JPH1119936A - 樹脂製品の製造方法 - Google Patents

樹脂製品の製造方法

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JPH1119936A
JPH1119936A JP19648297A JP19648297A JPH1119936A JP H1119936 A JPH1119936 A JP H1119936A JP 19648297 A JP19648297 A JP 19648297A JP 19648297 A JP19648297 A JP 19648297A JP H1119936 A JPH1119936 A JP H1119936A
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JP
Japan
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resin product
resin
manufacturing
mold
cavity
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JP19648297A
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English (en)
Inventor
Junichi Matsuyuki
淳一 松行
Fumi Tamai
文 玉井
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート面に高い平面度が得られるようにし
て、突出しピンによる抜き取りを可能にする樹脂タンク
の製造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂タンク10の内側底面に複数個の突
出しピン当接部31、33を設ける。排水口35近傍の
突出しピン当接部33を除く残りの突出しピン当接部3
1は、断面が擂り鉢状を呈するよう厚肉に形成する。排
水口35は、高い平面度が要求される重要寸法部である
ため、突出しピン当接部33を薄肉に形成する。各突出
しピンの先端部を夫々突出しピン当接部31、33に当
接させて樹脂タンク10の突出しを行う。この場合、当
接部31が厚肉のため応力集中を回避でき、各突出しピ
ン当接部31及びそれらの近傍部位が変形するのを防止
できる。各突出しピン当接部33については、多数の突
出しピン当接部31を厚肉に形成すると共に各突出しピ
ン当接部33をも含めて多数の突出しピンによって樹脂
タンク10をコア37から取り外すこととしているの
で、突出しピン当接部33及びその近傍部位にも変形が
生じ難い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば便器洗浄タ
ンクやその内部に取付けられるボールタップ等の樹脂製
品の製造方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、便器洗浄タンクにおいて、陶
器製のタンクカバーに収容された状態で便器装置の後部
上面にロータンクとして設置される樹脂タンクが知られ
ている。この樹脂タンクは、金型を構成するキャビティ
とコアとの型締めにより形成した両者の隙間に射出成形
機から樹脂を射出する射出成形法によって成形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記射出成
形法によって成形された樹脂タンクを金型から取り出す
ときには、型開きによりキャビティをコアから離間させ
る第1の過程と、コア側に密着している樹脂タンクを、
コアの穴に挿入された突出しピンで突くことによりコア
から外す第2の過程とが実行される。この第2の過程に
おいて、樹脂タンクの、突出しピンで突かれた箇所が変
形を生じるので、従来より、上記箇所の強度を高めるた
めに上記箇所にボスを設ける方法が提案されている(実
開昭61―70019号公報参照)。
【0004】しかし、上記方法を採用すると、樹脂タン
クのボスを設けた部分だけが局所的に厚くなるため、樹
脂が固まるときにボスの部分に生じる収縮(引け)によ
り、樹脂タンクの全体形状が多少変形することがある。
特に、この引けによる変形が上記樹脂タンクの排水弁の
弁座面に生じた場合には、所望の平面度が得られなくな
るために弁座面のシール性が悪化するので問題となる。
そこで、上記第2の過程において、樹脂タンクをコアか
ら抜き易くするために樹脂タンクに抜き勾配を付ける方
法が検討されたが、抜き勾配を付けると全体として台形
状になり、タンクの容量が小さくなってしまうという問
題が生じるので、現実的ではなかった。
【0005】従って本発明の目的は、シート面に高い平
面度が得られるようにして、突出しピンによる抜き取り
を可能にする樹脂タンクの製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面に従
う樹脂製品の製造方法は、樹脂製品本体とその平面度が
要求される箇所以外の箇所に設けるボスとを一体的に形
成するための空間部を有する金型を用いて樹脂製品を成
形する過程と、成形した樹脂製品を、予め金型内のボス
に対応する挿入孔を含む複数の挿入孔に挿入した突出し
棒によって金型から突出す過程とを備える。
【0007】上記構成によれば、高い平面度が要求され
る樹脂製品の箇所にはボスが設けられていない。そのた
め、上記箇所には引けが生じることはないので高い平面
度を維持できる。また、樹脂製品の平面度が要求される
箇所以外の箇所に設けたボスは、夫々対応する突出し棒
によって突出され加圧されるが、これらのボスにより樹
脂製品の強度が保たれるので、変形が生じ難い。
【0008】本発明の第1の側面に係る好適な実施形態
では、樹脂製品は、例えば樹脂タンクであり、平面度の
要求される箇所は樹脂タンクのシート(弁座面)及びそ
の近傍の箇所である。上述したように平面度の要求され
る箇所には、ボスが設けられていないから、シート及び
その近傍の箇所に引けが生じることはない。
【0009】本発明の第2の側面に従う樹脂製品の製造
方法は、箱型で底面が比較的厚く側面が比較的薄肉の樹
脂製品を形成するための空間部を有する金型を用いて樹
脂製品を成形する過程と、成形した樹脂製品を、予め金
