JPH1121288A - アルコキシシランの製造方法 - Google Patents

アルコキシシランの製造方法

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JPH1121288A
JPH1121288A JP9192058A JP19205897A JPH1121288A JP H1121288 A JPH1121288 A JP H1121288A JP 9192058 A JP9192058 A JP 9192058A JP 19205897 A JP19205897 A JP 19205897A JP H1121288 A JPH1121288 A JP H1121288A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒活性化反応を速やかに進行させることが
でき、工業的に安価で得られる触媒を用いて、高い反応
速度と合成収率を有するアルコキシシランの製造方法の
提供。 【解決手段】 不活性反応溶媒中、触媒の存在下で金属
硅素と炭素数1〜4のアルキルアルコールとを反応させ
てアルコキシシランを製造する方法において、前記触媒
が直鎖アルキルベンゼン中で金属硅素と共に加熱するこ
とにより活性化された触媒であることを特徴とするアル
コキシシランの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシシラン
の製造方法に関し、特に、工業的に安価に得られる汎用
の触媒を用いても高い硅素転化率および反応速度が得ら
れる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラエトキシシランやトリエトキシシ
ラン等のアルコキシシランは合成石英やセラミックスの
原料として、また、半導体や液晶用の絶縁膜や保護膜の
原料として、あるいはSi−H官能基を利用したヒドロ
シリル化反応によるシランカップリング剤や架橋剤の原
料として、近年ますます多く使用されている。アルコキ
シシランの従来の製造方法としては、金属珪素に塩素や
塩酸を反応させてトリクロルシランやテトラクロルシラ
ン等のクロルシラン類を作り、それを更に低級アルコー
ルとエステル化反応させる方法が多く行われてきた。し
かし、この方法は本質的に2段階の反応であって複雑で
あり経済的に有利な方法でなく、エステル化では大量の
塩酸が副生するため装置の腐食の問題があり、また、目
的物であるアルコキシシランとその塩素置換不純物との
沸点が近いため目的物の分離精製が困難である等の問題
があった。
【0003】これに対して、不活性反応溶媒(以下、単
に「反応溶媒」と称する。)中で銅系触媒を用いて金属
珪素と低級アルコールとを直接反応させる方法が提案さ
れた(特開昭63-41919号)。この反応は1段階であり塩
酸も副生しないために、経済的で工業的に良好に実施で
きる方法である。この方法で用いる反応溶媒のうち、ア
ルキルベンゼンは、沸点が高く、かつ合成洗剤の主原料
として大規模に生産されているので、大量に極めて安価
に得ることができるという長所があり広く用いられてい
た。
【0004】また、銅系触媒のうち、塩化第一銅は最も
一般的に用いられるものであるが、その製法には大きく
分けて製造工程で水溶液からの晶析を用いる湿式法と、
水を用いずに直接金属銅と塩素とを反応させて塩化第一
銅を製造する乾式法の2つが知られている。アルコキシ
シランの合成反応においては、湿式法塩化第一銅を触媒
に用いた場合は、乾式法塩化第一銅を用いた場合に比べ
て珪素転化率や反応速度が高くなることを本発明者等は
見出している(特開平6-312993号)。しかし、乾式法塩
化第一銅は湿式法に比べて製造工程が単純で大量生産に
適するため、大量にかつ安価に得ることができるという
長所を持つため、乾式塩化第一銅を用いても湿式塩化第
一銅と同程度の珪素転化率や反応速度が得られる方法が
求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかゝる現状に
鑑み、当該アルコキシシランの製造方法において、特定
の溶媒を用いることにより、触媒活性化反応を速やかに
進行させることができ、工業的に安価で得られる触媒を
用いて、高い反応速度と合成収率でアルコキシシランを
製造する方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
