JPH11237508A - 偏光性ホログラム素子の製造方法 - Google Patents

偏光性ホログラム素子の製造方法

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JPH11237508A
JPH11237508A JP4143298A JP4143298A JPH11237508A JP H11237508 A JPH11237508 A JP H11237508A JP 4143298 A JP4143298 A JP 4143298A JP 4143298 A JP4143298 A JP 4143298A JP H11237508 A JPH11237508 A JP H11237508A
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JP
Japan
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transparent substrate
light
hologram element
film
vapor deposition
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Application number
JP4143298A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hayashi
賢一 林
Kazuo Kobayashi
一雄 小林
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明基板の表面に、無機材料を斜め蒸着する
ことにより格子状の複屈折膜が形成された構造の偏光性
ホログラム素子を製造するのに適した方法を提案するこ
と。 【解決手段】 透明基板2の表面201に格子状にレジ
スト5を形成する。次に、レジスト5をマスクとして用
いて、ドライエッチング法により透明基板2をエッチン
グする。この結果、レジスト5で覆われていない透明基
板2の表面201aには、凹部212が形成され、これ
らの凹部212は格子状の溝パターンを形成する。次
に、真空蒸着法またはスパッタ法により、透明基板2の
各凹部212に蒸着膜3を形成する。この場合、各凹部
212を目安として、その長手方向(格子方向B)に平
行な方向から蒸着を行う。したがって、蒸着時に蒸着方
向Aがずれないように配慮する必要がない。また、蒸着
後でも蒸着方向Aを容易に判別できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光光を用いた光
学装置、例えば、光ピックアップに使用するのに適した
偏光性ホログラム素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク(CD)、デジタル
ビデオディスク(DVD)等の光記録媒体の再生等を行
う光ピックアップとしては、3ビーム法によりトラッキ
ング制御信号等を検出する光学系を備えたものが知られ
ている。この3ビーム法では、一般に、レーザ光源から
のレーザ光を偏光性ホログラム素子を用いて3ビームと
なるように回折している。光ピックアップでは、小型、
コンパクト化の要望から、その光学系を構成する偏光性
ホログラム素子も小型でコンパクトに構成できることが
望ましい。
【0003】このような偏光性ホログラム素子は、たと
えば、特開昭63−314502号公報に開示されてい
る。この公開公報に開示の偏光性ホログラム素子は、常
光をそのまま透過させ、異常光を回折するためのもので
ある。
【0004】この偏光性ホログラム素子は、ニオブ酸リ
チウム(LiNbO3 )等の複屈折性結晶板の表面にプ
ロトンイオン交換領域を形成するとともに、形成したプ
ロトンイオン交換領域の上に誘電体膜を形成した構成と
なっている。そして、常光がプロトンイオン交換領域を
通過する際に受ける位相変化と、プロトンイオン交換が
施されていない領域を通過する際に受ける位相変化が同
一となるように、プロトンイオン交換領域の深さ、およ
び誘電体膜の膜厚が設定されている。
【0005】また、特開平7−130022号公報に
も、常光をそのまま通過させて異常光のみを回折させる
ための同様な構成の偏光性ホログラム素子が開示されて
