JP4189676B2 - 耐熱性被覆部材 - Google Patents

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Description

本発明は、特に、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下において粉末冶金金属、サーメット又はセラミックスの焼結又は熱処理を行う際に使用する耐熱性被覆部材に関するものである。
一般に粉末冶金やセラミックス等の製造工程において、焼成あるいは焼結、更には熱処理という工程が挙げられる。この場合、製品となる試料をトレー上にセットするが、トレー材質と製品とが反応し、変形,組成ずれ,不純物の混入により、製品を歩留りよく焼成や焼結ができないケースが発生する。トレーと製品との反応防止のために、例えばアルミナやイットリアなどの酸化物粉や窒化アルミ、窒化ホウ素などの窒化物粉を敷粉として用いたり、それらの酸化物粉、窒化物粉を有機溶媒と混ぜ合わせてスラリー化し、トレー上に塗布したり、噴霧したりしてトレー上に皮膜を形成し、製品との反応を防止している。しかし、敷粉やスラリーコート皮膜の場合、製品の周辺に敷粉が付着したり、皮膜が基材から剥がれてしまい、1回或いは数回毎に同様な塗布作業が必要になる。
こうした問題を解決するため、溶射法などによりトレー表面上に緻密な溶射皮膜を形成させることが提案されている(特表2000−509102号公報参照)。
製品との反応防止という点では上記手法は有効であるが、繰り返し熱サイクルによる溶射皮膜とトレー基板界面部の熱的劣化により容易に皮膜が剥がれるといった問題が生じる場合がある。繰り返しの熱サイクルで基板と酸化物皮膜が剥がれない耐熱性、耐蝕性、耐久性、非反応性のある皮膜部材が望まれている。
特表2000−509102号公報
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で粉末冶金金属又はセラミックスを焼結又は熱処理を行う際に、耐熱性、耐蝕性、非反応性に優れ、しかも熱サイクルで剥がれにくい耐久性のある被覆部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、耐熱性基材上にランタノイド元素とAl,B,Gaなどの3B族元素を含有した複合酸化物など、下記特定の皮膜を被覆することにより得られる耐熱性被覆部材が、特に、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で粉末冶金金属、サーメット又はセラミックスの焼結又は熱処理を行う際に、優れた耐熱性、繰り返しの熱サイクルで皮膜が剥がれにくい耐久性、製品との非反応性、固着防止を与えることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の耐熱性被覆部材を提供する。
請求項
カーボン基材上に、Wからなる下層とYb23からなる上層との二層構造の中間被覆層が形成され、更にこの中間被覆層上に、上層被覆層として、YとAlとの複合酸化物にAl酸化物が混合された被覆層又はY酸化物とYb酸化物の混合被覆層が形成されてなることを特徴とする耐熱性被覆部材。
請求項
真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下での粉末冶金金属、サーメット又はセラミックスの焼結に治具として用いる請求項記載の耐熱性被覆部材。
請求項
被覆層の総厚さが0.02〜0.4mmである請求項1又は2記載の耐熱性被覆部材。
請求項
被覆層が溶射皮膜である請求項1乃至のいずれか1項記載の耐熱性被覆部材。
本発明の耐熱性被覆部材は、耐熱性、耐蝕性、非反応性が良好で、熱サイクルによる皮膜の剥がれが起りにくく、耐久性の優れた、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下での金属又はセラミックスを焼結又は熱処理するのに有効に用いられるものである。
本発明の耐熱性被覆部材は、基材をY元素あるいはランタノイド元素と3B族元素との複合酸化物層等、特定の皮膜で被覆してなるものである。本発明の耐熱性被覆部材は、特に、真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下で、製品となる粉末冶金金属、サーメット又はセラミックスの焼結又は熱処理を行う際に使用される。但し、製品の熱処理温度や焼結温度、雰囲気等によって、被覆酸化物と基材の組み合わせを変えて、最適化する必要がある。この場合、本発明の被覆部材は、とりわけ金属の溶解ルツボや各種複合酸化物を製造・焼結するための治具として有効であり、例えばセッター(敷板)、サヤ、トレー、焼成こう鉢、金型といった焼成用部材が挙げられる。