に対して鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、反応溶媒中、触媒の存在下で金属
硅素と炭素数1〜4のアルキルアルコールとを反応させ
てアルコキシシランを製造する方法において、前記触媒
として直鎖アルキルベンゼン中で金属珪素と共に加熱す
ることにより活性化された触媒を用いることを特徴とす
るアルコキシシランの製造方法である。
【0007】本発明の具体的方法としては、例えば反応
器に直鎖アルキルベンゼン、金属珪素および触媒を仕込
み加熱攪拌して触媒を活性化させ、該活性化した触媒を
用いて、反応溶媒として直鎖アルキルベンゼンをそのま
ま使用し低級アルコールを反応器内に吹き込んで金属珪
素と反応させ、アルコキシシランを製造することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において原料の一つとして
使用される金属珪素は純度80%以上のものが適してお
り、形状は粒状が好適である。粒径は平均粒径2mm以
下が珪素の転化率および反応速度が高くなるので好まし
く、更に好ましくは平均粒径25〜500μm、特に好
ましくは平均粒径50〜300μmである。一般的に粉
末の金属珪素はそれほど吸湿性が高くはなく、工業的に
製造されたものでも吸着水分は3000ppm程度であ
り本発明に使用するには差し支えないが、適当な方法で
乾燥してから使用することもできる。
【0009】もう一つの原料である炭素数1〜4のアル
キルアルコール(以下単に「アルコール」と称する。)
におけるアルキル基は、直鎖状あるいは分技状のいずれ
でも良い。具体的にはメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、 iso−プロパノール、n−ブタノール、 s
ec−ブタノール、 iso−ブタノール、t−ブタノールが
挙げられるが、このうち安価で反応性が高く、生成する
アルコキシシランの有用性が高いという理由で炭素数1
〜3のアルキルアルコールが好ましく、特に反応性が高
いメタノールおよびエタノールが更に好ましい。
【0010】これらの原料アルコールは、それぞれ単独
でも異種のアルコールを混合して用いても良く、混合し
た場合には、異種のアルコキシ基を持つアルコキシシラ
ンが生成する。いずれの場合でも原料アルコールの不純
物濃度は5重量%以下である事が好ましく、特に水分は
1重量%以下、更に好ましくは0.2重量%以下に抑え
たものが良い。アルコール中の水分は蒸留やゼオライト
等を浸漬する事によって容易に減少させることができ、
こうして水分を減少させたアルコールは当該発明に好ま
しく用いる事ができる。
【0011】本発明における触媒としては、銅触媒、亜
鉛触媒またはニッケル触媒等の通常用いられる触媒が使
用できるが、反応性が優れているとの理由から銅系触媒
が好ましい。具体的には、塩化第一銅、塩化第二銅、臭
化銅、ヨウ化銅、フッ化銅、炭酸銅、硫酸銅、酢酸銅、
蓚酸銅、チオシアン酸銅等の銅塩;酸化第一銅、酸化第
二銅、水酸化第一銅、水酸化第二銅、シアン化銅、硫化
銅等の銅含有無機化合物;メチル銅、エチル銅などの有
機銅化合物が挙げられる。その純度は一般的に市販され
ている工業用薬品程度以上であれば使用できる。
【0012】これらの触媒の内で塩化第一銅は最も一般
的に用いられるものであるが、前述のとおりその製法は
乾式法と湿式法の2種類があり、従来は、乾式法で製造
されたものは湿式法で製造されたものよりも珪素転化率
や反応速度の点で劣るとされていた。しかし、本発明の
方法を用いると、乾式法の塩化第一銅でも湿式法と同程
度の結果を得ることができることを本発明者等は見出し
た。また、上に挙げた触媒の内で、酸化銅、炭酸銅また
は水酸化第一銅等は、従来は珪素転化率や反応速度の点
で塩化第一銅に劣るとされていた。しかし、本発明の方
法を用いると、これら触媒を用いる場合でも触媒活性化
が速やかに進行し、珪素転化率や反応速度が高くなるこ
とも本発明者等は見出した。
【0013】触媒の形状として、本発明に適するのは粒
径が0.1〜50μmの粒度を持つ粉末であり、更に好
ましくは0.5〜10μmである。触媒は金属珪素の表
面に付着して触媒活性を発現するという機構のため、粒
径が大きすぎると比表面積が小さくなり触媒としての効
