JP3658901B2 - アルコキシシランの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子・電気部品の絶縁膜材料や、シランカップリング剤の原料として広く使われているアルコキシシランの製造方法につき、当該用途に悪影響を与える塩素を含まないアルコキシシランを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶用の絶縁膜や保護膜の原料として、テトラエトキシシランやトリエトキシシラン等のアルコキシシランは近年ますます多く使用されているが、このような電子材料用途では材料中の塩素が半導体素子の電気特性や安定性に悪影響を与えるため、できる限り少ないことが望まれている。また、トリメトキシシランやトリエトキシシラン等は、産業用に広く応用されているシランカップリング剤の原料として有用であるが、塩素が含まれているとシランカップリング剤を合成する際に反応速度や収率を落とす等の悪影響を及ぼす場合があるため、塩素を含まないアルコキシシランが望まれている。
【0003】
また、製造装置や保管タンク等が炭素鋼やステンレス鋼等の一般的な金属で形成されている場合、塩素によって金属が侵されるため、装置の腐食の問題の他に、金属の腐食の結果としてアルコキシシランに金属不純物が溶出してきて上記用途に悪影響を与えるという問題があった。
【0004】
しかし、現在これらのアルコキシシランは、工業的にはクロロシランとアルコールとの反応や、塩化銅触媒を用いた金属珪素とアルコールとの反応等、いずれも製造過程で塩素が多量に混入する可能性の高い方法で製造されているため、製品中に塩素が混入する事は避け難い。
【0005】
これらの問題に対して、塩化銅に、例えば酸化第一銅等の塩化銅以外の銅触媒(以下「非塩化銅触媒」と称する。)を混ぜて使用することにより塩化物触媒の量を減らす方法(特開昭62−286992)や、水酸化第二銅を触媒として使用する方法(特公平7−17656)が提案されたが、前者の明細書にも開示されているとおり、アルコキシシランの合成反応において非ハロゲン系銅化合物触媒は、ハロゲン系銅化合物触媒に比べて珪素の転化率及び反応速度が著しく低いというのが常識であり、これらの方法はさらに次のような理由で実用的ではなかった。
【0006】
まず、塩化銅触媒に非塩化銅触媒を混ぜる方法では、塩化銅触媒を多少非塩化銅触媒に置き換えたとしても塩化銅触媒を使う点には変わりなく、この方法で作られた製品中には一定量の塩化物が含まれるため、例えば電子材料用のアルコキシシランに求められるような0.1ppm以下というような低濃度の塩素濃度を達成することは困難だった。一方、水酸化銅触媒は、塩素の問題は起きないものの、水酸化銅自体が化学的に不安定で取り扱いが難しい上、反応中に分解して水分を発生するため、反応生成物中にアルコキシシランの加水分解によるシロキサンが生成して反応液が泡だってしまう等、工業的に実施するには問題点が多く、実用的でなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかゝる現状に鑑み、当該アルコキシシランの製造方法について、塩素を含まない上に安価で取り扱いの容易な触媒を使用し、なおかつ珪素の転化率及び反応速度が高い方法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は前記の問題に対して鋭意検討した結果、含有水分の少ない酸化第二銅からなる触媒を用い、金属珪素と低級アルコールとを反応させることにより、有害な塩素を含まないアルコキシシランを、珪素の高い転化率及び高い反応速度で製造することができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において原料の一つとして使用される金属珪素は純度80%以上のものが適しており、形状は粒状が好適であり、粒径は平均粒径200μm以下が珪素の転化率及び反応速度が高くなるので好ましい。特に好ましい平均粒径は10〜150μmである。一般的に粉末の金属珪素はそれほど吸湿性が高くはなく、工業的に製造されたものでも吸着水分は3000ppm程度であり、本発明に使用するには差し支えないが、適当な方法で乾燥してから使用することもできる。
