JPH10133404A - 感光体および画像形成装置 - Google Patents

感光体および画像形成装置

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JPH10133404A
JPH10133404A JP28798996A JP28798996A JPH10133404A JP H10133404 A JPH10133404 A JP H10133404A JP 28798996 A JP28798996 A JP 28798996A JP 28798996 A JP28798996 A JP 28798996A JP H10133404 A JPH10133404 A JP H10133404A
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image
photoreceptor
layer
photoconductor
polysilane
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JP28798996A
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English (en)
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Masato Fukutome
正人 福留
Takayoshi Doumaru
隆祥 堂丸
Kunio Oka
邦雄 岡
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高いホール移動度を有する高性能かつ低コスト
な感光体を提供する。 【解決手段】光キャリア励起層3と磁場配向を施したポ
リシラン系キャリア輸送層4とを積層して成る感光層2
を導電性基体1上に形成た感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する従来技術】本発明は磁場配向を施して成
るポリシラン系キャリア輸送層を有する感光体並びにこ
の感光体を搭載した画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体のキャリア輸送層材料
としては、ポリ-N- ビニルカルバゾール(PVK )のよう
な高分子材料が用いられているが、近時、高移動度キャ
リアの要求に応じるためにアニールアミン誘導体やヒド
ラゾン誘導体などの低分子化合物をポリカーボネート樹
脂などの不活性ポリマーバインダーに分散して成る低分
子樹脂分散複合材料が提案されている。
【0003】しかしながら、最近のキャリア輸送材料に
おける高キャリア移動度の要望に対しては、未だ満足で
きる状況ではなく、更に高いキャリア移動度、特に高い
ホール移動度が求められている。たとえば高いキャリア
移動度が要求される画像形成装置について、ポリシラン
化合物を感光体のキャリア輸送層用材料に採用すること
が提案されているが、ポリシランを単独で用いる場合に
は、ポリシラン化合物の重量平均分子量が50,000〜2,50
0,000 であり且つ数平均分子量に比べて10以下の比率で
あって、しかも、ホール移動度を10-5cm2 /V ・秒以上
にしたポリシラン化合物も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より高
速化した画像形成装置に対応するためには、更に高いホ
ール移動が要求されるにもかかわらず、いまだ高移動度
ポリシラン合成に関する分子設計が確立されていない。
【0005】ただし、一般にポリシラン化合物は、分子
を一定の方向に配向させることが出来れば、より高いホ
ール移動度が発現されると言われており、この分子配向
の手法には下記が報告されている。
【0006】(1)ラビング(参考文献:Macromolecul
es,26,2520(1993))。
【0007】(2)延伸配向(参考文献:第74回電子写
真学会予稿集,B19,p191(1995) )。これは、ポリシラン
に可塑剤を添加して、トルエン溶液からバーコート法に
より基板上に成膜し、その後に剥離し、一軸方向に延伸
して配向させる技術である。
【0008】(3)ラングミュアブロジェット(参考文
献:Macromolecules,24,5068(1991)、Macromolecules,2
5,3825(1992)、 Macromolecules,28,1773(1995) )。
【0009】(4)電界印加(参考文献:Jpn.Appl.Phy
s.,34,L57(1995) )。これは、ポリシランを溶かしたト
ルエン溶液を直流電圧を印加したアルミ櫛形電極上に1
0μl滴下し、トルエン溶液を蒸発させて膜形成し、こ
れに電界を印加して配向させるという技術である。
【0010】しかしながら、(1)のラビングや(3)
のラングミュアブロジェットについては、電気的特性が
いまだ測定して確かめられていない。
【0011】また、(2)の延伸配向や(4)の電界印
加については、ドラム形状の感光体に対して、その形状
に起因して分子配向させることが難しく、実用的ではな
いという問題点がある。
【0012】したがって本発明の目的は叙上の問題点を
すべて解決し、これによって高いホール移動度を有する