率が悪くなるが、一方であまり小さな粒径のものは固結
したり流動性が悪くなり粉体として取扱い難くなる上、
アルコキシシランの合成反応が進行するにつれて珪素表
面から遊離し易く、遊離した触媒はアルコールの分解等
の副反応を起こすので好ましくない。望みの粒度を持つ
珪素や触媒の粉末を得る方法としては、通常の粉砕法お
よび分級法を利用する事ができる。より具体的には、ボ
ールミル、ジェットミル、振動ミル等の粉砕方法や、ふ
るい、サイクロン等の分級方法が挙げられる。
【0014】触媒の使用量は、金属珪素100重量部に
対して0.5〜50重量部が好ましく、更に好ましくは
5〜30重量部である。この範囲外では金属珪素の転化
率および反応速度が著しく低くなってしまう恐れがあ
る。触媒は、金属珪素とは別個に活性化反応用反応器に
供給するのが一般的であるが、予め金属珪素と混合して
も、あるいは金属珪素を担持させた触媒を供給してもよ
い。
【0015】本発明で用いる触媒は、直鎖アルキルベン
ゼンを溶媒(以下「活性化反応溶媒」と称する。)とし
て用い、該溶媒中で金属硅素と共に加熱することにより
活性化されたものである。該活性化反応における加熱温
度は、100〜350℃が好ましい。100℃未満では
活性化するのに時間を要し効率的とは言えず、一方35
0℃を超える高温では、使用する活性化反応溶媒の蒸発
が激しくなり過ぎるため、オートクレーブを使用するな
ど不経済な方法を取る必要が発生する。より好ましくは
150℃から300℃である。
【0016】触媒の活性化時間は、短かすぎては活性化
が不十分になるので好ましくないが、必要以上に長く行
なっても活性化度は頭打ちになってしまうので無駄であ
り、不経済となる。好ましい活性化時間は金属珪素と触
媒の粒度、組成、反応温度等により大きく異なるが、前
記の主として経済的な理由から、10分〜48時間が好
ましく、より好ましくは、1時間〜24時間である。触
媒活性化が十分に完結したことは、下記のような分析に
より触媒活性化度を求めることで知ることができる。
【0017】触媒として塩化銅を用いる場合の触媒活性
化反応では、硅素−銅の間に化学結合を生じて触媒活性
中心を生じ、同時に四塩化硅素が副生して、ガスとして
脱離してくることが知られている。塩化銅以外の触媒を
用いる場合でも、触媒活性化反応では硅素−触媒金属の
結合ができるために、それまで触媒金属と化合物を作っ
ていた置換基は、金属硅素と反応するか、あるいは分解
し、あるいはそのままの形で分離して副生物となる。該
副生物が揮発性の場合はガスとして脱離してくるので、
反応器内に流通または充填した不活性ガスを採取してガ
スクロマト法により、あるいはガスを水に抽出して中和
滴定法、イオンクロマト法等の分析方法で分析すること
により、活性化度100%の場合の理論的副生物量と比
較することにより該触媒の活性度を定量的に測定するこ
とができる。
【0018】より具体的には、塩化第一銅および塩化第
二銅では、前記副生物として四塩化硅素ガスが発生し、
フッ化銅では四フッ化硅素ガスが発生する。いずれも水
には非常によく吸収されて塩酸やフッ酸を生じるので中
和滴定により発生量すなわち触媒活性化反応の進行度を
算出することができる。炭酸銅からは炭酸ガスが、水酸
化第一銅および水酸化第二銅では水蒸気が発生するの
で、ガスクロマト法を用いて定量的に測定することによ
り触媒活性化度を算出できる。酢酸銅、メチル銅および
エチル銅等からは置換基に対応する酢酸、メタン、エタ
ンの他に分解生成物が発生するので、ガスクロマト法に
よる副生ガスの測定結果から触媒活性化度を定量的に求
めることが可能である。
【0019】触媒活性化反応の副生物に揮発性がない場
合でも、活性化反応溶媒中に溶出してくる副生物をガス
クロマト法等の方法で分析すれば良く、更に、副生物が
固体で活性化反応溶媒に溶出しない場合には、金属珪素
−触媒混合物を粉末X線回折装置で分析して副生物の生
成量を測定する事により触媒活性化度を求める事ができ
る。
【0020】本発明で用いる触媒の好ましい活性化度
は、金属珪素および触媒の配合比によって異なるが、例
えば金属珪素:触媒=10:1(重量比)の場合は、触
媒の活性化度は10%以上であることが好ましい。
【0021】本発明は、前述のとおり活性化反応溶媒と
して、直鎖アルキルベンゼンを用いることを特徴とする
ものである。アルキルベンゼンには、アルキル基に多数
