JP5302981B2 - 親水性表面を有する眼用レンズおよび眼用レンズの製造方法 - Google Patents

親水性表面を有する眼用レンズおよび眼用レンズの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、親水性表面を有する眼用レンズおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、水濡れ性、表面潤滑性、保水性、耐汚染性に優れた、眼用レンズおよびその製造方法に関する。眼用レンズの中でも特にコンタクトレンズにおいては、基材に酸素透過性を付与するためにシリコーン成分を含有せしめる場合が多く、昨今ではソフトレンズにおいてもシリコーンを添加したハイブリッド型ハイドロジェルが主流となりつつあり、表面の撥水性や脂質汚れの問題などが顕在化しつつある。よって、そういった欠点を解決でき、前記効果を付与できる耐久性のある処理方法ならびに眼用レンズが望まれていた。また、製造面においては、より簡易的かつ短時間で処理できる方法が望まれていた。
前述のような眼用レンズに対する表面親水化方法については、下記の特許文献1〜3にも示されているように、種々検討されている。しかしながらいずれの特許文献に記載されている方法も、基材表面をプラズマ等で活性化した後、所望の親水性成分に浸漬するが、紫外線を照射したり、加熱したり、重合補助剤として開始剤を添加するなどの工程が組み込まれており、非常に煩雑である。さらに、処理時間に掛かる時間も長い。
特開2001-337298(メニコン):表面処理に関する。但し、イオン性モノマー浸漬時、紫外線を照射する。 特許第3324156(セイコーエフ゜ソン):表面処理に関する。ホスホリルコリン系モノマーをグラフト重合する。 特開平7-72430(日本油脂、MPC):表面処理に関する。リン脂質類似構造を有するビニルモノマーをグラフト重合する。
そこで本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1):
Figure 0005302981
(式中、R1はHまたはCH3、Xは−O−または−NH−、n1は1〜10の整数、Yは双性イオン基)で表わされる(メタ)アクリル系の双性イオンモノマーを用いた場合に、その水溶液に浸漬するだけで、何ら加熱や紫外線照射などを必要とせず、しかも極わずかな反応時間でレンズ基材にグラフト重合せしめることを見出したのである。さらには、双性イオンモノマー水溶液に浸漬する前の基材表面を活性化させる手段において、大気圧下または減圧下において、わずかな処理時間で、良好な親水化を可能とするとともに、その耐久性も非常に良好であることを見出したのである。
よって本発明の課題は、加熱や紫外線照射などを必要とせず、大気圧下または減圧下においてわずかな処理時間で良好な親水化を可能とする親水化処理方法、並びに持続する親水性を備えた眼用レンズおよびその製造方法を提供することにある。
本発明は以下のものを提供する。
[1]
上記一般式(1)で表わされる化合物を用いて表面が親水化処理された眼用レンズ。
[2]
該親水化処理が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、[1]に記載の眼用レンズ。
[3]
該親水化処理が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の0.1〜50重量%水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、[1]に記載の眼用レンズ。
[4]
上記一般式(1)で表わされる化合物が、下記一般式(I)、(II)、(III)および(IV):
Figure 0005302981
(式(I)および(II)中、R1はHまたはCH3、nは1〜10)
Figure 0005302981
(式(III)および(IV)中、R1はHまたはCH3、nは1〜5)
で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の眼用レンズ。
[5]
上記眼用レンズが酸素透過性ハードコンタクトレンズである[1]〜[4]のいずれかに記載の眼用レンズ。
[6]
上記酸素透過性ハードコンタクトレンズが、下記一般式(3)の化合物を重合成分として含む共重合体からなる[5]記載の眼用レンズ。
Figure 0005302981
(式中l は0または1、nおよびmは1〜15の整数)
[7]
上記酸素透過性ハードコンタクトレンズが、一般式(3)で表わされる化合物以外に、フッ素含有(メタ)アクリル系モノマーと架橋モノマーを重合成分として含む共重合体からなる[6]記載の眼用レンズ。
[8]
上記眼用レンズがシリコーンを含有するハイドロゲルを含む含水性のソフトコンタクトレンズ、または非含水性のソフトコンタクトレンズである、[1]〜[4]のいずれかに記載の眼用レンズ。
[9]
下記一般式(4)で表される化合物を重合成分として含む共重合体からなる[8]記載の眼用レンズ。
Figure 0005302981