いる。この公開公報には、さらに、常光を回折するが、
異常光をそのまま通過させる構成の偏光性ホログラム素
子も開示されている。
【0006】この後者の偏光性ホログラム素子は、ニオ
ブ酸リチウムの結晶の表面に一定の深さのプロトンイオ
ン交換領域を形成し、しかる後に、プロトンイオン交換
領域が形成された結晶板の表面を一定の深さとなるよう
にエッチングすることによって、異常光が回折作用を受
けないようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の公開公報に開示されている偏光性ホログラム素子は、
結晶板として光学的異方性基板であるニオブ酸リチウム
を用いている。光学的異方性基板は結晶板自体が非常に
高価である。したがって、偏光性ホログラム素子も高価
なものとなってしまう。また、当該偏光性ホログラム素
子を光ピックアップに採用すると、光ピックアップの価
格も当然に上昇してしまう。
【0008】さらに、ニオブ酸リチウムは、熱衝撃に非
常に弱いという特性を持っている。偏光性ホログラム素
子の作製プロセスには、プロトンイオン交換時に沸騰し
た安息香酸にニオブ酸リチウムを浸すプロセス、レジス
トを乾燥させるために熱処理を行うプロセス等といった
ニオブ酸リチウムに温度変化が生じるプロセスが含まれ
る。このようなプロセス中に、ニオブ酸リチウムはひび
が入ったり、極端な場合には割れが発生する恐れがあ
る。このため、ニオブ酸リチウムの結晶板を使った偏光
性ホログラム素子は、歩留りが悪く、量産に適さない。
【0009】そこで、結晶板の強度を上げるため、ニオ
ブ酸リチウムの結晶板を厚くすることも考えられる。し
かし、結晶板を厚くすると、その分、偏光性ホログラム
素子が大型化し、重量も増してしまう。また、このよう
な偏光性ホログラム素子を光ピックアップに採用する
と、当然に光ピックアップが大型化し、重量も増してし
まう。
【0010】さらに、上記の偏光性ホログラム素子で
は、プロトンイオンの拡散時において、プロトンイオン
がニオブ酸リチウムの結晶板の表面から横方向に拡散す
ることに起因するデューティーのずれが顕著になる。す
なわち、目標とする幅のプロトンイオン交換領域を精度
良く作り込むことが困難となる。このようなずれが発生
すると偏光性ホログラム素子に目標とする回折特性を付
与できず、たとえば、偶数項の回折光が発生する等して
光利用効率の低下等を招いてしまう。また、プロトンイ
オンの拡散では、数μm以下という細かいピッチで行う
ことができず、ピッチの細かい格子が作りにくい。すな
わち、プロトンイオンの拡散に起因して偏光性ホログラ
ム素子の構造が制約されてしまう。
【0011】そこで、本出願人は、使用波長に対して透
明な透明基板と、該透明基板の光入射面および光出射面
のうち少なくとも一方の光通過面に格子状に形成された
複屈折膜とを有し、前記複屈折膜が、前記光通過面の法
線方向に対して所定の角度から当該光通過面に無機材料
を斜め蒸着することによって形成されている偏光性ホロ
グラム素子を提案している。
【0012】本発明の課題は、この偏光性ホログラム素
子を製造するのに適した方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、使用波長に対して透明な透明基板と、該
透明基板の光入射面および光出射面のうち少なくとも一
方の光通過面に格子状に形成された複屈折膜とを有し、
前記複屈折膜が、前記光通過面の法線方向に対して所定
の角度から当該光通過面に無機材料を斜め蒸着すること
によって形成されている偏光性ホログラム素子を次のよ
うに製造している。すなわち、前記透明基板の前記光通
過面に格子状のレジストパターンを形成し、該レジスト
パターンをマスクとして前記透明基板をエッチングする
ことによって、前記光通過面に格子状の溝パターンを形
成し、該溝パターンの長手方向および前記法線方向を含
む平面内の方向から無機材料を斜め蒸着して、前記溝パ
ターンに沿って格子状の複屈折膜を形成している。
【0014】本発明の製造方法では、無機材料を斜め蒸
着する前に、予め、透明基板の光通過面に複屈折膜を格
子状に形成するための溝パターンを形成している。した
がって、次の工程で無機材料を蒸着する場合には、この
溝パターンを目安として、溝パターンの長手方向に平行