の枝分かれ異性体を有するタイプと、アルキル基に枝分
かれのないタイプの2種類があることは広く知られてお
り、一般的に前者は、分岐アルキルベンゼンまたはハー
ド型アルキルベンゼン、後者は直鎖アルキルベンゼンま
たはソフト型アルキルベンゼンと呼ばれている。分岐ア
ルキルベンゼンと直鎖アルキルベンゼンとでは、融点、
沸点、粘度等の物理的性質や生分解性等に差があること
は知られていたが、アルコキシシラン合成のための触媒
の活性化反応溶媒として用いるときに分岐アルキルベン
ゼンと直鎖アルキルベンゼンとで結果に差があることは
いまだかって知られてはいなかった。
【0022】しかし当該触媒活性化反応の進行度を測定
してみると、直鎖アルキルベンゼンを用いたときは分岐
アルキルベンゼンに比べて著しく速く進み、特に従来ア
ルコキシシランの合成反応で珪素転化率や反応速度が劣
るとされていた乾式法塩化第一銅や酸化銅、炭酸銅、水
酸化銅等の触媒の活性化反応では著しい差が生じ、常識
的な時間の活性化反応を行った触媒を用いたアルコキシ
シラン合成反応の結果では分岐アルキルベンゼンを活性
化反応溶媒として用いた場合よりも珪素転化率、反応速
度共に格段に良くなった。
【0023】触媒活性化反応に続く、触媒の存在下で金
属硅素と炭素数1〜4のアルキルアルコールとを反応さ
せてアルコキシシランを製造するアルコキシシラン合成
反応で使用する反応溶媒としては、該反応に不活性でか
つ比較的高沸点のものであれば使用可能であるが、触媒
活性化反応で用いた活性化反応溶媒をそのまま使用すれ
ば、反応器中の溶媒を入れ替える必要がなく、操作が簡
略化され経済的で好ましい。
【0024】直鎖アルキルベンゼンの工業的な製法とし
ては、石油留分や石油ワックスを熱分解したものとベン
ゼンとを反応させる方法が一般的であり、できたアルキ
ルベンゼンはアルキル鎖長が様々な分子の混合物であ
る。このことからその沸点範囲も比較的広くなるため、
製品規格としては沸点として単一の温度を示す代わり
に、蒸留試験を行ったときの留出温度と留出量との関係
を示すことが多い。当該発明に用いられるアルキルベン
ゼンの好ましい沸点範囲としては、触媒活性化やアルコ
キシシラン合成を行う温度では蒸発分が少ないのが良い
が、あまり沸点が高い物は粘度が高すぎるので好ましく
ない。好ましい沸点範囲として、常圧下で蒸留試験を行
ったときに重量で50%が蒸留される温度を沸点と考え
ると、該沸点が300〜400℃の間になるものであ
る。300℃未満では、触媒活性化時の溶媒蒸発量が多
くなるため、還流冷却装置等が必要になり、経済的に好
ましくなく、また製品と沸点が近くなるので、製品の不
純物として混入する可能性が高くなる。一方、400℃
を超えると、アルキル鎖がかなり長いため、アルキル鎖
の切断が起き易くなって化学的に不安定になる上、粘度
が高くなったり固化したりして工業的に取扱い難くな
る。
【0025】直鎖アルキルベンゼンの具体的な例として
は、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ドデシルベンゼ
ン、ウンデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラ
デシルベンゼン、ペンタデシルベンゼン、ヘキサデシル
ベンゼンまたはペンタデシルベンゼン等であり、これら
の内の一種でも多種類の混合物でも同じ様に使用でき
る。
【0026】触媒の活性化反応溶媒としては、主成分と
して直鎖アルキルベンゼンを用い、副成分として不活性
で沸点があまり低すぎない溶媒を併用できる。その場合
の直鎖アルキルベンゼンの使用量は、使用する溶媒中の
60重量%以上であればよい。副成分として混合できる
溶媒の具体例としては、分枝型ドデシルベンゼン等のハ
ード型アルキルベンゼンや、シクロオクタデカン、シク
ロノナデカン、シクロエイコサン等の脂肪族系炭化水
素、ジフェニル、ジフェニルエーテル、モノエチルジフ
ェニル、ジエチルジフェニル、トリエチルジフェニル等
のジフェニル系炭化水素またはその水素化物、アルキル
ナフタレン系炭化水素またはその水素化物、トリフェニ
ル系炭化水素またはその水素化物等が挙げられる。
【0027】触媒の活性化反応およびアルコキシシラン
合成反応における溶媒の使用量としては、金属硅素や触
媒粉末を分散させて流動化させるだけの量があればよ
く、多くすれば反応熱の除去が容易になる効果はあるも
