JPH0491243A - フアンシーヤーン及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、糸条の長手方向に嵩高性の部分と非嵩高性の
部分がランダムに存在するファンシーヤーン及びその製
造方法に関し、さらに詳しくは、各部分の長さは任意で
、糸長差を有する複合糸条からなる集束性に優れたファ
ンシーヤーン及びその製造方法に関するものである。

［従来技術］ 従来、マルチフィラメント糸条を用いた編織物製品は伸
縮性、嵩高性、防しわ性、など機能的に優れた特徴を持
ちあわせていることから、衣料品に占める位置を確立し
てきた。しかしながら近年、前記従来のマルチフィラメ
ント糸条による編織物製品はその単調な外観や風合の点
で消費者に敬遠される傾向が強まり、自然の太さ斑や嵩
高斑からくる変化に富んだ表面効果と新鮮な風合が強く
望まれてきた。

フィラメント糸条の長手方向に任意の長さでループや絡
まりあるいはたるみなどを付与させる技術としては、例
えば特開昭５６−１２３４２８号公報、特開昭５６−１
２３４２７号公報が提案され、特に製造方法において滞
留時における負圧吸引の方法がある。

特開昭５６−１２３４２８号公報では、滞留時に負圧吸
引のチューブを糸道に用いていることから、装置が邪魔
になり糸掛けが困難であったり、負圧吸引による糸切れ
が発生しやすくなることから操業性が低下することがあ
り実用的ではないこと、さらに得られたファンシーヤー
ンにおけるストレート部は、集束作用を受けないので特
に複合糸の場合では単糸条の分離を生じ易く、後工程通
過性の低下につながったり、集束性不足により、こなれ
が不充分になり染着差を生じたり、製品の表面が粗雑で
あるなど、コスト高や品質の安定性、品位に欠くもので
あった。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、上記した点に鑑みて、これらの欠点を
改善し、従来のフィラメント糸の優れた機能や特徴を失
わず、しかもフィラメント糸条の糸長手方向に任意の長
さでループや絡まりあるいはたるみなどを付与させた、
自然味豊かな太さに変化のある糸形態を有し、しかも集
束性に優れた複合糸条からなるファンシーヤーン及びそ
の製造方法を提供せんとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記した目的を達成する本発明のファンシーヤーンおよ
びその製造方法は、以下の構成からなる。

すなわち、糸条の長手方向に嵩高性の部分と非嵩高性の
部分が交互に存在するファンシーヤーンであって、上記
嵩高性の部分は多数のループ、絡まり、たるみを有した
部分であり、非嵩高性の部分はストレート部であって左
右のネジレによって集束された部分であり、それぞれの
部分は糸長手方向に任意の長さで存在した、糸長差を有
する複合糸条からなることを特徴とするファンシーヤー
ンである。

また上記のファンシーヤーンの製造方法は、２本以上の
マルチフィラメント糸条を用いて流体噴射処理を施すこ
とにより、ループやタルミを付与する嵩高加工法におい
て、芯糸側に旋回処理を施し、芯／鞘糸部に同−供給内
で間歇流体噴射処理を施すことを特徴とするものである
。

以下、さらに詳しく本発明について説明をする。

まず、複合糸条からなるファンシーヤーンについて説明
する。

嵩高性の部分は流体噴射処理を受けてなる多数のループ
や絡まりあるいはたるみから構成された部分である。該
嵩高性の部分の糸長さは、間歇作用時間と加工速度およ
び過剰供給率、流体噴射圧力などによって決まるが、短
い長さの部分のもので２〜３ｃｍ、長いもので数１０ｃ
ｍの長さになる。また、嵩高性の部分の太さを糸長差に
換算するならば、芯糸部を１とすると鞘糸部は１．０１
〜３．００の範囲にあるのが好ましい。つまり該糸長差
が多くなると嵩高性は高くなり過ぎ外観の品位は低下し
やすくなり、少ないとムラが目立たなくなる。

なお、嵩高性の部分における長さと太さは、規則的ある
いは不規則的ないわゆるランダム性がある。また、長さ
と太さの組合せは最終商品の用途によって適宜選ぶこと
である。

また、本発明においては、嵩高部分と非嵩高部分の糸の
太さや長さのバラツキが自然な美的効果の優れたものと
なる。特に、嵩高部分より非嵩高部分の糸長さが長い組
み合わせか好ましく、平均長さ比率では１：１０以上が
優れている。１：１０以下ではムラがかなり派手に人工
的に見え、これ以上では上品に自然的に見える。

