JPH11199824A - 水性塗料組成物 - Google Patents

水性塗料組成物

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JPH11199824A
JPH11199824A JP120598A JP120598A JPH11199824A JP H11199824 A JPH11199824 A JP H11199824A JP 120598 A JP120598 A JP 120598A JP 120598 A JP120598 A JP 120598A JP H11199824 A JPH11199824 A JP H11199824A
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weight
resin
monomer
group
polymerizable unsaturated
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JP120598A
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English (en)
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Hiroyasu Matsuki
弘泰 松木
Ichiro Yoshihara
一郎 吉原
Toru Iwamoto
亨 岩本
Atsushi Shioda
淳 塩田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低溶剤化でき、かつ塗膜硬度、高度の耐水性
(耐レトルト性)、加工性等の優れた塗膜を提供できる
缶のクリヤーコートおよびホワイトコート用途に適した
水性塗料を提供する。 【解決手段】 (A)(a)末端にアルコキシル基を有
するポリエーテル基含有重合性不飽和モノマー、アクリ
ルアミド系モノマー(b)、(c)水酸基含有重合性不
飽和モノマー、(d)カルボキシル基含有重合性不飽和
モノマー及び(e)上記(a)、(b)、(c)及び
(d)モノマーと共重合可能な、その他の重合性不飽和
モノマーをモノマー成分とする樹脂酸価20〜100m
gKOH/gの共重合体及び(B)アミノ樹脂を樹脂成
分として含有し、該樹脂成分が水性媒体中に安定に溶解
ないしは分散されてなる水性塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗面の平滑性や光
沢に優れ、密着性、加工性、塗膜硬度、耐水性に優れた
塗膜を形成でき、かつ有機溶剤量を低減しても水性化が
容易な水性塗料、特に缶外面用に適した水性塗料及びこ
の水性塗料を用いた塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその解決すべき課題】各種飲料物や
食品類を包装する容器として金属缶が広く一般的に利用
されており、この金属缶の外面は外部環境に由来する腐
食の防止、また美観、内容物の表記を目的に、ホワイト
コート塗装、インキによる印刷、印刷インキ上の仕上げ
用クリヤー塗装が行われている。
【0003】従来、この種のホワイトコート塗装用やク
リヤー塗装用の塗料組成物としては、アクリル/ アミノ
系樹脂、ポリエステル/ アミノ系樹脂、さらにこれらの
樹脂にエポキシ樹脂が添加された樹脂系などの有機溶剤
型塗料が広く用いられている。しかしながら、これらの
有機溶剤型塗料は、焼き付け時に多量の溶剤が揮散し、
大気汚染の要因になるとともに省資源の観点からも好ま
しくない。この問題を解決するため、近年、缶外面用水
性塗料の開発が塗料業界内で盛んに行われている。
【0004】公知のビニル重合体水性塗料としては、界
面活性剤等を用いてモノマー成分を乳化重合法にて合成
する樹脂エマルジョン型塗料と、樹脂中にカルボキシル
基を導入し、そのカルボキシル基を中和して水溶化ない
し水分散化させる中和水性化樹脂型塗料を挙げることが
できる。
【0005】上記樹脂エマルジョン型塗料は、界面活性
剤を含有しており、焼き付け後、塗膜に残存する界面活
性剤による耐水性の悪化、エマルション特有の塗料粘性
により塗装作業性が劣るといった問題がある。一方、中
和水性化樹脂型塗料は、樹脂中にカルボキシル基を導入
し、適当な揮発性塩基化合物で中和して水性化するが、
焼き付け後の塗膜の耐水性の点から樹脂中に導入できる
カルボキシル基量は制限される。またそれに伴い塗料の
安定性の点から、かなりの量の有機溶剤が必要になり低
溶剤化を達成することが出来ないという問題がある。
【0006】また缶外面用塗膜は、密着性、加工性、塗
