JPH11242828A - 光学装置および光学ピックアップ装置 - Google Patents

光学装置および光学ピックアップ装置

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JPH11242828A
JPH11242828A JP10104946A JP10494698A JPH11242828A JP H11242828 A JPH11242828 A JP H11242828A JP 10104946 A JP10104946 A JP 10104946A JP 10494698 A JP10494698 A JP 10494698A JP H11242828 A JPH11242828 A JP H11242828A
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JP
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optical
light
laser
beams
optical element
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JP10104946A
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Kazuhiko Nemoto
和彦 根本
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡潔な構成で、トラッキングエラー信号等の
各種信号の導出を行うことができるようにする。 【解決手段】 レーザ光の光路上に複屈折光学素子41
が配されてこのレーザ光の2ビーム化を行う光学系42
を有する光学装置と、これを用いた光学ピックアップ装
置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学装置および光
学ピックアップ装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】ROM(Read Only Memory)型の光学ディ
スク例えばCD−ROM(Compact Disc−ROM)、あるい
は書き換え可能いわゆるRW(Rewritable) 型の例えば
相変化型光学ディスク等の光学記録媒体に対する記録、
再生のいづれか、もしくはその双方がなされる光学ピッ
クアップ装置として、そのレーザ光の出射部と、光学記
録媒体からの戻り光を検出する光検出部とをハイブリッ
ド集積化した光学装置いわゆるレーザカプラを用いてそ
の小型化と、量産化を図ることがなされている。
【0003】図12は、このレーザカプラ型の光学装置
12を用いたピックアップ装置の一例の概略構成図を示
す。この場合、光学装置12から出射させた1本すなわ
ち1ビームレーザ光Lは、対物レンズ10によって光学
記録媒体Mに集束させ、これよりの戻り光、すなわち反
射光を、再び光学装置12に導入するようになされる。
【0004】この光学装置12は、図13にその断面図
を示し、図14Aにその斜視図を示すうに、光検出素子
13を表面に有し、半導体集積回路が形成された例えば
Si基体による半導体基体14上に、半導体レーザLD
が配置され、この半導体レーザLDの後方出射光を検出
するモニター用の例えばpin型のフォトダイオードP
M が形成された例えばSiチップによる半導体チップ
15が載置されて成る。また、半導体基体14の光検出
素子13の配置部上にマイクロプリズム16が載置され
る。
【0005】マイクロプリズム16下の光検出素子13
は、図14Bに、その平面的パターン図を示すように、
例えば2つの4分割フォトダイオードPD1 〔PDa
PDd 〕およびPD2 〔PDi 〜PDl 〕を有して成
る。
【0006】半導体レーザLD、半導体チップ15、マ
イクロプリズム16等が配置された半導体基体14は、
窓部が開口されたパッケージ17内に配置され、その窓
部は透明のカバーガラス等のレーザ光Lを透過する透明
カバー18によって封止されている。
【0007】この集積化されたカプラ型の光学装置によ
れば、各部品が独立に構成された、いわゆるハイブリッ
ド構成による光学装置に比して、小型密実に構成され、
また、いわゆる半導体製造技術によって量産化が可能で
あり、高精度に構成できることなどの利点を有する。
【0008】この光学装置12を用いたピックアップ装
置11においては、半導体レーザ素子LDからの出射光
Lがマイクロプリズム16に形成された例えば45°の
ハーフミラー斜面で反射されて、パッケージ17の透明
カバー18を通じて、光学記録媒体M、例えば光ディス
クに照射され、これよりの戻り光が、マイクロプリズム
16の前記ハーフミラー斜面を通じてマイクロプリズム
16内に入射される。このマイクロプリズム16内に入
射された戻りレーザ光は、前段の4分割フォトダイオー
ドPD1 〔PDa 〜PDd )に一部受光されると共に、
一部反射されてマイクロプリズム16の上面に形成され
た反射面で反射され、後段の4分割フォトダイオードP
2 〔PDi 〜PDl 〕に受光される。図14Bにおい
て、SP1 およびSP2 は、前段および後段のフォトダ
イオードPD1 およびPD2 に対する戻り光のスポット
を示す。
【0009】このようにして、戻り光の検出がなされる
4分割フォトダイオードPD1 〔PDa 〜PDd 〕、P
2 〔PDi 〜PDl 〕の各検出信号を演算することに
よって光学記録媒体の記録情報信号すなわちRF(高周
波)信号や、フォーカシングエラー信号や、トラッキン
グエラー信号等の検出を行うことができる。
【0010】いま、各ダイオードPD1 〔PDa 〜PD
d 〕、PD2 〔PDi 〜PDl 〕の各検出信号を、便宜
的に信号PDa 〜PDl で表わすと、RF信号は、 RF=(PDa +PDb +PDc +PDd +PDi +P
j +PDk +PDl ) によって得ることができる。また、フォーカシングエラ
