JPH11228643A - 眼用レンズ材料およびその製法 - Google Patents

眼用レンズ材料およびその製法

Info

Publication number
JPH11228643A
JPH11228643A JP10034800A JP3480098A JPH11228643A JP H11228643 A JPH11228643 A JP H11228643A JP 10034800 A JP10034800 A JP 10034800A JP 3480098 A JP3480098 A JP 3480098A JP H11228643 A JPH11228643 A JP H11228643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ophthalmic lens
carbon atoms
acrylate
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10034800A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitoshi Itou
恵利 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Menicon Co Ltd filed Critical Menicon Co Ltd
Priority to JP10034800A priority Critical patent/JPH11228643A/ja
Priority to US09/248,264 priority patent/US6255362B1/en
Priority to EP99103052A priority patent/EP0937998A3/en
Publication of JPH11228643A publication Critical patent/JPH11228643A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • G02B1/043Contact lenses

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性はもちろん、耐汚染性および柔軟性に
も同時にすぐれた眼用レンズ材料およびこれの容易な製
法を提供すること。 【解決手段】 (A)ケイ素含有アルキルアクリレート
20〜50重量%、(B)重合性基が1個以上のウレタ
ン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているポリシロ
キサンマクロモノマー20〜50重量%、(C)ヒドロ
キシアルキルアクリレートの少なくとも1種およびヒド
ロキシアルキルメタクリレートの少なくとも1種10〜
50重量%ならびに(D)2以上の重合性基を有する架
橋性化合物0.01〜10重量%を含有した眼用レンズ
用重合成分を重合させてえられる重合体からなる眼用レ
ンズ材料ならびにその製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼用レンズ材料お
よびその製法に関する。さらに詳しくは、とくに耐汚染
性および柔軟性に同時にいちじるしくすぐれたソフトコ
ンタクトレンズなどのコンタクトレンズ、眼内レンズな
どの眼用レンズ材料および該眼用レンズ材料をきわめて
容易に製造しうる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、とくにソフトコンタクトレンズ用
材料としては、耐汚染性に着目して、たとえばフッ素を
含有したモノマーやマクロモノマーを用いた共重合体か
らなる材料が提案されているが、かかる材料は、確かに
ある程度の耐汚染性は有するものの、柔軟性に劣るもの
であった。
【0003】また材料に含水性を付与し、柔軟性をうる
ために、たとえば水酸基含有親水性モノマーなどを用い
た共重合体からなる材料が提案されているが、かかる材
料は、その柔軟性が不充分なものであった。
【0004】また前記2つの材料は、いずれも脂質との
親和性を有し、付着した脂質などによってレンズが白濁
してしまい、光学的特性を損なうというように、耐汚染
性が不充分なものであった。
【0005】このように、とくに耐汚染性および柔軟性
にいちじるしくすぐれ、これらを併せ持ったコンタクト
レンズ用材料は未だ見出されていない。
【0006】一方、眼内レンズ用材料としては、その柔
軟性に着目して、ケイ素および/またはフッ素を含有し
たモノマーやマクロモノマーからなる材料が提案されて
いる。
【0007】しかしながら、前記材料は、やはり脂質と
の親和性を有し、眼内に挿入した際にレンズが白濁して
しまい、光学的特性を損なうという問題がある。
【0008】このように、とくに耐汚染性および柔軟性
に同時にすぐれたコンタクトレンズや眼内レンズ用の材
料およびその容易な製法は未だ見出されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、透明性にすぐれること
はもちろんのこと、とくに耐汚染性および柔軟性にも同
時にすぐれた眼用レンズ材料およびその容易な製法を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (A)ケイ素含有アルキルアクリレート20〜50重
量%、(B)一般式(I): A1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 (I) (式中、A1は一般式(II): Y21−R31− (II) (式中、Y21はアクリロイルオキシ基、R31は炭素数2
〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
で表わされる基;A2は一般式(III): Y22−R34− (III) (式中、Y22はアクリロイルオキシ基、R34は炭素数2
〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
で表わされる基;U1は一般式(IV): −X21−E21−X25−R32− (IV) (式中、X21は共有結合、酸素原子またはアルキレング
リコール基、E21は−NHCO−基(ただし、このばあ
い、X21は共有結合であり、E21はX25とウレタン結合
を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系および
芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基
(ただし、このばあい、X21は酸素原子またはアルキレ
ングリコール基であり、E21はX21およびX25のあいだ
でウレタン結合を形成している);X25は酸素原子また
はアルキレングリコール基;R32は炭素数1〜6の直鎖
または分岐鎖を有するアルキレン基を示す);S1およ
びS2はそれぞれ独立して一般式(V):
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R23、R24、R25、R26、R27
よびR28はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基、Kは1〜1500の整数、Lは0〜
1500の整数であり、K+Lは1〜1500の整数で
ある);U2は一般式(VI): −R37−X27−E24−X28−R38− (VI) (式中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜
6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基;X27およ
びX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレング
リコール基;E24は飽和脂肪族系、脂環式系および芳香
族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(た
だし、このばあい、E24はX27とX28とのあいだでウレ
タン結合を形成している);U3は一般式(VII): −R33−X26−E22−X22− (VII) (式中、R33は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖を有す
るアルキレン基、X22は共有結合、酸素原子またはアル
キレングリコール基、X26は酸素原子またはアルキレン
グリコール基、E22は−NHCO−基(ただし、このば
あい、X22は共有結合であり、E22はX26とウレタン結
合を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系およ
び芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の
基(ただし、このばあい、X22は酸素原子またはアルキ
レングリコール基であり、E22はX22およびX26のあい
だでウレタン結合を形成している)で表わされる基、n
は1〜10の整数を示す)で表わされる重合性基が1個
以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合して
いるポリシロキサンマクロモノマー20〜50重量%、
(C)ヒドロキシアルキルアクリレートの少なくとも1
種およびヒドロキシアルキルメタクリレートの少なくと
も1種10〜50重量%、ならびに(D)2以上の重合
性基を有する架橋性化合物0.01〜10重量%を含有
した眼用レンズ用重合成分を重合させてえられる重合体
からなる眼用レンズ材料、ならびに (A)ケイ素含有アルキルアクリレート20〜50重
量%、(B)一般式(I): A1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 (I) (式中、A1は一般式(II): Y21−R31− (II) (式中、Y21はアクリロイルオキシ基、R31は炭素数2
〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
で表わされる基;A2は一般式(III): Y22−R34− (III) (式中、Y22はアクリロイルオキシ基、R34は炭素数2
〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
で表わされる基;U1は一般式(IV): −X21−E21−X25−R32− (IV) (式中、X21は共有結合、酸素原子またはアルキレング
リコール基、E21は−NHCO−基(ただし、このばあ
い、X21は共有結合であり、E21はX25とウレタン結合
を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系および
芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基
(ただし、このばあい、X21は酸素原子またはアルキレ
ングリコール基であり、E21はX21およびX25のあいだ
でウレタン結合を形成している);X25は酸素原子また
はアルキレングリコール基;R32は炭素数1〜6の直鎖
または分岐鎖を有するアルキレン基を示す);S1およ
びS2はそれぞれ独立して一般式(V):
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R23、R24、R25、R26、R27
よびR28はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基、Kは1〜1500の整数、Lは0〜
1500の整数であり、K+Lは1〜1500の整数で
ある);U2は一般式(VI): −R37−X27−E24−X28−R38− (VI) (式中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜
6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基;X27およ
びX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレング
リコール基;E24は飽和脂肪族系、脂環式系および芳香
族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(た
だし、このばあい、E24はX27とX28とのあいだでウレ
タン結合を形成している);U3は一般式(VII): −R33−X26−E22−X22− (VII) (式中、R33は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖を有す
るアルキレン基、X22は共有結合、酸素原子またはアル
キレングリコール基、X26は酸素原子またはアルキレン
グリコール基、E22は−NHCO−基(ただし、このば
あい、X22は共有結合であり、E22はX26とウレタン結
合を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系およ
び芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の
基(ただし、このばあい、X22は酸素原子またはアルキ
レングリコール基であり、E22はX22およびX26のあい
だでウレタン結合を形成している)で表わされる基、n
は1〜10の整数を示す)で表わされる重合性基が1個
以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合して
いるポリシロキサンマクロモノマー20〜50重量%、
(C)ヒドロキシアルキルアクリレートの少なくとも1
種およびヒドロキシアルキルメタクリレートの少なくと
も1種10〜50重量%、ならびに(D)2以上の重合
性基を有する架橋性化合物0.01〜10重量%を含有
した眼用レンズ用重合成分と、該重合成分を溶解しうる
有機溶媒(I)とを混合し、えられた混合物を所望の眼
用レンズ形状を有する鋳型内に注入したのち、重合反応
を行なって重合体を製造し、前記鋳型内から脱離させた
重合体を、有機溶媒(I)との相溶性を有する水溶性有
機溶媒(II)中に浸漬させたのち、前記重合体に水和処
理を施すことを特徴とする眼用レンズ材料の製法に関す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の眼用レンズ材料は、前記
したように、ケイ素含有アルキルアクリレート(A)2
0〜50重量%、一般式(I)で表わされるポリシロキ
サンマクロモノマー(B)20〜50重量%、ヒドロキ
シアルキルアクリレートの少なくとも1種およびヒドロ
キシアルキルメタクリレートの少なくとも1種(C)1
0〜50重量%ならびに2以上の重合性基を有する架橋
性化合物(D)0.01〜10重量%を含有した眼用レ
ンズ用重合成分を重合させてえられる重合体からなるも
のである。
【0016】本発明においては、これら特定の(A)〜
(D)成分をそれぞれ特定量含有した眼用レンズ用重合
成分が用いられるが、とくに(C)成分であるヒドロキ
シアルキルアクリレートとヒドロキシアルキルメタクリ
レートとが併用されているので、えられる眼用レンズ材
料は、ヒドロキシアルキルアクリレートに基づくすぐれ
た柔軟性と、ヒドロキシアルキルメタクリレートに基づ
くすぐれた耐汚染性とを併有する。
【0017】前記ケイ素含有アルキルアクリレート
(A)は、主に眼用レンズ材料に酸素透過性を付与し、
さらに柔軟性をも付与する成分である。
【0018】ケイ素含有アルキルアクリレート(A)の
代表例としては、たとえばペンタメチルジシロキサニル
メチルアクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリ
ルプロピルアクリレート、メチルビス(トリメチルシロ
キシ)シリルプロピルアクリレート、トリス(トリメチ
ルシロキシ)シリルプロピルアクリレート、モノ[メチ
ルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメ
チルシロキシ)シリルプロピルアクリレート、トリス
[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリル
プロピルアクリレート、トリメチルシリルメチルアクリ
レート、トリメチルシリルプロピルアクリレート、メチ
ルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチルテトラメチ
ルジシロキサニルメチルアクリレート、テトラメチルト
リイソプロピルシクロテトラシロキサニルプロピルアク
リレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラ
シロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルア
クリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピ
ルアクリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。
【0019】これらのなかでは、眼用レンズ材料に高酸
素透過性および柔軟性を同時に付与する効果がより大き
いという観点から、トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルアクリレートがとくに好ましい。
【0020】ケイ素含有アルキルアクリレート(A)の
重合成分中の含有量は、眼用レンズ材料に充分に酸素透
過性および柔軟性を付与するためには、20重量%以
上、好ましくは25重量%以上である。また、眼用レン
ズ材料の形状保持性が低下するおそれをなくすために
は、ケイ素含有アルキルアクリレート(A)の重合成分
中に含有量は、50重量%以下、好ましくは45重量%
以下である。
【0021】本発明に用いられるポリシロキサンマクロ
モノマー(B)は、一般式(I): A1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 (I) (式中、A1は一般式(II): Y21−R31− (II) (式中、Y21はアクリロイルオキシ基、R31は炭素数2
〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
で表わされる基;A2は一般式(III): Y22−R34− (III) (式中、Y22はアクリロイルオキシ基、R34は炭素数2
〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
で表わされる基;U1は一般式(IV): −X21−E21−X25−R32− (IV) (式中、X21は共有結合、酸素原子またはアルキレング
リコール基、E21は−NHCO−基(ただし、このばあ
い、X21は共有結合であり、E21はX25とウレタン結合
を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系および
芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基
(ただし、このばあい、X21は酸素原子またはアルキレ
ングリコール基であり、E21はX21およびX25のあいだ
でウレタン結合を形成している);X25は酸素原子また
はアルキレングリコール基;R32は炭素数1〜6の直鎖
または分岐鎖を有するアルキレン基を示す);S1およ
びS2はそれぞれ独立して一般式(V):
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R23、R24、R25、R26、R27
よびR28はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基
またはフェニル基、Kは1〜1500の整数、Lは0〜
1500の整数であり、K+Lは1〜1500の整数で
ある);U2は一般式(VI): −R37−X27−E24−X28−R38− (VI) (式中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜
6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基;X27およ
びX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレング
リコール基;E24は飽和脂肪族系、脂環式系および芳香
族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(た
だし、このばあい、E24はX27とX28とのあいだでウレ
タン結合を形成している);U3は一般式(VII): −R33−X26−E22−X22− (VII) (式中、R33は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖を有す
るアルキレン基、X22は共有結合、酸素原子またはアル
キレングリコール基、X26は酸素原子またはアルキレン
グリコール基、E22は−NHCO−基(ただし、このば
あい、X22は共有結合であり、E22はX26とウレタン結
合を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系およ
び芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の
基(ただし、このばあい、X22は酸素原子またはアルキ
レングリコール基であり、E22はX22およびX26のあい
だでウレタン結合を形成している)で表わされる基、n
