JPH11194216A - 偏光フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

偏光フィルムおよびその製造方法

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JPH11194216A
JPH11194216A JP9368270A JP36827097A JPH11194216A JP H11194216 A JPH11194216 A JP H11194216A JP 9368270 A JP9368270 A JP 9368270A JP 36827097 A JP36827097 A JP 36827097A JP H11194216 A JPH11194216 A JP H11194216A
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polarizing
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laminated
reflection
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JP9368270A
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English (en)
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Kazuhiro Yamazaki
和弘 山崎
Tsutomu Murata
力 村田
Kazuya Oishi
和也 大石
Yasuhiro Matsunaga
康弘 松永
Yukinori Sakumoto
征則 作本
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防眩性、反射防止性、電磁波シールド
性および帯電防止性を有し、かつ製造するにあたって歩
留まりの良化を図ることのできる偏光フィルムおよびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 偏光フィルムを、偏光基材Aと、反射防
止積層体Bとに分ける。偏光基材Aは、保護層10の表
面に偏光材11を積層した構成とする。反射防止積層体
Bは、透明基材20の表面に防眩層21、反射防止層2
2を順次積層し、透明基材20の背面に耐熱保護層2
3、導電層24、粘着層25を積層した構成とする。偏
光基材Aの偏光材11上に反射防止積層体Bを粘着層2
5によって貼着し、偏光フィルムを得る。偏光基材Aを
得る場合には端材が発生するものの、反射防止積層体B
を得る場合には端材を極力少なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CR
T、EL等の画像表示装置に好適に用いられる偏光フィ
ルムおよびその製造方法に係り、特に、優れた防眩性、
反射防止性、電磁波シールド性および帯電防止性の特性
を有し、かつ製造するにあたって歩留まりの改善を図る
ことのできる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上記LCD、PDP、CRT、EL等に
代表される画像表示装置(以下、これを「ディスプレ
イ」と称する)は、テレビやコンピュータをはじめとし
て様々な分野で繁用されており、目覚ましい発展を遂げ
ている。特にLCDは、薄く、軽量で、かつ汎用性に富
むディスプレイとして、ラップトップ型のパーソナルコ
ンピュータやワードプロセッサ、携帯電話、PHS、そ
の他各種携帯端末用としての普及が著しい。一般にLC
Dは、図5に示すように、多層積層体である液晶表示パ
ネル30の背面(図5で下面)にバックライト40が配
された構成となっている。液晶表示パネル30は、TF
Tガラス基板31の表面側(図5で上側)に液晶セル3
2、反射防止層付き偏光フィルム33が順次積層され、
TFTガラス基板31の背面側に反射防止層のない偏光
フィルム34が積層された構成となっている。各偏光フ
ィルム33,34は、PVA(ポリビニルアルコール)
フィルム等からなる偏光材35の表面および背面に、T
AC(トリアセチルセルロース)等からなる透明基材3
6および保護層37がそれぞれ積層された積層体が基本
構成となっており、反射防止層付き偏光フィルム33
は、この積層体の表面に、防眩層38、反射防止層39
が順次積層されている。防眩層38には、例えばアクリ
ル系化合物を主剤とする紫外線硬化型樹脂塗料が用いら
れ、反射防止層39には、例えばフッ素系の樹脂塗料が
用いられる。
【0003】ところで、偏光フィルムの偏光材35とし
て用いられるPVAフィルムは、通常、2色性素子とし
て沃素または染料を吸着させたPVAを一軸延伸して製
造されており、延伸方向が配向方向となっている。そし
て、背面側と表面側の各偏光フィルム33,34は、P
VAフィルムの配向方向が互いに所定角度捻れて(交差
して)偏光作用が生じるようにTFTガラス基板31お
よび液晶セル32に積層されている。このように配向方
向を捻れるようにするには、まず、図6に示すように、
複数の偏光フィルム33(34)をとることのできる大
判な偏光フィルム素材33A(34A)を、長方形状の
ディスプレイに見合った所望の寸法、形状に、その横方
向(幅方向)が矢印Xで示す配向方向に対して所定角度
になるよう斜めに切断する。そして、このように切断し
た偏光フィルム33(34)を、偏光材35の配向方向
が互いに所定角度捻れるよう対面させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にして偏光フィルムを切断して製造した場合、図6の符
合Yで示す三角形部分は使用できない端材となって破棄
していた。ここで、背面側の反射防止層のない偏光フィ
ルム34の場合、この偏光フィルム34自体はそれほど
高価なものでないから端材の発生は許容できるものの、
表面側の反射防止層付きの偏光フィルム33の場合、防
眩層38や反射防止層39の製造コストが高く、特に、
帯電防止のためにアルミニウム粉末やITO(錫含有酸
化インジウム)粉末等を反射防止層39に含有させたも
のは比較的高価な材料が使用されており製造コストがさ