膜硬度、耐レトルト性等などの性能が要求されており、
これらの性能を満足させる為に、基体樹脂となる共重合
体樹脂は、官能基モノマー種、量、樹脂の分子量、Tg
の調整などの検討が行われているが、これらの調整だけ
では性能の向上に限界があり、これらの性能をバランス
良く満足させることができない現状にある。
【0007】例えば、特開平8−12929号公報に
は、1分子中に、炭素原子数2〜4のアルキレンオキシ
ド鎖の末端に1級の水酸基を有するビニル性単量体とそ
の他の単量体とを共重合した酸価20〜100の共重合
物とアミノ樹脂とからなる水性塗料用樹脂組成物が開示
されている。しかしながら、この組成物は、レトルト処
理後の塗面状態の悪化、また、湯中(例えば80℃の湯
中)における塗膜硬度の悪化といった問題があり、上記
性能をバランスよく満足させることができないといった
問題がある。
【0008】本発明の目的は、上記問題点を解決し、塗
面外観、密着性、加工性、塗膜硬度、耐レトルト性、耐
水性等の塗膜性能のバランスが良く、塗装作業性が良好
で、かつ低溶剤化を達成できる水性塗料組成物を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)(a)下記式(1)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R
2 はエチレン基、R3 は1,2−プロピレン基、R4
炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、mは1〜10、
nは0〜6の数であり、mとnとの合計数は2〜15の
範囲内である)で表される末端にアルコキシル基を有す
るポリエーテル基含有重合性不飽和モノマー 5〜40
重量%、(b)下記式(2)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R5 は水素原子又はメチル基、R
6 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表
す)で表されるアクリルアミド系モノマー 2〜35重
量%、(c)水酸基含有重合性不飽和モノマー 0〜3
5重量%、(d)カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マー 2.5〜16重量%及び(e)上記(a)、
(b)、(c)及び(d)モノマーと共重合可能な、そ
の他の重合性不飽和モノマー0〜90.5重量%をモノ
マー成分とする樹脂酸価20〜100mgKOH/gの
共重合体、及び(B)アミノ樹脂を樹脂成分として含有
し、該樹脂成分が水性媒体中に安定に溶解ないしは分散
されてなることを特徴とする水性塗料組成物を提供する
ものである。
【0014】また、本発明は、缶外面に、上記水性塗料
組成物を塗装することを特徴とするクリヤ塗膜形成方法
を提供するものである。
【0015】さらに、缶外面に、白色顔料を含有する上
記水性塗料組成物を塗装することを特徴とするホワイト
コート塗膜形成方法を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水性塗料組成物に
ついて詳細に述べる。
【0017】本発明水性塗料組成物は、共重合体(A)
とアミノ樹脂(B)とを樹脂成分として含有する水性塗
料である。
【0018】共重合体(A) 本発明組成物における共重合体(A)は、ポリエーテル
基含有重合性不飽和モノマー(a)、アクリルアミド系
モノマー(b)、水酸基含有重合性不飽和モノマー
(c)及びカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー
(d)を必須成分とし、必要に応じて、上記(a)、
(b)、(c)及び(d)モノマーと共重合可能な、そ
の他の重合性不飽和モノマー(e)をモノマー成分とす
る共重合体である。
【0019】上記ポリエーテル基含有重合性不飽和モノ
マー(a)は、下記式(1)
【0020】
【化5】
【0021】(式中、R1 は水素原子又はメチル基、R
2 はエチレン基、R3 は1,2−プロピレン基、R4
炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、mは1〜10、
好ましくは2〜9の範囲内の数であり、nは0〜6、好
ましくは0〜5の範囲内の数であり、mとnとの合計数
は2〜15の範囲内である)で表されるモノマーであ
る。
【0022】式(1)のモノマーにおいて、mはエチレ
ンオキサイドが付加されたモル数を表し、nはプロピレ
ンオキサイドが付加されたモル数を表す。また(R
