JPH11236210A - ポリシラン化合物の製法およびこのポリシラン化合物を用いた感光体ならびに画像形成装置 - Google Patents

ポリシラン化合物の製法およびこのポリシラン化合物を用いた感光体ならびに画像形成装置

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JPH11236210A
JPH11236210A JP4398498A JP4398498A JPH11236210A JP H11236210 A JPH11236210 A JP H11236210A JP 4398498 A JP4398498 A JP 4398498A JP 4398498 A JP4398498 A JP 4398498A JP H11236210 A JPH11236210 A JP H11236210A
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正人 福留
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ポリシランの特性を損なわず、高いキャリア輸
送特性、有機溶剤に対する優れた溶解性、ならびに紫外
光に対する優れた高耐久性の電子写真用キャリア輸送剤
を提供する。 【解決手段】下記一般式[1]または[2]のシリコン
アルコキシドと、[3]のポリシランとを反応させてシ
リカゲルを合成し、ついでシリカゲルを[4]のアルカ
リ金属化合物にて処理するポリシラン化合物の製法。 Si(OR [1] RnSi(OR4−n [2] M(OR [4] ただし、Rは水素原子、アルキル基、Rはアルキル
基、アルケニル基、フェニル基、Rは水素原子、アル
キル基である(ただしnは1または2)。Mはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属であり(ただしnは金属M
の原子価を示す)Rは水素原子、アルキル基である。
〜R10、R′〜R′10は、水素、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲンで
あり、nは重合度、R11はアルキル基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高いキャリア輸送特
性をもつ新しいポリシラン化合物の製法に関し、さらに
このポリシラン化合物から成る膜の機械的強度を高めた
感光体ならびにこの感光体を搭載した画像形成装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体のキャリア輸送材料と
しては、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVK)のよ
うな高分子材料が用いられているが、近時、より高いキ
ャリア輸送特性の要求に応じるためにアリールアミン誘
導体やヒドラゾン誘導体などの低分子化合物をポリカー
ボネート樹脂などの不活性ポリマーバインダーに分散し
た低分子樹脂分散複合材料が提案されている。
【0003】しかしながら、最近のキャリア輸送特性材
料における高キャリア移動度の要望に対しては、未だ満
足できるものではなく、さらに高いキャリア移動度、と
くに高いホール移動度が求められる。
【0004】たとえば高いキャリア移動度を必要とする
画像形成装置に対し、ポリシラン化合物を感光体のキャ
リア輸送材料に採用することが提案されているが、ポリ
シラン単独で用いる場合には、ポリシラン化合物の重量
平均分子量が50,000〜2,500,000 であり、かつ数平均分
子量に比べて10以下の比率であるホール移動度が10
-5cm2 /V・秒以上のポリシラン化合物でなければな
らないことが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最も一般的
で実用的なポリシラン合成方法であるウルツカップリン
グ反応は、一般に分子量の制御がむずかしく、さらにポ
リモーダルな分子量分布を示し、収率も低く、そのため
高分子量で、分子量分布の狭いポリシランを大量にかつ
低価格で提供することは困難である。そこで以下のよう
な手段が報告されている。
【0006】ポリシランと高分子樹脂を混合させる
(特開平4-178652号参照) ポリシラン/ 有機低分子キャリア輸送剤/高分子樹脂
(特開平3-170940号、特開平4-151669号、特開平7-2952
64号参照) ポリシランと他の高分子との共重合体(特開平2-1334
16号、特開平2-153359号参照)。
【0007】しかしながら、これら各技術によれば、単
純に混合するだけであるため、相溶性が悪く、均一な膜
が得られないという問題点、また、有機低分子キャリア
輸送剤を混合することによりポリシラン感光体としての
特長(高いホール移動度)が失われるという問題点、さ
らにポリシランと他の高分子との共重合反応が確立され
ていないなどの問題点がある。
【0008】したがって本発明の目的はポリシランの特
性を損なわず、機械的強度、膜特性に優れ、さらに有機
溶剤に対する溶解性や紫外光に対する耐久性に優れたポ
リシラン化合物の製法を提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は本発明のポリシ