らに高くなるので、端材の発生はできるだけ回避したい
要望があった。しかしながら上記製造方法では端材の発
生は避けられず、このため、歩留まりの悪化を招いて生
産性やコストに問題を有するものであった。したがって
本発明は、優れた防眩性、反射防止性、電磁波シールド
性および帯電防止性の特性を有し、かつ製造するにあた
って歩留まりの良化を図ることのできる偏光フィルムお
よびその製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成する手段を鋭意研究した結果、偏光フィルムを、偏
光作用を担う偏光基材と、反射防止作用を担う反射防止
積層体との2つに分け、偏光基材のみを予め上記のよう
に配向方向が斜めになるように切断しておき、この切断
した偏光基材に反射防止積層体を後で貼着することによ
り、上記目的の達成が可能であるに至った。すなわち、
反射防止積層体を、端材の発生のないように、あるいは
端材が極力少なくなるようにディスプレイに応じて切断
することができ、これを偏光基材に貼着して偏光フィル
ムとするわけである。よって本発明の偏光フィルムは、
偏光基材と、透明基材に少なくとも防眩層、反射防止層
が積層されるとともに、導電層が積層されるか、もしく
は前記防眩層と前記反射防止層のうちの少なくとも一方
に導電剤が分散されており、さらに全体の片面に、粘着
層が積層された反射防止積層体とを備え、前記反射防止
積層体が前記粘着層を介して前記偏光基材に貼着されて
なることを特徴としている。
【0006】また、本発明の偏光フィルムの製造方法
は、上記構成の偏光フィルムを製造するにあたり、偏光
基材を、所望の配向方向、寸法および形状に切断し、一
方、透明基材に少なくとも防眩層、反射防止層を積層す
るとともに、導電層を積層するか、もしくは前記防眩層
と前記反射防止層のうちの少なくとも一方に導電剤を分
散させ、さらに全体の片面に、粘着層を積層して反射防
止積層体を得た後、この反射防止積層体を、前記粘着層
により前記偏光基材に貼着することを特徴としている。
【0007】本発明の偏光フィルムにおける上記構成に
おいて、具体的に好ましい層構成の一形態としては、前
記反射防止積層体が、前記透明基材の前記片面に、少な
くとも前記導電層、前記粘着層が順次積層され、一方、
前記透明基材の他面に、少なくとも前記防眩層、前記反
射防止層が順次積層されていることを特徴としている。
また、好ましい他の形態としては、前記透明基材の前記
片面に耐熱保護層が積層され、この耐熱保護層に前記導
電層がスパッタリングにより積層されていることを特徴
としている。以下、本発明のより好適な実施の形態につ
いて詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】(1)偏光フィルムの構成 図1は、一実施形態に係るLCD用偏光フィルム1の層
構成の概念を示す断面図である。この偏光フィルム1
は、背面側(図1で下側)の偏光基材Aの表面側(図1
で上側)に、反射防止積層体Bが、この反射防止積層体
Bを構成する粘着層25により貼着された構成となって
いる。図1では、きわめて薄い粘着層25の図示を省略
している。偏光基材Aは、図2に示すように、保護層1
0の表面に偏光材11が積層されて構成されている。一
方、反射防止積層体Bは、図2に示すように、透明基材
20の表面に防眩層21、反射防止層22が順次積層さ
れ、さらに透明基材20の背面に、耐熱保護層23、導
電層24、粘着層25が順次積層されて構成されてい
る。この場合、導電層24はスパッタリングにより形成
され、その際に透明基材20が熱によるダメージを受け
ないために耐熱保護層23が積層されている。以下、こ
の偏光フィルム1に使用する材料を順を追って説明す
る。
【0009】(2)偏光フィルムの材料 A−1.偏光基材の偏光材 偏光材11は、透明フィルムを形成できる材料で構成さ
れ、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニレン
等が使用できる。そして、このような材料を延伸させて
フィルム化することにより、偏光材11を得ることがで
きる。例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着
させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポ
リビニルアルコールフィルム(PVAフィルム)を用い
ることが好ましい。偏光材11は10〜80μmの厚み
を有するものが使用される。具体的には、PVAフィル
ムを一軸方向に3〜4倍程度延伸し、高次の沃素イオン
中に延伸したPVAフィルムを含浸させることにより偏
光材11を得ることができる。
【0010】A−2.偏光基材の保護層 上記で得られる偏光材11としてのPVAフィルムは、
強度等が不足しており、裂け易く、かつ湿度変化に対し
て収縮率が大きいという欠点を有していることから、背
面に保護層10が積層され、最終的には、この保護層1
0と前記反射防止積層体Bの透明基材20とによりサン
ドイッチされる。なお、偏光材11の両面に保護層10
が設けられていることが、偏光基材Aの取り扱い性等か
ら好ましい。保護層10と偏光材11とは、ポリエステ
ル系粘着剤、ポリアクリル系粘着剤、ポリウレタン系粘
着剤、ポリ酢酸ビニル系粘着剤等により互いに貼着され
る。さて、保護層10は、透明な高分子化合物のフィル
ム、例えば、TAC(トリアセチルセルロース)等のセ
ルロース系フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカー
ボネートフィルム等が使用され、その中でも特にTAC
が好ましい。この保護層10の厚さは、10〜2000
μmが好ましい。また、ほう酸等のゲル化剤を使用した
り、熱処理やホルマール化を行うことによって耐水性を
向上させることが好ましい。また、偏光材11との密着
性を向上させるために、偏光材11との接着面の表面エ
ネルギーが50dyne/cm以上になるように、けん
化処理やコロナ処理等の表面処理を行うことが好まし
い。
【0011】B−1.反射防止積層体の透明基材 本発明の反射防止材料に使用する透明基材20として
は、公知の透明なフィルム、ガラス等を使用することが
できる。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、
ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカー
ボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロ
ファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィルム及び
石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等を好適に使
用することができる。PDP、LCDに用いる場合は、
PET、TACが好ましい。特に、けん化TACが透明
性に優れていることから好適である。透明基材20は透
明性の高いものほど良好であるが、光線透過率(JIS
C−6714)としては80%以上、より好ましくは9
0%以上がよい。透明基材20の厚さは軽量化の観点か
ら薄い方が望ましいが、その生産性を考慮すると1〜5
μmの範囲のものを使用することが好適である。また、
コロナ処理、プラズマ処理、フッ素処理、スパッタ処理
等の表面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等
の塗布を行うと好適である。このような処理を行うこと
により、透明基材20の表面エネルギーが上昇し、特
に、防眩層21および耐熱保護層23との密着強度を確
実に高めることができる。具体的には、透明基材20の
表面エネルギーは、50dyne/cm以上であること
が望ましい。
【0012】B−2.反射防止積層体の防眩層 次に、防眩層21について説明する。防眩層21を構成
する樹脂としては、放射線、熱のいずれかもしくは組み
合わせにより硬化する樹脂を用いることができる。放射
線硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタアクリロ
イル基、アクリロロイルオキシ基、メタアクリロイルオ
キシ基等重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマ
ー、プレポリマーを適宜混合した組成物が用いられる。
モノマーの例としては、スチレン、アクリル酸メチル、
メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエ
チルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート等を挙げるこ
とができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリ
エステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エ
ポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アル
キットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコン
アクリレート等のアクリレート、不飽和ポリエステル、
エポキシ系化合物等を挙げることができる。これらは単
独、もしくは複数混合して使用してもよい。モノマーは
硬化膜の可撓性が要求される場合は少な目にし、さらに
架橋密度を低くするためには、1官能、2官能のアクリ
レート系モノマーを使用することが好ましく、逆に、硬
化膜に耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性等過酷な耐久性を要
求される場合は、モノマーの量を増やし3官能以上のア
クリレート系モノマーを使用することが好ましい。
【0013】上記のような放射線硬化型樹脂を硬化する
には、例えば紫外線、電子線、X線などの放射線を照射
すればよいが、必要に応じて適宜重合開始剤を添加する
ことができる。なお、紫外線により硬化させる場合は、
光重合開始剤を添加する必要がある。光重合開始剤とし
ては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フ
ェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオ
メチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノ
ン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
イソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾ
フェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニ
ルベンゾフェノン、4−ベンゾイル4’−メチル−ジフ
ェニルサルファイド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチ
ル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)
エチル]ベンゼンメタナミニウムプロミド、(4−ベン
ゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等の
ベンゾフェノン類、2,4ジエチルチオキサントン、1
−クロロ−4−ジクロロチオキサントン等のチオキサン
トン類、2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルベ
ンゾイルオキサイド等を挙げることができる。これらは
単独もしくは複数、混合して使用することができる。ま
た、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチルパラト
ルイジン、4,4’−ジエチルアミノベンゼンフェノン
等アミン系化合物を混合し、使用することもできる。光
重合開始剤の含有量としては、放射線硬化型樹脂に対
し、0.1〜10重量%の範囲がよい。この範囲より多
くても少なくても、効果が悪くなる。
【0014】本発明においては、放射線硬化型樹脂とし
て紫外線により硬化するエポキシ系化合物を用い、か
つ、光重合開始剤として、カチオン重合開始剤を少なく
とも含有していることが以下の理由により特に好まし
い。 酸素阻害が少ない。 硬化収縮が非常に少ない。 透明基材20への密着性に優れている。特に、透明
