JPH11171799A - 活性置換基を有するビフェニル誘導体の製造法 - Google Patents

活性置換基を有するビフェニル誘導体の製造法

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JPH11171799A
JPH11171799A JP9356313A JP35631397A JPH11171799A JP H11171799 A JPH11171799 A JP H11171799A JP 9356313 A JP9356313 A JP 9356313A JP 35631397 A JP35631397 A JP 35631397A JP H11171799 A JPH11171799 A JP H11171799A
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copper
aryl
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formula
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JP9356313A
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English (en)
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淳也 ▲高▼橋
Junya Takahashi
Masaaki Tsurushima
正明 鶴島
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MIKUNI PHARMA IND
MIKUNI SEIYAKU KOGYO KK
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MIKUNI PHARMA IND
MIKUNI SEIYAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機マグネシウム化合物とシアノ基などの活性
置換基を有するアリール化合物とを反応させて、活性置
換基を有するビフェニル誘導体を工業的有利に製造する
方法を提供する。 【解決手段】有機マグネシウム化合物と活性置換基を有
するアリール化合物とを、銅塩の存在下に反応させるこ
とにより一般式 【化1】 〔式中、Rはアリール基またはアリール基を有してもよ
い炭化水素基を示す。Zは活性置換基(シアノ基、アル
コキシカルボニル基またはアシル基など)を示す。Aは
ハロゲン原子を示す。k及びmは0または1を示すがk
+m=1である。nは0ないし2の整数を示し、nが2
のときAは相異なっていてもよい。〕で表されるビフェ
ニル誘導体の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬などフ
ァインケミカルズの中間原料として、また液晶材料とし
て有用な、活性置換基を有するビフェニル誘導体の工業
的に好適な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シアノ基等の活性置換基を有するビフェ
ニル誘導体の製造法の一つとして、既に存在する不活性
置換基を所望の活性置換基に変換する方法が知られてい
る。例えば、オキサゾリニル基をピリジン中オキシ塩化
リン処理することによってシアノ基とする方法〔J.Me
d.Chem.,第34巻、2525頁(1991年)〕、ブチルカルバ
モイル基の脱ブタノールによってシアノ基とする方法
〔特開平7-53489号〕、ヒドロキシイミノメチル基の脱
水によってシアノ基とする方法〔欧州特許出願公開(EP
A)459136号、Zh.Org.Khim.,第20巻、1305頁(1984
年)〕、クロロホルミル基をアルコールと反応させてア
ルコキシカルボニル基とする方法〔J.Med.Chem.,第
34巻、2525頁(1991年)〕などが知られているが、これ
らの方法はいずれも工程数が多く、また、廃棄処分に多
くの経費を要する金属水酸化物を多量に排出するため、
工業的実施は困難を伴う。また、シアノビフェニル類及
びアルコキシカルボニルビフェニル類の合成方法とし
て、ハロベンゾニトリルまたはハロ安息香酸エステル
を、トリフェニルホスフィン及び還元金属の存在下にブ
ロモベンゼン類と脱ハロゲノカップリングする方法が報
告されているが〔特開平6-65153号〕、この方法では例
えば亜鉛末を大過剰に用いる必要があり、またホモカッ
プリングが起きて反応の選択性が十分ではない等、必ず
