JPH11168347A - 圧電共振子、電子部品および通信機器 - Google Patents

圧電共振子、電子部品および通信機器

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JPH11168347A
JPH11168347A JP24720598A JP24720598A JPH11168347A JP H11168347 A JPH11168347 A JP H11168347A JP 24720598 A JP24720598 A JP 24720598A JP 24720598 A JP24720598 A JP 24720598A JP H11168347 A JPH11168347 A JP H11168347A
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electrode
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Mamoru Ogawa
川 守 小
Jiro Inoue
上 二 郎 井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプリアスが小さく、共振周波数と***振周
波数との差ΔFが大きく、小型化が容易であり、外部電
極が断線しにくく、機械的品質係数Qmが劣化せず、共
振周波数の電圧依存性が大きくならない圧電共振子を提
供する。 【解決手段】 圧電共振子10は、直方体状の基体12
を含む。基体12は、積層される12層の圧電体層14
を含む。中間の圧電体層14は、互いに逆向きに分極さ
れる。中間の圧電体層14の主面には、電極16および
18が、基体12の1つの側面において幅方向における
一端側部分および他端側部分で交互に露出するように形
成される。基体12の1つの側面には、外部電極20お
よび22が、電極16および18にそれぞれ接続される
ように2列に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は圧電共振子、電子
部品および通信機器に関し、特にたとえば、圧電体の機
械的共振を利用した圧電共振子、それを用いた発振子,
ディスクリミネータ,フィルタなどの電子部品および通
信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】図23は従来の圧電共振子の一例を示す
斜視図である。圧電共振子1は、たとえば平面視長方形
の板状の圧電体基板2を含む。圧電体基板2は、厚み方
向に分極される。圧電体基板2の両面には、電極3が形
成される。この電極3間に信号を入力することにより、
圧電体基板2の厚み方向に電界が印加され、圧電体基板
2は長さ方向に振動する。また、図24に示すように、
平面視正方形の板状の圧電体基板2の両面に電極3を形
成した圧電共振子1がある。この圧電共振子1において
も、圧電体基板2は厚み方向に分極されている。この圧
電共振子1では、電極3間に信号を入力することによ
り、圧電体基板2の厚み方向に電界が印加され、圧電体
基板2が拡がり振動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの圧電共振子
は、電界方向および分極方向と振動方向とが異なる圧電
横効果を利用している。この圧電横効果を利用した圧電
共振子の電気機械結合係数は、電界方向および分極方向
と振動方向とが一致した圧電縦効果を利用した圧電共振
子に比べて小さい。そのため、圧電横効果を利用した圧
電共振子では、共振周波数と***振周波数との差ΔFが
比較的小さい。このことは、圧電共振子を発振子やフィ
ルタとして使用したときに、帯域幅が小さいという欠点
につながる。そのため、圧電共振子やそれを用いた電子
部品において、特性の設計自由度が小さい。
【0004】また、図23に示す圧電共振子において
は、長さ振動の1次共振を利用しているが、構造的に、
3次,5次などの奇数倍の高次モードや、幅モードのス
プリアスも大きく発生してしまう。このスプリアスを抑
制するために、圧電共振子に研磨加工を施したり、質量
を付加したり、電極形状を変更するなどの対策が考えら
れるが、これらは製造コストの上昇につながる。
【0005】さらに、図23に示す圧電共振子の場合、
圧電体基板が平面視長方形の板状であるため、強度的な
制約からあまり厚みを薄くすることができない。そのた
め、電極間距離を小さくできず、端子間容量を大きくす
ることができない。これは、外部回路とのインピーダン
ス整合をとる場合に、極めて不都合である。また、複数
の圧電共振子を直列および並列に交互に接続し、ラダー
型フィルタを形成する場合、通過帯域幅以外での減衰量
を大きくするためには直列共振子と並列共振子の容量比
を大きくする必要がある。しかしながら、上述のように
形状的な限界があり、大きい減衰量を得ることができな
い場合がある。
【0006】また、図24に示す圧電共振子では、拡が
り振動の1次共振を利用しているが、構造的に、拡がり
の3倍波や厚みモードなどのスプリアスが大きく発生す
る可能性が高い。さらに、この圧電共振子では、長さ振
動を利用する圧電共振子に比べて、同じ共振周波数を得
るためにはサイズが大きくなり、小型化が困難である。
また、複数の圧電共振子を用いてラダー型フィルタを形
成する場合、直列共振子と並列共振子の容量比を大きく
するために、直列に接続される共振子の厚みを大きくす
るだけでなく、圧電体基板の一部にのみ電極を形成して
容量を小さくする手法が採用されている。この場合、部
分電極にすることによって、容量だけでなく共振周波数
と***振周波数との差ΔFも低下してしまう。それに合
わせて、並列に接続される圧電共振子についても、ΔF
を小さくしなければならず、結果的に圧電体基板の圧電
性を有効に生かせず、フィルタの通過帯域幅を大きくで
きないという問題がある。
【0007】そこで、スプリアスが小さく、共振周波数
と***振周波数との差ΔFが大きい圧電共振子として、
たとえば特願平8−110475号に示すような積層構
造の圧電共振子を出願人は提案した。図25はこのよう
