JPH11226326A - フィルター、及び空気清浄装置 - Google Patents

フィルター、及び空気清浄装置

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JPH11226326A
JPH11226326A JP3268798A JP3268798A JPH11226326A JP H11226326 A JPH11226326 A JP H11226326A JP 3268798 A JP3268798 A JP 3268798A JP 3268798 A JP3268798 A JP 3268798A JP H11226326 A JPH11226326 A JP H11226326A
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filter
microcapsules
antibacterial
base material
substance
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JP3268798A
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Toru Kubota
亨 久保田
Yuka Yoda
由佳 依田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命で、保存性が高い空気清浄用フィルタ
ーを提供する。 【解決手段】 本発明のフィルター10は、繊維状の基
材11からなり、この基材11に抗菌性物質が封入され
たマイクロカプセル12が担持させている。マイクロカ
プセルの壁を壊さない限り、内容物である抗菌剤は外部
にはほとんど放出されることはなく、必要に応じてマイ
クロカプセルを破壊して内容物である抗菌剤を流出させ
ることにより、フィルターに抗菌作用を与えることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルターに関し、
特に塵埃などを除去して浄化するフィルターに関する。
また本発明は汚染した空気をフィルターに通風させて浄
化する空気清浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】室内の空気を浄化する空気清浄装置の一
般的な構成は、室内の汚染空気をファンなどで吸引し、
この空気を例えば繊維状の不織布によるフィルターに通
過させて塵埃などを濾過、除去し、さらに活性炭等の脱
臭フィルターにより脱臭した後に排気するものである。
また、クリーナー(掃除機)などでは、吸引した空気と
埃をごみバッグに溜め込み、さらに細かな塵埃が排出さ
れないようにこの後段にフィルターが搭載されている。
また冷蔵庫では、庫内に浮遊した菌、かびの胞子等を除
去するためのフィルターが搭載されている。
【0003】これらのフィルターが捕らえた埃には菌や
かび等の胞子がのっており、これらの菌やかび等の胞子
はフィルター上で埃を栄養源として成長繁殖する。フィ
ルター上で菌類等が繁殖すると、汚染物質を除去するた
めのフィルターが汚染物質の発生源になってしまい、菌
やかびなどを室内に放散したり、また、臭気の発生源に
なったりするという問題がある。
【0004】このような問題に対応するため、フィルタ
ーに抗菌剤を添着することが知られている。このような
フィルターは、例えばカテキンなどの天然ポリフェノー
ルによる殺菌剤や化学的な殺菌剤を繊維表面に添着させ
ることにより、抗菌、制菌、殺菌効果を得るように構成
されている。
【0005】しかしながらこれらの抗菌剤は、フィルタ
ーにコーティングした後に蒸散しないようにするため
に、一般に常温で固体であるものが用いられている。こ
のため、埃などがフィルターの繊維に付いた場合には、
抗菌剤の表面も覆われてしまい、その効果も減衰してし
まう。また、抗菌剤はフィルターを通過する空気中の酸
素等で劣化しやすいため、効果を持続することが難しい
という問題がある。
【0006】また、常温で固体である抗菌剤を用いたと
しても、抗菌剤の効果を得るために少しづつ蒸散してい
くため、その効果も時間と共に減少していく。このた
め、これらのフィルターは、一般的に数ヶ月から長くと
も1年未満で交換する必要がある。しかし、ユーザーか
ら、これらのフィルターの寿命をさらに長くすることが
求められている。
【0007】フィルター等の塵埃除去性能は、フィルタ
ー面積等を大きくすることである程度対応することがで
きる。しかしながら抗菌性については、フィルターに直