ラン化合物から成る膜の機械的強度を高めた感光体を提
供することにある。
【0010】さらにまた、本発明の他の目的は本発明の
感光体を搭載した画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のポリシラン化合
物の製法は、化1または化2のシリコンアルコキシド
と、化3のポリシランとを反応させてシリカゲルを合成
し、ついでこのシリカゲルを化4のアルカリ金属化合物
にて処理することを特徴とする。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】ただし、nは重合度であって、置換基R1
は水素原子、アルキル基、置換基R2 はアルキル基、ア
ルケニル基、フェニル基、置換基R3 は水素原子、アル
キル基である(ただしnは1または2)。Mはアルカリ
金属またはアルカリ土類金属である(ただしnは金属M
の原子価を示す)。置換基R4 は水素原子、アルキル基
である。
【0017】置換基R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R
10、R'5、R'6、R'7、R'8、R'9、R'10 は、水素、
アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリー
ル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基、アミノ基、置
換アミノ基、ハロゲンがある。
【0018】上記アルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アミノ基としては、たとえばメチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、
デシル、ペンタデシル、ステアリル、シクロヘキシル、
フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、メトキシ、エ
トキシ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが挙げら
れる。またこれら置換基としてはアルキル、アリール、
ハロゲン、ニトロ、アミノ、アルコキシ、シアノなどが
ある。R11はアルキル基である。
【0019】本発明の感光体は、導電性基体の上に光キ
ャリア励起層と本発明のポリシラン化合物から成るキャ
リア輸送層との積層の感光層を形成したことを特徴とす
る。
【0020】本発明の画像形成装置は、本発明の感光体
と、感光体の感光層側に配設した現像手段と、透光性を
有する導電性基体側から画像露光光を照射する手段とか
ら成るとともに、上記感光体の表面にトナー像を形成さ
せるべく上記現像手段と導電性基体との間に電圧を印加
しながら露光手段より画像露光光を照射するようにした
ことを特徴とする。
【0021】本発明の他の画像形成装置は、本発明の感
光体と、感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感
光体の帯電領域に対して光照射する露光手段とから成
り、これら帯電手段と露光手段により感光体表面に静電
潜像を形成するとともに、静電潜像に対応するトナー像
を感光体に形成する現像手段と、トナー像を被転写材に
転写する転写手段と、転写後に感光体表面の残留トナー
を除去するクリーニング手段と、転写後に残余静電潜像
を除去する除電手段とを配設したことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】(ポリシラン化合物の構造)本発
明者はポリシラン化合物の特性を損なわず、機械的強
度、膜特性に優れたポリシラン化合物の研究をおこなっ
てきたが、そのなかでシリカゲル粒子中へポリシランを
ドープしたポリシラン化合物が優れた機械的強度、膜特
性を有することを提案した。
【0023】すなわち、アルコキシ基を有するポリシラ
ン化合物を用いてシリカゲル中に化学的に固定化するこ
とでシリカゲルからポリシラン化合物が溶出するのを防
止でき、これによって物理的な耐久性を向上させたポリ
シラン化合物の膜を作製できることを見出した。
【0024】しかしながら、シリカゲル中に固定化され
たポリシラン化合物は耐久性が低下する場合があり、こ
の原因は有機物を含んでいることで高温度で熱処理でき
ないためにシリカゲル中には水酸基が多く存在し、その
ためにシリカゲル中の酸点はかなり多く、水溶液のPh
3〜4に相当する。そのために、ドープされたポリシラ
ン化合物は劣化を起こし易く、とくに光照射によって劣
化反応が促進され、酸化劣化および化学的な低耐久性が
顕著であった。
【0025】したがって、電子写真感光体に適用する場
合、従来のポリシラン化合物であるドープシリカゲルは
実用上、耐久性の面で十分ではなく、これらの課題の解
決が求められていた。
【0026】本発明は上記事情に鑑みて完成されたもの
であり、本発明のポリシラン化合物は上述したとおり化
1または化2のシリコンアルコキシドと、化3のポリシ
ランとを反応させてシリカゲルを合成し、ついでこのシ
リカゲルを化4のアルカリ金属化合物にて処理する。
【0027】このようにして得られたポリシラン化合物
はシリカゲル中にドープ(化学的結合によるドープ)し
た有機−無機ハイブリッド構造の複合体であって、3次
