JPH11241366A - 建設機械の排気装置 - Google Patents

建設機械の排気装置

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JPH11241366A
JPH11241366A JP4329398A JP4329398A JPH11241366A JP H11241366 A JPH11241366 A JP H11241366A JP 4329398 A JP4329398 A JP 4329398A JP 4329398 A JP4329398 A JP 4329398A JP H11241366 A JPH11241366 A JP H11241366A
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JP
Japan
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discharge pipe
construction machine
muffler
tail pipe
exhaust device
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JP4329398A
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English (en)
Inventor
Tokuji Tanaka
篤司 田中
Osamu Watanabe
修 渡邉
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】エンジン室内の冷却効率の向上を図りつつ、排
気ガスによる周囲環境への騒音を低減できる建設機械の
排気装置を提供する。 【解決手段】マフラー吐出パイプ12bの外周面には、
略軸方向に伸びる突起32a〜fが設けられ、尾管端部
30Aの内周面には、略軸方向に伸びる凹溝33a〜f
が設けられている。突起32a〜f及び凹溝33a〜f
のうち対応するものどうしが同じ周方向位置となるよう
に配置されている。そして、B−B断面における突起3
2a〜f及び凹溝33a〜fの幅及び高さは、それぞれ
共通の巾及び高さとなっており、これにより、マフラー
吐出管12bや尾管端部30Aに突起32a〜fや凹溝
33a〜fを設けない従来構造に比べて、空気流路の横
断面積を変化させずにその全周長さを増加させるように
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に係わり、特に、建設機械に備えられた
エンジンからの排気ガスを外部に排出するための建設機
械の排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排気装置に関する従来技
術として、例えば実開昭58−111313号公報記載
の排気装置がある。この排気装置においては、マフラー
の吐出管(出口管)に接続される尾管のマフラー側端部
を拡開形状とし、出口管の端部をその尾管の拡開形状の
中に挿入した構造としている。通常、エンジンからの排
気ガスが導かれるマフラーの周囲には熱がこもりやす
く、高温となりやすい。上記従来技術では、尾管の拡開
形状中に出口管の端部を挿入した構造とすることによ
り、出口管からの排気ガスが尾管に流入するときの流速
によるエゼクタ効果を利用して、出口管外部の空気を尾
管内に吸引する。これによって、マフラーの周囲を冷却
する冷却風を誘起し、エンジン室内の冷却効率の向上を
図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、建設機械から
発生する騒音には種々のものがあり、例えば、エンジン
室内に配置されるエンジンの駆動音、エンジン室内の冷
却ファンの風切り音、エンジンからの排気ガスによって
生じる騒音等がある。これらの騒音はなるべく減少させ
るのが好ましいが、特に近年、生活環境の保全の要求か
ら、周囲への騒音をさらに低減させることが強く要請さ
れている。例えば、これまでは、建設機械を定置した状
態での騒音を測定していたが、建設機械を動作させた状
態での騒音を測定し、その測定値が基準値内にあるか否
かの検査が行われる状況にある。
【0004】ここで、上記従来技術は、排気ガスのエゼ
