JPH111837A - インターレース抱合嵩高糸 - Google Patents

インターレース抱合嵩高糸

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JPH111837A
JPH111837A JP15380197A JP15380197A JPH111837A JP H111837 A JPH111837 A JP H111837A JP 15380197 A JP15380197 A JP 15380197A JP 15380197 A JP15380197 A JP 15380197A JP H111837 A JPH111837 A JP H111837A
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JP
Japan
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interlaced
bulky yarn
mixed
nozzle
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JP15380197A
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English (en)
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Tsutomu Nakamura
勤 中村
Kimito Kono
喜美人 光野
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に、多色パイルのタイルカーペット外観を
粒杢調外観とし、かつ、その施工継ぎ目に自然な目地の
繋り観を付与して審美性を高め得るインターレース抱合
嵩高糸を創出し、併せてその製造方法を提供する。 【解決手段】 マルチフィラメント嵩高糸であって、混
繊・交絡部[A]、混繊・非交絡部[B]および非混繊
・非交絡部[C]からなるインターレース抱合糸を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な集合体構造を
有するインターレース抱合嵩高糸に関し、更に詳しく
は、特にタイルカーペット施工継ぎ目の目地の審美性を
改良し得る新規な集合体構造を有するインターレース抱
合嵩高糸に関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維マルチフィラメント嵩高糸のイ
ンターレース抱合糸は、タフテッドカーペットのパイル
糸として汎用されている。また、そのマルチフィラメン
ト嵩高糸に2種以上の糸条を用いて多色とした霜降調の
ミックス外観糸も多用されている。
【0003】一方、カーペットの使用形態は、施工の便
利さの面で、広幅長尺のカーペットからタイルカーペッ
トへと移行してきて、特に、オフィスビルの室内床用、
廊下用に多く用いられている。
【0004】ところが、タイルカーペットの場合、カー
ペットの製造工程で裁断されたものを、施行現場で元の
つながりに戻して敷詰めるのではなく、元々かけ離れた
部位にあったもの同士をつないでいくので、そのつなが
り部の目地の不自然さが目立つようになり、特に、多色
パイルカーペットでは大きな問題となっている。
【0005】従来、この問題の解決の為に、多色の構成
や撚糸による撚構造の追加、タフティング組織等で工夫
が加えられてきたが、未だ消費者の満足は得られていな
い。
【0006】また、インターレース抱合の糸形態につい
ても、撚糸の上撚と下撚りによるミックス外観の多様化
と同様な考え方で、インターレース抱合糸とインターレ
ース抱合してない糸とのインターレース抱合、或はイン
ターレース抱合した糸同士のインターレース抱合も行な
われてきたが、ミックス感を多様化する程度にとどまっ
ていた。
【0007】即ち、この問題の根本的な原因であるイン
ターレース抱合糸の集合体構造にまで遡及して、タイル
カーペットのつながり部の目地の審美性を改良しようと
する試みはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、特
に、多色パイルのタイルカーペット外観を粒杢調外観と
し、かつ、その施工継ぎ目に自然な目地の繋り観を付与
して審美性を高め得るインターレース抱合嵩高糸を創出
し、併せてその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、嵩高マルチフ
ィラメント糸の異色糸をインターレースミックスした抱