元の複雑な構造を成す。
【0028】化1はポリシラン化合物の強度を増大さ
せ、物理的機械的な耐久性を向上させるためのものであ
る。また、化2はポリシラン化合物の酸点を減少させ、
化学的な耐久性を向上させるためのものである。
【0029】つぎに本発明の製法を述べる。化2のポリ
シランは、アルニキシ基を有しているので加水分解によ
りシリコンアルコキシドと縮重合し、これにより、Si
−0−Si結合を生成し、シリカゲルと化学的に結合で
きる。そして、化4で表されるアルキル金属化合物の共
存下、化1または化2で表されるシリコンアルニキシド
と末端にアルコキシ基を有するポリシランとを共加水分
解、縮合する。このような方法であれば、公知のゾルー
ゲル法を採用すればよい。
【0030】化4は、たとえばリチウムメトキシド、リ
チウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシ
ド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド等が
ある。
【0031】たとえば、まず化1または化2で表される
シリニンアルコキシドと、末端にアルコキシ基を有する
ポリシランとを酸性アルコール水溶性(ph2〜3、1
0モル倍希釈)で加水分解をおこなう。この反応におい
て、一般に末端にアルニキシ基を有するポリシランはシ
リコンアルコキシドと混合して加水分解をおこない、続
いてシリコンアルコキシドと該化合物とを部分的に縮合
させ、オリゴマー状態にする。ついでこれにシリコンア
ルコキシドに対して1〜0.01モル量のアルカリ金属
化合物を含むアルコール溶液と混合し、薄膜形成する。
【0032】さらに具体的にはポリシラン化合物のオリ
ゴマー状態をバーコート法、浸積法、溶融押し出し法、
スプレー法などにより塗布し、ついで乾燥して膜形成す
ると、高いキャリア輸送特性を有したポリシラン特性を
有し、さらに機械的強度に優れたポリシラン化合物の膜
が得られる。
【0033】(感光体の構成)図1と図2は本発明感光
体の基本的な層構成であり、図1は導電性基板1の上に
積層型の感光層2を形成した例であり、この感光層は光
励起層3とポリシラン化合物から成るキャリア輸送層と
から成り、これらの層3、4はその積層順序を変えても
よい。また、図2はポリシラン化合物から成るキャリア
輸送体5に粒状の光励起体6を含有して成る感光層7を
導電性基板1の上に形成した例である。
【0034】上記導電性基板1には銅、黄銅、SUS、
Al、Niなどの金属導電体、あるいはガラス、セラミ
ックなどの絶縁層の表面に導電性薄膜を被覆したものが
あり、この基板1はシート状、ベルト状もしくはウエブ
状可とう性導電シートでもよく、このようなシート状に
はSUS、Al、Niなどの金属シート、あるいはポリ
エステル、ナイロンポリイミドなどの高分子樹脂フィル
ムの上にAl、Niなどの金属もしくは酸化スズ、イン
ジウム・スズ・オキサイド(ITO)などの透明導電性
材料や有機導電性材料を蒸着などにより被覆して導電処
理したものが用いられる。
【0035】また、光励起層3もしくは光励起体6の構
成材として、それ自体公知の有機もしくは無機の光導電
材を用いる。有機光導電材にはチタニルフタロシアニ
ン、金属フタロシアニン系顔料、無金属フタロシアニ
ン、ペリレン系顔料、多環キノリン系顔料、スクアリリ
ウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、ト
リスアゾ顔料などを用いた高いキャリア生成効率を有す
る有機半導体が選ばれる。
【0036】無機半導体にはアモルファスのSeやSe
As、SeTeまたはSi(a−Se、a−SeAs、
a−SeTe、a−Si)、CdS、ZnOなどがあ
る。そして、光励起層3を形成する場合であれば、真空
蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーティング法、R
Fスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFネグ
トロンスパッタリング法、DCネグトロンスパッタリン
グ法、熱CVD、プラズマCVD法などによりおこな
う。
【0037】このキャリア励起層3をa- Siにより形
成した場合には、それにカーボン、窒素、酸素、ゲルマ
ニウムを添加してアモルファス化したSiC、SiN、
SiO,SiGeの層にしてもよい。また、これらに伝
導型制御用不純物元素として、B、Pなどの元素を含有
させた層を形成すれば、キャリア注入阻止などの機能を
具備させることができる。
【0038】また、前記感光層7の粒状の光励起体6と
してa−Si系粉末を用いる場合、この粉末をa−Si
系光励起層2と同様に作製でき、このような粉末は粒
状、柱状、フレーク状を成す。その径は0.15〜5μ
m、好適には0.1〜3μmであればよく、そして、そ
の粉末を層中に1〜80重量%、好適には5〜60重量
%で含有させるとよく、その含有に当たっては、攪拌
法、超音波分散法などにより分散させる。
【0039】その他、チタニルフタロシアニン(TiO
Pcと略記する)をポリシラン化合物に分散させたもの
を感光層としてもよく、とくに長波長側の画像露光に対
して高感度化できる。このTiOPcは原料のTiOP
c顔料に昇華精製や、酸またはアルカリによる精製など
