JPH11216643A - 作用要素の位置ずれ防止方法及び切削装置 - Google Patents

作用要素の位置ずれ防止方法及び切削装置

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JPH11216643A
JPH11216643A JP10020660A JP2066098A JPH11216643A JP H11216643 A JPH11216643 A JP H11216643A JP 10020660 A JP10020660 A JP 10020660A JP 2066098 A JP2066098 A JP 2066098A JP H11216643 A JPH11216643 A JP H11216643A
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expansion
cutting
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thrust bearing
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Nobuhiko Wakita
信彦 脇田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】作用要素が支持部に支持された機構において、
支持部が熱膨張した場合においても作用要素の位置を一
定に保つ。 【解決手段】支持部の熱膨張方向と反対方向に熱膨張す
ることにより支持部を該反対方向に移動させる線膨張係
数がMの伸縮相殺部材を支持部に配設し、支持部を構成
する部材の線膨張係数をK、作用要素から伸縮相殺部材
と支持部との取り付け位置までの距離をLとした場合、
伸縮相殺部材の厚さを(K×L/M)として、支持部を
構成する部材が熱膨張したときは、伸縮相殺部材が該反
対方向に同じだけ熱膨張して該反対方向に作用要素を移
動させるようにした作用要素の位置ずれ防止方法を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱変化によって支
持部材が伸縮して作用要素に位置ずれが生じるのを防止
する方法及びその方法を適用して精密な切削を可能とし
た切削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、図4に示す切削装置50におい
て、被加工物、例えば半導体ウェーハWを切削しようと
するときは、半導体ウェーハWは保持テープTを介して
フレームFに保持されて、チャックテーブル34に保持
される。
【0003】そして、チャックテーブル34がX軸方向
に移動してアライメント手段51の直下に位置付けら
れ、パターンマッチング等の処理によって切削領域が検
出されてアライメントが遂行された後、更にチャックテ
ーブル34がX軸方向に移動して切削手段52の作用を
受けることによって切削が行われる。
【0004】切削手段52は、図5に示すように、チャ
ックテーブル34に保持された被加工物を切削する作用
要素である円形ブレード53と、円形ブレード53を先
端に装着すると共にスラストプレート53aを備えた回
転スピンドル54と、回転スピンドル54の回転の駆動
源となるモータ部55と、回転スピンドル54をスラス
ト軸受け56a、56b及びラジアル軸受け57によっ
て支持するスピンドルハウジング58とから概ね構成さ
れている。そして、モータ部55を構成するロータ59
が回転することによって回転スピンドル54が回転し、
これに伴い回転スピンドル54に装着された円形ブレー
ド53が回転する。
【0005】回転スピンドル54は、スラスト軸受け5
6a、56bからスラストプレート53aに向けて吹き
出すエアー及びラジアル軸受け57から回転スピンドル
54の軸芯に向けて吹き出すエアーによって、スピンド
ルハウジング58と非接触の状態で一定の距離を保ちな
がら回転可能に支持されている。
【0006】そして、切削時には、回転スピンドル54
がモータ部55に駆動されて回転すると共に、切削手段
52全体がY軸方向及びZ軸方向に移動すると共に、チ
ャックテーブル34がX軸方向に移動することにより、
高速回転する円形ブレード53によってチャックテーブ
ル34に保持された半導体ウェーハWが切削される。
【0007】昨今のチップの微小化により、切削精度の
要求も厳しくなってきており、切削装置の運動精度も向
上してきているが、回転スピンドル54の回転によって
生ずる熱により、回転スピンドル54が伸縮して円形ブ
レード53の位置にずれが生ずる場合がある。かかる位
置のずれは切削誤差の原因となるため、特に、切削精度
の要求が厳しい昨今においては無視できないものであ
る。例えば、半導体ウェーハの表面に形成された幅が5
0μm程のストリートの中心に厚さが15μm程の円形
ブレードをあてがって切削を行う場合、熱により回転ス
ピンドルが20μm程伸縮して円形ブレードの位置が同