高性能かつ低コストな感光体を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、かかる本発明の感光体を搭載
した画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の感光体は、光キ
ャリア励起層と磁場配向を施した下記化学式のポリシラ
ン系キャリア輸送層とを積層して成る感光層を導電性基
体上に形成したことを特徴とする。
【0014】
【化1】
【0015】本発明の画像形成装置、本発明の感光体
と、この感光体の感光層側に配設した現像手段と、透光
性を有する導電性基体側から画像露光光を照射する露光
手段とから成るとともに、上記感光体の表面にトナー像
を形成させるべく上記現像手段と導電性基体との間に電
圧を印加しながら露光手段より画像露光光を照射するよ
うにしたことを特徴とする。
【0016】本発明の他の画像形成装置は、本発明の感
光体と、この感光体の表面に電荷を付与する帯電手段
と、感光体の帯電領域に対して光照射する露光手段とか
ら成り、これら帯電手段と露光手段により感光体表面に
静電潜像を形成するとともに、静電潜像に対応するトナ
ー像を感光体に形成する現像手段と、トナー像を被転写
材に転写する転写手段と、転写後に感光体表面の残留ト
ナーを除去するクリーニング手段と、転写後に残余の静
電潜像を除去する除電手段とを配設したことを特徴とす
る。
【0017】
【発明の実施の形態】ポリシラン化合物の構造 化1に示すポリシラン化合物のR1〜R6は、水素の他に、
アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリー
ル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基がある。上記ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基としては、たとえ
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ペンタデシル、ステア
リル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、キシリル、
ナフチル、メトキシ、エトキシ等が挙げられる。また、
これら置換基としてはアルキル、アリール、ハロゲン、
ニトロ、アミノ、アルコキシ、シアノ等がある。
【0018】そして、このポリシラン化合物は化1に示
す通り、x 、y 、z がそれぞれのユニットの有無を表わ
すことから、0もしくは1により表示される。たとえ
ば、x=y =1 、z =0 であれば、2種類のユニットを
交互に連続して配列された組成となる。また、化2に示
すように化1のポリシラン化合物のコポリマー(共重合
体)にしてもよい。
【0019】
【化2】
【0020】すなわち、x 、y 、z 、x ′、y ′、z ′
を選択的に0もしくは1にして、それぞれのユニットの
有無により幾通りもの組み合わせができる。たとえば、
3種類のユニットのモノマーから成るポリマーと3種類
のユニットのモノマーから成るポリマーとの化合物、3
種類のユニットのモノマーから成るポリマーと2種類の
ユニットのモノマーから成るポリマーとの化合物、3種
類のユニットのモノマーから成るポリマーと1種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーとの化合物、2種類
のユニットのモノマーから成るポリマーと2種類のユニ
ットのモノマーから成るポリマーとの化合物、2種類の
ユニットのモノマーから成るポリマーと1種類のユニッ
トのモノマーから成るポリマーとの化合物、1種類のユ
ニットのモノマーから成るポリマーと1種類のユニット
のモノマーから成るポリマーとの化合物がある。更にこ
れらの化合物の組み合わせによる化合物でもよい。
【0021】磁場配向ポリシラン化合物の感光体の構成 図1と図2は本発明感光体の基本的な層構成であり、図
1は導電性基板1の上に積層型の感光層2を形成したも
のであって、この感光層2は光キャリア励起層3とポリ
シラン化合物から成るキャリア輸送層4とから成り、こ
れらの層3、4はその積層順序をを変えてもよい。ま
た、図2はポリシラン化合物から成るキャリア輸送体5
に粒状の光キャリア励起体6を含有して成る単一の感光
層7である。
【0022】そして、これら各感光体については、後述
の磁場配向装置を用いて、キャリア輸送層(キャリア輸
送体)のポリシラン化合物に対して分子配向が施されて
いる。
【0023】上記導電性基板1には銅、黄銅、SUS 、A
l、Niなどの金属導電体、あるいはガラス、セラミック
などの絶縁体の表面に導電性薄膜を被覆したものなどが
あり、また、透明の絶縁基板の上に透明導電層を形成し
た構成でもよい。
【0024】この導電性基板1はシート状、ベルト状も
しくはウエブ状可とう性導電シートでもよく、このよう
なシートにはSUS 、Al、Niなどの金属シート、あるいは
ポリエステル、ナイロンポリイミドなどの高分子樹脂フ
ィルムの上にAl、Niなどの金属もしくは酸化スズ、イン
ジウム・スズ・オキサイド(ITO)などの透明導電性材料
や有機導電性材料を蒸着などにより被覆して導電処理し
たものが用いられる。
【0025】また、光キャリア励起層3や光キャリア励
起体6の構成材としては、それ自体公知の有機もしくは
無機の光導電材を用いることができる。有機光導電材と
してたとえばチタニルフタロシアニン、金属フタロシア