の精製処理をおこない、磨砕助材や溶媒などとともに各
種分散機を用いて混練したり、あるいは蒸着法により微
粒子状にして回収するなどをおこない、粒子状に調整
し、各種溶剤を用いてポリシラン中に分散させる。Ti
OPcの含有量は1〜80重量%、好適には層中10〜
60重量%で含有させるとよい。
【0040】本発明の感光体は上記のような基本構成に
基づいて所要の電子写真特性に応じてさらに改良や変更
などをおこなってもよい。たとえば基板1とその上の感
光層2、7との間に中間層を設けることにより帯電性を
高めたり、残留電位が低減できる。あるいは、これらの
感光層2、7上に表面層を設けて帯電性を高めたり、そ
の耐久性を向上させることができる。
【0041】(ポリシラン化合物層の形成方法)ポリシ
ラン化合物層であるキャリア輸送層4や感光層7は、す
でに公知となった種々の方法により形成することができ
るが、たとえば得られたポリシラン化合物を有機溶剤に
溶液化し、バーコート法、浸積法、溶融押し出し法、ス
プレー法などの塗布法により塗布し、そして乾燥をおこ
なって形成する。このような有機溶剤にはベンゼン、ト
ルエンなどの芳香族系炭化水素、メチルアルコール、エ
チルアルコール、IPAなどのアルコール類、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルエーテルなどのエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エステル
類、ハロゲン類、ハロゲン系炭化水素などが用いられ、
それらを1種もしくは2種以上混合して用いる。
【0042】(画像形成装置)本発明の感光体を搭載す
る画像形成装置には、帯電もしくは電圧印加と露光によ
り静電潜像を感光体の表面に形成しておこなう電子写真
プロセスを採用しておれば、種々の方式の装置があり、
たとえば光背面露光方式ならびに外部電荷潜像方式であ
るカールソン法や容量像法(NP法、KIP法)があ
る。これらの電子写真プロセスの画像形成装置において
は、それを搭載した本発明の感光体に高い移動度のキャ
リア輸送層を形成でき、これにより、感光層内部に発生
したキャリアが、その層内部を高い速度で移動するの
で、静電潜像が形成されるまでの時間が短くなり、その
結果、ドラム状感光体の回転速度を高めることができ、
画像形成を高速にできる。しかも、転写後の露光による
除電においても、その感光層内部に発生したキャリアが
除電に速やかに寄与するので、その除電に要する感光層
の領域が狭くなり、感光ドラムの高速化と相まってドラ
ム状感光体の径を小さくでき、画像形成装置の小型が達
成できる。
【0043】また、これらの各種方式の画像形成装置
は、いずれも複写機もしくはプリンタの構成にできる。
ここで、複写機については、原稿からの反射光をレンズ
やミラーなどの光学系を用いて、感光体の表面に露光す
る構造を有する構成であり、他方のプリンタは電気信号
により制御された発光光源(レーザー、LED、液晶シ
ャッター、ELなど)を用いて、感光体の表面を露光す
る構造を有する。
【0044】光背面露光方式 つぎに光背面露光方式の画像形成装置( プリンタ) につ
いて具体的に詳述する。図3はこの方式の画像形成装置
8を表す模式図であり、コロナ帯電を不要として露光と
現像とがほぼ同時に行えるように組み合わせた電子写真
方式の画像形成装置である。図中、9は透過性支持体1
0上に透光性導電層11、光励起層12および10-5
2 /V・秒以上の移動度を有するキャリア輸送層13
とが積層された感光体、14は露光手段としてのLED
ヘッド、15は現像手段としての現像機、16は転写手
段としての転写ローラである。LEDヘッド14と現像
機15は、感光体の一部を介して、ほぼ対称的に配置さ
れる。このようなLEDヘッド14としては、小型で低
消費電力のダイナミックドライブ方式のLEDヘッドが
好適に用いられる。17は除電手段であるイレース用光
源としてのLEDアレイであり、感光体9の外部に配置
してもよい。また、17は必ずしも必要とするものでは
ない。
【0045】現像機15においてはたとえば8極の円柱
状の磁極ローラ18と、その外周に亘って配置された円
筒状のスリーブからなり、さらにトナー受20に貯蔵さ
れた現像剤として1成分磁性導電性トナーは導電性磁性
キャリアと絶縁性トナーから成る2成分現像剤はスリー
ブ19の外周へ配送され、磁気ブラシ21を形成する。
【0046】また、スリーブ19と透光性導電層11と
の間にバイアス電源22が設けられ、その両者11、2
2の間に感光体9の電位特性に応じて+或い−の電圧
(500V以下)を印加する。
【0047】23は感光体の表面に形成されたトナー
像、24は被転写材である記録紙、25は転写後の残電
トナーである。これ以外に現像機の回転駆動手段と感光
体9の回転手段とを設ける。
【0048】なお、露光手段14にはここではLEDヘ
ッドを用いたが、レーザや液晶シャッタ、ELヘッドな
どでもよい。イレース用電源17にも、LEDアレイの
他に、ハロゲンランプや蛍光灯、ELアレイなどの光源
が使用できる。
【0049】かくして上記構成の画像形成装置8によれ
ば、回転する感光体9の透光性支持体10からLEDヘ
ッド14より画像露光の光を照射し、光励起層12の内
部に正孔と電子を発生させると、現像機側に−のバイア
