JPH11208326A - 自動車用シート装置 - Google Patents

自動車用シート装置

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JPH11208326A
JPH11208326A JP1949798A JP1949798A JPH11208326A JP H11208326 A JPH11208326 A JP H11208326A JP 1949798 A JP1949798 A JP 1949798A JP 1949798 A JP1949798 A JP 1949798A JP H11208326 A JPH11208326 A JP H11208326A
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JP
Japan
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seat
rotation
lock
lock mechanism
movement
Prior art date
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JP1949798A
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Takashi Fujimori
隆 藤森
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Araco Co Ltd
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Araco Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シートを通常使用位置と乗降が容易な外向き位
置との間で回転可能とした自動車用シート装置におい
て、乗降を一層良好にする。 【解決手段】車体のフロアCに下部テーブル10を前後
方向移動可能に支持し、その上に上部テーブル20を横
方向移動可能に支持し、その上にシートSを通常使用位
置と外向き位置との間で水平方向に回転可能に支持する
回転支持機構35を設ける。上部テーブル20とシート
Sの間には、シートSを非回転動作位置に解除可能にロ
ックする回転ロック機構40と、回転動作位置にて解除
可能にロックする第2回転ロック機構60と、回転途中
での左右方向の移動を規制する横スライドロック機構7
0を設け、シートSの回転途中での誤操作による横方向
の移動を規制するとともに、回動動作位置での不要な回
転動作を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、老人、身障者等身
体弱者の自動車に対する乗降を容易にするための自動車
用シート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】身体弱者にとって、自動車に乗車したり
自動車から降車することは必ずしも容易なことではな
い。この対策として、例えば実開昭62−141538
号公報に示されているように、シートを通常使用位置と
乗降が容易な外向き位置との間で水平方向に回転可能と
した回転式の自動車用シート装置がある。
【0003】しかして、回転式の自動車用シート装置に
おいては、シートの回転動作時に、シート装置やシート
の着座者が車室内のシート装置の近傍に配設されている
コンソールボックス等の装備品や、車体の外枠等の構成
部材と干渉しないように配慮しなけばならない。
【0004】このため、かかる形式の自動車用シート装
置においては、シートを回転可能に支持する回転支持機
構、シートを前後方向へ移動可能に支持する前後動支持
機構、シートを左右方向へ移動可能に支持する左右動支
持機構を備えた構成として、シートの前後方向への移動
動作、左右方向の移動動作、および回転動作を組み合わ
せることにより、シートの回転動作時における、シート
装置やシートの着座者と装備品や車体の構成部材等との
干渉を防止するように配慮している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した回
転式の自動車用シート装置においては、前後方向への移
動動作、横方向への移動動作、および回転動作を行うも
のであることから、これらの動作が連続的に行えるよう
にすることは必要であるが、これらの動作が誤動作によ
り同時に重複してなされる場合には、乗員はシートの異
常な動作に違和感を覚えるだけではなく不安感を覚え、
さらには乗員の乗降に支障をきたすおそれがある。従っ
て、本発明の目的は、これらの問題に対処することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、シートが通常