ー信号FEは、 FE=〔(PDa +PDd )−(PDb +PDC )〕−
〔(PDi +PDl )−(PDj +PDk )〕 によって得ることができる。そして、トラッキングエラ
ー信号を得る方法としては、例えばプッシュプル法によ
る。すなわち、この場合、トラッキングエラー信号TE
は、 TE=〔(PDa +PDb )−(PDc +PDd )〕+
〔(PDk +PDl )−(PDi +PDj )〕 によって得る。このようにして得たフォーカシングエラ
ー信号およびトラッキングエラー信号によって、ピック
アップ装置におけるフォーカシングサーボおよびトラッ
キングサーボがなされて光学記録媒体に対するレーザ光
の照射が、良好にフォーカシングされ、かつ所定のトラ
ック上を走査することができるようになされている。
【0011】ところが、このような、1ビーム型のピッ
クアップ装置において、上述したプッシュプル法によっ
てトラッキングエラー信号を導出する場合、良く知られ
ているように、例えば対物レンズの移動等に伴う光軸の
ずれや傾き、光学記録媒体の傾きいわゆるディスクスキ
ュー(ラジアル方向)等によってトラッキングエラー信
号に大きなオフセットを生じる。そこで、この種のピッ
クアップ装置においては、このオフセットを電気回路に
よる補正によって、キャンセルさせるという方法が採ら
れる。このような電気回路による補正は、対象とする光
学記録媒体Mが、CD−ROM等である場合には、問題
がないが、反射率の小さいCD−RW等では、信号強度
の違いから、ゲインを切り換えたり、信号強度の適応範
囲を広くする等の改良が必要となる。
【0012】このような不都合を回避するピックアップ
装置、すなわち光学装置としては、いわゆる3ビーム型
のものがある。図15は、この3ビーム型構成によるピ
ックアップ装置の概略構成図を示すもので、図16にそ
の概略構成の斜視図を示す。このピックアップ装置は、
各光学素子が、それぞれ独別に構成されて組み立てられ
たいわゆるディスクリート型構成とされている。
【0013】このピックアップ装置21は、それぞれ独
別に構成した半導体レーザLD、グレーティング22、
ビームスプリッタ23、対物レンズ5、光検出素子13
を有して成る。そして、半導体レーザLDからのレーザ
光LF が、グレーティング22によって、図16で模式
的に示すように、0次光と±1次光とによる3本のビー
ムB0、B1 およびB2 を得るようになされ、ビームス
プリッタ23によって、図15に示した対物レンズ10
に向かわしめられ、それぞれ光学記録媒体M上にフォー
カシングするようになされる。そして、この光学記録媒
体Mで反射された各戻り光が対物レンズ5、ビームスプ
リッタ23を通じて、往路と分離されて光検出素子13
に入射するようになされている。
【0014】そして、この光検出素子13による戻り光
の検出を行い、その検出信号の演算によって、光学記録
媒体M上の記録情報信号すなわちRF信号の導出、フォ
ーカシングエラー信号、およびトラッキングエラー信号
の導出等を行う。
【0015】この3ビーム法によると、レンズシフトや
ディスクスキュー(ラジアル方向)によるトラッキング
エラー信号TEのオフセットがほとんど生じないか、ま
たは簡単にキャンセルできるという特徴がある。
【0016】この各信号の取出しは、いわゆるノーマル
3ビーム法と、差動プッシュプル法いわゆるDPP(Dif
ferential Push-Pull)法によることができる。
【0017】ノーマル3ビーム法は、図17Aに、その
光検出素子13のパターン図を示し、図18Aに、光学
記録媒体上におけるスポットと光検出素子上におけるス
ポットとの関係を示すように、前述の2つの1次回折光
である副ビームスポットS1,S2 が、0次回折光であ
る主ビームスポットS0 を中心に、光学記録媒体M、例
えば光学ディスクの例えばそれぞれ記録ピット61が配
列されたトラックTのトラックピッチの約1/4分だけ
トラック幅方向に互いに反対側にずらした配置関係に選
定するものであり、一方、この場合の光検出素子13
は、図17Aに示すように、主ビームスポットS0 の戻
り光を受光する田の字型の4分割フォトダイオードPD
0 〔PDa ,PDb ,PDc ,PDd 〕と、その両側の
2つの副ビームスポットS1 ,S2 の戻り光をそれぞれ
受光するフォトダイオードPD1 およびPD2 とから構
成される。この場合においても、各フォトダイオードP
0〔PDa ,PDb ,PDc ,PDd 〕、PD1 およ
びPD2 からの各検出信号を、便宜的にそれぞれPD0
〔PDa ,PDb ,PDc ,PDd 〕、PD1 およびP
2 とすると、トラックエラー信号TEは、差動アンプ
から、 TE=(PD1 −PD2 ) として得ることができる。この場合、レンズシフトやラ
ジアルスキューがあって、スポットが少し動いても副ビ
ームスポットS1 ,S2 はフォトダイオードPD1 ,P
2 に入っていればよいので、スポットずれによるオフ
セットは生じない。RF信号は、主ビームスポットS0
を受光する4分割フォトダイオードPDa〜PDd から
の検出信号の総和である RF=(PDa +PDb +PDc +PDd ) によって得ることができる。また、フォーカスエラー信
号FEは、4分割されたフォトダイオードPDa 〜PD
d からの検出信号において、その対角和の差信号である FE=〔(PDa +PDc )−(PDb +PDd )〕:
非点収差法 で得られる。
【0018】しかしながら、このノーマル3ビーム法で
は、書き込み用光学記録媒体においては、トラッキング
エラー信号TEにオフセットが生じてしまう場合があ
る。
【0019】これに対し、DPP法によるときは、この
オフセットを回避することができる。このDPP法は、
図17Bに、その光検出素子13のパターン図を示し、
図18Bに、光学記録媒体上におけるスポットS0 ,S
1 ,S2 と光検出素子上におけるスポットとの関係を示
すように、ノーマル3ビーム法におけるフォトダイオー
ドPD1 とPD2 とを、それぞれPDe およびPDf
PDg およびPDh による2分割構成とする。そして、