これらの粉末冶金金属、サーメット、セラミックスの焼結又は熱処理において使用される耐熱性、耐蝕性及び耐久性のある焼成用部材を形成するための基材として、本発明では、Mo,Ta,W,Zr,Tiなどの耐熱性金属、カーボン、それらの合金、あるいは、アルミナ、ムライトなどの酸化物系セラミックス、炭化珪素、炭化ホウ素などの炭化物系セラミックスや窒化珪素などの窒化物系セラミックスなどが挙げられる。
本発明においては、これら基材上に中間被覆層を形成する。この場合、中間被覆層としては、
(i)ランタノイド元素又はY,Zr,AlもしくはSi元素の酸化物、これら酸化物の混合物、又はこれら元素の複合酸化物膜、
(ii)Mo,W,Nb,Zr,Ta,Si又はB元素の金属、炭化物又は窒化物膜、又は
(iii)ZrO2,Y23,Al23もしくはランタノイド酸化物、これら酸化物の混合物、又はZr,Y,Alもしくはランタノイド元素の複合酸化物と、Mo,W,Nb,Zr,Ta,Si又はB金属元素とを含有する膜
が挙げられる。
この場合、上記(iii)の中間被覆層膜において、上記酸化物類と金属元素との含有割合は、酸化物類/(酸化物類+金属元素)=30〜70wt%(質量%、以下同じ)が好ましい。
また、中間被覆層として、(A)Mo,W,Nb,Zr,Ta,Si又はB元素の金属、炭化物又は窒化物被覆層と、(B)ランタノイド元素の酸化物又はY,Zr,AlもしくはSi元素の酸化物、これら酸化物の混合物、又はこれら元素の複合酸化物被覆層との二層構造とすることができる。この場合、上層は(A)、(B)のいずれであってもよいが、好ましくは(B)がよい。
本発明では、この中間被覆層上に後述する上層被覆層を形成するが、この中間被覆層を形成せず、直接基材上に上層被覆層を形成し、この上層被覆層上で超硬材料を焼結する場合、1,300〜1,500℃で、真空中、不活性雰囲気又は弱い還元雰囲気下で処理するが、焼結温度や雰囲気により、基材物質と上層被覆層との反応が起こり易くなる場合がある。特に基材にカーボンを用いた場合、1,400℃以上になると反応が起こり易い。カーボンとの反応によりAl酸化物は分解蒸発が激しく、基材から剥離する。また、一部のランタノイド元素は真空下で炭化物になり易い場合がある。炭化物になることで被覆酸化物が容易に基材から剥がれてしまう場合がある。
このため、分解蒸発や炭化物の生成を遮断する目的で、カーボン基材上に中間層としてMo,Ta,W,Siなどの耐熱性金属やカーボンによる炭化物の生成しづらいEu,Ybなどのランタノイド酸化物、あるいは耐熱性金属とランタノイド酸化物、ZrO2やAl23などの酸化物の混合層、あるいは耐熱性金属の上にランタノイド酸化物やその他の酸化物層を設けた多層構造の上記(i)〜(iii)の中間被覆層を形成するものである。これら中間被覆層の上に、AlとYの複合酸化物やAlとランタノイドの複合酸化物の被覆層、あるいはまた、ランタノイド酸化物、Al,Zr,Y酸化物の皮膜やそれらの化合皮膜、混合皮膜などの後述する(iv)〜(viii)の上層被覆層を形成させることで、カーボン界面の剥離と超硬製品の固着を防止することができる。
特に、中間層の主成分としては、金属層としてW(タングステン)、酸化物層としてはYb23が有望である。
また、(i)〜(iii)の金属、酸化物、炭化物、窒化物などの中間被覆層を設けることで、繰り返し熱サイクルによる基材との界面部の密着力を高めることができる。例えば、W,Si耐熱性金属を中間層として用いた場合、1,450℃以上の熱処理で耐熱性金属はカーボン基材と反応し、炭化物化し、WがWC化合物に変化する。また、SiはSiCに変化する。更に、Siの場合、窒素雰囲気下で処理すると窒化珪素になる。これらカーボン基材と耐熱性金属の界面部分が炭化物や窒化物に変化することで、基材との密着力が格段に向上する。
更に、中間被覆層を設けることで、真空下でカーボンと反応し易いY23、Gd23などのランタノイド酸化物、Al23などの分解蒸発や炭化物の生成を抑制できる。