しも工業的に有利な方法とはいえない。
【0003】また、シアノビフェニル類、アルコキシカ
ルボニルビフェニル類及びアシルビフェニル類の合成方
法として、ハロベンゾニトリル、ハロ安息香酸エステル
またはハロアセトフェノンを、パラジウム錯体触媒ある
いはマンガンなどの重金属の存在下に、有機金属化合
物、すなわちアリールボラン類〔欧州特許出願公開(EP
A)690046号〕、アリールシラン類〔特開平 6-239770
号〕、アリールマグネシウム類〔特開平 8-109143号〕
などと、カップリングする方法が知られている。しかし
ながら、これらの方法は高価な原料と特殊な触媒を必要
としたり、あるいは処分に多くの経費を必要とする金属
水酸化物を排出し、また収率が必ずしも良好でない等、
工業的実施には有利とはいえない。更に、 Diels-Alder
反応で得られる付加体を脱水素する、シアノビフェニ
ル類、アルコキシカルボニルビフェニル類及びアシルビ
フェニル類の合成方法が知られており、その例としてけ
い皮ニトリル、けい皮酸エステルまたはベンザルアセト
ンとN,N−ジエチル−1,3−ブタジエンとの付加反応
による方法〔Bull.Inst.Chem.Res.,Kyoto Uni
v.,第60巻、5-6号、336頁(1982年)〕をあげること
ができる。また、α−シアノけい皮酸エステル類とブタ
ジエンとの付加反応による、シアノビフェニル類の同様
の合成方法〔特開平 9-87238号〕をあげることができ
る。しかしながら、これらの方法はいずれも工程数が多
く、また収率の低い工程があって工業的実施には適当で
ない。
【0004】また、Gomberg-Bachmann 反応を利用する
方法として、アリールジアゾニウム塩とベンゾニトリル
または安息香酸エステルをカップリングさせるシアノビ
フェニル類またはアルコキシカルボニルビフェニル類の
合成方法〔J.Am.Chem.Soc.,第46巻、2339頁(1924
年)〕、及びアルキルアニリン(またはシアノアニリ
ン)をジアゾニウム塩として、ベンゾニトリル(または
アルキルベンゼン)とカップリングさせるシアノビフェ
ニル類の合成方法〔特開昭 50-137963号〕が知られてい
る。しかし、これらの反応では、カップリングが行われ
る位置の相違によって三つの異性体が生成するほか、タ
ール状物質が多量に副生するなど、所望のシアノビフェ
ニル類の生成率は低く、各異性体の分離は困難である。
また、これの改良法としてのジアゾニウムふっ化ほう素
酸塩を用いる方法〔J.Org.Chem.,第49巻、1594頁
(1984年)〕が知られているが、この方法も、不安定で
取扱いの難しいアリールジアゾニウムふっ化ほう素酸塩
の単離を必要とし、かつクラウンエーテル等の高価な相
間移動触媒を用いるため、工業的実施には適当ではな
い。更に、アシルビフェニル類の一般的合成法に、ビフ
ェニルと酸クロリドとをカップリングさせる方法〔特開
昭 54-16457号〕など、Friedel-Craft 反応による方法
が知られているが、これらの反応では吸湿性で腐食性の
著しい無水塩化アルミニウムを化学量論量用いる必要が
あり、処分に多くの経費を要する水酸化アルミニウムを
排出するなど、工業的実施には有利な方法ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み、本発明は
アリールベンゾニトリルのなどの活性置換基を有するビ
フェニル誘導体の工業的に有利な製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意改良研
究を重ねた結果、有機マグネシウム化合物とアリール化
合物とを、銅塩の存在下に反応させることにより、活性
置換基を有する目的ビフェニル誘導体が短い工程で、し
かも収率よく得られることを見出して、本発明を完成し
た。すなわち本発明は、 (1)一般式〔I〕
【化5】 で表される有機マグネシウム化合物と、一般式〔II〕
【化6】 で表されるアリール化合物とを、銅塩の存在下に反応さ
せることを特徴とする一般式〔III〕
【0007】
【化7】 で表わされる活性置換基を有するアリール誘導体の製造
法、〔各式中、Rはアリール基またはアリール基を有し
てもよい炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、Yは脱離
基を、Zは活性置換基を、Aはハロゲン原子を示す。k
及びmは0または1を示すがk+m=1である。nは0
ないし2の整数を示し、nが2のときAは相異なってい
てもよい。〕(2)銅塩が、一般式〔IV〕
【化8】 で表されるアルカリ金属塩である前記(1)記載の製造
