンまたはモノク
ロロラジカルを発生させ、更に閉環して多環式化合物を
提供するものである。本発明の新規な多環式化合物は、
さらに新規な炭素骨格を有する化合物や有用な生理活性
を有する天然有機化合物を製造する手段を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ピラノシド
環上の3位または4位のスピロジハロゲノシクロプロピ
ル基から更に環化させて有用な多環状化合物を得るため
には、カルベン中間体を発生させて活性化された炭素−
水素結合に挿入するか、またはモノクロロラジカル中間
体を発生させ適当なラジカル受容体と結合させることが
適切であることを見い出し、本発明を完成するに到っ
た。
【0006】ここで得られたピラノシドを基礎とする多
環式化合物は、所定の条件で環を切断することで様々な
炭素骨格を持つ環状化合物に導くことができる。すなわ
ち基礎となるピラノシド環部は酸による加水分解により
開環する事が可能であるし、シクロプロパン環は水素添
加反応により開環する事が可能であるため、選択的な環
状構造の切断が可能なのである。これらの環状化合物は
多くの新規で有用な炭素骨格を提供するものである。
【0007】すなわち本発明は、3位または4位に2,
2-ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖誘導体を出
発物質とし、カルベン中間体またはモノクロロラジカル
中間体を経ることを特徴とする製造法により得られた多
環式化合物に関わるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
3位または4位にジハロゲノシクロプロピル基を有する
誘導体は公知の方法で対応するエキソメチレン誘導体よ
り容易に製造することができる。ここでジハロゲノシク
ロプロピル基に用いることのできるハロゲン原子はフッ
素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンまたはハロゲノ
イドから選択されるが、特に望ましくは塩素または臭素
である。
【0009】まずカルベン中間体を経て製造されること
を特徴とする多環式化合物について説明する。必要なカ
ルベン中間体はジハロゲノシクロプロパン誘導体を塩基
で処理することで発生することができる。ここで用いら
れる塩基としては、カルベンを発生させられる塩基性を
有するものなら特に制限はないが、低級アルキルリチウ
ムが望ましく、更に望ましくはジクロロシクロプロパン
誘導体の場合にはt−ブチルリチウムであり、ジブロモ
シクロプロパンの場合にはメチルリチウムである。反応
はカルベンの発生を妨げない溶媒の中でも行うことがで
きる。この溶媒としてはヘキサン、トルエン、ベンゼ
ン、エーテル、テトラヒドロフランなどを例示すること
ができる。反応温度は−78℃以上室温以下であり、好
ましくは5℃以下−30℃以上である。発生したカルベ
ン中間体を活性化された分子内の炭素−水素結合に挿入
させ製造したのが目的とする多環式化合物である。
【0010】次にモノクロロラジカル中間体を経て製造
されることを特徴とする多環式化合物について説明す
る。モノクロロラジカル中間体は上述のジハロゲノシク
ロプロパン誘導体をラジカル開始剤とラジカル還元剤の
共存下、そのラジカル開始剤の発生温度以上で発生させ
ることができる。発生させたモノクロロラジカルを分子
内のラジカル受容体と結合させ製造したのが目的とする
多環状化合物である。ラジカル開始剤としては、室温以
上用いる溶媒の沸点以下でラジカルを発生させうるもの
なら特に制限はないが、ジアシルペルオキシド、過酸エ
ステル、ヒドロペルオキシド、脂肪族アゾ化合物などが
望ましく、更に望ましくはアゾビスイソブチロニトリル
である。上述のラジカル還元剤もモノクロロラジカルを
発生させうるものであれば特に制限はないが、水素化ト
リアリールスズ、水素化トリアルキルスズなどが好まし
く、更に好ましくは水素化トリエチルスズ、水素化トリ
フェニルスズ、水素化トリブチルスズであり、中でも特
に水素化トリブチルスズが好ましい。ラジカル受容体も
発生したモノクロロラジカルと反応できれば特に制限は
ないが、炭素−炭素多重結合を有する基が好ましく、更
に好ましくはアリル基やビニル基などである。また発生
させたラジカルと反応しなければ溶媒も自由に選択する
ことができるが、トルエン、ベンゼン、ヘキサンなどが
望ましく、なかでもトルエンがもっとも望ましい。反応
温度は用いるラジカル開始剤の分解温度以上、用いる溶
媒の沸点以下で自由に選択することができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本願発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれにより制限されるものではな
い。
【実施例1】メチル4,6-O-ベンジリデン-3-デオキシ-3,
3-(2,2-ジブロムシクロプロピル)-2-O-メチル-α-D-グ
ルコピラノシドより化1で示される多環式化合物の製造
法 メチル4,6-O-ベンジリデン-3-デオキシ-3,3-(2,2-ジブ
ロムシクロプロピル)-2-O-メチル-α-D-グルコピラノ
シド1.18g(2.55mmol)を氷冷下に、メチルリチウムのエ
ーテル溶液(1.55mol/l)を5ml滴下し3時間反応した。反
応液にジクロロメタン50mlを加え2度水洗した。こ
のジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後
濃縮すると無色油状の化1で示される多環式化合物が0.