[10]
上記一般式(1)で表される化合物を用いて眼用レンズの表面を親水化処理する工程を含む眼用レンズの製造方法。
[11]
該親水化処理工程が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、[10]に記載の眼用レンズの製造方法。
[12]
該親水化処理工程が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の0.1〜50重量%水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、[10]に記載の眼用レンズの製造方法。
[13]
上記一般式(1)で表わされる化合物が、上記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)
で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[10]〜[12]のいずれかに記載の眼用レンズの製造方法。
[14]
上記プラズマ照射が大気圧下コロナ放電であり、出力が1000W以下で照射時間が60秒以内である、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[15]
上記プラズマ照射が減圧下グロー放電であり、出力が100W以下で照射時間が5分以内である、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[16]
上記浸漬工程において浸漬温度が5〜60℃で浸漬時間が60分以内である、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[17]
上記プラズマ照射が終了してから上記浸漬工程に入るまでの時間が30分以内である、[10]〜[13]のいずれかに記載の方法。
[18]
眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、眼用レンズの表面処理方法。
[19]
上記水溶液が上記一般式(1)で表される化合物の0.1〜50重量%水溶液である、[18]に記載の眼用レンズの表面処理方法。
本発明によれば、眼用レンズの表面に親水性の双性イオンモノマーがグラフト重合されているため、表面の水濡れ性だけでなく、表面潤滑性、保水性、耐汚染性に優れた、眼用レンズを提供することが可能となった。
摩擦力測定用装置の概要を示す図である。
本発明の眼用レンズは、上記一般式(1)で表される双性イオン化合物を用いて眼用レンズの表面を親水化処理する工程を含む方法によって製造される。この方法では、親水化処理工程が眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の水溶液、特に上記一般式(1)で表される化合物の0.1〜50重量%水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなることが好ましい。上記一般式(1)で表される化合物の濃度が低すぎると、表面処理の効果が得られにい。上記一般式(1)で表される化合物の濃度が高すぎると、溶液粘度が高くなり溶液調製が困難になる。また、費用対効果の面から費用に見合う効果が得られない。
[親水化処理剤]
本発明では、上記一般式(1)で表される双性イオン化合物を親水化処理剤として使用して眼用レンズの表面処理を行う。この双性イオン化合物は、防汚効果、合成の容易さ、原料費などのコスト面、および安全性の点から、上記一般式(I)、(II)、(III)および(IV)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
双性イオン化合物の具体例を以下に例示する。但し、以下の例示に限定されるものではなく、本発明では一般式(1)で表される限り類似の構造の化合物も使用することができる。
Figure 0005302981
(上記式中、R1はHまたはCH3
[親水化処理方法]
プラズマ照射は、例えば、大気圧下コロナ放電、減圧下グロー放電などにより行うことができる。プラズマ照射が大気圧下コロナ放電である場合、出力が1000W以下で照射時間が60秒以内であることが好ましく、出力が500W以下で照射時間が20秒以内であることがより好ましい。プラズマ照射が減圧下グロー放電である場合、出力が100W以下で照射時間が5分以内であることが好ましく、出力が40W以下で照射時間が1分以内であることがより好ましい。
浸漬工程は室温で行うことができるので、本発明によれば製造工程を簡便なものとすることができる。しかも、浸漬時間は60分以内、好ましくは30分以内、より好ましくは10分以内で行うことができるので、本発明の製造方法は製造効率が高い。上記一般式(1)で表される化合物の水溶液は、上記一般式(1)で表される化合物を脱イオン水、蒸留水などの精製水に所定量溶解することによって容易に調製できる。この水溶液には必要に応じて、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸などの親水性ポリマー、界面活性剤、pH調整剤などの添加剤を加えることもできる。