接担持できる抗菌剤の量が限られていること、また、初
期的に大量の抗菌剤を付けるとかえって人体に有害な物
質が空気中に放散されてしまうことなどから、寿命その
ものを長くする効果は少ない。また、一般によく使用さ
れる化学系の抗菌剤は、効果は大きいが人体への悪影響
もあり、余り高い濃度にすることはできないという問題
がある。反対に天然物の抗菌剤は、効果はマイルドで人
体への悪影響もほとんどないものの、空気中の酸素等で
酸化されやすいため効果の安定性に欠けるという欠点が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものである。すなわち本
発明は、長寿命で、安全性の高い空気清浄用のフィルタ
ー及びこれを搭載した空気清浄装置を提供することを目
的とする。また本発明は、カビ、菌などが繁殖しにくい
衛生的なフィルター及びこれを搭載した空気清浄装置を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明は以下のような構成を備えている。
【0010】すなわち本発明のフィルターは、第1の面
と第2の面とを有し、前記第1の面と前記第2の面との
間に連通した経路を有する基材と、前記基材に担持さ
れ、使用状態で液体状の抗菌性物質が封入されたマイク
ロカプセルとを具備したことを特徴とする。前記基材と
しては例えば不織布などの繊維材料を用いるようにして
もよい。マイクロカプセルに封入された抗菌性物質は使
用状態で液体状であることが好適である。ここで使用状
態で液体状とは、例えば室温で使用するときにはその条
件で、また例えば冷蔵庫内で使用するときにはその条件
で液体状であることである。このようにすることによ
り、マイクロカプセルが破壊されたときに、内部に保持
されていた抗菌性物質が基材に流出して、抗菌効果を与
えることができる。また抗菌性物質がマイクロカプセル
に封入されているので液体状であってもマイクロカプセ
ルが破壊される前は密閉状態となっており、基材から散
逸する割合を極めて低く抑制することができる。
【0011】前記基材には、平均径、厚さ、構成材料、
抗菌剤の種類、または抗菌剤の濃度の異なる複数種のマ
イクロカプセルが担持するようにしてもよい。このよう
な構成によれば、マイクロカプセルの強度、抗菌剤の効
果を複合的に調節することができ、フィルターの寿命、
効果の強度、持続時間などを調節することができる。
【0012】このようなマイクロカプセルは前記基材と
バインダー材を介さずに直接接合していてもよいし、ま
たバインダー剤などを介して基材に結合させるようにし
てもよい。
【0013】前記抗菌性物質としては、例えば常温で液
体状であるものを用いるようにしてもよい。また前記抗
菌性物質として天然有機物質を用いるようにすれば人体
への悪影響を避けることができ、使用後の廃棄物処理も
容易となる。ここで天然有機物質とは、例えば植物から
抽出した有機物質などの天然物由来の物質のことであ
る。
【0014】本発明の空気清浄装置は、第1の面と第2
の面とを有し、前記第1の面と前記第2の面との間に連
通した経路を有する基材と、前記基材に担持された抗菌
性物質が封入されたマイクロカプセルとを有するシート
状のフィルターと、前記マイクロカプセル内に封入され
た前記抗菌性物質を放出させる手段とを具備したことを
特徴とする。また、第1の面と第2の面とを有し、前記
第1の面と前記第2の面との間に連通した経路を有する
基材と、前記基材に担持された抗菌性物質が封入された
マイクロカプセルとを有するシート状のフィルターと、
前記フィルターを供給する第1のロールと、前記フィル
ターを巻き取る第2のロールと、前記第1のロールの近
傍に配設され、前記マイクロカプセル内に封入された前
記抗菌性物質を放出させる手段とを具備するようにして
もよい。この空気清浄装置は上述のような本発明のフィ
ルターに通風して、塵、ほこり、菌、かびなどの汚染物
質を除去するものである。本発明の空気清浄装置では、
上述したような抗菌剤を封入したマイクロカプセルを基
材に担持させているので、必要に応じてマイクロカプセ
ルを壊すことにより抗菌性物質を基材側に流出させるこ
とができる。
【0015】抗菌性物質を放出させる手段としては、例
えばフィルターを振動させる振動子、フィルターを挟ん
でマイクロカプセルを押しつぶす加圧ロール、あるいは
フィルター表面を摩擦してマイクロカプセルを押しつぶ
すブラシなどをあげることができる。またフィルターに
通風させるためのファンによる振動や、通風する空気に
よるフィルターの振動などによりマイクロカプセルを破