ニン系顔料、無金属型フタロシアニン、ペリレン系顔
料、多環キノリン系顔料、スクアリリウム色素、アズレ
ニウム色素、チアピリリウム色素、トリスアゾ顔料等を
用いた高いキャリア生成効率を有する有機光半導体が選
ばれる。無機光導電材であれば、たとえばアモルファス
のSeやSeAs、SeTeまたはSi(a-Se、a-SeAs、a-SeTe、a-
Si)、CdS 、ZnO等がある。そして、光キャリア励起層
3を形成する場合であれば、真空蒸着法、活性反応蒸着
法、イオンプレーティング法、RFスパッタリング法、DC
スパッタリング法、RFグネトロンスパッタリング法、DC
マグネトロンスパッタリング法、熱CVD 法、プラズマCV
D 法などを用いる。
【0026】このキャリア励起層3をa-Siにより形成し
た場合には、それにカーボン、窒素、酸素、ゲルマニウ
ムを添加してアモルファス化したSiC 、SiN 、SiO 、Si
Geの層にしてもよい。また、これらに伝導型制御用不純
物元素である、B 、P などの元素を含有させた層を形成
すれば、キャリア注入阻止層等の機能を具備させること
ができる。
【0027】また、前記感光層7の粒状光キャリア励起
体6としてa-Si系の粉末を用いる場合、この粉末は、a-
Si系光キャリア励起層2と同様に作製でき、粒状、柱
状、フレーク状を成す。その径は0.15〜5 μm 、好適に
は0.1 〜3 μm であればよく、そして、その粉末を層中
に1 〜80量%、好適には5 〜60重量%で含有させるとよ
く、その含有に当たっては、撹拌法、超音波分散法等に
より分散させる。
【0028】その他、チタニルフタロシアニン(TiOPc
と略記する)をポリシラン中に分散させたものを感光層
7としてもよく、特に長波長側の画像露光に対して高感
度とすることができる。このTiOPc は原料のTiOPc 顔料
に昇華精製や、酸またはアリカリによる精製等の精製処
理をおこなって、摩砕助剤や溶媒等とともに各種分散機
を用いて混練したり、あるいは蒸着法により微粒子状に
して回収する等をおこない、粒子状に調整し、各種溶剤
を用いてポリシラン中に分散させる。TiOPc の含有量は
1 〜80重量%、好適には層中10〜60重量%で含有させる
とよい。この含有量が1 重量%未満の場合には、発生す
るキャリアが少なくなり、それが80重量%を越えると均
一且つ高強度な膜で作製できない。
【0029】本発明の感光体は上記のような基本的構成
に基づいて所要の電子写真特性に応じて更に改良や変更
等をおこなってもよい。たとえば、基板1とその上の感
光層2、7との間に中間層を設けることにより帯電性を
高めたり、残留電位が低減できる。あるいはこれらの感
光層2、7の上に表面層を設けて帯電性を高めたり、そ
の耐久性を向上させることができる。
【0030】ポリシラン層の形成方法 ポリシラン層であるキャリア輸送層4や感光層7は、す
でに公知となった種々の方法により形成することができ
るが、たとえばポリシランを有機溶剤により溶液化し、
それをバーコード法、浸積法、溶融押出法、スプレー法
等の塗布法により塗布乾燥法を行って形成する。この有
機溶剤には、ベンゼン、トルエン等の芳香族系炭化水
素、メチルアルコール、エチルアルコール、IPA 等のア
ルコール類、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル等
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、等のケ
トン類、エステル類、ハロゲン類、ハロゲン系炭化水素
等が用いられ、それらを1種もしくは2種以上混合して
用いる。
【0031】また、キャリア輸送層はポリシラン化合物
のみでもよいが、有機低分子キャリア輸送物質や高分子
樹脂を混合してもよい。
【0032】有機低分子キャリア輸送物質としては、た
とえばフェニレンジアミン系化合物、オキサジアゾール
系化合物、スチリル系化合物、ヒドラゾン系化合物、ヒ
ドラゾリン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、イ
ンドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサ
ゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジゾール系
化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、
トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環
式化合物がある。有機低分子キャリア輸送物質の含有量
は、ポリシランの含有量に対して0.1 〜100 %の範囲で
よい。
【0033】高分子樹脂としては、たとえばポリカーボ
ネート、ポリスチレン、PMMA、バインダー樹脂、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピ
レン、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ
エステル、ポリエーテル、ポリウレタン、エポキシ樹
脂、ポリカーボネート、ポリアクリレート、シリコーン
樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルブチラールなどがあ
る。高分子樹脂の含有量は、ポリシランと低分子キャリ
ア輸送材料との含有量の和に対して、50〜150 %の範囲
でよい。この含有比率が50%未満の場合には高強度な膜
が得られず、それが150 %を越える場合にはキャリアの
輸送能が低下する。
【0034】磁場配向装置の構成 各感光体については、図6および図7に示す磁場配向装
置41もしくは図8および図9に示す磁場配向装置42
でもってキャリア輸送層(キャリア輸送体)のポリシラ
ン化合物に対して分子配向を施す。
【0035】前者の磁場配向装置41については、図6
はその断面概略図、図7は上面概略図である。43、4
4は液体窒素45が含有された半円筒形状の磁石から成
る筺体であり、筺体43はN極、筺体44はS極であ
る。筺体43、44の内部には、双方間の磁場が生じて
おり、その磁場内に感光体46が配置されている。
【0036】また、後者の磁場配向装置42について
は、図8はその断面概略図、図9は上面概略図である。
47は液体窒素45が含有された円筒形状のS極磁石か
ら成る筺体であり、48は液体窒素45が含有された円
筒形状のN極磁石から成る小さな円筒体であり、筺体4
7と円筒体48の間に磁場が生じており、その磁場内に
感光体46が配置されている。
【0037】かかる磁場配向装置41、42を用いるこ
とで、キャリア輸送層(キャリア輸送体)のポリシラン
化合物に対して分子配向を施し、これによってポリシラ
ン化合物は膜厚方向に一定に配向し、従来よりも高いホ
ール移動度を達成する。
【0038】そして、これら磁場配向装置41、42
は、従来のOPC 塗布装置の一部に組み込むことができ、
これによって低価格な磁場配向ポリシラン含有感光体を
作製することができる。
【0039】画像形成装置の構成 本発明の感光体を搭載する画像形成装置には、帯電もし
くは電圧印加と露光により静電潜像を感光体の表面に形
成して画像形成を行う電子写真プロセスを採用しておれ
ば、種々の方式の装置があり、たとえば光背面露光方
式、並びに外部電荷潜像方式であるカールソン法や容量
像法(NP法、KIP法)がある。これらの電子写真プ
ロセスの画像形成装置においては、それに搭載した本発
明の感光体に高い移動度のキャリア輸送層を形成でき、
これにより、感光層内部に発生したキャリアが、その層
内部を高い速度で移動するので、静電潜像が形成される
までの時間が短くなり、その結果、ドラム状感光体の回
転速度を高めることができ、画像形成を高速度にでき
る。しかも、転写後の露光による除電においても、その
感光層内部に発生したキャリアが除電に速やかに寄与す
るので、その除電に要する感光層の領域が狭くなり、感
光ドラムの高速度化と相まってドラム状感光体の径を小
さくでき、画像形成装置の小型化が達成できる。
【0040】また、これら各種方式の画像形成装置は、
いずれも複写機もしくはプリンターの構成にできる。こ
こで、複写機とは原稿からの反射光をレンズやミラーな
どの光学系を用いて、感光体の表面に露光する構造を有
するものであり、プリンターとは、電気信号により制御
された発光光源(レーザー、LED、液晶シャッター、
EL等)を用いて、感光体の表面を露光する構造を有す
るものである。
【0041】(光背面露光方式)次に本発明の特徴が最
も応用できる光背面露光方式の画像形成装置(プリンタ
ー)について具体的に詳述する。
【0042】図3は上記光背面露光方式の画像形成装置
8を表す模式図であり、コロナ帯電を不要として露光と
現像とがほぼ同時に行えるように組み合わせた電子写真
方式の画像形成装置であり、図中、9は透光性支持体1
0上に透光性導電層11と光キャリア励起層12と10
-5cm2 /V・秒以上の移動度を有するキャリア輸送層
13とが積層されたドラム状の感光体、14は露光手段
としてのLEDヘッド、15は現像手段としての現像
機、16は転写手段としての転写ローラである。LED
ヘッド14と現像機15は、感光体9のある一部を介し
て、ほぼ対称的に配置される。このようなLEDヘッド
14としては、小型で低消費電力のダイナミックドライ
ブ方式のLEDヘッドが好適に用いられる。17は除電
手段であるイレース用光源としてのLEDアレイであ
り、感光体9の外側に配置してもよい。また、17は必
ずしも必要とするものではない。現像機15において
は、たとえば8極の円柱状の磁極ローラ18と、その外
周に亘って配設された円筒状の導電性スリーブ19とか
ら成り、更にトナー受20に貯蔵された現像剤としての
1成分磁性導電性トナーまたは導電性磁性キャリアと絶
縁性トナーとから成る2成分現像剤はスリーブ19の外
周へ配送され、磁気ブラシ21を形成する。また、スリ
ーブ19と透光性導電層11との間にはバイアス電源2
2が設けられ、その両者11、22の間に感光体9の電
位特性に応じて+或いは−の電圧(300V以下)を印
加する。23は感光体9の表面に形成されたトナー像、
24は被転写材である記録紙、25は転写後の残留トナ
ーである。これ以外に現像機の回転駆動手段と感光体9
の回転手段とを設ける。尚、露光手段14にはここでは
LEDヘッドを用いたが、レーザや液晶シャッタ、EL
ヘッド等でもよい。イレース用光源17にも、LEDア
レイの他、ハロゲンランプや蛍光灯、ELアレイ等の光
源が使用できる。
【0043】かくして上記構成の画像形成装置8によれ
ば、回転する感光体9の透光性支持体10側からLED