合糸において、従来のインターレース抱合糸の構造であ
る混繊・交絡部と混繊・非交絡部とに加えて、新たに非
混繊・非交絡部を混在させるとき、カーペットのパイル
において、それぞれの要素構造が外観効果に及ぼす作用
・効果が従来のそれとは全く異質なものに変化すること
を究明し、これにより、本発明の課題を解決できること
を見出し、本発明に到達した。
【0010】本発明の課題を解決するための手段は、以
下の通りである。 (1) マルチフィラメント嵩高糸であって、その長さ
方向に沿って、下記(a)、(b)および(c)のマル
チフィラメント集合体構造を含むことを特徴とするイン
ターレース抱合嵩高糸。 (a)構成フィラメント同士が混繊され、かつ、交絡集
束されている混繊・交絡部[A]、(b)構成フィラメ
ント同士が混繊されているが、交絡集束されていない混
繊・非交絡部[B]、(c)構成フィラメント同士が混
繊されず、かつ、交絡集束もされていない非混繊・非交
絡部[C]、(2) 2本以上の糸条を合糸してインタ
ーレース抱合するに際し、間歇的に圧空を噴射する回転
式インターレースノズルを用いて、該間歇的に噴射する
ノズルの口径D(mm)を直径3〜6mmの範囲とし、
かつ、該回転ノズルの周速度N(m/分)と糸条の走行
速度Y(m/分)との関係を0.5≦N/Y≦2.0の
範囲に保持して、インターレース抱合を行うことを特徴
とするインターレース抱合嵩高糸の製造方法、(3)
上記(1)項に記載のインターレース抱合嵩高糸を基布
に、ループパイル状にタフティングしてなることを特徴
とするタフテットカーペット、および(4) 上記
(3)項記載のタフテッドカーペットを、縦方向および
緯方向に長さ40〜150cmの範囲の大きさに裁断し
て形成されていることを特徴とするタイルカーペット。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインターレース
抱合嵩高糸を構成するフィラメント集合体構造の3つの
要素構造を模式的に図示したものである。
【0012】該図において、[A]は、構成フィラメン
ト同士が混繊され、かつ、交絡集束されている混繊・交
絡部であり、[B]は、構成フィラメント同士が混繊さ
れているが、交絡集束されていない混繊・非交絡部であ
り、[C]は、構成フィラメント同士が混繊されず、か
つ、交絡集束もされていない非混繊・非交絡部である。
【0013】まず初めに、要素構造[A]、[B]、
[C]それぞれの特徴を主に嵩高性と色のミックス状態
の観点から説明し、その後に、それら要素構造が有機的
に繋がったインターレース抱合嵩高糸がタフティングさ
れカーペットパイル集団を形成したときに奏される効果
について説明する。
【0014】嵩高マルチフィラメント糸が、2種の異色
性のマルチフィラメント群から構成されている場合を例
として説明する。嵩高性の観点から3者を比較すると、
最も嵩高性が高いのは[C]であり、[B]は混繊して
るためやや嵩高性が低く目であり、[A]は交絡により
強く集束している為嵩高性は低い。
【0015】一方、色のミックス状態の観点から3者を
比較すると、[C]では、2種の異色性のマルチフィラ
メント群が非混繊の為、引揃え状態にあり、粒杢感があ
って2種の異色の色差が明瞭に視える。これに対して、
[B]では混繊状態にあって2種の異色性のマルチフィ
ラメント群がミックスされている為、霜降調ないしは2
種の中間色に視え、その上に糸条が捲縮で嵩張って膨ら
んでいるため、色調が霞がかかったぼやけた状態に視え
る。そして[A]は[B]と同様に混繊されてはいる
が、強く集束されている点で違っていて、色調が霞がか
かってぼやけて見えるということはなく2種の色差が明
瞭に見え、従って、混繊が単繊維オーダーで完全に起こ
っている部分では霜降り調に見えるが、混繊が数本オー
ダーで起こっている部分では、細かな粒杢感に視え、殆
んどは後者の状態になっている。
【0016】図2は、前記要素構造[A]、[B]、
[C]の繋りからなる本発明のインターレース抱合嵩高
糸の好ましい繋りを示した模式図である。該図におい
て、要素構造は[C]、[A]、[B]、[A]の順で
繋り、その繋りを一単位uとして、繰返し繋がって糸条
を構成することを示している。
【0017】この糸条をパイル布帛にタフティングしカ
ーペットとして、そのカーペット表面のパイル集団を見
ると、嵩高性は[C]と[B]とにより得られ、色のミ
ックス調子は[C]と[A]とにより粒杢感があって尚
且つ2種の異色の色差が明瞭に見える外観が表現され、
その中へ霜降調のぼやけた色調の[B]が散在してい