壊するようにしてもよい。 マイクロカプセルが破壊さ
れ、封入されていた抗菌性物質が放出されると、例えば
フィルターが補足した塵埃、菌、カビなどを殺菌するこ
とができる。
【0016】本発明の空気清浄装置が備えるフィルター
としては、前述したような本発明の各種のフィルターを
用いるようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳細
に説明する。
【0018】(実施形態1)図1は本発明のフィルター
の構造を概略的に示す図である。
【0019】このフィルター10は、繊維状の基材11
からなり、この基材11には、抗菌性物質が封入された
マイクロカプセル12が担持されている。ここでは基材
11は不織布フィルターを用いており、その繊維の平均
的な径は約10μm程度である。またマイクロカプセル
12は、ユーカリから抽出した液体状の抗菌剤(ユーカ
リ油)を封じ込めたもので、ゼラチンをベースとし、そ
の平均粒径は約10ミクロン程度、平均壁厚は約1ミク
ロン程度である。この例では、このマイクロカプセル1
2を分散させたスラリーに基材11を浸漬し、乾燥処理
を施して基材11にマイクロカプセルを担持させた。こ
のようにすることで、基材11に約100億個/m2
マイクロカプセル12を担持させることができた。な
お、基材11に担持させるマイクロカプセル12の量
は、必要に応じて調節するようにすればよい。
【0020】一般に、このユーカリ油は強い抗菌性があ
るハーブとして知られており、例えばこのような抗菌性
物質を微量に含む水溶液を室内に噴霧することで、室内
の抗菌を行うことができる。しかもユーカリ油は天然成
分であるために、人体に対する安全性が高く、安心して
使用することができる。しかしながら前述のように、こ
のような液体状の抗菌剤をそのまま基材に担持すると、
短時間の間に蒸散してしまい、その効果は瞬時になくな
ってしまうという問題がある。また、ユーカリ油は強い
芳香性を有しているので、そのまま基材に担持すると、
フィルターの使用者によっては匂いを嫌う場合もある。
【0021】本発明のフィルターでは、使用条件で液体
である抗菌剤をゼラチンからなるマイクロカプセルに封
じ込め、このマイクロカプセルを基材に担持させている
ので、マイクロカプセルの壁を壊さない限り、内容物で
ある抗菌剤は外部にはほとんど放出されることはない。
このため必要に応じてマイクロカプセルを破壊して、内
容物である抗菌剤を流出させることにより、フィルター
に対して適切なタイミングで効果的に抗菌作用を与える
ことができる。しかも、この抗菌剤は液体状であるため
にたとえフィルター表面に塵埃等が付着しても、この塵
埃をも覆うように基材上を拡散していくため抗菌効果が
大きくなり、ある程度の時間にわたって継続的に抗菌作
用を付与することができる。また一般にハーブ油などの
抗菌剤は酸化されやすく不安定であるが、本発明のフィ
ルターではマイクロカプセル内に封入しているため酸
化、劣化を防止することができる。
【0022】さらに本発明のこのフィルターは、放置状
態ではマイクロカプセルによって抗菌剤が覆われている
ので、ほとんどその抗菌効果は保存される。そのため特
に密閉性の高い保存袋に入れて保存する必要はない。通
常徐放性のある抗菌剤やこれを入れた担持体などからな
る抗菌フィルターは、ガスバリア性の高い、高価でリサ
イクルの困難な環境に有害なラミネートフィルムからな
る密封袋に入れなければならないが、本発明のフィルタ
ーでは、このようにガスバリア性の高いフィルムを使用
する必要がなく、通常の安価で環境に優しいポリエチレ
ン等の袋でも構わない。
【0023】なおここでは、ゼラチンによるマイクロカ
プセルを用いた例について説明したが、上述のような抗
菌剤を内包せしめ、しかも保持性が充分であればどのよ
うな材質のマイクロカプセルでもよい。例えば、尿素ホ
ルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、ポリ乳酸、メ
タクリル系樹脂等の樹脂系の材料を用いるようにしても
よい。特に尿素ホルマリン樹脂では、抗菌剤のシール性
がゼラチンよりも優れており、さらにやや壁が脆いとい
う性質を有するため、振動や摩擦、あるいは加圧などに
よりマイクロカプセルを破壊して内容物を放出させて用
いる本発明のフィルターには好適に用いることができ
る。
【0024】またマイクロカプセル内に封入する抗菌剤
は液体状であれば何でもよいが、人体への悪影響等を考
慮した場合には天然の抗菌剤を用いることが好適であ
る。このような天然の抗菌剤としては、ユーカリ以外
に、例えばティートゥリー、パイン、ビターオレンジな