な方向から無機材料を蒸着するだけでよい。このよう
に、無機材料の蒸着方向が一義的に定まっているので、
蒸着時に蒸着方向を特定するための作業が不要となる。
また、蒸着後でも蒸着方向を容易に判別できる。さら
に、無機材料が溝パターンの長手方向および法線方向を
含む平面内の方向から蒸着されるので、複屈折膜の膜厚
分布も均一に保てる。
【0015】ここで、前記透明基板のエッチングは、レ
ジストパターンを用いたドライエッチング法によること
が好ましい。このようにすると、溝パターンを精度よく
形成することができるので、そこに形成される複屈折膜
のデューティ比およびエッチング深さを一定にでき、良
好な偏光性ホログラム素子を製造することができる。
【0016】本発明の別の形態における製造方法におい
ては、前記透明基板の前記光通過面に対して前記複屈折
膜を形成した後、所定間隔ごとに前記複屈折膜を除去し
て、前記複屈折膜を格子状に形成している。
【0017】ここで、前記複屈折膜を所定間隔ごとに除
去するためには、レーザ加工法を採用することができ
る。このようにすると、格子状の複屈折膜のデューティ
比およびエッチング深さを一定にでき、良好な偏光性ホ
ログラム素子を製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0019】[実施の形態1]図1(a)は、本発明の
実施の形態1に係る方法によって製造された偏光性ホロ
グラム素子を示す斜視図、(b)は、(a)のX−X’
線で切断した部分の断面図である。(c)は、蒸着膜を
拡大して示す断面図である。
【0020】図1(a)、(b)に示すように、偏光性
ホログラム素子1は、等方性基板である透明基板2を有
している。透明基板2は、ガラス基板、シリコン基板、
プラスチック基板等といった使用波長に対して透明な材
料から形成されている。使用波長とは、たとえば、偏光
性ホログラム素子1を光ピックアップに採用した場合、
その光ピックアップに使用されているレーザ光の波長を
いう。透明基板2の表面(光通過面)201には、凹部
212が一定の幅および深さで格子状に形成されてい
る。透明基板2の表面201のうち、隣接する凹部21
2の間の凸部213の表面は、そのまま外部に露出して
いる。凹部212には、その深さを越えない厚さで蒸着
膜3が形成されている。
【0021】蒸着膜3は、五酸化タンタル(Ta
2 5 )、酸化タングステン(WO3 )、三酸化ビスマ
ス(Bi2 3 )、酸化チタン(TiO2 )等の無機材
料を蒸着することにより形成されている。蒸着膜3の蒸
着方向Aは、図1(a)および(c)から分かるよう
に、格子方向Bおよび透明基板2の表面201の法線方
向Hを含む平面内において、法線方向Hに対して所定の
角度θをなす方向とされている。蒸着膜3は、放線方向
Hと蒸着方向A、A’とがなす角度θを例えば70°と
して蒸着されている。無機材料をこのように斜め蒸着す
ると、複屈折性を有する蒸着膜が形成されることが知ら
れている。したがって、蒸着膜3は複屈折膜として機能
する。
【0022】このように構成された偏光性ホログラム素
子1では、蒸着膜3(図1(b)におけるCの経路)を
通過する常光および異常光と、透明基板21の凸部21
3(図1(b)におけるDの経路)を通過する常光およ
び異常光とは、常光同士の間、および異常光同士の間に
位相差が生じるので、偏光性ホログラム素子としての特
性を有する。
【0023】また、蒸着膜3の膜厚および凹部212の
深さを調整すれば、常光のみを回折して異常光をそのま
ま透過させる特性を付与できる。この逆に、常光をその
まま透過させ、異常光を回折する特性を付与することも
できる。すなわち、常光の位相差をπの奇数倍かつ異常
光の位相差をπの偶数倍となるように蒸着膜3の膜厚、
および凹部212の深さを設定すれば、常光のみを回折
して異常光をそのまま透過させることができる。逆に、
常光の位相差をπの偶数倍かつ異常光の位相差をπの奇
数倍となるように蒸着膜3の膜厚、および凹部212の
深さを設定すれば、常光をそのまま透過させ、異常光の
みを回折することができる。
【0024】なお、偏光性ホログラム素子1は、蒸着膜
3の膜厚をあまり厚くすることができないので、常光を
回折し、異常光をそのまま透過させるのに適した構造で
ある。