じく20μm程ずれてしまうと、ストリート以外のとこ
ろを切削してしまい、チップが破損するという問題が生
じる。
【0008】そこで、スラスト軸受け56a、56bや
ラジアル軸受け57を含むスピンドルハウジング58に
線膨張係数の小さい素材を使用したり、回転スピンドル
54の周囲の温度を一定に保ったりすることにより、回
転スピンドル54を熱変動に対して伸縮の少ないものと
するための種々の策が講じられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、線膨張
係数の小さな素材は一般的には高価であり、また、回転
スピンドル54の周囲の温度を一定に保つためには専用
の装置が必要となって費用がかかり、いずれの場合も経
済性の点で問題がある。
【0010】従って、熱変動があっても伸縮することが
ないようにして、作用要素の位置ずれを防止すること、
特に、切削装置において回転スピンドルの伸縮の影響を
受けずに円形ブレードの位置を一定に保つことを経済的
な方法によって実現することに課題を有している。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の具体的手段として本発明は、作用要素が支持部に支持
された機構において、該支持部の熱膨張に伴う該作用要
素の位置ずれを防止する方法であって、支持部の熱膨張
方向と反対方向に熱膨張することにより支持部を該反対
方向に移動させる線膨張係数がMの伸縮相殺部材を支持
部に配設し、該支持部を構成する部材の線膨張係数を
K、作用要素から伸縮相殺部材と支持部との取り付け位
置までの距離をLとした場合、伸縮相殺部材の厚さを
(K×L/M)として、支持部を構成する部材が熱膨張
したときは、伸縮相殺部材が反対方向に同じだけ熱膨張
して反対方向に該作用要素を移動させるようにした作用
要素の位置ずれ防止方法を提供するものである。
【0012】そして、作用要素は被加工物を切削するブ
レードであり、支持部材は該ブレードを回転可能に支持
するスピンドル部であり、伸縮相殺部材は、該スピンド
ル部に配設したことを付加的要件とするものである。
【0013】このような作用要素の位置ずれ防止方法に
よれば、支持部の熱膨張が伸縮相殺部材の熱膨張に伴う
支持部の反対方向への移動によって相殺されて、作用要
素の位置が一定に保たれる。
【0014】更に本発明は、少なくとも、被加工物を保
持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持
された被加工物を切削する切削手段とを含み、該切削手
段は、少なくとも、被加工物を切削する円形ブレード
と、該円形ブレードを支持する回転スピンドルと、該回
転スピンドルをスラスト軸受け及びラジアル軸受けによ
って支持するスピンドルハウジングと、該スピンドルハ
ウジングを該切削装置に固定するスピンドル取り付け部
とから構成されており、回転スピンドルの熱膨張方向と
反対方向に熱膨張することにより回転スピンドルを該反
対方向に移動させる線膨張係数がMの伸縮相殺部材をス
ピンドルハウジングに取り付け、回転スピンドルの線膨
張係数をK、円形ブレードから伸縮相殺部材とスピンド
ルハウジングとの取り付け位置までの距離をLとした場
合、伸縮相殺部材の厚さを(K×L/M)とし、回転ス
ピンドルが熱膨張したときは、伸縮相殺部材が反対方向
に同じだけ熱膨張して反対方向に円形ブレードを移動さ
せるようにした切削装置を提供するものである。
【0015】そして、スピンドルハウジングのスラスト
軸受けのうち、円形ブレードに近い側のスラスト軸受け
と、回転スピンドルのスラストプレートとの間に伸縮相
殺部材を介在させたこと、スピンドルハウジングはスピ
ンドル取り付け部に固定されており、該スピンドル取り
付け部とスピンドルハウジングとの間に伸縮相殺部材を
介在させたことを付加的要件とするものである。
【0016】このような切削装置によれば、回転スピン
ドルの熱膨張が伸縮相殺部材の熱膨張に伴う回転スピン
ドルの反対方向への移動によって相殺されて、円形ブレ
ードの位置が一定に保たれる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態として、本発
明に係る作用要素の位置ずれ防止方法を、切削装置10
に適用した場合を例に挙げて説明する。なお、理解を容
易とするため、従来の切削装置と共通する部位について
は同一の符号を付して説明することとする。
【0018】図1は、本発明が適用される切削装置10
において実際に切削が行われる領域の構造を示したもの
であり、Y軸方向に所要範囲移動可能な支持部11にお
いて、切削手段12がZ軸方向に移動可能に支持された
構成となっている。
【0019】支持部11は、水平に配設された基台13
の端部から壁体14が起立して設けられた構成となって
おり、Y軸方向に配設された第一のボールネジ15が第
一のパルスモータ16によって駆動されて回転すること
により、Y軸方向に所要範囲移動可能となっている。そ
して、支持部11のY軸方向の移動は、第一のリニアス