な積層構造の圧電共振子の一例を示す図解図である。図
25に示す圧電共振子4は、長手方向を有する基体5を
構成する複数の圧電体層6と複数の電極7とが交互に積
層され、複数の圧電体層6が基体の長手方向に分極され
た積層構造の圧電共振子で、長さ振動の基本振動を励振
するものである。積層構造の圧電共振子4では、圧電体
層6の分極方向と電界方向と振動方向とが一致し、圧電
縦効果を利用するため、振動方向が分極方向および電界
方向と異なる圧電横効果を利用した圧電共振子に比べ
て、電気機械結合係数が大きくなり、共振周波数と***
振周波数との差ΔFが大きくなる。さらに、積層構造の
圧電共振子4では、圧電縦効果を利用することにより、
幅モードや厚みモードなどのような基本振動と異なるモ
ードの振動が発生しにくくなる。
【0008】この積層構造の圧電共振子4では、基体5
のすべての側面で電極7の端部が露出している。そのた
め、基体5の一方の側面において、1つおきの電極7の
端部が絶縁樹脂膜8aで被覆された上で、外部電極9a
が他の1つおきの電極7に接続されるように形成され
る。また、基体5の一方の側面に対向する他方の側面に
おいて、絶縁樹脂膜8aが形成された1つおきの電極7
に外部電極9bが接続されるように、他の1つおきの電
極7の端部が絶縁樹脂膜8bで被覆された上で、外部電
極9bが形成される。この積層構造の圧電共振子4で
は、基体5の長手方向と直交する断面の面積ないしは圧
電体層6の主面の面積をSとし、圧電体層6の厚みない
しは電極7間の距離をTとし、電極7で挟まれる圧電体
層の数をnとすると、外部電極9a,9b間の静電容量
Cは、C∝nS/Tで表される。そのため、この積層構
造の圧電共振子4では、面積Sを小さくして小型化しな
がら同一の静電容量Cを得るためには、Tを小さくする
かnを大きくすればよい。ところが、それらの絶縁樹脂
膜8a,8bは電極7の間隔がたとえば100μm以下
の小型の圧電共振子では、たとえば印刷などの方法によ
って位置精度よく形成することが難しいため、圧電振動
子そのものの小型化が困難である。
【0009】また、この積層構造の圧電共振子4では、
その後のプロセスなどにおけるヒートショックあるいは
ヒートサイクルなどの温度変化などによって、絶縁樹脂
膜8a,8bが膨張収縮し、絶縁樹脂膜8a,8b上に
形成された外部電極9a,9bが、図25に示すように
絶縁樹脂膜8a,8b上で断線するおそれがあった。
【0010】なお、図25に示す積層構造の圧電共振子
4において、絶縁樹脂膜8a,8b上の外部電極9a,
9bが断線しにくくなるようにするために、図26に示
すように、外部電極9a,9bの表面に導電性樹脂層9
c,9dを形成することが考えられる。
【0011】しかしながら、そのように基体5の側面に
絶縁樹脂膜8a,8bや導電性樹脂層9c,9dを形成
すると、基体5の側面に大きな負荷質量が形成されるこ
とになり、機械的品質係数Qmが劣化したり、共振周波
数の電圧依存性が大きくなったりしてしまう。
【0012】それゆえに、この発明の主たる目的は、ス
プリアスが小さく、共振周波数と***振周波数との差Δ
Fが大きく、小型化が容易であり、外部電極が断線しに
くく、機械的品質係数Qmが劣化せず、共振周波数の電
圧依存性が大きくならない圧電共振子、それを用いた電
子部品および通信機器を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる圧電共
振子は、長手方向を有する基体と、基体の長手方向と直
交しかつ基体の長手方向に間隔を隔てて配置される第1
および第2の電極と、第1および第2の電極に接続さ
れ、基体の1つの側面上において、基体の幅方向の中央
より一端側および他端側に、基体の長手方向に沿ってそ
れぞれ形成される一対の外部電極とを含み、基体は、積
層される複数の圧電体層を含み、複数の圧電体層は、基
体の長手方向に分極され、第1および第2の電極は、圧
電体層において基体の長手方向に直交する面に形成さ
れ、第1および第2の電極のうち一対の外部電極の一方
に接続される第1の電極は、基体の1つの側面の一対の
外部電極の他方が形成される部分には露出しないように
形成され、さらに第1および第2の電極のうち一対の外
部電極の他方に接続される第2の電極は、基体の1つの
側面の一対の外部電極の一方が形成される部分には露出
しないように形成される、長さ振動を励振する圧電共振
子である。この発明にかかる圧電共振子では、たとえ
ば、一対の外部電極が形成された基体の側面の幅方向略
中央部に、基体の長手方向に沿って溝が形成され、一対
の外部電極は、この溝で隔てられた基体の側面の一方側
および他方側にそれぞれ形成される。この発明にかかる
圧電共振子において、第1および第2の電極は、それぞ
れ、複数形成される。さらに、この発明にかかる圧電共
振子において、基体の長手方向のほぼ中央部に配置され
る取付部材が含まれてもよい。また、この発明にかかる
電子部品は、上述の圧電共振子を用いた電子部品であっ
て、表面に電極の形成された基板上に取付部材を介して
基体を取り付けるとともに、基板上に基体を覆うように
キャップを配置したことを特徴とする、電子部品であ
る。さらに、この発明にかかる電子部品は、上述の圧電
共振子を用いた電子部品であって、表面に電極の形成さ
れた基板上に、ラダー型フィルタを構成するように複数
の基体を取付部材を介して取り付けるとともに、基板上
に基体を覆うようにキャップを配置したことを特徴とす
る、電子部品である。この発明にかかる通信機器は、検
波器を有する通信機器であって、この発明にかかる圧電
共振子が検波器に用いられた、通信機器である。また、
この発明にかかる通信機器は、バンドパスフィルタを有
する通信機器であって、この発明にかかる電子部品がバ
ンドパスフィルタに用いられた、通信機器である。
【0014】この発明にかかる圧電共振子では、圧電体
層の分極方向および電界方向と振動方向とが一致し、圧
電縦効果を利用している。そのため、振動方向が分極方
向および電界方向と異なる圧電横効果を利用した圧電共
振子に比べて、電気機械結合係数が大きくなり、共振周