る。しかし[B]は繰返しの間隔が離れている上に量的
にも少いので目立った存在ではない。[C]と[A]だ
けでは、粒杢感の色差が明瞭すぎて人工的なきつさがあ
るのを、[B]がその中に散在して和らげる作用をして
いる。
【0018】カーペット表面のパイル集団が、このよう
な嵩高と色調のパイル集団となっているため、タイルカ
ーペットとして裁断し、任意のタイル同士を施工して敷
詰めても、その継目の目地は自然なつながり感をもって
視える。
【0019】ここで、比較の為に、従来のインターレー
ス抱合嵩高糸の場合について説明する。図3は従来のイ
ンターレース抱合嵩高糸の場合の要素構造の繋りを示し
た模式図である。図3において、[B′]は混繊・非交
絡部であって、本発明の糸条でいう[B]と本質的に同
じものである。また、[A′]は混繊・交絡部であっ
て、本発明の糸条でいう[A]と本質的に同じものであ
る。そして、この従来の糸条の場合には[B′]と
[A′]との繋りを一単位Tとして、繰返し繋って糸条
を構成している。そして通常は[B′]の長さの方が
[A′]の長さよりも長い。
【0020】それをタフティングしてカーペットとし、
表面のパイル集団を視ると、全体としては嵩高で霜降調
のぼやけた色調の[B′]が主となってパイル布帛を形
成しており、その中に集束した細かな粒感の明瞭な色調
のパイルが存在する。
【0021】ここで、従来から問題とされているのが、
[A′]のパイルが隣り合って縦横方向に集団を作った
塊状の部分が発生することである。この塊状部分は色調
が明瞭な為、非常に目立ち易く、かつ、交絡により糸条
が細く締まっているため虫喰い状に見え審美性を低下さ
せている。
【0022】その上に、もっと問題なのは、タイルカー
ペットとして施工した場合、その継ぎ目で霜降調の裁断
面と虫喰状塊の裁断面とが合わされる部分ができること
で、継ぎ目が非常に不自然なものとなり審美性の低いも
のとなってしまう。
【0023】本発明のインターレース抱合嵩高糸と従来
のそれとについて説明したが、今ここで、両者対比し
て、糸構造の違いと、その違いがパイル布帛表面の視感
に及ぼす作用・効果について整理して説明する。
【0024】まず、糸構造の基本的な違いは、図3と図
1または図2とを対比して解るように、従来糸条の要素
構造[A′]=A、[B′]=[B]に対して、本発明
の糸条はそれに新しい要素構造[C]が加わった構造を
している。これは表層的には、唯単に従来の糸条に
[C]が加わっただけのように見える。
【0025】しかしながら、これがカーペットのパイル
を形成したとき、新しい構造要素[C]が加わったこと
により、従来の要素構造[A]、[B]の視感効果に
[C]の効果が加算されるのではなく、意外にも
[A]、[B]の作用・効果が全く異質もなものに一変
する。
【0026】即ち、従来の糸条では、パイル布帛表面の
視感表現の主役は[B′]であり、[A′]は工程取扱
性付与の有利な点はあるものの視感的には欠点にもなっ
ていた。
【0027】これに対して、本発明の糸条では、パイル
表面の視感表現の主役は[C]と[A]でありこの場合
[A]はもはや視感表現の欠点ではなく主役の一部とな
っている。[A]をルーペで拡大してよく観察すると集
束しているために従来の糸条の場合と同様に虫喰い欠点
はあっても、カーペットとして肉眼で見た場合、それ以
上に色のミックス状態が[C]の擬似態として[C]に
同質化し主役の一部となっている。
【0028】このように主役が[B′]から[C]+
[A]に変わったことから、従来の霜降調に対し、本発
明では粒杢調の高級感のある視感表面となり、その際、
明瞭な粒杢感すなわち人工的な外観は[B]による散在
する霜降パイルにより和らげられ、一層審美性に優れた
パイル布帛となる。同時にタイルカーペットの継ぎ目の
不自然さも解消され、施工後のカーペット外観の審美性
も格段に向上する。
【0029】次に、本発明のインターレース抱合嵩高糸
の好ましい態様について、更に詳しく説明する。要素構
造[A]、[B]および[C]の長さの関係は、嵩高性
を高く保持するために、[A]の長さは[B]や[C]
の長さよりも短い方が好ましい。そして、カーペットの
カラーミックス外観を霜降調でなく、粒杢調とする為
に、[A]、[B]、[C]の長さの比率の関係を(2
・[A]+[C])/[B]を1.5〜3.7の範囲と
して、粒杢因子の[C]と[A]を多くし、その人工的
できつい外観になりがちである状態を[B]を散在させ
ることによって和らげることが好ましい。その際[C]
と[B]の長さの比率は[C]/[B]を0.5〜2.