ヘッド14より画像露光の光を照射し、光キャリア励起
層12の内部に正孔と電子を発生させると、現像機側に
+のバイアス電圧を印加してあれば、そのバイアス電圧
によって電子はキャリア輸送層13の表面側へ移動し、
磁気ブラシ21の末端の正電荷と打ち消し合い、感光体
9の表面にトナーが付着される。そして、そのトナーは
転写ローラ16により記録紙24上に転写され、次いで
定着される。
【0044】本発明においては、光キャリア励起層12
と、ポリシランから成るキャリア輸送層13とを組み合
わせるとともに、そのキャリア輸送層13の移動度を1
-5cm2 /V・秒以上に設定して、高いキャリア輸送
特性を具備させ、これにより、光キャリア励起層12に
発生したキャリアが効率的にキャリア輸送層13の表面
へ移送されるので、高い画像形成速度が得られる。
【0045】次に上記構成の画像形成装置の具体的内容
を図4により更に詳述する。図4は上記感光体9の一部
と現像機15により形成される現像剤溜り26を表す説
明図である。
【0046】現像剤を保持させる現像機15は、導電性
のスリーブ19と、その内部に配置された磁極ローラ1
8とから成り、現像剤の搬送は、磁極ローラ18を固定
してスリーブ19を回転してもよく、またはスリーブ1
9を固定して内部の磁極ローラ18を回転してもよい。
【0047】ここで現像剤を感光体9と逆方向に搬送す
ると、両者の摩擦で現像機15と感光体9の最近接部位
よりも下流側(感光体が現像剤から離れる側)に現像剤
溜り26が生じる。すなわち、現像剤の本来の高さより
もはみ出した部分が現像剤溜り26であり、現像剤の搬
送速度や現像剤の高さ、スリーブ19と感光体9の表面
とのギャップ等は、感光体9の回転速度や必要とする現
像剤溜り26の大きさに応じて適宜設定する。
【0048】27は制御電極であり、この制御電極27
はスリーブ19上で感光体9との最近接部位に設け、絶
縁体28でスリーブ19と絶縁する。制御電極27は、
感光体9や現像剤に均一な電界が加わるように、スリー
ブ19の長さ方向に沿った帯状とする。この制御電極2
7は必須不可欠のものではなく、適宜採用される。
【0049】現像剤にはたとえば導電性磁性トナーを用
いるが、これは磁気ブラシ21および現像剤溜り26を
形成し、必要な導電性を有すれば、1成分の現像剤でも
良く、導電性のキャリアと絶縁性のトナーとを所定の混
合比で混合して必要な導電率にした2成分の現像剤を用
いてもよい。
【0050】画像露光を行なう位置は、感光体9の表面
と現像スリーブ19との最近接位置Aではなく、感光体
9の逆方向回転で下流側に形成した現像剤溜り26の位
置Bとし、好ましくは現像剤溜り26の中でも下流側の
後半部とする。現像剤溜り26の位置で露光を行なうこ
とにより、露光までの間に感光体9の帯電が十分に行な
われ、帯電前の感光体9の電位の履歴の影響が抑えられ
るとともに、感光体9の表面の残留トナーや画像背景部
のトナーの回収が十分に行なわれる。更に、感光体9が
十分に帯電されてから露光を行なって電荷を消失させる
ために、現像剤と感光体9との電気的引力が強く、良好
なトナー像23が形成される。そして、トナー像23の
形成後は感光体9が現像剤溜り26から速やかに離れる
ため、感光体9の表面のトナー像23が現像剤の衝突や
摩擦等のような機械的な力により乱されることがなく、
良好な解像度のトナー像23が得られる。
【0051】現像剤溜り26の位置では、感光体9の表
面と現像スリーブ19とが最も近接する位置Aよりも、
感光体9の表面と磁極ローラ18の距離が大きくなる。
このため、現像剤を磁極ローラ18の側に吸引する磁力
は弱く、感光体9の表面に形成されたトナー像23の一
部が磁力によって現像手段の側に回収されて画像濃度が
低下したり、磁力により乱されて解像度が低下したりす
ることを防止できる。更に帯状の制御電極27を設け、
その電位を電源29により所定の電位に調整する。たと
えば制御電極27を接地し、透光性導電層11と共通電
位にする。あるいはスリーブ19の電位に対してその電
位を低くもしくは高く設定する。
【0052】このようにスリーブ19とは独立に電位を
印加できる制御電極27を設けると、感光体9の表面電
位を現像剤を介して中和し、あるいは感光体9の表面の
電位を揃え、以前のプロセスでの帯電や露光の有無等に
よる感光体9の履歴の影響を打ち消すことができる。こ
の結果、繰り返し使用時、たとえば1枚の画像を得るた
めに感光体9を数回転させる場合等に、安定した現像状
態と記録画像とが得られる。ここで制御電極27の電位
を調整すると、画像濃度や地かぶり等に対する最適画像
形成条件を調整して得ることができる。また、制御電極
27の電位を高くし、スリーブ19の電位を低くするこ
とにより、非露光部にトナーが付着し、露光部にはトナ
ーが付着しない、いわゆる反転現像も可能になった。
【0053】感光体9の表面に形成されたトナー像23
は次いで記録紙24に転写され、定着されて記録画像と
なり、転写されずに感光体9の表面に残った残留トナー
25は、次の画像形成プロセスにおいて現像機15に回
収されて再利用される。
【0054】更に転写後の感光体9にイレース用光源1
7により除電光を照射することにより、以前のプロセス
での帯電や露光の有無等による感光体9の履歴の影響を
より効果的に打ち消すことができ、繰り返し使用時にお
ける残像現象などの画像上の問題を抑制することができ
る。また、感光体9のキャリア輸送層13の表面にトラ