[眼用レンズ材料]
眼用レンズ材料としては、たとえばケイ素含有アルキル(メタ)アクリレート、ケイ素含有スチレン誘導体、ポリシロキサンマクロモノマーなどのケイ素含有モノマー;フッ素含有アルキル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有モノマー;水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート、ジアルキル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、N−ビニルラクタムなどの親水性モノマー;材料の硬度を調節するためのアルキル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アルキル−α−メチルスチレンなどのモノマー;重合性不飽和二重結合を2以上有する架橋性モノマーなどを含有した重合成分を、通常の重合法にて重合させて得られた共重合体からなるものが用いられる。とくに、材料自体の酸素透過性および耐汚染性を考慮すると、ケイ素含有モノマーおよび/またはフッ素含有モノマーを含有した重合成分を重合させて得られた共重合体からなる眼用レンズ材料が好適に用いられる。
眼用レンズが酸素透過性ハードコンタクトレンズである場合、その酸素透過性ハードコンタクトレンズは上記一般式(3)を重合成分として含む共重合体からなることが好ましい。上記酸素透過性ハードコンタクトレンズが、一般式(3)で表わされる化合物以外に、フッ素含有(メタ)アクリル系モノマーと架橋モノマーを重合成分として含む共重合体からなることがさらに好ましい。また、眼用レンズがシリコーンを含有するハイドロゲルを含む含水性のソフトコンタクトレンズ、または非含水性のソフトコンタクトレンズである場合、眼用レンズが上記一般式(4)で表される化合物を重合成分として含む共重合体からなることが好ましい。
上記一般式(3)で表される化合物において、lは1よりも0の場合の方が合成しやすく安定した化合物となるため好ましく、またnおよびmは大きくなるほど柔らかく脆い化合物となる。nおよびmに関しては、1〜5程度の場合に特に好ましい酸素透過性とすぐれた硬度、硬質性を有し、かつ屈折率の高い眼用レンズ材料を得ることができる。
一般式(3)で表される化合物におけるシロキサン結合部分は直鎖状および分岐鎖状のいずれのシロキサン結合も用い得るが、分岐鎖状のものの方が、直鎖状のものより硬質性を有するものとなるため好ましい。
一般式(3)で表される化合物の例としては、たとえば、トリメチルシリルスチレン、ペンタメチルジシロキサニルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘンエイコサメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコサメチルトリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコンタメチルペンタデカシロキサニルスチレン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリメチルシロキシ・ペンタメチルジシロキシ・メチルシリルスチレン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、(トリス・トリメチルシロキシ)シロキサニル・ビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(ヘプタメチルトリシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス(メチルビス・トリメチルシロキシ・シロキシ)シリルスチレン、トリメチルシロキシ・ビス(トリス・トリメチルシロキシ・シロキシ)シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチルシロキシ)トリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキシ・ウンデシルペンタシロキシ・メチルシリルスチレン、トリス(トリス・トリメチルシロキシ・シロキシ)シリルスチレン、(トリストリメチルシロキシ・ヘキサメチル)テトラシロキシ・(トリス・トリメチルシロキシ)シロキシ・トリメチルシロキシシリルスチレン、ノナキス(トリメチルシロキシ)テトラシロキサニルスチレン、ビス(トリデカメチルヘキサシロキシ)メチルシリルスチレンなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
前記代表例のなかでも、酸素透過性、機械的強度、加工性および屈折率の向上のため、たとえば、式:
Figure 0005302981
で示されるトリメチルシリルスチレン、式:
Figure 0005302981
で示されるビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、式:
Figure 0005302981
で示されるトリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレンなどが好ましい。
その他の重合性モノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのメタクリル酸またはアクリル酸のアルキルエステル;スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−1,1,3,3−テトラメチルブチルスチレンなどのスチリル化合物;イタコン酸またはクロトン酸のアルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレートなどがあげられる。
アルキル基の炭素数が1〜6であり、かつこのアルキル基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されているアルキル(メタ)アクリレートは、酸素透過性を維持しつつ、耐汚染性および加工性を向上させるための成分である。
前記アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、たとえば、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−tert−アミル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−tert−ヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。なかでも、加工性、前記一般式(I)で表されるシリコーン含有モノマーとの共重合性を良好にするため、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレートが好ましい。
親水性モノマーの代表例としては、たとえばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアルキル(メタ)アクリルアミド;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルアセトアミド;アクリロイルモルホリン;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカプリロラクタム、N−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ピロリドンなどのN−ビニルラクタム;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
架橋剤の具体例としては、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタクリロイルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、トリアリルジイソシアネート、α−メチレン−N−ビニルピロリドン、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼンなどがあげられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。なかでも、良好な機械的強度を付与し、加工性、硬度、強度、耐溶媒性の付与および共重合性を向上させる効果が大きいという点から、エチレングリコールジメタクリレート、4−ビニルベンジルメタクリレートがとくに好ましい。
前記共重合体が前記モノマー成分および架橋剤を重合して得られる場合、前記モノマー成分と架橋剤の混合物中のシリコーン含有モノマーの配合量は、好ましくは45〜70重量部である。配合量が45重量部未満であると、酸素透過性が低下する傾向がある。一方、70重量部より多くなると、酸素透過性は向上するものの、得られた共重合体が脆くなり加工性が低下し、また、耐溶剤性の低下、材料表面に傷が非常につきやすくなるという不具合を生じ、さらにはシリコーン含有モノマーの未重合モノマー量が増加し、眼用レンズの形状安定性に影響を及ぼす傾向がある。
また、前記モノマー成分と架橋剤の混合物中のアルキル(メタ)アクリレートの配合量は、好ましくは20〜45重量部である。配合量が20重量部未満であると、耐汚染性および加工性が低下する傾向がある。一方、45重量部より多くなると、得られる共重合体中におけるケイ素原子の相対量が低下することで、酸素透過係性が低下し、さらには、アルキル(メタ)アクリレートの未重合モノマー量が増加し、眼用レンズの形状安定性に影響を及ぼす傾向がある。
前記モノマー成分と架橋剤の混合物中の架橋剤の配合量は、好ましくは5〜15重量部である。配合量が5重量部未満であると、加工性が悪化する、傷がつきやすくなる、耐溶剤性が低下する、モノマー成分の未重合モノマー量が増加するなどの傾向がある。一方、15重量部より多くなると得られる共重合体が脆くなる傾向がある。