波数と***振周波数との差ΔFが大きくなる。また、圧
電縦効果を利用することにより、幅モードや厚みモード
などのような長さ振動の基本振動と異なるモードの振動
が発生しにくくなる。また、この発明にかかる圧電共振
子では、一対の外部電極の一方に接続される第1の電極
が、基体の1つの側面の一対の外部電極の他方が形成さ
れる部分には露出しないように形成され、さらに一対の
外部電極の他方に接続される第2の電極が、基体の1つ
の側面の一対の外部電極の一方が形成される部分には露
出しないように形成されるので、基体の側面には、第1
または第2の電極の端部を絶縁するための絶縁樹脂膜を
形成する必要がない。そのため、第1および第2の電極
の間隔を狭くすることができ、小型化が容易となる。さ
らに、この発明にかかる圧電共振子では、絶縁樹脂膜が
形成されないので、ヒートショックあるいはヒートサイ
クルなどの温度変化などによって、外部電極が断線しに
くくなる。また、この発明にかかる圧電共振子では、基
体の側面に絶縁樹脂膜や導電性樹脂層など負荷質量が形
成されないので、機械的品質係数Qmが劣化せず、共振
周波数の電圧依存性も大きくならない。この発明にかか
る圧電共振子を用いて、発振子,ディスクリミネータ,
フィルタなどの電子部品および通信機器を作製する場
合、基体の長手方向のほぼ中央部に配置した取付部材を
介して、電極を形成した基板上などに圧電共振子を取り
付けることができ、ノード部で確実に圧電共振子を保持
することができる。また、この基板上をキャップで覆う
ことによって、チップ型の電子部品とすることができ
る。
【0015】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0016】
【発明の実施の形態】図1はこの発明にかかる圧電共振
子の一例を示す図解図である。図1に示す圧電共振子1
0は、たとえば3.8mm×1mm×1mmの直方体状
の基体12を含む。基体12は、たとえば圧電セラミッ
クからなり積層される12層の圧電体層14を含む。こ
れらの圧電体層14は、それぞれ、同じ寸法に形成され
る。また、これらの圧電体層14のうち中間の8層の圧
電体層14は、図1の矢印で示すように、隣合う圧電体
層14の分極方向が互いに逆向きになるように基体12
の長手方向に分極される。
【0017】分極される中間の8層の圧電体層14にお
いて基体12の長手方向に直交する主面には、第1の電
極16および第2の電極18が交互に形成される。した
がって、これらの第1の電極16および第2の電極18
は、基体12の長手方向に直交しかつ基体12の長手方
向に間隔を隔てて配置される。また、第1の電極16
は、図2(a)に示すように、圧電体層14の主面にお
いて上辺の中間部分から一端側部分を除く部分に形成さ
れ、第2の電極18は、図2(b)に示すように、圧電
体層14の主面において上辺の中間部分から他端側部分
を除く部分に形成される。したがって、第1の電極16
は、基体12の上側の1つの側面において、幅方向にお
ける中間部分から一端側部分で露出しないが他端側部分
で露出するように形成される。また、第2の電極18
は、基体12の上側の1つの側面において、幅方向にお
ける一端側部分で露出するが中間部分から他端側部分で
露出しないように形成される。
【0018】基体12の上側の1つの側面には、基体1
2の幅方向の中央より一端側および他端側に、基体12
の長手方向に沿って、外部電極20および22が2列に
形成される。この場合、一方の外部電極20は第1の電
極16に接続され、他方の外部電極22は第2の電極1
8に接続される。
【0019】次に、この圧電共振子10の製造方法の一
例について説明する。
【0020】まず、図3に示すように、多数の圧電体層
14となるべき圧電セラミックのマザー基板15が、1
2枚準備される。5枚のマザー基板15の一方主面に
は、多数の第1の電極16となるマザー電極17が、そ
れぞれ形成される。また、他の4枚のマザー基板15の
一方主面には、多数の第2の電極18となるマザー電極
19が、それぞれ形成される。残りの3枚のマザー基板
15には、電極は形成されていない。そして、これらの
マザー基板15を積層することによって、積層体が形成
される。それから、この積層体は、図3の横方向に伸び
る1点鎖線で示す部分で切断される。
【0021】そして、そのように切断された積層体の切
断面には、図4に示すように、外部電極20,22とな
るべき電極21が形成される。それから、隣接する電極
21,21間に直流高電圧を印加することによって、各
マザー基板15ないし各圧電体層14がそれぞれ分極さ
れる。そして、その積層体を図4の1点鎖線で示す部分
で切断することによって、圧電共振子10が作られる。
なお、図1に示す圧電共振子以外の後述する他の圧電共
振子も同様にして作ることが可能である。
【0022】この圧電共振子10では、外部電極20,
22が入出力電極として使用される。このとき、外部電
極20,22に信号を与えることにより、隣合う第1お
よび第2の電極16,18間に電界が印加されるため、
基体12の両端の4層の圧電体層14を除く中間の8層
の圧電体層14は圧電的に活性となる。この場合、基体
12の互いに逆向きに分極した圧電体層14に、互いに
逆向きの電圧が印加されるため、圧電体層14は全体と
して同じ向きに伸縮しようとする。つまり、外部電極2
0,22に接続された第1および第2の電極16,18
によって、個々の圧電体層14に、基体12の長手方向
の交流電界を印加し、個々の圧電体層14に伸縮の駆動
力を発生させることによって、圧電共振子10全体とし
ては、基体12の長手方向の中心部をノードとした長さ
振動の基本振動が励振される。
【0023】この圧電共振子10では、圧電体層14の
分極方向,入力信号による電界方向および圧電体層14
の振動方向が一致する。つまり、この圧電共振子10
は、圧電縦効果を利用した共振子となる。この圧電共振
子10は、分極方向および電界方向と振動方向とが異な
る圧電横効果を利用した圧電共振子に比べて、電気機械
結合係数が大きい。そのため、この圧電共振子10で
は、従来の圧電横効果を利用した圧電共振子に比べて、