クタ効果を利用してエンジン室内の冷却効率の向上を図
るものであるが、騒音の低減には特に配慮されていな
い。すなわち、出口管外部の空気が排気ガスの流速によ
って尾管の拡開形状の端部から尾管内に吸引される際
に、壁面(尾管の拡開形状の内周及び出口管の外周)の
影響でその空気流に乱れが生じ、尾管から周囲環境へ排
出される排気ガスの騒音を増大させる要因となるが、こ
の騒音の低減に関して改善の余地がある。
【0005】本発明の目的は、エンジン室内の冷却効率
の向上を図りつつ、排気ガスによる周囲環境への騒音を
低減できる建設機械の排気装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、建設機械のエンジンに接続された
消音器の吐出管端部を、これに対向する尾管端部の拡開
形状内に配置し、前記吐出管から吐出される排気ガスを
前記尾管に流入させ外気に放出する建設機械の排気装置
において、前記尾管端部と前記吐出管端部との間に形成
される空気流路の横断面積を変化させることなく、その
全周長さを増加させる周長増加手段を設ける。消音器の
吐出管端部を尾管端部の拡開形状内に配置し、吐出管か
ら吐出される排気ガスを尾管に流入させることにより、
このときの排気ガスの流速によるエゼクタ効果によって
吐出管外部の空気を尾管内へ吸入することができる。こ
れにより、消音器の周囲を冷却する冷却風を誘起し、エ
ンジン室内の冷却効率の向上を図ることができる。この
とき、エゼクタ効果により吸引される空気流の乱れを低
減するためには、この空気流のレイノルズ数を減少させ
るのが有効である。このレイノルズ数Reは、空気流の
流速をU、代表寸法をd、空気の動粘度をνとしてRe
=U・d/νで表されるが、さらに代表寸法dは、流路
横断面積をS、流路横断面全周長さをLrとして、d=
4S/Lrで表される。本発明においては、周長増加手
段を設け、流路横断面積Sを変化させることなくその全
周長さLrを増加させることにより、代表寸法dの値を
低減でき、これによってレイノルズ数Reの値を低減す
ることができる。したがって、吸引される空気流の乱れ
を低減することができるので、排気ガスによる周囲環境
への騒音を低減できる。
【0007】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記周長増加手段は、前記尾管の拡開形状の内周に設け
た少なくとも1つの凹状部分と、前記吐出管の外周に設
けた少なくとも1つの凸状部分とを備えている。
【0008】(3)上記(2)において、さらに好まし
くは、前記凹状部分は、軸方向に配設された凹溝であ
り、前記凸状部分は、軸方向に配設された堤状部であ
る。
【0009】(4)上記(2)において、また好ましく
は、前記凹状部分と前記凸状部分とは横断面積が互いに
等しく、かつ互いに同じ個数が設けられている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を参照しつつ説明する。本実施形態が適用される油圧シ
ョベルの構造を表す側面図を図2に示す。この図2にお
いて、油圧ショベル1は、走行体3と、この走行体3の
上部に旋回可能に搭載された旋回体4と、この旋回体4
に対して上下方向へ回動可能に接続された作業フロント
5とを備えている。
【0011】走行体3は、走行手段としての左右の無限
軌道履帯2L,2Rを備えており、これら履帯2L,2
Rは、左・右走行モータ(図示せず)の駆動力によって
動作するようになっている。旋回体4には、操作者の運
転室であるキャブ6と、キャブ6より後方に位置しエン
ジン(図示せず、後述の図3参照)が配置されるエンジ
ン室8と、エンジン室8よりさらに後方に位置し重量バ
ランスを保つためのカウンタウェイト9とが設けられて
いる。またこの旋回体4の中央部には旋回モータ(図示
せず)が設けられており、これによって旋回体4を走行
体3に対し旋回させるようになっている。作業フロント
5は、旋回体4に回動可能に結合されたブーム5aと、
このブーム5aに回動可能に結合されたアーム5bと、
このアーム5bに回動可能に結合されたバケット5cと
から構成されており、これらブーム5a、アーム5b、
及びバケット5cは、それぞれブームシリンダ10a、
アームシリンダ10b、及びバケットシリンダ10cに