ののあまり多く使用する事は経済的でないため、好まし
くは金属硅素100重量部に対して80〜400重量部
である。
【0028】アルコキシシラン合成反応におけるアルコ
ールの反応系への供給速度は、あまり高くすると生成物
中の未反応アルコール濃度が高くなりすぎるし、一方あ
まり低すぎると反応器容量当たりおよび時間当たりのア
ルコキシシランの生成速度が小さくなるため反応に長時
間かかる事になり経済的に好ましくない。また、適量の
未反応アルコールが生成物に含まれる事は、反応液中で
気泡となって反応液中の高沸点生成物を遅滞無く系外に
送り出す働きもある。このため、アルコールの供給速度
を低くし過ぎると、反応時間が長くなる他に、生成物が
反応液中に滞留して副反応を起こし易くなり、生成する
アルコキシシランのうち、より有用なトリ体(トリアル
コキシシラン)の選択率を下げたり、珪素転化率を下げ
るなどの悪影響がある。アルコールの反応系への好まし
い供給速度は、金属珪素1モルに対してアルコール10
〜1000ミリモル/時間であり、更に好ましくは50
〜500ミリモル/時間である。未反応アルコールは蒸
留等の一般的な方法で回収し再利用する事ができる。
【0029】アルコキシシラン合成反応の反応温度は、
高い方が反応速度が上がるが、高過ぎるとアルコールの
分解反応に伴う副反応により、触媒が失活する恐れがあ
り、また、低過ぎると生成するアルコキシシランのう
ち、より有用なトリアルコキシシランの選択率が高くな
るが、低過ぎると反応速度が低くなりすぎて効率が悪く
なる。好ましい反応温度は100℃〜250℃で、更に
好ましくは160〜220℃である。
【0030】反応器は金属珪素が良好な分散状態に保た
れれば形状は問わない。反応器の外部に冷却または加熱
用外部ジャケットを備えていても良く、また、伝熱を良
くするために反応器内部にフィン、コイル等を備えた物
でも良い。通常、反応器は反応原料である珪素原料およ
びアルコールを供給する管、生成したアルコキシシラン
を主成分とし、その他の副生した珪素化合物や未反応ア
ルコールを含有する反応液の排出する管、並びに反応後
の残査の排出口を備えている。また、反応器の材質とし
ては、石英、ガラスまたは金属等が挙げられる。
【0031】アルコキシシラン合成反応において反応溶
媒中で金属珪素と低級アルコールを直接反応させる際
は、反応混合物が発泡を起こし易く、フルオロシリコー
ンポリマーを添加することにより反応混合物の発泡を抑
制する事ができる。フルオロシリコーンポリマーとして
はポリアルキルフルオロアルキルシロキサン類が好まし
く、その添加量としてはあまり少なすぎては効果がな
く、またあまり多すぎると経済的でないことから、当該
反応に用いる反応溶媒の100重量部に対して0.00
3〜0.5重量部、更に好ましくは0.01〜0.2重
量部である。反応溶媒をリサイクルして用いる場合に
は、再度添加する必要はないが少量を追添加してもよ
い。
【0032】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明する。なお、本発明におけるトリアル
コキシシランの選択率および金属珪素の転化率は下記の
式で算出される値である。 ・トリアルコキシシラン選択率(モル%)=[(トリア
ルコキシシランのモル数)/(トリアルコキシシランの
モル数+テトラアルコキシシランのモル数)]×100 ・金属珪素転化率(重量%)=100−[(反応残査中
の金属珪素の重量)/(仕込んだ金属珪素の重量)×1
00]
【0033】(実施例1)窒素とアルコ−ルの導入管、
反応液温度計、攪拌器、反応生成物の出口管および反応
生成物の冷却器と受器を備えたガラス製の1リットルフ
ラスコに活性化反応溶媒兼反応溶媒として直鎖アルキル
ベンゼン(直鎖C1225・C6 5 を主成分とし、常圧
下の蒸留試験で50重量%が蒸留される温度が366
℃)600ml、金属珪素(純度98%、平均粒径10
0μm)300g、乾式法で製造された塩化第一銅(平
均粒径0.7μm)25gとを仕込んだ。次いで反応液
に窒素を供給しながら(300ml/分)攪拌混合下、
250℃で触媒の活性化処理を行った。この時、反応器
を流通した窒素を100mlの蒸留水に通して触媒活性
化反応で発生する四塩化硅素を吸収させた。この吸収液
を0.1規定の水酸化ナトリウム液でフェノールフタレ
インを指示薬として中和滴定した結果から、経過時間毎