共振周波数と***振周波数との差ΔFが大きい。したが
って、この圧電共振子10では、従来の圧電横効果を利
用した圧電共振子に比べて、帯域幅の大きい特性を得る
ことができる。
【0024】圧電縦効果と圧電横効果の違いを測定する
ために、図5,図6および図7に示す圧電共振子を作製
した。図5に示す圧電共振子は、4.0mm×1.0m
m×0.38mmの圧電体基板の厚み方向の両面に電極
を形成したものである。圧電体基板は、厚み方向に分極
されており、電極に信号を与えることによって、長さ振
動が励振される。図6に示す圧電共振子は、図5に示す
圧電共振子と同じ寸法で、圧電体基板の長手方向の両面
に電極を形成したものである。圧電体基板は、長手方向
に分極されており、電極に信号を与えることによって、
長さ振動が励振される。また、図7に示す圧電共振子
は、4.7mm×4.7mm×0.38mmの圧電体基
板の厚み方向の両面に電極を形成したものである。圧電
体基板は厚み方向に分極されており、電極に信号を与え
ることによって、拡がり振動が励振される。つまり、図
5および図7に示す圧電共振子が圧電横効果を利用して
おり、図6に示す圧電共振子が圧電縦効果を利用してい
る。
【0025】これらの圧電共振子について、共振周波数
Frと電気機械結合係数Kを測定し、その結果を表1,
表2および表3に示した。表1は図5に示す圧電共振子
の測定結果であり、表2は図6に示す圧電共振子の測定
結果であり、表3は図7に示す圧電共振子の測定結果で
ある。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】これらの測定結果からわかるように、圧電
縦効果を利用した圧電共振子のほうが、圧電横効果を利
用した圧電共振子より電気機械結合係数Kが大きく、し
たがって共振周波数と***振周波数の差ΔFが大きい。
また、圧電縦効果を利用した圧電共振子で最も大きいス
プリアスについては、長さの3倍波で電気機械結合係数
Kが12.2%である。しかも、基本振動と異なる幅モ
ードにおける電気機械結合係数Kは4.0%と小さい。
それに対して、圧電横効果を利用した長さ振動の圧電共
振子では、幅モードにおける電気機械結合係数Kが2
5.2%と大きく、圧電横効果を利用した拡がり振動の
圧電共振子では、厚みモードにおける電気機械結合係数
Kが23.3%と大きい。したがって、圧電縦効果を利
用した圧電共振子は、圧電横効果を利用した圧電共振子
に比べて、スプリアスが小さいことがわかる。
【0030】また、図1に示す圧電共振子10では、図
25に示す積層構造の圧電共振子4と比べて、一方の外
部電極20に接続される第1の電極16が、他方の外部
電極22が形成される基体12の1つの側面の幅方向に
おける一端側部分には露出しないように形成され、さら
に他方の外部電極22に接続される第2の電極18が、
一方の外部電極20が形成される基体12の1つの側面
の幅方向における他端側部分には露出しないように形成
されるので、基体12の側面には、第1または第2の電
極16,18の端部を絶縁するための絶縁樹脂膜を形成
する必要がない。そのため、第1および第2の電極1
6,18の間隔を狭くすることができ、小型化が容易と
なる。
【0031】さらに、この圧電共振子10では、図25
に示す積層構造の圧電共振子4と比べて、外部電極2
0,22と基体12との間に絶縁樹脂膜が形成されない
ので、ヒートショックあるいはヒートサイクルなどの温
度変化などによって、外部電極20,22が断線しにく
くなる。
【0032】また、この圧電共振子10では、基体12
の側面に絶縁樹脂膜や導電性樹脂層などの負荷質量が形
成されないので、機械的品質係数Qmが劣化せず、共振
周波数の電圧依存性も大きくならない。
【0033】さらに、この圧電共振子10では、第1お
よび第2の電極16,18の端部の絶縁性を維持するた
めに圧電体層14の主面において第1および第2の電極
16,18が形成されない部分の幅を一定にしたまま
で、共振子の幅方向の寸法を縮小して形成しても、圧電
体層14の主面の面積に対する第1および第2の電極1
6,18の対向する面積の割合が変わらないので、圧電
体層14に発生する駆動力の効率を落とすことなく幅方
向において縮小することができる。
【0034】また、この圧電共振子10では、第1およ
び第2の電極16,18が圧電体層14の主面に部分的
に形成されるので、第1および第2の電極16,18の
対向する面積を調整することによって、ΔFを調整する
ことができ、特性の設計自由度が大きい。
【0035】さらに、この圧電共振子10では、たとえ
ば第1および第2の電極16,18の対向する面積、圧
電体層14および第1および第2の電極16,18の
数、圧電体層14において基体12の長手方向における
寸法を調整することによって、共振子の静電容量を調整
することができる。つまり、第1および第2の電極1
6,18の対向する面積を広くしたり圧電体層14およ
び第1および第2の電極16,18の数を増やしたり圧
電体層14において基体12の長手方向における寸法を
短くしたりすれば、共振子の静電容量を大きくすること
ができ、逆に、第1および第2の電極16,18の対向
する面積を狭くしたり圧電体層14および第1および第
2の電極16,18の数を減らしたり圧電体層14にお
いて基体12の長手方向における寸法を長くしたりすれ
ば、共振子の静電容量を小さくすることができる。した
がって、圧電共振子10の第1および第2の電極16,
18の対向する面積、圧電体層14および第1および第
2の電極16,18の数、圧電体層14において基体1
2の長手方向における寸法を調整することにより、静電
容量を調整することができ、静電容量の設計自由度が大
きい。そのため、圧電共振子10を回路基板などに実装
するとき、外部回路とのインピーダンス整合をとること
が容易である。
【0036】なお、図1に示す圧電共振子10におい
て、第1の電極16は、図8(a)に示すように、圧電
体層14の主面において上辺の中間部分から一端側部分
および下辺部分に形成されなく、さらに、第2の電極1
8は、第1の電極16と鏡像の形状をなし、図8(b)
