JPH11228926A - 放射線硬化型粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらの製造方法 - Google Patents

放射線硬化型粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらの製造方法

Info

Publication number
JPH11228926A
JPH11228926A JP10035247A JP3524798A JPH11228926A JP H11228926 A JPH11228926 A JP H11228926A JP 10035247 A JP10035247 A JP 10035247A JP 3524798 A JP3524798 A JP 3524798A JP H11228926 A JPH11228926 A JP H11228926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radiation
sensitive adhesive
molecular weight
pressure
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10035247A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Kamiya
克彦 神谷
Kazuhisa Maeda
和久 前田
Yutaka Moroishi
裕 諸石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP10035247A priority Critical patent/JPH11228926A/ja
Publication of JPH11228926A publication Critical patent/JPH11228926A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境衛生、安全性、耐水性および耐熱性を満
足する放射線硬化型のホツトメルト型粘着剤として、塗
工性および放射線硬化性の改善された放射線硬化型粘着
剤組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを
必須の単量体とし、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラ
フイ―法により測定されるポリスチレン換算の重量平均
分子量が10万〜70万で、多角度光散乱法により測定
される絶対分子量が上記の重量平均分子量に対して2〜
20倍であるアクリル系重合体を含有することを特徴と
する放射線硬化型粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線硬化型粘着
剤組成物と、これを放射線により硬化したシ―ト状やテ
―プ状などの粘着シ―ト類とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境衛生や安全性などの点より、
粘着シ―ト類の製造方法で有機溶剤を使用しない方向へ
の転換が進みつつある。そのひとつにエマルジヨン重合
を利用した方法があるが、重合時の乳化剤により耐水性
に問題を生じやすい。
【0003】これに対して、塊状重合などで得たホツト
メルト型粘着剤を支持体上に溶融塗工する方法が知られ
ている。この方法には、上記のような耐水性の問題がな
く、環境衛生や安全性などを満たす方法として、注目さ
れている。また、この方法では、耐熱性の改善のため、
一般に、支持体への溶融塗工後、電子線や紫外線などの
放射線を照射して、硬化処理するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
ホツトメルト型粘着剤には、溶融塗工時の塗工性に難が
あり、また放射線硬化性にも問題があつた。したがつ
て、本発明は、かかる問題を回避して、環境衛生、安全
性、耐水性および耐熱性を満足する放射線硬化型のホツ
トメルト型粘着剤として、塗工性および放射線硬化性に
すぐれる放射線硬化型粘着剤組成物と、その粘着シ―ト
類を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対し、鋭意検討した結果、特定の塊状重合により多
角度光散乱法により測定される絶対分子量がゲルパ―ミ
エ―シヨンクロマトグラフイ―法により測定されるポリ
スチレン換算の重量平均分子量に対して一定の関係にあ
るアクリル系重合体を得、これを粘着性ポリマ―として
用いると、このポリマ―が低い溶融粘度を有して改善さ
れた塗工性を示し、かつ放射線硬化性にも好結果を与え
ることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0006】すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを必須の単量体とし、ゲルパ―ミエ―