より動作するようになっている。
【0012】なお、これらブームシリンダ10a、アー
ムシリンダ10b、バケットシリンダ10cと、上記し
た旋回モータ及び左・右走行用油圧モータは、特に詳細
な説明を行わないが、油圧駆動装置として公知の構成に
よって駆動される。すなわち、エンジン室内のエンジン
で駆動される油圧ポンプ(図示せず、後述の図3参照)
からの圧油が、キャブ6内での操作者の操作レバー操作
に基づいて上記の各油圧アクチュエータに供給され、各
油圧アクチュエータはこれに応じて駆動される。
【0013】なお、本明細書では、旋回体4が図2に示
すような位置にあるときにおける、作業フロント5側
(図2中左側)を前方あるいは前方側と称し、カウンタ
ウェイト9側(図2中右側)を後方あるいは後方側と称
する。またこのように前後方向を定めた場合における左
右方向を、単に左方側及び右方側と称する。
【0014】エンジン室8内の構造を表す図2中A−A
断面による断面図を図3に示す。この図3において、エ
ンジン室8内には原動機としてのエンジン11が設けら
れており、このエンジン11からの排気ガスは消音器と
してのマフラー12に導かれるようになっている。
【0015】エンジン室8の上部には、略箱型の蓋を形
成するエンジンカバー14がエンジン11やマフラー1
2の上方を覆うように設けられている。このエンジンカ
バー14の一辺は蝶番15で固定されており、これによ
って図示矢印のように開閉可能に構成され、メンテナン
ス時の便宜が図られている。
【0016】エンジン11のクランク軸11Aの駆動力
は、プーリー16a、Vベルト18、及びプーリー16
bを介してファン19の回転軸に伝達される。そして、
これによって冷却風20a,20bが誘起され、いわゆ
る吸込タイプのエンジン冷却が行われる。冷却風20a
は、通風吸込口21からエンジン室8内に吸い込まれ、
前記した各油圧アクチュエータを駆動する作動油を冷却
するオイルクーラ22、エンジン11の冷却水を冷却す
るラジエータ23で熱交換を行い、ファン19の吸込効
率向上のためにラジエータ23に付設されたシュラウド
24を経てファン19に流入する。その後、エンジン1
1の周囲を流れてこれを冷却した後、通風吐出口25
a,25bからエンジン室8の外へ流出する。また、冷
却風20bは、通風吸込口21からエンジン室8内に吸
い込まれた後、エンジンカバー14内のマフラー12近
傍を通ってその周囲をある程度冷却し、エンジンカバー
14の左端面に形成された通風吐出口14Aから外部に
流出するようになっている。なお、エンジン11のファ
ン19と反対側には、エンジン11によって駆動され各
油圧アクチュエータに圧油を供給する前述した油圧ポン
プ26が設けられている。
【0017】マフラー12は、ブラケット17を介しエ
ンジン室8の外壁に固定されている。このマフラー12
付近の詳細構造を表す右方側からの側断面図を図1に示
す。図1中右側が前方側、左側が後方側に相当してい
る。図1において、エンジン11からの排気ガス27
は、矢印で示すように、エンジン11の排気マニホール
ド11Aから、ブラケット28を介しエンジン11上部
に固定された排気管29に導かれ、さらにこの排気管2
9に嵌合したマフラー12の入口パイプ12aを経てマ
フラー本体12cに流入する。そして排気ガス27は、
マフラー本体12c内部を通過し、マフラー本体12c
の下流側に突出した吐出パイプ12bを介し、マフラー
12の外に吐出されるようになっている。このとき、エ
ンジンカバー14の貫通孔14Bを貫通するように、排
気ガスを外気放出するための尾管30がブラケット31
を介して取り付けられている。この尾管30の下側端部
30Aが拡開形状となっており、マフラー吐出パイプ1
2bは、その拡開形状の内部に挿入されるように配置さ
れ、これによって、吐出パイプ12から吐出される排気
ガス27を尾管30に流入させ、尾管30を介して外気
に放出するようになっている。
【0018】尾管30及びマフラー吐出パイプ12bの
接続部付近の拡大構造を表す縦断面図を図4に、図4中
B−B断面による横断面図を図5に示す。これら図4及
び図5において、マフラー吐出パイプ12bの外周面に
は、略軸方向に伸びる堤状部としての突起32a,32
b,32c,32d,32e,32fが周方向6箇所に