に示すように、圧電体層14の主面において上辺の中間
部分から他端側部分および下辺部分に形成されなくても
よい。図1に示す圧電共振子10では、図9に示すよう
に、第1および第2の電極16,18の静電容量を構成
すべき対向する部分が基体12の中心軸からずれている
ので、圧電体層14に発生する駆動力が基体12の中心
軸からずれ、振動時に基体12が撓んでしまう場合があ
る。そのため、基体12の撓みによって、スプリアスが
生じ、そのスプリアスの共振周波数が主振動の共振点と
***振点との間にある場合には、特性が不良になってし
まう場合がある。それに対して、図8(a)および図8
(b)に示す第1および第2の電極16および18を有
する圧電共振子10では、図10に示すように、第1お
よび第2の電極16,18の重ね合わせた形状の中心軸
L1あるいは中心点P1が基体12の長手方向に垂直な
面における中心軸L2あるいは中心点P2と一致するよ
うに形成されているので、圧電体層14に発生する駆動
力が基体12の中心軸からずれなく、基体12が撓みに
くい。そのため、基体12の撓みによるスプリアスが生
じにくく、特性も不良になりにくいという別の効果も奏
する。
【0037】また、図1に示す圧電共振子10におい
て、第1の電極16は、図11(a)に示すように、圧
電体層14の上辺以外の3辺部分に形成されなく、さら
に、第2の電極18は、第1の電極16と鏡像の形状を
なし、図11(b)に示すように、圧電体層14の主面
において、外部電極20,22が形成される上辺以外の
3辺部分に形成されなくてもよい。このように第1およ
び第2の電極16,18を形成すれば、第1および第2
の電極16,18が圧電共振子10の表面に全く露出し
なくなり、第1および第2の電極16,18の耐湿性が
向上するとともに、第1および第2の電極16,18間
の絶縁抵抗が劣化しにくくなるという別の効果も奏す
る。
【0038】さらに、図1に示す圧電共振子10におい
て、第1の電極16は、図12(a)に示すように、圧
電体層14の主面において上辺の中間部分から一端側部
分とそれに隣接する一方の縦辺部分とを除く部分に形成
され、さらに、第2の電極18は、第1の電極16と鏡
像の形状をなし、図12(b)に示すように、圧電体層
14の主面において上辺の中間部分から他端側部分とそ
れに隣接する他方の縦辺部分とを除く部分に形成されて
もよい。
【0039】また、図1に示す圧電共振子10におい
て、第1の電極16は、図13(a)に示すように、圧
電体層14の主面において上辺の中間部分からそれに隣
接する一方の縦辺の中間部分にわたって形成され、さら
に、第2の電極18は、第1の電極16と鏡像の形状を
なし、図13(b)に示すように、圧電体層14の主面
において上辺の中間部分からそれに隣接する他方の縦辺
の中間部分にわたって形成されてもよい。
【0040】さらに、図1に示す圧電共振子10におい
て、第1の電極16は、図14(a)に示すように、圧
電体層14の主面において中央部分から一方の縦辺、上
辺および下辺の3辺の各中間部分にわたって形成され、
第2の電極18は、第1の電極16と鏡像の形状をな
し、図14(b)に示すように、圧電体層14の主面に
おいて中央部分から他方の縦辺、上辺および下辺の3辺
の各中間部分にわたって形成されてもよい。
【0041】また、図1に示す圧電共振子10におい
て、第1の電極16は、図15(a)に示すように、圧
電体層14の主面において中央部分から上辺および下辺
の各中間部分にわたって形成され、圧電体層14の両側
の縦辺部分に形成されなく、さらに、第2の電極18
は、第1の電極16と鏡像の形状をなし、図15(b)
に示すように、圧電体層14の主面において中央部分か
ら上辺および下辺の各中間部分にわたって形成され、圧
電体層14の両側の縦辺部分に形成されなくてもよい。
【0042】さらに、図1に示す圧電共振子10におい
て、第1の電極16は、図16(a)に示すように、圧
電体層14の主面において中央部分から両側の縦辺部分
にわたって形成され、さらに、第2の電極18は、第1
の電極16と鏡像の形状をなし、図16(b)に示すよ
うに、圧電体層14の主面において中央部分から両側の
縦辺部分にわたって形成されてもよい。
【0043】なお、第1および第2の電極16,18を
図8または図16に示すように形成すれば、第1および
第2の電極16,18の端部の絶縁性を維持するために
圧電体層14の主面において第1および第2の電極1
6,18が形成されない部分の幅を一定にしたままで、
共振子の幅方向の寸法を縮小して形成しても圧電体層1
4の主面の面積に対する第1および第2の電極16,1
8の対向する面積の割合が変わらないので、圧電体層1
4に発生する駆動力の効率を落とすことなく幅方向にお
いて縮小することができる。
【0044】また、第1および第2の電極16,18を
図11、図13、図14、図15または図16に示すよ
うに形成すれば、第1および第2の電極16,18の重
ね合わせた形状の中心軸あるいは中心点が基体12の長
手方向に垂直な面における中心軸あるいは中心点と一致
するように形成されているので、圧電体層14に発生す
る駆動力が基体12の中心軸からずれなく、基体12が
撓みにくい。そのため、基体12の撓みによるスプリア
スが生じにくく、特性も不良になりにくいという別の効
果も奏する。これらの実施例においては、圧電体層14
主面に対する第1および第2の電極16,18の対向部
分の形状が、上下対称に形成されている。
【0045】上述の圧電共振子10では、基体12の長
手方向における中間部分が圧電的に活性となり振動する
ように構成され、基体12の長手方向における両端部分
が圧電的に活性とならない不活性部で形成されている。
圧電体層が分極され、かつ電界が印加されたときにの
み、圧電的に活性になるのであり、それ以外は圧電的に
不活性となるため、不活性部は、このようなものであれ
ば、他の構造のものでもよい。
【0046】上述の圧電共振子10を用いて、発振子や
ディスクリミネータなどの電子部品が作製される。図1
7は電子部品60の一例を示す斜視図である。電子部品