0とするのがよい。
【0030】そして、上記の様な関係を[A]、[B]
および[C]に持たせるには、その繋りを[C]、
[A]、[B]、[A]の繋りを繰返し単位とする構造
とするのが最も好ましく、勿論一部にそれとは違った配
列を含んでいても差支えない。
【0031】具体的な長さとしては、例えば2500デ
ニールのインターレース抱合嵩高糸の場合、[A]は9
〜14mmの範囲、[B]は18〜24mmの範囲、
[C]は17〜33mmの範囲で、繰返しの一単位
[C]、[A]、[B]、[A]は63〜79mmの範
囲が好ましく、このm当りの繰返し単位の数は12.7
〜15.9回/mの範囲が好ましい範囲である。
【0032】本発明の糸条の繊度はパイルカーペット用
途としては、1800〜3000デニールの範囲、単繊
維デニールは8〜25デニールの範囲が好ましい。
【0033】また、色差のない無地のカーペットでも形
態的な面で同様の効果は得られるが、審美性に優れたカ
ーペットを製造するためには色のミックスした糸条を用
いるのが好ましい。
【0034】色をミックスした糸条は、顔料による原着
糸、染色された糸、染色により互いに異染又は濃淡に染
まる糸等を組合せてインターレース抱合することによっ
て製造される。また互いに光沢の異なる糸条を用いても
類似の効果が得られる。
【0035】インターレースの交絡部[A]の数は30
〜50個/mの範囲が好ましく、特に24〜35個/m
が好ましい。
【0036】糸条を構成する合成繊維マルチフィラメン
ト糸としては、同種又は異種のポリマーの組合せでもよ
く、例えばポリエステル、ナイロン6、ナイロン66が
適している。
【0037】尚、フィラメント断面は、丸断面の他三角
断面で異形度が2.5〜4.5の範囲のものであっても
よく、異型中空断面で異形度が1.0〜2.5の範囲の
ものであってもよい。
【0038】嵩高糸の捲縮形態は、エアースタッファ
ー、機械押込、エアー吹付衝突、タスラン解舒等の捲縮
賦形等公知の所謂BCF賦形による3次元ランダムクリ
ンプが適している。
【0039】次に、本発明のインターレース抱合嵩高糸
の製造方法について説明する。図4は、本発明の糸条の
製造方法を説明する為の工程模式図である。また図5は
エアーノズルの作用を説明するためのノズル断面図であ
る。
【0040】本発明のインターレース抱合嵩高糸の製造
方法は、衣料用の細繊度の抱合嵩高糸からカーペット等
インテリア用太繊度の抱合嵩高糸まで広く適用可能であ
るが、特にカーペット用抱合嵩高糸の製造に適してい
る。また、用いる糸条もフィラメントの捲縮糸・非捲縮
糸や紡績糸など広く用いることができる。
【0041】特に、カーペット用抱合嵩高糸を製造する
場合には、マルチフィラメント嵩高糸が適しており、こ
の場合について以下に更に詳しく説明する。カーペット
用嵩高抱合糸に用いる糸条は、図4の糸条1、2でいえ
ば、それぞれ嵩高糸を用い、エアースタッファー加工、
機械押込加工、タスランループの解舒加工、仮撚加工、
偏芯型或はサイドバイサイド型コンジュゲート糸の捲縮
発現等による捲縮嵩高糸が用いられるが、その中でも特
にエアースタッファ加工した捲縮嵩高糸が適している。
【0042】カーペットに異色ミックス外観を付与する
ためには、異染性のポリマーからなる糸条の組合せまた
は同種ポリマーでも顔料で異色に着色した糸条の組合せ
を用いるとよい。例えば、ナイロン、ポリエステル或は
ポリプロピレンからなる糸条の組合せや、ナイロン10
0%の場合には、酸性染料に染まるNH2 末端基の多い
ナイロン糸条と塩基性染料に染まるSO3 末端基の多い
ナイロン糸条との組合せ等である。
【0043】また、用いる糸条の繊度はカーペット用の
場合、図4の糸条1、2で言えば、それぞれ800〜1
500デニールの範囲、単繊維繊度は8〜25デニール
の範囲が好ましい。また供給する糸条は2本でなく3本
であってもよい。
【0044】図4において、糸条1、2は、それぞれ供
給ローラ3、4により供給され、ヤーンガイド5で合糸
して、インターレースノズル6へ供給され、間歇抱合処
理されて、引取ローラ7によって引取られ巻取ローラ8
でインターレース抱合嵩高糸として巻取られる。