設けられており、尾管端部30Aの内周面には、略軸方
向に伸びる凹溝33a,33b,33c,33d,33
e,33fが周方向6箇所に設けられている。またこの
凹溝33a〜fが設けられる結果、それらの裏側にあた
る尾管端部30Aの外周面には突起34a〜fが形成さ
れている。
【0019】このとき、図5に示すように、突起32a
〜f及び凹溝33a〜fは周方向位置が60°間隔とな
るように配置されており、かつ、突起32a〜f及び凹
溝33a〜fのうち対応するものどうしが同じ周方向位
置となるように配置されている。そして、B−B断面に
おけるマフラー吐出パイプ12bの外径はd1、尾管端
部30Aの内径はd2となっている。また、尾管30及
び吐出パイプ12bの肉厚t1,t2はそれぞれ例えば
1.6mmと比較的薄くなっており、これによって突起
32a〜f及び凹溝33a〜fはプレス加工により形成
可能となっている。
【0020】またこのとき、突起32a〜f及び凹溝3
3a〜fの幅及び高さは、それぞれ共通のw及びhとな
っており、これにより、マフラー吐出管12bや尾管端
部30Aに突起32a〜fや凹溝33a〜fを設けない
従来構造(後述の図6参照)に比べて、尾管端部30A
とマフラー吐出管12b端部との間に形成される空気流
路35(図5中網目部分)の横断面積を変化させずにそ
の全周長さを増加させるようになっている(詳細は後
述)。
【0021】なお、上記において、吐出パイプ12bが
消音器の吐出管を構成する。また、突起32a〜fが吐
出管の外周に設けた凸状部分を構成し、凹溝33a〜f
が尾管の拡開形状の内周に設けた凹状部分を構成する。
そして、これら突起32a〜f及び凹溝33a〜fが、
尾管端部と吐出管端部との間に形成される空気流路の横
断面積を変化させることなく、その全周長さを増加させ
る周長増加手段を構成する。
【0022】以上のように構成した本実施形態において
は、マフラー12の吐出パイプ12bの端部を尾管端部
30Aの拡開形状内に配置し、吐出パイプ12bから吐
出される排気ガス27(図4参照)を尾管30内に流入
させることにより、このときの排気ガス27の流速によ
るエゼクタ効果(=高速流体の速度エネルギを圧力エネ
ルギに変換して他の流体を吸引すること)によって、吐
出パイプ12b外部の空気38(図4参照)を尾管30
内へ吸入することができる。これにより、マフラー12
の周囲を冷却する冷却風39(図1参照)を誘起し、エ
ンジン室8内の冷却効率の向上を図ることができる。
【0023】このとき、吐出パイプ管12bの空気38
が尾管30内に吸引される際に、壁面(尾管端部30A
の拡開形状の内周及び吐出パイプ12bの外周)の影響
でその流れに乱れが生じると、排気ガス27が尾管30
から周囲環境へ排出されるときの騒音を増大させる。こ
の空気流の乱れを低減するためには、この空気流のレイ
ノルズ数を減少させるのが有効である。本実施形態で
は、このレイノルズ数を減少させることにより排気ガス
27の騒音を低減する。以下、この作用を詳細に説明す
る。
【0024】この空気流のレイノルズ数Reは、空気流
の流速をU、代表寸法をd、空気の動粘度をνとして、 Re=U・d/ν …(式1) で表される。ここで、代表寸法dは、機械工学便覧(日
本機械学会編)A5−76ページによれば、流路横断面
積をS、流路横断面全周長さをLrとして、 d=4S/Lr …(式2) の等価式で表される。すなわち、レイノルズ数Reを減
少させるためには代表寸法dを減少させればよく、その
ためには、流路横断面積Sを減少させるか若しくは流路
横断面全周長さLrを増加させればよい。但し、流路横
断面積Sを減少させると流速増大を招くため、かえって
気流音を増大させてしまう。したがって、流路横断面積
Sを不変としつつ流路横断面全周長さLrを増加させれ
ばよいことがわかる。
【0025】本実施形態におけるこの流路横断面全周長
さLr増加作用を、従来構造にほぼ相当する比較例を用
いて説明する。図6は、本実施形態の図5に対応する図
であり、比較例における図4中B−B断面に相当する位
置での横断面構造を示している。図6において、マフラ
ー吐出管12bの外径及び尾管端部30Aの内径はそれ
ぞれ図5と同じd1,d2となっているが、マフラー吐出
管12bや尾管端部30Aに突起32a〜fや凹溝33