基材20の中では、偏光フィルムに使用される密着性が
ほとんどないTACフィルムにも良好な密着性を示し、
特に、けん化処理を施したTACとの優れた密着性が達
成され、けん化処理による防眩性の低下も、かかる密着
性により改善されるという効果が達成される。
【0015】前記エポキシ系化合物としては、テトラメ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル等のグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート、ビスフェノール
A−ジエポキシ−アクリル酸付加物等のエポキシエステ
ルや、以下の化学式からなる脂環式エポキシ等のモノマ
ー及びオリゴマーをあげることができる。
【0016】
【化1】
【0017】光カチオン重合開始剤としては、以下の化
学式からなる化合物をあげることができる。なお、これ
ら化合物は各単体で用いてもよく、複数混合で使用して
もよい。
【0018】
【化2】
【0019】光カチオン重合開始剤の配合量は、主剤に
対し、0.1〜5.0重量%の範囲が望ましい。この配
合量は0.1より少なくても、5.0より多くても紫外
線硬化は不十分である。
【0020】本発明においては、上記のように放射線硬
化型樹脂として紫外線で硬化可能なエポキシ系化合物を
用い、重合開始剤として光カチオン重合開始剤を用いる
ことが好ましいが、この場合、粘度、架橋密度、耐熱
性、耐薬品性など塗料及び塗工膜の特性をコントロール
するためには、紫外線で硬化可能なアクリル系化合物を
混合することが好ましい。このようなアクリル系化合物
としては、ラウリルアクリレート、エトキシジエチレン
グリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシアクリレート等の単官能アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパ
ンアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパ
ン安息香酸エステル等の多官能アクリレート等のアクリ
ル酸誘導体、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−
ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルア
クリレート等の単官能メタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート等の
多官能メタクリレート等のメタクリル酸誘導体、グリセ
リンジメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチ
レンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等のモ
ノマー及びオリゴマーをあげることができる。
【0021】前記放射線硬化型樹脂を使用した防眩層2
1の硬化に伴う体積収縮率(下記方法より算出)は、2
0%以下が望ましい。体積収縮率が20%より大きくな
ると、透明基材20がフィルムの場合はカールが著しく
なり、また基材がガラス等リジットな材料系の場合は防
眩層21の密着性が低下する。
【0022】
【数1】体積収縮率:D=(S−S')/S×100 S:硬化前の比重 S':硬化後の比重 (比重はJIS K−7112のB法ピクノメーター法
により測定)
【0023】なお、本発明における防眩層21には、放
射線硬化型樹脂に対し、ハイドロキノン、p−ベンゾキ
ノン、t−ブチルハイドロキノン等の安定化剤(熱重合
禁止剤)を添加してもよい。添加量は、放射線硬化型樹
脂に対し、0.1〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0024】防眩層21に使用することのできる熱硬化
型樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレ
ン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド
樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アル
キド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を
挙げることができる。これらは単独もしくは複数混合し
て使用してもよい。透明基材20がプラスチックフィル
ムである場合は、熱硬化温度を高く設定することができ
ない。特に、PET、TACを使用する場合には、使用
する熱硬化樹脂は、100℃以下で硬化できることが望
ましい。
【0025】防眩層21に用いられる硬化型樹脂の透明
性は高いほどよく、光線透過率(JIS C−671
4)としては、透明基材20同様、80%以上、好まし
くは90%以上が好ましい。反射防止材料の透明性は該
硬化型樹脂の屈折率によって影響を受けるが、屈折率
は、1.45〜1.70の範囲、特に、1.5〜1.6
5の範囲が好ましく、この範囲を越えると反射防止効果
が損なわれる。
【0026】防眩層21にはフィラーを含有させ、防眩
層21表面を粗面化することで、反射防止効果を向上さ
せることができる。フィラーとしてはシリカ、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ク
レー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料、アク
リル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、ビーズ等有機系の透明または
白色顔料等をあげることができる。特に、球状で給油性
を示さない有機フィラーが好ましく、球状のフィラーを
用いることによって、防眩層21の表面から突出する部
分がなだらかになり、油分等の汚れが付着し難くなると
ともに付着した汚れを拭い易くなる。
【0027】このようなフィラーの粒子径D(JIS
B9921)は、0.5μm≦D≦6.0μmの範囲の
ものが60重量%以上、6.0μm<D≦10.0μm
の範囲のものが20重量%未満、10μm<D≦15.