こうした理由から、製品との固着防止、上層被覆層の蒸発防止と基材との剥離防止が可能になる。従って、中間層皮膜上に酸化物、複合酸化物皮膜を形成させた皮膜形成治具を得ることができる。
ここで、中間被覆層の形成に用いるランタノイド酸化物は、原子番号57〜71までの希土類元素から選ばれる希土類元素の酸化物である。希土類元素の酸化物のほかに3A族〜8族から選ばれる金属の酸化物を混合又は化合あるいは積層しても構わない。更に好ましくは、Al,Si,Zr,Fe,Ti,Mn,V,及びYから選ばれる少なくとも1種類の金属の酸化物を用いてもよい。
更に、本発明では、上記中間被覆層上に上層被覆層を形成する。この場合、上層被覆層としては、
(iv)ランタノイド元素と3B族元素との複合酸化物を含む膜、
(v)Y元素と3B族元素との複合酸化物を含む膜、
(vi)Y元素とランタノイド元素と3B族元素との複合酸化物を含む膜、
(vii)ランタノイド元素、Al元素又はY元素の酸化物膜、又は
(viii)Y酸化物とランタノイド酸化物の混合被覆膜
が挙げられる。
なお、(iv)の膜は、ランタノイド元素の酸化物及び/又は3B族元素の酸化物を含んでもよく、(v)の膜はY元素の酸化物及び/又は3B族元素の酸化物を含んでもよく、(vi)の膜はY元素の酸化物、ランタノイド元素の酸化物、3B族元素の酸化物やこれらの酸化物を混合状態で含んでもよい。
ここで、ランタノイド元素とは、原子番号57〜71までの希土類元素から選ばれる希土類元素である。また、3B族元素は、B,Al,Ga,In,Tl元素を指す。これら元素の複合酸化物を形成させることで、製品との反応や固着を防止することができる。特に、超硬材料であるタングステンカーバイトを焼成する場合に有効であり、タングステン及びタングステンカーバイトに含有されるコバルトとの反応や固着を防止することができる。従って、製品固着による基材からの被覆層の剥がれが無くなり、熱サイクルに強い耐久性のある焼成用部材が提供できる。
3B族元素の中でも特にAlとYの複合酸化物が有望である。更に、Al元素とランタノイド元素中のSm,Eu,Gd,Dy,Er,Yb,Luの複合酸化物が特に有効である。
この場合、(iv)〜(vi)において、Y元素及び/又はランタノイド元素と3B族元素との割合は、(Y元素及び/又はランタノイド元素)/(Y元素及び/又はランタノイド元素+3B族元素)=10〜90wt%であることが好ましい。3B族元素量が多すぎると、熱処理により基材との密着力が低下し、被覆層の剥離が生じ易くなる場合があり、3B族元素量が少なすぎると、超硬試料との固着が生じ易い場合がある。
特に、Y元素とAl元素による複合酸化物の質量比率は、Y23成分が80wt%以下でAl23成分が20wt%以上であることが好ましい。好ましくは、Y23成分を70wt%〜30wt%、Al23成分を30wt%〜70wt%にするとよい。これは、Y23成分が80wt%より多いと、Al23成分減少により超硬試料との固着が発生し易くなり、また、Al23成分があまり多すぎると熱処理により基材との密着力が極度に低下し、剥離が発生し易くなるからである。
また、Al元素の代わりにランタノイド酸化物を用いてもAl元素同様の効果で、製品との反応や固着を防止することができる。ランタノイド酸化物の中でもY23とYb23の酸化物の組み合わせが特に有効である。
この場合、Y23とYb23との割合は、Y23成分が80wt%以下でYb23成分が20wt%以上であることが好ましい。好ましくは、Y23成分を70wt%〜30wt%、Yb23成分を30wt%〜70wt%にするとよい。
上記中間被覆層、上層被覆層の形成は、溶射法によることが好ましく、これら被覆層は、いずれも溶射膜として形成し得る。この場合、溶射は公知方法で常法によって行うことができるが、溶射膜を形成するための複合酸化物、酸化物、金属粒子等の原料粒子の粒径は、平均粒径10〜70μmがよく、上記の基材にアルゴン、窒素等の不活性雰囲気下でプラズマ溶射又はフレーム溶射して、本発明の被覆部材を製造することが好ましい。また必要により、溶射する前に、基材表面にブラスト処理等の表面加工を施してもよい。更には、耐熱金属、炭化物、窒化物等の中間被覆層を設けた後に再度ブラスト処理を施し、その皮膜上に酸化物、複合酸化物等の上層被覆層を形成させてもよい。なお、スラリー塗布など溶射以外の方法でも同様の効果を達成できる。