シヨンクロマトグラフイ―法により測定されるポリスチ
レン換算の重量平均分子量が10万〜70万で、多角度
光散乱法により測定される絶対分子量が上記の重量平均
分子量に対して2〜20倍であるアクリル系重合体を含
有することを特徴とする放射線硬化型粘着剤組成物(請
求項1)と、支持体の片面または両面に上記構成の粘着
剤組成物を放射線硬化した層を有することを特徴とする
粘着シ―ト類(請求項2)とに係るものである。
【0007】また、本発明は、上記構成の粘着剤組成物
の製造方法として、連続供給された内容物を表面更新し
つつ連続的に移送する構造を有してかつ移送過程の全域
にわたり所定温度に加熱制御された反応器内で、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを必須とした重合原料
を連続的に塊状重合して、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマ
トグラフイ―法により測定されるポリスチレン換算の重
量平均分子量が10万〜70万で、多角度光散乱法によ
り測定される絶対分子量が上記の重量平均分子量に対し
て2〜20倍であるアクリル系重合体を得ることを特徴
とする放射線硬化型粘着剤組成物の製造方法(請求項
3)と、さらに上記粘着シ―ト類の製造方法として、上
記方法で製造した放射線硬化型粘着剤組成物を、支持体
の片面または両面に塗工したのち、放射線を照射して硬
化させることを特徴とする粘着シ―ト類の製造方法(請
求項4)とに係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、粘着性ポリマ―
として使用するアクリル系重合体は、特定の塊状重合用
の反応器、つまり連続供給された内容物を表面更新しつ
つ連続的に移送する構造を有してかつ移送過程の全域に
わたり所定温度に加熱制御された反応器を用いて、製造
される。上記反応器としては、一端側に原料供給口を有
しかつ他端側に取り出し口を有する1軸または2軸のス
クリユウ押出機が挙げられる。これは、上記の原料供給
口から重合原料を連続供給し、これをスクリユウの回転
により表面更新しつつ他端側に向けて移送し、この移送
過程で所定温度に加熱制御しながら均一な塊状重合を連
続的に行わせ、所定の重合率に達したのちに取り出し口
から連続的に取り出す構造となつており、重合熱の除去
や必要な熱量の供給・交換が効率的に行われるようにな
つている。
【0009】このような反応器に供給する重合原料は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須としたもの
であり、上記エステルとしては、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソアミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルなどの炭
素数14個以下のアルキル基を有するアクリル酸アルキ
ルエステルや、上記同様のアルキル基を有するメタクリ
ル酸アルキルエステルが挙げられる。また、上記のエス
テルとともに、適宜の改質用単量体を併用してもよい。
これらの単量体組成は、アクリル系重合体のガラス転移
点が250K以下となるようにすべきであり、これより
高いガラス転移点となると、良好な粘着特性が得られな
い。
【0010】改質用単量体としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロ
キシエチルアクリロイルホスフエイト、2−ヒドロキシ
プロピルアクリロイルホスフエイト、酢酸ビニル、スチ
レン、(メタ)アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モ
ノモルホリン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−
ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−1,3−オキサ
ジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオ
ンなどがある。これらの改質用単量体は、単量体全体量
の通常50重量%未満であるのがよい。
【0011】重合原料としては、上記単量体のほか、重
合開始剤が用いられる。たとえば、通常使用されるベン
ゾイルパ―オキサイドなどの過酸化物や、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどのアゾ系開始剤などである。これら
の開始剤は1種であつても2種以上であつてもよい。分
解温度の異なる2種以上の開始剤を組み合わせると、重
合率や分子量の高いポリマ―が得られるので望ましい。
これら開始剤の配合量は、単量体100重量部あたり、
通常0.01〜3重量部、好ましくは0.03〜2重量
部とするのがよい。過少では重合率が不十分なポリマ―