ど必要に応じて用いることができる。また、これらの抗
菌剤を複数種混合して用いるようにしてもよい。
【0025】またこの例では1種類のマイクロカプセル
を用いたが、マイクロカプセルの材質、厚み、大きさを
変えた複数種のマイクロカプセルを同一基材に担持する
ようにしてもよい。また封入される抗菌剤の種類、濃度
を変えた複数種のマイクロカプセルを用いるようにして
もよい。図2は基材に大きさの異なるマイクロカプセル
を担持した本発明のフィルターの構造を概略的に示す図
である。
【0026】このフィルター10bは、繊維状の基材1
1からなり、この基材11には、抗菌性物質が封入され
たマイクロカプセル12が担持されている。ここでは基
材11は不織布フィルターを用いており、その繊維の平
均的な径は約10μmである。そしてこの基材11に、
径および(殻の)膜厚の異なる2種類のマイクロカプセ
ル12a、12bが担持されている。なおさらに複数の
種類のマイクロカプセルを担持するようにしてもよい。
【0027】このような構成を採用することにより例え
ば摩擦、圧力、振動などマイクロカプセルに対する刺激
に対する対抗力を複合化することができる。このため、
マイクロカプセルが壊れて内部の抗菌剤が基材に流出す
るタイミングを様々に変化させることができる。またフ
ィルターの寿命を長くすることができるだけでなく、寿
命のコントロールもより容易に行うことができる。
【0028】(実施形態2)ここで、抗菌剤を封入した
マイクロカプセル12を基材11に担持させる方法につ
いて説明する。図3はマイクロカプセルを基材に担持す
る方法を説明するための図である。
【0029】まず例えばユーカリ油などの抗菌剤を、例
えばゼラチンなどのマイクロカプセル材料に投入、乳化
重合させて、抗菌剤が封入されたマイクロカプセル12
を作成する(図3(a)、図3(b))。このようにし
て得られたマイクロカプセル12を例えば水等の極性溶
媒などに分散させたスラリーを用意し、このスラリーに
不織布などのフィルターの基材11を浸漬し(図3
(c))、その後乾燥することによりマイクロカプセル
12を基材11に担持させることができる(図3
(d))。またこの例ではマイクロカプセル12の殻の
構成材料としてゼラチンを用いているため、マイクロカ
プセル12の殻の表層は水分を含み、樹脂の重合が未熟
であったり、やや溶解されている状態であるため、基材
11の繊維に対してバインダー剤を用いることなく固着
することができた。図4は基材11にマイクロカプセル
12が直接接合している様子を模式的に示す図である。
このように、マイクロカプセル12は乾燥後は繊維状の
基材11と直接強固に接合しており、振動等を与えても
基材11からはずれたり飛散することはほとんどなかっ
た。
【0030】なお、平均径、殻の厚さ、または構成材料
などの異なる複数種のマイクロカプセルを同一基材に担
持させる場合には、あらかじめ複数種のマイクロカプセ
ルを作成しておき、これらのマイクロカプセルを分散さ
せたスラリーに基材を浸漬するようにすればよい。
【0031】またこの例では、浸漬(ディッピング)に
よりマイクロカプセルを基材に担持させた例について説
明したが、これ以外の方法でもマイクロカプセルが基材
に担持、もしくは含有されればどのような方法を用いて
もよい。例えば、マイクロカプセルを液体に分散させて
基材にスプレーするようにしてもよいし、マイクロカプ
セルを分散させた液体を基材上に流すフロー添着を行う
ようにしてもよい。
【0032】なお以上の説明では、フィルターの基材と
して不織布フィルターを用いた例について説明したが、
例えば紙、多孔質の無機材料などを用いるようにしても
よい。また、フィルターの形状もシート状に限らず、例
えばハニカム状など必要に応じて成形するようにすれば
よい。
【0033】さらに、上述のように製造した本発明のフ
ィルターでは、未処理の不織布からなる基材11にマイ
クロカプセル12を混入したスラリーにディッピング処
理して担持させたが、マイクロカプセル12を基材11
に担持させることにより、基材11の目が幾分詰まり気
味になり、塵埃等の補集効率が向上することが確認され
た。これは、マイクロカプセル12を基材11に担持す
ることによりフィルターの表面積が増大するためである
と考えられる。このように本発明のフィルターによれ
ば、塵埃等の補集効率が向上し、浄化能力を高くするこ
とができる。
【0034】(実施形態3)図5は本発明の空気清浄装
置の構成を概略的に示す図であり、図6はそのAA方向
の断面構造を概略的に示す図である。