【0045】ガイド5で糸条1、2を合糸する際、等糸
長の引揃えが、カーペットのタフティング性と目面の点
で好ましいが、インターレース抱合糸の嵩高性を向上さ
せる目的で5%までの範囲でフィード差を持たせてもよ
く、供給ローラ3、4の速度関係で設定される。
【0046】また、インターレースノズルへのオーバー
フィード率即ち供給ローラ3、4と引取ローラ8との間
のオーバーフィード率は2〜10%として、インターレ
ース抱合し易くするとよい。
【0047】インターレースノズル6は図5に示すよう
な間歇的に圧空を噴射する回転式インターレースノズル
である。ノズル6において、回転体9に設けられた圧空
噴射孔10(該図では6個)が回転移動して、圧空配管
11より出た枝管12(固定)の位置に来て連通したと
き圧空が噴射され、次の圧空噴射孔10が回転して来る
までは圧空は噴射されず、間歇的に圧空が噴射される。
【0048】ノズル6の圧空噴射孔10より噴射された
圧空は圧空受部13により受けられる。該圧空受部13
には糸条1、2が通過する溝14が設けられている。
【0049】インターレース抱合の条件では、まず、間
歇的に圧空を噴射するノズルの口径D(mm)を直径3
〜6mmの範囲とすることが必要である。直径が3mm
未満の場合、圧空流量が少なく、図2に示した混繊・交
絡部[A]の絡みが弱くまた短くなりすぎて糸条の取扱
性が問題となる。また逆に6mmを越えると流量が多す
ぎて、混繊・交絡部[A]が長くなりすぎ、かつ図2に
示した非混繊・非交絡部[C]が短くなり、糸条の嵩高
性が低くなり、カラーミックスの杢調子も低級なものと
なってしまう。
【0050】そして、ノズルの口径Dを3〜6mmとし
たとき、噴射圧空を糸条に効果的に作用させ、ノズルの
位置噴射で図2に示した糸条構造の一単位u([C]、
[A]、[B]、[A]の繋り]を形成させる為には、
ノズル回転体9の周速度N(m/分)を糸条yの走行速
度Y(m/分)との関係を0.5≦N/Y≦2.0の範
囲に保持して、インターレース抱合を行うことが必要で
ある。N/Yが0.5未満では、圧空噴射時間が長くな
り混繊・交絡部[A]が長く強固になり嵩高性の低下
と、杢調子の低級化をひきおこしてしまう。
【0051】逆にN/Yが2.0を越えると、圧空噴射
時間が短くなり、混繊・交絡部[A]の絡みが弱くなり
取扱い性が低下してしまう。
【0052】最も好ましい条件では、ノズル口径を4.
5mmとし、N/Y=1.0とした場合である。その上
で、抱合嵩高糸の繊度との関係から付加する混繊・交絡
部[A]の数を決め、N/Yとの関係からノズル噴射孔
10の数を決めるとよい。
【0053】例えば、カーペット用の繊度1800〜3
000デニールの範囲の糸条の場合、交絡部[A]の数
は30〜50個/mの範囲が好ましく、ノズル10の1
噴射で2個の交絡部[A]を形成することから、回転体
9の周長が30cmの場合ノズル噴射孔10は4〜8個
の範囲で設けるのが好ましい。
【0054】ノズル噴射孔10の走行糸yに対する圧空
噴射角は垂直に噴射するのが好ましく、角度を設ける場
合でも90°±5°の範囲がよい。また、回転体9の回
転方向は糸の進行方向でも逆方向でもよい。
【0055】加工速度は50〜1000m/minの範
囲で糸条の繊度に合わせて設定すればよいが、カーペッ
ト用の2,500デニール前後の糸条では300〜60
0m/minの範囲が糸構造形成の点で好ましい。
【0056】圧空圧は2〜10kg/cm2 の範囲で、
カーペット用の場合は3〜7kg/cm2 が好ましい。
【0057】本発明のインターレース抱合嵩高糸は、タ
フティング機を用いて、この嵩高糸をフェースヤーンと
して、基布にループパイル状にタフティングし、さらに
裏うち樹脂層を形成してタフテッドカーペットとする。
【0058】次いで、そのカーペットを縦方向および緯
方向に長さ40〜150cmの範囲の大きさに裁断し、
タイルカーペットとする。
【0059】
【実施例】
[実施例1]繊度1300デニール/80フィラメント
のカチオン可染タイプナイロン6のエアースタッファー
加工されたマルチフィラメント嵩高糸と繊度1300デ
ニール/80フィラメントのレギュラー染色タイプナイ