しか得られず、過多となると分子量の低いポリマ―しか
得られない。
【0012】このような単量体および重合開始剤を含む
重合原料は、これだけでは粘度が低く、重合後のポリマ
―との粘度差が大きすぎて、前記反応器内で安定した塊
状重合を行うことが難しい場合もある。この場合は、上
記重合原料をあらかじめ予備重合しておくか、あるいは
上記重合原料に好ましくはこれとほぼ同組成のポリマ―
またはオリゴマ―をあらかじめまたは反応器内で溶解す
ることにより、重合原料の粘度をある程度上げておくの
が望ましい。
【0013】反応器への重合原料の供給は、ギアポンプ
などにより一定速度で行われるが、個々の供給速度は、
所定の重合率が得られるように、反応器の構成と運転条
件、たとえば、前記した1軸または2軸のスクリユウ押
出機では、スクリユウ外径、バレル長さ、バレルとスク
リユウ山との間隔、スクリユウ回転数などに応じて、重
合原料として使用する単量体や重合開始剤の種類および
量を勘案して、適宜選択すればよい。このときの反応温
度もしかりであり、通常は60〜150℃の範囲内で、
反応器の全域にわたり適正温度に制御される。温度が高
すぎると、ポリマ―の分子量が低くなりやすく、また低
すぎると、反応率が低くて重合反応を長時間行う必要が
あり、生産性の低下を招きやすい。
【0014】このような反応器内での塊状重合によつ
て、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを必須の単量
体とし、必要により適宜の改質用単量体を共重合成分と
した、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラフイ―法によ
り測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が10
万〜70万、好ましくは20万〜50万であり、多角度
光散乱法により測定される絶対分子量が上記の重量平均
分子量に対して2〜20倍、好ましくは3〜15倍であ
るアクリル系重合体を製造する。
【0015】ここで、多角度光散乱法により測定される
絶対分子量と、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラフイ
―法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子
量とが、上記のような関係を有するということは、アク
リル系重合体が分岐構造を取つており、重合体の回転半
径から計算すると、重合体主鎖中に1〜8個、好ましく
は2〜6個の分岐点を有していることを意味している。
【0016】このような分岐型のアクリル系重合体は、
低い溶融粘度を有して、すぐれた塗工性を示し、かつ放
射線硬化性にもすぐれている。これに対し、多角度光散
乱法により測定される絶対分子量が上記の重量平均分子
量に対して2倍未満となると、重合体主鎖中の分岐点の
数が不足し、溶融粘度が高くなつて塗工性が低下し、放
射性硬化性も悪くなる。また、上記の絶対分子量が上記
の重量平均分子量に対して20倍を超えると、分岐点の
数が多くなりすぎて、三次元架橋構造化し、塗工性がや
はり低下する。また、上記の重量平均分子量が10万未
満となると、粘着特性が低下し、70万を超えると、塗
工性が低下する。
【0017】なお、上記の重量平均分子量は、重合開始
剤の量や反応温度を調整することにより、またメルカプ
タンなどの連鎖移動剤を重合原料中に添加しておくこと
により、再現性よく設定できる。また、上記の絶対分子
量、ひいては重合体主鎖中の分岐点の数は、重合時のポ
リマ―への連鎖移動をコントロ―ルする、たとえば、重
合温度を高くしてポリマ―への連鎖移動定数を大きくし
たり、発生するラジカル量を多くするなどの方法を用い
ることにより、容易に設定できる。また、前記の単量体
のほかに、ジ(メタ)アクリレ―ト、トリ(メタ)アク
リレ―トなどの多官能モノマ―を使用することによつて
も、設定可能である。
【0018】連鎖移動をコントロ―ルする方法は、具体
的には、重合開始剤の量、反応温度、単量体組成を調節
する方法により、行われる。まず、重合開始剤により発
生するラジカル数が同一の場合、反応温度を高くするほ
ど(高温分解型の重合開始剤を用いるほど)、絶対分子
量を大きく設定でき、分岐点を増やすことができる。ま
た、重合開始剤の量や反応温度の調整により発生ラジカ
ル数を多くすると、絶対分子量を大きくでき、やはり分
岐点を増やせる。さらに、単量体組成の調節として、三
級の炭素をより多く含む単量体を用いると、絶対分子量
を大きくでき、分岐点を多くすることが可能である。た
とえば、アクリル酸2−エチルヘキシルを用いた方が、
アクリル酸ブチルを用いるよりも、絶対分子量を大きく
でき、その結果、分岐点を多くすることができる。
【0019】本発明の放射線硬化型粘着剤組成物は、こ
のようにして製造されるアクリル系重合体を粘着性ポリ
マ―として使用したものであり、これには、放射線硬化