型内の複数の挿入孔に挿入した突出し棒によって前記金
型から突出す過程とを備える。
【0010】上記構成によれば、ボスを設けなくても樹
脂製品の底面全体の肉厚を厚くすることにより、樹脂製
品の金型からの突出し離形に際して樹脂製品の底面の強
度を高くすることができる。また、樹脂製品の側面の肉
厚を薄くすることにより、樹脂製品の金型への喰い付き
力を弱めることができる。それにより、特に深い樹脂製
品の金型からの離形が容易になって抜き勾配(抜き易く
するための勾配)を大きく付けなくても良くなる。
【0011】本発明の第2の側面に係る好適な実施形態
では、樹脂製品は、例えば樹脂製の便器洗浄タンクであ
る。この便器洗浄タンクを射出成形するための金型は、
キャビティとコアとから成り、キャビティに樹脂を導入
するためのゲートは、キャビティのタンク底面に対応す
る位置に設けられる。
【0012】そのため、キャビティのタンク底面に対応
する位置に圧力をかけることができ、それによってタン
ク底面に位置する弁座面の平面度を高め易くなる。ま
た、ゲートに対応するタンクの部位には凹凸が生じるの
で、後に切断しなければならないために、露付き防止材
を巻く必要性や見栄えが悪くなるという外観上の問題か
らタンク側面には凹凸を設けたくないという要求がある
が、本実施形態ではゲートがタンク底面に対応する位置
にあるので問題はない。更に、タンクを構成する樹脂が
全ての場所に均一に廻り込み易い中央部にあるタンク底
面に対応するキャビティの位置にゲートがあるために、
高い精度で樹脂タンクの成形が行える。
【0013】また、上記実施形態では、キャビティに樹
脂を導入するためのゲートが、キャビティの、タンク底
面の排水口の近傍に対応する位置に設けられる。キャビ
ティに導入される樹脂の圧力は、ゲート近傍が最大にな
るため、キャビティの排水口(弁座面)に対応する箇所
にゲートが位置決めされていれば、それによって強い圧
力がコアにかかるから、結果として平面度の高い弁座面
が得られることになる。
【0014】また、上記実施形態では、樹脂製品の排水
口の周囲に対応するキャビティ面に、フローリーダーを
設ける。フローリーダーには、樹脂を行き渡り易くする
機能があるため、このフローリーダーにより排水口の周
囲に対応するキャビティ面の領域だけ樹脂の流路が広く
なる。よって、排水口の向こう側にも樹脂が行き易くな
り、その結果、排水口の周囲を均等な厚みにすることが
できる。
【0015】このフローリーダーの存在領域は、キャビ
ティの、平面度を要求される弁座面に対応する領域を含
んでいる。フローリーダーの存在する箇所は、樹脂の流
路が広いために、樹脂の流量が大きく圧損が小さい。よ
って圧力が充分大きいのでコアへ押し付けられる圧力が
大きく、コアへの転写性が良好になる。
【0016】また、フローリーダーの存在領域は、キャ
ビティにおけるゲートの位置を含んでいる。そのため、
ゲートが直接、フローリーダーの存在領域に開いている
から、樹脂がフローリーダーを通ってゲートの向こう側
に行き易く、フローリーダーの圧力が充分に高くなり、
コアへの転写性がより良好になる。
【0017】また、上述したゲートは1箇所だけ設けら
れる。もし、ゲートが複数設けられていると、各ゲート
からの樹脂の流れが衝突した箇所で湯境ができてしま
う。ここで、湯境とは、樹脂の流れが複数あったとき
に、これら複数の樹脂の流れが衝突する部分が完全に融
合しないことにより形成される境をいう。しかし、上記
のように、ゲートが1箇所しか設けられていなければ、
樹脂が高速で強い圧力で流れるため、湯境ができ難く平
面度が高くなる。また、ゲートが1箇所しか設けられて
いないので、金型を外すときのゲートカットが容易であ
る。
【0018】更に、少なくともコアにおけるゲートを中
心にしてフローリーダーとは反対側の周縁部のRを、他
の周縁部の部分のRよりも小さく設定する。これによ
り、Rが小さければ曲り具合が他の周縁部の部分よりき
つくなるので、フローリーダーの側へ樹脂を行き易くす
ることができ、フローリーダーの効果を一層高めること
ができる。
【0019】本発明の第3の側面に従う樹脂製品の製造
方法は、樹脂製品本体とこの樹脂製品本体に設けるタグ
とを一体的に形成するための空間部を有する金型を用い
て樹脂製品を成形する過程と、成形した樹脂製品を、予
め金型内のタグに対応する挿入孔を含む複数の挿入孔に
挿入した突出し棒によって金型から突出す過程とを備え
る。
【0020】上記構成によれば、樹脂製品の本体に突出
し棒が当接しないので、樹脂製品本体が突出しによって
変形したり、本体に突出し棒の痕跡が残ったりすること
がなく、樹脂製品の突出しを安定的に行うことができ
る。
【0021】本発明の第3の側面に係る好適な実施形態
では、樹脂製品は、例えば便器洗浄タンク内に設けられ
るボールタップである。そして、タグは複数箇所に形成
される。
【0022】また、上述したタグのうちの少なくとも1
個は、ボールタップの金型からの抜け落ちのタイミング
を遅らせるため、ボールタップの長尺方向と直交方向に
延在するよう形成される。
【0023】上記構成によれば、ボールタップが金型か
ら完全に抜け落ちる時間を遅らせることができる。ボー
ルタップは長細いため、金型から取り外すときに直に長
尺方向に収縮する虞があり、しかも金型から外れた途端
に金型に当たるとそれによって傷が付く。しかし、上記
実施形態では、ボールタップの上述したタグの一部が金
型に嵌まった状態が比較的長く続くために、収縮を防止
でき、型傷も防止できる。
【0024】また、上述した金型は、ホースを挟持する
ために対向してボールタップの外縁部に設けられる複数
対の突起部と、各突起部のボールタップの外縁部との取
付部の内側に設けられる盛り上げ部とを一体的に形成す
るための空間部を有する。
【0025】上記構成によれば、ホース押えとして機能
すべく対向して設けられている突起部が、倒れ込ませた
い側(つまり、対向間隙内)に樹脂を盛り上げた状態で
ボールタップの外縁部にくっついている。そのため、各
突起部は、樹脂の冷却による収縮時に引き寄せられて互
いに接近する方向に曲ることになり、結果的に対向間隙
を内側に狭めさせることになる。
【0026】また、上記実施形態に係る変形例では、上
記金型として、ボールタップの減圧弁の開口部に設けら
れる係合突起と、その係合突起を補強するための補強部
