JPH11236286A - 炭化硼素皮膜の製造方法 - Google Patents

炭化硼素皮膜の製造方法

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JPH11236286A
JPH11236286A JP10297598A JP29759898A JPH11236286A JP H11236286 A JPH11236286 A JP H11236286A JP 10297598 A JP10297598 A JP 10297598A JP 29759898 A JP29759898 A JP 29759898A JP H11236286 A JPH11236286 A JP H11236286A
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boron carbide
boron
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heat treatment
carbide film
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JP10297598A
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Yasufumi Aihara
靖文 相原
Shigenori Ito
重則 伊藤
Shinji Kawasaki
真司 川崎
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NGK Insulators Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/18After-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5053Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
    • C04B41/5057Carbides
    • C04B41/5058Boron carbide

Abstract

(57)【要約】 【課題】基材に形成した炭化硼素皮膜に対してクラック
が発生することがなく、また、基材からの剥離が生じな
い炭化硼素皮膜の製造方法を提供する。 【解決手段】基材の表面に、プラズマ溶射により炭化硼
素を成膜した後、非酸化性雰囲気中において、1100
〜2400℃の温度で熱処理することにより、炭化硼素
溶射膜中に存在する酸化硼素を消失させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化硼素皮膜の製
造方法に関し、さらに詳しくは、耐摩耗材、摺動材、ロ
ケットなどの耐熱タイル、及び原子炉の制御材や遮蔽材
などに有効に使用することができる、炭化硼素皮膜の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化硼素は高融点を有するため耐熱性に
優れ、また、化学的にも安定であるため耐酸化性にも優
れる。さらに、耐摩耗性、強度、及び硬度などの機械的
強度に優れるとともに、中性子吸収性をも有する。
【0003】このため、従来から、炭化硼素で被覆した
材料が、サンドブラストノズル及び粉砕装置の内張りな
どの耐摩耗材や摺動材、ロケットの耐熱タイル、原子炉
の制御材や遮蔽材などに使用されている。炭化硼素の被
覆は、一般に、CVD法及びプラズマ溶射法などにより
行われている。
【0004】しかしながら、基材に対して、上記プラズ
マ溶射法などを用いて炭化硼素皮膜を形成すると、皮膜
に対してクラックが発生したり、皮膜の剥離などが生じ
るという問題があった。かかる問題に鑑み、特開平5−
339079号公報では、基材である炭素材料の表面を
炭化硼素に転化した後、形成された転化層上に炭化硼素
粉を配置した後、あるいはCVD法などにより炭化硼素
の層を形成した後に、ホットプレスすることにより緻密
な膜を形成する方法が開示されている。
【0005】また、特開平7−33567号公報では、
基材である炭素材料の表面に、粒径が0.01〜1μm
の窒化物又は炭化物の微粒子を凝集させて、粒径が3〜
50μmの2次疑似粒子を製造し、この2次疑似粒子を
プラズマ溶射法によって、前記基材の表面に被覆し、さ
らにその上に、金属、合金、及び酸化物系あるいは非酸
化物系のセラミックスの少なくとも1層を溶射被覆して
積層する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によっても基材に被覆した炭化硼素皮膜のクラックの
発生、及び基材からの剥離を十分に防止することができ
ず、特に、湿度が高い条件においては、その傾向が顕著
であった。このため、炭化硼素に固有の耐熱性及び耐摩
耗性などの特性を十分に享受することができなかった。
本発明は、基材に形成した炭化硼素皮膜に対してクラッ