の助剤として、必要により分子中に放射線反応性不飽和
結合を1個以上有する単量体を加えてもよい。この放射
線反応性単量体は、反応器から取り出されたのちに添加
してもよいし、取り出される前に添加してもよい。添加
量は、アクリル系重合体100重量部あたり、30重量
部以下、好ましくは20重量部以下とするのがよい。添
加しすぎると、接着力が低下する。
【0020】上記の放射線反応性単量体としては、2−
ヒドロキシ−3−フエノキシプロピル(メタ)アクリレ
―ト、ジシクロペンテルオキシエチル(メタ)アクリレ
―ト、エチルカルビト―ル(メタ)アクリレ―ト、メチ
ルトリグリコ―ル(メタ)アクリレ―ト、N,N´−ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレ
ングリコ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、ジエチレングリ
コ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、テトラエチレングリコ
―ルジ(メタ)アクリレ―ト、ネオペンチルグリコ―ル
ジ(メタ)アクリレ―ト、1,6−ヘキサンジオ―ルジ
(メタ)アクリレ―ト、トリメチロ―ルプロパントリ
(メタ)アクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルトリ(メ
タ)アクリレ―ト、ジペンタエリスリト―ルヘキサ(メ
タ)アクリレ―ト、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリ
ル酸ビニル、アジピン酸ビニル、N,N´−メチレンビ
ス(メタ)アクリルアミドなどがある。
【0021】本発明の放射線硬化型粘着剤組成物には、
上記成分のほか、粘着付与樹脂、界面活性剤、充填剤、
顔料、着色剤などの添加剤を配合してもよい。これらの
添加剤は、前記の放射線反応性単量体の場合と同様に、
反応器から取り出されたのちに添加してもよいし、取り
出される前に添加してもよい。また、塊状重合時や塗工
時のポリマ―の変性を抑制するために、老化防止剤や重
合禁止剤を、上記と同様の方法で添加してもよい。ただ
し、これらの老化防止剤や重合禁止剤は、アクリル系重
合体100重量部あたり、通常0.05〜2重量部とな
る割合とするのがよい。あまり多く添加しすぎると、塊
状重合時の重合制御や塗布後の放射線硬化性が損なわれ
るため、好ましくない。
【0022】本発明においては、このように調製される
放射線硬化型粘着剤組成物を、支持体の片面または両面
に溶融塗工する。塗工厚さは、粘着シ―ト類の用途目的
により、広範囲に設定できるが、一般には、引き続く放
射線硬化後の粘着剤層の厚さが5〜120μmとなる程
度とするのがよい。
【0023】ここで用いる支持体としては、プラスチツ
クフイルム、紙、不織布、発泡体、金属箔などがある。
支持体への溶融塗工は、ロ―ルコ―タ、ダイコ―タのい
ずれも使用できるが、均一塗工のために、ダイコ―タが
とくに好適である。その際、ダイコ―タのマニホルドを
複数にして、組成の異なる複数の放射線硬化型粘着剤組
成物を積層状に塗工するようにしてもよい。
【0024】本発明においては、上記の塗工後、放射線
を照射して、放射線硬化型粘着剤組成物を硬化させる。
放射線には、α線、β線、γ線、中性子線、電子線など
の電離性放射線や、紫外線などの活性光線が用いられ
る。放射線の照射量は、電離性放射線では通常0.5〜
20Mrad、好ましくは1〜10Mradであり、紫
外線などの活性光線では通常400〜3,000mj/
cm2 である。放射線の照射量が過少では、粘着剤組成物
の架橋硬化が不足し、保持力や耐熱性の低下がみられ、
過多となると、支持体の劣化などが懸念される。
【0025】なお、紫外線は180〜460nmの波長
範囲が好ましく、発生源は、水銀ランプ、メタハライド
ランプなどが好ましく用いられる。また、この紫外線の
照射により硬化させる場合、放射線硬化型粘着剤組成物
の調製に際し、あらかじめ光反応開始剤(光増感剤)を
添加しておくのが望ましい。光反応開始剤としては、ベ
ンゾイン、ベンゾインメチルエ―テル、ベンゾインエチ
ルエ―テル、ジベンジル、ベンジルジメチルケタ―ルな
どのラジカル開始剤のほか、ビス(ドデシルフエニル)
ヨ―ドニウムヘキサフルオロアンチモネ―ト、(1−6
−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(1
+)六フツ化リン酸(1−)などのカチオン開始剤が挙
げられる。
【0026】このようにして得られるシ―ト状、テ―プ
状などの粘着シ―ト類は、粘着剤組成物中に乳化剤を含
まないため、耐水性にすぐれており、また放射線にて硬
化させたものであるため、すぐれた耐熱性を有してい
る。また、支持体への溶融塗工性と放射線硬化性にすぐ
れているため、粘着シ―ト類の製造作業が容易であり、
放射線硬化後において上記耐水性と耐熱性に加えて、接
着力と保持力とのバランス特性にすぐれた粘着特性を発