762g(98%)得られた。この多環式化合物のNMRスペク
トルはδ:7.2-7.5(m, 5H), 5.54(s, 1H), 4.95(d, 1H),
3.89(m, 2H), 3.80(m, 2H), 3.67(m, 2H), 3.41(s, 3
H), 1.72(m, 1H), 0.82(m, 2H)ppm.であった。
【0012】
【実施例2】メチル4,6-O-ベンジリデン-3-デオキシ-3,
3-(2,2-ジクロロシクロプロピル)-2-O-メチル-α-D-グ
ルコピラノシドより化1で示される多環式化合物の製造
法 メチル4,6-O-ベンジリデン-3-デオキシ-3,3-(2,2-ジク
ロロシクロプロピル)-2-O-メチル-α-D-グルコピラノ
シド300mg(0.80mmol)をテトラヒドロフラン2mlに溶解し
氷冷下にt-ブチルリチウムのペンタン溶液(1.55mol/l)
1.54mlを滴下し3時間反応した。反応液にジクロロメタ
ン50mlを加え2度水洗した。このジクロロメタン溶液を
無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮すると無色油状の粗
生成物が得られた。このものをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製
して化1で示される多環式化合物が0.168g(69%)得られ
た。この多環式化合物のNMRスペクトルは実施例1で
得られた化合物と完全に一致した。
【0013】
【実施例3】メチル3-デオキシ-3,3-(2,2-ジクロロシク
ロプロピル)-2,3-O-イソプロピリデン-6-O-トリチル-α
-D-グロピラノシドより化2で示される多環式化合物の
製造法 メチル3-デオキシ-3,3-(2,2-ジクロロシクロプロピル)-
2,3-O-イソプロピリデン-6-O-トリチル-α-D-グロピラ
ノシド92mg(0.17mmol)をテトラヒドロフラン1mlに溶解
し氷冷下にt-ブチルリチウムのペンタン溶液(1.46mol/
l)0.34ml滴下し30分反応した。反応液にジクロロメタン
50mlを加え2度水洗した。このジクロロメタン溶液を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮すると無色油状の粗生
成物が得られた。このものをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し
て化2で示される多環式化合物が25.5mg(32%)得られ
た。この多環式化合物のNMRスペクトルはδ:7.2-7.5
(m, 15H), 4.84(bs, 1H), 4.22(m, 2H), 3.81(m, 1H),
3.49(s, 3H), 3.40(m, 2H), 1.47, 1.32(s, 3H each),
1.22(m, 1H), 1.09(m, 2H) ppm.であった。
【0014】
【実施例4】メチル4,6-O-ベンジリデン-3-デオキシ-3,
3-(2,2-ジクロロシクロプロピル)-2-O-メチル-α-D-グ
ルコピラノシドより化3で示される多環式化合物の製造
法 メチル4,6-O-ベンジリデン-3-デオキシ-3,3-(2,2-ジク
ロロシクロプロピル)-2-O-メチル-α-D-グルコピラノ
シド2.41g(6.42mmol)を50%酢酸水溶液中で加熱環流下に
30分反応後、反応液をロータリーエバポレータで完全に
乾固した。得られた粗生成物をt-ブチルジフェニルシリ
ルクロライド2.7g(10mmol)およびトリエチルアミン1.46
ml(10.5mmol)とDMF(50ml)中室温で終夜反応した。主
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=3:1)で精製して得た。この物をよ
く砕いた固体水酸化ナトリウム(5g)とアリルブロマイド
(5ml)とトルエン50ml中で3時間加熱環流下に反応後、
反応液を2回水洗して濃縮し得られたオイル状物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=9:1)で精製し主生成物0.96gを得た。これをア
ゾビスイソブチロニトリル(30mg)、水素化トリブチルス
ズ(552mg,1.83mmol)とトルエン(4ml)中、加熱環流下に
終夜反応し反応液を濃縮して得られたオイル状物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エーテル
=5:1)で精製して化3で示される多環式化合物が36
1mg(40%)得られた。この多環式化合物のNMRスペクト
ルはδ:7.72(m, 4H), 7.40(m, 6H), 4.81(d,1H), 3.75-
3.90(m, 4H), 3.49(m, 2H),3.44, 3.42(s, 3H each),
2.42(m, 1H), 1.58(d, 1H), 1.33(d, 1H), 1.78(d, 3
H), 1.08(s, 9H)ppm.であった。
【0015】
【発明の効果】本発明に従うと、3位または4位に2,
2-ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖誘導体を出
発物質としカルベン中間体またはモノクロロラジカル中
間体を経て、新規で有用な多環状化合物を高い収率で得
ることができるため、さらに新規な炭素骨格を有する化
合物や有用な生理活性を有する天然有機化合物を製造す
る手段を提供する手段として好適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3位または4位に2,2-ジハロゲノシク
