JPH11178517A - 分散安定化組成物 - Google Patents

分散安定化組成物

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JPH11178517A
JPH11178517A JP9356544A JP35654497A JPH11178517A JP H11178517 A JPH11178517 A JP H11178517A JP 9356544 A JP9356544 A JP 9356544A JP 35654497 A JP35654497 A JP 35654497A JP H11178517 A JPH11178517 A JP H11178517A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流通段階等で振動が加わったり加温状態で保存
される場合でも、食品成分を沈殿若しくは凝集させるこ
となく食品の均質性を維持できる分散安定化組成物を提
供する。 【解決手段】ネイティブジェランガム、ペクチン及び大
豆多糖類からなる群から選択される少なくとも一種の高
分子物質と発酵セルロースを含有する食品の分散安定化
組成物、好適には高分子物質と発酵セルロースを10
0:1〜1:10の割合で含有する食品の分散安定化組
成物。当該分散安定化組成物を含有する食品であって、
加温状態下で内容成分が沈殿せず分散性が維持される食
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品を分散安定化
するための組成物に関する。詳細には、本発明は、食品
がホットペンダー等によって加温保存される場合におい
ても内容成分が沈殿することなく、長期にわたって食品
に分散安定性を付与できる分散安定化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】食品用の分散安定剤として、従来から増
粘剤やゲル化剤が広く知られているが、近年、微生物に
由来する発酵セルロースが、少量で分散安定性を示し、
口当たりのよい分散安定剤として注目されている。
【0003】かかる微生物由来のセルロースについて
は、静置培養によって得られたものを機械的に離解させ
て微粒子セルロースを製造する方法(Food Hydrocolloi
d 6 (6) 493-501)、このような機械的離解物を用いた
懸濁安定性を有する水性食品(特開昭62−83854
号公報)、静置培養によって得られた微生物セルロース
を化学的及び物理的処理し、乾燥して0.01〜0.1
μm粒子径の微細な微生物セルロースを製造する方法
(特公平5−27653号公報)等の報告がある。ま
た、特開平9−121787号公報には、微生物セルロ
ースとキサンタンガム等の高分子物質との複合化物が、
食品の粘度に余り影響を与えないで少量で分散安定性を
示すことが記載されている。
【0004】これらの微生物セルロースの分散安定性
は、これらのセルロースが蜘蛛の巣状に高度に入り組ん
だ構造の不溶性の繊維ネットワークを形成し、これらの
網目に水又は不溶性粒子が捕捉されることに起因すると
考えられる。
【0005】このように微生物由来のセルロースにより
優れた分散安定性を付与できるが、しかしながら、かか
る方法によって内容成分が分散安定化された例えばコー
ヒー飲料、カルシウム強化飲料等の飲料は、振動が加わ
ることにより、また50〜60℃の加温状態で放置され
ることにより、分散安定性が低下して上相が透いてくる
現象が生じ、このため、製品の輸送条件に制約が課せら
れるとともにホットベンダーを利用した加温販売に不向
きである等の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑みて開発されたもので、流通段階等で振動が加わっ
たり加温状態で保存される場合でも、食品成分を沈殿若
しくは凝集させることなく食品の均質性を維持できる分
散安定化組成物を提供することを目的とする。
【0007】更に本発明は、かかる分散安定化組成物を
利用することによって、加温保存された場合であっても
内容成分が安定して分散化されてなる食品を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねることによって、微生物由
来のセルロースには繊維と繊維との相互作用によって凝
集しやすい性質があることを見出し、前述するような上
相が透く現象は、振動又は加温等といったショックを与
えることによってセルロースの繊維同士の相互作用が促
進されて、網目構造を形成しているセルロース繊維同士