は1〜10の整数を示す)で表わされる重合性基が1個
以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合して
いるものである。
【0024】前記ポリシロキサンマクロモノマー(B)
は、主に眼用レンズ材料に機械的強度を付与し、さらに
柔軟性を付与する成分である。
【0025】ポリシロキサンマクロモノマー(B)の重
合成分中の含有量は、眼用レンズ材料に充分に機械的強
度および柔軟性を付与するためには、20重量%以上、
好ましくは25重量%以上である。また、眼用レンズ材
料の形状保持性が低下するおそれをなくすためには、ポ
リシロキサンマクロモノマー(B)の重合成分中の含有
量は、50重量%以下、好ましくは45重量%以下であ
る。
【0026】前記ヒドロキシアルキルアクリレートの少
なくとも1種およびヒドロキシアルキルメタクリレート
の少なくとも1種(C)のうち、ヒドロキシアルキルア
クリレートは、眼用レンズ材料にとくに柔軟性を付与す
る成分であり、ヒドロキシアルキルメタアクリレート
は、眼用レンズ材料にとくに耐脂質汚染性などの耐汚染
性を付与する成分である。
【0027】本発明において、これらヒドロキシアルキ
ルアクリレートとヒドロキシアルキルメタクリレートと
が併用されていることに大きな特徴があり、両者が併用
されていることから、すぐれた柔軟性と耐汚染性とが眼
用レンズ材料に同時に付与される。
【0028】ヒドロキシアルキルアクリレートの代表例
としては、たとえば2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジ
ヒドロキシプロピルアクリレート、2,3−ジヒドロキ
シ−2−メチルプロピルアクリレートなどの炭素数1〜
10のアルキル基を有するヒドロキシアルキルアクリレ
ートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。
【0029】これらのなかでは、眼用レンズ材料に柔軟
性を付与する効果が大きく、取扱いやすいという観点か
ら、2−ヒドロキシエチルアクリレートがとくに好まし
い。
【0030】ヒドロキシアルキルメタクリレートの代表
例としては、たとえば2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,3
−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、2,3−ジヒ
ドロキシ−2−メチルプロピルメタクリレートなどの炭
素数1〜10のアルキル基を有するヒドロキシアルキル
メタクリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは
2種以上を混合して用いることができる。
【0031】これらのなかでは、眼用レンズ材料に耐汚
染性を付与する効果が大きく、取扱いやすいという観点
から、2−ヒドロキシエチルメタクリレートがとくに好
ましい。
【0032】このように、眼用レンズ材料に柔軟性およ
び耐汚染性を同時に付与する効果をより充分に発現させ
るためには、炭素数1〜10のアルキル基を有するヒド
ロキシアルキルアクリレートおよび炭素数1〜10のア
ルキル基を有するヒドロキシアルキルメタクリレートを
組合わせて用いることが好ましく、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを組合わせて用いることがとくに好ましい。
【0033】ヒドロキシアルキルアクリレートの少なく
とも1種およびヒドロキシアルキルメタクリレートの少
なくとも1種(C)の重合成分中の含有量は、眼用レン
ズ材料に充分に柔軟性および耐汚染性を付与するために
は、10重量%以上、好ましくは15重量%以上であ
る。また、眼用レンズ材料の酸素透過性が低下するおそ
れをなくすためには、ヒドロキシアルキルアクリレート
の少なくとも1種およびヒドロキシアルキルメタクリレ
ートの少なくとも1種(C)の重合成分中の含有量は、
50重量%以下、好ましくは45重量%以下である。
【0034】なお、ヒドロキシアルキルアクリレートの
少なくとも1種とヒドロキシアルキルメタクリレートの
少なくとも1種との重量比にはとくに限定がないが、充
分に柔軟性を付与し、すぐれた形状回復性を維持すると
いう点を考慮すると、かかる重量比(ヒドロキシアルキ
ルアクリレート/ヒドロキシアルキルメタクリレート)
が20/80以上、好ましくは30/70以上であるこ
とが望ましい。また充分に耐汚染性を付与するという点
を考慮すると、かかる重量比が80/20以下、好まし
くは70/30以下であることが望ましい。
【0035】前記2以上の重合性基を有する架橋性化合
物(D)は、主に眼用レンズ材料にすぐれた形状保持性
を付与し、また眼用レンズ材料の透明性などの光学的特
性をさらに向上させる成分である。
【0036】架橋性化合物(D)の代表例としては、た
とえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレ
ート、ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキ
ジエチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフ
タレート、アジピン酸ジアリル、トリアリルイソシアヌ
レート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビ
ニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジ
ル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(p−(メタ)
アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(m−(メタ)アクリロイルオキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(o−
(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス(p−(メタ)アクリロイルオ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(m−(メタ)
アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(o−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパ
ン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘ
キサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス
(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソ
プロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アク
リロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)ア
クリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビ
ス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベ
ンゼンなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上
を混合して用いることができる。
【0037】これらのなかでは、眼用レンズ材料に形状
保持性を付与する効果および眼用レンズ材料の光学的特
性の向上効果が大きく、取扱いやすいという観点から、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好まし
い。
【0038】架橋性化合物(D)の重合成分中の含有量
は、眼用レンズ材料に充分に形状保持性を付与し、その
光学的特性が充分に向上されるようにするためには、
0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上で
ある。また、眼用レンズ材料の硬度が高くなりすぎて、
柔軟性がいちじるしく低下するおそれをなくすために
は、架橋性化合物(D)の重合成分中の含有量は、10
重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
【0039】さらに、本発明においては、前記ケイ素含
有アルキルアクリレート(A)、ポリシロキサンマクロ
モノマー(B)、ヒドロキシアルキルアクリレートの少
なくとも1種およびヒドロキシアルキルメタクリレート
の少なくとも1種(C)ならびに架橋性化合物(D)の
ほかにも、目的とする眼用レンズ材料の性質に応じて、
これら(A)〜(D)成分と共重合可能な重合性化合物
(E)を重合成分に含有させることができる。
【0040】たとえば、硬度を調節して眼用レンズ材料
に硬質性または軟質性を付与しようとするばあいには、
たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n
−プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)
アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル
(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレー
ト、n−ドデシル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレー
ト、t−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ノ
ニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル
(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)
アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エチ
ルチオエチル(メタ)アクリレート、メチルチオエチル
(メタ)アリクレートなどの直鎖状、分岐鎖状または環
状のアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキ
ル(メタ)アクリレート、アルキルチオアルキル(メ
タ)アクリレート;スチレン;α−メチルスチレン;メ
チルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブ
チルスチレン、t−ブチルスチレン、イソブチルスチレ