ケール17の読み取り値に基づいて精密制御される。
【0020】また、切削手段12は、壁体14の内側の
面にZ軸方向に配設された第二のボールネジ18が第二
のパルスモータ19によって駆動されて回転することに
より、Z軸方向に所要範囲移動可能となっている。そし
て、切削手段12のZ軸方向の移動は、第二のリニアス
ケール20の読み取り値に基づいて精密制御される。
【0021】切削手段12は、図2に示すように、実際
の切削を行う作用要素である円形ブレード21と、円形
ブレード21を先端に装着して支持する回転スピンドル
22と、回転スピンドル22の駆動源となるモータ部2
3と、スラスト軸受け24、25及びラジアル軸受け2
6によって回転スピンドルを回転可能に支持するスピン
ドルハウジング27と、スピンドルハウジング27を固
定する固定部であるスピンドル取り付け部28とから構
成されている。そして、回転スピンドル22とスピンド
ルハウジング27とで支持部であるスピンドル部を構成
している。
【0022】回転スピンドル22は、線膨張係数が比較
的小さい素材により形成されており、例えばシンクロナ
スモータからなるモータ部23のロータ29と嵌合して
おり、ロータ29が回転することによって回転スピンド
ル22が回転し、これに伴い回転スピンドル22に装着
された円形ブレード21が回転する構成となっている。
また、回転スピンドル22のモータ部23側の端部に
は、円板状のスラストプレート30が形成されている。
【0023】スピンドルハウジング27は、モータ部2
3を内部に収容すると共に、スラスト軸受け24、25
を内壁から内側に突出させており、スラスト軸受け2
4、25からスラストプレート30に向けて吹き出すエ
アーによってスラストプレート30との間で一定の距離
を保ってスラストプレート30を支持し、回転スピンド
ル22のY軸方向の位置が一定に保たれている。
【0024】スラスト軸受け25を形成する素材は従来
と同様で、スラスト軸受け24は従来とは異なり線膨張
係数の大きな素材で形成されている。
【0025】更に、スピンドルハウジング27は、内周
に設けたラジアル軸受け26から回転スピンドル22の
軸芯に向けて吹き出すエアーによって回転スピンドル2
2との間で一定の距離を保ってX軸方向及びZ軸方向に
おいて回転スピンドル22を回転可能に支持している。
【0026】スピンドルハウジング27の外周の略中間
位置には突出部31が突出しており、この突出部31の
取り付け面32とスピンドル取り付け部28の端部とが
固着されると共に、スピンドルハウジング27のうち、
取り付け面32よりモータ部23側に位置する外周が、
断面がコの字型に形成されたスピンドル取り付け部28
の内周に係合することによって、スピンドルハウジング
27とスピンドル取り付け部28とが固定されている。
また、スラスト軸受け24の片面が取り付け面32に固
定されている。
【0027】切削しようとする被加工物33は、チャッ
クテーブル34に保持されており、第三のパルスモータ
35に駆動され、一対のレール36a、36bにガイド
されてX軸方向に移動することによって円形ブレード2
1の作用を受ける。
【0028】このように構成される切削装置10におい
ては、被加工物33をチャックテーブル34に載置し、
従来と同様にアライメントを遂行して切削位置を検出し
た後、その切削位置に円形ブレード21のY軸方向の位
置を合わせると共に、切削手段12が下降し、更にチャ
ックテーブル34がX軸方向に移動することにより、回
転する円形ブレード21の作用を受けて被加工物33が
切削される。
【0029】円形ブレード21のY軸方向の位置合わせ
は、第一のパルスモータ16に駆動されて第一のボール
ネジ15が回転し、これに伴い支持部11がY軸方向に
移動することによって行われる。一方、Z軸方向の位置
合わせは、第二のパルスモータ19に駆動されて第二の
ボールネジ18が回転し、切削手段12がZ軸方向に移
動することによって行われる。
【0030】円形ブレード21は、モータ部23に駆動
されて回転スピンドル22が回転することにより回転す
る。ここで、回転スピンドル22は、スラスト軸受け2
4、25によってY軸方向の位置がスピンドルハウジン
グ27内において一定に保たれており、また、X軸方向
及びZ軸方向の位置もラジアル軸受け26によって一定
に保たれているが、回転による熱変動によって回転スピ
ンドル22はY軸方向に膨張することがある。
【0031】回転スピンドル22が膨張すると、その先
端に装着された円形ブレード21にも位置ずれが生じる
ため、そのままの状態で切削を行うと、切削位置に誤差
が生じることになる。そこで、本発明においては、Y軸
方向の支持を行うスラスト軸受けの片方であるスラスト
軸受け24に回転スピンドル22の素材よりも線膨張係
数の大きな素材を用いることにより、円形ブレード21
の位置ずれを防止するようにしている。具体的には、以
下のようにして位置ずれを防止する。
【0032】例えば、線膨張係数が比較的小さい素材に