a〜fが設けられていない点が図5と異なる。
【0026】図6の構造における空気流路40(網目部
分)の横断面積S’は、 S’=π{(d2/2)2−(d1/2)2} =(π/4)(d22−d12) …(式3) また、流路横断面全周長さLr’は、 Lr’=πd2+πd1 …(式4) となる。
【0027】これに対して、図5に示す本実施形態の構
造においては、空気流路35(網目部分)の横断面積S
は、 S=S’+(凹溝33a〜fの横断面積合計)−(突起
32a〜fの横断面積合計) となるが、前述のように凹溝33a〜fの横断面積は突
起32a〜fの横断面積と等しいので、 S=S’ …(式5) となり、従来構造の横断面積S’と同一となる。また、
流路横断面全周長さLrは、 Lr=πd2+πd1+(凹溝33a〜fの高さ合計)+
(突起32a〜fの高さ合計) =πd2+πd1+12h+12h =πd2+πd1+24h …(式6) となり、従来構造の全周長さLr’より24hだけ大き
くなる。なお、以上は図4中B−B断面における比較で
あったが、この断面以外においてもこの図5と図6の大
小関係は成り立つことは言うまでもない。
【0028】このようにして、本実施形態においては、
マフラー吐出管12bや尾管端部30Aに突起32a〜
fや凹溝33a〜fを設けない従来構造に比べて、尾管
端部30Aとマフラー吐出管12b端部との間に形成さ
れる空気流路の横断面積Sを変化させることなく、その
全周長さLrを増加させることができる。これにより、
代表寸法dの値を低減でき、レイノルズ数Reの値を低
減することができる。
【0029】このレイノルズ数低減効果の具体的な一例
を以下に示す。例えば、50tクラスの大型の油圧ショ
ベルの場合に、B−B断面におけるマフラー吐出パイプ
12bの外径d1及び尾管端部30Aの内径d2を、 d1=131.0[mm] d2=146.8[mm] とする。
【0030】この場合、図6における空気流路40の横
断面積S’及び流路横断面全周長さLr’は、上記(式
3)及び(式4)より、 S’=(π/4)(d22−d12)≒3911.6[mm
2] Lr’=πd2+πd1≒879.0[mm] となる。そして、このときの代表寸法d’は、上記(式
2)より、 d’=4S’/Lr’≒17.8[mm] となる。ここで、排気ガス流量を1[m3/s]とする
と、空気流の流速Uは、 U=1/(d22π/4) …(式7) ≒57.5[m/s] となる。また、本願発明者等が実測したところによる
と、一般的な動作条件において尾管端部30A付近にお
ける排気ガス温度は380℃であった。この温度におけ
る空気の動粘度は、 ν=606×10-6[m2/s] …(式8) であるから、このときのレイノルズ数Re’は、上記
(式1)より、Re’=U・d’/ν=1689とな
る。
【0031】一方、図5に示す本実施形態における空気
流路35の横断面積S及び流路横断面全周長さLrは、
上記(式5)及び(式6)より、 S=S’≒3911.6[mm2] Lr=πd2+πd1+24hπ≒1119.0[mm] となる。そして、このときの代表寸法dは、上記(式
2)より、 d=4S/Lr≒14.0[mm] となる。したがって、上記(式7)及び(式8)を用い
ると、このときのレイノルズ数Reは、上記(式1)よ
り、 Re=U・d/ν=1328 となり、Re/Re’≒78.6%となる。
【0032】以上のように、本実施形態によれば、空気
流路35の横断面積Sを従来構造と変えることなく、レ
イノルズ数Reの値を約20%以上低減することができ
る。したがって、尾管端部30Aから吸引される空気3
8の流れの乱れを低減することができるので、その分、
尾管30から外気放出される排気ガス27による周囲環
境への騒音を低減できる。
【0033】なお、上記実施形態においては、突起32
a〜f及び凹溝33a〜fの断面形状を長方形とした
が、これに限られず、半円状や三角形状としてもよい。
これらの場合も、同様の効果を得る。また、上記実施形
態においては、幅W及び高さhの突起32a〜f及び凹
溝33a〜fを周方向6箇所に設けたが、これに限られ
ず、少なくとも1箇所設ければ足りる。但し、周長Lr
をなるべく増加させるために、強度設計上許される範囲
内でなるべく多くの箇所に設けた方が好ましい。さら