とを、ボールタップを構成する各部が一体成形されて成
るボールタップ本体とともに一体的に形成するための空
間部を有する金型が用いられる。
【0027】この補強部は、例えば減圧弁の開口部端に
形成される周方向リブや、開口リブや、減圧弁の円筒部
端のリブである。
【0028】これらの補強部を形成することにより、ダ
イヤフラムを閉じたときのウオーターハンマによってダ
イヤフラムを止めている突起に瞬時に強い力が加わって
も、それによって係合突起が変形したり、水漏れが生じ
たり、減圧弁がボールタップ本体から外れたりするのを
防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面により詳細に説明する。
【0030】図1乃至図4は、本発明の第1の実施形態
に係る樹脂タンクの製造方法により製造された樹脂タン
クを示すもので、図1はその上面図、図2は図1のA―
A´線断面図、図3は図1の樹脂タンクの側面図、図4
は図1の樹脂タンクの外側から見た底面図である。
【0031】上記樹脂タンクは、例えば陶器製のタンク
カバーと共に便器装置の後部上面に設置されるロータン
クとなる内側タンクとして用いられるもので、図示のよ
うに、タンク本体1と、タンク本体1の内部に設けられ
る排水弁の弁座3とが樹脂を用いて射出成形法により一
体的に構成されている。
【0032】タンク本体1の上部には、図1に示すよう
に開口5が設けられる。開口5は、例えばタンク本体1
の上面2に設置される手洗用シンク(図示しない)から
流入する水をタンク本体1内に導くためのものである。
また、タンク本体1の各側面7は、例えば発泡スチロー
ル等の断熱材を密着した状態で取付けるために、湯境が
生じないようにし、これによって図3に示すように高い
平面度で形成される。タンク本体1の各側面7の肉厚
は、均一の厚みに設定されている。弁座3は、タンク本
体1の底面4内側に設けられるもので、タンク本体1の
底面4から下方に突出して便槽(図示しない)内に連通
することになる排水口9(図2乃至図4に夫々示す)の
周囲に形成される。弁座面は、排水弁の弁体(図示しな
い)が弁座3に着座することによって排水口9を水密性
良好に閉じることができるように、高い平面度で形成さ
れる。
【0033】タンク本体1の底面4には、図4に示すよ
うに、上述した排水口9の開口に加えて、導水路11
と、一対の固定具取着部13とが設けられる。また、ゲ
ート痕15(成形機で加圧されて射出された樹脂を、金
型を構成するキャビティとコア(中子)との隙間に導入
するために設けられた穴(オリフィス)の痕跡のこと)
が形成されている。導水路11は、オーバーフロー管か
らの水を排水口9に導くためのものである。各固定具取
着部13は、タンク本体1をタンクカバー(図示しな
い)に収容して便器装置(図示しない)に取付けるため
の固定具(図示しない)を装着するものである。
【0034】ゲート痕15は、キャビティとコアとの型
締めを解除(型開き)して、成形された樹脂タンクを金
型から取り出すときに行われるゲートカットにより形成
されるもので、本実施形態では排水口9の近傍に1個だ
け形成されている。このゲート痕15は、樹脂タンクの
射出成形に際してキャビティ側に取付けられる比較的大
径(直径1cm)のダイレクトゲートに対応するものであ
る。タンク本体1底面4の、ゲート痕15及び弁座3
(弁座面)の設置箇所を含む排水口9近傍の領域は、図
4に示すように、タンク本体1底面4のハッチングを施
した領域に含まれる。このハッチングを施した領域と
は、キャビティのタンク本体1底面4に対応する箇所に
設けられるフローリーダーの領域に相当している。フロ
ーリーダーは、上記ゲートを通して成形機から射出され
る液相の樹脂が、排水口9を中心として上記ゲート側の
領域のみならず上記ゲートと反対側の領域にも行き渡り
易くするために、キャビティ側の上記ゲートを含む排水
口9の周辺領域に対応する箇所に設けられる比較的幅の
広い流路である。
【0035】タンク本体1の底面4の、各側面7との境
界をなす4つの外縁部のうち、フローリーダーに対応す
る側の外縁部と対向する外縁部における符号17で示す
区間のRは、区間17以外の区間のRと異なった値に設
定されている。即ち、タンク本体1の底面4側から見た
部分斜視図である図5において、区間17における上記
Rの値は、そのB―B´線断面図である図6に示すよう
に比較的小さく設定されており、それだけ曲り具合が急
になっている。一方、上記区間17以外のRの値は、図
5のC―C´線断面図である図7に示すように比較的大
きく設定されており、曲り具合が区間17より緩やかに
なっている。なお、タンク本体1の底面4についても、
上述した各側面7におけると同様に湯境が生じないよう
にすることにより、高い平面度で形成されている。
【0036】更に、本発明の第1の実施形態に従えば、
図4や図5等で示したタンク本体1の底面4は、肉厚が
比較的厚く設定され、一方、図2や図3等で示したタン
ク本体1の各側面7は、肉厚が比較的薄く設定される。
タンク本体1の底面4及び各側面7を上記のように構成
した理由は、以下のようである。
【0037】即ち、仮に底面4の肉厚と各側面7の肉厚
とが厚過ぎる状態で等しければ、コア21側に密着して
いる樹脂タンクをコア21から外すために行われる突出
しピンによる樹脂タンクの突出しによって底面4が変形
することはない。しかし、各側面7のコア21への喰い
付きが大きくなるので、コア21との間の離形抵抗が大
きくなり樹脂タンクに傷が付いたり、成形サイクルが長
くなったりする問題が生じる。一方、これとは逆に、底
面4の肉厚と各側面7の肉厚とが薄過ぎる状態で等しけ
れば、各側面7のコア21への食い付きが小さくなるの
で、上記離形抵抗が小さくなり樹脂タンクに傷が付いた
り、成形サイクルが長くなったりする問題は生じない。
しかし、突出しピンによる突出しによって底面4が変形
するという問題が生じる。そこで、本実施形態では、上
述した2種類の問題を共に解決するための手段として、
底面4の肉厚を比較的厚く設定し、各側面7の肉厚を比
較的薄く設定することとしたものである。
【0038】図8は、本発明の第1の実施形態に係る樹
脂タンクの製造方法に適用される金型を示す一部切欠き
断面図である。
【0039】上記金型は、夫々図8に示すような形状の