法、〔式中、Mは相異なっていてもよいアルカリ金属原
子を、Wは相異なっていてもよいハロゲン原子を示
す。〕 (3)銅塩が塩化リチウム銅(II)である前記(1)記
載の製造法、 (4)kが0、mが1、Yがハロゲン原子、Zがシアノ
基である前記(3)記載の製造法、および (5)kが1、mが0、Yがハロゲン原子またはメトキ
シ基、Zがシアノ基である前記(3)記載の製造法、で
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】前記の一般式〔I〕及び〔III〕
中、Rはアリール基またはアリール基を有していてもよ
い炭化水素基を示す。Rで示されるアリール基として
は、たとえばフェニル基、1−ナフチル基などの置換基
を有しないフェニル基またはナフチル基、たとえば4−
メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−イソプロピ
ルフェニルなどのアルキル置換フェニル基、3−メトキ
シフェニルなどのアルコキシ置換フェニル基、たとえば
4−クロロフェニルなどのハロゲン置換フェニル基、た
とえば4−メチル−1−ナフチル基などのアルキル置換
ナフチル基など、置換基を有するフェニル基またはナフ
チル基などがあげられる。Rで示されるアリール基を有
していてもよい炭化水素基としては、たとえばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシルなどのC1-14アルキル基、たとえばベンジル、
1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、3−フェニ
ルプロピル、4−フェニルブチルなどのC7-10フェニル
置換アルキル基、たとえばビニル、アリル、2−メチル
−2−プロペニル、4−ペンテニルなどのC2-6 アルケ
ニル基、たとえばスチリル、シンナミルなどのC8-10
ェニル置換アルケニル基、たとえばエチニル、1−プロ
ピニルなどのC2-6 アルキニル基、たとえばフェニルエ
チニル、3−フェニル−1−プロピニルなどのC8-10
ェニル置換アルキニル基などがあげられる。
【0009】前記の一般式〔I〕中、Xはフッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。前記の一般式
〔II〕中、Yは脱離基であり、たとえばハロゲン原子、
アルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子を有して
いてもよいアルキルスルホニルオキシ基またはアリール
スルホニルオキシ基などが挙げられる。このYで示され
るハロゲン原子としては、たとえばフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などが、アルコキシ基としては、たとえばメ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが、アシルオ
キシ基としては、たとえばアセトキシ基、プロピオニル
オキシ基などが、ハロゲン原子を有していてもよいアル
キルスルホニルオキシ基としては、たとえばメタンスル
ホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ
基などが、アリールスルホニルオキシ基としては、たと
えばベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホ
ニルオキシ基などがあげられる。前記の一般式〔II〕及
び〔III〕中、Zは活性置換基であり、たとえばシアノ
基、アルコキシカルボニル基及びアシル基などが挙げら
れる。このZで示されるアルコキシカルボニル基として
は、たとえばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニ
ル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボ
ニル基などが、アシル基としては、たとえばアセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基なとの脂肪族アシル
基、たとえばベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基な
どの芳香族アシル基などがあげられる。
【0010】前記の一般式〔II〕及び〔III〕中、Aは
ハロゲン原子で、たとえばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素
などが挙げられる。本発明は、一般式〔I〕で表される
