JPH11207944A - 大型インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリントヘッドとプラテン間の間隔を安価な
構成で高精度に一定に設定できるようにする。 【解決手段】 プリント時、プラテン（２）上のプリン
ト媒体（２８）は、駆動ローラ（８）と加圧ローラ（１
８）とで挾持され、駆動ローラ（８）の回転により所定
方向に搬送される。一方、インクジェット型プリントヘ
ッド（６）はプラテン（２）を横切る方向に移動し、プ
ラテン（２）の作図部分（２ｂ）上で、プリント媒体
（２８）に印字作画が行われる。プラテンの作図部分
（２ｂ）は複数のブロック（３）に分割され、各ブロッ
ク（３）ごとにプリントヘッド（６）との対向間隔を調
整するためのペーパーギャップ調整機構が設けられてい
る

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット式の
大型プリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平７−３２６５０号公報には、プラ
テン即ち用紙載置部材を丸型にし、このプラテン上で印
字を行うインクジェット式プリンタが開示されている。
特開平７−２５０８５号公報には、プラテンとヘッド間
の調整を行うことが出来るようにしたインクジェットプ
リンタが開示されている。この構成は、長尺のプラテン
全体をヘッドに対して調整している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】プラテンを丸型のドラ
ムで構成した場合、プラテンの用紙支持面とプリントヘ
ッドとの間隔を高精度に設定することが出来るが、丸型
のドムラは高価であり、コスト高となるという問題点が
あった。また、長尺のプラテン全体を高精度に、プリン
トヘッドに対して間隔調整しようとすると、高価なプラ
テンを使用しなければならず、これもコスト高となる問
題点が存した。本発明は上記問題点を解決することを目
的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、プラテン上のプリント媒体を駆動ローラ
と加圧ローラとで挾持し、駆動ローラを回転させてプリ
ント媒体を所定方向に搬送する一方、インクジェット型
プリントヘッドを前記プラテンを横切る方向に移動し、
前記プラテンの作図部分上で、プリント媒体に印字作画
を行うようにした大型インクジェットプリンタにおい
て、前記プラテンの作図部分を複数のブロックに分割
し、各ブロックごとに前記プリントヘッドとの対向間隔
を調整するためのペーパーギャップ調整機構を設けたも
のである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
した図面を参照して詳細に説明する。図１，２におい
て、（２）は大型インクジェットプリンタ（プロッタ）
の用紙載置部材（プラテン）であり、前方部分（２ｃ）
と、作図部分（２ｂ）と後方部分（２ａ）とから構成さ
れている。プラテン（２）の前方部分（２ａ）と後方部
分（２ａ）は、プリンタ本体の下部基板（４）にブラケ
ット（図示省略）を介して固設されている。前記作図部
分（２ｂ）は、複数のブロック（３）に分割され、各ブ
ロック（３）は、図３に示すように、載置部（３ａ）
と、取付部（３ｂ）とから構成されている。前記載置部
（３ａ）には、用紙搬送方向に沿って延びる凸条が、複
数、並列に形成されている。前記凸条は、用紙（２８）
を支持し、該用紙（２８）の浮きを防止するために設け
られている。前記取付部（３ｂ）には、取付ねじ（７）
の径よりも大径な取付穴（９）が穿設されている。（１
１）は断面Ｌ型の長尺状の取付板であり、用紙搬送方向
に対して直角に配置され、水平部（１１ａ）が、前記基
板（４）に固設されたベース材（１３）に固定されてい
る。前記取付板（１１）の垂直部（１１ｂ）には、各ブ
ロック（３）の取付穴（９）に対応して、ねじ穴（１
５）が穿設されている。前記各ブロック（３）の取付穴
（９）は、取付板垂直部（１１ｂ）の、対応するねじ穴
（１５）に連通配置されている。