キャビティ19と、コア21と、ゲート(ダイレクトゲ
ート)23と、突出しピン25とを備える。キャビティ
19は、樹脂タンクの外周形状を、コア21は、樹脂タ
ンクの内周形状を夫々有し、キャビティ19とコア21
とによって画定される隙間29に、ゲート23を通じて
成形機27から所定の圧力で射出された樹脂が導入され
ることにより所望の形状の樹脂タンクが形成される。
【0040】上述したように、キャビティ19の、タン
ク本体1底面4に対応する面には、図4でハッチングを
施したタンク本体1底面4側の領域、即ち、排水口9、
弁座3及びゲート痕15を含んだ領域に相当するフロー
リーダー20が設けられる。フローリーダー20は、ゲ
ート23を通じて成形機27から射出される樹脂が、排
水口9に対応するキャビティ19の突出部19aとコア
21の突出部21aとの隙間29aを中心としてゲート
23側の隙間29のみならず、ゲート23と反対側の隙
間29にも行き渡り易くするための比較的幅の広い流路
である。
【0041】キャビティ19とコア21とは、上述した
区間17に対応する隙間29のRが、区間17以外の区
間に対応する隙間29のRよりも小さな値になるように
夫々構成されている。即ち、これにより、区間17に対
応する隙間29は、曲り具合が比較的急になっており、
区間17以外の区間に対応する隙間29は、曲り具合が
区間17に対応する隙間29よりも比較的緩やかになっ
ている。なお、上述した区間17に対応するコア21の
部位のRのみを小さな値に設定することとしても良い。
【0042】ゲート23は、上記隙間29に成形機27
から樹脂を導入するためのもので、比較的大径(直径1
cm)のダイレクトゲートが用いられる。ゲート23は、
キャビティ19の突出部19aの近傍、即ち、フローリ
ーダー20の領域内に取付けられる。
【0043】突出しピン25は、型締めの解除(型開
き)によりキャビティ19から離間したコア21に密着
している樹脂タンクを、コア21から外すためのもの
で、図8の矢印方向に突出すことによって樹脂タンクが
コア21から離間する。突出しピン25は、コア21に
形成された穴に予め挿入されている。
【0044】更に、上記製造方法に適用される金型にお
いては、タンク本体1の底面4に対応する隙間29の間
隔が比較的大きくなるように、また、タンク本体1の各
側面7に対応する隙間29の間隔が比較的小さくなるよ
うに、キャビティ19及びコア21が夫々形成される。
【0045】次に、上記構成の金型を用いる樹脂タンク
の成形過程について説明する。
【0046】まず、ゲート23を、図8に示すようにキ
ャビティ19の、タンク本体1底面4に対応する面の突
出部19a周囲の領域、即ち、フローリーダー20の設
置領域に取付ける。次に、ゲート23を取付けたキャビ
ティ19とコア21とを型締めした後、樹脂を成形機2
7から所定の圧力でゲート23を通じて金型内に向けて
射出する。この場合、樹脂の射出圧力が最大になるゲー
ト23及びその近傍部位は、キャビティ19の、タンク
本体1底面4に対応する面であるために、樹脂の射出に
より強い圧力がコア21側に加わることになる。ゲート
23を通じて射出された樹脂は、突出口19a、21a
の周囲に位置するフローリーダー20とそれに対向する
コア21の部分とにより形成される隙間29に流入す
る。この隙間29の領域は、他の隙間29の領域より広
くなっているので、大流量の樹脂が強い圧力でコア21
に押し当たることとなり、そのため、コア21への転写
性が良好である。よってタンク本体1底面4に弁座3が
設けられることから、平面度の高い弁座面を得ることが
できる。
【0047】また、上記のようにフローリーダー20が
突出口19aの周囲に設けられることによって、突出口
19a、21aのゲート23側の隙間29は勿論、ゲー
ト23と反対側の隙間29にも樹脂が行き渡り易くな
る。その結果、タンク本体1の排出口9寄りの側面7の
肉厚と、排出口9の反対側の側面7の肉厚を略均等な厚
みにすることが可能になる。なお、上述した区間17に
対応する隙間29については、Rが小さく、従って曲り
具合が他の区間に比較して急になっていて樹脂を廻り込
み難くしているため、ゲート23から射出された樹脂を
フローリーダー20側へ行き易くしている。また、ゲー
ト23が、フローリーダー20の領域内に直接開口して
いるため、ゲート23を通じて射出された樹脂が圧力損
失を生じることなくフローリーダー20を経て各隙間2
9に隈なく行き渡ることになる。
【0048】本実施形態では、ゲート23は図8に示す
ように1箇所しか設けられていないから、ゲート23を
通じて成形機27から射出された樹脂は高速で強い圧力
で流れる。そのため、ゲートが複数箇所に設けられてい
る場合と異なり、各ゲートからの樹脂の流れが衝突した
箇所で湯境ができてしまうことがなく、樹脂タンク各平
面度が高くなる。また、ゲート23が1箇所しか設けら
れていないので、金型を外すときのゲートカットが容易
である。
【0049】上述した過程を経て、キャビティ19とコ
ア21との隙間29内に成形される樹脂タンクを取り出
すべく、コア21側に取付けられている突出しピン25
を、図8の矢印方向に突出すことにより、キャビティ1
9とコア21との型締めを解除して両者を離間させ、上
記樹脂タンクを取り出す。
【0050】上記実施形態によれば、金型に樹脂を導入
するためのゲート23が、キャビティ19のタンク本体
1底面4に対応する箇所に設けられているので、キャビ
ティ19の上記部位に対向するコア21に高い圧力をか
けることができ、それによってタンク本体1底面4に位
置する弁座面の平面度が高め易くなる。また、ゲート2
3に対応するタンク本体1の部位には凹凸が生じるので
後に切断しなければならないために、霧付き防止材を巻
く必要性や見栄えが悪くなるという外観上の問題からタ
ンク本体1の側面7には凹凸を設けたくないという要求
がある。しかし、本実施形態ではゲート23がキャビテ
ィ19のタンク本体1底面4に対応する箇所にあるので
問題はない。更に、ゲート23を、樹脂が全ての場所に
均一に廻り込み易い中央部にあたるタンク本体1底面4
に対応するキャビティ19の箇所に設けるために、高い
精度で樹脂タンクの成形が行える。
【0051】図9は、本発明の第1の実施形態の変形例
に係る樹脂タンクの内側底面図、図10は、図9に示し
た樹脂タンクの排水口の側断面図、図11は、図9に示