2 O)と(R3 O)とは、ランダムに結合していてもよ
いし、ブロック結合していてもよい。
【0023】上記式(1)において、mが1未満又はm
とnとの合計数が2未満となると、水性化するために必
要な有機溶剤量が多くなり、一方、mが10を超えると
得られる共重合体の粘度が高くなり塗装作業性が低下す
る傾向がある。また、nが6を超えると、得られる塗膜
の加工性が低下しやすくなる。また式(1)において、
4 がアルキル基ではなく水素原子となると、すなわ
ち、式(1)の化合物の末端が水酸基となると、得られ
る塗膜の耐レトルト性が低下し、レトルト処理によって
塗膜の白化が起こりやすくなり、また、得られる硬化塗
膜の湯中硬度(例えば80℃の湯中での硬度)が低下し
やすくなる。
【0024】前記アクリルアミド系モノマー(b)は、
下記式(2)
【0025】
【化6】
【0026】(式中、R5 は水素原子又はメチル基、R
6 は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表
す)で表されるモノマーである。
【0027】アクリルアミド系モノマー(b)の代表例
としては、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
n−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イ
ソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−sec−
ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert
- ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0028】前記水酸基含有重合性不飽和モノマー
(c)の代表例としては、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシアミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシ
ル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト1モルに対して、ε−カプロラクトンを1〜5モルを
開環付加反応させてなる、水酸基を有するカプロラクト
ン変性アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0029】前記カルボキシル基含有重合性不飽和モノ
マー(d)の代表例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ
る。
【0030】前記その他の重合性不飽和モノマー(e)
の代表例としては、例えば、スチレン、α- メチルスチ
レン、ビニルトルエン、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリ
レート、n- ブチル(メタ)アクリレート、i- ブチル
(メタ)アクリレート、t- ブチル(メタ)アクリレー
ト、2- エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0031】上記モノマー(a)、(b)、(c)、
(d)及び(e)の各モノマーは、それぞれ1種で、ま
たは2種以上混合して使用することができる。
【0032】共重合体(A)は、樹脂酸価が20〜10
0mgKOH/g、好ましくは30〜70mgKOH/
gの範囲内であることが必要である。樹脂酸価が20m
gKOH/g未満となると水性化が困難となり、一方、
100mgKOH/gを超えると得られる塗膜の耐レト
ルト性、耐水性が低下する。
【0033】上記共重合体(A)を構成する各モノマー
成分の配合割合は、下記範囲内であることが必要であ
る。
【0034】モノマー(a):5〜40重量%、より好
ましくは10〜20重量%、 モノマー(b):2〜35重量%、より好ましくは10
〜20重量%、 モノマー(c):0〜35重量%、より好ましくは10
〜20重量%、 モノマー(d):2.5〜16重量%、より好ましくは
5〜12重量%、 モノマー(e):0〜90.5重量%、より好ましくは
28〜65重量%。
【0035】ポリエーテル基含有重合性不飽和モノマー
(a)の量が5重量%未満となると、得られる塗膜のレ
トルト処理後の密着性、硬度、外観などが劣化しやすく
なり、また、低有機溶剤量下での水性化が困難となり、
一方、40重量%を超えると塗膜硬度が低下しやすくな
り、また塗料粘度が高くなって塗装作業性が悪化しやす
くなる。
【0036】アクリルアミド系モノマー(b)の量が2