が凝集して網目が締まってくることに一要因があるもの
と推定した。かかる着眼のもと、上記現象を解消するに
はセルロース繊維同士の凝集反応を阻害することが有用
であると考え、種々検討していたところ、微生物に由来
するセルロースである発酵セルロースと、ネイティブジ
ェランガム、ペクチン又は大豆多糖類といった特定の高
分子物質を併用することによって、セルロース繊維によ
って形成されるネットワーク構造を安定して分散状態に
維持でき、振動等のショックによっても上相が透くこと
なく分散安定性が改善できることを見出した。本発明
は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0009】すなわち本発明は、ネイティブジェランガ
ム、ペクチン及び大豆多糖類からなる群から選択される
少なくとも一種と発酵セルロースを含有する食品の分散
安定化組成物に関する。本発明の分散安定化組成物は、
特に加温状態で保存される食品に対して有用である。
【0010】また本発明は、上記分散安定化組成物を含
有する食品であって、加温状態下で内容成分が沈殿せず
分散性が維持される食品に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の分散安定化組成物は、ネ
イティブジェランガム、ペクチン及び大豆多糖類からな
る群から選択される少なくとも一種の高分子物質と発酵
セルロースを含有することを特徴とする。
【0012】本発明で用いられる発酵セルロースは、セ
ルロース生産菌が生産するセルロースであれば特に限定
されない。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例え
ば特開昭61−212295号公報、特開平3−157
402号公報、特開平9−121787号公報に記載さ
れる方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所
望に応じて適宜精製することによって製造することがで
きる。
【0013】セルロース生産菌としては、アセトバクタ
ー属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属
する細菌が挙げられるが、好適にはアセトバクター属で
ある。発酵セルロースを生産するアセトバクター属の細
菌として、より具体的には、アセトバクター・パスツリ
アヌス株(例えば、ATCC10245等)、アセトバ
クター・エスピーDA株(例えば、FERM P−12
924等)、アセトバクター・キシリナム株(例えば、
ATCC23768、ATCC23769、ATCC1
0821、ATCC1306−21等)を挙げることが
できる。好ましくは、アセトバクター・キシリナム株で
ある。
【0014】かかるセルロース生産菌を培養する培地及
び条件としては、特に制限されず、常法に従うことがで
きる。例えば、培地は、基本的に窒素源、炭素源、水、
酸素及びその他の必要な栄養素を含有しており、上記微
生物が増殖して目的の発酵セルロースを産生することが
できるものであればよく、例えばHestrin-Schramm培地
を挙げることができる。なお、セルロースの生産性を向
上させるために、培地中にセルロースの部分分解物、イ
ノシトール、フイチン酸等を添加することもできる(特
開昭56−46759号公報、特開平5−1718号公
報)。培養条件としては、例えばpH5〜9、培養温度
20〜40℃の範囲が採用され、発酵セルロースが十分
産生されるまで培養が続けられる。培養方法は、静置培
養、撹拌培養、通気培養のいずれでもよいが、好適には
通気撹拌培養である。
【0015】発酵セルロースを大量生産するためには、
多段階接種法(関連文献があれば教示ください。)が好
ましい。この場合、通常、2段階の予備接種プロセス、
一次接種発酵プロセス、二次接種発酵プロセス及び最終
発酵プロセスからなる5段階の発酵プロセスが採用さ
れ、各プロセスで増殖された細菌について細胞の形態お
よびグラム陰性であることを確認しながら、次プロセス
の発酵器に継代される。
【0016】発酵後、産生された発酵セルロースは培地
から分離処理され、洗浄されて、適宜精製される。精製
方法は特に制限されないが、通常、培地から回収した発
酵セルロースを洗浄後、脱水し、再度水でスラリー化し
た後に、アルカリ処理によって微生物を除去し、次いで
該アルカリ処理によって生じた溶解物を除去する方法が
用いられる。具体的には、次の方法が例示される。
【0017】まず微生物の培養によって得られる培養物
を脱水し、固形分約20%のケーキとした後、このケー
キを水で再スラリー化して固形分を1から3%にする。