60は、支持部材としての絶縁体基板62を含む。絶縁
体基板62の対向する端部には、それぞれ2つずつ凹部
64が形成される。絶縁体基板62の一方面上には、2
つのパターン電極66,68が形成される。一方のパタ
ーン電極66は、対向する凹部64間に形成され、その
一端側から絶縁体基板62の中央部に向かって、L字状
に延びる部分を有する。また、他方のパターン電極68
は、別の対向する凹部64間に形成され、その他端側か
ら絶縁体基板62の中央部に向かって、L字状に延びる
部分を有する。これらのパターン電極66,68は、絶
縁体基板62の凹部64から他方主面に向かって、回り
込むように形成される。なお、絶縁体基板62として
は、ガラスエポキシ基板、アルミナ基板など周知の基板
を用いることができる。また、基板としては、多層基
板、誘電体基板などを用いてもよい。
【0047】圧電共振子10の長手方向の中央部となる
基体12の長手方向中央部には、導電性接着剤などの導
電材料からなる取付部材としての突起70,70がそれ
ぞれ形成される。そして、図18に示すように、圧電共
振子を、突起70,70を介して、絶縁体基板62のパ
ターン電極66,68上に取り付ける。このとき、圧電
共振子10の外部電極20,22が、突起70,70を
介してパターン電極66,68にそれぞれ接続される。
なお、突起70,70を接着する接着剤が、絶縁体基板
62のパターン電極66,68上に塗布されていてもよ
い。
【0048】さらに、絶縁体基板62上には、図17に
示すように、金属キャップ74がかぶせられる。このと
き、金属キャップ74とパターン電極66,68とが導
通しないように、絶縁体基板62およびパターン電極6
6,68上に絶縁性樹脂が塗布される。そして、金属キ
ャップ74がかぶせられることによって、電子部品60
が作製される。この電子部品60では、絶縁体基板62
の凹部64から裏面に回り込むように形成されたパター
ン電極66,68が、外部回路と接続するための入出力
端子として用いられる。
【0049】この電子部品60では、圧電共振子10の
中央部に突起70が形成されているため、圧電共振子1
0のノード点である中央部を確実に支持することがで
き、励振される長さ振動が阻害されることがない。
【0050】また、この電子部品60は、ICなどとと
もに回路基板などに取り付けて用いられ、たとえば発振
子やディスクリミネータとして用いられる。このような
構造の電子部品60では、金属キャップ74で密封・保
護されているため、リフロー半田などによる取り付けが
可能なチップ部品として使用することができる。
【0051】この電子部品60を発振子として使用する
場合、上述の圧電共振子10が用いられているので、ス
プリアスが小さく抑えられ、スプリアスによる異常発振
を防止することができる。また、圧電共振子10の容量
値を自由に設定できるため、外部回路とのインピーダン
ス整合をとることが容易である。特に、電圧制御発振器
用の発振子として使用する場合、共振子のΔFが大きい
ので、従来にはない広い周波数可変範囲を得ることがで
きる。
【0052】また、この電子部品60をディスクリミネ
ータとして用いる場合、共振子のΔFが大きいという特
徴は、ピークセパレーションが広いという特徴につなが
る。さらに、共振子の容量設計範囲が広いため、外部回
路とのインピーダンス整合をとることが容易である。
【0053】図19はこの発明にかかる圧電共振子を用
いた電子部品としてのラダー型フィルタの一例を示す要
部平面図であり、図20はその要部分解斜視図である。
図19および図20に示す電子部品60では、支持部材
としての絶縁体基板62上に、4つのパターン電極9
0,92,94,96が形成される。これらのパターン
電極90〜96には、間隔を隔てて一列に配置される5
つのランドが形成される。この場合、絶縁体基板62の
一端から1番目のランドはパターン電極90に形成さ
れ、2番目のランドおよび5番目のランドはパターン電
極92に形成され、3番目のランドはパターン電極94
に形成され、4番目のランドはパターン電極96に形成
される。
【0054】これらのパターン電極90〜96上には、
圧電共振子10a,10b,10c,10dの外部電極
20,22が、それぞれ取り付けられる。これらの圧電
共振子10a〜10dとしては、たとえば図1に示すよ
うに基体12の1つの側面に外部電極20,22が形成
された圧電共振子10が用いられる。
【0055】なお、圧電共振子10a,10b,10
c,10dのパターン電極90〜96上への取付けに際
しては、圧電共振子10a〜10dの各外部電極20,
22上に配置した取付部材である突起70を、絶縁体基
板62の各パターン電極90〜96上に塗布した導電性
接着剤(図示せず)と接続することによりおこなう。そ
して、絶縁体基板62上に、金属キャップ(図示せず)
がかぶせられる。
【0056】図19および図20に示す電子部品60
は、図21に示すような、梯子型の回路を有するラダー
型フィルタとして用いられる。このとき、2つの圧電共
振子10a,10cは直列共振子として用いられ、別の
2つの圧電共振子10b,10dは並列共振子として用
いられる。このようなラダー型フィルタでは、並列の圧
電共振子10b,10dの容量が、直列の圧電共振子1
0a,10cの容量よりも大きくなるように設計されて
いる。
【0057】ラダー型フィルタの減衰量は、直列共振子
と並列共振子の容量比に左右される。図19および図2
0に示す電子部品60では、圧電共振子10a〜10d
の積層数を変えることによって、容量を調整することが
できる。したがって、圧電共振子10a〜10dの容量
を調整することにより、従来の圧電横効果を利用した圧
電共振子を用いた場合に比べて、少ない共振子数でより
大きい減衰量をもったラダー型フィルタを実現すること
ができる。また、圧電共振子10a〜10dのΔFが従
来の圧電共振子より大きいため、通過帯域幅も従来の圧
電共振子を用いたものより広いものを実現することがで
きる。
【0058】さらに、図19および図20に示す電子部
品60では、隣接する圧電共振子の2つの電極を同じラ
ンドにそれぞれ取り付けるため、隣接する圧電共振子の