【0010】
本発明において用いる触媒は酸化第二銅で、その純度は高い方が良いが、一般的に市販されている工業用薬品である98%程度以上であれば問題無く使用できる。工業的な製法には熱分解法及び間接湿式法等が知られているが、いずれであっても効果に差はない。ただし塩素を含まない触媒を用いるという目的から、不純物として塩素を含むものは好ましくない。
【0011】
工業用酸化第二銅には、線条・粒・粉等の形状があるが、本発明に適するのは粒径が0.1〜50μmの粒径を持つ粉末であり、さらに好ましい粒径は0.5〜10μmである。酸化第二銅触媒は金属珪素の表面に付着して触媒活性を発現するという機構から、粒径が大きすぎると比表面積が小さくなるため触媒としての効率が悪くなるが、一方であまり小さな粒径のものは固結したり流動性が悪くなり粉体として取扱い難くなる上、アルコキシシランの合成反応が進行するにつれて珪素表面から遊離し易く、遊離した触媒はアルコールの分解等の副反応を起こすので好ましくない。
【0012】
なお、本発明における酸化第二銅触媒および金属珪素の粒径は、水を分散媒とするレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて粒度測定より得られた平均粒径の値である。
望みの粒径の珪素や酸化第二銅の粉末を得る方法としては、通常の粉砕法及び分級法を利用できる。より具体的には、ボールミル、ジェットミル、振動ミル等の粉砕方法や、ふるい、サイクロン等の分級方法が挙げられる。
【0013】
非塩化銅触媒として酸化第二銅触媒を用いることは、反応性が低く実用的でないと従来考えられていた。
しかし、本発明者等が鋭意検討した結果、酸化第二銅は水分を吸着し易く、工業的に製造販売されている粉末状の酸化第二銅の主用途は顔料、釉薬、肥料等の原料で、多少の吸湿は使用上問題とならないため大気開放の製造工程を経る結果、通常1重量%以上もの水分を吸着していることが多く、アルコキシシランの合成反応に関しては、触媒に吸着した水分が極めて大きな阻害作用を及ぼすため、このまま使用した場合は触媒活性は低く、反応が殆ど起きなくなるが、含有水分量が充分に低い酸化第二銅を使用すると、該反応における珪素の転化率及び反応速度が著しく高くなることを見出した。
【0014】
酸化第二銅の水分量は、3000ppm以下でなければならず、好ましくは1000ppm以下である。3000ppmを超えると珪素の転化率が悪くなり使用できない。具体的に水分を減少させる方法としては、例えば加熱乾燥や真空乾燥等の工業的に一般的な乾燥方法を利用することができる。
酸化第二銅触媒の使用量は、金属珪素100重量部に対して、1〜12重量部の範囲が好ましい。作用の項で後述する理由により、この範囲外では金属珪素の転化率及び反応速度は著しく低くなってしまう。より好ましくは金属珪素に対して4〜8重量部である。
【0015】
もう一つの原料である低級アルキルアルコールとしては、直鎖状あるいは分技状のいずれでも良く、式ROH(ただしRは炭素数1〜4のアルキル基を表す)で表されるが、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、iso−ブタノール及びt−ブタノールが挙げられるが、このうち安価で反応性が高く、生成するアルコキシシランの有用性が高いという理由で炭素数1〜3のアルキルアルコールが好ましく、特に反応性が高いメタノール、エタノールが好ましい。
これらの原料アルコールはそれぞれ単独でも異種のアルコールを混合して用いても良く、混合した場合には、異種のアルコキシ基を持つアルコキシシランが生成する。いずれの場合でも原料アルコールの不純物濃度は5重量%以下である事が好ましく、特に水分は1重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下に抑えたものが良い。アルコール中の水分は蒸留やゼオライト等を浸漬する事によって容易に減少させることができ、こうして水分を減少させたアルコールは本発明に好ましく用いる事ができる。