これに水酸化ナトリウムを加えて、pH13程度にして
撹拌しながら数時間、系を65℃に加熱して、微生物を
溶解する。次いで、硫酸でpHを6〜8に調整し、該ス
ラリーを脱水して再度水でスラリー化し、かかる脱水・
スラリー化を数回繰り返す。
【0018】精製された発酵セルロースは、必要に応じ
て乾燥処理を施すことができる。乾燥処理としては特に
制限されることなく、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、
スプレードライ等の公知の方法を用いることができる。
好ましくはスプレードライ法である。
【0019】かくして得られる発酵セルロースは、白色
から黄褐色の無臭の物質であり、水に急速に分散できる
非常に微細な繊維性粒子からなる。なお、本発明で用い
られる発酵セルロースは、上記方法で調製される発酵セ
ルロースと同一若しくは類似の性質を有し、本発明の目
的を達成しえるものであれば、その調製方法によって限
定されるものではない。
【0020】また、本発明の発酵セルロースは、特開平
9−121787号公報に記載されるように、カルボキ
シメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、キサ
ンタンガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ペ
クチン等の高分子物質の一種もしくは二種以上と複合化
していてもよい。
【0021】本発明の分散安定化組成物は、上記発酵セ
ルロースに加えて、ネイティブジェランガム、ペクチン
又は大豆多糖類の高分子物質を含有するものである。高
分子物質として、好ましくはネイティブジェランガム又
は大豆多糖類であり、より好ましくはネイティブジェラ
ンガムである。なおこれらの高分子物質は、単独若しく
は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0022】ネイティブジェランガムは、グルコース2
分子、グルクロン酸1分子及びラムノース1分子を構成
単位とする多糖類(分子量約60〜70万)であるジェ
ランガム(特開昭55−79397号)の脱アシル処理
前の前駆体として得られる微生物起源の高分子多糖類
(融点及び固化点:65〜70℃)である。
【0023】当該ネイティブジェランガムは、一般に微
生物の培養によって生産される。
【0024】具体的には、シュードモナス・エロデア
(Pseudomonas elodea:ATCC31461)又はその
同等の菌株を、例えばグルコース3%、KH4NO3
0.05%、MgSO4・7H2O 0.01%、NH4
NO3 0.09%及び窒素源として有機成分を少量含
む液体培地に接種し、これを好気的条件下で30℃程
度、約50時間培養して得られる培養物から菌体表面に
生産された粘質物を、脱アシル処理することなくそのま
ま単離・回収することによって製造する方法が例示され
る。
【0025】ネイティブジェランガムは天然に起源を有
するものであるため、用いる産生微生物や精製条件によ
っては、その構造も微妙に変わりうる。従って、本発明
で用いられるネイティブジェランガムは、特定の構造式
(Sanderson,G.R., FOOD GELS, ed. Peter Harris, Els
evier Science Publishers LTD., England, 1990, p.20
4)に基づいて一義的に限定されることなく、上記方法
に従って微生物(ATCC31461)により産生され
るネイティブジェランガムの性質を有するものであれば
よい。
【0026】ペクチンはその種類を問わず、高メトキシ
ルペクチン及び低メトキシルペクチンのいずれもが包含
される。
【0027】大豆多糖類とは、大豆より脱脂及び脱蛋白
処理を経て精製される水溶性多頭類を意味し、市販品と
しては、例えばSM−700(三栄源エフ・エフ・アイ
株式会社製)を挙げることができる。
【0028】本発明の分散安定化組成物は、上記発酵セ
ルロースとネイティブジェランガム、ペクチン又は大豆
多糖類の少なくとも一種の高分子物質を含有するもので
あればよく、それらの調製方法及び存在態様は特に制限
されない。従って、上記高分子物質の少なくとも一種と
発酵セルロースとが単に添加配合されてなるものであっ
てもよいし、両者が複合体を形成していてもよい。ま
た、これら両者の態様が混在するものであってもよい。
前者の場合、例えば上記高分子物質は発酵セルロースの
精製の最終段階に添加配合され、発酵セルロースととも
に乾燥されることが好ましい。また後者の複合体は、特