上記中間被覆層、上層被覆層の合計厚さは、0.02mm以上0.4mm以下がよい。好ましくは0.1mm以上0.2mm以下が望ましい。0.02mm未満では、繰り返し使用した場合に、基材と焼結物質が反応する可能性がある。0.4mmを超えると、被覆酸化物膜内で熱衝撃により酸化物が剥離し、製品を汚染するおそれが生じる。この場合、中間被覆層の厚さは、上記合計厚さの1/2〜1/10、特に1/3〜1/5であることが、その効果を有効に発揮させる点で好ましい。
なお、中間被覆層が上記(A)、(B)の二層構造の場合、その厚さの割合は、1:0.5〜1:2とすることが好ましい。
このようにして得られた耐熱性被覆部材を用いて粉末冶金等の金属やセラミックスを2,000℃以下、更に好ましくは1,000〜1,800℃で1〜50時間、加熱熱処理又は焼結することがよく、雰囲気は真空又は不活性雰囲気又は還元雰囲気下であるのがよい。
金属、セラミックスとしては、焼結又は熱処理して得られるものであればよく、Cr合金、Mo合金、炭化タングステン、炭化珪素、窒化珪素、ホウ化チタン、希土類−アルミニウム複合酸化物、希土類−遷移金属合金、チタン合金、希土類酸化物、希土類複合酸化物等が挙げられ、特に炭化タングステン、希土類酸化物、希土類−アルミニウム複合酸化物、希土類−遷移金属合金の製造において、本発明の治具等の被覆部材は有効である。具体的には、YAG等の透性セラミックスや炭化タングステン等の超硬材、焼結磁石に用いるSm−Co系合金、Nd−Fe−B系合金、Sm−Fe−N系合金の製造や焼結磁歪材に用いるTb−Dy−Fe合金や焼結蓄冷材に用いるEr−Ni合金の製造において、本発明の治具等の被覆部材は有効である。なお、不活性雰囲気としては、例えばAr又はN2ガス雰囲気であり、還元雰囲気としては水素ガス等である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例、比較例]
表1,2に示すように、カーボン、モリブデン金属、アルミナセラミックス、ムライトセラミックス、炭化珪素母材を準備した。各母材を加工して、50×50×5mmの形状の基材とし、表面をブラストで粗した後、Y元素又はランタノイド元素とAl元素とを含有した複合酸化物粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚100μmの溶射被覆部材を得た(比較例1〜5)。
次に、カーボン基材との反応防止と密着力強化のために、中間層として、W又はSi粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの金属皮膜を形成させ、更にその皮膜上にYb23粒子,Gd23粒子、又はY元素,Yb元素又はGd元素とAl元素とを含有した複合酸化物粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み100μmの溶射被覆部材を得た(参考例1〜5)。
Y,Yb又はZr酸化物、又はYb又はAl酸化物とW金属との混合粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの皮膜を形成させ、更にその皮膜上にYb23粒子、Gd23粒子、又はYb,Gd又はY元素とAl元素とを含有した複合酸化物粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み100μmの溶射被覆部材を得た(参考例6〜14)。
23粒子、Al23粒子、Y+Zr元素粒子にした以外は比較例1〜5と同様の方法で膜厚み100μmの溶射被覆部材を得た(比較例6〜8)。
W金属粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの金属皮膜を形成させ、更にその皮膜上にY23粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み100μmの溶射被覆部材を得た(比較例9)。
W金属粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの金属皮膜を形成させ、更にその皮膜上にY23、Yb23、Al23の混合粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み100μmの溶射被覆部材を得た(参考例15)。
W金属粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの金属皮膜を形成させ、更にその皮膜上にY23、Yb23の混合粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み100μmの溶射被覆部材を得た(参考例16)。