スを電圧印加してあれば、そのバイアス電圧によって正
孔はキャリア輸送層13の表面側へ移動し、磁気ブラシ
21の末端の負電荷と打ち消し合い、感光体9の表面に
トナーが付着される。そして、そのトナーは転写ローラ
16により記録紙24上に転写され、ついで定着され
る。
【0050】本発明において、光励起層12とポリシラ
ン化合物から成るキャリア輸送層13とを組み合わせる
とともに、そのキャリア輸送層13の移動度を10-5
2/V・秒以上に設定して、高いキャリア輸送特性を
具備させ、これにより、光励起層12に発生したキャリ
アが効率的にキャリア輸送層13の表面へ移送されるの
で、高い画像形成装置が得られる。
【0051】つぎに上記画像形成装置の具体的な構成を
図4によりさらに詳述する。図4は上記感光体の一部と
現像機により形成される現像溜り26を表す説明図であ
る。現像剤を支持させる現像装置15は導電性のスリー
ブ19と、その内部に配置された磁気ローラ18とから
成り、そして、現像剤の搬送は磁気ローラ18を固定し
てスリーブ19を回転してもよく、またスリーブ19を
固定して内部磁気ローラ18を回転してもよい。ここで
現像剤を感光体9と逆方向に搬送すると、両者の摩擦で
現像機15と感光体9の最近接部よりも下流側(感光体
が現像剤から離れる側)に現像溜り26が生じる。すな
わち、現像剤の本来の高さよりもはみ出した部分が現像
剤溜り26であり、現像剤の搬送速度や現像剤の高さ、
スリーブ19と感光体9の表面とのギャップなどは感光
体9の回転速度や必要とする現像剤溜り理26の大きさ
に応じて適宜設定する。
【0052】27は制御電極であり、この制御電極27
はスリーブ19上で感光体9との最近接部位に設け、絶
縁体28でスリーブ19と絶縁する。制御電極27は感
光体9や現像剤に均一な電界が加わるように、スリーブ
19の長さ方向にそった帯状とする。この制御電極27
は必要不可欠のものではなく、適宜採用される。
【0053】現像剤にはたとえば導電性磁性トナーを用
いるが、これは磁気ブラシ21および現像溜り26を形
成し、必要な導電性を有すれば、1成分の現像剤でもよ
いが、他に導電性のキャリアと絶縁性トナーと所定の混
合比で混合して必要な導電率にした2成分の現像剤を用
いてもよい。
【0054】画像露光をおこなう位置は、感光体9の表
面と現像スリー部19との最近接位置Aではなく、感光
体9の逆方向回転側で下流側に形成した現像剤溜り26
の位置Bとし、好ましくは現像剤溜り26の中でも下流
側の後半部とする。現像剤溜り26の位置で露光をおこ
なうことにより、露光までの間に感光体9の帯電が十分
におこなわれ、帯電前の感光体9の電位の履歴の影響が
抑えられるとともに、感光体9の表面の残留トナーや画
像背景部のトナーの回収が十分におこなわれる。さらに
感光体9が十分に帯電されてから露光をおこなって電荷
を消失させるために、現像剤と感光体9の電気的引力が
強く、良好なトナー像23が形成される。そして、トナ
ー像23の形成後は感光体9が現像剤溜まり26から速
やかに離れるため、感光体9の表面のトナー23が現像
剤の衝突や摩擦などの機械的な力により乱されることな
く、良好な解像度のトナー23が得られる。
【0055】現像剤溜まり26の位置では、感光体9の
表面と現像スリーブ19とが最も近接する位置Aよりも
感光体9の表面と磁気ローラ18の距離が大きくなる。
このため、現像剤を磁極ローラ18の側に吸引する磁力
は弱く、感光体9の表面に形成されたトナー像の一部が
磁力によって現像手段の側に回収されて画像濃度が低下
したり、磁力によりみだされて解像度が低下したりする
ことを防止することができる。
【0056】さらに帯状の制御電極27を接地し、透光
性導電層11と共通電位にする。あるいはスリーブ19
の電位に対してその電位を低くもしくは高く設定する。
このようにスリーブ19とは独立に電位を印加できる制
御電極27を設けると、感光体9の表面電位を現像剤を
介して中和し、あるいは感光体9の表面の電位を揃え、
以前のプロセスでの帯電や露光の有無などによる感光体
9の履歴の影響を打ち消すことができる。その結果、繰
り返し使用時、たとえば1枚の画像を得るために感光体
9を数回転させる場合などに、安定した現像状態と記録
画像とが得られる。ここで制御電極27の電位を調整す
ると、画像濃度や地かぶりなどに対する最適画像形成条
件を調整して得ることができる。また、制御電極27の
電位を高くし、スリーブ19の電位を低くすることによ
り、非露光部にトナーが付着し、露光部にはトナーが付
着しない、いわゆる反転現像も可能になった。
【0057】感光体9の表面に形成されたトナー像23
に対応して、記録紙24に転写され、定着されて記録画
像となり、転写されずに感光体9の表面に残った残留ト
ナー25は、つぎの画像形成ブロセスにおいて現像機1
5に回収されて再利用される。
【0058】さらに、転写後の感光体9にイレース用光
源17により除電光を照射することにより、以前のブロ
セスでの帯電や露光の有無などによる感光体9の履歴の
影響をより効果的に打ち消すことができ、繰り返し使用
時における残像現象などの画像上の問題を制御すること
ができる。また、感光体9のキャリア輸送層13の表面
にトラップされた電荷消去し、感光体9とその残像トナ
ーとの電気的な引力をなくして、残像トナーを現像機1
5に回収されやすくなる。