この場合は、2つの1次回折光である副ビームスポット
1 ,S2 が、0次回折光である主ビームスポットS0
を中心に、トラックTのピッチの1/2分互いに反対側
にずれた位置関係に選定する。この構成において、主ビ
ームスポットS0 の戻り光と、副ビームスポットS1
2 の戻り光でプッシュプル信号TEmain,TE
side1 , TEside2 を検出し、トラッキングエラー信号
TEを、 TE=TEmain−K×(TEside1 +TEside2 ) によって導出する(ここで、K:定数)。
【0020】すなわち、トラッキングエラー信号TE
は、TE=〔(PDa +PDd )−(PDb +P
c )〕−K〔(PDe −PDf )+(PDg −P
h )〕によって得られる。RF信号およびフォーカス
エラー信号FEは、上述のノーマル3ビーム法と同様の
演算によって得ることができる。
【0021】このDPP法では、フォトダイオードPD
1 およびPD2 を2分割にし、かつトラックピッチの1
/2のずれているので主ビームスポットS0 と副ビーム
スポットS1 ,S2 のプッシュプルが逆相になってトラ
ッキングエラー信号のオフセットがキャンセルすること
ができ、また、トラッキングエラー信号TEの強度を2
倍にすることができる。
【0022】このように、DPP法によれば、例えば光
学記録媒体Mが、相変化ディスクや光磁気ディスク等の
書き込み用ディスクである場合においても、オフセット
がなく安定したトラッキングエラー信号TEを得ること
ができるものある。
【0023】上述した、3ビーム法による場合、電気的
補正を回避できることから、各種光学記録媒体に対する
ピックアップ装置に対応し易いという利点を有するもの
の、戻り光に関しては、グレーティングから分離する必
要があり、また、グレーティングと半導体レーザとの間
隔は、中心のスポットとサイドスポットとの間隔を、必
要充分に確保する必要があること、対物レンズの開口、
視野、倍率等の制約から、グレーティングと半導体レー
ザとの間隔を大きくする必要があって、小型化を阻害す
るなどの問題がある。
【0024】したがって、このようなグレーティングを
有するピックアップ装置、したがって、光学装置を前述
したハイブリッド集積化したレーザカプラ構成にするこ
とが困難で、このため、その組み立てが煩雑となり、そ
の組み立てにおける精度を高める必要があるなど、量産
性を阻害し、また、大型化が余儀なくされる。
【0025】一方、ホログラムを用いた3ビーム型の光
学装置の提案がなされている。図19は、この光学装置
の一例の概略断面図で、この光学装置24においては、
半導体レーザLD、光検出素子13を構成するフォトダ
イオードおよびレーザ出力のモニタ用フォトダイオード
PDM が収容されたパッケージ25上に、グレーティン
グ26と、これと所定の距離を保持してするようにホロ
グラム27が形成された素子が載置されて成る。この構
成による場合、半導体レーザLDからの出射光LF が、
グレーティング26によって3ビームに分離され、光学
記録媒体M(図示せず)からの戻り光をホログラム37
によりグレーティング26を回避して光検出素子13に
向かうようになされている。
【0026】しかしながら、この構成による場合、ホロ
グラム27の存在等によって全体がして縦長になり、充
分な小型、扁平化を図ることができないという問題があ
る。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、簡潔な構成
によって、しかもトラッキングエラー信号の導出を確実
に行うことができるようにした光学装置とピックアップ
装置を提供する。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明による光学装置
は、レーザ光の光路上に複屈折を有する光学素子が配置
されてこのレーザ光の2ビーム化を行う光学系を具備す
る構成とする。
【0029】また、本発明による光学装置は、レーザ光
の光路上に複屈折を有する光学素子と、波長板が配置さ
れて、その複屈折を有する光学素子に対する上記レーザ
光の往路および復路の双方に関して2ビーム化がなされ
るようにした光学系を具備する構成とする。
【0030】本発明による光学ピックアップ装置は、半
導体レーザと、この半導体レーザからのレーザ光の光路
上に複屈折を有する光学素子が配置されてレーザ光の2
ビーム化を行う光学系と、対物レンズと、前記2ビーム
の戻り光を前記複屈折を有する光学素子から分離するビ
ームスプリッタと、光検出素子とを有する構成とする。
【0031】また、本発明による光学ピックアップ装置
は、半導体レーザと、この半導体レーザからのレーザ光
の光路上に複屈折を有する光学素子と波長板とが配置さ
れて、前記光学素子に対するレーザ光の往路および復路
の双方において2ビーム化を行う光学系と、対物レンズ
と、光検出素子とを有する構成とする。
【0032】上述した各本発明装置によれば、2ビーム
法によるものであり、この2ビーム化は、複屈折を有す
る光学素子すなわち複屈折を有する光学結晶によって行
うことからその構成は、極めて簡潔化される。
【0033】また、複屈折を有する光学素子と波長板と
を組み合わせることによって、この複屈折を有する光学
素子に復路のレーザ光を透過させる構成としても、この
光学素子を透過して後のレーザ光についても2ビームを
保持することができることから、レーザ光の復路を、光
学素子から分離することを回避でき、光学装置、および
光学ピックアップ装置の小型、簡潔化を図ることがで
き、更にそのレーザ光を発生させる半導体レーザと、光
検出素子等を集積化することができ、小型化、量産化を
可能にするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明による光学装置とピックア
ップ装置の実施の形態を説明する。本発明による光学装
置は、レーザ光の光路上に複屈折を有する光学素子が配
置されて前記レーザ光の2ビーム化を行う光学系を具備
する構成とする。あるいは、この構成において、その光