Yb23粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの皮膜を形成させ、更にその皮膜上にY23、Yb23の混合粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み100μmの溶射被覆部材を得た(参考例17)。
W金属粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの金属皮膜を形成させ(第1層皮膜)、更にその皮膜上にYb23粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの皮膜を形成させ(第2層皮膜)、更にその皮膜上にY23、Yb23の混合粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み150μmの溶射被覆部材を得た(実施例)。
W金属粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの金属皮膜を形成させ(第1層皮膜)、更にその皮膜上にYb23粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、膜厚み50μmの皮膜を形成させ(第2層皮膜)、更にその皮膜上にY元素とAl元素とを含有した複合酸化物粒子(YAG)とAl23粒子との混合粒子をアルゴン/水素でプラズマ溶射することにより、トータルの膜厚み150μmの溶射被覆部材を得た(実施例)。
試料膜厚は溶射皮膜断面を研磨し、低倍率の電子顕微鏡観察で測定した。
実施例、参例と比較例1〜9の試料を10-2torrの真空雰囲気下、1,550℃の温度まで400℃/hrの速度で昇温した。2時間保持した後、加熱を切り、1,000℃でアルゴンガスを導入して500℃/hrの速度で常温付近まで冷却した。
次に、タングステンカーバイト粉にコバルト粉を質量比率で10質量%混ぜ合わせて、φ20×10mmの成形体を作製した。この成形体を1,550℃で熱処理を施した溶射被覆部材上に乗せてカーボンヒーター炉内にセットし、真空引き後、800℃まで窒素雰囲気下で400℃/hrで昇温し、その後、真空引きを行い、10-2torrの真空雰囲気下、所定の温度まで400℃/hrの速度で昇温した。2時間保持した後、加熱を切り、1,000℃でアルゴンガスを導入して500℃/hrの速度で常温付近まで冷却した。1回毎に新しい成形体を乗せながら、同様の熱試験を5回繰り返した場合の複合酸化物被覆部材と基材との試料癒着による複合酸化物被覆層の剥がれ方を観察した。結果を表3に示す。
Figure 0004189676
Figure 0004189676
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実施例の溶射被覆部材は、真空雰囲気下カーボンヒータ炉で5回のWC/Co超硬試料焼結試験で剥がれが見られなかった。一方、比較例1〜9の被覆部材は5回の焼結試験中にWC/Co試料固着により皮膜に剥がれが発生した。Y元素、ランタノイド元素とAl元素の複合酸化物を含む被覆溶射基材は1,450℃の熱サイクル試験においてWC/Co超硬試料との固着による溶射皮膜の剥がれが起りにくく、耐久性の向上が図れた。更に、中間層に耐熱金属、ランタノイド酸化物、耐熱金属とランタノイド酸化物等の被着層を設けることで、耐久性の向上が図れた。

Claims (4)

  1. カーボン基材上に、Wからなる下層とYb23からなる上層との二層構造の中間被覆層が形成され、更にこの中間被覆層上に、上層被覆層として、YとAlとの複合酸化物にAl酸化物が混合された被覆層又はY酸化物とYb酸化物の混合被覆層が形成されてなることを特徴とする耐熱性被覆部材。
  2. 真空、不活性雰囲気又は還元雰囲気下での粉末冶金金属、サーメット又はセラミックスの焼結に治具として用いる請求項記載の耐熱性被覆部材。
  3. 被覆層の総厚さが0.02〜0.4mmである請求項1又は2記載の耐熱性被覆部材。
  4. 被覆層が溶射皮膜である請求項1乃至のいずれか1項記載の耐熱性被覆部材。
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