使用位置と乗降が容易な外向き位置との間で水平方向に
回転可能である自動車用シート装置であって、前記シー
トを車体フロア側に前後方向へ移動可能に支持する前後
動支持機構と、前記シートを車体フロア側に左右横方向
へ移動可能に支持する左右動支持機構と、前記シートを
これら支持機構のいずれかに水平方向に回転可能に支持
する回転支持機構を備えた自動車用シート装置を適用対
象とするものである。
【0007】しかして、本発明は上記した自動車用シー
ト装置において、前記シートを非回転動作位置にてロッ
クする第1の回転ロック機構および同回転ロック機構に
よるロック状態を解除する第1のロック解除機構、前記
シートを回転動作位置にてロックする第2の回転ロック
機構および同回転ロック機構によるロック状態を解除す
る第2のロック解除機構、前記シートの回転動作時同シ
ートの左右動を規制する移動規制機構を備えていること
を特徴とするものである。
【0008】本発明に係る自動車用シート装置において
は、前記前後動支持機構を、車体フロアに設けられた左
右一対のシートトラックと、同シートトラックを構成す
る可動レール上に固定された下部テーブルと、前記可動
レールを固定レールに解除可能にロックするロック手段
にて構成し、かつ、前記左右動支持機構を、前記下部テ
ーブル上に設けられた前後一対のシートトラックと、同
シートトラックを構成する可動レール上に固定された上
部テーブルと、前記可動レールを固定レールに解除可能
にロックするロック手段にて構成し、前記回転支持機構
を前記上部テーブル上に設ける構成とすることができ
る。
【0009】また、本発明に係る自動車用シート装置に
おいては、前記移動規制機構を、前記左右動支持機構を
構成するロック手段のロック解除操作を規制するように
構成することができる。
【0010】
【発明の作用・効果】このように構成した自動車用シー
ト装置においては、乗員の乗車時には、シートを通常使
用位置から前後方向へ移動動作させ、次いで左右方向へ
移動動作させ、最後に回転動作させて、シートを乗車が
容易な外向き位置に位置させることができる。乗員が外
向き位置に位置するシートに着座した後には、上記した
各動作を逆の手順で行うことによりシートを通常使用位
置に位置させることができ、また、降車時には、上記し
た各動作をその手順通り行うことによりシートを降車が
容易な外向き位置に位置させることができる。
【0011】当該自動車用シート装置においては、上記
した各動作を各動作毎に行うようにして、各動作が同時
に重複することがないようにしているが、特に、シート
の回転動作時には左右方向の移動動作が規制される構成
のため、誤操作により、シートが回転途中で車室内側へ
移動するおそれは全くない。
【0012】また、当該自動車用シート装置において
は、シートは回転動作位置にてロックされることから、
乗員のシートへの着座時やシートからの離間時にシート
が回転することがなくて、乗降が極めて容易である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図4は、本発明に係る自動
車用シート装置を自動車の助手席に適用した場合の実施
の形態を示す。当該シート装置は、図10に示すよう
に、車体のサイドメンバのフロントドア下側に位置する
強度部材であるロッカパネルDと車体中心に位置するコ
ンソールボックスFの間となるフロアC上に配設されて
いるもので、前後動支持機構、左右動支持機構、および
回転支持機構を介して車体のフロアC上に支持されてい
る。
【0014】前後動支持機構は、下部テーブル10と、
前後方向移動用の左右一対のシートトラック15にて構
成されている。シートトラック15は、ロアレール16
と、ロアレール16に摺動可能に組み付けたアッパレー
ル17と、アッパレール17をロアレール16に解除可
能にロックするロック機構19を備え、ロアレール16
はブラケット16a,16bを介してロッカパネルDと
コンソールボックスFの間となるフロアC上に固定され
ている。下部テーブル10は、各アッパレール17上に
固定されていて、最前進位置と最後退位置との間で前後
方向へ移動可能である。アッパレール17は、ロック機
構19により最前進位置と最後退位置にてロアレール1
6にロックされ、解除ハンドル19aの操作により、ロ
ック状態を解除される。
【0015】左右動支持機構は、上部テーブル20と、
左右方向移動用の前後一対のシートトラック25にて構
成されている。シートトラック25は、ロアレール26
と、ロアレール26に摺動可能に組み付けたアッパレー
ル27と、アッパレール27をロアレール26に解除可
能にロックするロック機構29を備え、ロアレール26
は下部テーブル10上に固定されている。上部テーブル