クが発生することがなく、また、基材からの剥離が生じ
ない炭化硼素皮膜の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プラズマ
溶射法などにより炭化硼素(B4 C)皮膜を基材表面に
形成した場合において、この炭化硼素皮膜にクラックが
発生する原因、及び炭化硼素皮膜が基材から剥離する原
因について詳細な検討を行った。その結果、膜中に混入
した酸化硼素(B2 3 )がこれらクラックの発生など
に関与していることを発見した。
【0008】すなわち、例えば、プラズマ溶射法によ
り、炭化硼素を基材の表面へ形成すると、溶融した液滴
の表面が溶射雰囲気中の酸素により酸化され、酸化硼素
が膜中に混入する。この酸化硼素は吸湿性を有するた
め、大気中に放置すると、大気中に存在する水分と反応
し膨張する。この結果、炭化硼素皮膜が崩壊してクラッ
クが発生したり、基材からの剥離が生じたりする。
【0009】本発明は、これら詳細な検討による発見に
基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、基
材の表面に、プラズマ溶射により炭化硼素を成膜した
後、非酸化性雰囲気中において、1100〜2400℃
の温度で熱処理することにより、炭化硼素溶射膜中に存
在する酸化硼素を消失させることを特徴とする炭化硼素
皮膜の製造方法である。
【0010】本発明の炭化硼素皮膜の製造方法を用いる
ことにより、クラック及び剥離のない炭化硼素皮膜の製
造が可能となる。すなわち、プラズマ溶射法によって炭
化硼素皮膜を形成すると、炭化硼素粉末は、溶射時に溶
融するとともに、下記(1)式に示すように、硼素
(B)と炭素(C)とに一部分解する。 B4 C→4B+C (1) 溶射時の硼素は高温であるため、雰囲気中の酸素と直ち
に反応し、下記(2)式で示すように、酸化硼素を形成
する。 4B+3O2 →2B2 3 (2)
【0011】一方、炭素はそのまま残留するものと、下
記(3)式で示すように、酸素と反応して一酸化炭素
(CO)を形成し、溶射時に飛散するものとがある。 2C+O2 →2CO (3) したがって、従来の炭化硼素皮膜の製造方法では、図1
に示すように、酸化硼素と残留している炭素とからなる
(酸化硼素+炭素)層bが、溶射された炭化硼素の液滴
aの表面に形成される。
【0012】図2に示すように、このような液滴が基材
dの表面に液滴の状態で打ち付けられて冷却されると、
炭化硼素溶射膜cは、酸化硼素を多量に含むために積層
構造を呈する。
【0013】しかしながら、本発明の炭化硼素の製造方
法では、プラズマ溶射によって炭化硼素皮膜を形成した
後、非酸化性雰囲気中において、1100〜2400℃
の高温で加熱するため、酸化硼素は下記(4)式に示す
ように、残留している炭素と反応し、炭化硼素と一酸化
炭素とを生成して消失する。 2B2 3 +7C→B4 C+6CO (4) したがって、本発明の方法によれば、形成した炭化硼素
皮膜中から酸化硼素を除去することができる。その結
果、炭化硼素皮膜の膨張を防止することができ、炭化硼
素皮膜におけるクラックの発生などを阻止することがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の炭化硼素皮膜の
製造方法を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明す
る。本発明において使用することのできる基材は、プラ
ズマ溶射による破損を防止するために耐熱衝撃性を有す
ることが必要である。また、本発明の熱処理を実施した
後の降温時において、炭化硼素にクラックが発生するの
を防止すべく、炭化硼素と同等、あるいは、炭化硼素よ
りも大きい熱膨張係数を有することが必要である。
【0015】基材の熱膨張係数の下限は、室温〜100
0℃において、4.5×10-6/degであることが好
ましく、さらには5.5×10-6/degであることが
好ましい。基材の熱膨張係数が4.5×10-6/deg
より小さいと、後に述べる熱処理を実施した後の降温時
において、炭化硼素皮膜に基材からの引張応力が作用
し、この炭化硼素皮膜にクラックが生じやすくなるとと
もに、基材からの剥離が生じやすくなるため好ましくな
い。
【0016】また、基材の熱膨張係数の上限は、室温〜
1000℃において、7×10-6/degであることが
好ましく、さらには6×10-6/degであることが好
ましい。基材の熱膨張係数が7×10-6/degより大
きいと、熱処理後の降温時において、上記とは逆に、炭
化硼素皮膜に基材からの圧縮応力が作用し、基材からの
剥離が生じやすくなるため好ましくない。
【0017】このような条件を満たす基材としては、カ
ーボン(C)、再結晶炭化珪素(SiC)、シリコン
(Si)ー炭化珪素(SiC)複合体、及びムライト、
窒化アルミニウム(AlN)などを例示することができ
るが、耐熱衝撃性の観点より、カーボン、再結晶炭化珪