0μmの範囲のものが5重量%以下、15.0μmより
大きいものが1重量%以下であることが望ましい。さら
に、15.0μmより大きい粒子は、できれば含有され
ない(0%)ことが好ましく、特に、0.5μm≦D≦
6.0μmの範囲のものが80重量%以上、6.0μm
<D≦10.0μmの範囲のものが10重量%未満、1
0μm<D≦15.0μmの範囲のものは全く含まない
ことが好ましい。0.5μm≦D≦6.0μmの範囲に
あるフィラーの重量%と、6.0μm<D≦10.0μ
mの範囲にあるフィラーの重量%、さらに、10μm<
D≦15.0μmの範囲にあるフィラーの重量%が、そ
れぞれ60%未満、20%未満、5%未満の場合は、デ
ィスプレイの反射防止効果が悪くなり、6.0μm<D
≦10.0μmの範囲にあるフィラーが20重量%以上
もしくは、10μm<D≦15.0μmの範囲にあるフ
ィラーが5重量%の場合は、ディスプレイの画像にギラ
ツキが発生する。フィラーの配合量については、防眩層
21の全固形分比で0.5〜30%の範囲がよい。特
に、1〜15%の範囲が好ましい。配合量が0.5%以
下では、反射防止効果が不十分となり、30%以上で
は、透明性、画像のコントラストが劣るばかりでなく、
耐摩耗性や耐環境性等の耐久性が悪くなる。また、フィ
ラーの屈折率(JIS K−7142によるB法)は、
硬化型樹脂と同等であることが好ましい。フィラーの屈
折率が硬化型樹脂の屈折率と異なる場合は、フィラーと
樹脂界面で光が拡散し、透明性が損なわれる。硬化型樹
脂と同等の屈折率を有するフィラーの例としては、有機
系のフィラー、特に、架橋アクリルビーズが好適であ
る。
【0028】架橋アクリルビーズとしては、アクリル酸
及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、ア
クリルアミド、アクリルニトリル等のアクリル系モノマ
ーと過硫酸等の重合開始剤、エチレングリコールジメタ
クリレート等の架橋剤を用い、懸濁重合法等により重合
して得られる重合体及び共重合体からなる架橋アクリル
系ビーズが好適に使用できる。特にアクリル系のモノマ
ーとして、メチルメタクリレートを使用した構成が好ま
しい。この様にして得られた架橋アクリルビーズは球状
で吸油性を示さないことから、防眩層21に使用した場
合、優れた耐汚染性を発現できる。また、架橋アクリル
ビーズには、塗料の分散性を向上させるために油脂類、
シランカップリング剤、金属酸化物等の有機・無機材料
による表面改質を行ってもよい。
【0029】本発明において、透明基材20の表面に防
眩層21を設ける方法としては、上記で述べた紫外線硬
化型樹脂中に必要に応じて架橋アクリルビーズ等のフィ
ラーや水或は有機溶剤を混合し、これをペイントシェー
カー、サンドミル、パールミル、ボールミル、アトライ
ター、ロールミル、高速インペラー分散機、ジェットミ
ル、高速衝撃ミル、超音波分散機等によって分散して塗
料またはインキとし、これをエアドクターコーティン
グ、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバ
ースコーティング、トランスファロールコーティング、
グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャ
ストコーティング、スプレーコーティング、スロットオ
リフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着
コーティング、ディップコーティング、ダイコーティン
グ等のコーティングやフレキソ印刷等の凸版印刷、ダイ
レクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版
印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等
の孔版印刷等の印刷手法により透明基材20の表面に単
層もしくは多層に分けて設け、溶媒を含んでいる場合
は、熱乾燥工程を経て、紫外線照射により塗工層もしく
は印刷層を硬化させることによって得る方法等を挙げる
ことができる。なお、照射する紫外線としては、超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キ
セノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発す
る紫外線等が利用できる。
【0030】塗料、インクの塗工適性または印刷適性を
向上させるために、必要に応じてシリコーンオイル等の
レベリング剤、ポリエチレンワックス、カルナバワック
ス、高級アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等の油
脂、イソシアネート等の硬化剤、炭酸カルシウムやシリ
カゾル、合成雲母等0.1μm以下の超微粒子等の添加
剤を適宜使用することができる。
【0031】防眩層21の厚さは、0.5〜10μmの
範囲、好ましくは1〜5μmの範囲がよい。防眩層21
が0.5μmより薄い場合は、防眩層21の耐磨耗性が
悪くなったり、紫外線硬化型樹脂を使用した場合などに
酸素阻害により硬化不良を起こしたりする。10μmよ
り厚い場合は、樹脂の硬化収縮によりカールが発生した
り、防眩層21にマイクロクラックが発生したり、さら
に、透明基材20との密着性が低下したりする。
【0032】B−3.反射防止積層体の反射防止層 反射防止層22は、反射防止効果を高める目的で、その
屈折率が防眩層21の屈折率より低く、かつ屈折率が例
えば1.45以下であることが好ましい。このような特
徴を有する材料としては、例えばLiF(屈折率n=1.