に、上記実施形態においては、これら突起32a〜f及
び凹溝33a〜fを設ける場所の周方向位置を一致さ
せ、また突起32a〜f及び凹溝33a〜fの高さh及
び幅wを互いに一致させたが、これに限られず、突起3
2a〜fの高さ及び幅と凹溝33a〜fの高さ及び幅を
異なるようにしてもよいし、周方向に一致しない位置に
配置してもよい。要は、図6に示した従来構造と、流路
横断面積Sを同一としつつ流路横断面全周長さLrが増
加するように構成すれば足りる。したがって、突起32
a〜fの個数と凹溝33a〜fの個数とが異なるように
することもできるし、また図5のように突起及び凹溝を
用いた構造とせず、尾管端部30Aの横断面形状やマフ
ラー吐出パイプ12bの横断面形状を、略歯車状や略波
型円形状等にすることも可能である。これらの場合も、
同様の効果を得る。
【0034】さらに、上記実施形態においては、いわゆ
る吸込タイプのファンを用いたエンジン室8に本発明を
適用した場合について説明したが、これに限られず、い
わゆる吐き出しタイプのファンを用いたエンジン室に適
用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0035】
【発明の効果】本実施形態によれば、エンジン室内の冷
却効率の向上を図りつつ、排気ガスによる周囲環境への
騒音を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による排気装置のマフラー
付近の詳細構造を表す側断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による排気装置が適用され
る油圧ショベルの構造を表す側面図である。
【図3】図2中A−A断面による断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による排気装置の尾管及び
マフラー吐出パイプの接続部付近の拡大構造を表す縦断
面図である。
【図5】図4中B−B断面による横断面図である。
【図6】比較例における図4中B−B断面に相当する位
置での横断面構造を示す図である。
【符号の説明】
11 エンジン 12 マフラー(消音器) 12b マフラー吐出パイプ(吐出管) 27 排気ガス 30 尾管 30A 尾管端部 32a〜f 突起(堤状部、凸状部分、周長増加手
段) 33a〜f 凹溝(凹状部分、周長増加手段) 35 空気流路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建設機械のエンジンに接続された消音器の
    吐出管端部を、これに対向する尾管端部の拡開形状内に
    配置し、前記吐出管から吐出される排気ガスを前記尾管
    に流入させ外気に放出する建設機械の排気装置におい
    て、 前記尾管端部と前記吐出管端部との間に形成される空気
    流路の横断面積を変化させることなく、その全周長さを
    増加させる周長増加手段を設けたことを特徴とする建設
    機械の排気装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械の排気装置におい
    て、前記周長増加手段は、前記尾管の拡開形状の内周に
    設けた少なくとも1つの凹状部分と、前記吐出管の外周
    に設けた少なくとも1つの凸状部分とを備えていること
    を特徴とする建設機械の排気装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の建設機械の排気装置におい
    て、前記凹状部分は、軸方向に配設された凹溝であり、
    前記凸状部分は、軸方向に配設された堤状部であること
    を特徴とする建設機械の排気装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の建設機械の排気装置におい
    て、前記凹状部分と前記凸状部分とは横断面積が互いに
    等しく、かつ互いに同じ個数が設けられていることを特
    徴とする建設機械の排気装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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