【0025】図2を参照して、偏光性ホログラム素子1
の製造方法を説明する。
【0026】まず、図2(a)に示す透明基板2の表面
201にフォトリソグラフィ法により格子状にレジスト
5のパターンを形成する。このレジスト5のパターンに
よって、透明基板2の表面201は、図2(b)に示す
ように、一定の幅を持つレジスト5で覆われた部分20
1aと透明基板2の表面201がそのまま露出した部分
201bとが交互に繰り返された状態となる。
【0027】次に、図2(c)に示すように、レジスト
5をマスクとして用いて、ドライエッチング法により透
明基板2の露出部分201bをエッチングする。この結
果、隣接するレジスト5の間の透明基板2の露出部分2
01bが一定の深さの凹部212になる。これらの凹部
212は格子状の溝パターンを形成している。
【0028】次に、図2(d)に示すように、真空蒸着
法またはスパッタ法により、透明基板21の凹部212
に蒸着膜3を形成する。蒸着膜3の蒸着方向は、凹部2
12の長手方向および透明基板2の法線方向Hを含む平
面内において、法線方向Hに対して所定の角度θをなす
方向とする。この結果、レジスト5の表面、および凹部
212に蒸着膜3が一定の膜厚で形成される。
【0029】次に、図2(e)に示すように、レジスト
剥離液を用いてレジスト5を透明基板2の表面212a
から除去する。これにより、レジスト5の表面に形成さ
れていた蒸着膜3も一体となって除去される。すなわ
ち、蒸着膜3の不要な部分がリフトオフされる。この結
果、図1に示すような偏光性ホログラム素子1を得るこ
とができる。
【0030】本形態の製造方法では、無機材料を斜め蒸
着する前に、予め、透明基板2の光通過面(光入射面ま
たは光出射面)201に蒸着膜3を格子状に形成するた
めの凹部212からなる溝パターンを形成している。従
って、凹部212の長手方向(格子方向B)に平行な方
向から無機材料を蒸着すればよい。このように、無機材
料の蒸着方向が一義的に定まっているので、蒸着時に蒸
着方向を特定するための作業が不要となる。また、蒸着
後でも蒸着方向Aを容易に判別できる。また、無機材料
が溝パターンの長手方向および法線方向Hを含む平面内
の方向から蒸着されるので、蒸着膜3の膜厚分布も均一
に保てる。さらに、溝パターンは、ドライエッチング法
によって形成されているので精度よく形成することがで
きる。従って、各凹部212に形成される複屈折膜のデ
ューティ比およびエッチング深さを一定にでき、良好な
偏光性ホログラム素子を製造することができる。
【0031】なお、透明基板2は、ガラス基板、シリコ
ン基板、プラスチック基板等の単体から形成されている
ものに限らない。例えば、図3に示すように、ガラス基
板22等の上に酸化シリコン(SiO2 )等の誘電体膜
23を形成したものも、使用波長に対して透明なので透
明基板2として採用できる。この場合には、誘電体膜2
3に凹部212が形成され、その凹部212に沿って蒸
着膜3が形成される。
【0032】このような偏光性ホログラム素子11も、
図2を用いて説明したように、透明基板2の表面201
(誘電体膜の表面)に格子状にレジスト5のパターンを
形成し、透明基板2の露出部分201b(誘電体膜の露
出部分)をエッチングすることによって、透明基板2
(誘電体膜)に一定の深さの凹部212を形成し、この
凹部212からなる格子状の溝パターンの長手方向およ
び透明基板2の法線方向Hを含む平面内の方向から蒸着
膜3を蒸着する本形態の偏光性ホログラム素子の製造方
法を適用できる。
【0033】[実施の形態2]図4(a)は、本発明の
実施の形態2に係る方法によって製造された偏光性ホロ
グラム素子を示す斜視図、(b)は、(a)のX−X’
線で切断した部分の断面図である。なお、本形態の偏光
性ホログラム素子10は、透明基板2の光通過面(光入
射面または光出射面)211が平面のままである点と、
蒸着膜3の表面に誘電体膜が形成されている点を除き、
実施の形態1で説明した偏光性ホログラム素子1と基本
的な構成が同様であるので、共通する部分については、
同じ符号を付して、それらの詳細な説明は省略する。
【0034】図4(a)、(b)に示すように、偏光性
ホログラム素子10は、等方性基板である透明基板21
を有している。透明基板21は、透明基板2と同様に、
ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板等、使用
波長に対して透明な材料から形成されている。透明基板
21の表面211には、蒸着膜3が、一定の幅および膜
厚で、格子状に形成されている。隣接する蒸着膜3の間
では、透明基板21の表面211がそのまま露出してい
る。
【0035】蒸着膜3は、実施の形態1に係る方法によ
って製造された偏光性ホログラム素子1と同様に、五酸
化タンタル(Ta2 5 )、酸化タングステン(W
3 )、三酸化ビスマス(Bi2 3 )、酸化チタン
(TiO2 )等の無機材料を蒸着することにより形成さ
れている。蒸着膜3の蒸着方向A、A’は、透明基板2
1の表面211の法線方向Hに対して所定の角度θをな
す方向とされている。なお、蒸着膜3は、法線方向Hと
蒸着方向A、A’とがなす角度θを70°として蒸着さ
れている。また、本形態では、蒸着膜3の表面にSiO
2 からなる誘電体膜4が形成されている。この誘電体膜
4は保護膜としての機能も同時に果たしている。誘電体
膜4としては、SiO2 の代わりにMgF2 、Al2
3 、TiO2 等を用いることもできる。
【0036】なお、ここでは蒸着膜3の上に誘電体膜4
が形成されているが、誘電体膜4の上に蒸着膜3が形成
されていてもよい。
【0037】このように構成された偏光性ホログラム素
子10でも、蒸着膜3(図4(b)におけるCの経路)
を通過する常光および異常光と、透明基板21の表面2
11が露出した部分(図4(b)におけるDの経路)を
通過する常光および異常光とは、常光同士の間、および
異常光同士の間に位相差が生じるので、偏光性ホログラ
ム素子10としての特性を有する。
【0038】また、蒸着膜3および誘電体膜4の膜厚を
所定の厚さとすれば、常光のみを回折して異常光をその
まま透過させる特性、逆に、常光をそのまま透過させ、
異常光を回折する特性を付与できる。すなわち、常光の
位相差をπの奇数倍かつ異常光の位相差をπの偶数倍と
なるように、蒸着膜3および誘電体膜4の膜厚を設定す
れば、常光のみを回折して異常光をそのまま透過させる
ことができる。逆に、常光の位相差をπの偶数倍かつ異
常光の位相差をπの奇数倍となるように、蒸着膜3およ
び誘電体膜4の膜厚を設定すれば、常光をそのまま透過
させ、異常光のみを回折することができる。したがっ
て、偏光性ホログラム素子10でも、実施の形態1に係
る方法によって製造された偏光性ホログラム素子1と同
様な効果を有する。
【0039】なお、偏光性ホログラム素子10は、蒸着
膜3の膜厚を比較的薄くすることができるので、異常光
のみを回折し、常光をそのまま透過するのに適した構造
である。
【0040】図5を参照して、偏光性ホログラム素子1
0の製造方法を説明する。
【0041】まず、図5(a)および(b)に示すよう
に、透明基板21の表面211に蒸着膜3を形成する。
次に、図5(c)に示すように、真空蒸着法またはスパ
ッタ法により、蒸着膜3の表面にSiO2 からなる誘電
体膜4を形成する。しかる後に、レーザ加工法により蒸
着膜3および誘電体膜4を格子状に除去する。この結
果、図5(d)に示すように、透明基板21の表面21
1に、複屈折膜である蒸着膜3が格子状に形成された偏
光性ホログラム素子10が得られる。
【0042】このように、本形態では、レーザ加工法に
よって所定間隔ごとに複屈折膜を除去する方法を採用し
ているので、格子状の複屈折膜のデューティ比およびエ
ッチング深さを一定にでき、良好な偏光性ホログラム素
子を製造することができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の偏光分離
素子の製造方法では、無機材料を斜め蒸着する前に、予
め、透明基板の光入射面または光出射面に複屈折膜を格
子状に形成するための溝パターンを形成している。した
がって、無機材料を蒸着する場合には、この溝パターン
を目安として、溝パターンの長手方向に平行な方向から
蒸着するだけでよい。このように、無機材料の蒸着方向
が一義的に定まっているので、蒸着時に蒸着方向を特定
するための作業が不要となる。また、蒸着後でも蒸着方
向を容易に判別できる。さらに、無機材料が溝パターン
の長手方向および法線方向を含む平面内の方向から蒸着
されるため、複屈折膜の膜厚分布も均一に保つことがで