ン、ペンチルスチレンなどのアルキルスチレン;メチル
−α−メチルスチレン、エチル−α−メチルスチレン、
プロピル−α−メチルスチレン、ブチル−α−メチルス
チレン、t−ブチル−α−メチルスチレン、イソブチル
−α−メチルスチレン、ペンチル−α−メチルスチレン
などのアルキル−α−メチルスチレンなどを重合性化合
物(E)として用いることが好ましい。これらは単独で
または2種以上を混合して用いることができる。
【0041】また、前記ケイ素含有アルキルアクリレー
ト(A)およびポリシロキサンマクロモノマー(B)と
ヒドロキシアルキルアクリレートの少なくとも1種およ
びヒドロキシアルキルメタクリレートの少なくとも1種
(C)との相溶性を向上させ、またえられる眼用レンズ
材料に親水性を付与させようとするばあいには、たとえ
ば2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2
−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(ア
ルキル)アミノアルキル(メタ)アクリレート;N,N
−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルエチル(メ
タ)アクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルア
ミド;プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート
などのアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト;N−ビニルピロリドンなどのN−ビニルラクタム;
(メタ)アクリル酸;無水マレイン酸;フマル酸;フマ
ル酸誘導体;アミノスチレン;ヒドロキシスチレンなど
を重合性化合物(E)として用いることが好ましい。こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0042】前記重合性化合物(E)の重合成分中の含
有量は、重合成分全量が100重量%となるように適宜
調整すればよい。前記ケイ素含有アルキルアクリレート
(A)、ポリシロキサンマクロモノマー(B)、ヒドロ
キシアルキルアクリレートの少なくとも1種およびヒド
ロキシアルキルメタクリレートの少なくとも1種(C)
ならびに架橋性化合物(D)と重合性化合物(E)とを
併用するばあい、これら(A)〜(D)成分の含有量が
少なくなりすぎて、これらを用いたことによる効果が充
分に発現されなくなるおそれをなくすためには、重合性
化合物(E)の重合成分中の含有量は、50重量%以
下、好ましくは45重量%以下とすることが望ましい。
また、該重合性化合物(E)を用いたことによる効果が
充分に発現されるようにするためには、かかる重合性化
合物(E)の重合成分中の含有量は、1.5重量%以
上、好ましくは3重量%以上であることが望ましい。
【0043】本発明の眼用レンズ材料の製法において、
その種類および配合量を適宜調整した重合成分には、後
述する加熱重合法、光重合法などの重合法に応じてラジ
カル重合開始剤、光重合開始剤、光重合増感剤などを添
加すればよい。
【0044】前記ラジカル重合開始剤の代表例として
は、たとえばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジ
メチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイ
ドなどがあげられる。
【0045】前記光重合開始剤の代表例としては、たと
えばメチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベン
ゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−
ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフ
ェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、
N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノ
ンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プ
ロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ム;2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサン
ソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾス
バロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンア
クリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられ
る。
【0046】前記光重合増感剤の代表例としては、たと
えば1,2−ベンゾアントラキノンなどがあげられる。
【0047】ラジカル重合開始剤、光重合開始剤、光重
合増感剤などは、これらのなかから1種または2種以上
を適宜選択して用いればよい。これらの使用量は、重合
成分全量100部(重量部、以下同様)に対して0.0
02〜2部程度、好ましくは0.01〜1部程度である
ことが望ましい。
【0048】つぎに、本発明の眼用レンズ材料の製法に
おいて、前記重合成分と、該重合成分を溶解しうる有機
溶媒(I)とを混合する。
【0049】前記有機溶媒(I)は、本発明に用いられ
る眼用レンズ用重合成分を溶解しうるものであるので、
両者を混合させてえられた混合物は均一化され、のちの
重合反応時において相分離が生じず、えられる重合体が
白濁しない。
【0050】有機溶媒(I)の代表例としては、たとえ
ばエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、オクタノール、デカノールなどの炭
素数1〜12のアルコール;アセトン、メチルエチルケ
トンなどの炭素数2〜4のケトン;アセトニトリル、ク
ロロホルムなどがあげられる。該有機溶媒(I)は、重
合成分の種類に応じ、用いた重合成分を溶解しうるもの
を適宜選択して用いればよい。また、これらは単独でま
たは2種以上を混合して用いることができる。前記有機
溶媒(I)のなかでは、たとえばとくにケイ素含有アル
キルアクリレート(A)、ポリシロキサンマクロモノマ
ー(B)、ヒドロキシアルキルアクリレートの少なくと
も1種およびヒドロキシアルキルメタクリレートの少な
くとも1種(C)などの重合成分の溶解性にすぐれると
いう観点から、炭素数1〜12のアルコールおよび炭素
数2〜4のケトンが好ましい。
【0051】なお、ケイ素含有アルキルアクリレート
(A)およびポリシロキサンマクロモノマー(B)とヒ
ドロキシアルキルアクリレートの少なくとも1種および
ヒドロキシアルキルメタクリレートの少なくとも1種
(C)との共重合性をより向上させるためには、有機溶
媒(I)として、ブタノールおよびペンタノールの少な
くとも1種を用いることが好ましい。また、後述する重
合反応時の発熱による揮発を防ぐためには、有機溶媒
(I)として、その沸点が40℃程度以上、好ましくは
100℃程度以上の溶媒を用いることが望ましく、また
溶媒を除去する際の加熱による眼用レンズ材料の変形を
防ぐためには、有機溶媒(I)として、その沸点が15
0℃程度以下の溶媒を用いることが望ましい。したがっ
て、かかる観点からも、重合成分と混合させる有機溶媒
(I)として、ブタノール(沸点117℃)およびペン
タノール(沸点102〜137℃)の少なくとも1種が
好適に用いられる。
【0052】前記重合成分と有機溶媒(I)との混合割
合は、重合成分が有機溶媒(I)に充分に溶解するよう
にするためには、重合成分と有機溶媒(I)との重量比
(重合成分/有機溶媒(I))が75/25以下、好ま
しくは70/30以下であることが望ましい。また、え
られる重合体中に有機溶媒(I)が多く残存しすぎて、
後述する有機溶媒(II)への相溶が困難となるおそれを
なくすためには、前記重量比が30/70以上、好まし
くは35/65以上であることが望ましい。
【0053】つぎに、本発明の眼用レンズ材料の製法に
おいて、重合成分と有機溶媒(I)とを混合してえられ
た混合物を所望の眼用レンズ形状を有する鋳型内に注入
したのち、重合反応を行なって重合体を製造する。
【0054】前記鋳型は、たとえばコンタクトレンズ形
状、眼内レンズ形状などの所望の眼用レンズ形状を有す
るものであればよい。なお、眼内レンズをえようとする
ばあいには、レンズ部と支持部とが一体化されたワンピ
ース眼内レンズに対応した鋳型を用いてもよく、レンズ
部および支持部それぞれの形状に対応した鋳型を用いて
もよい。
【0055】鋳型内に重合成分と有機溶媒(I)との混
合物を注入したのち、重合反応を行なって重合体を製造
する。かかる重合反応の方法にはとくに限定がなく、通
常の方法を採用することができる。
【0056】前記重合反応の方法としては、たとえば前
記ラジカル重合開始剤が配合された重合成分と有機溶媒
(I)との混合物を、まずたとえば30〜60℃程度に
て数時間〜数10時間加熱して重合させ、ついで120
〜140℃程度まで数時間〜10数時間で順次昇温して
重合を完結させる方法(加熱重合法)、前記光重合開始
剤が配合された重合成分と有機溶媒(I)との混合物
を、たとえば紫外線などの光重合開始剤の活性化の吸収
帯に応じた波長の光線を照射して重合させる方法(光重
合法)、加熱重合法と光重合法とを組合せて重合を行な
う方法などがあげられる。
【0057】なお、前記加熱重合法を用いるばあいに
は、恒温槽または恒温室内で加熱してもよく、またマイ
クロ波のような電磁波を照射してもよく、その加熱は段
階的に行なってもよい。また、前記光重合法を用いるば
あいには、前記光重合増感剤をさらに添加してもよい。
【0058】つぎに、本発明の眼用レンズの製法におい
ては、かくしてえられた重合体を鋳型内から脱離させ、
該重合体を有機溶媒(I)との相溶性を有する水溶性有
機溶媒(II)中に浸漬させる。
【0059】本発明において、このように重合体を有機
溶媒(I)との相溶性を有する水溶性有機溶媒(II)に
浸漬させる操作を行なうことに大きな特徴の1つがあ
る。
【0060】えられた重合体中には、重合反応時に用い
た有機溶媒(I)のほかにも、未反応の重合成分が含ま
れている。しかしながら、かかる重合体を、有機溶媒
(I)との相溶性を有する水溶性有機溶媒(II)中に浸
漬させることにより、該有機溶媒(II)が重合体中に浸
入し、該有機溶媒(II)と、重合体中に含まれた有機溶
媒(I)とが相溶して重合体中の有機溶媒(I)が希釈