した樹脂タンクの要部断面図である。
【0052】本変形例では、樹脂タンクをコアから取り
出すために複数本の突出しピンを用いると共に、複数本
の突出しピンの先端が当接する樹脂タンクの内側底面の
部位(突出しピン当接部)のうち、排水口の近傍に位置
する突出しピン当接部を除いた残りを厚肉に形成したこ
とをその特徴とする。
【0053】即ち、図9において符号31、33で示す
ように樹脂タンク10の内側底面に複数個の突出しピン
当接部が設けられる。これらの突出しピン当接部のう
ち、排水口35近傍の突出しピン当接部33を除いた残
りの突出しピン当接部31は、図11に示すように厚肉
に形成されている。なお、排水口35については、図1
0において破線37で示すように高い平面度が要求され
る重要寸法部であるため、突出しピン当接部33を厚肉
に形成すると成形時に生じる樹脂の収縮に関連して所望
の平面度が保てなくなる虞があるので、厚肉には形成さ
れていない。
【0054】ところで従来、コアからの離形抵抗が大き
い樹脂タンクは、突出しピンによってコアから突出すと
きに樹脂タンクの突出しピン当接部及びその近傍部位に
変形が生じるのを回避するのが困難であった。そのた
め、離形抵抗が大きい樹脂タンクを成形した場合には、
コアからの取り外し時に必ずといってよいほど上記部位
に変形が生じるので、製品化ができなかった。
【0055】そこで、本変形例に係る金型では、複数本
の突出しピンにより樹脂タンクをコアから突出せるよ
う、図11に示すようにコア37に複数の突出しピン挿
入孔39、41を設ける。そして、それら挿入孔39、
41のうち、排水口35の近傍に対応する挿入孔41を
除いた残りの挿入孔39については、先端側の断面形状
を図11に示すように擂り鉢状に形成したものである。
これにより、成形される樹脂タンク10の突出しピン当
接部のうち、符号31で示す突出しピン当接部について
は厚肉(擂り鉢状)に形成されることになる。
【0056】上述したように本変形例においては、突出
しピン当接部31を上記図11に示したような厚肉形状
で構成したので、各突出しピンによる樹脂タンクの突出
し時に、各突出しピン当接部31、33に生じる応力集
中を回避することができる。そのため、樹脂タンク10
のコア37からの突出しによって、各突出しピン当接部
31及びそれらの近傍部位が変形するのを防止できるの
で、コア37からの離形抵抗が大きい樹脂タンクについ
ても製品化が可能である。なお、各突出しピン当接部3
3については、上記理由によって厚肉に形成していな
い。しかし、多数の突出しピン当接部31を厚肉に形成
すると共に各突出しピン当接部33をも含めて多数の突
出しピンによって樹脂タンク10をコア37から取り外
すこととしているので、取り外し作業が容易であり、突
出しピン当接部33及びその近傍部位に変形が生じるこ
とはない。
【0057】図12は、本発明の第2の実施形態に係る
ボールタップの全体正面図、図13は、図12に示した
ボールタップの全体側面図、図14は、図12に示した
ボールタップの上部を示す部分拡大側面図である。ま
た、図15は、図14の符号Dで示した部分の拡大斜視
図、図16は、図13に示したボールタップの下部を示
す部分拡大側面図、図17は、図16のF―F´線断面
図である。
【0058】本実施形態では、射出成形されたボールタ
ップを、その外観を損ねず、且つ、変形等による寸法精
度の低下を生じることなく可動側キャビティから取り出
せるよう、複数本の突出しピンを用いることとし、更
に、各突出しピンの先端部を当接するための突出しピン
当接部(タブ)を、ボールタップの適宜箇所に設けたこ
とをその特徴とする。なお、上記ボールタップは、例え
ばポリアセタールや、ポリプロピレンや、アクリロニト
リルブタジエンスチレンや、変性ポリフェニレンエーテ
ルや、ポリフェニレンサルファイドのような樹脂材料か
ら成るものである。
【0059】即ち、上記突出しピン当接部としては、図
14において符号43、45で示す当接部と、図15に
おいて符号47、49で示す当接部と、図16において
符号51、53及び55、57で示す当接部とがある。
当接部43は、図12及び図13を併せて参照すれば明
確なように、ボールタップ本体28の上部において高い
寸法精度が要求されるねじ部30a、及びこのねじ部3
0aに続く通水部30bの上端に対応する位置にある。
特に通水部30bについては、全体的に真円度が要求さ
れる。当接部45は、減圧弁と上記通水部との接続部位
の略直下の位置にあり、直線部分の多い長尺円筒形状を
呈する通水部30bに突出しピンによる突出しによって
捩れ等の変形が生じるのを防止することが可能な位置に
ある。この当接部45は、図14に示すように三角形状
を呈している。
【0060】また、当接部47、49は、減圧弁32の
先端側に対応する位置で、他の部品との組み付けにより
一次耐圧部を構成するため、真円度を含む高い寸法精度
が要求される位置にある。当接部47、49は、高い寸
法精度を確保するために、ボールタップ製品28の安定
した突出しが可能な形状に設定されている。次に、当接
部51、53は、通水部30bの下方部分に位置してい
る。このように互いに対称な位置に2つの当接部51、
53を設定した理由は、長尺円筒形状を呈するボールタ
ップ本体28の通水部30bが捩れや変形等を生じるこ
となく安定的に可動側キャビティ36から突出せるよう
にするためである。更に、当接部55、57は、通水部
30bの下方部分において高い寸法精度が要求されるね
じ部34近傍に位置している。このように互いに対称な
位置に2つの当接部55、57を設定した理由は、図1
7において双方向矢印で示す真円度を含んだ高い寸法精
度が要求される部位が、高い寸法精度を保った状態で安
定的に可動側キャビティ36から突出せるようにするた
めである。
【0061】ところで従来、上述したボールタップの可
動側キャビティ36からの突出しは、突出しピンの先端
部を直接ボールタップ本体28に当てることにより行わ
れており、しかも、使用される突出しピンは1本だけで
あった。そのため、突出しピンの先端部が当接するボー
ルタップ本体28の部位には、突出しによって生じる応
力が集中することになるので、突出しピンの当接した痕
跡が残り易く、上記部位が人目に付き易い箇所にある場
合には見栄えが悪いという問題があった。また、上記応