きる。
【0044】また、本発明では、レーザ加工法によって
所定間隔ごとに前記複屈折膜を除去する方法を採用して
いるので、格子状の複屈折膜のデューティ比およびエッ
チング深さを一定にでき、良好な偏光性ホログラム素子
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態1に係る方法に
より製造された偏光性ホログラム素子を示す斜視図、
(b)は、(a)のX−X’線で切断した部分の断面
図、(c)は、蒸着膜を拡大して示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の実施の形態1に係
る偏光性ホログラム素子の製造方法を示す説明図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態1に係る方法により製造さ
れた偏光性ホログラム素子の変形例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態2に係る方法により製造さ
れた偏光性ホログラム素子を示す斜視図、(b)は、
(a)のX−X’線で切断した部分の断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、本発明の実施の形態2に係
る偏光性ホログラム素子の製造方法を示す説明図であ
る。
【符号の説明】 1、10、11 偏光性ホログラム素子 2、21 透明基板 201、211 表面(光入射面または光出射面) 212 凹部 213 凸部 3 蒸着膜(複屈折膜) 4 誘電体膜 5 レジスト A 蒸着方向 B 格子方向 H 法線方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用波長に対して透明な透明基板と、該
    透明基板の光入射面および光出射面のうち少なくとも一
    方の光通過面に格子状に形成された複屈折膜とを有し、
    前記複屈折膜が、前記光通過面の法線方向に対して所定
    の角度から当該光通過面に無機材料を斜め蒸着すること
    によって形成されている偏光性ホログラム素子の製造方
    法であって、 前記透明基板の前記光通過面に格子状のレジストパター
    ンを形成し、該レジストパターンをマスクとして前記透
    明基板をエッチングすることによって、前記光通過面に
    格子状の溝パターンを形成し、該溝パターンの長手方向
    および前記法線方向を含む平面内の方向から無機材料を
    斜め蒸着して、前記溝パターンに沿って格子状の複屈折
    膜を形成することを特徴とする偏光性ホログラム素子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記透明基板のエッ
    チングは、レジストパターンを用いたドライエッチング
    法によることを特徴とする偏光性ホログラム素子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 使用波長に対して透明な透明基板と、該
    透明基板の光入射面および光出射面のうち少なくとも一
    方の光通過面に格子状に形成された複屈折膜とを有し、
    前記複屈折膜が、前記光通過面の法線方向に対して所定
    の角度から当該光通過面に無機材料を斜め蒸着すること
    によって形成されている偏光性ホログラム素子の製造方
    法であって、 前記透明基板の前記光通過面に対して前記複屈折膜を形
    成した後、所定間隔ごとに前記複屈折膜を除去して、前
    記複屈折膜を格子状に形成することを特徴とする偏光性
    ホログラム素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、レーザ加工法により
    前記複屈折膜を所定間隔ごとに除去することを特徴とす
    る偏光性ホログラム素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002169010A (ja) * 2000-12-04 2002-06-14 Minolta Co Ltd 回折光学素子

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