ロン6エアースタッファー加工されたマルチフィラメン
ト嵩高糸とを引揃えて、間歇的に圧空を噴射する回転式
インターレースノズルを用いて、ノズル回転体周長3
0.9cm、ノズル口径4.5mm、ノズル孔数4個、
ノズル回転体周速度600m/min、圧空圧5kg/
cm2 、オーバーフィード率5%、糸条速度600m/
minでインターレース抱合加工した。
【0060】得られたインターレース抱合嵩高糸をゲー
ジ1/10、ステッチ12個/インチ、パイル長3.5
mmのループパイルにタフティングしてループカーペッ
トを得、それを縦横60cm長の正方形に裁断してタイ
ルカーペットとした。
【0061】評価は、糸構造およびタフティング時の糸
の取扱性、カーペットパイルの嵩高性、カラーミックス
外観、タイルカーペット継ぎ目の目地の繋りの自然さに
ついて行った。
【0062】その結果、糸構造は、混繊・交絡部
[A]、混繊・非交絡部[B]および非混繊・非交絡部
[C]のそれぞれの長さは、9mm、24mmおよび3
5mmであって、[C]、[A]、[B]、[A]を一
単位とする繋りの繰返し構造で形成されていた。その繰
返し単位uの長さは77mm、1m長さ当りの繰返し回
数は13回/m、交絡部の数[A]は26個/mであっ
た。
【0063】また、長さ比(2[A]+[C])/
[B]は2.2であり、カーペット外観は粒杢調であ
り、また[C]/[B]は1.5で粒杢に[B]が散在
し、自然な和らぎ感のある粒杢となっていた。また、そ
の結果、タイルカーペットの継ぎ目の目地も一体物のよ
うな感じで撃がっていた。([C]+[B])/2
[A]は3.3であり、カーペットの嵩高性も十分にバ
ルキーな感触があった。
【0064】[実施例2]繊度がそれぞれ830デニー
ル/48フィラメントのレギラー可染タイプ、レギュラ
ー濃染タイプ、カチオン可染タイプの3者のナイロン6
エアースタッファー加工嵩高加工糸を引揃えて、間歇的
に圧空を噴射する回転式インターレースノズルを用いて
インターレース抱合加工した。インターレースノズルは
ノズル回転体周長を30.9cm、ノズル孔数4個と
し、ノズル口径を2〜8mmの範囲で変化させ、またノ
ズル回転体の速度を糸速に対してN/Y=0.3〜2.
3の範囲で変化させた。糸速度は600m/minと
し、圧空圧5kg/cm2 、オーバーフィード率5%と
した。
【0065】得られたインターレース抱合嵩高糸をゲー
ジ1/10、ステッチ12個/インチ、パイル長3.5
mmのループパイルにタフティングしてループカーペッ
トを得、それを60cm長の正方形に裁断しタイルカー
ペットとした。
【0066】評価は、糸構造およびタフティング時の糸
の取扱性、カーペットパイルの嵩高性、カラーミックス
外観、タイルカーペット継ぎ目の目地の繋りの自然さに
ついて行った。
【0067】その結果は表1に示したとおりである。実
験No.1はノズル口径Dが小さい為、混繊交絡部
[A]の長さが短くカーペットのタフト性が悪く、粒杢
感も低級となり、タイル目地の審美性も低い。逆にN
o.8はDが大きい為[A]が長く、[C]が短くなる
為、嵩高性が低く、粒杢感も低級となり、タイル目地の
審美性も低い。ノズル口径は3〜6mmが好ましい。
【0068】実験No.8はN/Yが小さく、圧空噴射
時間が長くなる為[A]が長くなり、嵩高性が低く、粒
杢感も低級なものとなりタイル目地の審美性も低い。
【0069】実験No.13はN/Yが大きく、圧空噴
射時間が短い為[A]が短くなり、タイル性が悪く、そ
の為、粒杢感も低級で、タイル目地の審美性も低い。N
/Yは0.5〜2.0が好ましい。
【0070】
【表1】
【0071】[実施例3]実施例2と同じ嵩高糸の構成
で、間歇的に圧空を噴射する回転式インターレースノズ
ルを用いて、ノズル回転体周長を30.9cm、ノズル
口径4.5mm、圧空圧5kg/cm2 、オーバーフィ
ード率5%に固定し、ノズル孔数を2〜10個の範囲で
変化させ、糸速度400m/minまたは600m/m
inでN/Yを1.0として抱合加工した。
【0072】評価は実施例2と同様に行なった。その結
果を表2、表3に示した。
【0073】カーペットのタフト性と品質の評価による