力が1箇所に集中することによりボールタップ本体28
が変形し易く寸法精度が低下するという問題もあった。
【0062】そこで、本実施形態に係る金型では、ボー
ルタップ本体28の上記各箇所に上述した各突出しピン
当接部43〜57が形成されるよう、可動側キャビティ
36と固定側キャビティ38との間に上記各突出しピン
当接部43〜57に対応する空間を夫々形成する。ま
た、複数本の突出しピンによりボールタップ本体28を
可動側キャビティ36から突出せるよう可動側キャビテ
ィ36に複数の突出しピン挿入孔(図示しない)を設け
る。そして、図17に示す態様で各突出しピン40の先
端部を各突出しピン当接部43〜57に当接し、図12
に示すように型締めされた可動側キャビティ36と固定
側キャビティ38とを型開きした後、各突出しピン40
の突出しによりボールタップ本体28の可動側キャビテ
ィ36からの取り出しを行うものである。
【0063】これにより、各部を一体成形した製品とし
てボールタップ本体28を射出成形することができ、し
かも射出成形されたボールタップ本体28を、その外観
を損ねず、且つ、変形等による寸法精度の低下を生じる
ことなく安定的に可動側キャビティ36から取り出すこ
とが可能になった。
【0064】図18は、本発明の第2の実施形態の第1
変形例に係るボールタップの上部を示す部分拡大側面
図、図19は、図18に示したボールタップの上部を含
む作用説明図である。
【0065】本変形例では、射出成形されたボールタッ
プが収縮により変形して可動側キャビティと接触するこ
とで傷が付くのを防止し、且つ、可動側キャビティから
バランス良く(つまり、高い寸法精度で外観の見栄えも
良好に)取り出せるよう、可能な限り遅いタイミングで
ボールタップの可動側キャビティからの突出しを行うこ
とをその特徴とする。
【0066】即ち、図18で示すように、上述した各突
出しピン当接部43〜57に加えて更にボールタップ本
体28の上部の、減圧弁が設けられる長尺円筒状の通水
部30bに突出しピン当接部59を設ける。この突出し
ピン当接部59は、ボールタップ本体28の可動側キャ
ビティ36からの突出しタイミングを遅らせるためもの
で、図19に示すように可動側キャビティ36側に延在
している。そのため、この突出しピン当接部59に当接
する突出しピン40は、先端部が当接部59の端面に当
接することになるから、この突出しピン40の長さは、
図19に示す線分61―63(可動側キャビティ36と
固定側キャビティ38との境界面)上に位置する各突出
しピン当接部43〜57に夫々取付けられる突出しピン
の長さよりも短くなる。
【0067】ところで、上述した第2の実施形態では、
使用される複数本の突出しピンの長さは略同一長さであ
るため、通水部30bのような長尺円筒形状を呈する部
位では、収縮による変形を生じ易く可動側キャビティ3
6に接触して離形傷が付き易いという問題があった。
【0068】そこで、本変形例では、ボールタップ本体
28の上記箇所に上述した突出しピン当接部59が形成
されるよう、上記突出しピン当接部59に対応する空間
と、この空間に連通する突出しピン挿入穴とを、図19
に示した態様で上記第2の実施形態で用いられる可動側
キャビティ36内に形成する。この突出しピン挿入穴に
は、この挿入穴に見合った長さの突出しピンを挿入して
先端部を上記当接部59に当接させ、残りの各突出しピ
ン挿入孔にも夫々突出しピンを挿入し、それらの先端部
を各突出しピン当接部43〜57に取付けた。そして、
型開きの後、各突出しピンの突出しによりボールタップ
本体28の可動側キャビティ36からの取り出しを行
う。
【0069】突出しピン当接部59に当接する突出しピ
ン40の先端部は、各当接部43〜57に取付ける各々
の突出しピンの先端部よりも可動側キャビティ36の内
側に位置しているから、各当接部43〜57がそれらに
取付けた各突出しピンによって可動側キャビティ36か
ら突出されても当接部59は依然として可動側キャビテ
ィ36内にとどまった状態にある。ところで、上記ボー
ルタップ本体28は、通水部30bが長尺円筒形状を呈
するので各当接部43〜57が可動側キャビティ36か
ら突出された後も、図19において矢印65、67で示
す方向に収縮し変形する傾向がある。そのため、本変形
例では、各当接部43〜57が可動側キャビティ36か
ら突出された後も、突出しピン当接部59を可動側キャ
ビティ36内にとどめておくことにより、ボールタップ
本体28と可動側キャビティ36とが接触するのを防止
し、且つ、矢印65、67方向への収縮をも防止するこ
ととしたものである。
【0070】図20は、本発明の第2の実施形態の第2
変形例に係るボールタップの全体正面図、図21は、ボ
ールタップと金型(可動側キャビティ、固定側キャビテ
ィ及びコア)との関係を示す図20のG―G´線断面図
である。また、図22は、ボールタップと可動側キャビ
ティ及び固定側キャビティとの関係を示す図20のG―
G´線断面図である。
【0071】本変形例では、射出成形したボールタップ
の後収縮に起因する所謂樹脂倒れにより寸法公差の保守
が困難になることを利用して、ボールタップの通水部側
面に形成されるホース押えのホース保持力を強化し、こ
れによって挟持したホースを外れ難くすると共にホース
を挟持し易くしたことをその特徴とする。ここで後収縮
とは、型開きにより固定側キャビティと可動側キャビテ
ィとを離間した後、可動側キャビティに付いているボー
ルタップ本体を突出しピンを用いて可動側キャビティか
ら突出すときに生じるボールタップ本体に生じる収縮の
ことをいう。
【0072】本変形例に係るボールタップでは、図22
に示すように、各ホース押え71における通水部30b
との接続部位の内側に、夫々R部73を形成し、且つ、
各ホース押え71の先端部の内側にも夫々R部75を形
成している。上記R部73を形成することにより、ボー
ルタップ本体28の上述した後収縮に起因して各ホース
押え71は夫々内側に倒れ込むことになり、これによっ
てホース押え71のホース保持力が強化され得る。ま
た、各ホース押え71の先端部の内側にも夫々R部75
を形成したことにより、ホースが挟持し易くなる。ボー
ルタップ本体28の通水部30bの肉厚が図21及び図
22に示したものより薄肉の場合には、各ホース押え7