    ロプロピル基を有する糖ピラノシド誘導体のシクロプロ
    ピル基の2位より閉環し得られる多環式化合物。
  2. 【請求項2】 カルベン中間体を経て製造されることを
    特徴とする請求項1記載の多環式化合物。
  3. 【請求項3】 モノクロロラジカル中間体を経て製造さ
    れることを特徴とする請求項1記載の多環式化合物。
  4. 【請求項4】 化1で示される多環式化合物。 【化1】
  5. 【請求項5】 化2で示される多環式化合物。 【化2】
  6. 【請求項6】 化3で示される多環式化合物。 【化3】
JP10064319A 1998-02-27 1998-02-27 ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖ピラノシド 誘導体より得られる多環式化合物 Pending JPH11246563A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10064319A JPH11246563A (ja) 1998-02-27 1998-02-27 ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖ピラノシド 誘導体より得られる多環式化合物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10064319A JPH11246563A (ja) 1998-02-27 1998-02-27 ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖ピラノシド 誘導体より得られる多環式化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11246563A true JPH11246563A (ja) 1999-09-14

Family

ID=13254809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10064319A Pending JPH11246563A (ja) 1998-02-27 1998-02-27 ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖ピラノシド 誘導体より得られる多環式化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11246563A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fleming et al. Stereospecific syntheses and reactions of allyl-and allenyl-silanes
JP3568219B2 (ja) 19−ノルビタミンd化合物の調製
Bates et al. Synthesis of diospongin A
JP2696933B2 (ja) 置換環状ケトン及び置換環状エノン並びにそれらの製造法
Marshall et al. Chirality transfer in the [2, 3] Wittig rearrangement
Marino et al. Asymmetric carbon-carbon bond formation via sulfoxide-directed SN2'displacements of acyclic allylic mesylates
JPS6247190B2 (ja)
JPH11246563A (ja) ジハロゲノシクロプロピル基を有する糖ピラノシド 誘導体より得られる多環式化合物
Clark et al. Base-catalyzed hydroperoxy keto aldehyde cyclization
Van Dort et al. Amelioration of the Leaving Group Ability of the Aryl Sulfone Moiety via Intramolecular Oxygen Silylation
EP0501426B1 (en) Alpha-methylenecyclopentanone derivative and process for producing the same
JP2765575B2 (ja) 置換シクロペンテノン及び置換シクロヘキセノン誘導体の製造法
CN1129567C (zh) 环丙基乙炔衍生物的制备方法
JPH0753681B2 (ja) トロポン誘導体の製造法
US4212984A (en) Prostaglandin precursors
JPH05279283A (ja) シクロヘキシリデンエタノール誘導体の製造方法
Yoshida et al. Ruthenium catalyzed dimerization–ring expansion reaction of acetylenylcyclobutanols
JP2509078B2 (ja) ビシクロ[3.3.0]オクタン類の製法
JP2752489B2 (ja) 新規な大環状化合物及びその製造方法
JPS63188687A (ja) 有機ケイ素化合物の製造方法
JP2542503B2 (ja) シクロヘキサノン誘導体の合成法
JP2507519B2 (ja) 3−置換−1−シクロペンテノ―ル誘導体のジアステレオ選択的な製造法
JP2002212191A (ja) 含フッ素ジエン化合物
JPH0597735A (ja) 光学活性二級アルコ−ルの製造方法
JPH09157193A (ja) フッ素化アリル類の製造法