本発明においては、必要に応じて、従来から眼用レンズ材料に一般的に用いられている各種の添加剤、たとえば、眼用レンズ材料に紫外線吸収能を付与したり、眼用レンズ材料を着色するために、重合性または非重合性の紫外線吸収剤、色素、紫外線吸収性色素などを、共重合成分に存在させて共重合させたり、あるいは重合後に添加したりすることも可能である。
重合温度については、40〜120℃の温度範囲で適宜調整し、重合途中で昇温することが好ましい。40〜50℃程度の低い温度範囲における一定温度の重合反応では、重合が完結しない、または重合時間が長時間かかるため、昇温が必要となる。たとえば、初期温度を40〜60℃とした場合には、この温度で1〜4時間予備重合を行い、その後、80〜120℃に昇温して10〜60分加熱し、重合反応を完結させることができる。また、予備重合を行わず、はじめから70℃以上で重合反応を行う場合は、3時間以内の重合時間が好ましい。初期温度が40℃以下での予備重合では、重合の進行が遅く、重合反応を完結させるために時間がかかる傾向がある。また、120℃をこえる重合温度では、重合反応が暴走し、未重合モノマーが増加する傾向がある。
また、重合時間については、好ましくは30分から5時間である。重合時間が30分未満であると、重合が不完全となる(未重合モノマーが多くなる)傾向がある。また、5時間より長くなると製造時間が長くなり、結果としてコストが高くなる傾向がある。
得られた共重合体の歪みを除去するために、共重合体のガラス転移温度以上の温度条件下で1時間程度加熱処理をさらに施しても良い。
前記モノマー成分の共重合時には、従来から公知の各種のラジカル重合開始剤、光重合開始剤などを適宜選択して用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、たとえば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロバーオキサイドなどをあげることができる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
添加量としては、モノマー成分、架橋剤およびその他の重合性モノマーの混合物100重量部に対して、0.001〜2重量部、より好ましくは、0.01〜1重量部である。
光重合開始剤としては、たとえば、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノンなどのフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム;2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;ジベンゾスバロン;2−エチルアントラキノン;ベンゾフェノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
添加量としては、モノマー成分、架橋剤およびその他の重合性モノマーの混合物100重量部に対して、0〜2重量部、より好ましくは0.001〜2重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部である。
光重合において、電子線を照射する場合には、かかる光重合開始剤を添加しなくてもモノマー成分を重合することができる。
以下に実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の例により限定的に解釈されるものではない。
基材の調製1(酸素透過性ハードコンタクトレンズ)
トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン(TMSiSt)55重量部、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FEMA)35重量部、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)10重量部を混合し、ここへ重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)を0.3重量部加え、その他適宜、添加型のUV吸収剤または色素を加えて配合液を調合した。
次に、プラスチック製樹脂からなるモールド型に前記配合液を70μL入れ、乾燥機中90℃で40分間加熱し重合を完結させた。
レンズを脱型後、レンズ表面をプラズマ照射し(基材の活性化方法-1-による)、その後親水化処理を行った。なお比較として、プラズマ照射のみ実施したものを用意した。

UV吸収剤:2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール
色素:D&C Green No.6

基材の調製2(含水性シリコーンハイドロジェルレンズ)
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(TMSiMA)25重量部、下記式:
Figure 0005302981