学系に、その複屈折を有する光学素子とともに、波長板
を配置して、複屈折を有する光学素子に対する上記レー
ザ光の往路および復路の双方に関して2ビーム化がなさ
れるようにした構成とする。
【0035】そして、その複屈折を有する光学素子は、
これに対するレーザ光を出射する半導体レーザのパッケ
ージの窓部に、この窓部を閉塞する透明カバ−グラス等
の透明カバーに代えて配置することもできるし、この窓
部を閉塞する前記透明カバ−の前面もしくは後面に対向
ないしは重ねて光学的に例えば接合して配置することも
できる。
【0036】また、上述したように光学系において、複
屈折を有する光学素子とともに、波長板を配置して、複
屈折を有する光学素子に対する上記レーザ光の往路およ
び復路の双方に関して2ビーム化がなされるようにした
構成とする場合においては、この光学系の戻り光を検出
する光検出素子が形成された半導体基体上に、半導体レ
ーザと、マイクロプリズムとが載置されて集積化された
構造体を構成し、この構造体を、パッケージ内に収容
し、このパッケージの窓部に、その複屈折を有する光学
素子と波長板とを有する光学系を、この窓部を閉塞する
透明カバ−グラス等の透明カバーに代えて配置すること
もできるし、この窓部を閉塞する前記透明カバ−の前面
もしくは後面に対向ないしは重ねて光学的に例えば接合
して配置することもできる。
【0037】そして、本発明による光学ピックアップ装
置は、上述した各光学装置における構成を適用した構成
による。この本発明による光学ピックアップ装置として
は、半導体レーザと、この半導体レーザからのレーザ光
の光路上に複屈折を有する光学素子が配置されてレーザ
光の2ビーム化を行う光学系と、対物レンズと、2ビー
ムの戻り光を、複屈折を有する光学素子から分離するビ
ームスプリッタと、光検出素子とを有する構成とする。
【0038】あるいは、複屈折を有する光学素子ととも
に、波長板を配置して、複屈折を有する光学素子に対す
る上記レーザ光の往路および復路の双方に関して2ビー
ム化がなされるようにした構成とする。すなわち、この
場合、半導体レーザと、この半導体レーザからのレーザ
光の光路上に複屈折を有する光学素子と波長板とが配置
されて、光学素子に対する前記レーザ光の往路および復
路の双方において2ビーム化を行う光学系と、対物レン
ズと、光検出素子とを有する構成とする。
【0039】また、本発明による光学ピックアップ装置
は、光学系の戻り光を検出する光検出素子が形成された
半導体基体上に、レーザ光を出射する半導体レーザと、
マイクロプリズムとが載置されて集積化された構造体が
パッケージ内に収容され、このパッケージの窓部に、前
記複屈折を有する光学素子と前記波長板とを有する光学
系が配置された構成とする。この場合においても、この
パッケージの窓部に、その複屈折を有する光学素子と波
長板とを有する光学系を、この窓部を閉塞する透明カバ
−グラス等の透明カバーに代えて配置することもできる
し、この窓部を閉塞する前記透明カバ−の前面もしくは
後面に対向ないしは重ねて光学的に例えば接合して配置
することもできる。
【0040】そして、上述した各光学ピックアップ装置
において、各光検出素子によって、2ビームの戻り光を
検出して差動プッシュプル法でトラッキング誤差信号を
得るようにすることができる。
【0041】次に、本発明による光学装置と光学ピック
アップ装置の例を説明する。しかしながら、本発明によ
る光学装置と光学ピックアップ装置は、図示の例に限ら
れるものではない。
【0042】図1は、本発明による光学装置40を用い
た本発明による光学ピックアップ装置の一例の概略構成
図を示し、図2は、その光学装置の概略構成図を示す。
光学装置40は、レーザ光を出射する半導体レーザL
Dを有し、これよりのレーザ光をマイクロプリズム16
によって屈曲させてこの光学装置40と光学記録媒体M
との間に配置された対物レンズ10を通じて光学記録媒
体Mに照射するようになされている。また、この光学装
置40においては、そのレーザ光の光路上に複屈折を有
する光学素子(以下複屈折光学素子という)41と波長
板42例えば1/4波長板もしくは1/2波長板が配置
された構成による、レーザ光の2ビーム化を行う光学系
43を有する。
【0043】次に、図3を参照して、本発明の基本的構
成を説明する。すなわち、本発明においては、レーザ光
Lの光路上に、複屈折光学素子41例えばKTP(KTiOP
O4)、水晶等のいわゆる正結晶、あるいはLN(LiNb
O3) 、方解石等のいわゆる負結晶による光学結晶板を配
置するものである。この場合、レーザ光Lは直線偏光に
よることから、この光学結晶の光学軸方向を選定するこ
とによって、この複屈折光学素子41によって、これに
入射させたレーザ光Lを、いわゆる常光と異常光による
2つのレーザビームL1 およびL2 として取り出すこと
ができる。
【0044】いま、光学素子41が、平行平板形状であ
るとすると、これに入射させるレーザ光Lの偏光方向
が、このレーザ光Lの光軸方向O−O’に直交する図3
中矢印52で示す方向であるとすると、光学素子41の
光学軸方向は、例えばレーザ光Lの光軸方向O−O’に
平行な面(イ,ロ,ハ,ニによる面)内で、かつレーザ
光Lの入射方向と45°をなす方向に選定する。
【0045】このようにすると、この光学素子41が正
結晶すなわち常光屈折率n0 と異常光屈折率ne とがn
0 <ne の正結晶による光学結晶である場合は、光学結
晶の光学軸を53の方向にとれば入射したレーザ光L
は、光軸O−O’上に直進する常光による第1の出射レ
ーザ光L1 と、屈折して導出された異常光による第2の
出射レーザ光L2 の2ビームが導出される。そして、こ
の場合、各レーザ光L1およびL2 は、互いに平行で、
かつその偏光方向が図3中矢印55と56で示すよう
に、互いに90°をなす。
【0046】そして、複屈折光学素子41が、負結晶す
なわちn0 >ne の結晶による光学結晶である場合は、
光学結晶の光学軸を54の方向にとれば、同様に第1の
レーザ光L1 が常光、第2のレーザ光L2 が異常光とな