【0035】この空気清浄装置は、筐体20内の吸気口
21と吹出口22との間の流路に、上述したような本発
明のフィルター10を配設したものである。この例で
は、フィルター10はロール状に巻き取られ、供給ロー
ル23と巻き取りロール24との間に流路をまたぐよう
に配設されている。供給ロール23、巻き取りロール2
4に巻き取られたフィルター10はカセット状に交換可
能になっている。また流路にはファン25が備えられて
おり、モータ26によりこのファン25を回転させて空
気をフィルター10に流通させることにより、空気中の
塵埃などを除去することができる。なおこの例では、比
較的大きな綿ゴミなどを捕集するために、フィルター1
0の前段にプレフィルター27を配設しており、さらに
消臭、空気中の化学物質などを吸着するため、フィルタ
ー10の後段には活性炭フィルター28を備えている。
【0036】そして本発明の空気清浄装置は、フィルタ
ー10の基材11に担持されたマイクロカプセル12を
破壊するために、人為的にマイクロカプセル12を破壊
するための機構として1対の加圧ロール30a、30b
を設けている。図7はフィルター10の基材11に担持
されたマイクロカプセル12を破壊するための加圧ロー
ルを説明するための図である。すなわちこの空気清浄装
置は、供給ロール23の近傍に、フィルター10を両面
から挟むように配設された1対の加圧ロール30a、3
0bが配設されており、この加圧ロール30a、30b
の間隙を調節することにより、フィルター10が通り抜
ける際に基材11に担持されたマイクロカプセル12が
押しつぶされて、内容物である抗菌性物質が基材11側
に流出するように構成されている。したがって、フィル
ター10には抗菌性が付与され、カビ、菌などの増殖を
防止することができる。
【0037】また例えば、供給ロール23の回転に伴う
振動、張力などによっても、フィルター10に担持した
マイクロカプセル12を破壊して、抗菌効果を発揮させ
ることができる。この他にも、加圧ロール30に代えて
ブラシを配設し、このブラシによりフィルター10を摩
擦することによりマイクロカプセルを破壊するようにし
てもよい。さらに供給ロール23、巻き取りロール24
の近傍に振動体を置いて、適宜フィルターを振動させる
ことによりマイクロカプセルを破壊するようにしてもよ
い。またファンを回転させてフィルターに通風すること
によってもフィルター10が微振動してマイクロカプセ
ルが破壊され、抗菌効果を発現させることができる。
【0038】このような各種のマイクロカプセルの破壊
手段は、複数組み合わせて用いるようにしてもよい。特
に、マイクロカプセルの大きさ、殻の厚さ等の異なる複
数のマイクロカプセルを、異なる破壊手段により壊して
多段階的に抗菌剤を流出させることにより、フィルター
上に抗菌作用を付与するタイミング、抗菌作用の持続時
間等を調節することができる。
【0039】このような構成を採用することにより、フ
ィルター10の所定の領域が実際に使用される直前ま
で、抗菌剤をマイクロカプセル12内に封じ込めておく
ことができる。
【0040】例えば保存用の袋から取り出した本発明の
フィルターは、空気清浄装置の通風流路にセットされ、
運転時に通風の振動によってマイクロカプセルが徐々に
破壊されることにより抗菌効果を発揮し始める。しか
も、この抗菌性物質は、液体状であるためにたとえフィ
ルター表面に塵埃等が付着しても、この塵埃をも覆うよ
うに拡散していくため、抗菌効果が大きい。また、空気
清浄装置不使用時には、マイクロカプセルはほとんど破
壊されない。このため必要な時だけ抗菌効果の発現させ
ることができ、抗菌効果の持続時間を長くすることがで
き、非常に経済的である。
【0041】また一般に天然のハーブ油は酸化されやす
く不安定であるが、本発明のフィルター、空気清浄装置
では、抗菌剤はマイクロカプセル内に封入されているた
めに酸化が防止され、劣化を防ぐことをできる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフィルター
によれば、抗菌性物質をマイクロカプセルに封入して基
材に担持させているので、マイクロカプセルの殻壁を壊
すまで、内容物である抗菌性物質はほとんど外部に放出
されることはない。したがって必要に応じてマイクロカ
プセルを破壊することにより、フィルターに抗菌作用を
与えることができる。
【0043】また本発明のフィルターによれば、酸化さ
れやすく不安定な抗菌性物質をマイクロカプセル内に封
入しているため、抗菌性物質の酸化、劣化を防止するこ
とができる。さらに本発明のフィルターでは、マイクロ