開平9−121787号公報に記載される方法に従って
製造することができる。好ましくは、本発明の組成物中
に発酵セルロースと複合体を形成しない高分子物質が少
なくとも存在する態様である。
【0029】本発明の組成物に含まれる発酵セルロース
と高分子物質との配合割合は、特に制限されることな
く、上述する発酵セルロースと高分子物質との態様、用
いられる高分子物質の種類、適用される食品等に応じ
て、適宜選択採用することができる。
【0030】発酵セルロースと高分子物質との態様とし
て両者を単に配合した場合、発酵セルロースと高分子物
質との配合割合は、通常100:1〜1:100であ
り、具体的には高分子物質がネイティブジェランガムの
場合は40:1〜3:10であり、ペクチンの場合は2
0:1〜3:50であり、大豆多糖類の場合は10:1
〜3:10である。
【0031】本発明の組成物は、食品に添加する場合、
適宜食品に応じて、粉末、顆粒等の乾燥固体状、ペース
ト状、スラリー状、液状等の種々の形状で用いることが
できる。好ましくは、ペースト状、スラリー状、液状で
ある。
【0032】本発明の分散安定化組成物は、単独でも用
いられる他、澱粉やタンパク質、調味料等の他の食品素
材及び乳化剤、糊料等の食品添加剤等を含有する組成物
として用いることもできる。
【0033】本発明の分散安定化組成物を食品に適用す
る場合の使用量は、本発明の効果を奏する範囲であれば
特に制限されず、食品に応じて適宜選択採用することが
できるが、通常食品あたり発酵セルロースが乾燥重量換
算で0.03〜0.5%、好ましくは0.05〜0.2
%が適当である。発酵セルロースをこの範囲で前述する
高分子物質と組み合わせて食品に配合することにより、
良好な分散安定性が得られるとともに、該食品に振動が
加わったり加温状態で放置された場合であっても、食品
成分が凝集もしくは沈殿することなく、均質な状態を維
持することができる。
【0034】なお、本発明の分散安定化組成物の食品へ
の添加配合方法は、特に制限されないが、水又は分散媒
体に発酵セルロースを投入後、適度な強度の剪断力を加
えて撹拌することが好ましい。
【0035】適度な強度の剪断力を加えた撹拌の方法と
しては、特に制限されることなく一般に採用される方法
が広く用いられるが、例えば、ミキシング(プロペラ撹
拌、ミキサーによる高撹拌等)、ホモゲナイズ、コロイ
ドミル等の処理が挙げられる。好ましくは、約100〜
200kg/cm2のホモゲナイズ圧力の範囲でホモゲ
ナイズする方法である。撹拌する際の温度は特に制限さ
れず、通常10〜90℃、好ましくは10〜50℃の温
度範囲を採用することができる。
【0036】本発明の分散安定化組成物は、特に加温状
態で保存される食品に対する分散安定剤して有用であ
る。
【0037】ここで加温状態で保存される食品とは、販
売等の流通段階において加温状態で放置される可能性の
ある食品であって、食品成分の分散性が要求される分散
安定性食品を意味する。
【0038】食品成分の分散性が要求される分散安定性
食品とは、一般に液体の連続相にコロイド粒子、液体粒
子若しくは固体粒子等の不連続相が混在して存在するも
のであって、該不連続相が連続相中で安定して分散する
ことが求められる分散安定性食品であるが、好ましくは
液体の連続相に固体粒子の不連続相が混在する飲料食品
である。
【0039】このような食品としては、特に制限されな
いが、例えば、冬期にホットペンダーに入れられて加温
状態で販売され得るカルシウム強化食品、ココア飲料、
コーヒー飲料、抹茶入り飲料、豆乳飲料、しるこドリン
ク、スープ、みそ汁等が挙げられる。
【0040】よって本発明は、前述する分散安定化組成
物を含有する食品であって、加温状態下で内容成分が沈
殿せず分散性が維持される食品である。
【0041】かかる食品は、温度条件を問わず、冷蔵〜
加温状態の幅広い温度範囲で内容成分が沈殿、分離する
ことなく、長期にわたって分散安定性に優れた食品であ
る。加温状態としては、特に制限されないが、通常0〜
60℃、好ましくは2〜40℃に加温された状態をい
う。
【0042】かかる食品としては、具体的には前述する
飲料を挙げることができる。好ましくは、カルシウム強
化食品、ココア飲料、スープ、みそ汁である。なお、カ
ルシウム強化食品とは、通常食品100重量部中、カル
シウムを0.09〜3重量部、好ましくは0.09〜1
重量部、より好ましくは0.18〜1重量部含むもので
あり、具体的には乳飲料、コーヒー、ココア等が例示さ
れる。本発明で用いられる分散安定化組成物は、粘性を
比較的低く保ったままで高い分散安定性を付与するもの