有機マグネシウム化合物と、一般式〔II〕で表されるア
リール化合物とを、銅塩の存在下に反応させることによ
り行われる。銅塩としては、たとえば塩化銅(I)、臭
化銅(I)、ヨウ化銅(I)、フッ化銅(II)、塩化銅
(II)、臭化銅(II)、硝酸銅(II)、リン酸銅(I
I)、硫酸銅(II)などの無機酸銅塩、たとえば塩化リ
チウム銅(II)、塩化カリウム銅(II)などの、一般式
〔IV〕
【化9】 〔式中、Mは相異なっていてもよいたとえばリチウム、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属原子を、Wは
相異なっていてもよいたとえばフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素などのハロゲン原子を示す。〕で表される無機銅錯
塩、たとえばギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、安息香酸銅
(II)、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ベン
ゾイルアセトナート、エチルアセト酢酸銅(II)などの
有機酸銅塩、たとえばN,N,N′,N′−テトラメチル
エチレンジアミンと塩化銅(II)との複合体、ビス
(2,2′−ビピリジン)銅(I)過塩素酸塩、テトラ
キス(ピリジン)銅(I)過塩素酸塩、ジカルボナト銅
(II)酸ナトリウム、ジクロロビス(ピリジンN−オキ
シド)銅(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィ
ンオキシド)銅(II)などの有機銅錯塩などがあげられ
る。
【0011】一般式〔IV〕で表される無機銅錯塩は安価
であり、その存在下に反応を行うと目的物である活性置
換基を有するビフェニル誘導体〔III〕が良好な收率で
得られる。なかでも、塩化リチウム銅(II)(Li2CuC
l4)の存在下に反応を行うと、目的物である活性置換基
を有するビフェニル誘導体〔III〕が特に高い收率で得
られる。これら銅触媒は単独で用いられる他、他の銅塩
と合わせて用いてもよい。たとえば、塩化リチウム銅
(II)は、無機酸銅塩、無機銅錯塩、有機酸銅塩または
有機銅錯塩と合わせて用いることができる。また、無機
及び有機銅錯塩を用いる場合,該錯塩は反応系内で形成
させて用いることもできる。たとえば、塩化リチウム銅
(II)は、あらかじめ公知の方法〔Synthesis、303頁
(1971年)〕で塩化リチウムと塩化銅(II)から調製し
て反応系に加えてもよいが、塩化リチウムと塩化銅(I
I)を別個に反応系に添加して反応させても好結果が得
られる。アリール化合物〔II〕に対する銅塩の使用量
は、通常モル比で0.001〜0.05、好ましくは0.005〜0.03
の範囲であり、これは銅以外の金属ないし金属塩を用い
る公知方法に比べ遥かに少ない触媒の使用量である。銅
塩を加えない場合は、目的物の活性置換基を有するビフ
ェニル誘導体〔III〕の收率は著しく低い〔後述の参考
例1参照〕。
【0012】アリール化合物〔II〕に対する有機マグネ
シウム化合物〔I〕の仕込比率は、通常0.90〜3.00倍モ
ル、好ましくは1.05〜1.30倍モルの範囲である。mが1
であるアリール化合物〔II〕は公知の化合物であり、一
般に対応するメチルビフェニル類のメチル基をハロゲン
化することにより得ることができる〔後述の参考例2及
び欧州特許出願公開(EPA)709369号、424317号、英国
特許出願公開(GB)2225008号参照〕。メチルビフェニ
ル類は、たとえばトルイジンとベンゾニトリルとを反応
させることで得られる〔後述の参考例3及び特開平 9-1
76104号参照〕。mが0であるアリール化合物〔II〕も
公知の方法で製造することが可能であり、代表例として
2−クロロベンゾニトリルをあげるならば、たとえば
J.Chem.Soc.,1131頁(1949年)に記載されていると
おり、2−クロロアニリンのジアゾニウム塩とシアン化
銅との反応で得ることができる。本発明方法において、
mが1である場合は、Yがハロゲン原子、Zがシアノ基
であるとき、またmが0である場合は、Yがハロゲン原
子またはメトキシ基、Zがシアノ基であるときに、目的
物である活性置換基を有するビフェニル誘導体〔III〕
が高純度かつ高い収率で得られる。
【0013】本発明方法に使用される溶媒としては、た
とえば脂肪族炭化水素類(たとえば石油エーテル、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(たとえばベン
ゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル類(たとえ
ばメチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエー
テル、1,2−ジメトキシエタン、2−メトキシエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンな
ど)、または、これらの二種の混合物をあげることがで
きる。溶媒の使用量は、通常アリール化合物〔II〕の2
〜50重量倍、好ましくは3〜20重量倍である。本発
明方法の実施は、アリール化合物〔II〕の溶液と有機マ
グネシウム化合物〔I〕の溶液を混合することにより行
われるが、一般に攪拌下、前者の中に後者を滴下すると
好收率をもたらすことが多い。反応は、通常は回分式攪
拌槽型反応器を用いて行われるが、多段連続式攪拌槽型
反応器を用いることもできる。有機マグネシウム化合物
〔I〕の滴下は冷却下、通常−50〜50℃、好ましくは 0
〜20℃の温度で行われる。反応は滴下後、通常瞬時から
8時間で完結する。反応終了後、反応液を水中または酸
性水中にあけ、有機層をそのまま分離するか、あるいは
トルエン、酢酸エチル、エチルエーテル、1,2−ジク
ロロエタンなどの溶媒を加えて抽出し、有機層を濃縮し
て生成物を得ることができる。また、必要に応じて、生
成物を蒸留、カラムクロマトグラフィーまたは再結晶に
よって精製することにより、高純度にすることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 実施例1 4′−ブロモメチルビフェニル−4−カルボニトリル5
4.5g(200mmol)を乾燥テトラヒドロフラン20
0mlに溶解し、ここに塩化リチウム銅(II)の0.10
Mテトラヒドロフラン溶液20.0mlを添加した(モル
比0.01/4′−ブロモメチルビフェニル−4−カル
ボニトリル)。得られた溶液を窒素気流下で攪拌しつ
つ、これにブチルマグネシウムクロリドの0.90Mテ
トラヒドロフラン溶液265mlを、反応温度を5〜10
℃に保って15分間で滴下した。この後、反応液を室温
まで昇温し、一夜放置した。塩化アンモニウム12.9
gを水200mlに溶解し、これを内温を室温に保って反
応液に滴下し、さらにトルエン425mlを反応液に加え
て分液した。水洗、無水硫酸マグネシウム脱水したトル
エン層を減圧濃縮し生成物49.7gを得た。これを減
圧下に蒸留し、純度98.9%(高速液体クロマトグラ
フィー)の4′−ペンチルビフェニル−4−カルボニト
リル44.6gを得た(収率89.5%)。 沸点 180〜189℃/1.0mmHg IR νCN(NaCl,cm-1)2227.1
【0015】実施例2〜20 〔表1〕および〔表2〕に示す化合物〔I〕、〔II〕お
よび銅塩又は銅錯体(モル比0.01/化合物〔II〕)
を用いて、実施例1と同様に反応を行い、生成物を蒸留
またはカラムクロマトグラフィーで精製して、ビフェニ
ル誘導体〔III〕を得た。結果を〔表1〕および〔表
2〕に示す。〔表1〕および〔表2〕において、Meはメ
チル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Buはブチル
基、Phはフェニル基、4-ClPhは4−クロロフェニル基
を、また、aは塩化リチウム銅(II)、bは塩化カリウ
ム銅(II)をそれぞれ示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】実施例21 2−メトキシベンゾニトリル26.6g(200mmol)
を乾燥テトラヒドロフラン200mlに溶解し、ここに塩
化リチウム銅(II)の0.1Mテトラヒドロフラン溶液
20mlを添加した(モル比0.01/2−メトキシベン
ゾニトリル)。得られた溶液を窒素気流下で攪拌しつ
つ、これにテトラヒドロフラン265ml中マグネシウム
5.81g(239mmol)及びp−ブロモトルエン40.
9g(239mmol)を反応させて調製した4−メチルフ
ェニルマグネシウムブロミド溶液を、反応温度を5〜1
0℃に保ちながら15分間で滴下した。この後、反応液
を室温まで昇温し一夜放置した。塩化アンモニウム1
2.9gを水200mlに溶解して、これを内温を室温に
保って反応液に滴下し、さらにトルエン425mlを反応
液に加えて分液した。水洗、無水硫酸マグネシウム脱水
したトルエン層を減圧濃縮し生成物38.0gを得た。
これを減圧下に蒸留し純度99.5%(高速液体クロマ
トグラフィー)の4′−メチルビフェニル−2−カルボ