ップされた電荷を消去し、感光体9とその表面の残留ト
ナーとの電気的な引力をなくして、残留トナーを現像機
15に回収され易くすることができる。
【0055】また、このキャリア輸送層13は感光体9
の表面層を兼ねても良好な表面特性を具備させることが
できる。すなわち、本発明のポリシラン化合物は表面が
硬く且つ適度な滑り性を有しており、耐摩耗性、耐刷性
に優れ、帯電特性も良好であるという特長があり、これ
により、このままで感光体用表面層として有利となる。
また、キャリア輸送層13に低分子キャリア輸送剤を含
有させた場合には、その表面側でキャリア輸送剤の含有
量を少なくすれば、その低含有量領域での機械的強度を
高めることができ、しかも、化学的作用に伴うその表面
からの侵入に起因するキャリア輸送剤の劣化を生じにく
くすることができるとともに、その劣化の程度を減らす
ことができるという利点があり、これによって更に良好
な表面特性が得られる。
【0056】(外部電荷潜像方式)この外部電荷潜像方
式には、カールソン法や容量像法(NP法、KIP法)
が代表例として挙げられるが、このカールソン法を図5
により説明する。同図はプリンター構成の画像形成装置
30であり、31は本発明に係るドラム状の感光体であ
り、この感光体31の周面に帯電手段であるコロナ帯電
器32と、その帯電後に光照射する露光手段である露光
器33と、トナー像を感光体31の表面に形成するため
のトナー34を備えた現像手段である現像機35と、そ
のトナー像を被転写材36に転写する転写手段である転
写器37と、その転写後に感光体表面の残留トナーを除
去するクリーニング手段38と、その転写後に残余静電
潜像を除去する除電手段39とを配設した構成である。
また、40は被転写材36に転写されたトナー像を熱も
しくは圧力により固着するための定着器である。
【0057】このカールソン法は次の〜のプロセス
を繰り返し経る。 感光体31の周面をコロナ帯電器32により帯電す
る。 露光器33により画像を露光することにより、感光
体31の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を
形成する。 この静電潜像を現像機35により現像する。この現
像により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感
光体表面に付着し、可視化する。 感光体表面のトナー像を紙などの被転写材36の裏
面よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、こ
れにより、画像を被転写材36の上に得る。 感光体表面の残留トナーをクリーニング手段38に
より機械的に除去する。 感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段39に
より残余の静電潜像を除去する。
【0058】かくして、上記構成の画像形成装置30に
よれば、露光器33の光照射によって感光層内部に発生
したキャリアが、その層内部を高い速度で移動するの
で、静電潜像が形成される時間が短くなり、ドラム状の
感光体31の回転速度を高めることができ、画像形成を
高速度にできる。しかも、転写後の露光による除電にお
いても、その感光層内部に発生したキャリアが除電に速
やかに寄与するので、その除電に要する感光層の領域が
狭くなり、感光ドラムの高速度化と相まってドラム状感
光体の径を小さくでき、画像形成装置の小型化が達成で
きる。
【0059】尚、上記画像形成装置30はプリンターの
構成であるが、露光器33に代えて原稿からの反射光を
通すレンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機と
しての画像形成装置となる。
【0060】
【実施例】
(例1)本例においては、出発物質である各種ジクロロ
シランに対して、溶媒であるトルエンを加え、65〜110
℃の反応温度でもってナトリウムによる脱塩素化縮合反
応をおこない、化3〜化6に示すポリシランを合成し
た。そして、これらのポリシランの重量平均分子量Mwと
数平均分子量Mnとをゲル浸透クロマトグラフィーを用い
て測定し、Mw/Mnも求めたところ、表1に示すよう
な結果が得られた。
【0061】これら各平均分子量Mw、Mnはゲル浸透
クロマトグラフィーを用いて測定しており、そのための
カラムは、Asahipak GS−310、GS−510、G
SM−700の3本を、また、移動相にテトラヒドロフ
ラン(THF)を使用し、それによる流出をUV254
nm吸収の検出器でもって測定した。また、このクロマ
ト波形処理はクロマトビジコーダという波形処理ソフト
を利用して行った。
【0062】
【化3】
【0063】
【化4】
【0064】
【化5】
【0065】
【化6】
【0066】化3においては、x=1 、y=z=0 であり、R1
がメチル基、R2がフェニル基であり、重合度を変えた3
種類のポリシラン化合物a-1 、a-2 、a-3 を合成した。
化4においては、x=1 、y=z=0 であり、R1がメチル基、
R2がノルマルプロピル基であるポリシラン化合物b を合
成した。また、化5においては、x=y=1 、z=0 であり、
R1、R2、R3がメチル基、R4がフェニル基であるポリシラ
ン化合物c を合成した。更に化6においては、x=1 、y=