重量%未満となると、得られる塗膜の塗膜硬度、耐擦り
傷性が低下しやすくなり、一方、35重量%を超えると
塗膜の加工性が低下しやすくなる。
【0037】水酸基含有重合性不飽和モノマー(c)の
量が35重量%を超えると、得られる塗膜の加工性が低
下し、また塗料粘度が高くなって塗装作業性が低下しや
すくなる。
【0038】カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー
(d)は、2.5〜16重量%の範囲内であって、得ら
れる共重合体(A)の樹脂酸価が20〜100mgKO
H/gの範囲内となることが必要である。モノマー
(d)の量が2.5重量%未満又は共重合体(A)の樹
脂酸価が20mgKOH/g未満となると、水性化が困
難となり、また塗膜の硬化性が低下しやすくなる。一
方、モノマー(d)の量が16重量%を超えるか又は共
重合体(A)の樹脂酸価が100mgKOH/gを超え
ると得られる塗膜の耐水性及び加工性が低下しやすくな
る。
【0039】共重合体(A)は、上記したモノマー成分
を共重合させることによって得ることができ、例えば、
溶液中にて重合開始剤の存在下、必要に応じて連鎖移動
剤の存在下にて、モノマー成分をラジカル共重合させる
ことにより容易に得ることができる。上記重合開始剤と
しては、有機過酸化物系、アゾ系等が用いられ、有機過
酸化物系では、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジt−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t
−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等が挙げ
られ、アゾ系では、例えばアゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
上記連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマ
ー、メルカプタン類などが挙げられる。
【0040】共重合体(A)を溶液中で共重合させる際
に使用する有機溶剤としては、親水性有機溶剤が好まし
く、例えば、n−ブタノール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
【0041】上記共重合体(A)は、塩基成分により中
和し、水性媒体中に水溶化ないし水分散化することによ
って水性化することができる。中和に使用される塩基成
分は特に制限されるものではないが、一般的には揮発性
を有するアミン類、なかでも3級アミンが好適に使用さ
れる。3級アミンとしては、例えば、トリエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン等が挙げら
れる。中でも特にトリエチルアミン、ジメチルエタノー
ルアミンが好適である。塩基成分によるカルボキシル基
に対する中和当量は、0.5〜1.2の範囲が適当であ
る。
【0042】アミノ樹脂(B) 本発明組成物における(B)成分であるアミノ樹脂は、
加熱により上記共重合体(A)と反応して架橋する架橋
剤として働くものである。
【0043】アミノ樹脂(B)としては、例えば、メチ
ルエーテル化やブチルエーテル化などのアルキルエーテ
ル化メラミン樹脂、アルキルエーテル化ベンゾグアナミ
ン樹脂等が挙げられ、それぞれ単独または併用して用い
ることができる。
【0044】本発明塗料組成物において、共重合体
(A)とアミノ樹脂(B)の配合比率は本発明の効果を
発現できる範囲内であれば特に制限されるものではない
が、通常、共重合体(A)とアミノ樹脂(B)との固形
分重量100重量部中、共重合体(A)は、30〜80
重量部、さらに好ましくは40〜70重量部の範囲内、
すなわちアミノ樹脂(B)は、20〜70重量部、さら
に好ましくは30〜60重量部の範囲内であることが、
塗膜の加工性、塗膜硬度、耐レトルト性などの点から適
している。
【0045】本発明塗料組成物は、共重合体(A)及び
アミノ樹脂(B)を樹脂成分として含有し、通常、中和
剤、水性媒体を含有するが、さらに必要に応じて、硬化
触媒、香料、反応性希釈剤、付着性付与剤、消泡剤、潤
滑剤等を添加することができる。
【0046】上記硬化触媒としては、酸触媒、例えば、
p- トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、ジノニルナフタレンスルホン酸等あるいは、これら
の酸のアミン中和物等を挙げることが出来る。
【0047】上記香料は、水性組成物特有のアミンなど
の中和剤の臭いのマスキングなどの目的で使用される。