る。
【0047】図4AおよびBは、これら光学素子41を
正結晶によって構成する場合と、負結晶によって構成す
る場合とを、対比して模式的に示したもので、第1およ
び第2のレーザL1 およびL2 の分離幅dは、光学素子
41すなわち複屈折性結晶板の結晶の種類と、板厚tで
設定できる。
【0048】この複屈折性結晶板による光学素子41
が、正結晶および負結晶である場合のそれぞれの例と、
板厚tと、常光および異常光の分離幅dの関係を表1お
よび表2に例示する。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】そして、この場合、図3で示した光学素子
41への入射レーザ光Lの偏光方向52と、光学素子4
1の例えば図3のイ−ロ−ハ−ニによる平面とのなす角
度によって、常光によるレーザ光L1 と異常光によるレ
ーザ光L2 の強度が変化する。すなわち、図5A,Bお
よびCで模式的に示すように、45°とした場合は、図
5Aで示すように、常光と異常光との強度は、矢印57
および58で示すように、互いに等しく、45°を超え
る角度とした場合は、図5Bで示すように、常光と異常
光との強度は、矢印57および58で示すように、常光
の強度が異常光の強度より大きくなる。また、45°未
満の角度とするときは、図5Cに示すように、常光の強
度が異常光の強度より小さくなる。
【0052】上述したように、複屈折光学素子41にレ
ーザ光を通過させることによって1本の入射ビーム光を
2ビーム化することができる。しかしながら、この場
合、複屈折光学素子41を通過して2ビームとされたレ
ーザ光が、光学記録媒体Mによって反射して光学素子4
1を通過すると、この復路のレーザ光は、再び1ビーム
化される。
【0053】これに対し、複屈折を有する光学素子41
に対向して、例えば1/4波長板42を配置する場合、
図6に図4Aに対応して模式的に示すと、偏光方向が方
向52を有する半導体レーザLDから出射したレーザ光
Lが、複屈折光学素子41によって図6の紙面と直交す
る方向の偏光方向55を有する常光による第1のレーザ
光L1 と、紙面に沿う方向の偏光方向56を有する異常
光による第2のレーザ光L2 とに分離するとすると、波
長板42を往復することによって、その各偏光方向が第
1のレーザ光L1 が紙面に沿う方向55’となり、第2
のレーザ光L2が紙面と直交する方向56’の互いに直
交するものの、逆の関係となる。したがって、波長板4
2を往復したこれら第1および第2のレーザ光L1 およ
びL2 が、再び複屈折光学素子41を通過すると、この
復路に関しては、第2のレーザ光L2 が直進し、第1の
レーザ光L1 が屈折する。この結果、複屈折光学素子4
1を往復した第1および第2のレーザ光L1 およびL2
の間隔Dは、前記分離幅dの2倍となり、両者の間隔D
を充分大とすることができる。
【0054】そして、複屈折性結晶板による複屈折光学
素子41は、その板面方向、すなわち、光学軸の方向の
選定がなされて後は、必要なのはレーザ光軸に対する回
転調整のみであり、その他のいわゆるX,Y,Z方向の
調整は全く必要としないので、実際の光学装置40への
組み込みにおいて、その位置設定が極めて容易となる。
【0055】尚、波長板42としては、1/4波長板に
限られるものではなく、1/2波長板によることもでき
る。
【0056】上述したように、複屈折光学素子41と波
長板42とのペアによって、復路のレーザ光を互いに充
分距離を隔てた2本のレーザ光L1 およびL2 に分離す
ることができるものであるが、更に、これら複屈折光学
素子41と波長板42とのペアを、入射レーザ光の光軸
を中心に回転させることによって、レーザ光L1 および
2 の相互の光強度を選定することができる。
【0057】したがって、このように、2ビーム化した
レーザ光L1 およびL2 は、その一方をメインビームと
し、他方をサブビームとし、光学記録媒体M上でそれぞ
れ図7Aに示すように、メインスポットSM とサブスポ
ットSS とすることができる。そして、これらスポット
M およびSs は、図7Aに示すように、例えば記録ピ
ット61が配列さたトラック(図においては、3本のト
ラックについて、その各一部を示している)上におい
て、1/2トラック(トラックピッチの1/2)ずれる
位置に照射するように設定する。
【0058】一方、光検出素子として、例えば図7Bに
示すように、第1および第2の、それぞれ2分割構成に
よるフォトダイオードPD11およびPD12に対して、光
学記録媒体Mからの各メインスポットSM とサブスポッ
トSS の戻り光を照射するようにすれば、DPP法によ
ってトラッキングエラー信号TEを検出することができ
る。すなわち、今、フォトダイオードPD11およびPD
12の各2分割ダイオードPD11a 、PD11b 、P
12a 、PD12b の各検出出力を、便宜上それぞれPD
11a 、PD11b 、PD12a 、PD12b とするとき、トラ
ッキングエラー信号TEは、次の演算で得ることができ
る。 TE=(PD11a −PD11b )−K(PD12a −PD
12b ) ここで、Kは定数。
【0059】図1および図2に示す例においては、光学
装置40が、図7で説明した、複屈折光学素子41と、
波長板42とを有する光学系43による場合で、この場
合、光学装置を、ハイブリッド光集積回路構造とするこ
とができる。すなわち、この本発明装置においても、光
検出素子13を表面に有し、半導体集積回路が形成され
た例えばSi基板による半導体基体14上に、半導体レ
ーザLDが配置され、この半導体レーザLDの後方出射
光LB を検出し、半導体レーザLDの出力制御を行うた
めのモニター用の例えばpin型のフォトダイオードP
M が形成された例えばSiによる半導体チップ15が
載置される。また、半導体基体14の光検出素子13の
配置部上にマイクロプリズム16が載置された構造体8
1を構成する。
【0060】このように、構造体81、すなわちハイブ
リッド光集積回路化された半導体基体14は、パッケー