2つの電極間で絶縁する必要がなく、隣接する圧電共振
子を接近することができ、小型化が可能である。
【0059】上述の各電子部品はチップ状に形成されて
いるが、この発明では電子部品はチップ状以外の形状と
することもできる。
【0060】なお、上述の圧電共振子10では、複数の
圧電体層14が交互に逆方向に分極されているが、複数
の圧電体層14の分極方向はこれに限らない。
【0061】また、上述の圧電共振子10では、基体1
2の長手方向における圧電体層14の各寸法ないしは隣
接する第1および第2の電極16,18間の各間隔が同
一に形成されているが、それらは同一に形成されなくて
もよい。
【0062】さらに、上述の圧電共振子10では、隣接
する第1および第2の電極16,18間において、1枚
の圧電体層14が設けられているが、複数枚の圧電体層
が設けられてもよい。
【0063】また、上述の各圧電共振子10では、外部
電極20,22に接続される第1および第2の電極1
6,18が交互に形成されているが、第1および第2の
電極16,18は交互に形成されなくてもよい。また、
第1および第2の電極16,18は、必ずしも複数ずつ
形成される必要はなく、1つずつ形成されてもよい。
【0064】図22はこの発明にかかるダブルスーパー
ヘテロダイン受信機の一例を示すブロック図である。図
22に示すダブルスーパーヘテロダイン受信機100は
アンテナ102を含む。アンテナ102は入力回路10
4の入力端に接続される。入力回路104は、アンテナ
102と後述の高周波増幅器106とのインピーダンス
整合を行い、希望波を選択する同調回路あるいはバンド
パスフィルタが用いられる。入力回路104の出力端
は、高周波増幅器106の入力端に接続される。高周波
増幅器106は、微弱な電波を低雑音増幅し感度を向上
させ、また、イメージ周波数選択度を改善するためのも
のである。高周波増幅器106の出力端は、第1の周波
数混合器108の入力端に接続される。第1の周波数混
合器108は、希望波と第1の局部発振波とを混合して
和または差の第1の中間周波をつくるためのものであ
る。第1の周波数混合器108の別の入力端には、第1
の局部発振器110の出力端が接続される。第1の局部
発振器110は、第1の中間周波をつくるための第1の
局部発振波を発振するためのものである。第1の周波数
混合器108の出力端は、第1のバンドパスフィルタ1
12の入力端に接続される。第1のバンドパスフィルタ
112は、第1の中間周波を通過するためのものであ
る。第1のバンドパスフィルタ112の出力端は、第2
の周波数混合器114の入力端に接続される。第2の周
波数混合器114は、第1の中間周波と第2の局部発振
波とを混合して和または差の第2の中間周波をつくるた
めのものである。第2の周波数混合器114の別の入力
端には、第2の局部発振器116の出力端が接続され
る。第2の局部発振器116は、第2の中間周波をつく
るための第2の局部発振波を発振するためのものであ
る。第2の周波数混合器114の出力端は、第2のバン
ドパスフィルタ118の入力端に接続される。第2のバ
ンドパスフィルタ118は、第2の中間周波を通過する
ためのものである。第2のバンドパスフィルタ118の
出力端は、中間周波増幅器120の入力端に接続され
る。中間周波増幅器120は、第2の中間周波を増幅す
るためのものである。中間周波増幅器120の出力端
は、検波器122の入力端に接続される。検波器122
は、第2の中間周波から信号波を得るためのものであ
る。検波器122の出力端は、低周波増幅器124の入
力端に接続される。低周波増幅器124は、スピーカを
駆動できるレベルまで信号波を増幅するためのものであ
る。低周波増幅器124の出力端は、スピーカ126に
接続される。
【0065】そして、この発明では、そのダブルスーパ
ーヘテロダイン受信機100において、検波器122に
上述の圧電共振子が用いられてもよく、また、第1のバ
ンドパスフィルタ112および第2のバンドパスフィル
タ118にそれぞれ上述のラダーフィルタが用いられて
もよい。このような受信機は、小型で、受信特性に優れ
たものとなる。
【0066】また、この発明では、シングルスーパーヘ
テロダイン受信機において、検波器に上述の圧電共振子
が用いられてもよく、また、バンドパスフィルタに上述
のラダーフィルタが用いられてもよい。このようなシン
グルスーパーヘテロダイン受信機も、上述したダブルス
ーパーヘテロダイン受信機同様、小型で、受信特性に優
れたものとなる。
【0067】
【発明の効果】この発明によれば、スプリアスが小さ
く、共振周波数と***振周波数との差ΔFが大きく、小
型化が容易であり、外部電極が断線しにくく、機械的品
質係数Qmが劣化せず、共振周波数の電圧依存性が大き
くならない圧電共振子が得られる。また、この発明にか
かる圧電共振子を用いて電子部品を作製する場合、チッ
プ型の電子部品とすることができるので、回路基板など
に実装することが簡単である。さらに、この発明によれ
ば、スプリアスが小さく、共振周波数と***振周波数と
の差ΔFが大きく、小型化が容易であり、外部電極が断
線しにくく、機械的品質係数Qmが劣化せず、共振周波
数の電圧依存性が大きくならない圧電共振子を用いた電
子部品および通信機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる圧電共振子の一例を示す図解
図である。
【図2】図1に示す圧電共振子に用いられる第1および
第2の電極を示す平面図である。
【図3】図1に示す圧電共振子を製造するためのマザー
基板などの一例を示す要部図解図である。
【図4】図1に示す圧電共振子を製造するための外部電
極などの一例を示す要部図解図である。
【図5】比較例としての圧電横効果を利用した長さ振動
をする圧電共振子を示す斜視図である。
【図6】圧電縦効果を利用した長さ振動をする圧電共振
子を示す斜視図である。
【図7】比較例としての圧電横効果を利用した拡がり振
動をする圧電共振子を示す斜視図である。
【図8】図1に示す圧電共振子に用いられる第1および
第2の電極の変形例を示す平面図である。