太さについては、非嵩高部分に対し嵩高部分は平均デニ
ールでは５０〜２８０％太い方が好ましく、１００〜２
５０％が自然なムラ感かある。３５０％以上になると紬
調の外観に近くなる。

一方、嵩高性の部分は紡錘形状を有する自然な外観から
なっており、追ネンされたものではさらに効果が大きい
。

次に、非嵩高性の部分はストレート部であって左右のネ
ジレによって２糸条以上のフィラメント糸が集束された
部分である。ストレート部の左右のネジレは、軽い交互
ヨリから成り実質無ヨリである。ヨリ数の範囲は糸の太
さや加工条件によって異なるが、１ｍ当たり５〜５０回
程度である。

この軽いヨリによるネジレが後工程で開繊しゃすいスト
レート部を集束させているのである。

嵩高性の部分と非嵩高性の部分は、それぞれが任意の長
さで糸長子方向に交互に存在しているが、交互の周期は
規則的あるいは不規則的のいずれであってもよい。

非嵩高性の部分の長さにおいて、短いときは嵩高性の部
分が賑やかに表れ、長いときは自然感として比較的目立
ちやすくなる。具体的な長さにつイテハ、１０ｃｍ〜３
００ｍの範囲が適している。

次に、本発明の複合糸条は、マルチフィラメント糸条か
ら構成され、熱可塑性合成繊維や半合成繊維が好ましい
。熱可塑性合成繊維のうち特にポリエステル糸やポリア
ミド糸が適しており、なかでもデニールミックス糸、収
縮差混繊糸、変形断面糸、あるいはそれぞれを組み合わ
せた複合型のマルチフィラメント糸などを用いると風合
、表面効果の点で優れたものとなる。

また、芯糸の収縮率が鞘糸にくらべて大きいとき、糸長
差が大きくなり嵩高部の嵩が大きくなる。

糸長差は、非嵩高部で１〜５０％、好ましくは３〜１５
％程度である。嵩高部では、過剰供給量と収縮率が加わ
るので実質的に１０〜３００％の広範囲になる。該糸長
差は非嵩高部のふくらみにも寄与するので風合がソフト
で感触の良い製品を得ることができる。

また、鞘糸に単繊維フィラメント糸のデニールの細いも
の、例えば１．５〜０．２デニールを用いたり、あるい
は断面形状が三角形、五角形、六角形、Ｙ型などとする
と、風合がさらにソフトでドレープ性に優れたものとな
る。

芯糸と鞘糸の各デニールの組み合わせは、一般には、芯
糸は鞘糸より太いほうが糸のバランスは良いが逆であっ
てもよい。

本発明の糸形態外観図を第１図に示した。イは非嵩高性
のストレート部分を、口は嵩高性の部分をそれぞれ示し
た。

次に、製造方法について説明する。

複合糸条のマルチフィラメントに間歇的に流体噴射処理
を施すことにより、ループやタルミの嵩高性をファンシ
ー的に付与する加工法において、一対の供給ローラが２
組以上と引取りローラとの間に流体処理を施す、糸加工
系によって糸形成される工程である。まず芯糸となる一
定の過剰供給率で走行するマルチフィラメント糸条は、
糸条の走行順に旋回仮ヨリノズルー乱流処理ノズルを設
けた加工域へ供給される。

一方、鞘糸となるマルチフィラメント糸条は芯糸よりさ
らに多くの過剰供給率で乱流処理ノズルへ直接供給され
る。なお、芯糸と同様に旋回仮ヨリノズルを設けてもよ
い。

ここで、乱流処理ノズルを間歇的に作用させた場合につ
いて説明するならば、流体を噴射中はループやたるみの
嵩高部を形成し、流体の噴射停止中は過剰供給率で走行
するマルチフィラメント糸条の過剰供給系量を旋回仮ヨ
リノズルの仮ヨリ作用により吸収し、過剰供給系の弛緩
分を見掛は上無くし、糸加工性を安定させる。この部分
の複合糸は非嵩高部を形成するのである。

鞘糸の供給において、流体を噴射中はループやたるみの
嵩高部を形成するが、流体の噴射停止中は過剰供給率で
走行するマルチフィラメント糸条は一瞬緩んだ状態にな
るので走行性を高めるには、隔て板や筒の中を通過させ
るとよい。