【0048】本発明塗料組成物は、共重合体(A)中
に、ポリエーテル基含有重合性不飽和単量体(a)に基
づくポリエーテル基を有し、カルボキシル基含有重合性
不飽和モノマー(d)に基づくカルボキシル基を有する
ので、水性化するための有機溶剤量を少なくすることが
できる。本発明塗料組成物においては、塗料中の有機溶
剤量を通常、10重量%以下、好ましくは5重量%以下
にすることが可能であり、例えば樹脂固形分40重量%
の樹脂溶液である塗料においては、樹脂固形分100重
量部当り25重量部以下、好ましくは12.5重量部以
下とすることが可能であり、低溶剤化を達成することが
できる。
【0049】本発明の水性塗料組成物を塗装する被塗物
は、特に限定されるものではないが、缶用途に使用する
場合には、アルミニウム、ブリキ、ティンフリースチー
ルなど缶の基材として使用される金属類及びこれらの金
属類の表面に塗膜形成した塗装金属類やこれら金属類又
は塗装金属類に印刷を施したものなどを好適に使用でき
る。被塗物の形状は成形された缶状であっても、成形前
のシート状であってもよい。また被塗物への塗装手段と
してはロールコート、カーテンフローコート、スプレー
塗装、静電スプレー塗装などの公知の手段により行うこ
とができる。
【0050】本発明の水性塗料組成物は、缶外面用の仕
上げ用クリヤ塗料やホワイトコート用塗料として好適に
使用できる。ホワイトコート用塗料として使用する場
合、顔料としてチタン白等の白色顔料および必要に応じ
てタルク、炭酸カルシウム、シリカ等の体質顔料が配合
される。ホワイトコート用塗料とする場合、チタン白等
の白色顔料は、樹脂固形分100重量部に対して、通常
40〜200重量部となる量配合される。
【0051】本発明塗料を用いて、ホワイトコート塗膜
を缶外面に形成するには、白色顔料を配合した上記ホワ
イトコート用塗料を缶状に加工した缶外面又は缶外面と
なるシートに乾燥膜厚が約2〜15μmとなるように塗
装し、通常、素材到達最高温度が140〜260℃とな
る条件で10秒〜20分間程度焼き付ければよい。
【0052】本発明塗料を用いて、仕上げ用クリヤ塗膜
を缶外面に形成するには、必要に応じてホワイトコート
や印刷が施された缶外面(缶状に加工した缶外面又は缶
外面となるシート)に乾燥膜厚が約2〜15μmとなる
ように塗装し、通常、素材到達最高温度が、140〜2
60℃となる条件で10秒〜20分間程度焼き付ければ
よい。
【0053】本発明の水性塗料組成物は、缶外面のホワ
イトコート用や、仕上げ用クリヤ塗料として好適に用い
ることができ、平滑性、密着性、加工性、塗膜硬度、耐
水性、耐レトルト性等に優れた塗膜を形成することがで
きる。
【0054】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。以下、「部」および「%」は特に断らない限りいず
れも重量基準によるものとする。
【0055】製造例1 撹拌機、環流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素導入
口を備えた4つ口フラスコにn−ブタノール42部を加
え、窒素ガスを導入しつつかき混ぜながら、115℃に
加熱した。次にスチレン28部、メタクリル酸メチル2
8部、メタクリル酸2−エチルヘキシル7.5部、10
部の下記ポリエーテル基含有重合性不飽和モノマー
(a)−1、N−メトキシメチルアクリルアミド10
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部、アク
リル酸6.5部、連鎖移動剤であるα−メチルスチレン
ダイマー5部及び重合開始剤であるt−ブチルパーオキ
シ2−エチルヘキサノエート5部の混合物を滴下槽から
3時間にわたって滴下した。滴下終了後、同温度で1時
間保持した後、さらにn−ブタノール8部にt−ブチル
パーオキシ2−エチルヘキサノエート0.5部を溶解し
た溶液を30分かけて滴下した。ついで2時間熟成した
後、脱溶剤工程により固形分87.5%とした。ついで
N,N−ジエチルエタノールアミン8.0部を加えて中
和し脱イオン水を加えて固形分75%の水性共重合体樹
脂溶液(A)−1を得た。
【0056】製造例2〜23 製造例1において、滴下するモノマー、重合開始剤、連
鎖移動剤及び中和剤の組成を後記表1のとおりとする以
外、製造例1と同様の方法にて行い固形分75%の水性
共重合体樹脂溶液(A)−2〜(A)−23を得た。製
造例13〜23で得た水性共重合体樹脂溶液(A)−1
3〜(A)−23は、いずれも比較用の共重合樹脂溶液