され、重合体中の未反応の重合成分は、有機溶媒(II)
中に溶出する。
【0061】したがって、従来のように単に有機溶媒を
用いて溶液重合を行なったばあいとは異なり、本発明に
おいては、重合反応時の未反応の重合成分および有機溶
媒(I)が重合体中に残留して相分離や白濁を起こすお
それがなく、また有機溶媒(II)が重合体中に残留して
白濁を起こすおそれもなく、えられる眼用レンズ材料の
安全性が向上する。
【0062】有機溶媒(II)は、前記したように、有機
溶媒(I)を希釈させるために、該有機溶媒(I)との
相溶性を有する溶媒である。また後述するように、たと
え該有機溶媒(II)が除去されずにわずかでも重合体に
残存していたとしても、つぎの水和処理によって完全に
除去されるように、該有機溶媒(II)は、水溶性を呈す
る溶媒であればよく、さらに揮発性が高く、たとえば1
00℃程度以下の比較的低沸点を有する溶媒であること
が好ましい。
【0063】有機溶媒(II)の代表例としては、たとえ
ばメタノール、エタノール、プロパノールなどの炭素数
1〜3のアルコール;アセトン、メチルエチルケトンな
どの炭素数2〜4のケトンなどがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。な
お、かかる有機溶媒(II)の種類と前記有機溶媒(I)
の種類は同一であってもよく、異なっていてもよく、と
くに限定がない。
【0064】前記有機溶媒(II)のなかでは、有機溶媒
(I)との相溶性にすぐれ、たとえばとくにケイ素含有
アルキルアクリレート(A)、ポリシロキサンマクロモ
ノマー(B)、ヒドロキシアルキルアクリレートの少な
くとも1種およびヒドロキシアルキルメタクリレートの
少なくとも1種(C)などの重合成分との相溶性にすぐ
れ、未反応のこれらの重合成分が溶出しやすいという観
点から、炭素数1〜3のアルコールおよび炭素数2〜4
のケトンが好ましい。
【0065】なお、本発明において、有機溶媒(I)と
してブタノールおよびペンタノールの少なくとも1種を
用いるばあい、重合体中のブタノールおよびペンタノー
ルの少なくとも1種の希釈および重合体中のとくにケイ
素含有アルキルアクリレート(A)およびポリシロキサ
ンマクロモノマー(B)を多く含む未反応の重合成分の
溶出がより効果的に行なわれるという観点から、有機溶
媒(II)としてエタノールおよびプロパノールの少なく
とも1種を用いることが好ましい。このように、ブタノ
ールおよびペンタノールの少なくとも1種との相溶性に
すぐれ、またつぎの工程である水和処理時に速やかかつ
容易に除去される水溶性が高いエタノールおよびプロパ
ノールの少なくとも1種を用いることが好ましい。
【0066】重合体を有機溶媒(II)に浸漬させる時間
は、重合体の種類などによって異なるので、一概には決
定することができない。かかる時間は、たとえば最終的
にえられる眼用レンズ材料中に含まれる未反応の重合成
分の量が5重量%以下となり、また重合体中の有機溶媒
(I)が充分に希釈されるのに要する時間、たとえば4
0〜100分間程度であることが好ましい。
【0067】また、前記重合体を有機溶媒(II)に浸透
させる際には、有機溶媒(I)などの有機溶媒(II)中
への溶出性を促進するために、有機溶媒(II)中に、た
とえば後述する方法で通気させてもよい。
【0068】つぎに、本発明の眼用レンズ材料の製法に
おいては、前記重合体を有機溶媒(II)中に浸漬させた
のち、該重合体に後述する水和処理を施す前に、該重合
体を乾燥させることが好ましい。
【0069】このように重合体を乾燥させたばあいに
は、重合体中に残存している可能性を有する有機溶媒
(I)がより確実に除去され、重合体中に浸入した有機
溶媒(II)が充分に除去されるという利点がある。と
くに、有機溶媒(II)として低沸点を有するエタノー
ル(沸点79℃)およびプロパノール(沸点82℃)の
少なくとも1種を用いたばあい、重合体を乾燥させる
と、これらとケイ素含有アルキルアクリレート(A)と
の共沸効果によって、エタノールおよびプロパノールの
少なくとも1種自体の沸点が低下し、これらの除去がよ
り容易になる。
【0070】重合体を有機溶媒(II)に浸漬させたの
ち、乾燥させる際の乾燥温度は、有機溶媒(I)が相溶
した有機溶媒(II)が充分に除去される程度であればよ
く、とくに限定がない。かかる乾燥温度は、短時間で有
機溶媒(II)が充分に除去される温度であることおよび
重合体の変形温度未満であることが好ましく、たとえ
ば、通常、40〜110℃程度であることが好ましい。
【0071】前記重合体の乾燥時間は、乾燥温度と同様
に有機溶媒(II)が充分に除去される程度であればよ
く、とくに限定がない。かかる乾燥時間は、通常、5〜
100分間程度であることが好ましい。
【0072】また、前記重合体の乾燥方法としては、た
とえば空気乾燥法、乾燥剤を用いる方法、熱による乾燥
方法、減圧乾燥法などがあげられる。
【0073】つぎに、必要に応じて乾燥させた重合体に
水和処理を施すことにより、本発明の眼用レンズ材料が
えられる。
【0074】ここで、重合体に水和処理を施すことによ
り、たとえわずかでも重合体に、未反応の重合成分およ
び有機溶媒(I)を含有している可能性がある有機溶媒
(II)が残存していたとしても、かかる有機溶媒(II)
は水溶性であるので、水中に速やかかつ容易に溶出して
しまう。したがって、有機溶媒(II)によって眼用レン
ズ材料に白濁が生じたり、その安全性が低下することが
なく、製造時間も短縮される。
【0075】前記水和処理を施す方法にはとくに限定が
なく、たとえば蒸留水、生理食塩水、浸透圧やpHが適
切に調整された水溶液などの水に重合体を浸漬させる方
法などを採用することができる。
【0076】なお、前記水和処理の際には、水中に溶出
した有機溶媒(II)などが飽和状態となり、時間が経過
するにつれて、重合体からの有機溶媒(II)の溶出量が
減少するおそれがある。したがって、水中の溶出成分を
分散させ、有機溶媒(II)などの水中への溶出性を促進
するために、重合体を浸漬させた水中に通気させること
によって重合体に水和処理を施すことが好ましい。
【0077】前記通気させる方法にはとくに限定がな
く、たとえば所定の気体を水中に導入し、それによって
生じた気泡にて、水中の有機溶媒(II)などの少なくと
も一部を気化させて気泡に捕捉させ、気泡が浮上して水
中から外へ放出された際に有機溶媒(II)などを取出す
方法などを採用することができる。
【0078】なお、通気させる気体としては、たとえば
酸素ガス、チッ素ガス、空気、水蒸気などがあげられ
る。
【0079】さらに、本発明においては、未反応モノマ
ー、有機溶媒(I)および有機溶媒(II)が重合体中に
残存していることがまったくないように、念のため、前
記水和処理と同時にまたは水和処理後に重合体に加熱処
理を施すことが好ましい。
【0080】水和処理と同時にまたは水和処理後に加熱
処理を施す方法にはとくに限定がなく、たとえば電気加
熱、液浴加熱、ガス加熱などにより煮沸する方法などを
採用することができる。
【0081】水和処理と同時にまたは水和処理後に重合
体に加熱処理を施す際の加熱温度にはとくに限定がな
い。かかる加熱温度は、短時間で残存物が確実に除去さ
れる温度であることおよび重合体の変形温度未満である
ことが好ましく、たとえば、通常、35〜100℃程度
であることが好ましい。
【0082】前記重合体の加熱時間は、加熱温度と同様
に、残存物が確実に除去される程度であればよく、とく
に限定がない。かかる加熱時間は、通常、10〜120
分間程度であることが好ましい。
【0083】かくして本発明の眼用レンズ材料がえられ
るが、該眼用レンズ材料には、必要に応じて切削加工、
研磨加工などの機械的加工を施してもよい。なお、かか
る機械的加工は、通常、水和処理を施す前の重合体に施
すことが好ましい。
【0084】本発明の眼用レンズ材料は、透明性にすぐ
れることはもちろんのこと、とくに耐汚染性および柔軟
性にも同時にすぐれたものであり、本発明の製法によれ
ば、このようなすぐれた眼用レンズ材料を容易にうるこ
とができる。
【0085】
【実施例】つぎに、本発明の眼用レンズ材料およびその
製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0086】実施例1〜3および比較例1〜2 表1に示す重合成分および重合開始剤を混合した眼用レ
ンズ成分と、表2に示す有機溶媒(I)(1−ブタノー
ル)とを、表2に示す割合で混合したのち、えられた混
合物をコンタクトレンズ形状を有する鋳型(ポリプロピ
レン製、直径13.8mmおよび厚さ0.1mmのコン
タクトレンズに対応)内に注入した。
【0087】ついで、この鋳型を恒温中に移し、水銀ラ
ンプを用いて波長360nmの照射光を鋳型に30分間
照射して35℃で光重合を行ない、コンタクトレンズ形
状の重合体をえた。
【0088】えられた重合体を鋳型内から脱離させて乾
燥し、表2に示す水溶性の有機溶媒(II)(2−プロパ
ノール)100ml中に60分間浸漬させたのち、該重
合体を循環乾燥器を用いて110℃で60分間乾燥させ
た。
【0089】ついで、乾燥した重合体を生理食塩水中に
浸漬し、吸水させて水和処理を施し、コンタクトレンズ
をえた。
【0090】えられたコンタクトレンズの透明性を以下
の方法にしたがって調べた。その結果を表2に示す。
【0091】(透明性)コンタクトレンズの外観を目視
にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0092】(評価基準) A:曇りがまったくなく、透明性にきわめてすぐれてお
り、コンタクトレンズとして好適である。 B:わずかに曇りが認められるが、コンタクトレンズと
して問題がない透明性を有する。 C:白濁が認められ、透明性に劣るため、コンタクトレ
ンズとしての使用が困難である。 D:白濁しており、透明性にきわめて劣るため、コンタ
クトレンズとしての使用が不可能である。
【0093】また、前記と同様の方法で、鋳型中にて直
径約15mm、厚さ0.2mmの重合体を作製し、これ
を前記と同様にして乾燥させ、水和処理を施して眼用レ
ンズ材料をえた。
【0094】えられた眼用レンズ材料の柔軟性および耐
汚染性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表
2に示す。
【0095】(柔軟性)眼用レンズ材料の周辺を固定
し、その中心を、先端の直径が約3mmの球形状の治具
で荷重を加える装置に固定した。
【0096】この眼用レンズ材料に約20g重まで荷重
を加えて停止し、停止直後の応力(So(g/m
2))を測定した。これを30秒間放置したのち、そ
の応力(S(g/mm2))を測定した。
【0097】測定したSoおよびSを用い、以下の式に
したがって応力緩和率(%)を算出した。