素、及びシリコンー炭化珪素複合体を使用することが好
ましい。
【0018】本発明における炭化硼素皮膜の成膜は、大
気プラズマ溶射法、プラズマジェット法、及び減圧プラ
ズマ溶射法などの公知のプラズマ溶射法を用いて行うこ
とができる。このようにして形成する炭化硼素皮膜の膜
厚の下限は、好ましくは20μmであり、さらに好まし
くは50μmである。炭化硼素皮膜の膜厚が20μmよ
り小さいと、基材に対して、炭化硼素に固有の耐熱性及
び耐酸化性などの特性を付与することができず好ましく
ない。
【0019】一方、炭化硼素皮膜の膜厚の上限は、好ま
しくは500μmであり、さらに好ましくは100μm
である。炭化硼素皮膜の膜厚を500μmよりも大きく
しても、炭化硼素に固有の特性は飽和し、単に原料の損
失を生じる結果になることに加えて、基材との熱膨張率
のミスマッチによる炭化硼素皮膜のクラックが発生し易
くなるため好ましくない。
【0020】また、本発明では、上記(2)式に示すよ
うに、分解した硼素の酸化により生成した酸化硼素を除
去すべく、プラズマ溶射法によって形成した炭化硼素皮
膜に、非酸化性雰囲気中で熱処理を行う必要がある。
【0021】さらに、上述したように、(4)式の反応
を生ぜしめて炭化硼素皮膜に混入した酸化硼素を気化さ
せて消失させるべく、前記熱処理の温度は、下限が11
00℃であることが必要であり、炭化硼素皮膜の膜厚が
厚い場合においても、膜内部の酸化硼素を効率よく消失
させるためには、前記熱処理温度の下限は、1300℃
であることが好ましい。また、基材の熱による破損を防
止するためには、前記熱処理の温度は、上限が2400
℃であることが必要であり、好ましくは2000℃、さ
らに好ましくは1600℃である。
【0022】本発明の炭化硼素皮膜の製造方法における
熱処理は、具体的には以下のようにして行う。最初に、
高温雰囲気炉などの装置内部に、プラズマ溶射によって
炭化硼素皮膜が形成された基材を設置する。次に、この
装置内部を真空ポンプによって排気した後、窒素
(N2 )、ヘリウム(He)、及びアルゴン(Ar)な
どの非酸化性ガスを充填する。続いて、昇温速度3〜1
5deg/分で、本発明の所定の温度にまで昇温した
後、この温度において、1〜10時間保持する。その
後、装置内部において200℃以下になるまで冷却し
て、炭化硼素皮膜が形成された基材を取り出す。また、
上記のように、プラズマ溶射法による炭化硼素の形成
と、非酸化性雰囲気での熱処理とを別バッチで行う外
に、プラズマ溶射及び熱処理機能が設けられた装置を用
いて、インラインで行うこともできる。
【0023】図3は、熱処理温度と結晶層との関係を示
すX線回折ピークである。図3において未熱処理で示さ
れる、従来の炭化硼素皮膜の製造方法では、2θ=3
5.0及び37.8度などの炭化硼素(B4 C)からの
ピーク、並びに2θ=26.4及び44.4度などの基
材である炭素(C)からのピークの外に、2θ=14.
6及び27.8度の酸化硼素(B2 3 )からのピーク
が見られる。
【0024】すなわち、本発明における熱処理を実施し
ない場合には、形成された炭化硼素皮膜中に、酸化硼素
が混入していることが分かる。一方、形成された炭化硼
素皮膜に対して熱処理を実施すると、熱処理温度の上昇
とともに、酸化硼素からのピークは小さくなり、炭化硼
素からのピークは大きくなることが分かる。すなわち、
炭化硼素からのピークの大きさが増大していることか
ら、熱処理温度が上昇することにより結晶性が増すにも
かかわらず、酸化硼素からのピークの大きさが減少して
いるのは、炭化硼素皮膜中に示す酸化硼素の量が減少し
ていることを示している。
【0025】したがって、図3から明らかなように、本
発明の熱処理温度範囲より低い温度では、酸化硼素が残
存するが、本発明の温度範囲内である1100℃に達す
ると、炭化硼素はほぼ消失することが分かる。
【0026】図4は、従来の炭化硼素皮膜の製造方法に
よって形成した、炭化硼素皮膜の破面の電子顕微鏡写真
である。また、図5は、本発明の炭化硼素皮膜の製造方
法によって形成した、炭化硼素皮膜の破面の電子顕微鏡
写真である。図4から明らかなように、従来の炭化硼素
皮膜の製造方法によって形成した炭化硼素皮膜は、酸化
硼素で覆われた炭化硼素の液滴が基材に打ちつけられ、
うろこ状あるいは小片状に積層されていることが分か
る。一方、図5から明らかなように、本発明の炭化硼素
皮膜の製造方法によって形成した炭化硼素皮膜は、酸化
硼素が消失して、炭化硼素の均質な膜になっていること
が分かる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例に則してさらに詳細に説明す
る。実施例1〜3及び比較例1及び2 基材として、熱膨張係数が6×10-6/deg(室温〜
1000℃)であり、直径40mm、厚さ50mmの大きさ
であるカーボン基材に、平均粒径が1μmのカーボン粉
末5重量%と平均粒径20μmの炭化硼素95重量%を
混合した原料を用いて、大気プラズマ溶射法により炭化