揮させることができる。
【0027】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下、部とあるのは重量部を意
味するものとする。
【0028】実施例1 アクリル酸2−エチルヘキシル95部、アクリル酸5部
からなる単量体混合物に2,2´−アゾビスイソブチロ
ニトリル0.05部および1,1′−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)0.05部を加えてな
る重合原料を、十分に窒素置換したのち、スクリユウ外
径37mm、バレル長さ1,800mm、バレルとスクリユ
ウ山との間隔0.4mmの2軸スクリユウ押出機からなる
反応器内に供給して、連続的に塊状重合を行つた。
【0029】なお、スクリユウ回転数は300回転/
分、重合原料の供給速度は250g/分、押出機内のバ
レル温度は各領域毎に100〜140℃に加熱制御し
た。この方法で押出機から吐出されたアクリル系重合体
は、重合率が94重量%、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマ
トグラフイ―法により測定されるポリスチレン換算の重
量平均分子量が28万であり、また、多角度光散乱法に
より測定される絶対分子量が150万で、上記の重量平
均分子量に対して、5.4倍であつた。さらに、このア
クリル系重合体の溶融粘度は、100℃で450ポイズ
であつた。
【0030】このアクリル系重合体を、そのまま放射線
硬化型粘着剤組成物として、これを120℃に加熱した
ダイコ―タにより支持体としてのポリエステルフイルム
上に溶融塗工したのち、電子線を5Mrad照射して硬
化処理し、厚さが50μmの粘着剤層を有する粘着テ―
プを作製した。
【0031】実施例2 実施例1で得たアクリル系重合体100部に、トリメチ
ロ―ルプロパントリメタクリレ―ト3部およびベンジル
ジメチルケタ―ル1部を混合して、放射線硬化型粘着剤
組成物を調製した。この放射線硬化型粘着剤組成物を、
120℃に加熱したダイコ―タにより支持体としてのポ
リエステルフイルム上に溶融塗工したのち、紫外線を5
00mj/cm2 照射して硬化処理し、厚さが50μmの
粘着剤層を有する粘着テ―プを作製した。
【0032】比較例1 アクリル酸2−エチルヘキシル95部、アクリル酸5部
からなる単量体混合物に2,2´−アゾビス(4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)0.08部お
よびラウリルメルカプタン0.03部を加えてなる重合
原料を、十分に窒素置換したのち、実施例1で用いたの
と同じ2軸スクリユウ押出機からなる反応器内に供給し
て、連続的に塊状重合を行つた。
【0033】なお、スクリユウ回転数は300回転/
分、重合原料の供給速度は120g/分、押出機内のバ
レル温度は各領域毎に50〜70℃に加熱制御した。こ
の方法で押出機から吐出されたアクリル系重合体は、重
合率が90重量%、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラ
フイ―法により測定されるポリスチレン換算の重量平均
分子量が23万であり、また、多角度光散乱法により測
定される絶対分子量が40万で、上記の重量平均分子量
に対して、1.7倍であつた。さらに、このアクリル系
重合体の溶融粘度は、100℃で520ポイズであつ
た。
【0034】このアクリル系重合体を、そのまま放射線
硬化型粘着剤組成物として、これを120℃に加熱した
ダイコ―タにより支持体としてのポリエステルフイルム
上に溶融塗工したのち、電子線を5Mrad照射して硬
化処理し、厚さが50μmの粘着剤層を有する粘着テ―
プを作製した。
【0035】比較例2 比較例1で得たアクリル系重合体100部に、トリメチ
ロ―ルプロパントリメタクリレ―ト3部およびベンジル
ジメチルケタ―ル1部を混合して、放射線硬化型粘着剤
組成物を調製した。この放射線硬化型粘着剤組成物を、
120℃に加熱したダイコ―タにより支持体としてのポ
リエステルフイルム上に溶融塗工したのち、紫外線を5
00mj/cm2 照射して硬化処理し、厚さが50μmの
粘着剤層を有する粘着テ―プを作製した。
【0036】比較例3 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた反
応器に、アクリル酸2−エチルヘキシル95部、アクリ
ル酸5部、2−メルカプトエタノ―ル0.04部、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル0.2部およびトル
エン40部を入れ、窒素気流中で重合処理して、アクリ
ル系重合体を得た。この重合体は、ゲルパ―ミエ―シヨ
ンクロマトグラフイ―法により測定されるポリスチレン
換算の重量平均分子量が26万であり、また、多角度光
散乱法により測定される絶対分子量が27万で、上記の
重量平均分子量に対して、1.0倍であつた。さらに、