20は、各アッパレール27上に固定されていて、最も
コンソールボックスF側となる最内側位置20Aと最も
ロッカパネルD側となる最外側位置20Bとの間で左右
方向移動可能である。アッパレール27は、ロック機構
29により最内位置と最外位置にてロアレール26にロ
ックされ、解除ハンドル29aの操作によりロック状態
を解除される。
【0016】回転支持機構35は、固定側部材36と可
動側部材37からなり、固定側部材36は、上部テーブ
ル20の中央部上面にボルトにより固定された浅いZ形
断面形状の環状の支持板36aと、その上に同心的に重
ねられてボルトにより固定される何れも平坦な環状のス
ペーサ36bおよび押え板36cにより構成されてい
る。回転支持機構35の可動側部材37は、シートSを
支持する回転テーブル30の中央部下面に固定された平
坦な環状の板であり、支持板36aの上に乗せ、内径に
スペーサ36bの外径を緩く嵌合させた後、この嵌合部
の径より大径の押え板36cを重ねてスペーサ36bと
押え板36cをボルトにより支持板36aに固定され、
これにより、回転テーブル30は、上部テーブル20に
対して水平方向へ回転可能となっている。
【0017】上部テーブル20および回転テーブル30
の中央部には、回転支持機構35と同心に大きな孔が設
けられている。また、回転テーブル30の前部下面に固
定した左右1対のスリーブ31には、コ字状に折曲して
連結材32aにより補強したパイプよりなるフットレス
ト32の両脚部が、引き出し可能に挿入支持されてい
る。
【0018】上部テーブル20の一側には、回転支持機
構35の回転中心と同心に円弧状スリット21が形成さ
れており、この円弧状スリット21内には回転テーブル
30の下面に固定したストライカ48が移動可能に臨ん
でいる。ストライカ48は、円弧状スリット21の前端
に設けた回転ロック機構40に離脱可能に係止されて、
回転テーブル30およびこれに取り付けられたシートS
の水平方向の回転を、円弧状スリット21の前端部にて
解除可能にロックする。回転テーブル30の水平方向の
回転角度は、例えば60度である。
【0019】ストライカ48は、図5および図6に示す
ように、その本体48aが丸棒をコ字状に折曲して形成
されているもので、一体的に固着されたプレート48d
を介して回転テーブル30の下面に取り付けられる。上
部テーブル20には、円弧状スリット21の一端に連続
して比較的大きい角孔21aが形成され、次に述べる回
転ロック機構40を取り付けるブラケット22がこの角
孔21aの上側を覆うように固着されている。ブラケッ
ト22は浅いハット形断面形状で、ストライカ48の本
体48aが入り込む切欠き22aが円弧状スリット21
とほゞ連続して形成されている。
【0020】回転ロック機構40は、本発明の第1のロ
ック機構に該当するもので、倒立ハット断面形状のフレ
ーム41と上板42は両端部が重ねられ、ブラケット2
2の下面に当接されてボルト47により固定され、フレ
ーム41の下半部は角孔21a内を通って下方に突出さ
せて、上部テーブル20から上方への突出量を少なくし
ている。フレーム41の下部前後からは壁41a,41
bが折曲起立され、円弧状スリット21側となる前壁4
1aにはストライカ48の本体48aが入り込む切欠き
41cが形成されている。また上板42にもストライカ
48の本体48aを受け入れるノッチ42aが形成され
ている。フレーム41と上板42には、このノッチ42
aの両側となる位置に、互いに平行で垂直な1対のシャ
フト43,44の両端がかしめにより固定されている。
【0021】シャフト43の上部に回動可能に設けられ
たフック45は、その下側となるシャフト43に巻回さ
れて下端がフレーム41に係止された捩りばね43aに
より、矢印W1の向きに弾性的に付勢され、自由状態で
は二点鎖線45Aに示す位置で停止されるようになって
いる。シャフト44の上部に回動可能に設けられたラチ
ェット46は、その下側となるシャフト44に巻回され
て下端がフレーム41に係止された捩りばね44aによ
り、矢印W2の向きに弾性的に付勢され、自由状態では
実線に示す位置で停止されるようになっている。フレー
ム41の後壁41bに枢支ピン57により枢支された解
除レバー(作動部材)56は、一端が後述する操作ケー
ブル(連動部材)55のインナワイヤ55bの先端55
cに係止され、インナワイヤ55bにより矢印W3の向
きに揺動されれば、他端56aがラチェット46先端の
突起46bを押して、ラチェット46を二点鎖線46A
の位置に回動させる。
【0022】フック45が外力(例えば後述のように保
持ノッチ45aに入り込んだストライカ48の後脚48
cによる力)により捩りばね43aに抗して矢印W1と
逆向きに実線で示した所定位置以上に回動されれば、ラ