ジ17に収容される。このパッケージ17には、マイク
ロプリズム16のハーミラー構成とされた斜面16a上
に窓部を有し、この窓部には、これを気密的に封止する
透明カバーガラス等の、半導体レーザLDのレーザ光を
透過する透明カバー18が配置される。そして、この透
明カバー18の外面もしくは内面に、前述の光学結晶板
よりなる複屈折光学素子41と波長板42とが光学的に
貼り合わせられ成る光学系43が光学的に接合される。
図示の例では、透明カバー18に、光学系の配置がなさ
れた場合であるが、透明カバー18に代えて、すなわち
この透明カバー18を兼ねて光学素子41と波長板42
とを有する光学系43を配置することもできる。
【0061】図1および図2の構成による光学装置およ
びピックアップ装置は、半導体レーザLDから出射され
たレーザ光Lが、マイクロプリズム16のハーフミラー
構成による斜面16aで反射して光学系43を通じて対
物レンズ10によって光学記録媒体M、例えばCDによ
る光学ディスクに照射され、これからの反射光が再び、
対物レンズ10および光学系43を通じてマイクロプリ
ズム16の斜面に入射する。このとき、光学系43、す
なわち複屈折光学素子41および波長板42を往復通過
することから、図6で説明したように、半導体レーザL
Dから出射された1本のレーザ光Lは、2本の、しかも
充分大きい間隔をもって分離されたレーザ光L1 および
2 として、マイクロプリズム16の斜面16aに戻
る。
【0062】このマイクロプリズム16の、ハーフミラ
ー構成による斜面16aに入射した戻りレーザ光L1
よびL2 は、それぞれその一部が、マイクロプリズム1
6内に入り、光検出素子13に照射する。この場合にお
いても、光検出素子13は、所要の配置による複数の例
えばフォトダイオードによって構成され、各フォトダイ
オードに、マイクロプリズム16の上面に反射膜等が被
着されることによって形成された反射面で反射して効率
よく対応する各フォトダイオードに入射するようになさ
れる。
【0063】尚、図2においては、レーザ光路を模式的
に示したもので、往路の光軸L、戻り光の光軸L,L2
は同一紙面内にはない。
【0064】光検出素子13は、図8に示すように、4
分割フォトダイオードと2分割フォトダイオードの組が
2組設けた構成とすることができる。すなわち、この場
合、第1の4分割フォトダイオードPD31〔PDa ,P
b ,PDc ,PDd 〕と第1の2分割フォトダイオー
ドPD41〔PDe ,PDF 〕の組と、第2の4分割フォ
トダイオードPD32〔PDi ,PDj ,PDk ,P
l 〕と第2の2分割フォトダイオードPD42〔P
m ,PDn 〕の組とが設けられる。
【0065】第1の4分割フォトダイオードPD31、第
1の2分割フォトダイオードPD41、第2の4分割フォ
トダイオードPD32および第2の2分割フォトダイオー
ドPD42は、図示の例では、順次ジグザグ状に配列され
る。
【0066】このとき、前述したように、2本のビーム
による2つのメインスポットSM およびサブスポットS
S は、光学記録媒体M上で1/2トラックずれて照射す
るようになされ、これよりの各戻り光によるスポット
(図8においてもSM およびSS として示す)が、マイ
クロプリズム16によって、各フォトダイオードP
31、PD41、PD32、PD42上に入射するようになさ
れる。そして、これら各フォトダイオードPD31、PD
41、PD32、PD42の各分割フォトダイオードPDa
PDn からの検出出力を、便宜上それぞれPDa 〜PD
n で表すと、トラッキングエラー信号TEは、 TE={〔(PDa +PDb )−(PDc +PDd )〕
+〔(PDk +PDl )−(PDi +PDj )〕}−α
〔(PDe −PDf )+(PDn −PDm )〕 α:定数、で得られる。
【0067】また、RF信号は、 RF=PDa +PDb +PDc +PDd +PDi +PD
j +PDk +PD で得られる。
【0068】更に、フォーカスエラー信号FEは、 FE=〔(PD+PDd )−(PDb +PDc )〕
−〔(PDi +PDl )−(PDj +PDk )〕 で得られる。
【0069】尚、トラッキングエラー信号TEとして
は、前段の第1の4分割フォトダイオードPD31〔PD
a 〜PDd 〕と第1の2分割フォトダイオードPD
41〔PDe,PDf 〕のみで得ることもできる。即ち、 TE=〔(PDa +PDb )−(PDc +PDd )〕−
β(PDe −PDf ) β:定数、で得られる。同様に後段のみでも可能であ
る。
【0070】すなわち、2ビーム法でDPP法によるト
ラッキングエラー信号の検出を行なうことができること
から、オフセットがなく、安定なトラッキングエラー信
号が得られる。
【0071】図1および図2で示した例では、光学装置
40を、光集積回路構成とした場合で、この場合、その
製造を量産的に行うことができる。これについて図9お
よび図10を参照して説明する。この場合、図9Aに示
すように、半導体ウエハ71が用意され、これに多数組
の光検出素子すなわち所要のパターンのフォトダイオー
ドと半導体集積回路を、縦横にさいの目状に配列した各
領域72に、それぞれ周知の半導体装置の製造技術によ
って形成する。一方、図9Bに示すように、マイクロプ
リズム16と、モニター用のフォトダイオードPDM
形成され、半導体レーザLDが載置された半導体チップ
15を用意し、図9Cに示すように、各領域72に対
し、それぞれ光検出素子上にマイクロプリズム16をマ
ウントし、これに対向する位置に、半導体チップ15を
マウントする。次に、図9Dに示すように、半導体ウエ
ハ71を各領域毎に分断し、構造体81、すなわちマイ
クロプリズム16、半導体レーザLDを有する半導体チ
ップ15が載置された半導体基体14を多数形成する。
【0072】一方、図10Aに示すように、多数のパッ
ケージ17の構成部が、縦横に配列されたパッケージ基
板74が用意される。そして、その各パッケージ17の
構成部内に、図9Dの半導体基体14を収容し、ワイヤ
ボンドを行い、各パッケージ17に、例えば透明カバ