【0098】なお、この応力緩和率の値が15%以上で
あるばあい、眼用レンズ材料は反撥性に乏しく、形状回
復性に劣り、眼用レンズ、とくにソフトコンタクトレン
ズ、眼内レンズとして適切な柔軟性を有するとはいえな
い。 応力緩和率(%)={(So−S)/So}×100
【0099】(耐汚染性)オレイン酸0.3g、リノー
ル酸0.3g、トリパルミチン酸4.0g、セチルアル
コール1.0g、パルミチン酸0.3g、スパームアセ
チ4.0g、コレステロール0.4g、パルミチン酸コ
レステロール0.4gおよび卵黄レシチン14.0gか
らなる人工眼脂溶液(pH7の緩衝液)2mlが入った
ガラス瓶中に眼用レンズ材料を入れ、37℃で5時間振
盪した。
【0100】5時間経過後に眼用レンズ材料を取り出
し、これをエタノールとエーテルとの混合溶液(エタノ
ール:エーテル=3:1(容積比))1ml内に浸漬し
て眼用レンズ材料に付着した脂質成分の抽出を行なっ
た。
【0101】えられた脂質抽出液500μlに濃硫酸1
mlを加え、さらにバニリン3mgおよびリン酸2ml
を加えて眼用レンズ材料の脂質付着量(mg/cm2
を定量した。
【0102】なお、この脂質付着量の値が1mg/cm
2以上であるばあい、眼用レンズ材料は脂質汚れが付着
しやすく、耐汚染性に劣り、眼用レンズとして適切であ
るとはいえない。
【0103】なお、表1中の略号は、以下の化合物を示
す。
【0104】SK5021:トリス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピルアクリレート SK6006:式:
【0105】
【化6】
【0106】で表わされる基、aは20〜50の整数を
示す)で表わされるマクロモノマー 2HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート 2HEA :2−ヒドロキシエチルアクリレート EDMA :エチレングリコールジメタクリレート Darocur:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニル−プロパン−1−オン また、表1中の重合開始剤の量は、重合成分全量100
部に対する量(部)である。
【0107】さらに、表2中には、有機溶媒(II)をよ
り充分に除去するための重合体の乾燥工程の有無も示し
た。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】表2に示された結果から、実施例1〜3の
コンタクトレンズ(眼用レンズ材料)は透明性にすぐれ
るほか、柔軟性および耐汚染性にも同時にすぐれたもの
であり、コンタクトレンズ(眼用レンズ)として好適な
ものであることがわかる。
【0111】一方、ヒドロキシアルキルアクリレートが
用いられていない比較例1では、応力緩和率が25%と
高く、いちじるしく柔軟性に劣り、眼用レンズ材料とし
て不適切であることがわかる。
【0112】また、ヒドロキシアルキルメタクリレート
が用いられていない比較例2では、脂質付着量が1.4
21mg/cm2と多く、いちじるしく耐汚染性に劣
り、眼用レンズ材料として不適切であることがわかる。
【0113】
【発明の効果】本発明の眼用レンズ材料は、透明性にす
ぐれることはもちろんのこと、耐汚染性および柔軟性に
も同時にすぐれたものであり、とくにソフトコンタクト
レンズなどのコンタクトレンズ、眼内レンズなどに好適
に用いることができる。また、本発明の製法によれば、
このようなすぐれた眼用レンズ材料を容易にうることが
できる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ケイ素含有アルキルアクリレート
    20〜50重量%、(B)一般式(I): A1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 (I) (式中、A1は一般式(II): Y21−R31− (II) (式中、Y21はアクリロイルオキシ基、R31は炭素数2
    〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
    で表わされる基;A2は一般式(III): Y22−R34− (III) (式中、Y22はアクリロイルオキシ基、R34は炭素数2
    〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
    で表わされる基;U1は一般式(IV): −X21−E21−X25−R32− (IV) (式中、X21は共有結合、酸素原子またはアルキレング
    リコール基、E21は−NHCO−基(ただし、このばあ
    い、X21は共有結合であり、E21はX25とウレタン結合
    を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系および
    芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基
    (ただし、このばあい、X21は酸素原子またはアルキレ
    ングリコール基であり、E21はX21およびX25のあいだ
    でウレタン結合を形成している);X25は酸素原子また
    はアルキレングリコール基;R32は炭素数1〜6の直鎖
    または分岐鎖を有するアルキレン基を示す);S1およ
    びS2はそれぞれ独立して一般式(V): 【化1】 (式中、R23、R24、R25、R26、R27およびR28はそ
    れぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基またはフェニ
    ル基、Kは1〜1500の整数、Lは0〜1500の整
    数であり、K+Lは1〜1500の整数である);U2
    は一般式(VI): −R37−X27−E24−X28−R38− (VI) (式中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜
    6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基;X27およ
    びX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレング
    リコール基;E24は飽和脂肪族系、脂環式系および芳香
    族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(た
    だし、このばあい、E24はX27とX28とのあいだでウレ
    タン結合を形成している);U3は一般式(VII): −R33−X26−E22−X22− (VII) (式中、R33は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖を有す
    るアルキレン基、X22は共有結合、酸素原子またはアル
    キレングリコール基、X26は酸素原子またはアルキレン
    グリコール基、E22は−NHCO−基(ただし、このば
    あい、X22は共有結合であり、E22はX26とウレタン結
    合を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系およ
    び芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の
    基(ただし、このばあい、X22は酸素原子またはアルキ
    レングリコール基であり、E22はX22およびX26のあい
    だでウレタン結合を形成している)で表わされる基、n
    は1〜10の整数を示す)で表わされる重合性基が1個
    以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合して
    いるポリシロキサンマクロモノマー20〜50重量%、
    (C)ヒドロキシアルキルアクリレートの少なくとも1
    種およびヒドロキシアルキルメタクリレートの少なくと
    も1種10〜50重量%、ならびに(D)2以上の重合
    性基を有する架橋性化合物0.01〜10重量%を含有
    した眼用レンズ用重合成分を重合させてえられる重合体
    からなる眼用レンズ材料。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシアルキルアクリレートの少な
    くとも1種とヒドロキシアルキルメタクリレートの少な
    くとも1種との重量比(ヒドロキシアルキルアクリレー
    ト/ヒドロキシアルキルメタクリレート)が20/80
    〜80/20である請求項1記載の眼用レンズ材料。
  3. 【請求項3】 ケイ素含有アルキルアクリレートがトリ
    ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアクリレート
    である請求項1記載の眼用レンズ材料。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシアルキルアクリレートが炭素
    数1〜10のアルキル基を有するヒドロキシアルキルア
    クリレートであり、ヒドロキシアルキルメタクリレート
    が炭素数1〜10のアルキル基を有するヒドロキシアル
    キルメタクリレートである請求項1記載の眼用レンズ材
    料。
  5. 【請求項5】 ヒドロキシアルキルアクリレートが2−
    ヒドロキシエチルアクリレートであり、ヒドロキシアル
    キルメタクリレートが2−ヒドロキシエチルメタクリレ
    ートである請求項1記載の眼用レンズ材料。
  6. 【請求項6】 (A)ケイ素含有アルキルアクリレート
    20〜50重量%、(B)一般式(I): A1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 (I) (式中、A1は一般式(II): Y21−R31− (II) (式中、Y21はアクリロイルオキシ基、R31は炭素数2
    〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
    で表わされる基;A2は一般式(III): Y22−R34− (III) (式中、Y22はアクリロイルオキシ基、R34は炭素数2
    〜6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
    で表わされる基;U1は一般式(IV): −X21−E21−X25−R32− (IV) (式中、X21は共有結合、酸素原子またはアルキレング
    リコール基、E21は−NHCO−基(ただし、このばあ
    い、X21は共有結合であり、E21はX25とウレタン結合