1は、上記R部73の作用により更に内側に倒れ込み易
くなる。
【0073】一方、本変形例に係る金型では、図21に
示すように可動側キャビティ36に上述したR部73に
対応する空間部74が形成されており、可動側キャビテ
ィ36と固定側キャビティ38との間に、コア42を挿
入する空間部と、この空間部から放射状に延びる複数個
のスリット46とが形成されている。
【0074】なお、型開き後の可動側キャビティ36か
ら突出されるボールタップ本体28は、図20に示すよ
うに、通水部30bが長尺円筒形状のために矢印65、
67方向に後収縮するが、各ホース押え71は、上記収
縮方向とは直角方向の可動側キャビティ36の奥に向か
って延びている。そのため、ボールタップ本体28の可
動側キャビティ36からの突出しタイミングを可能な限
り遅らせてボールタップ本体28に生じる収縮や反り等
の変形を防止することも可能であり、また、各ホース押
え71は合計4個設けられているので安定した突出しを
行うこともできる。
【0075】図23は、本発明の第3の実施形態に係る
ボールタップの上部を示す部分拡大側面図、図24は、
図23に示したボールタップのH方向から見た図であ
る。
【0076】本実施形態では、ダイヤフラムを閉じたこ
とに起因するウォーターハンマによって減圧弁における
ダイヤフラム係合用の突起に瞬時に強い力が加わり、こ
の強い力によって係合用の突起が変形して水漏れが生じ
るのを防止するために、上記係合突起を補強したことを
特徴とする。なお、減圧弁には、一次側の水道水圧が減
圧弁をボールタップ本体から外す方向に加わっている
が、この水道水圧は、通常は問題にならない。
【0077】本実施形態に係るボールタップ本体28で
は、図23及び図24に示すように、減圧弁の円筒部端
に第1の周方向リブ81が、開口部端にも上記周方向リ
ブ81と同様の第2の周方向リブ83が、更に、開口部
に開口部リブ85が、夫々設けられる。第1の周方向リ
ブ81は、円筒部端の剛性を高めることにより円筒部の
円形状が上述したウォーターハンマによって変形するの
を防止し、これによって水漏れが生じたり、減圧弁ユニ
ットのボールタップ本体への係合が外れて減圧弁ユニッ
トがボールタップ本体から外れたりするのを規制する。
第2の周方向リブ83は、開口部端の剛性を高めること
により円筒部の円形状が上述したウォーターハンマによ
って変形するのを防止し、これによって第1の周方向リ
ブ81と同様に水漏れや減圧弁ユニットのボールタップ
本体からの離間を規制する。更に、開口部リブ85は、
上記ウォーターハンマにより開口部が開こうとする動作
を拘束する。
【0078】上記構成によれば、減圧弁に第1の周方向
リブ81、第2の周方向リブ83、及び開口部リブ85
を夫々設けることとしたので、補強箇所の肉厚を増加す
る必要がなく、そのため、成形サイクルの増加を避ける
ことができる。また、ボールタップを構成するための材
料を、より高強度なものに変更しなくて済むので、コス
トアップを避けることもできる。
【0079】上述した内容は、あくまで本発明の各実施
形態及びそれらの変形例に関するものであって、本発明
が上記内容のみに限定されることを意味するものでない
のは勿論である。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シート面に高い平面度が得られるようにして、突出しピ
ンによる抜き取りを可能にする樹脂タンクの製造方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の樹脂タンクの製造方法により
製造された樹脂タンクの上面図。
【図2】図1のA―A´線断面図。
【図3】図1の樹脂タンクの側面図。
【図4】図1の樹脂タンクの外側から見た底面図。
【図5】図1の樹脂タンクの底面側から見た部分斜視
図。
【図6】図5のB―B´線断面図。
【図7】図5のC―C´線断面図。
【図8】第1の実施形態の樹脂タンクの製造方法に適用
される金型を示す一部切欠き断面図。
【図9】第1の実施形態の変形例の樹脂タンクの内側底
面図。
【図10】図9の樹脂タンクの排水口の側断面図。
【図11】図9の樹脂タンクの要部断面図。
【図12】第2の実施形態のボールタップの全体正面
図。
【図13】図12に示したボールタップの全体側面図。
【図14】図12に示したボールタップの上部を示す部
分拡大側面図。
【図15】図14の符号Dで示した部分の拡大斜視図。
【図16】図13に示したボールタップの下部を示す部
分拡大側面図。
【図17】図16のF―F´線断面図。
【図18】第2の実施形態の第1変形例のボールタップ
の上部を示す部分拡大側面図。
【図19】図18に示したボールタップの上部を含む作
用説明図。
【図20】第2の実施形態の第3変形例のボールタップ
の全体正面図。
【図21】ボールタップと金型との関係を示す図20の
G―G´線断面図。
【図22】ボールタップとキャビティとの関係を示す図
20のG―G´線断面図。
【図23】第3の実施形態のボールタップの上部を示す
部分拡大側面図。
【図24】図23のボールタップのH方向から見た図。
【符号の説明】
1、10 タンク本体 3 排水弁の弁座 4 タンク本体の底面 7 タンク本体の側面 9、35 排水口 15 ゲート痕(ダイレクトゲートの) 17 タンク本体底面におけるRの値が小さい外縁部 19 キャビティ 19a、21a 突出部 20 フローリーダー 21、37、42 コア(中子) 23 ゲート(ダイレクトゲート) 25 突出しピン 27 成形機 28 ボールタップ本体 29、29a 隙間 30b 通水部 31、33、43、45、47、49 突出しピン当接
部 51、53、55、57、59 突出しピン当接部 36 可動側キャビティ 38 固定側キャビティ 39、41 突出しピン挿入孔 40 突出しピン 71 ホース押え 73、75 R部 81、83 周方向リブ 85 開口部リブ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製品本体とその平面度が要求される
    箇所以外の箇所に設けるボスとを一体的に形成するため
    の空間部を有する金型を用いて樹脂製品を成形する過程
    と、 成形した樹脂製品を、予め前記金型内の前記ボスに対応
    する挿入孔を含む複数の挿入孔に挿入した突出し棒によ