嵩高部の長さや太さは流体の噴射停止時間によって容易
に支配することができる。つまり、停止時間が長くなる
と糸溜めの量が多（なるので嵩高部の長さは長くなり、
太さは太くなる。停止時間が短いどきには、糸溜めの量
が少ないので当然短く細くなる。

一方、旋回仮ヨリノズルを間歇的に作用させた場合につ
いて説明するならば、旋回仮ヨリノズルの流体が噴射中
はループやたるみは形成されにくく非嵩高部を形成し、
流体の噴射停止中は過剰供給率で走行するマルチフィラ
メント糸条の過剰糸量を乱流処理ノズルがループやたる
みを形成するのである。なお、乱流処理ノズルと旋回仮
ヨリノズルを交互に作用させてもよい。

次に、間歇流体処理の条件において説明するならば、一
般に乱流処理の作用時間が長くなると、ループやたるみ
の嵩高部分の糸長は長くなり、過剰供給率を多くしたり
、過剰供給長、つまり供給ローラと流体処理ノズルの間
隔を長くとると、ループやたるみの嵩高部分が太（なり
、糸の嵩高性にムラのあるファンシーヤーンを製造する
ことができる。また、旋回仮ヨリの作用時間が長くなる
と、ループやたるみは形成されに＜＜、交互ヨリとなっ
て、マルチフィラメント糸条のストレート部に集束性を
与えるのである これらの間歇的な作用を不規則的に制御することにより
、自然感のある太さムラや長さムラを有するファンシー
ヤーンを製造することができる。

具体的に図面に基づいて説明する。まず第２図において
、芯糸となるマルチフィラメント糸条１を一対の供給ロ
ーラ２から、鞘糸となるマルチフィラメント糸条３を一
対の供給ローラ４からそれぞれ供給し引取りローラ１０
との間を一定の過剰供給率に設定し、走行するマルチフ
ィラメント１の糸条が走行する順に、旋回仮ヨリノズル
５、水付与装置６、乱流処理ノズル７を設けた加工工程
である。

マルチフィラメント糸条１，３はポリアミド、ポリエス
テル等の合成繊維やアセテート、レーヨン等の半合成繊
維を用いる。なかでも、ポリアミドやポリエステルのマ
ルチフィラメント糸条がムラ形成に適しており、構成フ
ィラメント数の多い方が適している。、例えば、７５デ
ニールのマルチフィラメント糸条では、３６本以上が好
ましい。

また丸型よりＹ型、三角などの異形断面の方が太さムラ
部を形成しやすいので好ましく、さらにデニールミック
ス、収縮差混繊などを組み合わせることにより、高品質
の製品を得ることができる。

特に、芯糸に高収縮糸や太デニールの単繊維フィラメン
ト糸を用いることや、鞘糸に低収縮糸や単繊維フィラメ
ント糸に細デニールを用いることが好ましい用い方であ
る。

まず、乱流処理ノズル７を間歇的に作用する工程の場合
において、旋回仮ヨリノズル５は常時作用させておくが
、強い圧力作用を与えると乱流処理の効果が小さ（なる
ので、乱流処理作用の停止中の糸量吸収は必要最小限の
弱い作用つまり流体圧力を下げることである。例えば、
７５デニールのマルチフィラメント糸条では１ｋｇ／ｃ
ＩＩｒ以下の圧力が適している。

乱流処理ノズル７を間歇に作用するには、電磁弁８によ
る流体の噴射、停止をコンピュタ−制御装置９で行うの
である。嵩高部と非嵩高部の比率は、上記の流体の噴射
、停止を行う制御装置９つまりコンピュータ制御によっ
て容易に変更できるものである。

なお、水付与装置６は、ループやたるみの安定形成に必
要である。

間歇的に作用を与えた後は、チーズ１１巻き上げるので
ある。

次に、旋回仮ヨリノズル５を間歇的に作用させる工程の
場合では、乱流処理ノズル７を常時作用させておくが、
弱い作用を与えておくと、旋回仮ヨリ処理の効果が小さ
くなるので、流体圧力を上げることである。例えば、７
５デニールのマルチフィラメント糸条では３ｋｇ／ｃａ
ｒ以上の圧力である。