硼素皮膜を100μmの厚さに形成した。
【0028】その後、炭化硼素皮膜が形成された基材を
高温雰囲気炉に入れ、真空排気後アルゴンガスで置換し
た。続いて、表1に示す温度まで、3deg/分の昇温
速度で加熱し、1時間保持して熱処理を実施した。熱処
理終了後、装置内で200℃以下にまで冷却して基材を
取り出し、X線回折による酸化硼素の有無、及び加湿試
験によるクラックの発生について調べた。結果を表1に
示す。
【0029】比較例3 炭化硼素被膜を形成した後の熱処理を、酸素(O2 )5
体積%、アルゴン95体積%の混合酸化性ガスを用い、
1600℃で実施した以外は、上記実施例及び比較例と
同様にして実施した。酸化硼素の有無及びクラックの発
生については、上記実施例及び比較例と同様にして調べ
た。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例4及び5並びに比較例4 基材として、多孔質炭化珪素にシリコンを含浸して気密
化させた、熱膨張係数が5×10-6/degであり、直
径40mm、厚さ50mmの大きさであるシリコンー炭化珪
素複合体を使用し、熱処理温度を表2に示すようにした
以外は、上記実施例及び比較例と同様にして実施した。
酸化硼素の有無及びクラックの発生については、上記実
施例及び比較例と同様にして調べた。結果を表2に示
す。
【0032】
【表2】
【0033】以上、表1及び表2の実施例から明らかな
ように、本発明の炭化硼素皮膜の製造方法に従って炭化
硼素皮膜を形成した場合は、炭化硼素皮膜中に酸化硼素
が存在しないことが分かる。また、この酸化硼素が存在
しないため、加湿試験後においても、ザイクロ検査によ
り炭化硼素皮膜中にクラックが発生しないことが分か
る。
【0034】一方、比較例1、2、及び4に示すよう
に、本発明の炭化硼素皮膜の製造方法とは異なり、熱処
理を実施しない場合、あるいは熱処理温度が本発明の範
囲より低い場合は、炭化硼素皮膜中に酸化硼素が存在
し、これに起因してクラックが発生することが分かる。
【0035】また、比較例3に示すように、本発明の温
度範囲で熱処理を実施した場合においても、本発明とは
異なり、酸化性雰囲気中で熱処理を実施した場合は、炭
化硼素皮膜中に酸化硼素が存在し、クラックが発生する
ことが分かる。
【0036】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の炭化硼
素皮膜の製造方法を用いることにより、クラックの発生
や、基材からの剥離の原因であった酸化硼素を含まない
炭化硼素皮膜を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の方法を用いた場合に形成される、プラズ
マ溶射液滴の状態を示す図である。
【図2】従来の方法によって炭化硼素皮膜を製造した場
合における、炭化硼素皮膜の状態を示す図である。
【図3】熱処理温度と結晶層との関係を示すX線回折ピ
ークである。
【図4】従来の炭化硼素皮膜の製造方法によって形成し
た、炭化硼素皮膜の破面の電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の炭化硼素皮膜の製造方法によって形成
した、炭化硼素皮膜の破面の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
a 炭化硼素の液滴 b (酸化硼素+炭素)層 c
炭化硼素溶射膜 d 基材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に、プラズマ溶射により炭化硼
    素を形成した後、非酸化性雰囲気中において、1100
    〜2400℃の温度で熱処理することにより、炭化硼素
    溶射膜中に存在する酸化硼素を消失させることを特徴と
    する炭化硼素皮膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記基材の熱膨張係数が、4.5〜7×1
    -6/degであることを特徴とする請求項1に記載の
    炭化硼素皮膜の製造方法。
  3. 【請求項3】前記基材が、カーボン、再結晶炭化珪素及
    びシリコンー炭化珪素複合体から選ばれる少なくとも1
    つからなることを特徴とする、請求項2に記載の炭化硼
    素皮膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記熱処理の温度が、1300〜1600
    ℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に
    記載の炭化硼素皮膜の製造方法。
JP10297598A 1997-12-15 1998-10-06 炭化硼素皮膜の製造方法 Withdrawn JPH11236286A (ja)

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