z=0 、x'=1、y'=z'=0 であり、R1、R2、R'1 がメチル
基、R'2 がフェニル基であるポリシラン化合物d を合成
した。
【0067】
【表1】
【0068】また、各ポリシラン化合物のキャリア移動
度を測定したところ、表1に示す通りの結果が得られ
た。このキャリア移動度はタイムオフフライト(TO
F)(25℃)により測定しており、このTOFによれ
ば、Al基板の上にパリレンブロッキング電極を設け、
更にキャリア励起層であるa−Se層を形成し、かかる
成膜基板の上に上記各ポリシラン化合物の層(厚み10
μm)を塗布形成し、このような構成の試料において、
パルス幅10m.sec の直流パルス電圧を印加し、試料に
均一な電界を加え、その電界の印加後、4m.sec にN2
レーザ励起の色素(クマリン481nm )レーザパルス光を
光ファイバで試料の電極側に照射し、この電極側に照射
した光パルスによってポリシラン層に生成したシート状
のキャリアが印加電界によりドリフトする状態を、外部
電流の過渡的変化として観測する方法である。
【0069】(例2)透明な円筒状ガラス基板またはプ
ラスチックの周面に、透明性導電層11としてITO 層を活
性反応蒸着法により1000Åの厚みで形成し、次いでその
上にチタニルフタロシアニンとポリエステル樹脂をクロ
ロホルム中に分散混合した液中に浸漬し、その後、乾燥
して、チタニルフタロシアニンから成る3 μm厚の光キ
ャリア励起層12を形成した。
【0070】次に(例1)で合成したポリシランをクロ
ロホルム中に溶解させて、ポリシラン/クロロホルム溶
液を作った。さきに作製した成膜円筒状ガラス基板をこ
のポリシラン/クロロホルム溶液に浸漬し、その後、乾
燥して、ポリシランから成る20μm厚の光キャリア輸送
層13を形成し、ポリシラン化合物含有感光体を作製し
た。
【0071】(例3)(例2)で作製した感光体を図6
〜図9に示した磁場配向装置41、42によりポリシラ
ン化合物を一定方向に配向させた。かくして得られた各
感光体のキャリア移動度(25℃)を測定したところ、表
2に示す通りの結果が得られた。同表から明らかなよう
に、磁場配向を施していないポリシラン感光体に比べ、
1桁程度大きな値を示すことが分る。
【0072】
【表2】
【0073】(例4)(例3)で作製した磁場配向ポリ
シラン化合物含有感光体を図3に示すような画像形成装
置8に装着し現像剤に導電性磁性キャリアと絶縁性トナ
ーとからなる2成分現像剤を用い、また、ダイナミック
ドライブ方式の、解像度300dpiのLEDヘッドを配し、ス
リーブ19と透明性導電層11との間にVs=400V の電圧印加
し、波長660nm で画像露光を行い、感光体上にトナー像
を形成し、そのトナー像を−400Vの転写バイアス電圧を
印加した転写ローラにより普通紙に転写し、熱定着を行
って画像を得た。尚、現像剤を感光体9 と逆方向に回転
させて現像溜り26を形成し、その部位に露光を行った。
【0074】この画像を評価したところ、光学濃度が1.
4 以上の画像濃度を有しバックのかぶりもなく、解像度
も300dpiの良好な画像が得られた。また、この磁場配向
感光体を用いた場合、10枚/ 分程度の低速は勿論のこ
と、更に40〜50枚/ 分程度の高速プロセスでも十分良好
な画像が得られた。
【0075】一方、磁場配向を施さなかったポリシラン
含有感光体を用いて同様の実験を行ったところ、10枚/
分程度の速度までは十分な画像が得られるものの、それ
以上の速度で行うと、キャリア輸送層でのキャリア移動
度が低いために光応答性が悪くて、十分な電位コントラ
ストが形成されないために十分な濃度のトナーが形成さ
れず、不十分な画像となった。
【0076】(例5)次に本発明においては、Al製円筒
体の周面に、(例2)と同様にチタニルフタロシアニン
から成る有機光導電材を光キャリア励起層12として形成
し、その層12の上に(例2)に述べた2種類の本発明の
感光体と同様に、(例1)で述べたポリシラン化合物を
含有した20μm 厚のポリシラン系キャリア輸送層13を形
成し、感光体を作成した。更に(例3)と同様の操作に
より、ポリシラン化合物を磁場配向させた。
【0077】このようにして得られた感光体について、
-6kVの電圧を印加したコロナ帯電器を用いて帯電させ、
暗部表面電位を測定して初期帯電電位を求めたところ、
800V 帯電電位を示し、高い帯電能力を有することが確
認できた。
【0078】次に、表面電位を-800V に帯電させた後に
650nm の波長の光を照射して、表面電位を-500V から-2
50V に減衰させるのに必要な露光エネルギー(半減露光
量)を測定して、その逆数により半減光感度を求めたと
ころ、2.0 (cm2/μJ )となり、高い光感度を示した。
更に、露光波長を変えて分光感度特性を調べたとこ
ろ、600 〜800nm の範囲に渡って半減露光量の2倍の露
光量を与え、その時の表面電位を残留電位として求めた
ところ、10V 下と低く、優れた特性を示した。
【0079】次に、これらの感光体を図5に示す構成の
カールソン法によるプリンター(画像形成装置30)に搭
載し、露光手段として波長650nm 、解像度400dpi(ドッ
ト/インチ)のダイナッミクドライブ方式のLED ヘッド
を用いて画像形成を行い、その画像について、画像濃
度、解像度、バックのかぶり、残像(ゴースト)につい
ても画像評価を行った。その結果、画像濃度はO.D.が1.