    って前記金型から突出す過程と、 を備えることを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、 前記樹脂製品が樹脂タンクであり、前記平面度の要求さ
    れる箇所が樹脂タンクのシート及びその近傍の箇所であ
    ることを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  3. 【請求項3】 箱型で底面が比較的厚く側面が比較的薄
    肉の樹脂製品を形成するための空間部を有する金型を用
    いて樹脂製品を成形する過程と、 成形した樹脂製品を、予め前記金型内の複数の挿入孔に
    挿入した突出し棒によって前記金型から突出す過程と、 を備えることを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、 前記樹脂製品が、樹脂製の便器洗浄タンクであることを
    特徴とする樹脂製品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載の樹脂製品の
    製造方法において、 前記金型が、キャビティとコアとから成り、前記キャビ
    ティに樹脂を導入するためのゲートが、キャビティのタ
    ンク底面に対応する位置に設けられることを特徴とする
    樹脂製品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4記載の樹脂製品の
    製造方法において、 前記キャビティに樹脂を導入するためのゲートが、キャ
    ビティの、タンク底面の排水口の近傍に対応する位置に
    設けられることを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3又は請求項4記載の樹脂製品の
    製造方法において、 前記樹脂製品の排水口の周囲に対応するキャビティ面
    に、フローリーダーを設けたことを特徴とする樹脂製品
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、 前記フローリーダーの存在領域が、キャビティの、平面
    度を要求される弁座面に対応する領域を含むことを特徴
    とする樹脂製品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の樹脂製品の製造方法にお
    いて、 前記フローリーダーの存在領域が、キャビティにおける
    ゲートの位置を含むことを特徴とする樹脂製品の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の樹脂製品の製造方法に
    おいて、 前記ゲートが、1箇所だけ設けられることを特徴とする
    樹脂製品の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の樹脂製品の製造方法に
    おいて、 少なくとも前記コアにおける前記ゲートを中心にしてフ
    ローリーダーとは反対側の周縁部のRを、他の周縁部の
    部分のRよりも小さく設定したことを特徴とする樹脂製
    品の製造方法。
  12. 【請求項12】 樹脂製品本体とこの樹脂製品本体に設
    けるタグとを一体的に形成するための空間部を有する金
    型を用いて樹脂製品を成形する過程と、 成形した樹脂製品を、予め前記金型内の前記タグに対応
    する挿入孔を含む複数の挿入孔に挿入した突出し棒によ
    って前記金型から突出す過程と、 を備えることを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の樹脂製品の製造方法
    において、 前記樹脂製品が、便器洗浄タンク内に設けられるボール
    タップであることを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の樹脂製品の製造方法
    において、 前記タグが複数箇所に形成されることを特徴とする樹脂
    製品の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項13記載の樹脂製品の製造方法
    において、 前記タグのうちの少なくとも1個が、前記ボールタップ
    の金型からの抜け落ちのタイミングを遅らせるため、ボ
    ールタップの長尺方向と直交方向に延在するよう形成さ
    れることを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項12乃至請求項15のいずれか
    1項記載の樹脂製品の製造方法において、 前記金型が、ホースを挟持するために対向してボールタ
    ップの外縁部に設けられる複数対の突起部と、各突起部
    のボールタップの外縁部との取付部の内側に設けられる
    盛り上げ部とを一体的に形成するための空間部を有する
    ことを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項12乃至請求項15のいずれか
    1項記載の樹脂製品の製造方法において、 前記金型が、ボールタップの減圧弁の開口部に設けられ
    る係合突起と、その係合突起を補強するための補強部と
    を一体的に形成するための空間部を有することを特徴と
    する樹脂製品の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の樹脂製品の製造方法
    において、 前記補強部が、減圧弁の開口部端の周方向リブであるこ
    とを特徴とする樹脂製品の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項17記載の樹脂製品の製造方法
    において、 前記補強部が、減圧弁の開口リブであることを特徴とす
    る樹脂製品の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項17記載の樹脂製品の製造方法
    において、 前記補強部が、減圧弁の円筒部端のリブであることを特
    徴とする樹脂製品の製造方法。
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