トルエン除去後の溶融粘度は、100℃で650ポイズ
であつた。
【0037】このアクリル系重合体を、そのまま放射線
硬化型粘着剤組成物として、これを120℃に加熱した
ダイコ―タにより支持体としてのポリエステルフイルム
上に溶融塗工したのち、電子線を5Mrad照射して硬
化処理し、厚さが50μmの粘着剤層を有する粘着テ―
プを作製した。
【0038】比較例4 比較例3で得たアクリル系重合体100部に、トリメチ
ロ―ルプロパントリメタクリレ―ト3部およびベンジル
ジメチルケタ―ル1部を混合して、放射線硬化型粘着剤
組成物を調製した。この放射線硬化型粘着剤組成物を、
120℃に加熱したダイコ―タにより支持体としてのポ
リエステルフイルム上に溶融塗工したのち、紫外線を5
00mj/cm2 照射して硬化処理し、厚さが50μmの
粘着剤層を有する粘着テ―プを作製した。
【0039】上記の実施例1,2および比較例1〜4の
各粘着テ―プについて、以下の要領により、接着力およ
び保持力を調べた。これらの結果は、後記の表1に示さ
れるとおりであつた。
【0040】<接着力>20mm×100mmの粘着テ―プ
を、被着体として#280のサンドペ―パでサンデイン
グしたステンレス板に、2Kgのロ―ラを1往復させる方
式で圧着し、23℃で20分間経過後、23℃、65%
RHの雰囲気下、引張速度300mm/分の条件で、18
0°剥離に要する力を測定した。
【0041】<保持力>フエノ―ル樹脂板に、粘着テ―
プを、10mm×20mmの接着面積で接着して、20分経
過後、80℃下に20分間放置し、ついで、フエノ―ル
樹脂板を垂下して粘着テ―プの自由端に500gの均一
荷重を負荷し、80℃において、粘着テ―プが落下する
までの時間を測定した。
【0042】
【0043】上記の表1から明らかなように、実施例
1,2の粘着テ―プは、比較例1〜4の粘着テ―プに比
べ、塗工性および放射線硬化性にすぐれるため、製造作
業が容易で、放射線硬化後において接着力と保持力との
バランス特性にすぐれており、環境衛生、安全性、耐水
性および耐熱性にすぐれる放射線硬化型のホツトメルト
粘着剤としてその利点を十分に生かせるものであること
がわかる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明は、特定の塊状重
合により多角度光散乱法により測定される絶対分子量が
ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラフイ―法により測定
されるポリスチレン換算の重量平均分子量に対して一定
の関係にあるアクリル系重合体を得、これを粘着性ポリ
マ―として用いたことにより、低い溶融粘度を有して改
善された塗工性を示し、かつ放射線硬化性にもすぐれた
放射線硬化型粘着剤組成物と、その粘着シ―ト類を提供
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを
    必須の単量体とし、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラ
    フイ―法により測定されるポリスチレン換算の重量平均
    分子量が10万〜70万で、多角度光散乱法により測定
    される絶対分子量が上記の重量平均分子量に対して2〜
    20倍であるアクリル系重合体を含有することを特徴と
    する放射線硬化型粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 支持体の片面または両面に請求項1に記
    載の粘着剤組成物を放射線硬化した層を有することを特
    徴とする粘着シ―ト類。
  3. 【請求項3】 連続供給された内容物を表面更新しつつ
    連続的に移送する構造を有してかつ移送過程の全域にわ
    たり所定温度に加熱制御された反応器内で、(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステルを必須とした重合原料を連続
    的に塊状重合して、ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラ
    フイ―法により測定されるポリスチレン換算の重量平均
    分子量が10万〜70万で、多角度光散乱法により測定
    される絶対分子量が上記の重量平均分子量に対して2〜
    20倍であるアクリル系重合体を得ることを特徴とする
    放射線硬化型粘着剤組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の方法で製造した放射線硬化型
    粘着剤組成物を、支持体の片面または両面に塗工したの
    ち、放射線を照射して硬化させることを特徴とする粘着
    シ―ト類の製造方法。