なお、乱流処理ノズル７の圧力が高いので、旋回仮ヨリ
の作用を高くする必要があることから、間歇的に作用さ
せる圧力は相対的に高圧力が好ましい。

エネルギーコスト、加工性、ループやたるみの嵩高性か
ら、前者の工程の方が好ましい。

応用例として、噴射ノズルの代わりに交絡型ノズルを用
いてもよい。さらに、チーズ１１に巻き上げる前に再熱
セットを施し風合いを改善したり、追ネンし、より紡錘
型の太さに改善したりすることができる。

［実施例コ 第２図に示す加工工程によって下記の条件で加工を行な
った。

供給糸条　芯糸：ポリエステルフィラメント糸５０デニ
ール２４フイラメント 三角断面糸 鞘糸：ポリエステルフィラメント糸 ６０デニール１４４フイラメント 丸断面糸 過剰供給率　芯糸：　　　　＋５％ 鞘糸：　　　　＋７％ 旋回仮ヨリノズル一定圧力　０．　５ｋｇ／Ｃｉ乱流処
理ノズル圧力　　　　６．　　Ｑｋｇ／ｃａｒ乱流処理
ノズル平均処理時間　　３０ｍ５ｅｃ乱流処理ノズル非
平均処理時間２０　Ｏｎ＋ｓｅｃ引取りローラ速度　　
　　　　３００ｍ／ｍｉｎ上記条件で得られた糸条の嵩
高部分の長さは、平均１５ｃｍ、太さは１５１デニール
、非嵩高部分の長さは平均１０１　ｃｍ、太さは１１８
デニール、非嵩高部分に挿入されている交互ヨリの数は
１ｍ当たり平均２１回であった。当該糸にＳ方向２００
ｔ／ｍの追ネンを施し、織物の横糸に用いたところ、自
然なムラ感のあるシャンタン調の外観でスパンライクな
風合いを有する製品を得た。

［発明の効果］ 以上述べた通りの本発明のファンシーヤーンによれば、
まず非嵩高部分はストレートな生糸に近い部分であるが
、わずかながら左右のネジレあるいは交互ヨリが挿入さ
れているので、集束性は高く複合糸条であっても、分離
することは少ないので、解舒性や製編織性の工程通過性
は良好である。

また、集束性は高いので、編織物の表面や組織の美感が
良い。

嵩高部分と非嵩高部分の糸の太さや長さのバラツキが自
然な美的効果の優れたものとなる。

布帛の風合は、フィラメント糸の生糸を基にするが、糸
長差の存在によりスパンライクな風合になる。鞘糸に用
いるフィラメント糸のデニールか細くなれば柔らかいタ
ッチに、収縮率の異なる単繊維フィラメント糸をもちい
るとぶ（らみ感のある製品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるファンシーヤーンの一例を示す外
観図、第２図は本発明の製造方法における工程図である
。 イ：非嵩高性のストレート部分 ロ：嵩高性の部分 １：マルチフィラメント糸 ２：供給ローラ ３：マルチフィラメント糸 ４：供給ローラ ５：旋回ノズル ６：水付与ローラ ７：流体噴射ノズル ８：電磁弁 ９：制御装置 １０：引取りローラ １１：巻取りローラ Ｕイ 第１０ φ 箪２図

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）糸条の長手方向に嵩高性の部分と非嵩高性の部分
   が交互に存在するフアンシーヤーンであって、上記嵩高
   性の部分は多数のループ、絡まり、たるみを有した部分
   であり、非嵩高性の部分はストレート部であって左右の
   ネジレによって集束された部分であり、それぞれの部分
   は糸長手方向に任意の長さで存在した、糸長差を有する
   複合糸条からなることを特徴とするフアンシーヤーン。
2. （２）２本以上のマルチフィラメント糸条を用いて流体
   噴射処理を施すことにより、ループやタルミを付与する
   嵩高加工法において、芯糸側に旋回処理を施し、芯／鞘
   糸条を同一供給内で間歇流体噴射処理を施すことを特徴
   とするフアンシーヤーンの製造方法。
3. （３）２本以上のマルチフィラメント糸条を用いて流体
   噴射処理を施すことにより、ループやタルミを付与する
   嵩高加工法において、間歇旋回処理を施し、続いて芯／
   鞘糸条に流体噴射処理を同一供給内で施すことを特徴と
   するフアンシーヤーンの製造方法。
4. （４）旋回処理と流体噴射処理を同一供給内で交互に施
   すことを特徴とする請求項（２）記載のフアンシーヤー
   ンの製造方法。