より形成された回転スピンドル22が+Y方向に膨張し
た場合には、線膨張係数が大きいスラスト軸受け24も
−Y方向に膨張する。ここで、スラスト軸受け24が膨
張した場合でも、吹き出すエアーによってスラストプレ
ート30との距離は一定に保たれているので、スラスト
軸受け24が膨張した分だけスラストプレート30もス
ラスト軸受け24が膨張した方向と同方向、即ち、回転
スピンドル22の膨張方向と反対の方向に移動し、ひい
てはスラストプレート30を含む回転スピンドル22に
装着された円形ブレード21も同じだけ同方向に移動す
る。つまり、スラスト軸受け24は、回転スピンドル2
2が膨張した分だけ回転スピンドル22と反対方向に移
動させるものであり、伸縮相殺部材として機能するので
ある。但し、回転スピンドル22の+Y方向の膨張量と
スラスト軸受け24の−Y方向の膨張量とを等しくして
ずれを完全に相殺するためには、スラスト軸受け24の
厚さTを以下のように設定する必要がある。
【0033】図2に示すように、スラスト軸受け24の
取り付け面32から円形ブレード21までの長さをL、
回転スピンドル22の線膨張係数をK、スラスト軸受け
24を構成する部材の線膨張係数をM、スラスト軸受け
24の厚さをTとした場合、回転スピンドル22の膨張
量は(K×L)、スラスト軸受け24の膨張量は(T×
M)で表すことができる。ここで、(K×L=T×M)
の関係が成立すれば、回転スピンドル22の膨張はスラ
スト軸受け24の膨張によって完全に相殺されることに
なる。従って、スラスト軸受け24の厚さTは、(T=
K×L/M)の関係が成立するように設定しておけばよ
い。
【0034】なお、スラスト軸受け25とスラストプレ
ート30との間の間隔を多少大きめに、例えば25μm
程度に設定することにより、スラスト軸受け24の熱膨
張によるスラストプレート30の移動を許容することが
できる。また、ロータ29は多少の伸縮を吸収できるよ
うに構成されている。
【0035】次に、第二の実施の形態として、図3のよ
うに、スラスト軸受けとは別に伸縮相殺部材を配設した
場合について説明する。なお、第一の実施の形態と共通
する部位については同一の符号を付して説明する。
【0036】図3におけるスピンドル取り付け部41
は、第一の実施の形態で説明したスピンドル取り付け部
28とは形状が異なっており、その内部には、第一の実
施の形態で示したスピンドル取り付け部28よりも大き
な空洞部43が形成され、コの字の先端には伸縮相殺部
材40を固着するための固着部44が設けられている。
そして、固着部44に固着された伸縮相殺部材40を介
してスピンドルハウジング27の突出部31が取り付け
られた構成となっており、スピンドル取り付け部41と
スピンドルハウジング27とは、伸縮相殺部材40のみ
によって結合され、それ以外の部分では非接触の状態と
なっている。
【0037】また、スピンドルハウジング27のスラス
ト軸受け25a、25bは、共に線膨張係数の比較的小
さい素材によって形成されている。
【0038】例えば熱変動によって回転スピンドル22
が+Y方向に膨張して円形ブレード21が+Y方向に位
置ずれした場合には、伸縮相殺部材40が−Y方向に膨
張してスピンドルハウジング27を−Y方向に移動させ
る。スラスト軸受け25a、25bとスラストプレート
30との間の距離は常に一定に保たれているので、スピ
ンドルハウジング27が−Y方向に移動すれば、回転ス
ピンドル22も−Y方向に同じだけ移動することにな
る。
【0039】この場合、回転スピンドル22の伸縮を伸
縮相殺部材40によって完全に相殺するためには、第一
の実施の形態と同様に、(T=K×L/M)の関係式が
成り立っていればよい。ここで、Tは伸縮相殺部材40
の厚さ、Mは伸縮相殺部材40の線膨張係数、Kは回転
スピンドル22の線膨張係数であり、この場合のLは、
スピンドル取り付け部41と伸縮相殺部材40とが固着
された固着面42から円形ブレード21までの距離であ
る。
【0040】なお、本実施の形態においては、本発明を
切削装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、これ
に限定されるものではなく、熱変動により位置ずれが生
じる様々な装置に適用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る作用
要素の位置ずれ防止方法によれば、支持部の熱膨張が伸
縮相殺部材の熱膨張に伴う支持部の反対方向への移動に
よって相殺されて、作用要素の位置が一定に保たれて熱
による影響を受けることがなくなるため、この方法を適
用した装置における作用要素の動作に誤差がなくなり、
生産、加工等の作業を精密に行うことができる。
【0042】また、本発明に係る切削装置によれば、回
転スピンドルの熱膨張が伸縮相殺部材の熱膨張に伴う回
転スピンドルの反対方向への移動によって相殺されて、
円形ブレードの位置が一定に保たれるため、精密な切削
を行うことができ、半導体チップ等の品質を向上させる