ー、あるいはこの透明カバーを施すことなく前述の光学
系43を配置し、各パッケージ17毎に切断する。この
ようにすると、図10Bに示すように、パッケージ17
に、半導体レーザ、プリズム、光検出素子等が集積化さ
れた光集積回路構成による本発明による光学装置40が
複数個、同時に量産的に製造される。
【0073】上述した例では、光学系43が、複屈折光
学素子41と波長板42との組み合わせ構成として、復
路において、2ビームが得られるようにした場合で、こ
の場合、半導体レーザLDを含めて光集積回路構成とす
ることができ、この場合、装置の簡略化、製造の簡易
化、精度の向上等がはかられるが、必ずしも光集積回路
構成とする場合に限られるものではなく、ディスクリー
ト型構成とすることもできる。
【0074】また、光学系43を、波長板42を設ける
ことのない構成とすることができる。図11は、この場
合の一例の概略構成を示すもので、この場合半導体レー
ザLDに対向して複屈折光学素子41を配置し、半導体
レーザLDからのレーザ光を、複屈折光学素子41によ
って、図3、図4で説明した動作によって2ビーム化し
て、これらビームL1 およびL2 をビームスプリッタ8
0によって、対物レンズ10を通じて光学記録媒体Mに
照射し、これよりの戻り光を、ビームスプリッタによっ
て、複屈折光学素子41への光路と分離し、その分離光
路上に配置した光検出素子13に導入する。
【0075】この場合においても、前述におけると同様
の光検出素子構成とするなどによって、同様にDPP法
によって、例えば図7で説明したと同様に、トラッキン
グエラー信号TEを得ることができる。また、同様に信
号RF、FEを得ることができる。
【0076】そして、この構成においても、複屈折光学
素子41によって2ビーム化したことから、この複屈折
光学素子41と、半導体レーザLDとは近接して配置す
ることができることから、この複屈折光学素子41は、
半導体レーザLDのパッケージの窓部の透明カバーに接
合することもできるし、透明カバーに代わって配置する
構成とすることもできる。したがって、この場合におい
ても、部品点数の低減化、組み立ての簡易化、小型化を
はかることができる。
【0077】上述したように、本発明構成による光学装
置およびピックアップ装置においては、2ビーム構成と
したことによって、冒頭に述べた1ビームもしくは3ビ
ームにおける諸問題を解決することができる。また、D
PP法によってトラッキングエラー信号を得ることがで
きるようにしたことから、オフセットの改善が図られ、
これによって補正回路の省略もしくは簡略化をはから
れ、安定してトラッキングサーボを行うことができるも
のである。
【0078】また、複屈折光学素子によって2ビーム化
を行うので、グレーティングによる場合におけるよう
に、グレーティングと、例えば半導体レーザとの間隔を
大きくする必要がないことから、全体として小型に構成
できるものであり、この複屈折光学素子をパッケージ自
体に組み込むなどの構成が可能となることから、構成の
簡潔化、製造の簡易化をはかることができる。
【0079】また、グレーティングによらないことか
ら、取り付け位置が狭い範囲に限定されず、柔軟に対応
できる。例えば、平面内での直交する方向をXYとする
と、これらXYに関する調整を必要とせず組立てが容易
となる。したがって、上述したパッケージへの直接的な
貼り付けや、パッケージの窓部材とすることが容易とな
る。
【0080】また、従来のグレーティングで3ビームに
分離した主ビームと副ビームの距離は、温度や波長変動
で変化するが、本発明による複屈折光学素子による2ビ
ームの分離はビーム間の変動が少ないという特徴があ
る。
【0081】また、2つのビームの相互の強度は、入射
レーザ光の偏光方向や、複屈折光学素子の結晶の光学軸
の選定によって自由に選定することができるので、最適
な条件で各信号の検出を行うことができる。
【0082】また、複屈折性結晶板41と波長板42の
ペアを用いた光学系では、例えば半導体レーザを用いた
場合、半導体レーザに戻り光が戻らない構成となるの
で、ノイズ特性上、低ノイズとなり、有利である。従っ
て、使用可能な半導体レーザの選択の自由度が広がる。
【0083】尚、上述したように、本発明においては、
2ビーム化する構成とするので、これを、例えば2チャ
ネルの記録、再生のビームとして用いる態様をとること
もできる。
【0084】
【発明の効果】上述したように、本発明による光学装置
およびピックアップ装置によれば、2ビーム化構造とし
てことによって、1ビームおよび3ビームによる場合の
不都合が回避され、また、これによってピックアップ装
置においては、DPP法によるトラッキング誤差信号を
検出できることから、効果的にオフセットの改善が図ら
れる。
【0085】また、本発明によれば、複屈折光学素子に
よって2ビーム化がなされるので、グレーティングやホ
ログラムを用いる場合の、配置関係の問題、構成の複雑
さが回避され、また、特に波長板との組み合わせによっ
て、光集積化が容易になされることから、より小型化、
量産性の向上、信頼性の向上が図られる。
【0086】また、複屈折光学素子を用いることから、
前述したように、位置合わせが容易となり、設計の自由
度、組み立て精度の余裕が大となるなど多くの利点を有
する。
【0087】複屈折光学素子、あるいは複屈折光学素子
と波長板のペアによって2ビーム化することから、2ビ
ーム間の分離幅の変動が小さくビームスポット位置が安
定する。したがって、ピックアップ装置において、再
生、記録および再生、トラッキングサーボ、フォーカシ
ングサーボを正確に行うことができる。また、複屈折光
学素子と波長板のペアを用いるときは、戻りの2ビーム
スポットの分離幅を充分大とするこができることから、
その光検出を正確に行うことができ、また光検出素子の
配置に裕度を持たすことができる。更に、往路と帰路の
光軸が一致しないことによって半導体レーザへの戻り光
を回避できる構成となるので、低ノイズ化が図られる。
【0088】上述したように、本発明構成によれば、既