である。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1中のモノマー及び連鎖移動剤の略号は
それぞれ以下の意味を有する。 St:スチレン、 MMA:メチルメタクリレート、 2- EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート、 N−MAM−ME:N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、 N−MAM−BE:N−ブトキシメチルアクリルアミ
ド、 HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート、 AAc:アクリル酸、 MSD:α−メチルスチレンダイマー、 PEMMA:末端に水酸基を有するポリエチレングリコ
ールモノメタクリレートであってエチレンオキシ単位の
繰り返し数が9であるモノマー、 PPMMA:末端に水酸基を有するポリプロピレングリ
コールモノメタクリレートであってプロピレンオキシ単
位の繰り返し数が9であるモノマー、 t−BPOEHT:t−ブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート、 DEEOA:N,N−ジエチルエタノールアミン。
【0060】表1中のポリエーテル基含有モノマーは、
前記式(1)記載のモノマーであり、そのモノマーの略
号はそれぞれ前記式(1)におけるm、n、及びR4
以下の意味を有するモノマーである。(a)−1は、m
の平均数が2、nの平均数が0、R4 がメチル基であ
る。(a)−2は、mの平均数が4、nの平均数が0、
4 がメチル基である。(a)−3は、mの平均数が
9、nの平均数が0、R4 がメチル基である。(a)−
4は、mの平均数が1、nの平均数が1、R4 がメチル
基である。(a)−5は、mの平均数が8、nの平均数
が6、R4 がオクチル基である。
【0061】実施例1〜12及び比較例1〜11 上記製造例により合成した共重合体樹脂溶液、アミノ樹
脂、酸触媒、有機溶剤及び中和用アミン化合物等を用い
て後記表2に示す配合にて混合し、各水性クリヤー塗料
を調製した。
【0062】実施例13〜24及び比較例12〜22 前記製造例により合成した共重合体樹脂溶液、アミノ樹
脂、酸触媒、有機溶剤、中和用アミン化合物及びチタン
白顔料を用い、チタン白顔料を練肉し、後記表3に示す
配合組成の水性ホワイト塗料を調製した。
【0063】後記表2及び表3中の(註)は、それぞれ
下記の意味を有する。
【0064】(*1)サイメル1123:三井サイテッ
ク株式会社製、メチルエチルエーテル化ベンゾグアナミ
ン樹脂。
【0065】(*2)NACURE5225:米国、キ
ングインダストリイズ社製、アミンブロックしたドデシ
ルベンゼンスルフォン酸溶液。
【0066】実施例1〜24および比較例1〜22で得
られたクリヤ塗料及びホワイト塗料の塗料状態の試験、
塗装焼付硬化後の塗膜物性の試験を下記試験方法に準じ
て行った。その試験結果を後記表2及び表3に示す。
【0067】試験塗板を作成 塗装焼付硬化後の塗膜物性の試験用の試験塗板は、以下
のようにして得たものである。
【0068】(1)クリヤ塗料の試験塗板は、板厚0.
22mmの電気メッキしたブリキ板に、各クリヤ塗料を
ロールコート法により乾燥塗膜厚が5μmになるように
塗装し、ガスコンベアオーブンにて雰囲気温度200℃
で5分間焼付したクリヤ塗装板である。
【0069】(2)ホワイト塗料の試験塗板は、板厚
0.22mmの電気メッキしたブリキ板に、各ホワイト
塗料をロールコート法により乾燥塗膜厚が7μmになる
ように塗装し、ガスコンベアオーブンにて雰囲気温度2
00℃で5分間焼付したホワイトコート塗装板である。
【0070】試験方法 塗料状態:クリヤ塗料については塗料の透明性および分
離、沈降の有無を観察した。ホワイト塗料については塗
料の分離、沈降の有無を観察した。塗料に上記項目につ
いて異常の認められないものを、○(良好)と表示す
る。
【0071】密着性:試験塗板の塗膜面にナイフにて素
地に達する縦横各11本の傷を碁盤目状に入れて1mm
角のマス目を100個作成した。この碁盤目部にセロハ
ン粘着テープを密着させて瞬時にテープを剥がした際の
塗膜の剥離程度を下記基準により評価した。
【0072】 ○:塗膜の剥離が全く認められない、 △:塗膜の剥離が少し認められる、 ×:塗膜の剥離が著しい。
【0073】鉛筆硬度:JIS K5400 8.4.
2(1990)に規定する鉛筆引っかき試験を三菱ユニ
(鉛筆引っかき値試験用、三菱鉛筆社製)を用いて試験
塗板の塗膜に行った。評価はやぶれ法にて行った。
【0074】耐衝撃性:JIS K5400 8.3.