で表されるシリコーンウレタンマクロマー(MAUS)30重量部、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)10重量部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)35重量部、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)0.4重量部を混合し、重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(HMPO)0.4重量部を加え、配合液を調合した。
次に、プラスチック製樹脂からなるモールド型に前記配合液を100μL入れ、365nmに主波長を有する紫外線ランプを使用し、約10mW/cm2の照射強度にて、約20分重合を行った。
レンズを脱型後、精製水により溶出処理を行い、再び乾燥させて、レンズ表面をプラズマ照射し(基材の活性化方法-1-および-2-による)、その後親水化処理剤溶液への浸漬を行った。なお比較として、プラズマ照射のみ実施したものを用意した。
基材の調製3(非含水性シリコーンソフトレンズ)
上記式で表されるシリコーンウレタンマクロマー(MAUS)40重量部、2−メトキシエチルアクリレート(MTA)40重量部、フェノキシエチルアクリレート(POEA)20重量部、重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(HMPO)0.2重量部を加え、配合液を調合した。
次に、プラスチック製樹脂からなるモールド型に前記配合液を100μL入れ、365nmに主波長を有する紫外線ランプを使用し、約10mW/cm2の照射強度にて、約15分重合を行った。
レンズを脱型後、2-フ゜ロハ゜ノールを用いて未重合成分の溶出処理を行い、再び乾燥させて、レンズ表面をプラズマ照射し(基材の活性化方法 -1-による)、その後親水化処理を行った。なお比較として、プラズマ照射のみ実施したものを用意した。
基材の活性化方法 -1-
脱型したレンズをコロナ放電処理装置の台座の上に固定し、放電ワイヤーの下をレンズを潜らせる形で、以下の条件にて処理を行った。
脱型したレンズを以下の条件にてコロナ放電処理した。
<コロナ放電処理条件>
・プラズマ処理装置:春日電機(株)製CORONA GENERATOR MODEL CT-0212
・出力:350W
・照射速度(ワークの移動速度):1cm/sec
・照射高さ:レンズと放電ワイヤーの距離5mm
・処理回数:FC面、BC面共に2〜5回
(レンズへの照射時間は片面5秒程度もしくはそれ以下)
基材の活性化方法 -2-
脱型したレンズを以下の条件にてグロー放電処理した。
<グロー放電処理条件>
・プラズマ処理装置:京都電子計測(株)低温灰化装置 PA-102AT
・出力:30W
・ガス:O2
・ガス流量:0.8Torr
・処理時間:30sec

親水化処理方法
前記基材の活性化方法 -1- または -2- によってプラズマ処理したレンズについて、バイアル瓶中5重量%ないし50重量%の[3−(アクリロイルアミノ)プロピルジメチルアンモニオ]プロピオネート(APDAP)水溶液に、室温下にて1〜30分の範囲で浸漬し、グラフト処理を施した。その後、レンズを取り出し、未反応APDAPを除去するために流水にて洗浄した。酸素透過性ハードコンタクトレンズ及び非含水性シリコーンソフトレンズの場合は、レンズ上の水分を空気で乾燥させて処理を完結させた。含水性シリコーンハイト゛ロシ゛ェルレンス゛の場合は、所定の水和工程を経て、含水状態とした。
<処理濃度>
酸素透過性ハードコンタクトレンズは5重量%水溶液
含水性シリコーンハイドロジェルレンズは10重量%水溶液および50重量%水溶液
非含水性シリコーンソフトレンズは10重量%水溶液

各種評価試験項目
APDAPによってグラフト重合されたレンズについて、以下の試験を実施した。
1)水濡れ性
1.時間経過に伴う目視による濡れ性と接触角
2.こすり洗い洗浄前後での水濡れ性と表面元素分析(酸素透過性ハードコンタクトレンズのみ)
2)人工涙液による脂質付着性試験
3)摩擦力測定

各種試験方法
1)目視による水濡れ性の評価方法
処理したレンズを適当なホルダーで保持するか、またはピンセットでつまみ、蒸留水をレンズ上に垂らした時の水濡れ性を目視により観察し、以下の通り判定した。なお、処理直後(下記表において「Initial」と表示。)及び7日後に測定した。
<判定基準>
A判定:レンズ全体に水が濡れている
B判定:レンズ周辺部または中心部において若干のはじきが見られる
C判定:水溜まりは所々形成されるものの、水を切った際のはじきが速く、はじいている部位が多い。
D判定:完全に水をはじいている
2)接触角測定方法
接触角計(協和界面科学(株)製 Drop Master 500)を使用し、マイクロシリンシ゛にて2μLの液滴をレンズに乗せ、その時のレンズ表面と液滴のなす角度を読み取った。なお、処理直後(下記表において「Initial」と表示。)及び7日後に測定した。酸素透過性ハート゛コンタクトレンス゛の場合は、処理後大気中で保存し、含水性シリコーンハイト゛ロシ゛ェルレンス゛と非含水性シリコーンソフトレンス゛は生理食塩液中にて保存し測定した。