【０００６】該状態で取付穴（９）には座金を介してキ
ャップねじ（７）が挿入され、該ねじ（７）はねじ穴
（１５）に螺合している。このキャップねじ（７）の締
付力によって、各ブロック（３）は、前記取付板（１
１）の垂直部（１１ｂ）に高さ方向に調整可能に固定さ
れている。前記各ブロック（３）は、プラテン（２）の
前方及び後方部分（２ｃ）（２ａ）の各水平部と略同一
平面上に位置して、図２に示すように、用紙搬送方向に
対して直角な方向即ち横一列状に接合配置され、用紙
（２８）の横幅の全域をカバーしている。前記取付穴
（９）、キャップねじ（７）、及びねじ穴（１５）は、
プリントヘッド（６）に対するブロック（３）の対向間
隔調整機構を構成しているが、本発明において、この高
さ間隔調整機構即ちペ−パ−ギャップ調整機構は、種々
の技術を採用することが可能であり、特に図示する構造
に限定されるものではない。前記プリンタ本体の上部基
板（５）にはＹレール（１９）が架設され、このＹレー
ル（１９）に移動可能に担体（２１）が取り付けられ、
該担体（２１）にインクジェット式のプリントヘッド
（６）が取り付けられている。（８）（８）は互いに同
径の駆動ローラであり、それぞれ金属製の支軸（１０）
と、これに同心状に固着されたセラミックから成るロー
ラ体（１２）とから構成されている。

【０００７】前記ローラ体（１２）のセラミックの表面
は、用紙などのプリント媒体を傷付けないように且つ高
摩擦係数を有するように構成されている。前記支軸（１
０）の両端は、ローラ体（１２）の両端面の中心から所
定長さ同軸上に外部に突出している。複数の駆動ローラ
（８）（８）は、ベース材（４）上に、同軸線上に配置
され、各駆動ローラ（８）（８）の両端の支軸（１０）
が、前記基板（４）に固設された軸受（１４）に回転自
在に支承されている。駆動ローラ（８）の支軸（１０）
と、これと同軸線上で対向する駆動ローラ（８）の支軸
（１０）は円筒型のカップリング（１６）によって連結
されている。

【０００８】前記カップリング（１６）は、前記ローラ
体（１２）と同径に構成され、複数の駆動ローラ（８）
（８）の表面とカップリング（１６）の各表面は、同一
円柱周面上に位置している。（１８）は加圧ローラであ
り、前記駆動ローラ（８）（８）上の適所に、複数個配
置され、これらは、それぞれ、揺動アーム（２０）に回
転自在に支持されている。

【０００９】前記揺動アーム（２０）は、プロッタ本体
の基板（５）に固設されたブラケット（２２）に回転自
在に軸（２４）支され、ばね（２６）によって、図１
中、反時計方向に付勢されている。前記駆動ローラ
（８）（８）上の各加圧ローラ（１８）は、前記ばね
（２６）力によって、用紙載置部材（２）上の用紙（２
８）の上から、前記駆動ローラ（８）のローラ体（１
２）に圧接している。前記駆動ローラ（８）は、ベルト
及びベルトプーリなどから成る動力伝達機構を介して、
コントローラにより制御されるステッピングモータに連
結している。

【００１０】上記した構成において、まず、プリント動
作に先立ち、Ｙレール（１９）に沿って、プリントヘッ
ド（６）を移動させ、各ブロック（３）ごとにキッャプ
ねじ（７）を操作し、且つ、治具を用いて、プリントヘ
ッド（６）位置を基準として、プリントヘッド（６）と
プラテンブロック（３）との間隔を調整しておく。次
に、プラテン（２）上に用紙（２８）をセットし、プリ
ント動作をスタートすると、コントローラにより制御さ
れるモータによって駆動ローラ（８）（８）が用紙搬送
方向に回転駆動される。駆動ローラ（８）（８）と、加
圧ローラ（１８）とで、両側と中間部が挾持された用紙
（２８）は、用紙載置部材（２）上を、図１中、右から
左に移動する。一方、コントローラの制御によってプリ
ントヘッド（６）が、Ｙレール（１９）に沿って、作図
部分（２ｂ）上を、用紙（２８）を横切る方向（走査方
向）に往復駆動され、プリントヘッド（１６）によっ
て、用紙（２８）に印字作画が行われる。