4 と高く、解像度も400dpiを良好に解像しており、バッ
クのかぶりもなく、残像も認められず、そして、ドラム
状感光体の回転速度が高められた。また、連続して1 万
枚の画像形成を行っても、画像濃度や解像度の低下ある
いはバックのかぶりの増加等の画像品質の変動は認めら
れず、優れた耐久性を有することも確かめられた。
【0080】(例6)(例5)の各感光体をカールソン
法による市販の複写機に搭載して、露光手段として原稿
からの反射光を感光体に照射する光学系を用いて同様に
画像形成を行ったところ画像濃度、解像度、バックのか
ぶり、階調再現性、残像のいずれも優れた画像品質を有
する画像が得られるとともに、ドラム状感光体の回転速
度が高められ、複写機用感光体としても優れた特性を有
することが確かめられた。
【0081】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、改
善、変更等は何ら差し支えない。
【0082】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、感光体用
ポリシラン化合物に対して磁場配向を施すことによっ
て、従来よりも1桁程度高いホール移動度を示すポリシ
ラン化合物が得られ、そして、このポリシラン化合物よ
りキャリア輸送層を形成することにより高いホール移動
性のポリシラン化合物含有感光体が安定して提供でき
た。
【0083】また、本発明の感光体においては、従来の
ディッピング工程と乾燥工程の間に磁場配向工程を組み
込むことができるので、その磁場配向のための大がかり
な装置を必要としなくなり、従来よりも簡単な装置によ
りポリシラン配向を達成することができ、これによって
高性能な感光体を低コストで提供できた。
【0084】更に本発明の感光体であれば、高いキャリ
ア移動度が要求される画像形成装置、例えば光背面露光
方式の画像形成装置等に好適に搭載することができた。
【0085】また、本発明の画像形成装置によれば、露
光手段の光照射によって感光層内部に発生したキャリア
が、その層内部を高い速度で移動するので、静電潜像が
形成される時間が短くなり、これにより、ドラム状の感
光体であれば、そのドラムの回転速度を高めることがで
き、画像形成を高速度にできた。しかも、転写後の露光
による除電においても、その感光層内部に発生したキャ
リアが除電に速やかに寄与するので、その除電に要する
感光層の領域が狭くなり、感光ドラムの高速度化と相ま
ってドラム状の感光体の径を小さくでき、画像形成装置
の小型化が達成できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光体の断面図である。
【図2】本発明の感光体の断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置の模式図である。
【図4】本発明の画像形成装置の要部構成図である。
【図5】本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図6】磁場配向装置の断面概略図である。
【図7】磁場配向装置の上面概略図である
【図8】磁場配向装置の断面概略図である。
【図9】磁場配向装置の上面概略図である
【符号の説明】
1 導電性基板 2 積層型感光層 3 光キャリア励起層 4 キャリア輸送層 5 キャリア輸送体 6 光キャリア励起体 7 単一の感光層 41、42 磁場配向装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光キャリア励起層と磁場配向を施した下
    記化1の化学式のポリシラン系キャリア輸送層とを積層
    して成る感光層を導電性基体上に形成した感光体。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1の感光体と、該感光体の感光層
    側に配設した現像手段と、透光性を有する導電性基体側
    から画像露光光を照射する露光手段とから成るととも
    に、上記感光体の表面にトナー像を形成させるべく上記
    現像手段と導電性基体との間に電圧を印加しながら露光
    手段より画像露光光を照射するようにした画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1の感光体と、該感光体の表面に
    電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して
    光照射する露光手段とから成り、これら帯電手段と露光
    手段により感光体表面に静電潜像を形成するとともに、
    静電潜像に対応するトナー像を感光体に形成する現像手
    段と、該トナー像を被転写材に転写する転写手段と、該
    転写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニン
    グ手段と、転写後に残余の静電潜像を除去する除電手段
    とを配設した画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096968A (ja) * 2006-09-11 2008-04-24 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、及びその製造方法、画像形成装置、並びに、プロセスカートリッジ
JP2008233378A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、その製造方法及びそれを利用した画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

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JP2008096968A (ja) * 2006-09-11 2008-04-24 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、及びその製造方法、画像形成装置、並びに、プロセスカートリッジ
US7955768B2 (en) 2006-09-11 2011-06-07 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor and method for producing the same, image forming apparatus, and process cartridge
JP2008233378A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、その製造方法及びそれを利用した画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ

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