チェット46は捩りばね44aにより回動して実線の位
置に戻り、爪部46aがフック45のカム面45b係合
して外力が除去された後もフック45は実線の位置に係
止されるようになっている。
【0023】回転ロック機構40のロックを解除するロ
ック解除機構50は、前述した解除レバー56、摺動可
能なロッド51、これを摺動させるロック解除用フック
54、操作ケーブル55、ロック解除用フック54上に
設けた係合ピン58、およびロック解除用フック54を
付勢するスプリング59にて構成されている。
【0024】ロック解除機構50において、ロッド51
は、回転支持機構35の前側となる下部テーブル10の
下面にL形金具53を介して取り付けたボディ52に、
シートトラック25と同方向に摺動可能に支持されてい
る。ロッド51は、その先端に前側に向かう折曲部が形
成されており、通常は実線で示す後退位置に付勢されて
いる。下部テーブル10には、ボディ52の前側に横方
向に延びる細長いスリット11が形成され、上部テーブ
ル20上に支持ピン54aを介して回動可能に組み付け
たロック解除用フック54のアーム部がスリット11を
通って更に下方に延びている。
【0025】ロック解除用フック54は、シートトラッ
ク25により支持された上部テーブル20が横方向外向
きに移動して二点鎖線20Bで示す最外側位置に達した
時点で、その下端をロッド51先端の折曲部に係合させ
る(一点鎖線54B)。この時点で、ロック解除用フッ
ク54をスプリング58に抗して回動動作させると、ロ
ック解除用フック54はさらに二点鎖線54Aで示す位
置まで移動し、ロッド51の先端折曲部を二点鎖線51
Aに示すように摺動させて引き出すようになっている。
【0026】ロッド51の移動により解除レバー56を
作動させる操作ケーブル55は、アウタチューブ55a
とインナワイヤ55bよりなるものである。アウタチュ
ーブ55aは一端がボディ52の後端に取り付けられ、
他端は回転ロック機構40付近の上部テーブル20に取
り付けられている(取付構造は図示省略)。インナワイ
ヤ55bは、一端がロッド51の後端に連結され、他端
は前述のように解除レバー56の一端に連結されてい
る。
【0027】通常の乗用車では、助手席のシートを最後
退位置とした状態では、側方から見た場合シートSのシ
ートバックBと車体のサイドメンバのセンタピラーE
(図10参照)とが重なるので、シートSを最外側位置
まで移動することはできず、無理にこれを行えばシート
バックB等を傷つけるおそれがある。そのような事態を
防ぐために、当該シート装置では、左右のシートトラッ
ク15のロアレール16の間に、所定の前後方向範囲に
おいてのみシートSの横方向外向きの移動を許容とする
ストッパ18を設けている。ストッパ18は細長い棒材
を折曲成形したもので、上部テーブル20が横方向最内
側位置でかつ最後退位置となっている状態において、ロ
ック解除用フック54の車体外側に沿って前後方向に延
びる中間部(拘束部)18aと、その前端から直角に車
体外側に折曲した前部18bと、後端から直角に車体中
心側に折曲した後部18cよりなり、前部18bの先端
は車体外側となる前後方向シートトラック15のロアレ
ール16に溶接固着し、後部18cの先端は車体中心側
となるシートトラック15のロアレール16に溶接固着
したものである。
【0028】当該シート装置においては、以上の構成の
外にさらに、第2回転ロック機構60および横スライド
ロック機構70を備えている。
【0029】第2回転ロック機構60は、ロック解除の
操作機能を有するもので、主として図7〜図9に示すよ
うに、回転テーブル30の下面側に回動可能に支持した
ロックレバー61、ロックレバー61を付勢するスプリ
ング62、ロックレバー61に掛止された操作ベルト6
3、およびロックレバー61上に設けられた係合ピン6
4にて構成されている。
【0030】ロックレバー61は、その中央部にて支持
ピン61aを介して回動可能に支持されているもので、
その先端側に掛止凹所61bを備え、後端側に操作ベル
ト63が掛止められているとともに、ロックレバー61
に設けた係合ピン64が回転テーブル30側に設けた長
孔30aに挿入されている。ロックレバー61は、この
状態では、図示時計方向の回動を規制されており、上部
テーブル20が最外側位置になったときに、その先端側
の背面をロック解除機構50を構成する係合ピン58に
当接する。
【0031】第2回転ロック機構60においては、操作
ベルト63を引っ張り操作すると、ロックレバー61が
スプリング62に抗して図7の図示反時計方向へ回動す
る。
【0032】この場合、上部テーブル20が最外位置に
位置していないときにはロックレバー61は回転するの
みであるが、上部テーブル20が最外位置に位置してい