    を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系および
    芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基
    (ただし、このばあい、X21は酸素原子またはアルキレ
    ングリコール基であり、E21はX21およびX25のあいだ
    でウレタン結合を形成している);X25は酸素原子また
    はアルキレングリコール基;R32は炭素数1〜6の直鎖
    または分岐鎖を有するアルキレン基を示す);S1およ
    びS2はそれぞれ独立して一般式(V): 【化2】 (式中、R23、R24、R25、R26、R27およびR28はそ
    れぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基またはフェニ
    ル基、Kは1〜1500の整数、Lは0〜1500の整
    数であり、K+Lは1〜1500の整数である);U2
    は一般式(VI): −R37−X27−E24−X28−R38− (VI) (式中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜
    6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基;X27およ
    びX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレング
    リコール基;E24は飽和脂肪族系、脂環式系および芳香
    族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(た
    だし、このばあい、E24はX27とX28とのあいだでウレ
    タン結合を形成している);U3は一般式(VII): −R33−X26−E22−X22− (VII) (式中、R33は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖を有す
    るアルキレン基、X22は共有結合、酸素原子またはアル
    キレングリコール基、X26は酸素原子またはアルキレン
    グリコール基、E22は−NHCO−基(ただし、このば
    あい、X22は共有結合であり、E22はX26とウレタン結
    合を形成している)または飽和脂肪族系、脂環式系およ
    び芳香族系から選ばれたジイソシアネート由来の2価の
    基(ただし、このばあい、X22は酸素原子またはアルキ
    レングリコール基であり、E22はX22およびX26のあい
    だでウレタン結合を形成している)で表わされる基、n
    は1〜10の整数を示す)で表わされる重合性基が1個
    以上のウレタン結合を介してシロキサン主鎖に結合して
    いるポリシロキサンマクロモノマー20〜50重量%、
    (C)ヒドロキシアルキルアクリレートの少なくとも1
    種およびヒドロキシアルキルメタクリレートの少なくと
    も1種10〜50重量%、ならびに(D)2以上の重合
    性基を有する架橋性化合物0.01〜10重量%を含有
    した眼用レンズ用重合成分と、該重合成分を溶解しうる
    有機溶媒(I)とを混合し、えられた混合物を所望の眼
    用レンズ形状を有する鋳型内に注入したのち、重合反応
    を行なって重合体を製造し、前記鋳型内から脱離させた
    重合体を、有機溶媒(I)との相溶性を有する水溶性有
    機溶媒(II)中に浸漬させたのち、前記重合体に水和処
    理を施すことを特徴とする眼用レンズ材料の製法。
  7. 【請求項7】 眼用レンズ用重合成分と有機溶媒(I)
    との重量比(重合成分/有機溶媒(I))が30/70
    〜75/25である請求項6記載の眼用レンズ材料の製
    法。
  8. 【請求項8】 有機溶媒(I)が炭素数1〜12のアル
    コールおよび炭素数2〜4のケトンから選ばれた少なく
    とも1種である請求項6記載の眼用レンズ材料の製法。
  9. 【請求項9】 有機溶媒(II)が炭素数1〜3のアルコ
    ールおよび炭素数2〜4のケトンから選ばれた少なくと
    も1種である請求項6記載の眼用レンズ材料の製法。
  10. 【請求項10】 重合体を有機溶媒(II)中に浸漬させ
    たのち、該重合体に水和処理を施す前に、該重合体を乾
    燥させる請求項6記載の眼用レンズ材料の製法。
  11. 【請求項11】 重合体を浸漬させた水中に通気させる
    ことによって重合体に水和処理を施す請求項6記載の眼
    用レンズ材料の製法。
  12. 【請求項12】 水和処理と同時にまたは水和処理後に
    重合体に加熱処理を施す請求項6記載の眼用レンズ材料
    の製法。
JP10034800A 1998-02-17 1998-02-17 眼用レンズ材料およびその製法 Pending JPH11228643A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10034800A JPH11228643A (ja) 1998-02-17 1998-02-17 眼用レンズ材料およびその製法
US09/248,264 US6255362B1 (en) 1998-02-17 1999-02-11 Ocular lens material and process for producing the same
EP99103052A EP0937998A3 (en) 1998-02-17 1999-02-16 Ocular lens material and process for producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10034800A JPH11228643A (ja) 1998-02-17 1998-02-17 眼用レンズ材料およびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11228643A true JPH11228643A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12424330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10034800A Pending JPH11228643A (ja) 1998-02-17 1998-02-17 眼用レンズ材料およびその製法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6255362B1 (ja)
EP (1) EP0937998A3 (ja)
JP (1) JPH11228643A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11228644A (ja) * 1997-10-09 1999-08-24 Johnson & Johnson Vision Prod Inc シリコーンヒドロゲルポリマー
WO2001023945A1 (fr) * 1998-04-02 2001-04-05 Kuraray Co., Ltd. Materiau pour lentilles oculaires
JP2005510594A (ja) * 2001-11-26 2005-04-21 エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック 耐衝撃性有機レンズのためのラジカル重合性組成物
JP2010261041A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Yun Liang Ouyang バイオメディカルマテリアルのプレポリマー

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6649722B2 (en) * 1999-12-10 2003-11-18 Novartis Ag Contact lens
JP3887814B2 (ja) * 2000-03-17 2007-02-28 株式会社スリーボンド シリコーンゲル組成物
JP3850729B2 (ja) * 2000-03-22 2006-11-29 株式会社メニコン 眼用レンズ材料
WO2003042265A1 (fr) * 2001-11-13 2003-05-22 Toray Industries, Inc. Polymere et lentilles ophthalmologiques realisees a l'aide de ce polymere
US7071244B2 (en) * 2002-12-03 2006-07-04 Staar Surgical Company High refractive index and optically clear copoly (carbosilane and siloxane) elastomers
US6777512B1 (en) * 2003-02-28 2004-08-17 Dow Global Technologies Inc. Amine organoborane complex initiated polymerizable compositions containing siloxane polymerizable components
DE10318017A1 (de) * 2003-04-19 2004-11-04 Goldschmidt Ag Neuartige Polyestersiloxanacrylate, deren Verwendung als Additive in strahlenhärtbaren Beschichtungen und Druckfarben und Verfahren zu deren Herstellung
WO2005026826A1 (ja) * 2003-09-12 2005-03-24 Menicon Co., Ltd. 軟質眼用レンズ材料およびその製造方法
US8945223B2 (en) * 2004-03-12 2015-02-03 Warsaw Orthopedic, Inc. In-situ formable nucleus pulposus implant with water absorption and swelling capability
US20070112161A1 (en) * 2005-11-17 2007-05-17 Bayer Materialscience Llc Low surface energy, ethylenically unsaturated polyisocyanate addition compounds and their use in coating compositions