と、実験No.3、4、6、7が好ましく、実施例3の
糸繊度と条件の下ではノズル孔数は4〜6個が好まし
い。実験No.1と5では交絡が少なくタフト性が悪
く、その為、カーペットの審美性も悪くなっている。実
験No.4と8では、[A]が長く[C]が短いため、
粒杢感不良、タイル目地不良となっている。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、特に、多色パイルのタ
イルカーペットの外観を従来のインターレース抱合嵩高
糸による霜降調外観から杢調外観へと審美性を高め、か
つ、施工継ぎ目に自然な目地の繋り感を付与して審美性
を高め得る新規な糸構造のインターレース抱合嵩高糸を
創出し、併せてその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインターレース抱合嵩高糸を構成する
フィラメント集合体構造の3つの要素構造の模式図。
【図2】本発明のインターレース抱合嵩高糸における要
素構造の好ましい繋りを示した模式図。
【図3】従来のインターレース抱合嵩高糸における要素
構造の繋りを示した模式図。
【図4】本発明の糸条の製造方法を説明する為の工程模
式図。
【図5】エアーノズルの作用を説明するためのノズル断
面図。
【符号の説明】
[A]、[A′]:混繊・交絡部 [B]、[B′]:混繊・非交絡部 [C]:非混繊・非交絡部 u :本発明の抱合嵩高糸構造の繰返し単位 T :従来の抱合嵩高糸構造の繰返し単位 1、2:嵩高糸(供給糸) 3、4:供給ローラ 5 :ヤーンガイド 6 :間歇噴射インターレースノズル 7 :引取ローラ 8 :巻取ローラ 9 :回転体 10 :圧空噴射孔 11 :圧空配管 12 :圧空配管枝管 13 :圧空受部 14 :糸条が通過する溝 y :糸条

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルチフィラメント嵩高糸であって、そ
    の長さ方向に沿って、下記(a)、(b)および(c)
    のマルチフィラメント集合体構造を含むことを特徴とす
    るインターレース抱合嵩高糸。 (a)構成フィラメント同士が混繊され、かつ、交絡集
    束されている混繊・交絡部[A]、(b)構成フィラメ
    ント同士が混繊されているが、交絡集束されていない混
    繊・非交絡部[B]、(c)構成フィラメント同士が混
    繊されず、かつ、交絡集束もされていない非混繊・非交
    絡部[C]。
  2. 【請求項2】 混繊・交絡部[A]、混繊・非交絡部
    [B]および非混繊・非交絡部[C]が、[C][A]
    [B][A]の繋りを繰返し単位として繋った請求項1
    記載のインターレース抱合嵩高糸。
  3. 【請求項3】 マルチフィラメント嵩高糸が、複数種の
    異色性のマルチフィラメント群から構成されている請求
    項1または2記載のインターレース抱合嵩高糸。
  4. 【請求項4】 2本以上の糸条を合糸してインターレー
    ス抱合するに際し、間歇的に圧空を噴射する回転式イン
    ターレースノズルを用いて、該間歇的に噴射するノズル
    の口径D(mm)を直径3〜6mmの範囲とし、かつ、
    該回転ノズルの周速度N(m/分)と糸条の走行速度Y
    (m/分)との関係を0.5≦N/Y≦2.0の範囲に
    保持して、インターレース抱合を行うことを特徴とする
    インターレース抱合嵩高糸の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載のインターレ
    ース抱合嵩高糸を基布にループパイル状にタフティング
    してなることを特徴とするタフテッドカーペット。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のタフテッドカーペット
    を、縦方向および緯方向に長さ40〜150cmの範囲
    の大きさに裁断して形成されていることを特徴とするタ
    イルカーペット。
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