るときには、係合ピン58を介してロック解除用フック
54を押動して図8に示すように回動させる。この場
合、ロック解除用フック54がロッド51に係合状態に
ある場合、ロック解除用フック54はロッド51を引き
出して、回転ロック機構40による回転テーブル30に
対するロックを解除する。また、第2回転ロック機構6
0においては、回転テーブル30が所定角度回転した場
合には、ロックレバー61はその掛止凹所61bにて上
部テーブル20に設けた掛止ピン65に掛止され、回転
テーブル30をロックしてその回転を規制する。
【0033】横スライドロック機構70は、主として図
7〜図9に示すように、上部テーブル20の前側縁部に
移動可能に支持したロッド71、ロッド71の後部に設
けたロック部材72、ロッド71を付勢して後退位置に
待機させるスプリンブ73、および回転テーブル30に
設けられてロッド71の先端部に当接する押圧部材74
にて構成されている。
【0034】横スライドロック機構70においては、ロ
ック部材72がシートトラック25のロック機構29の
近傍に位置し、ロック部材72は、ロッド71が後退位
置に待機している場合には、図7および図8に示すよう
に、ロック機構29を構成するロックレバー29bとは
離間してロックレバー29bの回動動作を許容し、ロッ
ド71が前進位置に位置すると、図9に示すように、ロ
ックレバー29bに近接してロックレバー29bの回動
動作を規制する。
【0035】次ぎに、このように構成した自動車用シー
ト装置の作動の説明をする。図10(a)は、シートSが
前向きでコンソールボックスF側である最内側位置とな
っている通常使用位置になっている状態を示す。この通
常使用位置では、ロック機構19の解除ハンドル19a
を操作して、シートトラック15におけるアッパレール
17のロアレール16に対するロックを解除することに
より、シートSはその前後方向の位置調節が可能であ
る。
【0036】図10(a) は、シートSが最後退位置にあ
る状態を示し、回転支持機構35の回転中心はO1の位
置にある。シートSが前向きとなっている状態では、回
転テーブル30に固定したストライカ48の本体48a
の後脚48cは回転ロック機構40の上板42のノッチ
42a内に入って、図5の実線に示すように、フック4
5の保持ノッチ45a内に拘束されている。次にこの状
態から、図10(d)の符号S3で示す身障者等の乗降が
容易な外向き位置とする場合の作動の説明をする。
【0037】この最後退位置では、解除ハンドル29a
によりロック機構29を解除しても、上部テーブル20
に固定したロック解除用フック54がストッパ18の中
間部18aに当接するので、上部テーブル20およびこ
れに支持されたシートS等は横方向外向きに移動しな
い。介護者は解除ハンドル19aによりロック装置19
のロックを解除して、シートSを図10(b) の符号S1
の位置まで前進させ、ロック解除用フック54をストッ
パ18の前部18bよりも前側としてから、解除ハンド
ル19aを戻してロック装置19によるシートトラック
15をロック状態とする。
【0038】この状態で解除ハンドル29aの操作によ
り、ロック機構29によるシートトラック25のロック
状態を解除すれば、シートSは外側へ移動可能となって
図10(c) の符号S2で示す最外側位置に達する。この
状態で、ロック機構29によるシートトラック25をロ
ック状態とする。この場合の回転支持機構35の回転中
心は、図10(c) のO3の位置となる。シートSがこの
最外側位置に達した時点で、ロック解除機構50を構成
するロック解除用フック54はその下端部をロッド51
の先端折曲部に係合させる。この状態では、回転テーブ
ル30は回転ロック機構40によりロック状態にあり、
また、第2回転ロック機構60および横スライドロック
機構70は図7に示す状態にある。
【0039】この状態で、第2回転ロック機構60を構
成する操作ベルト63を引っ張り操作すると、ロックレ
バー61がスプリング62に抗して図7の図示反時計方
向へ回動して、ロック解除機構50を構成する係合ピン
58を介してロック解除用フック54を押動して図8に
示すように回動させる。この場合、ロック解除用フック
54がロッド51に係合状態にあるため、ロック解除用
フック54はロッド51を引き出す。
【0040】これにより、ロック解除機構50の解除レ
バー56は、操作ケーブル55を介して矢印W3の向き
に回動されて、ラチェット46が二点鎖線46Aの位置
に回動され、カム面45bに対する爪部46aの係合が
解除されて、回転ロック機構40による回転テーブル3
0に対するロックは解除される。これにより、フック4
5は二点鎖線45Aで示す位置まで回転可能となり、シ
ートSは回転中心O3回りに回転可能となる。