ニトリル33.9gを得た(収率87.8%)。 沸点155〜156℃/5.0mmHg IR νCN(KBr,cm-1)2222.1
【0019】実施例22 4−クロロベンゾニトリル27.5g(200mmol)を
乾燥テトラヒドロフラン200mlに溶解し、これに塩化
リチウム銅(II)の0.1Mテトラヒドロフラン溶液2
0mlを添加した(モル比0.01/4−クロロベンゾニ
トリル)。得られた溶液を窒素気流下で攪拌しつつ、こ
れにテトラヒドロフラン265ml中マグネシウム5.8
1g(239mmol)及び1−ブロモ−4−ペンチルベン
ゼン54.3g(239mmol)を反応させて調製した4
−ペンチルフェニルマグネシウムブロミド溶液を、反応
温度を5〜10℃に保って15分間で滴下した。この
後、反応液を室温まで昇温し一夜放置した。塩化アンモ
ニウム12.9gを水200mlに溶解し、これを内温を
室温に保って反応液に滴下し、さらにトルエン425ml
を反応液に加えて、分液した。水洗、無水硫酸マグネシ
ウム脱水したトルエン層を減圧濃縮し、生成物48.9
gを得た。これを減圧下に蒸留し、純度99.1%(高
速液体クロマトグラフィー)の4′−ペンチルビフェニ
ル−4−カルボニトリル42.6gを得た(収率85.5
%) 。沸点180〜189℃/1.0mmHg IR νCN(NaCl,cm-1)2227.1
【0020】実施例23〜35 〔表3〕に示す化合物〔I〕、〔II〕および銅塩または
銅錯体(モル比0.01/化合物〔II〕)を用いて実施
例21と同様に反応を行い、生成物を蒸留またはカラム
クロマトグラフィーで精製して、ビフェニル誘導体〔II
I〕を得た。その結果を〔表3〕に示す。〔表3〕にお
いて、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、
aは塩化リチウム銅(II)、bは塩化カリウム銅(I
I)、MsOはメタンスルホニルオキシ基、TfOはトリフル
オロメタンスルホニルオキシ基、TsOはパラトルエンス
ルホニルオキシ基をそれぞれ示す。
【0021】
【表3】
【0022】参考例1 4′−ブロモメチルビフェニル−4−カルボニトリル5
4.5g(200mmol)を乾燥テトラヒドロフラン20
0mlに溶解し、窒素気流下で攪拌しつつ、これにブチル
マグネシウムクロリドの0.90Mテトラヒドロフラン
溶液265mlを,反応温度を5〜10℃に保って15分
間で滴下した。この後、室温まで昇温し一夜放置した。
塩化アンモニウム12.9gを水200mlに溶解し、こ
れを内温を室温に保って反応液に滴下し、さらにトルエ
ン425mlを反応液に加えて、分液した。水洗、無水硫
酸マグネシウム脱水したトルエン層を減圧濃縮し、生成
物17.1gを得た。これを減圧下に蒸留し、純度85.
8%(高速液体クロマトグラフィー)の4′−ペンチル
ビフェニル−4−カルボニトリル3.08gを得た(収
率6.18%)。
【0023】参考例2 2−メトキシベンゾニトリル26.6g(200mmol)
を乾燥テトラヒドロフラン200mlに溶解し、窒素気流
下で攪拌しつつ、これにテトラヒドロフラン265ml中
マグネシウム5.81g(239mmol)及びp−ブロモ
トルエン40.9g(239mmol)を反応させて調製し
た4−メチルフェニルマグネシウムブロミド溶液を,冷
却下に反応温度を5〜10℃に保って15分で滴下し
た。この後、反応液を室温まで昇温し、一夜放置した。
塩化アンモニウム12.9gを水200mlに溶解し、こ
れを内温を室温に保って反応液に滴下し、さらにトルエ
ン425mlを反応液に加えて、分液した。水洗、無水硫
酸マグネシウム脱水したトルエン層を減圧濃縮し、生成
物11.9gを得た。これを減圧下に蒸留し、純度7
9.4%(高速液体クロマトグラフィー)の4′−メチ
ルビフェニル−2−カルボニトリル2.02gを得た
(収率5.24%)。
【0024】参考例3 4′−メチル−4−シアノビフェニル200g(1.0
3mol)を1,2−ジクロロエタン2000gに溶解し、
2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)8.20g
(50.0mmol)を添加した。攪拌しつつ、これに臭素1
66g(1.04mol)を,反応温度を80℃に保って1
時間40分で滴下した。この後80℃で5時間攪拌し、
室温で一夜放置した。反応液を分液ろうとに移し水洗後
分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水し、減
圧濃縮して生成物284gを得た。これをトルエンとヘ
キサンを用いて再結晶し、純度96.6%(高速液体ク