3)表面元素分析(XPS)
X線光電子分光装置(日本電子データム(株)製 JPS-9000MX ESCA photoelectrometer)を使用し、以下の分析条件にて各種表面元素分析を行った。
X-ray Type : MgKa
Setting Voltage : 10 kV
Setting Current : 10 mA
Figure 0005302981
4)人工涙液による脂質付着性試験
人工涙液(スクアレン、コレステロール、ワックス、コレステロールパルミテート)中に実施例(各基材)のコンタクトレンズを浸漬し、37℃にて16時間振とうしたのち、クロロホルム/メタノール(=70/30)溶液にて30分間抽出を行い、抽出液中の脂質成分をガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(GC/MS)にて定量した。なお、人工涙液、抽出液、およびGC/MSDによる操作手順・分析条件等の詳細は、下記のとおりである。
1. 塩化ナトリウム1.8g、リン酸二水素ナトリウム0.09g、塩化カルシウム0.02g、卵白リゾチーム0.24g、牛血製アルブミン0.76g、γ-グロブリン0.32gを超純水に溶解し、全量を100mLにした(溶液1)。スクアレン1.0g、オレイン酸オクチルドデシル1.0g、コレステロールパルミテイト0.9g、コレステロール0.1gを混合し、加熱して溶解した(溶液2)。溶液1をpH7に調整した上で、37℃に維持した溶液2を20μL加え、人工涙液とした。
2. 200mLメスフラスコに16mgの酢酸コレステリル(内部標準物質)を秤取り、クロロホルム/メタノール=70/30で溶解した後、全量が200mLになるまでこのクロロホルム/メタノールを加えた(溶液3)。100mL容メスフラスコに5mLの溶液3を加え、クロロホルム/メタノール=70/30で溶解した後、全量が100mLになるまでこのクロロホルム/メタノールを加え抽出液とした(抽出液)。
3. バイアル瓶にスクアレン 0.02g、コレステロール0.02g、ワックス0.02g、コレステロールパルミテート0.02gを秤取り、抽出液を加え全量を27gとした(溶液4)。バイアル瓶に0.14gの溶液4を秤取り、抽出液を加え全量を24gとした(標準液)。
4. 2mLの人工涙液と超純水で軽く濯いだ試料を1枚ずつ加えたバイアル瓶を、37℃に設定した恒温振盪器中で、振盪しながら16時間放置した。
5. バイアル瓶より取り出し超純水で濯いだ試料を、別のバイアル瓶に移し、抽出液0.75mLを加え10分間以上放置した。
6. 抽出液または標準液のみをオートサンプラ用バイアルに移し、真空乾燥機で溶媒を除去した。
7. 溶媒を除去したオートサンプラ用バイアルにクロロホルム/メタノール=70/30を50μL加えてGC/MSDで分析した。
8. 測定条件は、以下の通り。
GC/MSD Agilent Technologies社製 5973N MSDシステム
カラム UA1(フロンティア・ラボ(株)製)
100%dimethylpolysiloxane
Inj. 温度 320℃
オーブン 200℃(2min)-(15℃/min)-260℃-(30℃/min)-360℃(2min)
キャリアーガス ヘリウム
流量 2.4mL/min(0〜0.5min)、1.2mL/min(0.5min〜)
検出器 MSD
スプリット 15:1
注入量 2μL
9. 得られたクロマトグラフより、内部標準物質との面積比から、抽出液中の各脂質成分量を算出し、総脂質量を得た。
5)摩擦力測定方法
(株)島津製作所製精密万能試験機AG-IS MS型に、図1に示すような摩擦力測定用装置を取り付け、以下の手順により摩擦力を測定した。
1.固定具にレンズを固定する。
2.ガラス板に0.3mm厚みのシリコンシートを張り付ける。この場合、 シリコンシート表面を流水洗浄しガラス板に気泡が入らないように貼り付ける。
3.シリコンシートとレンズ間に生理食塩液を1滴垂らし、レンズをシート上にゆっくりセットして試験機にスイッチを入れ測定を開始する。荷重は6gとした。
4.測定速度は設定値500mm/minとした。
5.レンズとシリコンシート表面をきれいに洗い流し、1.〜4.の操作を3回繰り返して、試験機に掛かる荷重の平均値を摩擦力(N)とした。
Figure 0005302981
Figure 0005302981
Figure 0005302981
上記表2〜4に示された実験結果から、本発明の方法は1〜30分という短い親水化処理時間で水濡れ性、脂質付着性、表面潤滑性に優れた眼用レンズを与えることがわかる。この水濡れ性は処理後7日間たっても著しく低下することはなかった。
Figure 0005302981

Claims (17)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0005302981