【0041】シートSを回転させると、第2回転ロック
機構60は回転テーブル30と一体に回転して、所定角
度回転した時点で、図9に示すように、ロックレバー6
1はその掛止凹所61bにて上部テーブル20に設けた
掛止ピン65に掛止され、回転テーブル30をロックし
てシートSの回転を規制する。
【0042】また、シートSを回転させることにより、
回転テーブル30に設けた押圧部材74は、回転テーブ
ル30と一体に回転して横スライドロック機構70を構
成するロッド71の先端部から離間し、ロッド71に対
する移動規制を解除する。これにより、ロッド71は、
図9に示すようにスプリング73の作用力にて前進し
て、ロック部材72をロックレバー29bに近接してロ
ックレバー29bの回動動作を規制する。この状態にお
いては、ロック機構29の解除ハンドル29aを解除操
作することは不能であり、シートSの回転動作途中で解
除ハンドル29aを誤操作しても、シートSが横方向に
移動することはない。
【0043】このように、シートSを所定角度回転させ
ると、シートSは第2回転ロック機構60によりロック
されて回転を規制され、シートSは図10(d)に示す、
乗降が容易な外向き位置する。この状態で、符号32A
に示すようにスリーブ31からフットレスト32を引き
出す。
【0044】身障者等が符号S3に示すように外向き位
置とされたシートS上に着座し、ロッカパネルDに当た
らないようにフットレスト32上に足を乗せてから、介
護者はシートSを回転中心O3回りに回転して図10
(c)の符号S2に示すように前向きとする。足を乗せた
フットレスト32は、ロッカパネルDの上を通過する。
【0045】シートSを回転するに当たっては、第2回
転ロック機構60の操作ベルト63を引っ張り操作す
る。これにより、図9に示す状態にあるロックレバー6
1は、スプリング62に抗して回動して図示反時計方向
へ回動し、掛止ピン65から外れて回転テーブル30に
対するロックが解除される。
【0046】シートSが回転復帰する際には、シートS
が前向きになると同時に、回転テーブル30に設けた押
圧部材74が横スライドロック機構70のロッド71の
先端部に当接して、ロッド71を図7に示すようにスプ
リング73に抗して押動して後退させ、ロック部材72
をロック機構29のロックレバー29bから離間させて
ロックレバー29bの回動動作を許容し、解除ハンドル
29aの解除操作を可能とする。また、シートSが前向
きになると同時に、回転ロック機構40のストライカ4
8がフック45に係合して回転テーブル30がロックさ
れ、シートSは回転を規制される。
【0047】その後、ロック機構29の解除ハンドル2
9aを操作してシートトラック25のロック状態を解除
し、シートSを内側へ移動させて図10(b)にS1で示
す最内側位置とした後、ロック機構19の解除ハンドル
19aを操作してシートトラック15のロック状態を解
除して、シートSを図10(a)の符号Sに示す最後退位
置とする。この状態で着座者はフットレスト32からフ
ロアC上に足を降ろし、フットレスト32は収納位置に
押し込まれる。
【0048】このように、当該自動車用シート装置にお
いては、乗員の乗車時には、シートSを通常使用位置か
ら前方向へ移動動作させ、次いで外方へ移動動作させ、
最後に回転動作させて、シートSを乗車が容易な外向き
位置に位置させることができる。乗員がシートSに着座
した後には、上記した各動作を逆の手順で行うことによ
りシートSを通常使用位置に位置させることができ、ま
た、降車時には、上記した各動作をその手順通り行うこ
とによりシートSを降車が容易な外向き位置に位置させ
ることができる。
【0049】当該シート装置の上記した各動作において
は、各ロック機構19,29,40,60の作用により
各動作毎に行うようにして、各動作が同時に重複するこ
とがないようにしているが、特に、シートSの回転動作
時には左右方向の移動動作が規制される構成のため、誤
操作により、シートSが回転途中で車室内側へ移動する
おそれは全くない。また、当該シート装置においては、
シートSは回転動作位置にてロックされることから、乗
員のシートSへの着座時やシートSからの離間時にシー
トSが回転することがなくて、乗降が極めて容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用シート装置の一例を示す
シート部分を取り外した一部を省略した平面図である。
【図2】同シート装置における図1の2−2断面図であ
る。
【図3】同シート装置における図1の3−3断面図であ
る。
【図4】同シート装置における一部を省略した分解斜視
図である。
【図5】同シート装置を構成する回転ロック機構の一部
破断平面図のである。
【図6】図回転ロック機構における図5の6−6断面図
である。