であるため、好ましくは、切れの良いあっさりした食感
を要する食品である。
【0043】本発明の分散安定性食品は、基本的に本発
明の分散安定化組成物と食品原料とを混合し、好ましく
は強度の剪断力を加えて分散させて、それを加熱殺菌処
理する工程を経て調製される。例えば分散安定性食品が
カルシウム強化コーヒー飲料の場合、コーヒー抽出液、
乳原料、カルシウム及び糖類等と共に、本発明の分散安
定化組成物を添加調合し、ホモゲナイズ処理(例えば、
150kg/cm2)することにより、カルシウムが安定して
飲料液中に分散してなるコーヒー飲料を調製し、これを
常法に従って加熱殺菌処理することによって調製され
る。
【0044】食品に含まれる分散安定化組成物の量は、
食品の種類、その内容成分、用いられる高分子物質の種
類によって種々異なり、一概に規定することはできない
が、食品がココア飲料の場合を例にすると、高分子物質
がネイティブジェランガムの場合は、食品あたり発酵セ
ルロース0.03〜0.2重量%、ネイティブジェラン
ガム0.005〜0.1重量%、好ましくは0.01〜
0.08重量%であり、大豆多糖類の場合は、食品あた
り発酵セルロース0.03〜0.2重量%、大豆多糖類
0.02〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量
%であり、ペクチンの場合は、食品あたり発酵セルロー
ス0.03〜0.2重量%、ペクチン0.01〜1重量
%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲を挙げる
ことができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例及び実験
例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら
限定されるものではない。
【0046】実施例1(ココア飲料) 表1に示すの割合で、発酵セルロースと安定剤を水に入
れて撹拌後、その中へ牛乳15重量部、砂糖6重量部、
ココア末1重量部を入れ、撹拌後150kg/cm2でホ
モゲナイザーにかけた。それをガラス瓶に充填し、12
4℃で25分間レトルト殺菌し振盪後、20℃まで冷却
してココア飲料を調製した。なお、発酵セルロースとし
てモンサント(MONSANT)社製のプリマセル(商標)を
用いた。
【0047】得られたココア飲料を40℃で1週間保管
後の様子を観察すると、表1に示すように発酵セルロー
スを用いなかったものはすべてココアが沈澱しており、
本発明に係る発酵セルロースを用いたものはすべて良好
に分散状態を保っていた。さらに、本発明に係る発酵セ
ルロースを用いたものにつき、常温でトラックに載せて
東京−大阪間を往復させたところ、ネイティブジェラン
ガム等の使用量が少ないものは上面にスキが認められた
ものの沈澱はなく、そのほかは良好な分散状態を保って
いた。
【0048】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ネイティブジェランガム、ペクチン及び大
    豆多糖類からなる群から選択される少なくとも一種の高
    分子物質と発酵セルロースを含有する食品の分散安定化
    組成物。
  2. 【請求項2】ネイティブジェランガムまたは大豆多糖類
    のいずれか少なくとも一種の高分子物質と発酵セルロー
    スを含有する食品の分散安定化組成物。
  3. 【請求項3】ネイティブジェランガム、ペクチン及び大
    豆多糖類からなる群から選択される少なくとも一種の高
    分子物質と発酵セルロースとの配合割合が100:1〜
    1:10である請求項1又は2記載の分散安定化組成
    物。
  4. 【請求項4】食品が加温保存される食品であることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の分散安定化
    組成物。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の分散安
    定化組成物を含有する食品であって、少なくとも40℃
    の加温状態下で内容成分が沈殿せず分散性が維持される
    食品。
  6. 【請求項6】上記食品がカルシウム強化食品、ココア飲
    料、コーヒー飲料、抹茶入り飲料、豆乳飲料、しるこド
    リンク、スープ、みそ汁及び液体調味料からなる群から
    選択されるいずれかである請求項5記載の食品。
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