に発生した四塩化硅素量を算出し、仕込んだ塩化銅に含
まれる塩素量に対する収率を算出したところ、触媒活性
化時間−触媒活性化率に関して図1の曲線が得られた。
この図の結果から、250℃での触媒活性化時間は曲線
が頭打ちになる3時間が最低限必要であると判断され
た。
【0034】こうして触媒活性化反応の条件を定め、2
50℃で3時間触媒活性化を行った反応液を200℃に
してから、消泡剤として、ポリトリフルオロプロピルメ
チルシロキサンを0.1g反応液に添加した。そして、
エタノール(純度99%)を反応液中に120g/時で
供給して金属珪素と反応させた。エタノールの供給を開
始してから5分後に生成物出口の冷却器から受器に生成
液が流下し始めた。この生成液の組成をガスクロマトグ
ラフ法により分析してその組成の経時変化を観察し、生
成液のエタノール組成が100%になった時点で反応終
了とみなした。そして受器に溜まった生成液をガスクロ
マトグラフ法により分析し、生成物の生成量を求めた結
果からトリアルコキシシランの選択率および珪素転化率
を算出した。これらの結果は表1に示す。
【0035】(実施例2)実施例1と同じ条件で、乾式
の塩化第一銅を用い実施例1に基づいて250℃で3時
間触媒活性化を行った反応液を用い、低級アルコールと
してメタノールを使用する以外はすべて実施例1と同じ
実験を行った。その結果を表1に示す。エタノールを使
用した実施例1の結果に比べて若干金属珪素転化率が向
上し、逆にトリ体の選択率が低下したが、これは金属珪
素からトリ体ができる主反応と、トリ体がテトラ体に変
わる副反応の両方でエタノールよりもメタノールの方が
反応性が高いためであると思われる。
【0036】(比較例1)活性化反応溶媒兼反応溶媒と
して分岐アルキルベンゼン(分岐C1225・C65
主成分とし、常圧下の蒸留試験で50重量%が蒸留され
る温度が356℃)を使用して、実施例1と同じく乾式
の塩化第一銅を用いて250℃で触媒活性化処理を行
い、触媒活性化反応で発生した四塩化硅素量を測定し、
実施例1と同様に触媒活性化時間−触媒活性化率に関し
て図2の曲線が得られた。分岐アルキルベンゼンを使用
した場合、触媒活性化反応が著しく遅いため、実施例1
で3時間触媒活性化反応を行ったのと同レベルまで触媒
活性化を進めるためには14時間と実に5倍近い時間が
必要な事が判った。実施例1と条件を同じにするため、
触媒活性化は3時間で止めたものに消泡剤を加え、エタ
ノールを供給してアルコキシシランの合成を行ったとこ
ろ表1の結果になった。この結果は、直鎖アルキルベン
ゼンを使用した実施例1、2に比べて、金属珪素転化率
が著しく低くなることを示している。
【0037】
【表1】 *1:アルコールに対応するトリアルコキシシラン *2:アルコールに対応するテトラアルコキシシラン *3:主にジアルコキシシラン
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、反応溶媒を用いてアル
コキシシランを合成する反応において、短時間に触媒活
性化反応を完結させることができ、比較的活性の低い触
媒を用いても、高い珪素転化率および反応速度でアルコ
キシシランを製造する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の触媒活性化反応における、活性化
時間−活性化率を示したグラフ
【図2】 比較例1の触媒活性化反応における、活性化
時間−活性化率を示したグラフ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性反応溶媒中、触媒の存在下で金属
    硅素と炭素数1〜4のアルキルアルコールとを反応させ
    てアルコキシシランを製造する方法において、前記触媒
    が直鎖アルキルベンゼン中で金属硅素と共に加熱するこ
    とにより活性化された触媒であることを特徴とするアル
    コキシシランの製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が銅系触媒である請求項1のアルコ
    キシシランの製造方法。
  3. 【請求項3】 銅系触媒が乾式法により製造された塩化
    第一銅である請求項2のアルコキシシランの製造方法。
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