2(1990)デュポン式耐衝撃性試験に準じて、尖端
直径3/ 8インチ、落錘荷重300g、落下距離20c
mの条件にて、塗膜が凸側になるように加工を行い、加
工部の塗膜の割れ状態を下記の基準で判定した。 ○:塗膜に割れが認められない、 △:塗膜に割れが少し認められる、 ×:塗膜に著しい割れが認められる。
【0075】耐レトルト性:試験塗板をオートクレーブ
中にて、125℃で30分間加圧蒸気処理(レトルト処
理)を行い、処理後の塗膜について、塗膜の白化状態、
密着性、鉛筆硬度の試験を行った。塗膜の白化状態は、
下記基準にて評価した。 ○:塗膜に白化が認められない、 △:塗膜に白化が少し認められる、 ×:塗膜に著しい白化が認められる。 密着性は、前記密着性の試験と同様にして試験及び評価
を行った。鉛筆硬度は、前記鉛筆硬度の試験と同様にし
て試験及び評価を行った。
【0076】加工後の耐レトルト性:前記耐衝撃性試験
に準じて、試験塗板に衝撃加工を行った加工塗板に、上
記耐レトルト性の試験と同様の条件にてレトルト処理を
行った後、加工部の塗膜の割れ状態を下記基準にて評価
した。 ○:塗膜に割れが認められない、 △:塗膜に割れが少し認められる、 ×:塗膜に著しい割れが認められる。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】上記表2及び表3から、実施例1〜12に
おけるクリヤ塗料及び実施例13〜24におけるホワイ
ト塗料は、塗料状態が良好であり、これらの塗料から得
られる塗膜は耐レトルト性、密着性、鉛筆硬度、耐衝撃
性などの性能が良好である。これに対して比較例1〜1
1におけるにおけるクリヤ塗料、及び比較例12〜22
におけるホワイト塗料は、塗料状態、各塗膜性能のバラ
ンスをとるのが困難であることが分かる。
【0082】
【発明の効果】以上、本発明の水性塗料組成物は、低溶
剤量での水性化が可能な組成物であり、クリヤーコート
およびホワイトコート用途のいずれにおいても、密着
性、塗膜硬度、高度の耐水性(耐レトルト性)、加工性
等の各塗膜性能も良好なバランスの取れた優れた塗膜を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/02 C09D 133/02 133/26 133/26 155/00 155/00 161/20 161/20 // C08F 290/06 C08F 290/06 (72)発明者 塩田 淳 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(a)下記式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 はエチレン
    基、R3 は1,2−プロピレン基、R4 は炭素原子数1
    〜8のアルキル基を表し、mは1〜10、nは0〜6の
    数であり、mとnとの合計数は2〜15の範囲内であ
    る)で表される末端にアルコキシル基を有するポリエー
    テル基含有重合性不飽和モノマー 5〜40重量%、 (b)下記式(2) 【化2】 (式中、R5 は水素原子又はメチル基、R6 は水素原子
    又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)で表される
    アクリルアミド系モノマー 2〜35重量%、 (c)水酸基含有重合性不飽和モノマー 0〜35重量
    %、 (d)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー 2.
    5〜16重量%及び (e)上記(a)、(b)、(c)及び(d)モノマー
    と共重合可能な、その他の重合性不飽和モノマー0〜9
    0.5重量%をモノマー成分とする樹脂酸価20〜10
    0mgKOH/gの共重合体、及び (B)アミノ樹脂を樹脂成分として含有し、該樹脂成分
    が水性媒体中に安定に溶解ないしは分散されてなること
    を特徴とする水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 共重合体(A)とアミノ樹脂(B)との
    固形分量が、両者の合計固形分100重量部中、共重合
    体(A)が30〜80重量部、アミノ樹脂(B)が20
    〜70重量部であることを特徴とする請求項1記載の水
    性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、白色顔料を含有することを特徴
    とする請求項1又は2に記載の水性塗料組成物。
  4. 【請求項4】 缶外面に、請求項1記載の水性塗料組成
    物を塗装することを特徴とするクリヤ塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】 缶外面に、請求項3記載の水性塗料組成
    物を塗装することを特徴とするホワイトコート塗膜形成
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001323207A (ja) * 2000-05-18 2001-11-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性塗料組成物

Cited By (2)

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JP2001323207A (ja) * 2000-05-18 2001-11-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 水性塗料組成物
JP4721307B2 (ja) * 2000-05-18 2011-07-13 三菱レイヨン株式会社 水性塗料組成物

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