DE102006037270A1 (de) * 2006-08-09 2008-02-14 Wacker Chemie Ag Selbstdispergierbare Silikoncopolymerisate und Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung
DE102006037272A1 (de) * 2006-08-09 2008-02-14 Wacker Chemie Ag Hochfeststoffhaltige Lösungen von Silikonorganocopolymeren mit hohem Silikongehalt und hohem Feststoffgehalt und Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung
DE102006037271A1 (de) * 2006-08-09 2008-02-14 Wacker Chemie Ag Vernetzbare reaktive Silikonorganocopolymere sowie Verfahren zu deren Herstellung und deren Verwendung
CA2663436A1 (en) * 2006-10-04 2008-04-10 Pfizer Products Inc. Pyrido[4,3-d]pyrimidin-4(3h)-one derivatives as calcium receptor antagonists
US7828432B2 (en) 2007-05-25 2010-11-09 Synergeyes, Inc. Hybrid contact lenses prepared with expansion controlled polymeric materials
ES2587102T3 (es) 2012-03-12 2016-10-20 Byk-Chemie Gmbh Uso de productos de adición de poliisocianato como aditivos para composiciones de agente de recubrimiento endurecibles por radiación
US20130341811A1 (en) * 2012-06-25 2013-12-26 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Lens comprising low and high molecular weight polyamides
US9423528B2 (en) 2012-06-25 2016-08-23 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Method of making silicone containing contact lens with reduced amount of diluents
EP3634733B1 (en) 2017-06-07 2021-07-21 Alcon Inc. Silicone hydrogel contact lenses
CN110740855B (zh) 2017-06-07 2021-10-22 爱尔康公司 用于生产硅氧烷水凝胶隐形眼镜的方法
WO2018224975A1 (en) 2017-06-07 2018-12-13 Novartis Ag Silicone hydrogel contact lenses

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4141941A (en) 1977-09-21 1979-02-27 American Optical Corporation Contact lens casting method
CA1236624A (en) 1983-04-28 1988-05-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Ophthalmic devices fabricated from urethane acrylates of polysiloxane alcohols
JP2536897B2 (ja) 1988-03-05 1996-09-25 呉羽化学工業株式会社 コンタクトレンズの製造方法
US5260000A (en) 1992-08-03 1993-11-09 Bausch & Lomb Incorporated Process for making silicone containing hydrogel lenses
US5271874A (en) 1992-11-04 1993-12-21 Wesley-Jessen Corporation Method for molding a hydrophilic contact lens
US5457140A (en) 1993-07-22 1995-10-10 Johnson & Johnson Vision Products, Inc. Method of forming shaped hydrogel articles including contact lenses using inert, displaceable diluents
US5760100B1 (en) 1994-09-06 2000-11-14 Ciba Vision Corp Extended wear ophthalmic lens
TW393498B (en) 1995-04-04 2000-06-11 Novartis Ag The preparation and use of Polysiloxane-comprising perfluoroalkyl ethers
EP0796723B1 (en) 1995-09-06 2001-12-05 Menicon Co., Ltd. Process for producing optic lens and optic lens obtained thereby
EP0865615A1 (en) 1995-12-08 1998-09-23 Novartis AG Methods of manufacturing contact lenses

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11228644A (ja) * 1997-10-09 1999-08-24 Johnson & Johnson Vision Prod Inc シリコーンヒドロゲルポリマー
JP4707780B2 (ja) * 1997-10-09 2011-06-22 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド シリコーンヒドロゲルポリマー
WO2001023945A1 (fr) * 1998-04-02 2001-04-05 Kuraray Co., Ltd. Materiau pour lentilles oculaires
JP2005510594A (ja) * 2001-11-26 2005-04-21 エシロール アテルナジオナール カンパニー ジェネラーレ デ オプティック 耐衝撃性有機レンズのためのラジカル重合性組成物
JP2010261041A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Yun Liang Ouyang バイオメディカルマテリアルのプレポリマー

Also Published As

Publication number Publication date
US6255362B1 (en) 2001-07-03
EP0937998A2 (en) 1999-08-25
EP0937998A3 (en) 2000-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11228643A (ja) 眼用レンズ材料およびその製法
JP3939927B2 (ja) 眼用レンズ材料およびその製法
US8124668B2 (en) Silicone-containing ocular lens material with high safety and preparing method thereof
JP3771940B2 (ja) 眼用レンズの製法およびそれからえられた眼用レンズ
KR102295439B1 (ko) 콘택트 렌즈 및 안내 렌즈용 (메트)아크릴아미드 중합체
US6018001A (en) Process for producing contact lens with hydrophilic surface and contact lens obtained thereby
US10117965B1 (en) Intraocular lens material
JP6836503B2 (ja) ゲル、ゲルの製造方法、レンズ、コンタクトレンズ表面改質剤、重合性組成物及び重合体
US20110313077A1 (en) Polymer material, opthalmic lens and contact lens
JPH0790030A (ja) 眼用レンズ材料
JP2000191667A (ja) 眼用レンズ用モノマー、眼用レンズ用ポリマーおよびそれを用いたコンタクトレンズ
JP2015206011A (ja) シリコーンハイドロゲル及びその製造方法
JP2000191730A (ja) 眼用レンズ用モノマー、眼用レンズ用ポリマーおよびそれを用いたコンタクトレンズ
JPWO2011158321A1 (ja) イオン性化合物、組成物、硬化物、ハイドロゲル及び眼用レンズ
JP2716181B2 (ja) 軟質眼用レンズ材料
JP5302981B2 (ja) 親水性表面を有する眼用レンズおよび眼用レンズの製造方法
JPH08283345A (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
JP4618640B2 (ja) (メタ)アクリレート系共重合体および軟性眼内レンズ
JP3063877B2 (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ
JP3084180B2 (ja) コンタクトレンズ
JP6466031B1 (ja) 眼内レンズ用材料
JPH10251352A (ja) 含水性ソフトコンタクトレンズ材料およびそれからなる含水性ソフトコンタクトレンズ
JP2005181729A (ja) コンタクトレンズ材料
JPH1060053A (ja) 眼用レンズおよびその製造法
JPH08208761A (ja) 眼用レンズ材料