【0016】
従来の塩化銅を触媒とし、金属珪素と低級アルキルアルコールとを反応させてアルコキシシランを製造する方法には、反応溶媒を用いて塩化銅と金属珪素とをスラリー状に分散させて反応を行ういわゆる液相法と呼ばれる方法と、反応溶媒は用いないで塩化銅と金属珪素とを流動床や固定床等の固気反応装置に入れてアルコールを反応させるいわゆる気相法と呼ばれる方法の2種類があったが、本発明はこれらのいずれの方法でも好ましく行う事ができる。
【0017】
また従来の塩化銅を触媒とするアルコキシシランの製造方法では、アルコールを供給して反応させる前に金属珪素と触媒の混合物を高温で長時間加熱して触媒活性化を行う必要があった。この触媒活性化反応では塩化銅と金属珪素が反応して金属珪素表面に珪素−銅化合物ができ、これが珪素とアルコールとの反応の触媒活性点になると言われているが、副生物として極めて腐食性が強い四塩化珪素が生成するため反応器の材質や排気ガスの取り扱いに注意が必要だった。また、この触媒活性化反応は高温にしないと反応速度が遅く、気相法では例えば350℃で5時間触媒活性化をしたり、液相法では例えば200℃で10時間触媒活性化する等の高温長時間の条件で行なうのが一般的だった。
【0018】
本発明では、触媒の含有水分量と使用量を好ましい範囲内にした場合、金属珪素と酸化第二銅との触媒活性化反応は極めて速く進み、アルコールが共存しても触媒活性化反応への悪影響はないので、従来の塩化銅触媒の場合の様に合成反応に先だって高温で長時間の触媒活性化処理を行なう必要はなく、バッチ式で反応する場合は、原料を反応器に仕込んだ後すぐに合成反応に入る事が可能である。また、触媒活性化処理が必要でないので、原料の金属シリコンと酸化第二銅触媒とを適当な比率と速度で反応器中に追加していく事により連続的に該アルコキシシラン合成反応を行う事もできる。
【0019】
反応における低級アルコールの反応系への供給速度は、あまり高くすると生成物中の未反応アルコール濃度が高くなりすぎるし、一方あまり低すぎると反応器容量当たり及び時間当たりのアルコキシシランの生成速度が小さくなるため経済的に好ましくない。好ましい範囲は、金属珪素1モルに対して低級アルコール10〜1000ミリモル/時間が好ましく、さらに好ましくは50〜500ミリモル/時間である。未反応アルコ−ルは蒸留等の一般的な方法で回収し再利用する事ができる。
【0020】
【作用】
当発明による限られた範囲内の条件だけで、好ましい結果が得られる理由は次のように推測される。すなわち、最も一般的な塩化銅触媒を用いる場合、触媒活性化反応では珪素−銅化合物ができるのと同時に四塩化珪素が生成するが、四塩化珪素は揮発性があるために金属珪素表面から離れて行き、金属珪素表面には新鮮で活性の高い表面が残されるためにアルコールとの反応も容易に進行するが、一方でこの触媒活性化反応は反応速度が遅いため、高温で長時間かけて触媒活性化の反応する必要があった。
【0021】
これに対して、水分の少ない酸化第二銅を触媒として用いた場合には、珪素−銅化合物ができる反応速度が速いため、触媒活性化反応を高温、長時間行う必要はないが、同時に生成する酸化珪素は揮発性が無く化学的に不活性なため、珪素に対する触媒量を多くし過ぎると金属珪素表面に不活性な表面層が形成されてしまい、アルコールとの反応が阻害されてしまうため、反応速度及び珪素の転化率は低くて実用的ではないと考えられてきた。一方、酸化第二銅に水分が多い場合には、触媒活性化反応自体が阻害されるために触媒活性点の数が少なくなり、アルコールとの反応も起き難かった。
【0022】
しかし、本発明に示すような粒径の金属珪素を用いて、それに対して必要十分な量に限定された酸化第二銅触媒を用いるとき、各々の珪素粒子には、アルコールとの反応が進行するにつれて多少失活しても最後まで触媒作用を保つのに十分な量の触媒活性点が得られ、しかも珪素表面を不活性な酸化珪素層で覆ってしまうには至らないため、珪素とアルコールの反応速度が高くなることを見出したものである。