JP10035247A 1998-02-17 1998-02-17 放射線硬化型粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらの製造方法 Pending JPH11228926A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10035247A JPH11228926A (ja) 1998-02-17 1998-02-17 放射線硬化型粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10035247A JPH11228926A (ja) 1998-02-17 1998-02-17 放射線硬化型粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11228926A true JPH11228926A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12436517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10035247A Pending JPH11228926A (ja) 1998-02-17 1998-02-17 放射線硬化型粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11228926A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266514A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Soken Chem & Eng Co Ltd 末端反応性アクリル系ポリマーからなる粘着剤組成物およびその用途
JP2017193601A (ja) * 2016-04-18 2017-10-26 綜研化学株式会社 光硬化型粘着剤前駆体組成物、光硬化型粘着剤、及び光硬化型粘着剤の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266514A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Soken Chem & Eng Co Ltd 末端反応性アクリル系ポリマーからなる粘着剤組成物およびその用途
JP2017193601A (ja) * 2016-04-18 2017-10-26 綜研化学株式会社 光硬化型粘着剤前駆体組成物、光硬化型粘着剤、及び光硬化型粘着剤の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI359157B (en) Method to produce uv-curable solventless acrylate-
JP5068922B2 (ja) ホットメルトアクリル感圧接着剤の使用方法
JP6202133B2 (ja) アクリル系粘着テープ及びその製造方法
TW201031725A (en) Pressure sensitive adhesive transfer tape and process to manufacture a pressure sensitive adhesive tape
JP5966581B2 (ja) 両面粘着テープ及びその製造方法
JPH10508636A (ja) 安定性のある低硬化温度の準構造用感圧接着剤
JPH09512054A (ja) 熱ラジカル接着剤、その硬化方法及びそれによって製造される製品
JP2018515642A (ja) 架橋に発光ダイオードを使用する架橋感圧性接着剤の調製方法
JP2988549B2 (ja) 両面粘着テープの製造方法
JPH0790229A (ja) 光重合性組成物、それを用いた接着性テープおよび粘着性テープ
JP3492011B2 (ja) アクリル系粘着シートの製造方法
JPH08311414A (ja) アクリル系粘着テープ
JPH11228926A (ja) 放射線硬化型粘着剤組成物とその粘着シ―ト類およびこれらの製造方法
WO2019031084A1 (ja) 紫外線硬化型アクリル系ポリマー及びその製造方法並びに紫外線硬化型ホットメルト接着剤
JPH08269411A (ja) 粘着シ―ト類の製造方法
JP3611653B2 (ja) アクリル系感圧性接着剤、その接着シ―ト類およびこれらの製造方法
JP2609484B2 (ja) 粘着テープの製造方法及び粘着テープ
JPH0848944A (ja) 放射線硬化型粘着剤組成物および該組成物を用いてなる粘着テープもしくはシート
JPH1053608A (ja) 光重合性組成物
JPH11209725A (ja) 粘着剤組成物とその粘着シ―ト類の製造方法
JP3084690B2 (ja) 重合体の製造方法
JPH0657216A (ja) 放射線硬化型粘着剤と粘着テ―プ
JPH093413A (ja) アクリル系粘着シート
KR102267309B1 (ko) 광경화성 점착제 조성물 및 점착 필름
JPH08113603A (ja) アクリル系粘着剤の製造方法