4)、MgF2(n=1.4)、3NaF・AlF3(n=1.4)、ALF
3(n=1.4) Na3AlF6(n=1.33)等の無機材料を微
粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有さ
せた無機系低反射材料、フッ素系、シリコーン系の有機
化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹
脂等の有機低反射材料を挙げることができる。その中
で、特に、フッ素系の含フッ素材料が、汚れ防止の点に
おいて好ましい。
【0033】上記含フッ素材料としては、有機溶剤に溶
解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共
重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素オレフィン共
重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアク
リレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシ
ラン、さらに、TEFRON AF1600(デュポン
社製、n=1.30)、CYTOP(旭硝子社製、n=
1.34)、17FM(三菱レーヨン社製、屈折率n=
1.35)、オプスターJN−7212(日本合成ゴム
社製、n=1.40)、LR201(日産化学工業社
製、n=1.38)等を挙げることができる。これら
は、単独でも複数組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0034】また、2−(パーフルオロデシル)エチル
メタクリレート、2−(パーフロロ−7−メチルオクチ
ル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−7−メ
チルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルメタ
クリレート、3−(パーフロロ−8−メチルデシル)2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含フッ素メタ
クリレート、3−パフロロオクチル−2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチ
ルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシ
ル)エチルアクリレート等の含フッ素アクリレート、3
−パーフルオロデシル1,2−エポキシプロパン、3−
(パーフロロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシ
プロパン等のエポキサイド、エポキシアクリレート等の
放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポ
リマー等を挙げることができる。これらは、単独もしく
は複数種類混合して使用することも可能である。
【0035】さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を
水もしくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形
成剤を混合した低反射材料を使用することもできる。こ
の5〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤
に分散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属
イオンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸
アルカリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ
酸を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシ
ランを有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮
合することにより得られる公知のシリカゾル、さらには
上記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤
に置換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル
(オルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカ
ゾルは水系及び有機溶剤系のどちらでも使用することが
できる。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水
を有機溶剤に置換する必要はない。前記シリカゾルはS
iO2として0.5〜50重量%濃度の固形分を含有す
る。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は、球状、針
状、板状等様々なものが使用可能である。
【0036】また、反射防止層22の被膜形成剤として
は、アルコキシシラン、金属アルコキシドや金属塩の加
水分解物や、ポリシロキサンをフッ素変性したものなど
を用いることができる。上記のような被膜形成剤を用い
ることにより、反射防止層22の臨界表面張力が低下し
て油分の付着を抑制することができるので好ましい。反
射防止層22は、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈
し、スピンコーター、ロールコーター、印刷等の方法で
防眩層21上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場
合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させ
ることによって得ることができる。放射線硬化型の含フ
ッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマーは耐汚染性に
は優れているが、濡れ性が悪いため、組成によっては防
眩層21上で反射防止層22をはじくという問題や、反
射防止層22が防眩層21から剥がれるという問題が生
じるおそれがあるため、防眩層21に使用する前述の放
射線硬化型樹脂として説明した、アクリロイル基、メタ
アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタアクリロ
イルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモノマー、オ
リゴマー、プレポリマーを適宜混合し、使用することが
望ましい。なお、透明基材20であるTACは熱による
ダメージを受けやすいことから、反射防止層22の材料
としては、放射線硬化型樹脂を選択することが好まし
い。
【0037】また、反射防止層22においては、塗料、
インクの塗工適性または印刷適性を向上させるために、
必要に応じて防眩層21と同様に、シリコーンオイル等
のレベリング剤、ポリエチレンワックス、カルナバワッ
クス、高級アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等の
油脂、イソシアネート等の硬化剤、炭酸カルシウムやシ
リカゾル、合成雲母等0.05μm以下の超微粒子等の
添加剤を適宜使用することができる。
【0038】反射防止層22が、良好な反射防止機能を
発揮するための厚さについては、公知の計算式で算出す
ることができる。公知の文献(サイエンスライブラリ、
物理学9「光学」70〜72頁)によれば、入射光が反
射防止層22に垂直に入射する場合に反射防止層22が
光を反射せず、かつ100%透過するための条件は次の
関係式を満たせばよいとされている。なお、式中N0
反射防止層22の屈折率、NSは防眩層21の屈折率、
hは反射防止層22の厚さ、λ0は光の波長を示す。
【0039】
【数2】N0=NS 1/2 …式(1) N0h=λ0/4 …式(2)
【0040】上記(1)式によれば、光の反射を100
%防止するためには、反射防止層22の屈折率が下層
(防眩層21)の屈折率の平方根になるような材料を選
択すればよいことが分かる。ただし、実際は、この数式
を完全に満たす材料は見い出し難く、限りなく近い材料
を選択することになる。上記(2)式では(1)式で選
択した反射防止層22の屈折率と、光の波長から反射防
止層22の反射防止膜としての最適な厚さが計算され
る。たとえば、防眩層21、反射防止層22の屈折率を
それぞれ1.50、1.38、光の波長を550nm(視
感度の基準)とし、これらの値を(2)式に代入する
と、反射防止層22の厚さは0.1μm前後の光学膜
厚、好ましくは0.10±0.01μmの範囲が最適であ
ると計算される。
【0041】B−4.反射防止積層体の耐熱保護層 耐熱保護層23は、導電層24をスパッタリングにより
形成する際の透明基材20への熱ダメージを防止する層
であり、その材料は、前記防眩層21と同様のものを用
いることができるが、中でも紫外線硬化型樹脂を好適に
使用することができる。B−5.反射防止積層体の導電層 導電層24は、ディスプレイ表面に静電的に付着するホ
コリ等の汚れを防止したり、電磁波の放出を防止したり
するために設けられる。この導電層24は、アルミ、錫
等の金属、ITO等の金属酸化物を、スパッタリングで
極めて薄く形成して積層される。また、上記の如き導電
剤を樹脂に分散した塗工層として積層してもよい。な
お、導電層24の光透過率は、80%以上が好ましい。B−6.反射防止積層体の粘着層 粘着層25は、ポリエステル系粘着剤、ポリアクリル系
粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、ポリ酢酸ビニル系粘着
剤等の透明性粘着剤を用いて、導電層24上に塗布する
ことにより積層される。
【0042】さて、上記透明基材20の表面に上記防眩
層21、上記反射防止層22が順次積層され、上記反射
防止層22の背面に上記耐熱保護層23、上記導電層2
4、上記粘着層25が順次積層されてなる本実施形態の
反射防止積層体Bは、JISK7105によるHAZE
値が、3〜30の範囲、特に好ましくは5〜15の範囲
であることが好ましい。HAZE値が3未満では、光拡
散の効果が少なくそれほど大きな反射防止効果を得るこ
とができない。一方、HAZE値が30を超えると、画
像コントラストが悪く視認性不良となり、ディスプレイ
としての機能低下を招くことから好ましくない。なお、
HAZE値とは曇価を意味するものであり、積分球式光
線透過率測定装置を用いて、拡散透過率(Hd%)と全光
線透過率(Ht%)とを測定し、下記式にて算出する。
【0043】
【数3】HAZE値=Hd/Ht×100
【0044】(3)偏光フィルムの製造方法 次に、上記偏光フィルム1の製造方法を説明する。図3
に示すように、複数の上記偏光基材Aをとることのでき
る大判な偏光基材の素材A1 を予め製造し、この偏光基
材の素材A1 を、長方形状のディスプレイに見合った所
望の寸法、形状に、その横方向(幅方向)方向が図3の
矢印Xで示す配向方向に対して所定角度になるよう斜め
に切断して、複数の偏光基材Aを得る。一方、図4に示
すように、複数の上記反射防止積層体Bをとることので
きる大判な反射防止積層体の素材B1 を製造し、この反
射防止積層体の素材B1 を、切断した偏光基材Aに見合
った所望の寸法、形状に、その横方向が素材B1 の長手
方向(図4で上下方向)に直交するように切断して、複
数の反射防止積層体Bを得る。そして、切断した反射防
止積層体Bを、粘着層25を介して偏光基材Aの偏光材
11上(保護層10が両面に積層されている場合は一方
の保護層10上)に貼着し、図1に示す偏光フィルム1
を得る。この後、この偏光フィルム1を、例えば図5で
示した偏光フィルム33の代わりに液晶セル32に接着
させることにより、LCDが構成される。
【0045】本実施形態の偏光フィルム1によれば、偏
光基材Aと反射防止積層体Bとを別々に製造しておき、
切断した偏光基材Aに反射防止積層体Bを貼着するか
ら、偏光基材Aには端材が生じるものの、反射防止積層
体Bを、端材の発生のないように、あるいは端材が極力
少なくなるようにしてディスプレイに応じて切断するこ
とができる。反射防止積層体Bを構成する各材料(特に
導電層24)は比較的高価であり、したがって、偏光フ
ィルムを製造する上で、歩留まりが良化するとともに大
幅なコストダウンを図ることが可能となる。また、本実
施形態の場合、導電性金属等からなる導電層24が層全
体の中央部分に反射防止層22から隔離して配されてい
るので、この導電層24の反射が抑制され、全体として
の反射防止効果の向上を図ることができる。
【0046】なお、本発明における反射防止積層体の層
構成は上記一実施形態に限定されるものではなく、透明
基材20に少なくとも防眩層21、反射防止層22およ
び導電層24が積層され、その片面に粘着層25が積層
された構成を基本としている。したがって、例えば、透