【0023】
特公平7−17656に開示されているように、金属珪素に水酸化銅を触媒として用いる場合も珪素−銅化合物ができる反応速度は速く、同時に生成する水酸化珪素に揮発性がない点は同じであるが、水酸化珪素は生成したアルコキシシランと容易に脱水縮合してシロキサンを生成する点が異なる。生成したシロキサンは反応溶媒を泡立たせる作用が強く、また、金属珪素をシロキサン層で覆ってしまうので珪素の転化率及び反応速度は著しく低くなる上、当該特許が開示するように反応液を攪拌しながら反応を行なう場合、反応液は泡沫状となり著しく体積を増大して取扱い困難となる。通常、工業的には反応液が泡沫化しやすい水/油系等では消泡剤を添加するのが常識であるが、当該特許が開示するような油性反応溶媒にシロキサンが存在するような系では適当な消泡剤は見つかっていないため、当該発明を工業的に実施する事は困難だった。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。なお、本発明におけるトリアルコキシシランの選択率及び金属珪素の転化率は下記の式で算出される値である。
・トリアルコキシシラン選択率(モル%)=[(トリアルコキシシランのモル数)/(トリアルコキシシランのモル数+テトラアルコキシシランのモル数)]×100
・金属珪素転化率(重量%)=100−[(反応残査中の金属珪素の重量)/(仕込んだ金属珪素の重量)×100]
【0025】
(実施例1)
窒素及び低級アルコールの導入管、反応液温度計、攪拌器、反応生成物の出口管、並びに反応生成物の冷却器及び受器を備えたガラス製の1リットルフラスコに、反応溶媒としてドデシルベンゼン600ミリリットル、金属珪素(純度98%、平均粒径100μm)300gおよび酸化第二銅(平均粒径0.7μm、水分120ppm)16gを仕込んだ。該液を攪拌混合しながら加熱し、温度を180℃に保持した。そして、エタノール(純度99%)を反応液中に120g/時間で供給して金属珪素と反応させた。なお、酸化第二銅の含有水分量は天秤上で粉末を約300℃で30分間加熱し、1分毎に重量減少を測定して、一定になった重量減少の値を含有水分量とした。
【0026】
エタノールの供給を開始してから5分後に生成物出口の冷却器から受器に生成液が流下し始めた。この生成液の組成をガスクロマトグラフ法により分析してその組成の経時変化を観察し、生成液がエタノール100%になった時点で反応終了とみなした。そして受器に溜まった生成液をガスクロマトグラフ法により分析し、生成物の生成量を求めた結果からトリアルコキシシランの選択率および珪素転化率を算出した。また、生成液中の塩素濃度をイオンクロマトグラフ法により測定した。これらの結果を表1に示す。生成液中の塩素濃度はイオンクロマト法の検出下限値である0.1ppm未満であった。なお以下の酸化第二銅触媒を用いたすべての実施例及び比較例でも同様に塩素は検出下限以下であり、酸化第二銅触媒を用いた場合、従来の塩化銅触媒を用いる方法では避けることができなかった塩素系不純物が含まれないアルコキシシランが製造できる事が確かめられた。
【0027】
(実施例2)
酸化第二銅の規格を(平均粒径0.7μm、水分920ppm)とした他は実施例1と全く同じ実験を行った結果を表1に示す。実施例1に比べると金属珪素の転化率が若干低下し、反応速度も若干低下したが、アルコキシシランの製造法として実用的な範囲内である。
【0028】
(実施例3)
金属珪素(純度98%、平均粒径100μm)300gと酸化第二銅(平均粒径0.7μm、水分120ppm)16gとを磁製ポットミルに入れ、ボールミルで8時間混合した後、内径30mm長さ600mmの石英管に詰めた。この石英管の下部は低級アルコール及び窒素を吹き込むための導入管を備えており、上部には冷却器と冷却されて流出してきた生成液の受器を備えている。この石英管を内温250℃に保持して、エタノール(純度99%)180g/時間及び窒素300ミリリットル/分を導入し、金属珪素と反応させた。ガスの流通に伴って石英管内の粉末は流動化が起きた。