【００１１】上記実施形態において、駆動ローラ（８）
（８）の表面は、用紙（２８）にくい込まないので用紙
（２８）に傷を付けない。そのため駆動ローラ（８）
（８）は用紙（２８）の幅の全域をローラ体（１２）で
カバーすることができ、用紙の幅方向の両側と、その中
間部とを複数の加圧ローラ（１８）で押えることができ
る。従って、ファン（吸気装置）がなくても用紙（２
８）の浮きを抑えられ、用紙（２８）の中央部も正確に
送ることができる。また、１個づつの加圧ローラ（１
８）の、駆動ローラ（８）（８）に対する圧力は弱くて
良いので、加圧ローラ（１８）に大きな強度が要求され
ない。

【００１２】上記実施形態においては、加圧ローラ部、
グリッドローラ部の移動、プラテンドラムに用紙を巻き
掛ける機構が不必要であり、その分、機構が簡単にな
る。また駆動ローラ（８）（８）のローラ体（１２）は
従来のグリッドローラと同じくらいの径で良いので、軽
くすることができる。駆動ローラ（８）（８）は、１本
づつの精度が出ていれば、同じような精度のものを複数
本組み合わせれば良く、一本の長尺の駆動ローラを高精
度に製作組み立てる場合に比し、歩留りを飛躍的に向上
させることができる。即ち、各駆動ローラ（８）（８）
は短いので精度を簡単に確保することができる。

【００１３】本実施形態において、駆動ローラ（８）
（８）は２本つなぎ合わせているが、特に２本に限定さ
れるものでない。また、加圧ローラ（１８）をカップリ
ング（１６）上に配置しても良い。また、駆動ローラ
（８）（８）のローラ体（１２）は、セラミックローラ
に特に限定されるものでなく、高摩擦材であって、用紙
に傷をつけないもの、例えば硬質ゴムローラ、溶射プー
リ、エッチングにより小さな突起を形成したローラ等、
種々の材料のローラを用いることができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明は上述の如く、プラテンのヘッド
と対向する作図部分を複数のブロックに分割し、各ブロ
ックごとに、ヘッドとの対向間隔即ちペーパーギャップ
を調整できるようにしたので、ペーパーギャップを安価
な構成で一定にすることが出来る効果が存する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の要部の側面断面図である。

【図２】大型プリンタのプラテンの平面図である。

【図３】プラテン取付部の分解斜視図である。

【図４】用紙搬送部の正面図である。

【符号の説明】

２ プラテン ２ａ 後方部分 ２ｂ 作図部分 ２ｃ 前方部分 ３ ブロック ４ 下部基板 ５ 上部基板 ６ プリントヘッド ７ 取付ねじ ８ 駆動ローラ ９ 取付穴 １０ 支軸 １１ 取付板 １２ ローラ体 １３ ベース部材 １４ 軸受 １５ ねじ穴 １６ カップリング １７ 上部基板 １８ 加圧ローラ １９ Ｙレール ２０ 揺動アーム ２１ 担体 ２２ ブラケット ２４ 軸 ２６ ばね ２８ 用紙

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテン上のプリント媒体を駆動ローラ
   と加圧ローラとで挾持し、駆動ローラを回転させてプリ
   ント媒体を所定方向に搬送する一方、インクジェット型
   プリントヘッドを前記プラテンを横切る方向に移動し、
   前記プラテンの作図部分上で、プリント媒体に印字作画
   を行うようにした大型インクジェットプリンタにおい
   て、前記プラテンの作図部分を複数のブロックに分割
   し、各ブロックごとに前記プリントヘッドとの対向間隔
   を調整するためのペーパーギャップ調整機構を設けたこ
   とを特徴とする大型インクジェットプリンタ。