    (式中、R1はHまたはCH3、Xは−O−または−NH−、n1は1〜10の整数、Yは双性イオン基)で表わされる化合物を用いて表面が親水化処理された眼用レンズであって、上記一般式(1)で表わされる化合物が、下記一般式(III)および(IV):
    Figure 0005302981
    (式(III)および(IV)中、R 1 はHまたはCH 3 、nは1〜5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、眼用レンズ。
  2. 該親水化処理が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、請求項1に記載の眼用レンズ。
  3. 該親水化処理が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の0.1〜50重量%水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、請求項1に記載の眼用レンズ。
  4. 上記眼用レンズが酸素透過性ハードコンタクトレンズである請求項1〜のいずれかに記載の眼用レンズ。
  5. 上記酸素透過性ハードコンタクトレンズが、下記一般式(3)の化合物を重合成分として含む共重合体からなる請求項記載の眼用レンズ。
    Figure 0005302981
    (式中l は0または1、nおよびmは1〜15の整数)
  6. 上記酸素透過性ハードコンタクトレンズが、一般式(3)で表わされる化合物以外に、フッ素含有(メタ)アクリル系モノマーと架橋モノマーを重合成分として含む共重合体からなる請求項記載の眼用レンズ。
  7. 上記眼用レンズがシリコーンを含有するハイドロゲルを含む含水性のソフトコンタクトレンズ、または非含水性のソフトコンタクトレンズである、請求項1〜のいずれかに記載の眼用レンズ。
  8. 下記一般式(4)で表される化合物を重合成分として含む共重合体からなる請求項記載の眼用レンズ。
    Figure 0005302981
  9. 下記一般式(1):
    Figure 0005302981
    (式中、R1はHまたはCH3、Xは−O−または−NH−、n1は1〜10の整数、Yは双性イオン基)で表される化合物を用いて眼用レンズの表面を親水化処理する工程を含む眼用レンズの製造方法であって、上記一般式(1)で表わされる化合物が、下記一般式(III)および(IV):
    Figure 0005302981
    (式(III)および(IV)中、R 1 はHまたはCH 3 、nは1〜5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、方法
  10. 該親水化処理工程が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、請求項に記載の眼用レンズの製造方法。
  11. 該親水化処理工程が、眼用レンズにプラズマを照射する工程と、上記一般式(1)で表される化合物の0.1〜50重量%水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、請求項に記載の眼用レンズの製造方法。
  12. 上記プラズマ照射が大気圧下コロナ放電であり、出力が1000W以下で照射時間が60秒以内である、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 上記プラズマ照射が減圧下グロー放電であり、出力が100W以下で照射時間が5分以内である、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  14. 上記浸漬工程において浸漬温度が5〜60℃で浸漬時間が60分以内である、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  15. 上記プラズマ照射が終了してから上記浸漬工程に入るまでの時間が30分以内である、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  16. 眼用レンズにプラズマを照射する工程と、下記一般式(1):
    Figure 0005302981
    (式中、R1はHまたはCH3、Xは−O−または−NH−、n1は1〜10の整数、Yは双性イオン基)で表される化合物の水溶液にプラズマ照射された眼用レンズを浸漬する工程とからなる、眼用レンズの表面処理方法であって、上記一般式(1)で表わされる化合物が、下記一般式(III)および(IV):
    Figure 0005302981
    (式(III)および(IV)中、R 1 はHまたはCH 3 、nは1〜5)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、方法
  17. 上記水溶液が上記一般式(1)で表される化合物の0.1〜50重量%水溶液である、請求項16に記載の眼用レンズの表面処理方法。
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