【図7】同シート装置を構成するロック解除機構、第2
回転ロック機構、横スライドロック機構の各ロック機構
の非動作状態を示す平面図である。
【図8】同各ロック機構のうちロック解除機構、第2回
転ロック機構の動作状態を示す平面図である。
【図9】同各ロック機構のうちロック解除機構が動作し
た後の第2回転ロック機構、横スライドロック機構の動
作状態を示す平面図である。
【図10】同シート装置の作動を説明する概略平面図で
ある。
【符号の説明】
B…シートバック、C…フロア、D…ロッカパネル、E
…センタピラー、F…コンソールボックス、S…シー
ト、10…下部テーブル、11…スリット、15…シー
トトラック、16…ロアレール、16a,16b…ブラ
ケット、17…アッパレール、18…ストッパ、18a
…中間部、18b…前部、18c…後部、19…ロック
機構、19a…解除ハンドル、20…上部テーブル、2
1…円弧状スリット、21a…角孔、22…ブラケッ
ト、25…シートトラック、26…ロアレール、27…
アッパレール、29…ロック機構、29a…解除ハンド
ル、29b…ロックレバー、30…回転レーブル、30
a…長孔、31…スリーブ、32…フットレスト、32
a…連結材、35…回転支持機構、36…固定側部材、
36a…支持板、36b…スペーサ、押さ板、37…可
動側部材、40…回転ロック機構、41…フレーム、4
1a…前壁、41b…後壁、41c…切欠き、42…上
板ボルト、42a…ノッチ、43,44…シャフト、4
3a,44a…捩りばね、45…フック、45a…保持
ノッチ、45b…カム面、46…ラチェット、46a…
爪部、46b…突起、48…ストライカ、47…ボル
ト、48a…本体、48c…後脚、48d…プレート、
50…ロック解除機構、51…ロッド、52…ボディ、
53…L形金具、54…ロック解除用フック、54a…
支持ピン、55…操作ケーブル、55a…アウタチュー
ブ、55b…インナワイヤ、55c…先端、56…解除
レバー、56a…他端、57…枢支ピン、58…係合ピ
ン、59…スプリング、60…第2回転ロック機構、6
1…ロックレバー、61a…支持ピン、61b…掛止凹
所、62…スプリング、63…操作ベルト、64…係合
ピン、65…掛止ピン、70…横スライドロック機構、
71…ロッド、72…ロック部材、73…スプリンブ、
74…押圧部材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートが通常使用位置と乗降が容易な外向
    き位置との間で水平方向に回転可能である自動車用シー
    ト装置であって、前記シートを車体フロア側に前後方向
    へ移動可能に支持する前後動支持機構と、前記シートを
    車体フロア側に左右横方向へ移動可能に支持する左右動
    支持機構と、前記シートをこれら支持機構のいずれかに
    水平方向へ回転可能に支持する回転支持機構を備えた自
    動車用シート装置において、前記シートを非回転動作位
    置にてロックする第1の回転ロック機構および同回転ロ
    ック機構によるロック状態を解除する第1のロック解除
    機構、前記シートを回転動作位置にてロックする第2の
    回転ロック機構および同回転ロック機構によるロック状
    態を解除する第2のロック解除機構、および、前記シー
    トの回転動作時同シートの左右動を規制する移動規制機
    構を備えていることを特徴とする自動車用シート装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の自動車用シート装置にお
    いて、前記前後動支持機構は車体フロアに設けられた左
    右一対のシートトラックと、同シートトラックを構成す
    る可動レール上に固定された下部テーブルと、前記可動
    レールを固定レールに解除可能にロックするロック手段
    にて構成され、かつ、前記左右動支持機構は前記下部テ
    ーブル上に設けられた前後一対のシートトラックと、同
    シートトラックを構成する可動レール上に固定された上
    部テーブルと、前記可動レールを固定レールに解除可能
    にロックするロック手段にて構成され、前記回転支持機
    構は前記上部テーブル上に設けられていることを特徴と
    する自動車用シート装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の自動車用シート
    装置において、前記移動規制機構は、前記左右動支持機
    構を構成するロック手段のロック解除操作を規制するも
    のであることを特徴とする自動車用シート装置。
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