【0059】また、このキャリア輸送層13は感光体9
の表面層を兼ねても良好な表面特性を具備させることが
できる。
【0060】外部電荷溶像方式 この外部電荷潜像方式には、カールソン法や容量像法(
NP法、KIP法) が代表例として挙げられるが、この
カールソン法を図5により説明する。
【0061】同図はプリンター構成の画像形成装置30
であり、31は本発明に係るドラム状の感光体であり、
その感光体31の周面に帯電手段であるコロナ帯電器3
2と、その帯電後に光照射する露光手段である露光器3
3と、トナー像を感光体31の表面に形成するためのト
ナー34を備えた現像手段である現像機35と、そのト
ナー像を被転写材36に転写する転写手段である転写器
37と、その転写後に感光体表面の残電トナーを除去す
る除電手段39とを配置した構成である。また、40は
被転写材36に転写されたトナー像を熱もしくは圧力に
より固着するための定着器である。
【0062】このカールソン法はつぎの〜のブロセ
スを繰り返し経る。 感光体31の周面をコロナ帯電器32により帯電す
る。 露光器33により画像を露光することにより、感光体
31の表面上に電位コンラストとしての静電潜像を形成
する。 この静電潜像を現像機35により現像する。この現像
により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感光
体表面に付着し、可視化する。 感光体表面のトナー像を紙などの被転写材36の裏面
よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、これ
により、画像を被転写材36の上に得る。 感光体表面の残留トナーをクリーニング手段38によ
り機械的に除去する。 感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段39によ
り残余の静電潜像を除去する。
【0063】かくして上記構成の画像形成装置30によ
れば、露光器33の光照射によって感光層内部に発生し
たキャリアが、その層内部を高い速度で移動するので、
静電潜像が形成される時間が短くなり、ドラム状の感光
体31の回転速度を高めることができ、画像形成を高速
度にできる。しかも、転写後の露光による除電において
も、その感光層内部に発生したキャリアが除電に速やか
に寄与するので、その除電に要する感光層の領域が狭く
なり、感光ドラムの高速度化と相まってドラム状感光体
の径を小さくでき、画像形成装置小型化が達成できる。
【0064】なお、上記画像形成装置30はプリンター
の構成であるが、露光器33に代えて原稿からの反射光
を通すレンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機
としての画像形成装置となる。
【0065】
【実施例】(例1)本例においては、化3で表すジクロ
ロシランに対して、溶媒であるトルエンを加え、65〜
110℃の反応温度でもってナトリウムによる脱塩素化
縮合反応をおこない、化6〜9に示すポリシランを合成
した。
【0066】
【化6】
【0067】
【化7】
【0068】
【化8】
【0069】
【化9】
【0070】そして、これらのポリシランの重量平均分
子量Mwと数平均分子量Mnとをゲル浸透クロマトグラ
フィーを用いて測定し、MwならびにMw/Mnを求め
たところ、表1に示すような結果が得られた。また、同
表にはTOF法により求めた各ポリシランのホールドリ
フト移動度を示す。
【0071】
【表1】
【0072】化6においては、X=1、Y=Z=0であ
り、R5 がメチル基、R6 がフェニル基であるポリシラ
ン化合物(a)を合成した。化7においては、X=1、
Y=Z=0であり、R5 がメチル基、R6 がイソプロピ
ル基であるポリシラン化合物(b)を合成した。化8に
おいては、X=Y=1、Z=0であり、R5 、R6 、R
7 がメチル基、R8 がフェニル基であるポリシラン化合
物(c)を合成した。また、化9においては、X=1、
Y=Z=0、X’=1、Y’=Z’=0であり、R5
6 、R'5がメチル基、R'6がフェニル基であるポリシ
ラン化合物(d)を合成した。
【0073】(例2)THF中において(例1)で合成
した4種類のポリシラン(a)〜(d)に対し、それぞ
れの末端を選択的にアルコキシ化させ、アルコキシ基を
有するポリシラン化合物(a−1)〜(d−1)を合成
した。このようなアルコキシ化は化5に示すように末端
クロル基をアルコキシ基に変換させることで簡単におこ
なうことができる。なお、末端アルコキシ化は 1H−N
MR、13C−NMR、28Si−NMR、紫外可視分光光
度計、赤外分光光度計を用いて同定した。
【0074】
【化5】
【0075】つぎに上記ポリシラン(a−1)とテトラ
メトキシシランをエタノールに溶解させた溶液に、PH
3の塩酸−エタノール水溶液を添加し、25℃の温度で
5時間攪拌した。この反応溶液を清浄なガラス基板上に
ディップコーティングした。溶媒が揮発した後に、12
0℃で10分間熱処理し、冷却後、ふたたびディップコ
ーティングをおこない、この操作を10回繰り返し、そ
して、最後に120℃で4時間熱処理し、本発明のポリ
シラン化合物をフィルム状で得た。
【0076】このフィルム状ポリシラン化合物のホール
ドリフト移動度をTOF法により測定したところ、1.