エタノールの供給を開始してから5分後に冷却器から受器に生成液が流下し始めた。この生成液の組成をガスクロマトグラフ法により分析してその組成の経時変化を観察し、生成液がエタノール100%になった時点で反応終了とみなした。そして受器に溜まった生成液をガスクロマトグラフ法により分析し、生成物の生成量を求めた結果からトリアルコキシシランの選択率及び珪素転化率を算出した。また、生成液中の塩素根濃度をイオンクロマトグラフ法により測定した。これらの結果を表1に示す。
【0029】
(実施例4)
低級アルコールとしてメタノールを使用する以外はすべて実施例1と同じ実験を行った。その結果を表1に示す。エタノールを使用した実施例1の結果に比べて若干金属珪素転化率が向上し、逆にトリ体の選択率が低下したが、これは金属珪素からトリ体ができる主反応と、トリ体がテトラ体に変わる副反応の両方でエタノールよりもメタノールの方が反応性が高いためであると思われる。
【0030】
(実施例5)
低級アルコールとしてメタノールを使用する以外はすべて実施例3と同じ実験を行った。その結果を表1に示す。エタノールを使用した実施例3の結果に比べて若干金属珪素転化率が向上し、逆にトリ体の選択率が低下したが、これは金属珪素からトリ体ができる主反応と、トリ体がテトラ体に変わる副反応の両方でエタノールよりもメタノールの方が反応性が高いためであると思われる。
【0031】
(実施例6)
金属珪素の規格を(純度98%、平均粒径400μm)とした他は実施例1と全く同じ実験を行った結果を表1に示す。実施例1に比べるとトリ体の選択率、金属珪素の転化率の両方が低下した上、反応速度が著しく低下したため反応終了までの時間が長くかかった。
【0032】
(実施例7)
酸化第二銅の規格を(平均粒径100μm、水分120ppm)とした他は実施例1と全く同じ実験を行った結果を表1に示す。実施例1に比べるとトリ体の選択率、金属珪素の転化率の両方が低下した上、反応速度が著しく低下したため反応終了までの時間が長くかかった。
【0033】
(実施例8)
酸化第二銅の量を48gとした他は実施例1と全く同じ実験を行った結果を表1に示す。実施例1に比べると金属珪素の転化率が著しく低く、一割にも満たないため工業的には実用的な方法ではないと思われる。
【0034】
(比較例1)
酸化第二銅の規格を(平均粒径0.7μm、水分1.0%)とした他は実施例1と全く同じ実験を行った結果を表1に示す。実施例1に比べると金属珪素の転化率が著しく低く、工業的には全く実用的な方法ではないと思われる。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、装置の腐食の原因となる塩化物を触媒又は原料としないため、電子・電気材料やシランカップリング剤の原料として悪影響を与える塩素系不純物を含まないアルコキシシランを、安価かつ簡便に得ることができる。
Claims (4)
- 金属珪素と式ROHで表される低級アルコール(ただしRは炭素数1〜4のアルキル基)とを反応させてアルコキシシランを製造する方法において、触媒として含有水分量が3000ppm以下の酸化第二銅を用いることを特徴とするアルコキシシランの製造方法。
- 酸化第二銅の使用量が、金属珪素100重量部に対して1〜12重量部であることを特徴とする請求項1のアルコキシシランの製造方法。
- 酸化第二銅の平均粒径が0.1〜50μmであることを特徴とする請求項1または2のアルコキシシランの製造方法。
- 金属珪素の粒径が200μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のアルコキシシランの製造方法。
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JP34044796A JP3658901B2 (ja) | 1996-12-06 | 1996-12-06 | アルコキシシランの製造方法 |
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