カプセルによって抗菌剤の抗菌効果を実際の使用時まで
保存することができる。このため密閉性の高い専用の保
存容器内で保存する必要がなく、取り扱いを容易にする
ことができる。したがってフィルターの寿命を長くする
ことができる。
【0044】さらに本発明のフィルターによれば、基材
に、平均径、厚さ、構成材料、抗菌剤の種類、または抗
菌剤の濃度の異なる複数種のマイクロカプセルを担持す
ることにより、マイクロカプセルの強度、抗菌剤の効果
を複合的に調節することができる。したがって、フィル
ターの寿命、効果の強度、持続時間などを調節するこ、
とができる。さらにマイクロカプセルの厚み、大きさ、
材質の異なるものを混合することにより、抗菌性を発現
させるタイミング、抗菌性の持続時間を調節することが
できる。したがってこれらを異ならせることで、効果の
持続性を高くすることができる。このように本発明のフ
ィルターによれば、従来寿命が短く、安全性に欠けてい
た抗菌性フィルターをより長寿命にし、保存性を向上
し、安全性を高めることができる。
【0045】また本発明の空気清浄装置によれば、マイ
クロカプセルに抗菌性物質を保持し、このマイクロカプ
セルを必要に応じて破壊して基材に流出させることによ
り、フィルターに抗菌作用を付与することができる。し
かも、使用前、非運転時には抗菌効果を保持することが
できるためフィルターの寿命を長くすることができる。
また効果の経時的な減衰を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルターの構成の例を概略的に示す
図。
【図2】本発明のフィルターの構成の別の例を概略的に
示す図。
【図3】マイクロカプセルを基材に担持する方法を説明
するための図。
【図4】基材にマイクロカプセルが直接接合している様
子を模式的に示す図。
【図5】本発明の空気清浄装置の構成を概略的に示す
図。
【図6】本発明の空気清浄装置の断面構造を概略的に示
す図。
【図7】マイクロカプセルを破壊するための加圧ロール
を説明するための図。
【符号の説明】
10…………フィルター 11…………基材 12…………マイクロカプセル 12a,12b…………マイクロカプセル 20…………筐体 21…………吸気口 22…………吹出口 23…………供給ロール 24…………巻き取りロール 25…………ファン 26…………モータ 27…………プレフィルター 28…………活性炭フィルター 30a、30b…………加圧ロール

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の面と第2の面とを有し、前記第1
    の面と前記第2の面との間に連通した経路を有する基材
    と、 前記基材に担持され、使用状態で液体状である抗菌性物
    質が封入されたマイクロカプセルとを具備したことを特
    徴とするフィルター。
  2. 【請求項2】 前記基材は繊維であることを特徴とする
    請求項1に記載のフィルター。
  3. 【請求項3】 前記マイクロカプセルは前記基材と直接
    接合していることを特徴とする請求項1乃至請求項2の
    いずれかに記載のフィルター。
  4. 【請求項4】 前記基材には、平均径、厚さ、構成材
    料、抗菌剤の種類、または抗菌剤の濃度の異なる複数種
    のマイクロカプセルが担持されていることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィルター。
  5. 【請求項5】 前記抗菌性物質は天然有機化合物である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載のフィルター。
  6. 【請求項6】 第1の面と第2の面とを有し、前記第1
    の面と前記第2の面との間に連通した経路を有する基材
    と、前記基材に担持された抗菌性物質が封入されたマイ
    クロカプセルとを有するシート状のフィルターと、 前記マイクロカプセル内に封入された前記抗菌性物質を
    放出させる手段とを具備したことを特徴とする空気清浄
    装置。
  7. 【請求項7】 前記フィルターは請求項2乃至請求項6
    に記載のいずれかに記載のフィルターであることを特徴
    とする請求項6に記載の空気清浄装置。
JP3268798A 1998-02-16 1998-02-16 フィルター、及び空気清浄装置 Withdrawn JPH11226326A (ja)

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