3×10−4cm2 /V・秒になり、本発明者は分子鎖
の切断がなく、シリカゲル内にドーピングされていると
考える。また、ポリシラン(b−1)、(c−1)、
(d−1)についても、ホール移動度は架橋前ポリシラ
ンと比較してほとんど変化していなかった。かくして本
発明のポリシラン化合物によれば、分解されないで、さ
らにホール移動できる状態でシリカゲル内にドーピング
されていたことがわかる。
【0077】しかしながら、上記4種類のポリシラン化
合物は、初期では十分な特性を示すが、表2に示すよう
に時間の経過とともに特性が低下することがわかった。
【0078】
【表2】
【0079】この表から明らかなとおり、2000時間
後であれば、いずれもホールドリフト移動度は初期に比
べ1桁以上低い値になった。本発明者は時間経過ととも
にドープされたポリシラン化合物が分解し、重合度が低
下し、これによってホール移動度が低下したと考える。
(例3) つぎにアルカリ金属化合物を共存させて(例2)と同様
の反応を行い、ポリシラン化合物を作製した。
【0080】すなわち、ポリシラン(a−1)とテトラ
メトキシシランをエタノールに溶解させた溶液に、Ph
3の塩酸−エタノール水溶液を添加し、25℃で5時間
攪拌し、続いてナトリウムメトキシドをポリシラン(a
−1)に対して、0.1モル量加え、ポリシラン化合物
含有されたシリカゲルを作製した。
【0081】その後、この反応溶液を清浄なガラス基板
上にディップコーティングした。溶媒が揮発した後、1
20℃で10分間熱処理し、冷却後、再びディップコー
ティングをおこない、この工程を10回繰り返した。最
後に120℃で4時間熱処理し、目的とするポリシラン
化合物のフィルムを得た。
【0082】このフィルムのホールドリフト移動度をT
OF法により測定したところ、1.4×10-4cm2
V・秒という値が得られた。用いたポリシラン化合物フ
ィルムのホールドリフト移動度が、1.6×10-4cm
2 /V・秒であることから、本発明のポリシラン化合物
であれば、分子鎖の切断なくシリカゲル内にドーピング
されていると考える。
【0083】また、(b−1)、(c−1)、(d−
1)に関しても、同様に用いたポリシラン化合物のホー
ルドリフト移動度とほとんど変わらない値が得れれた。
【0084】そして、(例2)と同様に、2000時間
後のポリシラン化合物の膜のホールドリフト移動度を測
定したところ、表3に示すような結果が得られた。
【0085】
【表3】
【0086】この表から明らかなとおり、いずれのポリ
シラン化合物の膜においても、移動度の低下は見られ
ず、高い正孔輸送特性を有していることがわかった。本
発明者はシリカゲル中の酸点を減少させたことで、膜中
のポリシラン化合物の分解を抑制できたためであると考
える。
【0087】(例4)透明な円筒ガラス基板またはプラ
スティック基板の周面に、透明導電性層11としてIT
Oを活性反応蒸着により1000Åの厚みで形成し、つ
いでその上にチタニルフタロシアニンとポリエステル樹
脂をクロロホルム中に分散混合した液中に浸積し、その
後に乾燥して、チタニルフタロシアニンから成る1μm
厚の光励起層12を形成した。つぎにこの成膜円筒上基
板上に、(例1)の4種類のポリシラン化合物(a)〜
(d)を用いて、そのポリシラン化合物から成る20μ
m 厚のキャリア輸送層13を形成し、感光体を作製し
た。その結果、ポリシラン化合物(a)および(b)に
ついては、乾燥後膜剥がれが発生し、感光体特性評価を
おこなうことができなかった。その他のポリシラン化合
物(c)(d)含有感光体に関しては、感光体特性を評
価することができた。
【0088】上記の評価は、本発明の感光体を図3に示
すような画像形成装置を用いておこなった。すなわち、
感光体をこの画像形成装置に装着し現像剤に導電性磁性
キャリアと絶縁性トナーとからなる2成分現像剤を用
い、また、ダイナミックドライブ方式の、解像度300
dpiのLEDヘッドを配し、スリーブ19と透明性導
電層11との間にVs=−400Vの電圧印加し、波長
660nmで画像露光をおこない、感光体上にトナー像
を形成し、そのトナー像を400Vの転写バイアス電圧
を印加した転写ローラにより普通紙に転写し、熱定着を
おこなって画像を得た。なお、現像剤を感光体9と逆方
向に回転させて現像溜り26を形成し、その部位に露光
をおこなった。
【0089】かくして、各感光体の画像評価をおこなっ
たところ、いずれも光学濃度が1.4以上の画像濃度を
有し、バックのかぶりもなく、解像度も300dpiの
良好な画像が得られた。しかし、感光体の耐久テストを
行ったところ、いずれも連続2000枚程度までは初期
画像と変わらない程度の画像が得られたが、5000枚
を超えると画像濃度も光学濃度1.0以下になり、かぶ
りも発して、これらのポリシランは、耐久性が低いこと
が分かった。
【0090】(例5)つぎに(例3)で得られたポリシ
ラン化合物(a−1)〜(d−1)をもちいて感光体の
作製をおこなった。
【0091】すなわち、透明な円筒ガラス基板またはプ
ラスティック基板の周面に、透明導電性層11としてI
TOを活性反応蒸着により1000Åの厚みで形成し、
ついでその上にチタニルフタロシアニンとポリエステル
樹脂をクロロホルム中に分散混合した液中に浸積し、そ
の後乾燥して、チタニルフタロシアニンから成る1μm
厚の光励起層12を形成した。つぎにこの成膜円筒上基
板上に、(例3)のポリシラン化合物(a−1)〜(d
−1)から成る20μm厚のポリシラン含有キャリア輸
送層13を形成し、感光体を作製した。
【0092】この感光体を図3に示すような画像形成装
置に装着し、現像剤に導電性磁性キャリアと絶縁性トナ