存の装置では得られない多くのかつ重要な利益をもたら
すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるピックアップ装置の一例の概略構
成図である。
【図2】本発明による光学装置の一例の概略断面図で
る。
【図3】本発明の原理の説明図である。
【図4】AおよびBは、複屈折光学素子の正結晶と負結
晶におけるレーザ光の分離状態を示す図である。
【図5】A,BおよびCは、それぞれ複屈折光学素子の
結晶方向と入射レーザ光の偏光方向との関係による常光
および異常光の強さとの関係を示す図である。
【図6】本発明の原理の説明図である。
【図7】Aは、本発明装置における2ビームのスポット
の位置関係を示す模式的平面図である。Bは、本発明装
置の光検出素子を構成するフォトダイオードのパターン
図である。
【図8】本発明装置の光検出素子を構成するフォトダイ
オードのパターン図である。
【図9】A〜Cは、本発明による光学装置の製造方法の
一例の各工程の斜視図である。
【図10】AおよびBは、本発明による光学装置の製造
方法の一例の各工程の斜視図である。
【図11】本発明によるピックアップ装置の一例の構成
図である。
【図12】従来のピックアップ装置の構成図である。
【図13】従来のピックアップ装置の光学装置の概略断
面図である。
【図14】Aは、従来のピックアップ装置の光学装置の
概略斜視図である。Bは、同様の光学装置の光検出素子
を構成するフォトダイオードのパターン図である。
【図15】従来のピックアップ装置の他の例の構成図で
ある。
【図16】図15に示すピックアップ装置の光路図であ
る。
【図17】AおよびBは、それぞれ従来のピックアップ
装置の光検出素子を構成するフォトダイオードのパター
ン図である。
【図18】AおよびBは、それぞれ従来のピックアップ
装置の光学記録媒体上のスポット位置と光検出素子から
の各信号の検出方法の説明図である。
【図19】従来の光学装置のさらに他の例の概略断面図
である。
【符号の説明】
M・・・光学記録媒体、LD・・・半導体レーザ、L,
1 ,L2 ・・・レーザ光、10・・・対物レンズ、1
1,21・・・ピックアップ装置、14・・・半導体基
体、15・・・半導体チップ、16・・・マイクロプリ
ズム、17,・・・パッケージ、18・・・透明カバ
ー、22,26・・・グレーティング、23,80・・
・ビームスプリッタ、25・・・パッケージ、27・・
・ホログラム、40・・・光学装置、41・・・複屈折
光学素子(複屈折を有する光学素子)、42・・・波長
板、43・・・光学系、61・・・ピット、71・・・
半導体ウエハ、72・・・領域、73・・・パッケージ
基体、81・・・構造体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光の光路上に複屈折を有する光学
    素子が配置されて前記レーザ光の2ビーム化を行う光学
    系を具備して成ることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】 前記光学系に波長板が配置されて前記複
    屈折を有する光学素子に対する上記レーザ光の往路およ
    び復路の双方に関して2ビーム化がなされるようにした
    請求項1に記載の光学装置。
  3. 【請求項3】 前記複屈折を有する光学素子が、前記レ
    ーザ光を出射する半導体レーザのパッケージの窓部に配
    置された構成としたことを特徴とする請求項1に記載の
    光学装置。
  4. 【請求項4】 前記光学系の戻り光を検出する光検出素
    子が形成された半導体基体上に、前記レーザ光を出射す
    る半導体レーザと、マイクロプリズムとが載置されて集
    積化された構造体がパッケージ内に収容され、 該パッケージの窓部に、前記複屈折を有する光学素子と
    前記波長板とを有する光学系が配置されて成ることを特
    徴とする請求項2に記載の光学装置。
  5. 【請求項5】 半導体レーザと、 該半導体レーザからのレーザ光の光路上に複屈折を有す
    る光学素子が配置されて前記レーザ光の2ビーム化を行
    う光学系と、 対物レンズと、 前記2ビームの戻り光を前記複屈折を有する光学素子か
    ら分離するビームスプリッタと、 光検出素子とを有することを特徴とする光学ピックアッ
    プ装置。
  6. 【請求項6】 半導体レーザと、 該半導体レーザからのレーザ光の光路上に複屈折を有す
    る光学素子と波長板とが配置されて、前記光学素子に対
    する前記レーザ光の往路および復路の双方において2ビ
    ーム化を行う光学系と、 対物レンズと、 光検出素子とを有することを特徴とする光学ピックアッ
    プ装置。
  7. 【請求項7】 前記光学系の戻り光を検出する光検出素
    子が形成された半導体基体上に、前記レーザ光を出射す
    る半導体レーザと、マイクロプリズムとが載置されて集
    積化された構造体がパッケージ内に収容され、 該パッケージの窓部に、前記複屈折を有する光学素子と
    前記波長板とを有する光学系が配置されて成ることを特
    徴とする請求項6に記載の光学ピックアップ装置。
  8. 【請求項8】 前記光検出素子によって、上記2ビーム
    の戻り光を検出して差動プッシュプル法でトラッキング
    誤差信号を得ることを特徴とする請求項5に記載の光学
    ピックアップ装置。
  9. 【請求項9】 前記光検出素子によって、上記2ビーム
    の戻り光を検出して差動プッシュプル法でトラッキング
    誤差信号を得ることを特徴とする請求項6に記載の光学
    ピックアップ装置。
  10. 【請求項10】 前記光検出素子によって、上記2ビー
    ムの戻り光を検出して差動プッシュプル法でトラッキン
    グ誤差信号を得ることを特徴とする請求項7に記載の光
    学ピックアップ装置。
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