【図9】図1に示す圧電共振子において基体の中心軸と
第1および第2の電極の対向する部分の中心軸とを示す
図解図である。
【図10】図8に示す第1および第2の電極を用いた圧
電共振子において基体の中心軸および中心点と第1およ
び第2の電極の対向する部分の中心軸および中心点とを
示す図解図である。
【図11】図1に示す圧電共振子に用いられる第1およ
び第2の電極の他の変形例を示す平面図である。
【図12】図1に示す圧電共振子に用いられる第1およ
び第2の電極のさらに他の変形例を示す平面図である。
【図13】図1に示す圧電共振子に用いられる第1およ
び第2の電極のさらに他の変形例を示す平面図である。
【図14】図1に示す圧電共振子に用いられる第1およ
び第2の電極のさらに他の変形例を示す平面図である。
【図15】図1に示す圧電共振子に用いられる第1およ
び第2の電極のさらに他の変形例を示す平面図である。
【図16】図1に示す圧電共振子に用いられる第1およ
び第2の電極のさらに他の変形例を示す平面図である。
【図17】この発明にかかる圧電共振子を用いた電子部
品の一例を示す図解図である。
【図18】図17に示す電子部品において圧電共振子の
取り付け構造を示す側面図解図である。
【図19】この発明にかかる圧電共振子を用いたラダー
型フィルタの一例を示す要部平面図である。
【図20】図19に示すラダー型フィルタの要部分解斜
視図である。
【図21】図19および図20に示すラダー型フィルタ
の回路図である。
【図22】この発明にかかるダブルスーパーヘテロダイ
ン受信機の一例を示すブロック図である。
【図23】従来の圧電共振子の一例を示す斜視図であ
る。
【図24】従来の圧電共振子の他の例を示す斜視図であ
る。
【図25】この発明の背景となる積層構造の圧電共振子
の一例を示す図解図である。
【図26】図25に示す圧電共振子の外部電極の表面に
導電性樹脂層を形成した状態を示す図解図である。
【符号の説明】
10 圧電共振子 12 基体 14 圧電体層 16 第1の電極 18 第2の電極 20,22 外部電極 60 電子部品 62 絶縁体基板 64 凹部 66,68 パターン電極 70 突起 72 導電ワイヤ 74 金属キャップ 90,92,94,96 パターン電極 100 ダブルスーパーヘテロダイン受信機 112 第1のバンドパスフィルタ 118 第2のバンドパスフィルタ 122 検波器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 川 守 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 井 上 二 郎 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向を有する基体、 前記基体の長手方向と直交しかつ前記基体の長手方向に
    間隔を隔てて配置される第1および第2の電極、および
    前記第1または第2の電極に接続され、前記基体の1つ
    の側面上において、前記基体の幅方向の中央より一端側
    および他端側に、前記基体の長手方向に沿ってそれぞれ
    形成される一対の外部電極を含み、 前記基体は、積層される複数の圧電体層を含み、 前記複数の圧電体層は、前記基体の長手方向に分極さ
    れ、 前記第1および第2の電極は、前記圧電体層において前
    記基体の長手方向に直交する面に形成され、 前記第1および第2の電極のうち前記一対の外部電極の
    一方に接続される第1の電極は、前記基体の1つの側面
    の前記一対の外部電極の他方が形成される部分には露出
    しないように形成され、さらに前記第1および第2の電
    極のうち前記一対の外部電極の他方に接続される第2の
    電極は、前記基体の1つの側面の前記一対の外部電極の
    一方が形成される部分には露出しないように形成され
    る、長さ振動を励振する圧電共振子。
  2. 【請求項2】 前記一対の外部電極が形成された前記基
    体の側面の幅方向略中央部に、前記基体の長手方向に沿
    って溝が形成され、前記一対の外部電極は、この溝で隔
    てられた前記基体の側面の一方側および他方側にそれぞ
    れ形成される、請求項1に記載の圧電共振子。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の電極は、それぞ
    れ、複数形成される、請求項1または請求項2に記載の
    圧電共振子。
  4. 【請求項4】 さらに、前記基体の長手方向のほぼ中央
    部に配置される取付部材を含む、請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載の圧電共振子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の圧電共振子を用いた電
    子部品であって、 表面に電極の形成された基板上に前記取付部材を介して
    前記基体を取り付けるとともに、 前記基板上に前記基体を覆うようにキャップを配置した
    ことを特徴とする、電子部品。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の圧電共振子を用いた電
    子部品であって、 表面に電極の形成された基板上に、ラダー型フィルタを
    構成するように複数の前記基体を前記取付部材を介して
    取り付けるとともに、 前記基板上に前記基体を覆うようにキャップを配置した
    ことを特徴とする、電子部品。
  7. 【請求項7】 検波器を有する通信機器であって、請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧電共振子が前
    記検波器に用いられた、通信機器。
  8. 【請求項8】 バンドパスフィルタを有する通信機器で
    あって、請求項6に記載の電子部品が前記バンドパスフ
    ィルタに用いられた、通信機器。
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