ーとからなる2成分現像剤を用い、また、ダイナミック
ドライブ方式の、解像度300 dpiのLEDヘッドを配
し、スリーブ19と透明性導電層11との間にVs=−
400Vの電圧印加し、波長660nmで画像露光をお
こない、感光体上にトナー像を形成し、そのトナー像を
400Vの転写バイアス電圧を印加した転写ローラによ
り普通紙に転写し、熱定着を行って画像を得た。なお、
現像剤を感光体9と逆方向に回転させて現像溜り26を
形成し、その部位に露光をおこなった。
【0093】そして、双方の感光体により得られた画像
を評価したところ、いずれも光学濃度が1.4以上の画
像濃度を有し、バックのかぶりもなく、解像度も300
dpiの良好な画像が得られた。また、感光体としての
耐久テストに関しても、連続して10万枚以上の画像形
成をおこなっても、画像濃度の低下、バックのかぶりの
増加などの画像品質の変動は認められず、優れた耐久性
を有していた。
【0094】
【発明の効果】以上のとおり、シリカゲル中の酸点を減
少させることにより作製した本発明のポリシラン化合物
によれば、ホール輸送特性に優れ、さらに有機溶剤に対
する溶解性、機械的強度にも優れ、そして、これを用い
た感光体においては、感光体特性ならびに耐久性に優
れ、従来のポリシラン含有感光体と比べ、約10倍程度
耐久性を向上させ、その結果、本発明の感光体は高いキ
ャリア移動度が要求される画像形成装置、たとえば光背
面露光方式の画像形成装置などに好適に搭載することが
できた。
【0095】また、本発明の画像形成装置によれば、露
光手段の光照射によって感光層内部に発生したキャリア
が、その層内部を高い速度で移動するので、静電潜像が
形成される時間が短くなり、これにより、ドラム状の感
光体であれば、そのドラムの回転速度を高めることがで
き、画像形成を高速にできた。しかも、転写後の露光に
よる除電においても、その感光層内部に発生したキャリ
アが除電に速やかに寄与するので、その除電に要する感
光層の領域が狭くなり、感光ドラムの高速化と相まって
ドラム状の感光体の径を小さくでき、画像形成装置の小
型化が達成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の断面図である。
【図2】本発明の感光体の断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置に用いられる電子写真方
法を示す模式図である。
【図4】本発明の画像形成装置の要部構成図である。
【図5】本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 導電性基板 2 積層型感光層 3 光励起層 4 キャリア輸送層 5 キャリア輸送体 6 光励起体 7 感光層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化1または化2のシリコンアルコキシ
    ドと、化3のポリシランとを反応させてシリカゲルを合
    成し、ついで該シリカゲルを化4のアルカリ金属化合物
    にて処理することを特徴とするポリシラン化合物の製
    法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】
  2. 【請求項2】導電性基体の上に光キャリア励起層と請求
    項1のポリシラン化合物から成るキャリア輸送層との積
    層の感光層を形成したことを特徴とする感光体。
  3. 【請求項3】請求項2の感光体と、該感光体の感光層側
    に配設した現像手段と、透光性を有する導電性基体側か
    ら画像露光光を照射する手段とから成るとともに、上記
    感光体の表面にトナー像を形成させるべく上記現像手段
    と導電性基体との間に電圧を印加しながら露光手段より
    画像露光光を照射するようにしたことを特徴とする画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】請求項2の感光体と、感光体の表面に電荷
    を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して光照
    射する露光手段とから成り、これら帯電手段と露光手段
    により感光体表面に静電潜像を形成するとともに、静電
    潜像に対応するトナー像を感光体に形成する現像手段
    と、該トナー像を被転写材に転写する転写手段と、該転
    写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング
    手段と、該転写後に残余静電潜像を除去する除電手段と
    を配設したことを特徴とする形成画像形成装置。
JP4398498A 1998-02-25 1998-02-25 ポリシラン化合物の製法およびこのポリシラン化合物を用いた感光体ならびに画像形成装置 Pending JPH11236210A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005170708A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> ゾルゲル導電性ガラス、及びそれを用いた光機能素子

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JP2005170708A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> ゾルゲル導電性ガラス、及びそれを用いた光機能素子

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