ことができる。更に、回転スピンドル、スピンドルハウ
ジングに線膨張係数の小さな素材を使用しなくてもよい
ため、ステンレスのような一般の鋼材を使用することが
でき、経済性の面でも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置ずれ防止方法が適用される装
置の一例である切削装置の構造を示す説明図である。
【図2】同切削装置の切削手段の構成の第一の実施の形
態を示す説明図である。
【図3】同切削装置の切削手段の構成の第二の実施の形
態を示す説明図である。
【図4】従来の切削装置を示す斜視図である。
【図5】同切削装置の切削手段の構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10……切削装置 11……支持部 12……切削手段
13……基台 14……壁体 15……第一のボールネジ 16……第
一のパルスモータ 17……第一のリニアスケール 18……第二のボール
ネジ 19……第二のパルスモータ 20……第二のリニアス
ケール 21……円形ブレード 22……回転スピンドル 23
……モータ部 24……スラスト軸受け(伸縮相殺部材) 25……ス
ラスト軸受け 26……ラジアル軸受け 27……スピンドルハウジン
グ 28……スピンドル取り付け部 29……ロータ 30
……スラストプレート 31……突出部 32……取り付け面 33……被加工
物 34……チャックテーブル 35……第三のパルスモー
タ 36a、36b……レール 40……伸縮相殺部材 41……スピンドル取り付け部
42……固着面 43……空洞部 44……固着部 50……切削装置 51……アライメント手段 52…
…切削手段 53……円形ブレード 53a……スラストプレート
54……回転スピンドル 55……モータ部 56a、56b……スラスト軸受け 57……ラジアル軸受け 58……スピンドルハウジン
グ 59……ロータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作用要素が支持部に支持された機構にお
    いて、該支持部の熱膨張に伴う該作用要素の位置ずれを
    防止する方法であって、 該支持部の熱膨張方向と反対方向に熱膨張することによ
    り該支持部を該反対方向に移動させる線膨張係数がMの
    伸縮相殺部材を該支持部に配設し、 該支持部を構成する部材の線膨張係数をK、該作用要素
    から該伸縮相殺部材と該支持部との取り付け位置までの
    距離をLとした場合、該伸縮相殺部材の厚さを(K×L
    /M)として、該支持部を構成する部材が熱膨張したと
    きは、該伸縮相殺部材が該反対方向に同じだけ熱膨張し
    て該反対方向に該作用要素を移動させるようにした作用
    要素の位置ずれ防止方法。
  2. 【請求項2】 作用要素は被加工物を切削するブレード
    であり、支持部材は該ブレードを回転可能に支持するス
    ピンドル部であり、伸縮相殺部材は、該スピンドル部に
    配設した請求項1に記載の作用要素の位置ずれ防止方
    法。
  3. 【請求項3】 少なくとも、被加工物を保持するチャッ
    クテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工
    物を切削する切削手段とを含み、 該切削手段は、少なくとも、被加工物を切削する円形ブ
    レードと、該円形ブレードを支持する回転スピンドル
    と、該回転スピンドルをスラスト軸受け及びラジアル軸
    受けによって支持するスピンドルハウジングと、該スピ
    ンドルハウジングを該切削装置に固定するスピンドル取
    り付け部とから構成されており、該回転スピンドルの熱
    膨張方向と反対方向に熱膨張することにより該回転スピ
    ンドルを該反対方向に移動させる線膨張係数がMの伸縮
    相殺部材を該スピンドルハウジングに取り付け、 該回転スピンドルの線膨張係数をK、該円形ブレードか
    ら該伸縮相殺部材と該スピンドルハウジングとの取り付
    け位置までの距離をLとした場合、該伸縮相殺部材の厚
    さを(K×L/M)とし、 該回転スピンドルが熱膨張したときは、該伸縮相殺部材
    が該反対方向に同じだけ熱膨張して該反対方向に該円形
    ブレードを移動させるようにした切削装置。
  4. 【請求項4】 スピンドルハウジングのスラスト軸受け
    のうち、円形ブレードに近い側のスラスト軸受けと、回
    転スピンドルのスラストプレートとの間に伸縮相殺部材
    を介在させた請求項3に記載の切削装置。
  5. 【請求項5】 スピンドルハウジングはスピンドル取り
    付け部に固定されており、該スピンドル取り付け部と該
    スピンドルハウジングとの間に伸縮相殺部材を介在させ
    た請求項3に記載の切削装置。
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