明基材20の背面に、少なくとも導電層24、粘着層2
5が順次積層され、一方、透明基材20の表面に、少な
くとも前記防眩層21、前記反射防止層22が順次積層
されていてもよく、この場合も前記の如き優れた反射防
止効果を得ることができる。なお、この場合、導電層2
4はスパッタリング以外の薄膜形成方法、例えば、アル
ミ、錫等の金属微粒子やウィスカー、酸化錫等の金属酸
化物にアンチモン等をドープした微粒子やウィスカー、
7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンと金属イオ
ンや有機カチオンなどの電子供与体(ドナー)との間で
できた電荷移動錯体をフィラー化したもの等を、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等に分散し、
ソルベントコーティング等により設ける方法、ポリピロ
ール、ポリアニリン等にカンファースルホン酸等をドー
プしたものをソルベントコーティング等により設ける方
法等により、積層することができる。また、この導電層
24は防眩層21と透明基材20との間や、防眩層21
と反射防止層22との間に積層してもよく、さらには、
上記導電層24の材料(導電剤)を防眩層21や反射防
止層22中に分散させてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
偏光フィルムを、偏光基材と、透明基材に少なくとも防
眩層、反射防止層および導電層が積層され、その片面に
粘着層が積層された反射防止積層体とに分け、反射防止
積層体を偏光基材に貼着する構成としたので、反射防止
積層体の端材の発生を極力抑えることができ、その結
果、優れた防眩性、反射防止性、電磁波シールド性およ
び帯電防止性を有するとともに、反射防止積層体の歩留
まりの良化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る偏光フィルムの層
構成の概念を示す断面図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る偏光フィルムを分
割した状態の概念を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施形態に係る偏光フィルムを製
造するにあたり、偏光基材の素材を切断して偏光フィル
ムを得る過程を説明するための図である。
【図4】 本発明の一実施形態に係る偏光フィルムを製
造するにあたり、反射防止積層体の素材を切断して反射
防止積層体を得る過程を説明するための図である。
【図5】 LCDの一般的な構成の概念を示す断面図で
ある。
【図6】 従来の偏光フィルムの製造過程を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1…偏光フィルム、20…透明基材、21…防眩層、2
2…反射防止層、23…耐熱保護層、24…導電層、2
5…粘着層、A…偏光基材、B…反射防止積層体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 康弘 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所情報メディア事業部内 (72)発明者 作本 征則 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所情報メディア事業部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光基材と、 透明基材に少なくとも防眩層、反射防止層が積層される
    とともに、導電層が積層されるか、もしくは前記防眩層
    と前記反射防止層のうちの少なくとも一方に導電剤が分
    散されており、さらに全体の片面に、粘着層が積層され
    た反射防止積層体とを備え、 前記反射防止積層体が前記粘着層を介して前記偏光基材
    に貼着されてなることを特徴とする偏光フィルム。
  2. 【請求項2】 前記反射防止積層体は、前記透明基材の
    前記片面に、少なくとも前記導電層、前記粘着層が順次
    積層され、一方、前記透明基材の他面に、少なくとも前
    記防眩層、前記反射防止層が順次積層されてなることを
    特徴とする請求項1に記載の偏光フィルム。
  3. 【請求項3】 前記透明基材の前記片面に耐熱保護層が
    積層され、この耐熱保護層に前記導電層がスパッタリン
    グにより積層されていることを特徴とする請求項2に記
    載の偏光フィルム。
  4. 【請求項4】 偏光基材を、所望の配向方向、寸法およ
    び形状に切断し、 一方、透明基材に少なくとも防眩層、反射防止層を積層
    するとともに、導電層を積層するか、もしくは前記防眩
    層と前記反射防止層のうちの少なくとも一方に導電剤を
    分散させ、さらに全体の片面に、粘着層を積層して反射
    防止積層体を得た後、 この反射防止積層体を、前記粘着層により前記偏光基材
    に貼着することを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記反射防止積層体を得るにあたり、前
    記透明基材の前記片面に、少なくとも前記導電層、前記
    粘着層を順次積層し、一方、前記透明基材の他面に、少
    なくとも前記防眩層、前記反射防止層を順次積層するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の偏光フィルムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記反射防止積層体を得るにあたり、前
    記透明基材の前記片面に耐熱保護層を積層し、この耐熱
    保護層に前記導電層をスパッタリングにより積層するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の偏光フィルムの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001083302A (ja) * 1999-09-17 2001-03-30 Kimoto & Co Ltd 透明ハードコートフィルム
CN102540562A (zh) * 2012-01-06 2012-07-04 中国电子科技集团公司第五十五研究所 液晶显示屏高透过低反射电磁屏蔽结构及制作方法

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