ロマトグラフィー)の4′−ブロモメチルビフェニル−
4−カルボニトリル183gを得た(収率65.2
%)。これをトルエンとヘキサンを用いて更に2回再結
晶して得た、純度99.4%(高速液体クロマトグラフ
ィー)の結晶は、融点107.2〜108.2℃であっ
た。1 H−NMR(CDCl3,δppm)4.55(s,2H)、7.30
-7.80(m,8H)。
【0025】参考例4 イソペンチルアルコール(3−メチル−1−ブタノー
ル)97g(1.1mol)と亜硝酸ナトリウム83g
(1.2mol)の混合液に、攪拌下、温度を0〜5℃に保
ちながら、濃塩酸120mlを60分間を要して滴下し
た。10分間攪拌を続けた後に分液し、油層を飽和重曹
水で洗浄して亜硝酸イソペンチルの粗製物を得た。次に
これをベンゾニトリル722g(7mol)に溶解し、6
5〜70℃の温度に保ちながら、攪拌下この溶液に、p
−トルイジン107g(1.0mol)とベンゾニトリル3
09g(3mol)の混合液を2時間をかけて加えた。続
いて減圧下に蒸留し、ベンゾニトリルの留去後、沸点1
55〜170℃/5mmHgの留分145gを得た。当留分
をガスクロマトグラフィーで分析したところ、その成分
は4′−メチルビフェニル−2−カルボニトリル、4′
−メチルビフェニル−3−カルボニトリル及び4′−メ
チルビフェニル−4−カルボニトリルであり、含量はそ
れぞれ48%、12%、24%であった(収率:36
%、9%、18%)。当留分をさらに精密分留装置で分
留し、上記異性体を分離した。得られた各異性体留分
(純度97%以上)をメタノールより再結晶して、〔表
4〕の4′−メチルビフェニル−2−カルボニトリル
(A)、4′−メチルビフェニル−3−カルボニトリル
(B)及び4′−メチルビフェニル−4−カルボニトリ
ル(C)を得た。
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明方法によれば、有機マグネシウム
化合物とアリール化合物を、銅以外の金属ないし金属塩
を用いる公知方法と比べて遥かに少ない触媒使用量で反
応させることにより、短い工程で目的物である活性置換
基を有するビフェニル誘導体が収率よく得られる。よっ
て本発明方法は、活性置換基を有するビフェニル誘導体
の工業的製造法として好適である。
【化2】
【化2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/76 C07C 69/76 A 253/30 253/30 255/50 255/50 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 【化1】 で表される有機マグネシウム化合物と、一般式〔II〕 【化2】で表されるアリール化合物とを、銅塩の存在下
    に反応させることを特徴とする一般式〔III〕 【化3】 で表わされる活性置換基を有するアリール誘導体の製造
    法。〔各式中、Rはアリール基またはアリール基を有し
    てもよい炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、Yは脱離
    基を、Zは活性置換基を、Aはハロゲン原子を示す。k
    及びmは0または1を示すがk+m=1である。nは0
    ないし2の整数を示し、nが2のときAは相異なってい
    てもよい。〕
  2. 【請求項2】銅塩が、一般式〔IV〕 【化4】 で表されるアルカリ金属塩である請求項1記載の製造
    法。〔式中、Mは相異なっていてもよいアルカリ金属原
    子を、Wは相異なっていてもよいハロゲン原子を示
    す。〕
  3. 【請求項3】銅塩が塩化リチウム銅(II)である請求項
    1記載の製造法。
  4. 【請求項4】kが0、mが1、Yがハロゲン原子、Zが
    シアノ基である請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】kが1、mが0、Yがハロゲン原子または
    メトキシ基、Zがシアノ基である請求項3記載の製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109020835A (zh) * 2018-10-31 2018-12-18 福州盛世凌云环保科技有限公司 一种医药中间体沙坦联苯的制备方法
CN109020835B (zh) * 2018-10-31 2021-11-16 哈尔滨斗牛生物科技有限公司 一种医药中间体沙坦联苯的制备方法

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